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1952-07-23 第13回国会 参議院 内閣委員会 第59号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十七年七月二十三日(水曜日)    午後一時五十五分開会   —————————————  出席者は左の通り。    委員長     河井 彌八君    理事            鈴木 直人君            中川 幸平君            成瀬 幡治君    委員            愛知 揆一君            岡田 信次君            郡  祐一君            楠見 義男君            竹下 豐次君            江田 三郎君            上條 愛一君            波多野 鼎君            栗栖 赳夫君            松原 一彦君            三好  始君   国務大臣    郵 政 大 臣     電気通信大臣  佐藤 榮作君    建 設 大 臣 野田 卯一君   政府委員    行政管理庁次長 大野木克彦君    行政管理庁管理    部長      中川  融君    大蔵大臣官房長 森永貞一郎君    大蔵大臣官房文    書課長     村上  一君   事務局側    常任委員会専門    員       杉田正三郎君    常任委員会専門    員       藤田 友作君   —————————————   本日の会議に付した事件 ○経済審議庁設置法内閣提出、衆議  院送付) ○経済安定本部設置法廃止及びこれ  に伴う関係法令整理等に関する法  律案内閣提出衆議院送付) ○大蔵省設置法の一部を改正する法律  案(内閣提出衆議院送付) ○大蔵省設置法の一部を改正する法律  等の施行に伴う関係法令整理に関  する法律案内閣提出、衆議院送  付)   —————————————
  2. 河井彌八

    委員長河井彌八君) それでは内閣委員会開会いたします。  経済審議庁設置法案経済安定本部設置法廃止及びこれに伴う関係法令整理等に関する法律案議題といたします。
  3. 松原一彦

    松原一彦君 私は野田国務大臣お尋ねをいたしたいと思うのですが、行政組織法上に現われたる行政の諸機関は時の政府行政責任を果す上の必要な手段でありますから、政府性格或いは政策によつてきめらるべきものであると信じております。従つてこれが改廃につきましては、その行政責任が果されやすいようにすることが当然でありますから、できる限り政府提案承認いたしたいのであります。若しそうでなかつたならば否認すべきものであろうと思います。これを性格を一変するよう改廃を加えるべきものではないと私はこう思うのです。若し政府立案の本旨に背いたような大改正を国会が加えた場合は、これは当然政府不信任意味するのだと思う。若しこれが成立した場合には、政府は私は重大なる覚悟をば持たれなければならないと思うのでありますが、この点につきましての御所見を伺いたい。  第二には、今回の行政機構改廃整理につきましては、これを通覧しまして、実は只今申しましたよう政府性格或いはその政策によつてきめらるべき条件を持つたものは殆んどない。ただ機構の若干の改廃に過ぎないのであつて、大した内容を持つものはないように私は思われますが、併しそのうちで二つだけこの政府主張若しくは性格から現われたものがあると思います。それは第一は、経済審議庁であり、第二は保安庁法案であろうと思います。これは政府性格がはつきわと現われておるように思われます。経済審議庁におきましては、経済政策を如何に取扱うかという基本的な問題がここに含まれておりますから、従来のごとき安本組織を退けて、そうして政府が自由な経済機構の上に、或いは経済政策の上に、各省にその基本方針を立てさせてやつて行こうという上に設けられたる新らしいものだと思うのであります。ところがこの経済審議庁の御提案に対しましての最初の提案理由説明には、周東長官野田長官との間に大きな食い違いがあつたことは、皆さま承知通りであります。野田長官もこれは御承知であつたはずでありますが、周東長官説明によりまするというと、長期経済政策策定といつたようなことが主となつております。各省主管のきまらん問題の企画立案等を行い、且つ総合的な調整を行ういうことになつております。野田長官の御説明、特に佐々木議員質問に対しましては、経済基本政策総合調整というようなものは、第三者的な立場に立つて仲裁するという軽い意味のものであつて、而も成るべくかようなことはないことを希望するという意味のお答えがあります。私はこの際にこれで見るというと、政府は誠に荷厄介なものをしよい込んだという感じがする。経済安定本部廃止するが、併し何かの形を以て残しておかねばならん。併し成るべくならば、このよう機関仕事のないことを希望するというふうな含みがあつたように思われたのであります。その際にも私は申したのでありますが、行政簡素化のためには、それならばむしろこの際かような荷厄介な機関はおよしになつたほうがいいのではないか、かように申上げたことを記憶いたしております。この点につきましては、私どもは今日までこの経済審議庁法案審議する上に非常な矛盾を感じて参つておるのであります。ところが委員会大勢は、先般来数次この案について練つておりますが、委員会といたしましては、大勢的に見て、私の所見では自由主義経済であつて基本的な計画は当然なくてはならん。更に長期経済計画がなければ、各省間における調停の基準がない。総合調整を行うというのには基準があつて、その基準によつて総合調整でなければ意味をなさない。従つて日本の現在の政治面から見て、経済審議庁周東長官説明にありましたように、長期経済計画策定或いは企画筆基準を定め、進んで予算編成基準にまで及ぶべきものであつて、各般の国民生活、或いは労働者福祉増進等に対しても、周到な基本をここで計画作成しなければならんものだ、かように要求する声が実は多かつたと思うのであります。さようなところからこれを総合して栗栖委員委員会意見をとりまとめたる栗栖案が、修正案が、未定稿ではあつても一応現われたのでありますが、かよう野田長官の御説明とは違つたような、性格の変るとでもいうほどの大きな修正が加えられても御承認になるものか、私ども審議の上から疑いなきを得ないのであります。無理に押しつけることは行政責任を持たるる行政機関の当然のあり方として私は面白くないのではないか。けれどもが、今日までの審議大勢はよほど違つたものになつて参ろうといたしておるのであります。特に総合意見としての栗栖委員専門家立場から特に強く主張せられて説明せられたものは、外国投資とその事業関係について大蔵省からその権限機能の全部を移管するというものであつたのであります。これによつてこの審議はなお数日の時間を要するというところまでなつて参つて一応の停頓を見たのでありますが、これが今日は新しい栗栖案としてここに現われようかという段階になつております。この栗栖私案を、栗栖私案と申すべきものか、仮にさように申してこれを審議する場合に、政府はこの修正案に対して若干御相談をお受けなつよう栗栖委員からは承わつておりますが、野田長官はこれをお受入れになる御用意があるのかどうか、お受入れにならないと、これを審議することは無駄であります。又お受入れになるというならば、我々は努めてこの案を精査して、そうして万手落のないものにせなければならんのであります。この案のそもそもの考え方は第一名称においても違つているのであります。名称においても経済企画庁、或いは総合経済庁等名称考えられております。従つてその内容においても大きな変化を持つものでありますが、先に申しましたように、当面の政府責任行為である行政運営において、私ども所見では閣内においてもいろいろ違つた意見があるかのように思われる。それをば委員会が強引に押しつけるということは、私は如何かと思うのであります。そうなりますというと、結局これは原案をそのまま是認するか、或いは若干の字句修正を加えるか、若しくは否認するかということにもならざるを得ないのでありますが、この経済審議庁法案は他の外局を内局に変えるとか、部を監にするとかいうよう機構いじりではなくして、内閣性格に基いた重大な問題であると思いますので、念のために政府のお考えをお聞きしまして、この修正案審議に入るのが適当ではないかと思います。そういう意味から一応野田長官の御所見を伺いたいのでございます。
  4. 野田卯一

