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1952-06-10 第13回国会 参議院 内閣委員会 第39号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十七年六月十日(火曜日)    午前十時五十五分開会   —————————————  出席者は左の通り。    委員長     河井 彌八君    理事      成瀬 幡治君    委員            楠瀬 常猪君            横尾  龍君            竹下 豐次君            上條 愛一君            波多野 鼎君            栗栖 赳夫君            松原 一彦君            三好  始君   国務大臣    農 林 大 臣 廣川 弘禪君    運 輸 大 臣 村上 義一君    建 設 大 臣 野田 卯一君   政府委員    行政管理庁次長 大野木克彦君    行政管理庁管理    部長      中川  融君    農林大臣官房長 渡部 伍良君    農林省農業改良    局長      清井  正君    運輸大臣官房長 壺井 玄剛君    運輸大臣官房観    光部長     間嶋大治郎君    運輸省鉄道監督    局長      荒木茂久二君   事務局側    常任委員会専門    員       杉田正三郎君    常任委員会専門    員       藤田 友作君   説明員    農林大臣官房文    書課長     立川 宗保君    運輸大臣官房文    書課長     谷  伍平君    建設大臣官房文    書課長     小林与三次君   —————————————   本日の会議に付した事件 ○運輸省設置法の一部を改正する法律  案(内閣提出衆議院送付) ○建設省設置法の一部を改正する法律  案、内閣提出衆議院送付) ○農林省設置法等の一部を改正する法  律案内閣提出衆議院送付)   —————————————
  2. 河井彌八

    委員長河井彌八君) これより内閣委員会を開会いたします。  大蔵省設置法の一部を改正する法律案等議題とするつもりでありましたが、政府の側の都合がありまするので、これをやめまして、便宜運輸省設置法の一部を改正する法律案議題といたします。これにつきましては、すでに質疑をいたしているのでありますが、本日はなお質疑を続行いたしたいと思います。委員諸君の御発言を請います。  政府お尋ねしますが、原案に対しまして衆議院修正点があります。即ち「第三十三条第一項を次のように改める。」という中に第三号として「標準木船運賃標準回漕料又は標準木船渡料設定に関すること。」というのが衆議院修正として加えられたのであります。これに対して政府説明を求めます。
  3. 谷伍平

    説明員谷伍平君) 只今の点につきまして御説明申上げます。運輸省設置法の一部改正法案衆議院において審議中に議員提案でありますところの木船運送法が通過成立いたしまして、すでに公布されましたので、その関係でこの二十三条の第一項、これは本省の海運局所掌事務でございますが、その中に同法によりまして「標準木船運賃標準回漕料又は標準木船渡料設定に関すること。」という所掌事務を新たに附加える必要が生じましたと同時に、四十条の第一項、これは地方海運局でございますが、地方海運局において木船運送事業登録を行うことに法律の中で規定されておりますので、二の二としまして「木船運送事業登録に関すること。」を所掌事務の中に附加えることになつたわけでございます。なお申上げておきたいと思いますが、この衆議院でなお一カ所修正になりましたのは、第四条の十四の十四というのが原案にございまして、「旅行あつ旋業を登録すること。」という所掌事務権限を掲げておつたのでありますが、これは旅行あつ旋業法が当初の予定よりも非常に審議が遅れましたために、現在衆議院において審議中でありますが、この法律改正法案のほうが先に審議が進められる恰好になりましたので、差当り旅行あつ旋業法に基く十四の十四というのを削除するのが妥当であるということで衆議院修正されたことを附加えてお断わり申上げて置きます。
  4. 三好始

    三好始君 航空局に関連して航空機現状についての一応の御説明を伺いたいのでありますが、例えば航空機生産登録、或いは乗組員の免許、或いは飛行場の状況、飛行場に関しては駐留軍関係飛行場、或いは将来予備隊警備隊関係飛行場航空局との関係で、どういうふうな取扱いが予定されておるのか、こういつた方面の状況なり、予定について御説明を伺いたいと思います。
  5. 村上義一

