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1951-12-12 第13回国会 参議院 農林委員会 第1号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十六年十二月十二日(水曜日)    午後一時三十九分開会   —————————————  委員氏名    委員長     羽生 三七君    理事      西山 龜七君    理事      片柳 眞吉君    理事      山崎  恒君    理事      岡村文四郎君           池田宇右衞門君            白波瀬米吉君            北村 一男君            瀧井治三郎君            宮本 邦彦君            赤澤 與仁君            飯島連次郎君            加賀  操君            溝口 三郎君            江田 三郎君            門田 定藏君            小林 孝平君            三橋八次郎君            鈴木 強平君            松浦 定義君   —————————————  出席者は左の通り。    委員長     羽生 三七君    理事            片柳 眞吉君            岡村文四郎君    委員           池田宇右衞門君            白波瀬米吉君            北村 一男君            瀧井治三郎君            宮本 邦彦君            赤澤 與仁君            飯島連次郎君            加賀  操君            門田 定藏君            小林 孝平君            三橋八次郎君            松浦 定義君   政府委員    農林大臣官房長 塩見友之助君    農林省農政局長 東畑 四郎君   事務局側    常任委員会専門    員       安楽城敏男君   説明員    大蔵省主税局調    査課長     亀徳 正之君    食糧庁業務第二    部長      細田茂三郎君    通商産業省通商    企業局企業第一    課長      塚本 敏夫君   —————————————   本日の会議に付した事件 ○農林政策に関する調査の件  (調査報告書に関する件)  (企業合理化促進法案農林関係と  の関連に関する件)  (砂糖に関する件及び水あめ等の物  品税に関する件) ○議員派遣要求の件   —————————————
  2. 羽生三七

    委員長羽生三七君) それでは只今から委員会を開会いたします。最初にお諮りいたしますが、第十二国会閉会後引続いて調査を行なつて参りました農林政策に関する調査に関してでありますが、本院規則第五十五条によりまして、本調査報告書を議長に提出しなければならないことになつておりますので、この件に関してはまだ調査が終つていないということで報告することとし、その手続及び内容を委員長に御一任願いたいと思いますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  3. 羽生三七

    委員長羽生三七君) それではさよう決定いたします。  なお順次御者名をお願いいたします。   多数意見者署名    池田宇右衞門  岡村文四郎     三橋八次郎  北村 一男     松浦 定義  加賀  操     飯島連次郎  赤澤 與仁     片柳 眞吉  瀧井治三郎     宮本 邦彦  門田 定藏   —————————————
  4. 羽生三七

    委員長羽生三七君) 引続いて議員派遣の件でお諮りいたしたいと思います。ちよつと速記をとめて。    〔速記中止
  5. 羽生三七

    委員長羽生三七君) 速記を始めて下さい。引続いて今国会に提出を予定されておる農林関係法律案について農林当局から説明を承わりたいと思います。
  6. 塩見友之助

    政府委員塩見友之助君) ポツダム宣言の受諾に伴い発する命令に関する件に基く農林関係諸法令措置に関する法律というのを今度の国会に提案する予定でおりますのですけれども、これは必ずしも年内に上げて頂く必要を今のところは持つておりませんのでございます。再開後にやつて頂きましてもよろしいのでございます。
  7. 羽生三七

    委員長羽生三七君) ちよつと速記をとめて。    〔委員長退席理事片柳眞吉委員長席に着く〕    午後一時四十七分速記中止    ——————————    午後二時二分速記開始
  8. 片柳眞吉

    理事片柳眞吉君) 速記を始めて。  企業合理化促進法案につきまして、北村委員から御発言要求がありますから……。
  9. 北村一男

    北村一男君 なかなかこの法文にはわかりにくいところがございまするが、これは或いは本委員会の問題でありませんから……、差当りお伺いしたいことは、第二条のこの法律において「事業者」とは、「工業、鉱業、電気事業ガス事業運輸業、」その他とここにございまするが、「その他政令で定める事業を営む者をいう。」この事業者にはあと法文を拝見すると、相当有利な恩典が与えられるわけでありますが、この工業です、一番初めに書いてありまする工業が「その他政令で定める事業を営む者をいう。」この二つの中にはこれは農業としても相当関係、関心が深いものがありますが、この中に農林業関係事業を包含されるお考えがあるかどうか、例を挙げてお示し下つても結構でありますが、どういう事業がこの工業の中に入るか、「その他政令で定める事業」の中に入るものを御説明願いたいと思うのです。
  10. 塚本敏夫

    説明員塚本敏夫君) 丁度今提案者中村議員通産大蔵安定合同委員会に出ておりまして、私が代りましてお答えいたしたいと思います。今の御質問、第二条の問題でありますが、これはちよつと誤解があるのじやないかと思いますので、ちよつと御説明いたしますが、第二条は単にこの法律で「事業者」という場合の定義を書いておるだけでありまして、この定義に言つております「事業者」が出て来ますのは、八条の産業関連施設の整備と、それから第五章の原単位のところだけに出て参ります。でありますので、第二条に定義しておりますところの「事業者」と申しますものは、この法律上は産業関連施設と、それから原単位のところだけの適用だということでありまして、別にここに深い意義があるわけではありません。ただ「政令で定める事業」ということを書いておりますのは、一応こういうような事業考えられますが、そのほかに例えば倉庫業とかそういうものが或いは産業関連施設原単位等で必要になつて来れば指定したいというだけのことでありまして、現在のところまだその必要性がないのじやないか、で現在は大体ここに掲げてあります事業だけでいいのじやないかと、かように考えております。で、なお御質問は第六条の関係の、いわゆる近代化施設減価償却特例のところに「政令で定める事業」というのがあります。この点にあるのじやないかと思いますので、その点につきまして簡単にお答えいたしたいと思います。なお今御質問がありました二条の工業にどういうものが入るか、これは農村、水産関係工業でありますれば、食品工業でありましても全部入るわけであります。この六条関係政令は現在、各省大蔵農林、厚生、運輸通産、そういつた各省関係がありますので、その各省から一応要求を出しまして、これは税収関係が非常に重要な問題でありますので、大蔵省中心になりまして協議をいたしております。それによつてこの業種がきまるということになると思つております。これにつきましては、いろいろどういう業種を入れるかということにつきまして御意見があるかと思いますが、それにつきましては、今申しましたように各省で現在協議をいたしてまだ決定的な業種が出ておらんという段階でございます。
  11. 北村一男

    北村一男君 大体御説明はわかりましたが、そういたしますと、まだどういう事業がどういう工業に入るかということは今各省研究調査をして、それから通産省なりその他責任官庁とお打合せになつて最後的に決定をなさるということになるのですかどうですか。その点もう一遍お聞きしたいと思います。
  12. 塚本敏夫

    説明員塚本敏夫君) その点は今申上げましたように、各省が一応協議をいたしまして、それに基いて政令を出すことになると思います。
  13. 北村一男

    北村一男君 大体わかりました。
  14. 片柳眞吉

    理事片柳眞吉君) 他にございませんか。
  15. 加賀操

    加賀操君 その合理化の目的というのですか、仕方というですか、産業別の、或いは基礎産業とか、或いは輸出、或いは輸入を図るとかいう、このどの辺にポイントを置いてあるのですか。
  16. 塚本敏夫

    説明員塚本敏夫君) この点は提案者から御説明なつたほうが適当かと思いますが、丁度おいでになりませんので、従来提案者から国会で御答弁になつておりますことを一応私から代つて説明いたしたいと思います。勿論提案者といたされましては、ここにも書いてありますように、機械設備等近代化する必要のある重要産業ということを書いてありまして、重要産業でありますれば、成るべく広く適用したいというお考えのようであります。ただこれはさつきも申しましたように、税収とも重要な関係がありますので、差当りはやはり基礎産業というものに重点を置いてやつて行きたいということで、現在のところ各省間でも又そういつた方針で、特に大蔵省等におきましてはそういう方針で進めておるのであります。
  17. 片柳眞吉