    国務大臣野田卯一君) 只今お話のありました栗栖案と申しますのは、今私ちよつと見せて頂きましたのでございますが、名前は余り変つておりません。それですから、それは松原さんのおつしやつているのは今配られたのでお話になつているのでございましようか。
  5. 松原一彦

    松原一彦君 これは一昨晩までは総合経済庁として現われておつたのであります。併し名称には一応触れないで、経済審議庁設置法案修正として内容検討に入つたのがいわゆる栗栖氏の、全委員意見総合せられた専門的見地から見られておまとめになつたものであります。それが今回又変りまして、ここに修正案という形で出て参つておるのでありますが、これを審議する前に只今野田国務大臣の御所見を承わつておきたい。
  6. 野田卯一

    国務大臣野田卯一君) 私は前の古いことについては知らないのでありますが、今日配られましたものにつきましては今ちよつと見せて頂きました。政府といたしましては、原案提出しておるのでありますので、私政府担当者といたしましては、原案の線でお認め願いたいということを申上げざるを得ないと思います。先ほど申されました、私の説明と、経済安定本部長官説明とは食い違つておるというよう感じをお受けなつた点につきましては、総合調整の問題であろうと思います。で、私が佐々木委員にお答えいたしました総合調整説明は、佐々木委員の言われることだけについて私は説明をいたしておつたのでありまして、もう一面のことを申さなかつたために誤解が生じたと思うのでありまして、それで総合調整は、この経済審議庁の大きな任務が長期経済計画策定であるとか、或いは総合国力の測定であるとか、或いは又国民総生産、国民所得の全体の調査、それから分析、こういうようなことにあるということは、恐らく安本長官もおつしやつたのじやないかと思いますが、そういう審議庁でありますから、各省がそれぞれの所管に属する基本的な経済政策を立てる場合には、当然審議庁相談をするということを考えているわけであります。それから又各省でそれぞれ立てる案の中で他の省もいろいろ管掌する事柄が多い、そういうものにつきまして意見が合わないときにおきましては、安定本部がその裁定と申しますか、仲裁役をいたすということも当然考えられて来る点であります。そういうようなことのお話を全部申上げるまでに至つておらなかつたのでありますので、誤解を生じたのではないか、こういうふうに考えておるのであります。これらの点につきましては、私と安定本部長官とが同時にこの委員会に出席いたしまして、同じ答弁を申上げておりますので、それによつて御了承々得たいと思います。  それから今回の行政機構の改革の案の中の重要部分について否認されたのでは云々ということがございましたが、私は只今松原委員がお示しになりました通りに、行政をいたす責任のある政府が、こういうふうな組織で以て行政するのが自分たちに、現内閣にとつては最も都合がいいという研究の結果お願いをしておるのでありますから、それをできるだけ尊重をして御審議を願いたい、そういうふうに考えておるし、又必ずその気持を酌んでいろいろと御審議をして下さるものと信じておる次第であります。
  7. 松原一彦

    松原一彦君 私も速記を全部は読んでおりませんから……と申しますのは、速記が実はまだ揃つておらんのであります。速記に現われた分と、私の手控えから記憶を申上げたのに過ぎませんから、これはなおよく速記から質して見る必要があるとは思いますが、併し大体においては委員諸君の了解もその点にあつたと思います。今度の栗栖私案なるものが現われますまでの経過には、これは栗栖氏の専門的な見解からではなくして、委員全体の意見総合だと再三繰返して栗栖委員からお話があつております。併し栗栖委員は経済的な専門家中専門家でありますから、十二分にこれはその専門的見地から御覧になつて立案せられたものもこの中には多数あると信じまするし、特に外国投資及びその事業活動に関する面、これは外務省から、事務のすべて、機能権限をも移さねばならないというほどの強い御主張があつたのであります。それがまだよく読んでおりませんが、ここに新らしい修正案となつて現われておりさすのを見ますと、よほど違つたようなものにも思われます。いずれあとから御説明があると思いますが、この程度のものならば、政府修正に応じられるというお考えがあつて全員一致修正可決になるものかどうか。と申しますのは、これは栗栖氏も非常に慎重に考慮せられて野田長官とは相当相談なつたということを承わつております。なお、この立案文字などについても長官承知のはずであります。昨晩の間違いなどはよく御承知でありますから、(笑声)それならば、これは自由党も当然政府と同調してこの程度ならばお呑みになるということであるのかどうかということを承わつておきませんと、私はどう考えて見ましても、かよう性格を持つた機関は、その性格を変えるよう改廃に対しましては、勢い政府不信任となる、かように思いますので、無駄な骨折をしないために念を入れて伺つた次第であります。この修正案ならば政府も御承認になり、なお与党のかたがたも異議なくお呑みになるかどうかを伺つておきます。
  8. 河井彌八

    委員長河井彌八君) ちよつと委員長として申述べたいことがあります。栗栖君の修正案は私も拝見をいたしました。二案あります。併しながらこれはまだ正式に発案せられたとはどうも認め難い点もあつたのであります。従つて松原君の御質問はこのどちらの案が正式に提出せられたということをはつきりいたしまして、そうして御質疑になつたほうがいいかと考えます。つきましては、私は栗栖君に伺いますが、この提案はなされたものであるかどうかということをもう一度確かめたいと思います。
  9. 栗栖赳夫

