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委員外議員(森八三一君) 山崎
委員その他から詳細な御
質問もあり、
農林行政には特別に御精通にな
つておられます
政務次官から非常に詳細な御説明までありましたし、貴重な時間でもありまするので、二、三の点について希望を述べて
政務次官の御所見をお伺いしておきたいと思います。
最初に現在の
食糧事情、更に非常時を考えますることはどうかと思いますが、そういうような場合を考える場合に、いもの持つ
役割は非常に大切だからこのいもの
生産増強については全力を挙げて善処をしたい。その
一つとしていもの
価格については、十分
生産が可能であるがごとき姿にこれを対処して行きたいという御
見解の表明がありまして、甚だ意を強くし、感謝をいたしておるのでありまするが、そこで
一体現在の経済
事情下におきまして、次官のおつしやる
価格の面からいもの
生産を
維持、増殖して行くという
方針を具体化する場合に、いもの
価格を
一体どうお考えにな
つているかということを
一つ先ずお伺いいたしたいのであります。我々が聞いておるところでは、対米価比率からこれを求めますると、現在の七千三百円の米価に対しましては、おおむね一貫目のですの
価格で、甘藷で申しますれば二十八、九円程度になると承
つております。これを本年度の
予算に、
政府の示されておりまする明年度の
農業パリテイー指数二五五というものにおいて考えますれば、三十円強というような
価格になるのではないか。恐らく次官のおつしやいまする芋
生産を
維持増進して行くために、
価格的に十分考えて行こうとする狙いは、この程度の
価格を
基礎として考慮されておるというように私は理解いたしまするが、そういうことであるのかどうかという点が先ず第一であります。仮に三十円前後に芋の
価格を置いて、これを
維持いたしますることによ
つて、芋の
生産を更に増殖確保するということを考えまする場合に、お話にありましたように、砂糖の問題だけを考えるということだけでは、到底この問題の解決はできんと思います。思いまするが、砂糖の関連が重要な部面を占めておるということは否みがたい問題であろうと思います。それがために、農林
委員会におきましては全会一致を以ちまして、過日三
大臣に申入れをされ、その回答が出て参
つたわけであります。そこでその回答を
中心に先刻からいろいろ御質疑があ
つたのでありまするが、それに対しまして、
政府所有の砂糖は、これを市価に急激な変化を與えないように平均出荷をして行くのだ。更に海外から今後入
つて来るであろう輸入砂糖六十万トンに対しましては、極力外貨の割当等考慮いたしまして、これは又急激に厖大な数字が国内に搬入せられまして、砂糖
価格に影響をし、それが延いて水飴、澱粉等に惡影響を持たしめないように善処すると、こういうお話でありまして、この点よく理解はできます。できまするが、
政府手持の砂糖の放出を澱粉なりいも
価格が、水飴の
価格が
維持せられるようにまでお考えを願い、輸入する砂糖の数量についてもそういうお考えを持ち来たせる程度にまでお考えを願うということになりますれば……。今日の経済
新聞、
産業経済の報ずるところでは、ニユーヨークの砂糖市況が百七十一ドルということでありまするので、それから計算をいたしますると、相当の多額な利益を輸入のことに関連を持ちまする特別の商社と申しまするか、或る一定の業者だけが利得をするという結果にならざるを得ないと思うのでございます。そういうことは社会政策的に考えましても好ましい姿ではないと思います。とい
つてそれが自由に放任されますれば、安い砂糖が入
つて来て困るということで、我々がお願いを申上げており、希望をしておる澱粉なり水飴の
価格に惡影響があり、延いていもに及ぼすと、こういうことでありますので、この辺の
調整をうまくや
つてもらわなければならんと思うのであります。それがためにこれは変な
質問になるかも知れませんが、次官の属しておられまする自由党では、すでにこういうことを十分御研究になりまして、我々が最も好ましいと思われるような
対策をして、砂糖の
統制を廃止するということはよろしかろう。併し
統制が外れても特別会計を存置して、その運営によ
つて価格の
調整維持をするのだということを決定をせられておるのでありまして、若しそういうような方途が講ぜられるといたしますれば、今申しましたように水飴
価格に好影響を結果するようなことが行われつつ、特別な利得が特別な方面に與えられないという結果が生じ、それが
一つの財源とな
つてしばしば皆様がらも御
質問があり、すでに廣川
農林大臣も確言をせられており、水飴の物品税等が財源の問題で困難であるとすれば、そういう問題をも解決し得るという結果が生まれるのであ
つて、いわゆる一石二鳥の効果を狙うことになると思いますが、そういう点について
一体どうお考えになるかという点を第二にお伺いをして見たいと思うのであります。
第一の点は、いもの
価格を
一体どこに考えておやりにな
つておるか。第二の点は、いろいろ御心配願
つておりますることは全く理解できます。できまするが、御心配にな
つていることを端的に行な
つて行くといたしますれば、そこに経済
事情としては変な
関係が巻起
つて来はせんか。そういうことでは困るので、それをうまく防いで行くためには、かねてお考にな
つているようなことを具現して頂くことは非常にいいことではないか。もつと端的に申しますれば、実質的には或る程度の
統制を保つということになるかも知れません。形式的には
統制を廃止するというような
対策がとられて然るべきではないかというように思いますが、そういう点についてどういうようにお考えにな