    理事片柳眞吉君) もう御質問ありませんか。速記ちよつとやめて下さい。    〔速記中止
  18. 片柳眞吉

    理事片柳眞吉君) 速記を始めて。それでは大蔵省調査課長が見えておりますが、先ほどの企業合理化促進法案につきまして重ねて御質疑を願います。
  19. 北村一男

    北村一男君 今通産省のほうからお答えを頂きましたが、その第六条、七条の減価償却特例、並びに固定資産税課税免除及び不均一課税、こういう中には、農林関係工業、若しくは政令で定める事業というようなものの中に農林関係事業が入つておりました場合には、やはりこの六条、七条の恩典を受けることができるのかどうか、そういうことにお考えになつておるかどうか、お伺いしたいと思います。
  20. 亀徳正之

    説明員亀徳正之君) 企業合理化法案では特殊の業種産業指定しまして、その特殊な産業についての又機械につきましても、特別に指定されたものについて今御指摘のあつた条項が適用されて税法上の恩典措置が講ぜられるのであります。従いまして若しも農林関係業種指定されれば勿論そういうことになります。併し現在どの業種はつきり指定するかということは、最終的にまだ結論が出ておらないという状況で、その点についてはちよつとはつきり申上げかねます。若しも指定されれば当然その適用はあるということは申上げられます。
  21. 北村一男

    北村一男君 この課税について指定するということは、これは大蔵省指定なさるのですか。業種指定したものについてお考えになるのですか、どうですか。
  22. 亀徳正之

    説明員亀徳正之君) 業種指定のついたものについて考えると申します前に、何がどういつた企業合理化、今日本においてどういつた業種についてこういつた税法の特典を講じてまで、一つ日本企業合理化を徹底的に推進するかということが実は基本的な前提になるわけでありまして、その条件にかなう事業ということが認定されましたものにつきましては、当然この法律恩典に浴し得るという形になつておるのであります。
  23. 北村一男

    北村一男君 するとこの指定大蔵省か、通産省か、どこか責任官庁指定しましたものにつきましては、当然こういう措置を講ずるということになりますか、どうですか。
  24. 亀徳正之

    説明員亀徳正之君) そういうことになります。
  25. 片柳眞吉

    理事片柳眞吉君) 他にございませんか……。  それでは次に砂糖放出澱粉工業及びいも栽培救済に関する件で岡村委員から御発言要求がありますから……。
  26. 岡村文四郎

    岡村文四郎君 今委員長お話になりました砂糖放出水飴澱粉のことでありますが、実は責任のある御答弁をお願いしたいというので大臣の御出席をお願いしたのですが、いろいろな都合があるのでおいでになれない、こういうことで実は甚だ遺憾に考えておりまするが、先ず農林当局おいでになつておるようですからお伺いしたいと思いますが、御承知のように砂糖がこの場合に放出をされることはわかつておりますが、非常に安い価格入札になつておるので、水飴業者、それに類する澱粉業者、これはやりにくいという程度でやつて行かれるようなら大した問題はないのでありますが、現状から見ますると殆んど全部が倒産をするようなことになりはしないかという心配を持つておるのであります。そこで若し本年そうなりますと、来年からのいも生産には一大支障があるわけでありますが、我々は大衆配給をする砂糖を高くせよという意見は持つておりませんが、一般家庭配給しまする砂糖は実に全量から見れば僅かな数量で、毎月割当てたものの全量が出ないで一般工業に廻つておるような実情であります。そこで現在払下をお願いいたしましても、目標数量から見ると実に少い数量払下になつておるようでありますが、砂糖が安くなつて砂糖を使う業者はそこでうまい利益をとる。その反面大事な水飴製造業者、馬鈴薯、いも作り農業者は非常な痛手をこうむることになつたのでは非常に困ると思うのですが、政府はこれは御存じのことだと思いまするから、それに対する何らかの方法をお考えになつていると思いまするが、先ずそれから一つお聞きしたいと思います。どうすればいいかということをお考えになつているところを先ずお伺いしたいと思います。
  27. 東畑四郎

    政府委員東畑四郎君) 砂糖水飴価格的にどういう関係にあるかということはなかなかこれはむずかしい実は問題であります。常識的に申しまして、砂糖価格というものと水飴価格というものが一定関係を持つものであるということは大体において言えるのじやないかと考えます。砂糖需給が或る程度緩和して参りまして、国際価格等との関係において砂糖値下りをしつつあることもこれは事実でございます。政府業務用払下如何ということにかかわらず一定砂糖価格が成る程度下りつつあるということも事実であります。従いまして水飴、それの原料である澱粉というものも非常な値下りをいたしましたことも事実であります。我々といたしましては砂糖水飴澱粉甘藷作という関係におきまして非常に影響のある、又農家経営にとりましても非常に重要なものでありますために、一面国民生活の安定という面は、やはりこれは政府としても堅持いたさなければならんのであります。無用な混乱というものは、これは避くべきであるという根本の趣旨を以ちまして事態の安定を努めて図るための努力を実はいたしております。ここに又砂糖払下問題につきましては、第二部長もおられますけれども、どういう形においてこの最近における問題を解決するかということにつきましてはつきりとこれ又申上げる時期になつておりません。根本的には水飴価格澱粉価格甘藷価格砂糖価格というものが非常に均衡を得てないということは事実でありまして、こういうものを砂糖中心にしまして徐々に均衡を図るということが大事であります。そういう過程における大なる変動というものは成るたけ緩和して行くということがこの際妥当ではないかという方針を以て検討を進めておる次第であります。
  28. 岡村文四郎

    岡村文四郎君 何らかの対策を立つべきだというつもりで検討をなされておるというお話でありますが、実は徒らに相剋摩擦を起させてはいけない、その通りであります。ところが現在もう今の段階では私は水飴業者にせよ、澱粉業者にせよ、農家も出血しないで済むということには考えておらない。必ず十貫当り四百円見当で買つたさつまいもで製造して、今の状態で出血しないで済むとは考えておりませんが……又農家が三〇%の手持を持つているようであります。今まで買取りになつて製造されたそのいも代金も、若しこれがこのなりで行きますと、恐らく払いたいと思つても払われんところまで実は行くのじやなかろうか。そうすると非常な農家打撃を与えるので急速に方法を講じなければいかんのですが、現在砂糖払下をしようというその方針は余りにも何といいますか、先のちつとも見えないようなことでやつているのじやないか知らんと思うのです。昨日実は農林省から来てもらつて話を聞きましたが、これは砂糖甘味ばかり考えているので、ほかのものは何も考えておらん。甘味がうまく行くということだけしか考えておらんというので、理論にならんので何にも聞かなかつたのでありますが、食糧庁としてもこれを砂糖を今まで競売をやつたのですから、そのままでやつて行くとどうなる、そうすると水飴が非常に困る、水飴が困れば澱粉が困るということは議論の余地のないことでありますから、砂糖をなにも安くしてはいかんという考えじやありませんが、そうすると大事な生産業者倒産をしてしまう。あとは非常に困る。現在六十万トンぐらいの砂糖日本のいろいろなものを賄う。それでは足りないが、そのあと水飴、或いは国内の葡萄、そういうもので賄うつもりでやつておるようでありますが、それもやりたくてもやれないということになると思うのですが、食糧庁のほうではどう一体お考えになつてくれてやつておるのか、今後もやろうとしているのか、一応お聞きしたいと思うのであります。
  29. 細田茂三郎