    栗栖赳夫君 提案はまだいたしておりません。その間の事情をちよつと附加えて申述べたいと思いますがよろしうございますか。
  10. 河井彌八

    委員長河井彌八君) よろしうございます。
  11. 栗栖赳夫

    栗栖赳夫君 これは前に小さい文字ガリ版ようにいたしましたのは、あれはペンで仮案と書いてありますが、案の体形はなしておらんのでありまして、ただ皆さまの御質問の中の重要な問題をピツクアツプしておりまして、それを条文に当てはめてみたらこんなものになろうかということであつたのであります。これは修正案のつもりで私が作つたものでも何でもないのです。これは集積しただけのものであります。そうして、併しその説明の際に或る一点についても随分長くかかり、又議論も長くかかると、こういうような問題がありまして、事務基本的な政策とを切ろう、こういうようお話がありました。事務をのけた基本的な政策について、又参議院の修正として認容し得られる限度修正を加えたらどうか。最小限度修正を加えてみたらどうかというようなことで再三字句についても研究をいたしまして、昨日私の試案として、ちよつとこのいろいろ審議をなさいまするお役に若干でも立つならばという意味で書いてみただけでございます。皆様において御審議になつて、そうして或いは皆様において御研究になつて、こういうもので行こうとおつしやるならば、いろいろ趣意その他についても申上げてみたいと思います。
  12. 河井彌八

    委員長河井彌八君) 栗栖君に申上げます。実は昨晩頂きました案は大体御提出になる目的を以て御提出なつたと、かよう考えまして、殆んどもう正式の取扱をしたのであります。ところが印刷等錯誤がありまして、昨晩議題にするまでには至つていなかつたのでありまして、そのままになつておるわけなんであります。従いまして、これは若し何ならば正式に御提出なつたらどうでしようか。そのことをお確めしたい。
  13. 栗栖赳夫

    栗栖赳夫君 一度これは皆様の一昨日の審議の終りにいろいろな議論も出まして、事務と何とを切離してというのでございまして、皆様提案をしてそれから趣意お話申上げたほうがいいのか、或いは提案する前に趣意を申上げて、これならというようなことであるならば、提案したのがいいのか、一つ皆様に諮つて頂きたいと思います。
  14. 河井彌八

    委員長河井彌八君) 栗栖君に申上げますが、提案としてお出しにならないと、それが栗栖君のお考えの上から見てまだ若干御不安の点があつても、とにかく提案としてなされないと、委員会としては取扱いにくいのですが、如何でしようか。
  15. 楠見義男

    ○楠見義男君 ちよつと手続の上に錯誤といいますか、或いは誤解があるようなんですが、それは実は一昨日の晩栗栖さんからお出しになつた案中心にしまして各委員からのいろいろの意見交換が行われたわけなんです。それでその際に今栗栖さんもお話があつたように、事務的の問題について特に外資審議会ですか、外資審議会仕事大蔵省からこの経済審議庁に持つて来るということについて、そのためにルーテイン・ワークが非常に多くなるということで、私ども栗栖さんといろいろと意見交換なり或いは討議をいたしまして、そのために時間が延びてそのままになつて一昨日は散会になつたわけです。昨日出て来る案は、実はそれを除いた問題について、即ち一昨日栗栖さんが仮にお出しになつた案中心にして各委員がいろいろの意見出し合つて、そうして或る程度歩み寄つた案が出て来るものと思つておりましたところが、全く趣きを変えたような案が出て来たものですから、実は非常に我々も驚いたわけなんです。従つて栗栖さんが今おつしやるように、各委員の意向を集積してそうして案を作つたとおつしやいますけれども、これは実はその間に非常に大きな誤解があるように思いますから、従つて栗栖さんが今再々申されまするように、各委員意見を集積した案というおつもりであるならば、正式にお出しになる前にもう一度この問題について懇談をして頂いて、そうしてできるだけその栗栖さんの御提案の趣旨に副うようなふうに取扱いをして頂きたい。そうしないと又混乱を私は来たすと思うのですが……。
  16. 郡祐一

    郡祐一君 今の楠見委員意見があり、事実一昨日でしたか、相当いろいろな意見が出たのでありますが、とにかくここにまだ委員長からの栗栖委員へのお尋ねで、栗栖委員御本人から御返事を承わらないうちに楠見委員からのお話があり、楠見委員が言われたよう経過をとつて来ております。とにかくここに私どもが今拝見しておるような案があるのでございますから、実は栗栖委員のお考えもありますが、それを正式な修正案として御提示を願つて、そうして意見があれば意見交換をいたしてもらいたい、こう考えます。
  17. 栗栖赳夫

    栗栖赳夫君 私は事務基本政策とを分けるという点において、との間の話の点の事務相当落したわけであります。事務というのはどの範囲かというよう議論もありましようけれども、私は或る一線を画してこれを作つたわけであります。この間の事務を更に落したものがこれであります。一応これをこの懇談会説明さして頂きまして、そうしてこれをその後に或いは共同修正案の形でも、若しくは皆さんの共同修正案が工合が悪ければ、私の一個の案として私は出したいと思います。
  18. 竹下豐次

    竹下豐次君 私はほかの委員からかれこれ栗栖さんにこの際注文して、お出しになるほうがいいだろうというようなことを言うのは少し出過ぎではないかと思います。この際は栗栖さんのお考えにお任せしまして、そうして懇談を続けて行つてあとでこの程度ならば一致ができる、或いは一致ができないけれども自分意見が通る可能性があるとか、通らないというような場合になつても、結局栗栖さんのお一人の御判断に任してこれを進めて行くということのほうがいいのじやないかと思います。(「異議なし」と呼ぶ者あり)かれこれの注文を受けますというと、栗栖さんも非常に御迷惑ではないかと思います。
  19. 鈴木直人

    鈴木直人君 これは私の一個の考え方を軽い意味で申上げるのですが、昨日の経過は、最後に経済審議庁結論を出そうということになりまして、そうして修正案を出すか出さんかというようなことでおりましたところが、この委員会栗栖さんから修正案が出されるというようなことで、その修正案の案文を作るために相当十分か二十分くらいの間我々は休みまして、そうしてお待もしたところが、今ガリ版刷つてつて十分くらいたてばよろしい、こういうことなもんですから、十分くらいたちましたら、それが各委員に配付された。もうそのときには修正案であると実はこう考えて、それが字句の上において違つたものがありましたので、それじや修正ようということであつたように思う。若しあの際にこの点について何らの間違つた点がなかつたならば、それを基礎として審議が進められるという段階になつていたと思うのでありますが、そういう経過から見ますと、それが引続いて今行くということになりますれば、昨日から本日へと修正案として字句の正しいものがここに出て来て、これから提案されたかたから御説明を頂いて、そうしてそれを審議するという、こういう段階になるのではないかというふうに私は考えるのですが。
  20. 栗栖赳夫

    栗栖赳夫君 私の意図をいろいろ解釈して頂いておりますが、実は先ほど割つて申しましたように、いろいろ御説明申上げて皆さまの御賛同を得れば、共同修正案でなければ、民主クラブの単独の案として出したいという、こういう肚で私は寝ないで作つたわけであります。それですから、そういう意味でお扱いを願います。
  21. 松原一彦