つておりまするか。その点を
一つお伺いをいたしたいと思います。
それから現在の手持の澱粉約五千万貫というものをこの際処理するのは、当面の
対策としては非常に好ましいというお話が皆様からございました。それで
一つの方策として小麦粉に混入するような方法を
一つ考えて見たらどうか。そして次官は、非常に結構な話であるので、十分研究して善処したいということでありますが、現在の澱粉の
価格から申しまして、そういうことが可能であるかどうか。私も十分研究は済んでおりませんが、焼酎原料等に使うということになりますれば、その際現在でも我々の要求する澱粉二千五百円程度を
維持するということにおいて、その工業は十分成立
つて行くとこう思うのでございます。而も焼酎はその要求する面というのは澱粉を要求するのでございますから、澱粉を当てがうということは非常に好ましい姿だと思います。ただ併し澱粉アルコール工業だけを真直く見て行けば、加工したものを使うよりは生のものを使
つたほうが採算はいいに違いありません。違いありませんが、引合わんということになりますれば、又この際相当な勧奨を願いますれば、引合
つておる焼酎製造等に一千万貫程度のものを消費せしめるということは、採算上も不可能の問題ではない。殊に酒類の醸造は免許制度でもあるわけでありますが、
政府の勧奨は相当威力を発揮し得るのではないかと、こう思いますので、そういう点について御善処が願いたいという点を第三にお伺いしたい。
第四は、先ほど金融問題で切実な問題があり、今後は善処するというお話がありましたが、この問題は二月七日に廣川
農林大臣にお会いいたして、時間的に非常に切迫しものであります。というのは、現在澱粉は大部分でき上
つてお
つて、この澱粉を金に換えなければならん
段階に入
つておる。そのときに山崎
委員からもお話がありましたように、農林中央金庫から日銀の斡旋によ
つて商工中央金庫に五億八千万円の金が融資されておる。その五億八千万円の金がもう遠からず回収の時期に入
つている。その相当部分は、二月末で回収期限にな
つているのであります。若しこの商工中央金庫から業者に融資されておる金の返済が順調に行かんということになりますれば、明年の澱粉製造に非常な支障を来たすということになりまするので、商工中央金庫としては是が非でも農林中央金庫に返済しなければならん。返済しなければならんものは、商工中金の現在の実力をも
つて回收をしなければならんというはめに追い込まれておるというために、結局業者から回収するということを非常に強く追られておる。そうなりますると、我々は
政府の施策の推進を期待しつつ、この際できるだけ我々業者自体において投げ売りをして、みずから
価格を崩壊せしめていくというような愚はとりたくないというようなことで、平均売りを奨め、
関係農業協同組合におきましても、工業協同組合におきましても、そういう気持で対処願
つておるのでありますが、資金の引合いで非常に急になりますると、そういうような我々の民間においてでき得る力でやろうとしておる
価格対策というものは、おのずから壊れて来るという結果になり、現にそういう兆候が見えつつあるのであります。そこで
農林大臣は今日にも
日本銀行へ行
つてすぐ
一つ話をして、君の言うことは尤もだから、一応対処をしようというような、これは私的会見でありますがお話がありまして、私はその点を非常に心強く期待もし心待ちをいたしてお
つたのでありまするが、今日まで具体的なそういうような現われがちつとも出ておらんということを非常に遺憾に存ずるのであります。この問題は今後研究してどうこうという問題でなしにもう時間の問題でございまして、これは急速に
一つ解決をしてもらわなければならんと思いますが、どういうふうに
一つ具体的にお取運びが願えまするか、その点をお伺いいたしたい。
第五には、先刻糊の問題でございましたが、実際糊用として現在かなり相当数量が輸入をされておるのでございます。而もそれが糊に使われておるならばこれは一応問題はありませんので、そのために外貨を使うことはよかろうと思いますが、糊と称して輸入をしてそれが綿布製造の工場から逆に水飴工場に流れて、それが国内における澱粉を圧迫しておるという事実が存在していることは、
はつきり申上げていいと思うのです。ただどこの工場でどうこうということはここでは差控えますが、そういう事実のあることを申上げまして御善処を願うと同時に、今後むしろ糊用として輸入するがごときは、絶対に禁止をするということまで強くお考え願
つていいのじやないかと思いますので、それに対する御所見をお伺いいたしたいと思います。
それから最後に、物品税の問題で、これはまあ十分論議は盡きておるので下ございますが、消費税を現在は最終
価格のうちに二〇%くらい含むという計算になる。でこれ以上に上げることは如何かと思うというようなお話でございましたが、私
どもの計算によりますると、戦前における砂糖の最終
価格のうちに占めてお
つた税の額は消費税だけで三〇%以上に相成
つてお
つたと思います。今大蔵
当局のお話は消費税と今度値上げになる関税とを含めて、二一%ということでありました。戦前のそれに比しますれば、なお相当低位にあるということでありますので、戦前のそれと今日を比較しますのはどうかと思いますが、戦前と対比いたしますれば、なおこういう方面で加重いたしましてもそれは不当なものではないのではないか。それが及んで水飴、澱粉の
価格維持に面接貢献を及ぼすということであれば、具体的に御考慮を願
つてもいいんじやないか。それが財源とな
つて一方に要求される水飴物品税が廃止されるということが、一応この問題を解決する好ましい姿であると思いますが、こんな点はどうお考えになりますか。以上六点につきましてお伺いをいたしたいと思います。