    説明員細田茂三郎君) 食糧庁としましては、別に砂糖を安くするためにいろいろな操作をしたいという考えは毛頭持つておりません。ただ砂糖につきましては漸次輸入が順調になつて参りまして、数量的に申しますと大体、日本国内甘味有効需要というものとほぼ一致する程度に来ておるわけでありまして、そういうことで適当な時期には、現在やつております家庭用配給をも外しまして、自由にするのがいいのではないかというふうに考えておるわけであります。  そこで大体先般十月から家庭用以外のものの入札制度を実施いたします際に、政府として内々予定をいたしましたのは、四月以降おおむねすべての配給統制というものを外してしまう、それから輸入につきましても現在は御承知のように、政府がすべて食管会計で買うておるわけでありますから、配給統制を外すのにマツチいたしまして、輸入につきましても民間輸入に切替えて、本当の自由な姿に持つて行くというような形に、方針が大体きめられておるわけであります。そこで我々といたしましては、価格の安定をやはり考えなければならないわけでありまして、今後三月まで引続き業務用砂糖につきましては入札払下をして行くわけでありますが、大体私どもの見通しとしては順次階段を下りるように、仮に四月に全部が自由になりました際に、あるべき価格程度に順次安定をしたところへ持つて参りたいというふうに考えて、大体私どもの予想しているような方向に、砂糖価格というものは入札を通じまして、そういうふうに順次下降をして来ているわけであります。これは決して私ども数量を、安くするために余計ダンピングしてそういうふうにするとか何とかというのではありませんので、大体月間需要を二万トン内外というふうに踏みまして、その程度のものを一定期日入札に付しているわけであります。そういうことでありますので、特に私どものほうが価格操作をするために、価格操作といいますか、砂糖価格を低くするためにやつているという意思は毛頭ないのでありますけれども砂糖配給統制というものを今後ずつと永遠に続けるということでありますれば、これは別でありますけれども政府方針のように砂糖というものは所詮自由にするのだということでありますれば、自由になりました暁に、当然あるべき大体の価格水準に、やはり落ちつくように行かざるを得ないのでありまして、それをいつまでも人為的に砂糖価格を釣り上げておくということは、これは今申しますような統制前提にして数量の抑制でもいたしますれば、これは別でありましようけれども、そうでない限りは当然そういう、今あるべき水準になつて参るのが、むしろ自然なことでありますので、ただ一時非常に高かつた砂糖が漸次我々の予定価格に落ちついて参りまして、今日ではついこの間落札をいたしました結果を見ましても大体政府予定価格にすれすれのところで落札をしておるようなことでありまして、先般やりましたのと、その前やりましたのと殆んど価格においては大した動揺がない、つまり相当安定した価格で取引がなされるようになつて来ておるということでありまして、曾つて高かつた当時の砂糖価格というものを基準にして、今後の砂糖価格というものを御覧になるということはこれは非常に無理があろうかと思います。従いまして水飴に対する影響、延いては間接的にいも作り農家に対する影響というものが目先きに出ていることは我々も十分承知しておりますけれども、併し今後ずつとそれじやそういうことを維持するために、砂糖配給をずつと抑えて行くというのはこれは長く実施できるものでもありませず、又私どもとしては特に先ほども申しましたように、価格を安くするために特に多く出すとかいうようなことは毛頭やつておりませんので、これは落ちつくところに落ちつくということでありまして、どうしてもいも対策としましてはそういう方向ではなくて、もつと別の角度からの、いもそれ自体に対する救済と言いますか対策というものが考えられなければならない、食糧庁としてはそういうふうな考えでやつております。
  30. 岡村文四郎

    岡村文四郎君 私は何も砂糖を安くしてはいかぬということは述べておりません。下ることは一般大衆によいことであつて、それは述べておりませんが、砂糖国際市場価格に鞘寄せをさせるというので、大体輸入価格にマツチしたような価格に下つて行くことは当然で、何も不思議でも何でもない。それに対する措置を一体どうせられておるかということをお聞きしておるのであつて、どうも、何でもそうなんですが、措置考えないでやるものですから非常に困る。ところが今食糧庁のお考えはこうだというお話がありましたが、食糧庁はこれは現在でも食糧を買入れ、或いは配給する大事な役目を持つておりますが、それには先ず以てこれをこうしたらどうなるかということを頭に置かれておらぬような食糧庁の施策では困るので、これは農政局長もおりますが、立てつつあるというのではいかぬのであります。やつたらこうなるのだ、ぱつと変るのでなければ非常に困ると思うのであります。そこでいよいよ死んでしまつてから機らいい注射があつてお話にならないので、死なないうちにちやんとそれを準備して置かれることが、病人ができればこれを注射をするという、こういうのでないとやつてしまつてこうなると、これはきまつたことである、不思議なことじやない。業者のかたがたも呑込みが悪かつたと思うのですが、我我もまあ公定価格と闇の中間ぐらいの価格になるだろうという食糧庁報告も、お話しがありましたが、その程度考えておつたのでありますが、その点なお安くなることは何もそれが悪いとは決して考えておらぬし、申しておりません。そうすると水飴澱粉、百姓のそれを一体どう持つて行つて、この打撃を切抜けて行くかということが問題でありますが、これは局長が案を立てつつあるということでありまするが、立てつつあるのじや困る、私はなんぼでも方法があると思う。それでそれをもう少しこういう方法考えておるということを一つお聞きしたいと思うのです。
  31. 東畑四郎

    政府委員東畑四郎君) 只今こうだと業務第二部長が申しましたように、砂糖需給の不安定から異常に高かつたのが、需給が緩和されて参りますと同時に、非常に国際価格に鞘寄せしてだんだんと下りつつある方向にあることは事実であります。一貫目四百円というお話がありましたけれども、私はそれほどとは実は考えておらないのです。その前提に立ちました場合に、そういう一つ国民生活の安定に達する過程においてすでにいろいろな業界なり、農民のほうの不安定なり、価格が非常に高かつた場合のひずみというものが出て参るのであります。そういうことを急激にやりますと、これは一つ混乱になるのであります。水飴業界におきましても、澱粉業界、又農民いも作農家におきましても、相当価格値下つて来るという前提にこれを対処することが根本だと考えますので、過渡期におけるひずみというものは、十分慎重に、急激な変動のないような形で価格安定に持つて行くことが目的だと思います。そういう過程における払下方法、或いは入札価格、いろいろな問題等につきましては、なお食糧庁とも目下大いに検討を加えつつあるわけであります。
  32. 岡村文四郎

    岡村文四郎君 お話を承わつておるのじやないのでありまして、どうしてやるのかということに対して、まだ何も案がないようでありますが、それでは非常に不安でいけないと思います。早急に案を立てる。立てつつあるでは困る。それで食糧庁のほうでも砂糖をむやみに安く売つて買溜業者をどうするとかいうことのないように、水飴のこともあつて間に合つているから、そこらのところを頭に入れて、そうして農政局なり関係当局と相談をして売り出さなければ……。今やつて、第一回の払下をやつてわかつておる、ちやんと……。これはいけないと、こうすればこうなるという案が立つているのでなければいけない。今の政府は何でもそうです。無定見なことをやつて、そうしてこういうことを出しておつたのではいかんと思うのです。これはそうすることがあなたがたの責任でもあり、役目である。そういうことをやつてもらつて仕事をしてほしい。そういうことをしないなら何も政府は要らない。どうしてもこれは早急に案を立てなければならんと思うのですが、農政局ばかりじやいかんと思うから、食糧庁のほうでも早急に……。全然出血のないということはできぬと思います。これは飴業者澱粉業者農家のかたも全然傷を受けないということは、現在の考えで見るとこれは到底できないことだと思います。継続してやれるような方法が立つておらない。いもはどうでもいいのだ、大事なことは来年からどうするかということだ。百姓の作るいもはどうでもいいかどうか、その考えかどうかそれを聞きたい。方法が立ちますと、こういう返事ができるかどうか、立てようと思つているじやいけないのです。
  33. 東畑四郎

    政府委員東畑四郎君) 甘藷、馬鈴薯につきましては、我々の見ておりますところでは、澱粉その他各方面の用途等がございますし、又食糧としてもこれは無視できないものでございます。従いまして、農政局といたしましても、これが生産につきましては重要な関心を持つているのであります。ただ価格関係につきましては、他の農産物価格との均衡を図つた形において、やはり生産を増強して行くということが大事だと考えます。徒らなる価格変動的な形における増産ということは、我々としてはとらざるところであるというふうにお考え願いたいと思います。後の対策等につきましては、十分今の御意見等も参酌いたしますことは勿論でありまして、食糧庁と打合せまして、早急に何らかの御返答ができるような措置考えて参りたいと思います。
  34. 岡村文四郎