    松原一彦君 これは私はこういうものには暗いものですから、専門家の話を謹んで承わつてつた。併し一昨日の晩の委員会における懇談会の席上には、社会党からももう相当修正意見が出て、そうしてそれを追加することになつております。従つてこの案は半煮えのままで実は終つておる。これをば書き換えてお出しにかるというならば、栗栖委員は先ず全員にお諮りになつて、この結論を出さるべきものだと私は思う。併し承わるところによるというと、これは野田国務大臣と御相談になつて御成案になつたかのように私は拝聴いたしたのであります。それならば、即ち政府栗栖さんとの合作の案である。であるから政府はお呑みになりますかと、かようお尋ねしておるのです。
  22. 河井彌八

    委員長河井彌八君) この際諸君に申上げます。栗栖君のお考えが大体わかつて参りました。従つてここに提出されておりまするこの修正案そのものにつきましては、なお検討の必要があると思いますから、暫らく懇談会を開くことにいたします。どうぞさように御承知を願います。速記はやめて。    午後二時三十二分速記中止    ——————————    午後三時三十一分速記開始
  23. 河井彌八

    委員長河井彌八君) 速記を始めて下さい。それでは休憩いたします。    午後三時三十二分休憩    ——————————    午後八時七分開会
  24. 河井彌八

    委員長河井彌八君) これより内閣委員会開会いたします。  経済審議庁設置法案及び経済安定本部設置法廃止及びこれに伴う関係法令整理等に関する法律案議題といたします。只今栗栖君から修正案提出がありました。この修正案をも併せて議題といたします。つきましては修正案朗読をいたさせます。藤田専門員をして朗読をいたさせます。    〔藤田専門員朗読〕    経済審議庁設置法案に対する修正案   経済審議庁設置法案の一部を次のよう修正する。   第三条第一号から第三号までを次のように改める。   一 長期経済計画策定   二 二以上の行政機関経済施策に関連する総合的且つ基本的な政策企画立案(特定の行政機関主管に属するものを除く。)   三 経済に関する基本的な政策総合調整   第四条第十三号中「経済」の下に「(外国為替予算並びに外国投資家の投資及び事業活動を含む。)」を加え、同条第十七号中「国民生活の安定」の下に「及び労働状態の改善」を加え、同条第十八号中「他の行政機関の所掌に属さない総合経済政策」を「二以上の行政機関経済施策に関連する総合的且つ基本的な政策(特定の行政機関主管に属するものを除く。)」に改め、同条第十九号中「ハ 電源開発促進法(昭和二十七年法律第  号)」を「ハ 特殊土じよう地帯災害防除及び振興臨時措置法 ニ 電源開発促進法(昭和二十七年法律第  号)(昭和二十七年法律第九十六号)」に改める。   第五条中「三部」を「四部」に、「総務部」を「総務部調整部」に改める。  第六条中「総務部、」の下に「調整部、」を加える。   第七条第十一号中「貿易」の下に「、外国為替」を加え、同条第十六号中「国民生活水準」の上に「労働状態及び」を加え、同条第十八号中「前七号」を「前八号」に、「他の行政機関の所掌に属さない総合経済政策」を「二以上の行政機関経済施策に関連する総合的且つ基本的な政策(特定の行政機関主管に属するものを除く。)」に改める。   第八条に次の一号を加え、同条を第九条とし、以下順次一条ずつ繰り下げる。   五 特殊土じよう地帯の災害防除及び振興に関すること。   第七条第十号の次に次のように加え、同条中「十一」を「一」に、「十二」を「二」に、「十三」を「三」に、「十四」を「四」に、「十五」を「六」に、「十六」を「七」に、「十七」を「八」に、「十八」を「九」に改め、同条第十九号を同条第十一号とする。   (調整部の事務)  第八条 調整部においては、左の事務をつかさどる。   改正後の第八条第四号の次に次の一号を加える。   五 外国投資家の投資及び事業活動に関する基本的な政策及び計画総合調整に関すること。   附則第一項中「七月一日」を「八月一日」に改める。   —————————————    経済安定本部設置法廃止及びこれに伴う関係法令整理等に関する法律案に関する修正案   経済安定本部設置法廃止及びこれに伴う関係法令整理等に関する法律案の一部を次のよう修正する。   第十条(臨時金利調整法の一部改正)中「経済審議庁総務部長」を「経済審議庁調整部長」に改める。   第十六条(国立国会図書館法第二十条の規定により行政各部門に置かれる支部図書館及びその職員に関する法律の一部改正)を削り、第十七条(国家公務員のための国設宿舎に関する法律の一部改正)を第十六条とし、以下第二十九条(国有財産特別措置法の一部改正)まで順次一条ずつ繰り上げ、第三十条(電源開発促進法の一部改正)中「第四条及び第九条」を「第四条、第十条及び第二十三条」に、「第七条」を「第八条」に改め、第九条第三項第五号の改正規定を次のように改める。   第十条中「十五人」を「十四人」に改める。   第十条第三項第五号、第六号及び第七号を次のように改め、同項第八号を第七号とする。   五 経済審議庁長官   六 自治庁長官   第十条第四項中「第八号」を「第七号」に改める。  第三十条(電源開発促進法の一部敗正)を第二十九条とする。   第三十一条(経済安定本部の残務整理)を第三十条とする。   附則第一項中「七月一日」を「八月一日」に改める。
  25. 江田三郎

