○
政府委員(清井正君)
只今御
説明申上げました中に、專門技術員と改良普及員につきましては、現にいたしておることでございまするけれども、
政令で定める資格を有する者でなければ專門技術員又は改良普及員に任用されることができないという規定を法律上一項目挿入れたい、こういうふうに
考えておるのでございますが、この
政令で定める資格と申上げますのは、
只今御
説明申上げましたいわゆる試験のことでございます。その試験に関しまするところの
政令案といたしまして、
只今私どもが
考えておりますことの大要を申上げてみたいと思うのでありますが、その第一は、專門技術員の任用資格の問題でありますが、
只今專門技術員は県の試験という建前にな
つておるのであります。実際は大体数ブロツクに分れまして、県と国が協力いたしてや
つておるのでございますが、御
承知のように專門技術員は
相当高級な技術を要することでありますし、それぞれの試験場に駐在いたしまして、国と改良普及員との連絡機関のような重要な
仕事に当
つておりまするので、この際県の試験ということでなしに、
大臣の行う試験というふうにこれを訂正いたしたいと
考えております。無論
内容に差があるわけではございませんが、この際県の試験というよりも、むしろ国全体の
一つの目で以て專門技術員というものを試験する必要がある、こういう建前からいたしまして、国の試験ということに変更いたしたい、こういうふうに
考えるわけであります。そうして
只今のところば全部專門技術員になりますためには資格試験に合格しなければならんということにな
つておりまして、何らのいわゆる例外がないのであります。一人残らず必ず試験に合格しなければならないということにな
つておるのでありますが、実情を見ますと、必ずしもさようなことではないのでありまして、非常に学識経験等、
相当有能な者と認めましても、試験を受けないために、惜しい人物を任用できないということがございまするので、この際
一つ試験を受けなくても適当な資格を持
つておる人は資格試験を受ける必要がないということをはつきり認定いたしまして、そういう者をも試験を経ずして專門技術員に任用いたしたいというふうに、新たに試験によらざるところの任用
制度を開きたい、こういうふうに
考えておるわけであります。そこでどういう者を一体任用するかということにつきましては、
只今のところでは旧制の大学なり新制大学において農業又は家政に関する学科を修めまして、それから卒業後最近において七年以上
一定の試験研究機関、又は学校において試験研究又は教員に従事した者ということを第一に挙げまして、学校を出てから七年以上国の試験なり或いは県の試験研究なり、或いは民間の大学等におきまして、試験研究機関の組織の中におきまして、研究なり教育に従事した者を先ず挙げたい。七年以上と
考えましたのは、これは大体学校を出まして七年くらい勤務いたした者が現在の專門技術員の大体の経歴の中頃
程度にありますので、この
程度の者を以て資格にしたらば適当かと
考えまして、七年以上といたしたのであります。それからその次は、仮に大学を出まして、直ぐに県の行政を担当する課に参
つたというような者がある、こういう例えば同じ学校を出ながら片一方は試験研究機関に行きました者、片一方は県の農業改良課、農務課に勤務した者、こういう者もあるわけでありまして、そういうふうに県の農業改良課なり農務課あたりに勤務いたしまして、技術に関する
仕事ですが、同時に行政に関する
仕事にタツチしておる、こういうふうな人
たちもこの際適当と認める者は任用しなければなりませんので、併しそういう人には七年という
制限を十年というふうに少し上げまして、そういう者をも資格試験を受ける必要のない者といたしたい、こういうふうに
考えます。なお又この七年と十年が相互にコンビいたしまして、或いは研究機関に三年、県庁の課に七年とか、そういうようなコンビをするような場合、その他いろいろな場合が
考えられますので、こういうふうに同等以上の学歴及び経験を有するものと
農林大臣が認めた者はこれも又よろしい、こういうふうに規定をいたしまして結局
一定の資格を持
つておる適任者はどしどし專門技術員に抜擢したい、こういう趣旨に出ておるわけであります。その次は改良普及員のほうでありますが、これは御
承知の
通り直接農民と接触いたしまして、改良の普及に従事いたしますときの普及員でございますが、このほうは大体現在
通り各県で行な
つておりまするところの改良普及員の資格試験に合格した者ということを
條件といたすのであります。但しこれにつきましても、
只今申上げました
通りのような、いわゆる資格試験を受けなくても資格のある者と認めた場合は例外的に認めようというように
考えておるのでありまして、その第一といたしましては、旧制大学或いは新制大学又は旧制の專門学校におきまして、農業又は家政に関する課程を修めまして、最近三年以上
一定の試験研究機関又は学校において試験研究又は教育に従事した者というふうに
考えておるのであります。このほうは三年以上というふうに
考えておるのであります。それから更に先ほど
説明したのと同様の趣旨から卒業後すぐに県庁の農業改良課、農務課あたりに行
つた者につきましては、五年以上、その両方のコンビを
考えまして、同等以上の学歴及び経験を有するものと
農林大臣が認めた者はよろしい、こういうような趣旨に出ておるのであります。尤もこの点は現行法においても規定があるのでありますが、現在よりも若干きつめにな
つております。と申しますのは、現在も試験を受けなくても試験を受けた者とみなし得る
制度をと
つておりますが、それは中等学校を出た者を応よろしいことにしておりますけれども、今回は中等学校はやめまして、少くとも專門学校を出た者というふうに
制限をいたしたい、こういうふうに
考えております。と申しますのは、本年までは大体改良普及員の充員のほうに重点がございましたが、大体充員もできましたし、今後は更に更に質の向上について
考えたいと思
つておりますので、若干その試験以外の任用において
制限をいたしたい、こういう趣旨から出ておるわけであります。
それからあとは
経過規定といたしまして、この
政令を
施行する際に現に任用される資格を持
つておる者はこの
政令によ
つた資格を持
つておる者と認めるというふうに
考えるということと、先ほど申上げた專門技術員試験を今度は国の試験にいたしますので、昭和二十七年度において府県知事の行うところの專門技術員の資格試験に合格した者はその資格を有するものというような
経過規定をここに驚きまして、万全を期したい、こういうふうに
考えておる次第でございます。