    岡村文四郎君 僕ばかりしやべつてつてもいかんと思いますから長うなつていけませんから、後にまだおられると思いますから、そのほうへ……。
  35. 飯島連次郎

    飯島連次郎君 砂糖値下りによる澱粉工業への大きなはね返りは只今食糧庁お話がありましたが、だんだん国際価格に鞘寄せをする、それを成るべく政府の既定の計画のコースを徐々に辿らしめつつあるというお話でありますが、どうも我々農業生産者の立場から考えましても、戦前に約八億万貫の生産があつた甘藷が、戦時中の非常事態を一つの大きな奨励の契機にして、只今十七億万貫、約倍以上に飛躍生産をして参つたこのいもに対して、只今砂糖の圧迫による澱粉工業への大きなはね返りは、私は今のこの飛躍的な生産に対しては一大致命傷を与えると考えるのであります。いもの増産は、これは単なる食糧の理由のみでかかる発達をして来たのではなくして、その生産されたいもの市場に販売されておる数量の、少くとも三、四割は澱粉工業、この農村工業のうちの基幹をなす澱粉工業の裏付によつていもの増産が結果されて参つたのであります。このいも中心にする澱粉工業只今もう四苦八苦と申しますか、年末を控えて恐らく手を挙げざるを得ないという現況に追込まれておるのを、これを政府が財政上の理由か知りませんが、それだけの理由を以てかかるこの砂糖政策を強行されようとすることは、まさに澱粉工業を壊滅せしめて、そうして延いてはいも作の農家に、そうして折角非常事態に備えるためにこういう大きな力を入れて増産をさせて来たいも作の上に、私は回復のできない大きな傷を与えることを実は恐れるのであります。こういう見地からいたしまして、この只今の当面しておる砂糖に対する我々国会政府としての処置は、緊急の対策と恒久の対策とがあろうかと考えるのでありますが、そのうち私は先ず食糧庁のほうにお尋ねしたいことは、緊急対策について、つまり飽くまで既定計画に基いて砂糖は四百円を大体目途にして、今の既定方針通り、逐次いも作農家澱粉工業がどういう事態に追詰められようとも、そういうことは頓着なしに遂行されようとするのかどうか、その点を先ず……。
  36. 細田茂三郎

    説明員細田茂三郎君) 既定計画というようなことを私申上げて、少し誤解を招いておるようでありますが、実はその既定計画というものが、非常に砂糖の実需者の団体とか、砂糖の卸の連中からは非難攻撃を受けておるのでありまして、ということは高過ぎるということなんです、その高過ぎるということが由つて参りましたゆえんは、御承知と思いますけれども、十月以降業務用砂糖入札に付します際に、特別の消費税をかけて政府が財源を吸収するか、それとも食管会計で高く売つて政府財源をとるか、いずれにしてもとにかく砂糖を財源にして三月までに五十億程度を調達せいというのが、大蔵大臣考えであつたわけであります。そこで従来そういう政府方針に従つて高く売るということを決定しなかつたならば、当然今日よりもつと安く落札するという結果になつておつたろうと思います。ところが今申しましたように、財政的な一つの観点から砂糖というものが財源の一つにされまして、そうして政府は大体十月から三月までの間に九万トンばかりの業務用砂糖入札に付することによつて、五十億程度の財源を、黒字を出すということで、こういうことで我々が作りました予定計画というものは、大体砂糖のそういう実需者或いは商人が目安にした価格よりもずつと高いものであつたわけであります。そこでこれが非常に国会等でも非難になりまして、私どもは実需者の関係のほうの代弁をなさるかたがた、或いは御売商あたりの代弁をなさるかたがたからも随分非常な非難を受けまして、けしからんということを何度責め立てられて来ておるかわからんという実情であります。今日価格が安い安いとおつしやいますけれども、そういうふうな特別なことがなければ、当然あるべきところへ行きつつあるというのが、むしろ砂糖関係者の一致した見解なんであります。ですから私どもは別に先ほど申上げましたように、砂糖を特に安くしようという努力は一つもしておらないのでありまして、むしろそういうことで成るべく政府財源を五十億というものを目当にしまして、本当ならばもつと低かるべきものを或る程度高く売つておるという実は結果になつておるわけであります。そこで先ほど私どもはただ砂糖を売りさえすればいいということで、いも作りのことをちつとも考えていないというお叱りを受けましたけれども、実はそう思つておりません。思つておりませんけれども、曾つていもの出盛り期にいもの手当をなされたかたがたが、そういういろいろやつておられる当時の価格というものは、これ又当然非常に高いものであつたわけであります。これが先ほど申上げましたように、政府方針で漸次十分持つて行くということになりまするなれば、所詮砂糖価格というものは下つて来る、それに対応しまする途としましては、砂糖それ自体から言えば、結局輸入税の増徴の問題であるとか、或いは消費税の増徴の問題であるとか、そういうことに当然なつて行くだろうと思います。そこで今後の問題として、仮にいもを保護するためには、砂糖は相当高くしなければいかんという若し結論でありますれば、今後そういつた輸入税とか消費税という問題が起つて来ざるを得ないのじやないかと思います。これは私ども聞いておりますけれども大蔵省としましては、来年の四月から仮に外して砂糖が自由になれば、更に消費税等を増徴したいという案を練つておるやに聞いておりますけれども、そういつたような問題が絡んで来るのでありますが、我々更にこれ以上砂糖価格を高く釣り上げて置けということを言われましても、これは今申しましたように、半面においては又そういつたあれもありまするし、それから又消費者のことを考えましても、徒らに高くいつまでも釣り上げて置くということも、これも長続きする政策ではないと思います。その辺をお考え下されば、私どもも実は、さつき岡村先生から何も対策がないじやないかということをおつしやるのですけれども、その辺を非常に心配いたしますので、数量等ももつとたくさん出せとか、或いはもつと安くしてくれという非難を受けておりますけれども、今までの既定の方針に従つて、まあ叱られてもそのままでやつて来ておる、こういう消極的な一つの頭においた方法をやつておるつもりなんであります。
  37. 飯島連次郎

    飯島連次郎君 砂糖の見通しにつきましては、非常に食糧庁としても苦しい立場は、私どもも理解できます。ただ只今計画しておる価格が、決してこれは安過ぎるのじやない、むしろ高いという非難さえ受けておるのだから、これは極めてまあ自然というか、あり得る価格であろうというふうなお答えでありましたが、だとすれば、この砂糖が如何に澱粉或いは水飴を通じていも作農家いも価格にはね返るかということは、食糧庁である限り私はもう計画を立てられる前から御承知のことだつたと思う。そういうことを恐らく承知しておられるとすれば、一貫目当りこういう価格澱粉工場、特にその大半は農業協同組合が経営する澱粉工場が買入れて、そうして而もその製品が漸く市販にこれから出廻ろうとする矢先に、こういう矢つぎばやの業務用砂糖入札を通じてのこれが圧迫、はね返りを黙視するということは、私は政策として少し不親切じやないか、少くともこれが通産省のとられる処置ならいざ知らず、農林省がこういう処置をとられるということは、今になつて承知されたはずはないと思う。計画の初めには全然そういうことを、砂糖価格の今日のごとき推移ということについては十分今のお答えでは承知の上の処置だと私は聞きとつたのでありますが、御承知なかつたのですか、その点を明らかにして頂きたい。
  38. 細田茂三郎