    ○江田三郎君 只今提案になりました経済審議庁設置法案につきまして、簡単に大臣に質問したい点がございますが、それは原案の第七条の、十四に当るところでございまして、私どもはこの第七条に特に公共事業及びこれに要する資金に関する基本的な政策、及び計画企画立案及び総合調整に関することと、こういうことを、一項目附加えるべきだという考え方を持つてつたわけでありまして、これは私がひとり申すのではなくて、委員会の多くの方々が同じよう意見を持つておられまして、それにつきましては委員会で出た多くの発言を整理されたと言われる、最初に出ましたいわゆる栗栖案栗栖さんはそのお名前を嫌われますが、いわゆる栗栖案というものに載つてつたわけであります。私どもがこういうような項目を一つ必要とすると考えましたのは、特に経済審議庁長期計画を立て、或いは国土の総合開発或いは電源開発というような、この総合的な政策に携わる点からいたしまして、そういう点で最も大きなウエイトを占めるところの公共事業に関するところの資金或いはその全体的な基本的な技術計画というようなものは、一つ大きく浮き出させておくべきである、こういう考えでやつてつたわけでありますが、その後いわゆる栗栖案は二転三転いたしまして、今朗読になりました修正案のもう一つ前に出されようとしたところにも、財政という次に公共事業費を含むというような、そういう修正案が出されることに意見一致をみておつたわけであります。ところがそれに対しましては、野田大臣のほうから公共事業費を含むということをここに入れるのは適切でない、第一公共事業費というこういう費目はないのだというお話があつたわけでありますが、私は公共事業費という財政法上の費目はないといたしましても、恐らく常識的に公共事業費というものは我々の頭の中にあるわけでありまして、一般概念としまして、公共事業というものは今も残つておると思うのであります。要するに私たちが問題にいたしたいのは、道路或いは河川或いは港湾、土地改良、その他のそういうような事業に対しまして、国家資金を大きく使つて行くところの、従来公共事業費として扱つてつたような事業を指すのでありますが、これはどう扱われるかということは、本当にこの経済審議庁長期経済計画を立て、或いは国土総合開発、これは総合開発法のいわゆる国土総合開発でなしに、もつと常識的な意味における国土の総合開発なり、電源開発に当りまして、これらの国家資金の使い方というものは非常に重要なウエイトを持つということは今更申すまでもない点であります。ただ私どもはそういう考え方をいたしましても、別に個々の地域における一つの用排水と河川改修の技術的なつながり、そういうところまでもというのではないのでありますが、我々が常識的に公共事業費と、こういうふうに考えておるものが大枠といたしまして、例えば河川に幾ら使われ、土地改良に幾ら使われ或いは電源開発に幾ら使われるかというような資金的の縦割りの問題が一つ出て来ますし又大きくその資金が一つの地域的なブロツクにどう振りまかれるかということ、例えば北海道に幾らであり、或いは関東に幾らであり、電源開発地帯に幾らであると、こういうような大枠というものは、これは重要な働きをすべきものであつて、而もその大枠というものはこれは当然この経済審議庁で取扱わなければならんと思うのであります。ただそういうような点につきまして、先ほど野田大臣の私的なお話では、そういうことは当然財政、通貨、及び金融ということの中に含まれておるのだと、その点は間違いないのだと、こういう説明がありましたが、なお私どもははつきりその点が納得できないのでありまして、そこで実際にこの提案されました法案が成立いたしました場合に、従来我々が公共事業費として扱つており、又公共事業費という財政法上の費目がなくなりましても、常識的に我々が公共事業費として考えて来たそういう資金の使い方、或いは計画の立て方につきましては、現実にこの法案通過後どういうようにお扱いになるのか、その点を野田大臣のほうから明らかにして頂きたいと思つて質問いたすものであります。
  26. 野田卯一

    国務大臣野田卯一君) お話の点は先ほども申上げましたように、法案通過後におきまして、例えば電源開発とか或いは土地改良であるとか、或いは道路の整備計画とか、いろいろな問題があると思いますが、電源開発について例をとりますと、電源開発がこれを実行する主体から見ましても、国がやる場合、地方公共団体がやる場合、或いは今度新らしくできました電源開発株式会社がやる場合、或いは九電力会社がやる場合、或いは又民間の産業会社がやる場合といろいろな場合があるのであります。又その資金のソースにつきましても、自己資金でやる場合もあれば、一般権益株かなんかの借入金でやる場合、預金部の資金を使う場合、見返資金でやる場合、一般会計の金を使う場合、その他いろいろな方法があると思いますが、そういうものを全部取まとめまして、どういうふうな主体がどういう金を使つて行くかということを資金計画として、或いは開発計画として立案し、勿論審議庁なんかに十分相談してやつて行く、或いは場合によりましては、中心になつてやられるというようなほうに進めたい。こういうふうに考えておるわけであります。
  27. 江田三郎

    ○江田三郎君 その最後のところでありますが、十分相談したい、或いは審議庁中心になつてやるべきである。子の十分したいというのと、審議庁中心になつてやるべきであろうと言もれるのとは、少しこれはニユアンスが違うわけでありまして、更に推し進あて行きますと、ニユアンスどころでかしに大変な違いになるのであります。私どもは少くともそういうようなことにつきましては、特にこの審議庁長期計画を立て、常識的な意味における国土総合開発なり、電源開発に関する基本的な政策を立てるという以上は、さような資金の使い方というものは当然この審議庁中心になつてやるべき竜のであると考えるのでありまして、そう解釈してよろしいのでございますか。
  28. 野田卯一

    国務大臣野田卯一君) これは電源開発の問題につきましては、確かに審議庁が電化促進法なんかの執行に当りまして、中心的な役割を勤めると思います。土地改良の問題でありますと、やはり農林省が中心になりまして案を立てまして、審議庁相談して各省のとりまとめというか、お互いに相談し合うときには相談しますが、農林省がやはり案を立てられる。こういうふうに理解いたしております。
  29. 江田三郎

    ○江田三郎君 その土地改良の細かなことはいいのでありまして、要するに基本的な総合的なこの枠としましては、経済審議庁中心になつてやると、こういうわけですね。
  30. 野田卯一

    国務大臣野田卯一君) それはお話ようなことになりますと、農業長期計画の中に当然入つて来ると思います。農業長期計画策定経済審議庁でやることになる。これは書いてある通りであります。
  31. 江田三郎

    ○江田三郎君 要するに、この二つ以上の行政官庁の関係という点からいたしましても、それからそういうよう基本的な政策及び計画総合調整をするということのほかに、例えば大蔵省がこれをやるといたしましても、従来大著省がやる場合にしばしば間違いを起して来ているわけでありまして、私は農林委員会のほうへ関係しておりましたが、農林委員会あたりにおきましても、例えば小規模土地改良というものを一体どこから、何段歩から小規模土地改良にして行くかということの事実について何も知らない大蔵省提出をいたしますために、農村の実情にそぐわないで堪えず農林委員会大蔵省が衝突していなければならん、こういう問題がたくさんあるわけでありまして、従つてどこの土地改良をするとか、或いはどこの河川改修をするとかということは別問題でありますが、少くともそういうような資金の大きな縦割りの問題或いは大きなブロツクことの金の使い方という基本的な政策及び計画総合調整はこの経済審議庁がやるものだというように、今の大臣のお答えからしましても当然そうならなければならんと思うのでありまして、それでよろしいのでございますか。
  32. 野田卯一

    国務大臣野田卯一君) 大体そういうふうに御了解願つてよいと思います。
  33. 河井彌八

    委員長河井彌八君) ちよつと諸君に伺いますが、質疑は大体終了したものと認めてよろしうございますか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  34. 河井彌八

