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政府委員(野原正勝君) 任意共済の建物共済をめぐりまして、
共済団体と
一般農業協同組合との間においていろいろと問題があることは伺
つております。もともと建物の共済
事業というものの
農業経営の安定化のために危険をわかち合うという共済の精神を活かして行くものでありますが、これは米麦等のようないわゆる当然
加入というか強制的に
加入するものと内容は全く違いまして、飽くまでも任意に、好むところに入
つてや
つてよろしいわけでありますけれども、
共済組合のほうが先に米麦等の共済の
仕事をしておりました
関係上、
末端における機構が比較的充実整備されておつたというようなことのために、任意共済ではあるが建物共済の分はやはり
共済団体のほうが多く扱うような傾向があるというようなことであり、
従つて農業協同組合が当然扱
つて差支えのない又扱うべきであるところの建物共済の
仕事の大部分が、農協のほうで扱えないような事態にな
つておるというふうなことが生じましていろいろとお互いに問題があるように伺
つておるのであります。もとより共済制度といい
農業協同組合といい、ともに農村の振興のために最も重要な機関として私どもは共済
事業の円満なる発達を願うと同時に、又農民の自主的団体であるところの協同組合の育成強化に大いに期待いたしまして、
日本の農村の振興発展、農民
生活の安定と向上を期待しておるわけであります。これらの
共済団体と農協とがそういつた建物共済をめぐ
つていろいろと確執をするというふうなことは誠にどうも遺憾千万でありまして、一日も早くこれらの確執等が解消されて、真に農村のために健全な発達をして、それが相共に農村の民主化と農村の振興に役立つようにあ
つて欲しいものであるというふうに
考えておるのであります。
それで御
質問の両機関がそれぞれ健全に発達して行くことに対して
政府はどんなふうな
考え方かというお尋ねでありますが、
政府としましても
共済団体は
共済団体として、やはり今日の
段階においては
共済組合事業というものの
農業共済補償制度というものが存在します限りにおいては、やはり共済
事業というものを健全なものとしてどこまでも発達をさせたい。それでそれらの共済
事業の一面として建物共済のごとき
仕事がございますれば、それらは今の
段階においては
共済団体がや
つておるわけでありますがや
つてやれないことはない、当然
共済団体の
仕事としてやることは差支えないと思うのでありますが、
農業協同組合が非常に強化されて来ました場合におきましては、或いは建物共済その他の、まだ今日では余りや
つておりませんが例えば生命
保険事業といつたようなものまでこれは協同組合の強化されたことによ
つてせられますれば、そういう面までも協同組合というものが全国団体として扱うような
段階に将来なることも私どもは予想しておるわけであります。今日の
段階におきましては、協同組合も再建整備の
段階と申しますか、まだ十分その
仕事を完全に果すというようなところまで行
つていない協同組合も
相当ございまするので、事実上の問題としては、建物共済を全面的に協同組合だけで扱
つて行くというようなことも困難であろうかと思うのであります。この辺は漸次調整をして行きたい。これらの問題は
共済団体と
農業協同組合というようなものは現在の
段階において
一つにするというふうなことはなかなか困難なものである。又必ずしも
一つにすべきものではないと思うのでありますが、同じ目的に向
つて正しくこれが運営さるべきものであり、又それが正しく運営されて初めて農村の真の安定と発展が期待できるという点におきまして非常に密接な
関係もありまするので、将来とも十分愼重に考慮しまして、これらの団体の育成と強化、そうして又
事業面における調整を図るように
努力をいたしたいとこう思うのであります。