    説明員細田茂三郎君) 我々もいろいろ、それはこういうことをやることによつてどういうことになるかということを考えておりましたので、影響があるであろうことはこれは承知しておりました。併しながらそれじや価格が現実のように必ずこうなつて、而も数量もこんなに売れないとかいう、そこまでの見通しが我々にあつたわけではありません。ありませんが、併し漸次砂糖価格というものはとにかく下降して行くであろうということは当時から予想しておつたわけであります。
  39. 飯島連次郎

    飯島連次郎君 これはこれ以上申上げても無駄でありますから、もう一つお伺いして私は質問を打切りますが、安い高いはこれは客観的の立場で違うと思いますが、只今の大体澱粉工場で仕入れておる価格は、十貫匁について大体四百円内外の現状が平均価格だと私は承知しておりますが、仮に砂糖水飴等に対する価格の対比を五〇パーセントと仮に抑えて、現在の砂糖価格を一貫匁六百五十円と仮定をすれば、それを逆算して、いも十貫匁に直すと二百八十一円ということになる。そうすれば優にこれだけでも現在の価格を以てしてもなお且つ少くとも百二十円ぐらいの損失がいも十貫匁についてすでに起つて来ておる。その総額が約三十億と推算されておりますが、こういう当面の問題をこれは何としても澱粉工場並びにこれに関連する製袋、或いは葡萄糖などの工業、これを経営するのは、その恐らく半分以上、過半数が協同組合による農村工業でありますが、これはもう年末年始を控て何としてもじつとしておれない、潰れるかどうかという瀬戸際に追込まれておりますだけに、これが対策、緊急の処置を講じなければならないと考えるわけでありますが、この点に関しては食糧庁長官にお尋ねをするのが至当かと考えますが、こういつた当面の処置について私どもの乏しい頭で考えるところでは、これはどうしても黙視するわけには参りませんので、入札数量を急激に増加を避けるということ、或いは現行の砂糖行政には急激な変化を与えることはどう考えてもこの窮状を更に激化するということになりますので、これはこの際漸進的な方策に一つ切替えて頂きたい。こういう問題が当面の問題だと考えるのでありますが、これはさつきの部長のお答えのように、財政上の要請と絡んでおりますから、ただ食糧庁だけに申上げることはどうかと考えますが、こういう我々の要求に対して食糧庁としては、つまり漸進的に方針を変えて値下りを緩和する、数量入札等に関しても成るべく先に送つて頂く。どうせ下るものにいたしましても、この年末なり、一番農村工業なり農家の窮迫しておる事態を何ら顧慮せずに、この際計画通りにおやりになるという方針をこの際改めて、できるだけ業務用入札をされるにしても先に送つて頂く、こういう方途がとれるかどうか、これらについて一つ意見を伺いたいのであります。
  40. 細田茂三郎

    説明員細田茂三郎君) 実はこの十二月分の入札につきましても一万八千トン、大体需要をいろいろ推定をして見ますと、二万トン内外というように見込みまして、一万八千トン入札に付したのでありますが、結果は七千三百トン売れましただけで、あとは売れないのであります。更にまあ菓子屋の団体のようなところではもつと出してもつと値を叩くというような非常な御要求もありますけれども、今の澱粉等の問題もありまして、私どもとしてはもう今後年内に入札はやらないということで、今頑張つておるわけなんですが、そういうような気持で我々としてはやつておりますつもりでありまして、ただ計画に従つて五十億さえ儲ければいいというような、そういう考え方では全然私どもはおりません。それから一月以降の入札につきましてもどうするか、今のような問題もありますので、慎重に一つ考えたいというふうに考えております。
  41. 岡村文四郎

    岡村文四郎君 飯島委員からもいろいろお話があり、御答弁がありましたが、もう終つたことをいつまで喋つてもいかんと思いますから、大体終局に近いつもりで伺います。一般用の配給砂糖というものはできるだけ安くするのが当然だと思います。そこで業務用砂糖は高いとかいろいろ文句を言うというお話でありますが、一つも市場に出廻つておるそれを使う製品が下つておりません。京都ですか、少し饅頭が大きくなつたという話を昨日ですか、聞きましたが、その程度はあるかも知れませんけれども、全然私は聞いておりません。そういうわけでもうただ儲けるというだけであります。そんなものを援助する必要はないので、これは少くも七百円くらいの底値をきめて欲しいのです。それからその次は数量需給の見通しを立てて、一万八千トン出したら七千トンしか売れなかつた。そういう見えすいた弱身を見せるようなやり方をやらずに、適正な数字を示して売る。その点はすぐ工作ができるのに何らの工作もせんし……さつぱりその方面に気を配つてないということは、水飴に対する税金であります、これは前にもそういうお話を申上げておきましたが、六貫八百匁ですか、二百十二円五十銭という税金は今でも取つております。これは即刻外すべきである。これも外さないで、例えば澱粉に対しまして十二貫にしますと澱粉十貫匁からおよそ四百二十五円という税金を取つておるわけであります。せめてこれでも外して生産者の損害を少くするようにせなければならんと思いますが、丁度大蔵省からもおいでになつておりますが、私はこの方面は強く要望いたしまして、一月から即刻これは外すべきである、こう考えておりまするが、どうお考えになつておるか。農林省方面のことは今申上げたように一般家庭用の配給はできるだけ安くする。業務用砂糖は最低七百円以下にはしない。それから払下をするのには需給の見通しをつけて、今までやつたような、業者に足許を見られるような、これなら価格は下つて来るだろうというようなことはやめて、少く出して入札をして行くというふうにしなければいかんと思いますが、両方の今お話申上げましたことはできないのか、税金はできんと言われてもこれは困る。どうしてもやつてもらわなければならん。それはできませんと言われたつてできません。どこまでも食い下つてこれは一月から印刻に撤廃してもらう、こういう考えですから、そのつもりで一つ答弁願います。
  42. 亀徳正之

    説明員亀徳正之君) 非常におきつい御要求でございますが、水飴につきましてのいろいろの非常に税が重いというお話はかねて我々も承知しております。  なお特に最近今お話がございましたように、砂糖統制が撤廃になりまして、相当これからの見通しとしては砂糖価格が下廻つて来るのではないか、従つて一層その面から水飴業者、延いて広く農家一般のかたに及ぼす影響が相当大きいということも又承知いたしております。ただ課税の問題といたしましては、一応甘味というものにつきましてすべて一連の措置として課税しておるのであります。ただそれぞれの現行の負担の割合が現行通りでいいかどうか、特に砂糖が今後統制が撤廃されまして、相当値段も下るという場合に、税の面からこの問題をどう考えるかということにつきましては、おのずから新たな問題として相当研究の余地があるわけであります。特に今後統制が撤廃されるということになりますと、その後の価格が一体どの程度にとどまるであろうかということの推測が実は非常にまあ困難であります。併しながらまあ相当下るという見通しもございますので、我々としましても砂糖消費税の税率を相当引上げるということが可能ではないかということで、目下どの程度にしたらいいだろうかということで検討いたしております。それから今当面の問題になつております水飴に対する物品税でありますが、これは最近水飴価格が若干下りました関係上、価格についてその物品税の負担割合を見ますと、ボイラー、まあこれは一応私のところで計算した数字でございますが、ボイラー使用のものにつきましては七・一%、釜酸のものにつきましては八・四%程度の負担になつておる。それで現行のまあ物品税の一番最低のものにつきましては、紙とかそういつた特殊なものにつきましては、財政上の需要から最低の率をかけております。それが現行五%になつております。そういつたものと睨み合せて、この程度でいいのかどうかということは、当然問題になつて来るかと思うのであります。併し御存じのようにこれからの財政需要というものは、相当厖大な規模、様相を示して来ております状況に鑑みまして、この際としていろいろ間接税増徴論という空気すらある程度でありまして、まあ今日所得税も御存じのように相当思い切つて軽減いたしました今日、更に物品税について相当いろいろ各品目について軽減措置を講ずるということは、非常にまあ困難な情勢にあるのではないか。従いまして物品税の中でどうしても各般の情勢から見まして、これでは負担の権衡上どうしてもおかしいというものについて、何らかの或いは措置を講ぜざるを得ない場合もあるのではないかとは思うのでありますが、全般的に考えました場合には、大体まあ物品税は余り大きくいじれないのじやないかというまあ考え方でおります。従いまして今おつしやいましたように、まあ全廃しろということにつきまして、只今全廃いたしますとお答えいたすわけには参らないのであります。  なお参考までに、甘味について現在消費税がどのような割合で課税されておりますか、参考までに申上げますと、サツカリンにつきましては従価に直上ますと六六・六%で、それから白砂糖砂糖が現在配給のものにつきましては一四・七%程度ということになつております。これは現行であります。まあこういつた状況で水飴について現在の負担の割合、先ほど申しました比率が砂糖その他と比較いたしましてどうかという点は、若干なお検討の余地がありましようが、それを全廃にまで持つて行くということは、ちよつと不可能かと考えておる次第であります。
  43. 岡村文四郎