    委員長河井彌八君) では質疑は終了したものと認めます。これより討論に入ります。
  35. 波多野鼎

    ○波多野鼎君 只今議題となりました経済審議庁の設置法案並びにその修正案につきまして、私は賛成の意を表するものでありますが、併し非常に遺憾の意を以て賛成をせざるを得ないという苦境に立たされておるのであります。甚だ遺憾の意を以てこの原案並びに修正案に賛成の意を表せざるを得たいのであります。元来この経済審議庁設置法案なるものを政府提案のものを見ますと、法文としましても非常に乱雑な整理のつかないものであり、且つ又法文自体を全体を貫ぬく考え方が非常に混乱いたしております。で内閣委員会においてこの法案についての審議が非常に長引きましたのは、主としてこの二つの理由によつておると思います。特に経済審議庁性格そのものが甚だ不明確になつておる。政府は一体何を意図しておるのかということがわからないというところに問題があつたと思います。我々がこれを見まして、政府原案を見ますると、一つは作文を作る機関だ、経済審議庁は作文をする機関だという性格が浮び上つております。それからもう一つは走り使いをする機関だ、仲裁と申しますか、而も権限は余りない、権限がなくて、まあ小使的な役割をする、そういう機関であると、作文を作り小使的な走り使いをするという機関であるというよう性格が浮び上つておるのでありまして、政府自由主義経済政策ということを申しておりますけれども、併し政府の大臣諸公がしばしば答弁されるように決して野放しの、手放しの自由主義経済考えているのではなくて、一つの計画ある自由主義経済考えておるんだということを従来は言つておりました。それならば経済審議庁というものを作る以上はこれに或る企画立案計画性を、政府政策全体について計画を与える役割というものをこの経済審議庁に与えるのが当然でないかと思つておりましたところが、今申上げましたような妙な性格のあいまいなものとしてここに提案せられております。従いまして、内閣委員会審議の過程においてこういうような妙なものならばむしろないほうがいいんじやないか、あつたつてようがないじやないかというよう意見委員諸君のなかからしばしば出ましたのも当然のことであると私は考えます。そういうような非常にお粗末な原案でありましたために、委員諸君の頭を悩ませることが多かつたと思いますが、併し熱心な討議をいたしまして、そうしてできるだけいい性格のはつきりした機関にして行きたいという熱意をどなたもお持ちになつたことと思います。そうしてその熱意の結集するところが何とかしていい修正案を作りたいというようなところに集つて参りまして、共同修正案の議が進んで参つたのであります。ところが共同修正案の作成の過程におきまして、いろいろの行き違いと申しますか、我々政治家としての生活のなかで私としては甚だ不愉快な場面にも逢着いたしましたが、とにかく曲りなりにも修正案ができたのであります。この修正案を見ますと、政府原案よりはよくなつております。そのことは率直に認めなければならんと思います。第三条の問題にしましても、その他の問題にしましても政府原案よりはよくなつておることは事実であります。併し私が遺憾の意を表しながらこれに賛成せざるを得ないと申上げるのは、我が党といたしましては、この経済審議庁の問題につきましてはすでに一カ月以上前に党の態度を決定いたしておりまして、これを明確な企画庁として再編成する、特に大蔵省の主計局をここに移して予算編成の点までもこの審議庁、ここでやらせるようなそういう性格を持たせたいということが党議できまつてつたのであります。併しこの党議できまつてつた線を内閣委員会において貫いて行くということについては、同僚諸君の御了解を得る点において我々が至らなかつたところもございますが、結局それは不可能なことになつて参りました。我々としましては、審議の過程におきまして一つの独自の修正部分というものを考えたのであります。これは私一人が考えたのではなくて、改進党の松原君、三好君、それから社会党の江田君、成瀬君、緑風会の楠見君、我が党の上條君等が集まりまして作りました一つの修正案があつたのであります。併しこの修正案につきましても多数の御賛同を得ることができない羽目に陥りまして、我々としてはこの我々が共同して作つた修正案出して負けるか、それともこの楠見君が出された修正案に賛成したほうがいいかということに非常に苦慮せざるを得ない羽目に追込まれたのでありまするが、私どもとしましては、原案よりも幾らかいいものであるという意味において賛成をするものであります。これに賛成するということは、言うまでもなく政府原案というものに対する強い不信任意味を表わすものであるということを政府の諸公においても銘記して頂きたいと思うのです。我々先ほど読み上げました、諸君と共同で作りました修正案には、今栗栖君が出しております修正案以外に、先ほどから問題になつております公共事業費及びこれに要する資金に関する基本的な政策を企画、立案することという一つの独立の項目も設けております。又外国為替予算の準備に関する総合調整を行うということ、それから国際的に供給の不足する物資及び電力の需給調整に関する総合的且つ基本的な政策を企画、立案すること、こういうような項目を権限の部におきましても、任務の部においても設けて行く、もう一つ落しましたが、労働雇用の増大、労働能率の増進、実質賃金の向上、その他労働者の生活及び福祉の増進に関する基本的な政策の企画、立案及び総合調整に関することというようなものを入れました修正案出したかつたのです。これが通ればと思いましたけれども、先ほど申したよう意味において遂に引込めざるを得ない羽目に陥つたのであります。この点返えす返えすも遺憾の極みであります。私どもはこの原案並びに修正案を除く原案に賛成するに当りまして、以上の所見を申述べて賛成の意を表するものであります。
  36. 松原一彦

    松原一彦君 私は改進党を代表して本案に賛成の意を表します。  本案は経済政策上の企画庁か、或いは省庁間の対立存調整する機関であるか、当初から実は迷わざるを得なかつたのであります。若し後者であるとするならば、無用の存在であり、むしろ行政整理のためには否決すべきものであると信ずる節がございました。又前者に重きを置くのであるとするならば、かねて只今波多野君からも申されました通り、議院の審議の際に右派社会党と改進党は共同して修正案がすでに提案してあるのであります。この修正案はその題名を経済企画庁設置法と改め、企画的性格を多量に持たせ、そうしてこの主たる事務の中に国の予算編成方針の策定という項目をも入れてあるのであります。でありまするから、改進党としましてはかよう意見を持つておりますが、こうなりますというと、これは政府の意図せられておるものと一致するものか、或いは性格的に違つたものが出る虞れすらもあるのであります。併し私どもはいやしくも政府提案の際に御説明なつ通りに、日本の現段階としましては長期経済計画が要る。又今後新たに起つて来るところの国防力の充実、その他各種の経済上の問題があつて、これが基本的な研究調査等をもしておかなければならないという、この御説明従つても、これは当然我々が希望すべき性質を持つて然るべきものとは思つたのでございますが、併し長い間の審議を通して政府の御意見をも質し、又同僚諸君の御所見をも伺つて、この修正は成立しない、遺憾ながら成立しないということを承知いたしました。然らばむしろ行政整理の目的に副うように無用の存在として否認すべきものではないかと思いましたが、これ又今日の情勢においては許されません。河井委員長が長い日に亙つて熱心におとりまとめのお骨折をせられましたことを多としまして、努めて委員間の意見の集約と整理とに我々も賛同して参つたものであります。併しその道程を顧みまするというと、あたかもこの法案が経済上の調整機関であるように、この委員会も又研究討議というような会ではなく、何か不明朗な妥協に終始した憾みが多量にあるのであります。かようなことは我々内閣委員会としましても将来のために今後はとつてはならない。もつと明朗に、秘密会、懇談会等というよりも、堂々と各所見を戦わせて、そうして信ずるところに向つての討議を行い、そうして至誠を尽して他の諸君の賛同を求めて、その結果を待たねばならないものであろうと思います。非常に不明朗なる、委員長の御苦労はありましても、結果としましては私は遺憾なことになつたことを残念に思うものでございます。自由経済政策をとらるる現内閣としましても、只今波多野氏も言われました通りに、我が国の現段階にありましては長期経済計画等ルー要するのであります。重要政策基本的なものを持たなければ当面の問題に対する調整上の基準が立たないのであります。さよう意味からいたしましてここに提案せられました栗栖案につきまして、本来の我が党の主張とは遥かに遠いものでありますけれどもが、今回の審議の過程に顧み、且つ栗栖案について一昨夜の比較的網羅したる意見の集積から離れたとは言え、これに参加して努力を尽して参りました責任上私どもは今更反対することを許しません。従つて所期の目的とは遥かに遠いのでありまするが、職責上ここに賛成の意を表するものであります。なお、かくのごとき審議の態度は今後繰返されないことをば希望いたしておきます。
  37. 中川幸平

    中川幸平君 私は自由党を代表いたしまして、只今上程されました経済審議庁設置法案経済安定本部設置法廃止及びこれに伴う関係法令整理等に関する法律案につきまして、先ほど朗読されました栗栖委員提案修正案並びに爾余の原案に対して賛成の意を表明いたしたいと思うのであります。  戦後厖大なる機構と重大なる使命の下に発足いたしました経済安定本部が爾来食糧或いは工業用原材料の適正なる輸入、或いは国内緊迫したところの物資の適正配給、或いは物価の統制、その他万般について経済の建て直し、或いは国民生活の安定に重大なる貢献を現しましたことは、国民ひとしく認むるところであるのであります。然るところ、漸次国内の経済の建て直し或いは物資の出廻りにつれまして、統制の撤廃等が行われて、今や安定本部設置の使命の大半が失われて参つたのであります。のみならず、各官庁においては折角計画いたした事柄も安本の折衝に一苦労するいわゆる厄介視される声すら聞いたのであります。この際に当りまして、政府においては事務の簡素化の線に沿つて安定本部廃止立案をされましたことは、誠に当を得た処置であるといたしまして賛意を表します。而ういたしまして、この安定本部の所掌しておりました各種の事務各省にそれぞれ分属されましたことはもとよりでありまするが、各省に分属させることのできない而も国家として最も重要であるところの長期経済計画策定、或いは経済に関する基本的な政策総合調整、或いは総合国力の分析及び測定等、幾多の事柄を所掌せしむるために、ここに経済審議庁設置のこの立案をされましたのであります。而ういたしまして、この経済審議庁権限、所掌事務に関しまして、経済安定委員長或いは当委員会におきましても、只今波多野委員から申されたごとくいろいろ要望が続出いたしておつたのでありまして、懇談会にもいろいろ山積いたしておつたのでありまして、当時私は何といたしましても現政府の設置の基本方針の範囲内においていろいろお考を頂きたい。先ほど申しまする通り、又波多野委員からも申された通り、国家の予算までもここに入れるという話まで聞いたので非常に驚いておつたのであります。ただ基本方針とは何であるかは一々申すまでもなく、経済安定本部廃止されたその経緯によつて考えを願えることと存ずるのであります。幸いにいろいろの御理解を願つて只今朗読されました栗栖委員修正の大要を見まして、この程度ならば誠に当を得た修正であるという感じをいたしまして、その修正を含めた原案に賛成の意を表する次第であります。
  38. 江田三郎

    ○江田三郎君 この法案は先ほど改進党を代表して松原委員が述べられましたように、この審議は誠に不愉快な審議でありまして、松原氏のおつしやいますように、二度とこういう審議を繰返したくないと思うのであります。我我は何も政府の言うがままに動かなければならんのじやないのでありまして、中川委員政府の施策の範囲内においてものを考えろと言われますが、これは自由党がそうなさつたらいいのであります。我々はおのずから別の立場があるわけであります。私どもは今中川委員のおつしやいますように、日本の経済が楽観が許されるほど好転したとは一向に考えられないのであります。貿易を見ましても何を見ましても、何一つ楽観できる材料はないのでありまして、特に世界経済、世界の諸般の条件が非常に緊迫をしておりますときに、今こそもつと長期の見通しを持つた計画をはつきり立てておかなければ、日本の経済或いは日本の運命というものはとんでもないことになると思うのであります。そういう意味から私どもはやはり総合的な経済企画庁、そういう官庁がどうしてもなければならんということを根本的に考えておるわけでありますが、ここに出されましたところのこの法案に対しましては、党といたしましては飽くまでかような中途半端なわけのわからんものでなしに、はつきりとした経済企画庁、そういうものを作るべきだということを決定しておりましたことは、先ほど社会党の第二控室を代表されて述べられました波多野さんの意見とほぼ同じくするものであります。又仮にここに出ましたこの法案のこの第三条の任務を考えて見ましても、若しここに書いてあるところの任務の長期経済計画策定なり、或いは経済に関する基本的な政策総合調整なりということを本当に考えておられるのならば、その爾余の条文というものはもつと違つたものが出て来なければならんと思うのであります。第三条にいうところの任務とその後に出て来るところの権限なり、或いは各部の所掌事務は全くこれは内容の釣り合わんものでありまして、羊頭狗肉と言うても誠にいいのではないかと考えられるわけであります。ただ私どもはそういう立場からしまして、簡単にこれに反対しまして、玉砕ということは簡単な態度でありますけれども、又一番はつきりとした態度でありますけれども、日本の経済がどうなるかということを考えます場合に、かような反動的な立法に対しましては、できるかけの抵抗をして、一つでも二つでもよりいいものにして行かなければならん。そういう考え方から野党の各派の諸君と協議をいたしまして、これをこの反動のこのでたらめな法案をどこでくいとめるかということについて協議を進めて来たわけであります。併しながらそういう協議も何度となくひつくり返りまして、遂に私どもの目的を達し得なかつたのでありますけれども、従いまして、私どもがこの出ましたところの原案なり修正案に対しまして、心から賛成はいたしかねるわけであります。ただ、今まで手をつないで何とかしてこのでたらめな法案を軌道に戻すために、少しでもこの立派なものにするために、少しでも合理的なものにするために手をつないで来た野党の各派の諸君と今ここで一ぺんに袂を分つということは、情において、或いは今後の議会活動の上から言いましても、そういうことは忍び得ないものでございますので、止むを得ずこれに賛成いたしますが、誠に不愉快な審議であり、又内容の杜撰な法案であるとは思つておりますが、しぶしぶ賛成いたすものであります。
  39. 楠見義男