    岡村文四郎君 お考えが的外れでして、私は他の権衡のことを聞いておるのではありません。首つ吊のぶら下つた足を引つぱるようなことはやめて、片つ方は倒産するというのです。全然商売にならんのですから、何も他のものとの権衡がどうこうということを聞いておるのではありません。それでせめて税金でも取らんようにして助けてやろうじやないか、こういうことで即時撤廃しろとこう申上げたのであります。そこでサツカリンの話も聞きましたが、何も支障なければそれで結構なんです。ところが現に飴の業者はもう瀕死の状態なんです。だから首つくくりのぶら下つた足を引つぱるようなことはしないではつきりしたことは、はつきりしたほうがいいと思う。そういうことにこだわる必要はない。なお若し水飴が復活して相当の利益があれば又取れば結構なんです。だが現在の状態ではなかなか立つて行かん、立つて行かんのが損があるくらいならいいのですが、ところが倒産をするというような状態なんですから、これは方法がつかんというので、この際撤廃すべきだ、こう申上げておるのであります。何もほかの品物を並べて、これは高いからと、こう言うのじやありません。それから間違いないようにしてもらわないといかんのですが、数字をお考えになつてどういうふうに儲かつてどうなつておるかということを今一番調べてもらわんといかんのです。いかんのですが、それでは全然話は違いのです。これだけ安くなつて参るところは高くしてとかということでは……。今申上げておるのは、他を比較して、こいつが高いとかと申上げておるのではありません。もう瀕死の状態にあるのだから、せめて税金でも外そうと、こう申上げておるのであります。だから今のお話では全然お話にならんので、いろいろ比べて見て、これが高いか安いかというようなことを考えておるのではありません。水飴自体がどうにもならん、かようなことを考えておるので、私は間接税を取ることは好きなんです。殆んど、私に考えさせると直接税というのはやめて、全部間接税にしたほうが一番いいのじやないか、こう考えておりますが、現在の状態ではそうは参りません。そして間接税、これはいいのですが、納めるほうが死にかかつておるのに、税金を取ることはいかんのです。税金というものは納める人が喜んで払われるようにして取ることが、それが税金を取立てる一つの手段であつて、そうでなしに死んでも取る、そういう取り方はいけない。死んだ者はまあただで以て焼いて骨にするまでのことを見なければ……そういう残酷な手段をしてはいけない。どうしても私はこれは大臣がいないとわかりますまいが、是非撤廃するようにどうしても骨折つてもらわなければいかんと思います。若し水飴が採算がとれて税金が或いは払われるということに差支えないということになればお取りになつても結構でしよう。それは又何も納入する力ができれば取ることは一向やぶさかでないと思います。
  44. 亀徳正之

    説明員亀徳正之君) ほかの品目と並べまして却つて誤解を招いたかと思います。まあ水飴業者のかたが全部倒産の状況にあるのに、物品税を取るのはけしからんというお話でございますが、現在の状況が単にこの物品税だけの問題であるかどうかということも、必ずしもすべてがこの物品税だけの問題であるかどうかということはこれは言えないのではないかと考えます。更に又実情もなお検当いたさなきやならんと思います。先ほど最初に申上げましたように、戦前から甘味につきましては一様に税を負担していた建前になつております。勿論この負担の割合がどうあるかということは十分研究しなきやならないと思うのであります。今ここで必ず水飴に対する物品税のあれを廃止するということを私から明言することはちよつとできかねると思います。その点は一つ御了承願いたいと思います。
  45. 岡村文四郎

    岡村文四郎君 どうも私は話が食い違いがあつていかんと思うのですが、せめて税金を外して損害の成る一部でも補つてやりたいということなのです。僕の考えでは何も税金を外してそれだけ儲かつたというのではありません。他を比較しても困りますし、税金を外したから損はない、こういうようなこともありません。税金でも外してせめてそれだけの損失のカバーをしてやるこことがこれは農林省もとらなければならんと思うが、僕に言わせると農林省がそのことで大蔵省に交渉しないで黙つていることはこれは非常にいかんと思うのです。又これはよそへ波及いたしまするが、鉄道の運賃は原料になる澱粉水飴と同じ運賃なのです。これらも農林省がやつておるのかやつておらんのかわかりませんが、当然下げるようにして、そうして業者の損失をカバーし、農家の損失をカバーすることが当然だと思うのですが、どうなつておるか。それから二つ三つ申上げました私のお願い、一般家庭用の砂糖はできるだけ安くして業務用砂糖は七百円以下には売らない、入札する時分に需給の見通しをつけて、売出そうとした数量の四分の一ぐらいしか売れないようなそんな足許を見られるようなことはやめて、適当な数字を出すということはこれはどう考えておるか、それを一つお聞きしたいと思う。
  46. 東畑四郎

    政府委員東畑四郎君) 物品税の問題は、砂糖業務用払下等があつて値下りする以前から水飴の物品税をなくすることが農家自身の経営上にも好影響を及ぼし、水飴業界には勿論影響があるという点も検討いたしまして、実はこういう問題が起る以前から事務的にお話合いはしておるのでありまして、只今大蔵省調査課長が申されましたようなことで折衝中なのであります。
  47. 細田茂三郎

    説明員細田茂三郎君) これは先ほど来申上げましたように、よく御極旨を体して大いに検討したいと思います。
  48. 飯島連次郎

    飯島連次郎君 今の岡村さんのに関連した税の問題で折角大蔵省からおいでになつているので一つお尋ねしますが、あの水飴、葡萄糖の物品税を全廃しろという御意見のようですが、私もこれは一つ何とか大蔵省でも真剣に考えて頂きたいと思います。只今の御答弁で大体私は了承いたしましたが、ただ若干計数に亘つて一、二点お伺いしたいことは、水船と、それから葡萄糖の年間生産量が約二十万トンと承知しておりますが、税にすると幾らになりますか。
  49. 亀徳正之

    説明員亀徳正之君) 二十六年度予算では大体十四億円程度となつておると思います。
  50. 飯島連次郎

    飯島連次郎君 これを若しこの砂糖の消費税に転嫁するとすれば、昭和二十六年度の計画では四十五万トンの輸入と聞いておりますが、大体砂糖に期待する消費税というのは幾らなんですか。
  51. 亀徳正之

    説明員亀徳正之君) 本年度の砂糖消費税の予算額は六十三億円を見込んでおります。
  52. 飯島連次郎

    飯島連次郎君 結局さつきの水飴、葡萄糖の物品税を全廃するとすればその肩代りをどつかに求めなければならないのがまあ大蔵省の立場じやないかと考えますので、聞くところによると終戦後キヤラメルを中心にするこういつた飴菓子が売れたのは本年が最も多かつたという、而もそれが桁外れに本年はその消費が多かつたということでありますが、そのキヤラメルはもう申すまでもなくその六割乃至七割程度水飴でできている菓子でありますから、そういつたお菓子は子供たちの発育の上にも必要欠くべからざる菓子とは申せ、栄養価であると考えるのでありまして、而もそいつを製造するものと関連する澱粉工業等が今危殆に瀕しておるのでありますし、而も水飴を製造するというのはこの冬季間中三、四月を限度にしてここいらが一番大事な時期じやないかと考えますので、代り財源を他に求めて是非とも一つ水飴と葡萄糖に関する物品税、特にこの水飴に関しては物品税について先ほど岡村委員からありましたように僅か合計して十四億という財源でありますからこれはほかに代り財源を求めることが決して不可能ではないと思いますので、大蔵省としましては特にこの子供たちの栄養のことも是非考えて頂いて、水飴、葡萄糖に対する物品税の廃止、若しこれが非常に困難であるとしても、少くともこれが大幅な軽減措置についての考慮が可能であるかどうか、代り財源と見合せてこの点を一つ最後にお伺いしたい。
  53. 亀徳正之