    ○楠見義男君 私は只今議題になつております経済審議庁ほか一件につきまして、修正案を含めた原案に賛成いたします。賛成の理由につきましては、最初に波多野君から詳細お述べになりましたと私は全く同意見であります。
  40. 河井彌八

    委員長河井彌八君) 賛成の御発言は尽きたものと認めまして、これより採決に入ろうと思いますが、御異議ありませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  41. 河井彌八

    委員長河井彌八君) 御異議ないと認めます。  それでは両案の採決をいたします。只今議題にいたしました栗栖委員の発議せられました修正案をそれぞれ経済審議庁設置法案及び経済安定本部設置法廃止及びこれに伴う関係法令整理等に関する法律案に含めまして、修正議決することに賛成の諸君の挙手を願います。    〔賛成者挙手〕
  42. 河井彌八

    委員長河井彌八君) 全会一致であります。よつてこの両案は修正議決すべきものと議決せられました。  賛成者の諸君の御署名を願います。  多数意見者署名     鈴木 直人  中川 幸平     成瀬 幡治  岡田 信次     郡  祐一  愛知 揆一     竹下 豐次  楠見 義男     江田 三郎  波多野 鼎     上條 愛一  栗栖 赳夫     松原 一彦  三好  始
  43. 河井彌八

    委員長河井彌八君) なお、委員長の報告は委員長に御一任を願います。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  44. 河井彌八

    委員長河井彌八君) 御異議ないと認めます。   —————————————
  45. 河井彌八

    委員長河井彌八君) 次にお諮りをいたします。大蔵省設置法の一部を改正する法律案、これを議題といたし、及びもう一つあります。大蔵省設置法の一部を改正する法律等の施行に伴う関係法令整理に関する法律案、これは只今御決定になりましたこの経済審議庁法の修正によりまして、解決ができるものと思いまするから、これを議題といたします。
  46. 楠見義男

    ○楠見義男君 只今大蔵省設置法及び大蔵省設置法の一部を改正する法律等の施行に伴う関係法令整理に関する法律案についてそれぞれ修正案が出ておるわけでありますが、この修正案につきましては、委員多数のかたがたの共同による修正案でありまして、その内容も各委員よく御承知のことでありますが、非常に厖大なものでありますから、速記にとどめて頂くことにいたしまして朗読を省略せられては如何かと思いますが。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  47. 河井彌八

    委員長河井彌八君) ここに楠見君から御発議になりましたこの修正案朗読は省略して速記にとどめるということで御異議ありませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  48. 河井彌八

    委員長河井彌八君) 御異議ないと認めます。さように決します。  それではこの両案につきまして、御質疑もないようでありますので、討論に入ります。    〔「討論なし」と呼ぶ者あり〕
  49. 鈴木直人

    鈴木直人君 私は提案されました大蔵省設置法修正されました部分について反対をいたす部分がありまするので、修正案全体に対して反対をせざるを得ないことを申上げたいと思います。従いまして、私の考えておるのは、衆議院から送付されました原案全部に賛成であるということになるのであります。修正案に反対するところの理由につきましては、以前におきまして、農林省設置法の一部改正する法律案、通産省設置法などの場合における修正案に反対したと同様でありまして、この原則でありまする外局の庁を内局にするという原則に反対する部分がこの法案の修正部分にもあるのでありまして、即ち国税庁を徴税局にしようとするところの原案に対しまして、元に返しまして、同じく国税庁に復活するという修正案があるのでありまして、この点につきましては賛成することができないわけであります。その点を明らかにいたしまして、反対の意見にいたします。
  50. 楠見義男

    ○楠見義男君 私は只今提案されております大蔵省設置法の一部を改正する法律案及び大蔵省設置法の一部を改正する法律等の施行に伴う関係法令整理に関する法律案につきまして、緑風会を代表いたしまして、提案された修正案を含めた原案に賛成をするものであります。  修正案中の部の問題、及び外局たる国税庁の存置の問題につきまして、昨日農林省設置法の際に詳細その理由を述べたと全く同一の理由であります。従つて賛成の理由につきましては、ここで詳細申上げることを省略いたします。ただ、今回大蔵省の外局である造幣庁及び印刷庁がこの改正案によりまして大蔵省の附属機関になつたのでありますが、その附属機関になることについて承認いたしましたにつきましては、将来これらの機関は公共企業体に移行すべきものである。こういうよう意見を持つておるものでありまして、従つてそういう意味原案に賛成をしたようなわけであります。政府におかれましても、この公共企業体移行の問題については、とくと今後の問題として考究を煩したい、この希望だけを附加えて申上げておきます。
  51. 河井彌八

    委員長河井彌八君) 他に御発言がないと認めますから、これから採決しようと思いますが御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  52. 河井彌八

    委員長河井彌八君) 御異議ないと認めます。それでは先ず以てこの両案に対して提出せられました修正案を問題といたします。修正案に賛成の諸君の挙手を願います。    〔賛成者挙手〕
  53. 河井彌八

    委員長河井彌八君) 多数であります。  次に修正案を除きました両案の原案について採決をいたします。賛成の諸君の挙手を願います。    〔賛成者挙手〕
  54. 河井彌八

    委員長河井彌八君) 全会一致であります。よつてこの両案は修正議決せらるべきものと議決いたしました。  賛成の諸君の御署名を願います。   多数意見者署名     成瀬 幡治  竹下 豐次     楠見 義男  江田 三郎     上條 愛一  栗栖 赳夫     松原 一彦  三好  始
  55. 河井彌八

    委員長河井彌八君) なお、委員長報告は委員長に御一任願います。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  56. 河井彌八

    委員長河井彌八君) 御異議ないと認めます。それでは明日は午前十時から開会いたします。今晩は遅くまで御苦労でありました。有難うございました。  これを以て散会いたします。    午後九時十三分散会