    説明員亀徳正之君) 代り財源といたしまして、勿論これに見合う、或いは砂糖消費税の増徴ということによつて十分償い得るということは一応言えると思うのであります。併しながらただ簡単に最近の問題は水飴の分を砂糖の消費税だけで賄つていいというだけの問題でありませんで、全体の財政需要というものの中で砂糖の消費税を仮に相当上げましてもなお足りないという場合もありますし、簡単には代り財源があるからいいということは申上げかねると思います。ただこの十五億に我我としては必ずしも拘泥しておるわけじやない、むしろもう少し水飴業者のかたの実態、それから更に従来から甘味についてはともかく課税して来ておつた状況でありますので、その一部について全然廃止するとか、特別に軽減するということが可能であるかどうかということは一つの別個の研究問題であろうかと思うのであります。それで財源の面も勿論大きな問題でありますが、それ以外の見地から十分検討を加えなきやならん問題と考えます。
  54. 片柳眞吉

    理事片柳眞吉君) 御発言ありませんか。
  55. 岡村文四郎

    岡村文四郎君 どうも困つたことだが、大蔵省課長が何とかこれを外して助けてやろう、こういうふうな気分が薄いと思うのです。ここで答弁が、そういう答弁ができないかそれは知りませんが、実際困つておるんです。私は代り財源というようなものは我々が言つても駄目なんで、あなたがたに代り財源を探してもらえば一番結構なので、現に輸入砂糖にかければいいのですけれども、そういう指図もできないので、ともかくあの飴の税金は外してやつてもらわなければどうしてもならんと思うのです。或る一部ですから決してみんなの業者が満足にやつて行けるとは考えませんし、そのつもりで一つ大努力をしてもらいたいと思います。農林省一つすかさず大蔵省に交渉して、そうしてその実現を期するように特にお願いしておきます。
  56. 飯島連次郎

    飯島連次郎君 さつき食糧庁大蔵省からいろいろお伺いしたんですが、この問題については、これはやはり農政局にとつては対岸の火災ではないと考えますが、この緊急問題について農政局長としてはどういう一つ名案をお持ちになつているか、これを一つお伺いしたい。
  57. 東畑四郎

    政府委員東畑四郎君) 甘藷、澱粉水飴業界を取り捲きましてその利害は非常に微妙でありまして、恒久的な問題としましては、先ほど細田部長が申上げましたように、砂糖というものはだんだん国際価格に鞘寄せされて参り、消費税の問題等も出ておるんでありますが、そういうことを考えますと澱粉価格水飴、甘藷自体も或る程度低くなることが予想され得るのであります。来年のいも作その他等につきましても我々は或る程度均衡ある価格でこれを算定いたしたい。現在四十円もいたしておるのでありますが、これは必ずしも他の農産物から比べますと合理的な価格とは一応考えられていないのであります。そういう点等をも十分検討いたしまして甘藷作生産の増強を上げたいと考えております。最近の緊急の問題となりますと、これは水飴業界その他或いは農村工業等に相当な影響があります。我々は農村工業その他の方針といたしましては非常な比較の不安定な時期でありますためにいつも委託販売と申しますか、そういう一つの危険のなき経営方針をとるべきであるということを絶えず農協の基本方針として実はいたしておりました。併しながら例えば仮に四十円のものが二十七、八円の価格にとどまらなければ引合わないというようなことになつて参りますと、委託加工をいたしておりましても相当これは痛手になることは必然であります。そういう被害等が急激に起ると農協そのものも又この困難に陥りますし、又水飴業界澱粉業界自体にもやはり同じような問題等が起りましてそれが延いていも作農家等に影響があることは甚だ困るのでありまして、果してそれが払下の手取り価格を入れるというようなこと自体で解決し得るものなりや否や慎重に価格の相関関係等を検討いたしまして我々といたしましては、成るべく困難を僅少にしたいという問題につきまして食糧庁とも緊密な連絡をしまして案を練つておる状況であります。
  58. 飯島連次郎

    飯島連次郎君 もう一問農政局長にお伺いしたいのは、農林省の農村工業指導の方針として成るべく澱粉工場に対しては委託加工して行く、こういう御方針のようでありますが、これは昨日全国各地の状況をお伺いしたのでありますが、九州地区のごときは委託加工してかなり農家からの委託された澱粉をすでに農家では九州その他で持つております。なおこれから又九州地区等ではいもを新たに澱粉工場に持ち込んでやろうという直前にありますので、今度の澱粉値下りは御指導によるそういつた委託農家に対しても直接にこれが被害者の立場に立つておりますので、来年のことは又改めてよく御検討頂くにいたしましても、当面そういう支障がすでに発生しておりますので、これは特に省内で緊密に一つ御連絡を願つて緊急、澱粉に対する対策を抜かりなく御指導を願いたいと、こう考えております。
  59. 松浦定義

    松浦定義君 ちよつと農政局長にお尋ねいたしますが、現在問題になつておりますこの問題を私今いろいろ討議の状況を聞いておりまして非常に遺憾に存じておりますと同時に先ほど岡村委員からお話のありましたように、やはり食糧庁として今日までいろいろこの問題を取上げなければならない関係があつたものがすでに農民に対してそうした問題に対しては余り好意的な措置が講じられないようなところに閉じ込められておるということを考えたときには、私はただ簡単に申上げますと、例えば日本農業政策から行きましては非常に重要ではありますけれども、食糧事情の一般から見ますと一応馬鈴薯の統制も撤廃されるということによつてその後における措置が非常に講じられておらない結果こうした問題が起つたというふうに考えられるのであります。従つて食糧事情から行きますると馬鈴薯は統制撤廃し、更に雑穀等も統制撤廃、延いては又米麦の統制も近く行われんとしておるような矢先に次々とこういうような問題が将来の農業者をして今後生活の維持が十分でき得るような対策を何ら講じられていないというようなその本質的なものに立つて行われるような現在の事情を考えましたときに、非常に私ども農村人といたしましては、現在の農業政策に対して非常に不満の意を表せざるを得ないのであります。従つて私率直に申上げますると、只今お話砂糖の問題に関連する問題と、更にこれを別個に考えたいというような御意見の下に只今農政局長からお話を聞いておりましても、現在まだそれに対するところの根本的な対策考えられておらないというようなことは非常に私どもといたしましては将来日本農業の発展上非常に大きな問題を起すのじやないかと、かように考えておりますので、ここに率直にお伺いしたいのは、馬鈴薯に対しまして、或いは甘藷に対しまして来年度すぐにこうした問題から農家は非常に混乱を来たすというような実情であります今日において何とか価格において最低の価格を支持するといつたような、過去におきまして政府考えておられたとは思いますけれども、現在それがはつきりいたしておりません、最低価格支持制度というようなものを率直に馬鈴薯に対して、或いは甘藷に対して考えられるような意思があるかどうか。これはすぐにまあ雑穀にも影響しますし、将来は米麦にも影響すると思いますので、この際こうした問題についてどのようなお考えを持つておられるか、この点をお伺いいたしたいと思います。
  60. 東畑四郎

    政府委員東畑四郎君) 米麦等が日本農家の非常に重要な所得でありますために、これが如何なる場合におきましても或る程度政府価格統制するということはこれははつきり申上げられると思うのであります。曾つていも統制撤廃をいたしましたときに、非常ないも価格暴落が予想せられ、いも恐慌があるというような一つの批判があつたのでありますが、幸いなことにそれもいろんな事情等でいもが非常に高値を呼び、本年の四十円というものは、農政局から見ましてもそう安い値段ではない、むしろほかの農産物から比べましても非常に有利な作物でありましたために、いもの増産ということにおきましても非常に有利であり、いも価格の政策につきましても率直に申上げますと、他の外部的要件がいも価格を切上げておつたために、政府としての政策の対象としてこれを取上げるべきことが生じなかつたのは事実であります。本年砂糖等の価格の下落安定、それに伴います各般の問題等が果して農家にとりまして、ほかの農産物等の関係において、不当にいもが下落するかどうかという問題が又根本的に検討して見なければならん点であります。更に突つこみまして、只今おつしやいましたような、いも自体についての価格安定施策を政府みずからが乗り出してやるのだということになりますと、これは根本問題に実は触れて参りまして、農政局といたしましては、事態を熟視いたしまして、検討をして見たいと考えているのでありますが、只今ここにそういうことをやるということを申上げる段階には至つておりません。
  61. 加賀操

    加賀操君 松浦さんが言われたことを私は逆に言いたいのですが、砂糖は九割まで、それ以上外国から入れているといいますが、それを政府方針では全部撤廃してしまう、こういう方針のようですが、そうした場合に、この前大豆でもしくじつたのでありますが、ああいうようにかなり価格の上下するものを、而も九割を外国に依存するということをそのまま放つといて、果して国内産業がいいように行くか行かんか、こういう問題ですね。保護政策をとるかどうかということにもなりますが、農林省としては前々言われているように何らの方針、或いは統制を全然やめて、砂糖は全部外国に依存してそのままに任すか、こういうことについてどうお考えであるかお伺いしたいと思います。
  62. 細田茂三郎

    説明員細田茂三郎君) 砂糖それ自体についてのお話を申上げますと、御承知のように現在入つております日本砂糖の三分の二近いものは殆んどキユーバ糖であります。これは御承知通りにグラでなければ買えない砂糖であります。御承知のように最近大分ダラ不足をつげまして、キユーバ糖の確保という問題は、これは少くとも来年一年くらいのことを予想しますと、相当な困難にこそあれ、これが非常に殖えるという見通しは先ずないわけであります。それと、もう一つは御承知の民間のインポーターにしましても、製糖業者にしましても非常な金詰りでありまして、現在は食管会計で一応買取りまして操作をいたしております関係上、相当採算等を度外視しても数量の確保ということを先ず優先的に措置をいたしておりますけれども、これを自由にいたしました場合、どういうことになるかということになりますと、私どもは少くとも砂糖輸入量は減つても殖えるということはないというふうに思つております。そこで自由にいたしました際にそれが非常に、何といいますかどんどんと砂糖輸入が多くなつて砂糖価格が非常に安くなるということは、これは少くとも目先においては全然考えられない。従いまして、まあこれはそういうことをいいましても非常に価格的に季節的に変動のある品物でございますから、やつて見ませんとはつきりしたことは申上げにくいと思いますけれども、基本的には大体そういうふうな見通しがされるわけでありますから、それによつて非常に、何といいますか、目先に非常な混乱が起きるというようなことはないのじやないか。それと、もう一つは本年は仮に四月から自由にいたしましても政府手持の砂糖が、十万トン以上が政府の手持として四月以降に持込される。これで或る程度市場操作をやろうと思えばできますわけでありますが、そういうことでまあ今後一年ぐらいの間の見通しとしては、これは砂糖ということが原因になつて非常な混乱が出て来るということは先ず予想されない、こういうふうに考えておるわけであります。
  63. 加賀操

    加賀操君 これは将来のことだから別ですが、この前のような、大豆のような現象は起りませんか。
  64. 細田茂三郎

    説明員細田茂三郎君) 大豆についてなぜああいう現象が起つたかと申しますと、御承知のように今年の一—三月が現在と全く逆でありまして、ドルが非常にたくさん手持をいたしておりまして、大豆のみならずあらゆる物資につきまして、とにかく精一ぱい備蓄をするまで輸入をしようじやないかという政府方針であつたわけであります。そこで一—三月の外貨予算の九億何千万ドルという曾つてない厖大な予算を組んだのでありますが、そういうことで大豆のみならずあらゆる輸入物資について精一ぱい入れようという空気でありましたのと、それから大豆自体についていいましても、御承知の去年の暮までは非常に枯渇をいたしておりまして、どんどんどんどん値上りをするという……、ですから丁度旱天に慈雨が来たようなもので、而も政府が自由に輸入しておつたということで、我も我もと従来大豆なんかを扱つたことのないインポーターまで大豆輸入をして来るということで、こういうことの結果ああいう混乱を起したわけであります。ところが砂糖のほうは今申上げますように、政府に相当の手持をいたしておりまして、これがいつ放出されるかもわからないということで、民間輸入に切替えましても非常に慎重だろうと思います。それと、もう一つは、今申上げましたように、台湾を除けば皆ダラで買わなければならんということでありますので、そんなに簡単には行き得ない、そういうように考えております。
  65. 加賀操

    加賀操君 今砂糖の話だけでしたが、それを自由にした際、農政局長さんから大体の国内産業にどれぐらい、どういう形で響いて来るか、こういう見通しを一つお聞かせ願いたいと思います。
  66. 東畑四郎

    政府委員東畑四郎君) 只今細田部長が申上げましたように、ドル不足の折から砂糖はドル地域に相当資源がある、ポンド地域等には若干ございますけれども、そう大きな期待はできないということになりますと、台湾糖の輸入がやはり主たるものでございますから、そういうものが只今民間輸入になりましても、或る調整をして参りますれば不当に砂糖が量が殖えまして異常に不安定になるということはないということを我々農政局としましても実は考えておるのでありまして、そういうことを考えました場合におきまして、勿論砂糖水飴澱粉等は或る程度の相関関係がございますために、昨年来続きましたような価格というものはとても維持はできない、そうなりますと相当低いところで安定せざるを得ないことは、これは止むを得ないのじやないか、その価格というものといも作農家価格、甘藷、馬鈴藷の価格がどうなるかという問題につきまして、いろいろ実は数字等も検討いたしておるのであります。そのいも作農家、或いは甘藷作、馬鈴藷作農家等の所得と米麦作との関係、或いはその他の関係等をいろいろ検討をいたしておる我々としましては、本年のような一貫目四十円というような高利な価格というものは到底期待し得ないのじやないかということは考え得るのであります。果していも作農家として生産費等が償えるかどうかということにつきましては、まだまだ各面において合理化する面もありますし、そう我々としては、深刻なるいも恐慌的な価格になるというようには、只今のところ考えていないのでございます。
  67. 加賀操

    加賀操君 今の現状におきまして相当深刻なんですが、これを放任した場合に、もつと深刻になるということも予想せられる。従つて或る程度国内砂糖及び砂糖に代替されるものを保護するために、関税政策か或いは国内の保護政策をとらなければならんということをお考えになつておるかどうか。
  68. 東畑四郎

    政府委員東畑四郎君) 只今の深刻な問題は、非常にこれは端的な一つの問題でありまして、私が申上げましたのは、甘藷作そのものに非常な長期と言うとおこがましいのでありますが、或る安定した作付のほかの農産物等との関係で申上げたのであります。勿論いも作農家、特にいもが非常に値下りがひどいという場合等につきましては、これを防止するために直接の甘藷対策もありましようし、砂糖等からの外的な対策もありましようし、消費税対策、いろいろな総合的な施策が要ると考えるのであります。そういう面等につきましては、来年度のいも作等も控えまして慎重な検討を加えておる次第であります。
  69. 片柳眞吉

    理事片柳眞吉君) 本日はこれで散会いたします。    午後三時四十三分散会