    国務大臣村上義一君) 終戦後から引続いて日本人航空機所有し、又整備し、運航することは全面的に禁止せられておりましたことは申上げるまでもありません。講和発効によりまして、講和条約の十三条の(C)項によりまして、国際民間航空条約及びその附属書内容に含まれてある事項は、すべて日本において遵守するということは当時明らかに約束しておることでありまするが、とにかく原則的には航空活動は全面的に認められることに相成りました。ただ内国の準拠規則がまだ決定されておりませんので、従つて航空事業経営者というものも、特に占領治下においてスキヤツピンに基いて承認せられましたその内容は、ただ単に営業行為のみを行い得る飛行機所有、又運航等については外国会社との特別契約に基いて行うという非常に制限を受けたものでありますが、現在の日本航空会社が一社認められたこと、これ又御承知通りであります。で、現在におきましては、日本人航空機を生産し、又所有する、又みずから運航するということも認められておるのでありまするが、国内的に航空機製造に関しまして、特に航空法の成立を必要とする次第であります。この航空法に基いて航空機操縦所有整備等を、又製造等が、特に安全に関する諸種の検査証明等航空法によつて処理することに相成りました。航空法案もすでに国会に提出して御審議を願つておるような次第であります。現在は航空法ができません、まだ成立施行されませんが故に、航空事業を起したいという申請も受付け得ることができない状態に置かれてある。又航空機所有するということについての申請を受理することがなおできないという現状であるのであります。航空機操縦者につきましても、まだ試験制度航空法によつて確立した後でないと、これらの試験を行うことができないという現状であるのであります。言換えますれば、航空活動は全面的に認められておりますけれども、準拠する法律がまだ施行せられませんために、占領治下におけるのと実態においては殆んど変りないという状態にあるのであります。なお飛行場についての御質問が最後にありましたから、今、日米安全保障条約に基く行政協定航空部門によりまして、只今交渉が進められておる次第であります。今後どういう状態になるかということを明確に申上げることが今できませんが、羽田のごとき日本の空の門口というような飛行場民間飛行として返附を受けるということは大体間違いないと考えておるのであります。今予備隊等に関連してのお尋ねもありましたが、今後今日本にあります数十の飛行場につきましては、民間飛行と、そうして駐留軍飛行事務等と共用する場所が比較的多くなると思うのであります。又極く一部分駐留軍専用になると思うのであります。ただそういつたような飛行場日本予備隊が他日飛行機を持つという場合に、どういうことになるかということは、今まだ協定中にあるので明確にお答えすることができないのは誠に遺憾に存じます。
  6. 河井彌八

    委員長河井彌八君) 運輸省設置法の一部改正案につきましては、本日はこの程度にとどめておきたいと思います。御異議ありませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  7. 河井彌八

    委員長河井彌八君) 御異議ないと認めます。   —————————————
  8. 河井彌八

    委員長河井彌八君) それでは次に建設省設置法の一部を改正する法律案議題といたします。
  9. 三好始

    三好始君 現在の警察予備隊、それから保安庁法案予定されている保安隊関係施設作つて行く工事建設省とどの程度関連性があるのか、お伺いいたしたいと思います。
  10. 野田卯一

    国務大臣野田卯一君) 従来の警察予備隊関係営繕は、営繕部においてその多くの部分を受持つて来たのでありますが、今後も二十七年度におきましても、引続き警察予備隊、それが形が変れば保安庁関係保安隊、そういうものになつて来ますが、そういう関係工事が非常にたくさんございまして、これは原則として全部建設省の今後できます営繕局において主管をするということに相成つております。
  11. 三好始

    三好始君 現在の警察予備隊にも施設を担当する局或いは課が置かれていると思うのでありますが、それとの関係はどうなつておりますか。
  12. 野田卯一

    国務大臣野田卯一君) 大体におきまして、今の方針としては警察予備隊或いは保安隊内における営繕関係の人員は、新らしく警察予備隊を設置するというようなことになりますと、その下調査がありますが、そのほかいろいろの方面から申請が出て来たり、申請と申しますか、各地から要望が出て来たり、ここに警察予備隊作つてくれとか、いろいろな要望が出て来ます。それに対します適地の下調査等、相当手間のかかる問題があります。それから又作りましたあとにおきましても、それの維持という仕事が相当ある。又いろいろな営繕関係物件の何と言いますか、帳簿を作つてそれを整理するというような仕事があるのでありまして、主としてそれに従事するということになると思います。
  13. 三好始

    三好始君 私は警察予備隊或いは保安庁法案に盛られている保安隊警備隊は恐らく実質的には軍隊的な機構だと考えているわけでありますが、政府警察として観念せられて従来説明をされて参りました。警察と申しましても、その内容において純然たる警察ではなくて、やはり軍隊としての性格の一面を持つていることは政府としても恐らくお認めになつていると思うのでありますが、そういたしますと、やはり或る程度施設について秘密を要するとか、一般官庁営繕とは異つた性格がそこに一応予想されるのでありますが、そういう場合にもやはり建設省が担当して行くという方針がとられるのがいいか、或いは直接に予備隊なり保安隊として担当して行くのがいいか、これは一つの問題ではなかろうかと思います。これは予備隊保安隊を合法的なもの、憲法に反しないものとして認めるとか、認めないとかいうことの立場を全く離れて、技術的に考えてのお尋ねでございますが、そういう問題が一応考えられると思うのですが、これについての御意見を伺いたいと思います。
  14. 野田卯一

    国務大臣野田卯一君) どういうことがそういうお話のような点に該当するか具体的には我々はまだ頭に浮べることはできませんが、警察予備隊なり、或いは保安隊特殊性に鑑みまして、若しそういうような必要がありましたならば、そういう対策につきましては警察予備隊なり、保安隊自体でやるというような考え方をいたしております。
  15. 栗栖赳夫

    栗栖赳夫君 ちよつと資料の請求をして置きたいのですが、法律案の附則の三項、ここにも出ておりますが、今度の機構改革を通じまして、例えば所管外総理府所管のものが建設省所管になる、或いは総理府所管のものが大蔵省所管になる、こういうものも大分あるだろうと思う。又或るものは逆のものもあろうと思う。権限従つて総理大臣から建設大臣或いは大蔵大臣に行くものもあろう、それを一覧して見やすいような表を一つ頂戴するといいのですが。
  16. 野田卯一

    国務大臣野田卯一君) 承知いたしました。
  17. 栗栖赳夫

    栗栖赳夫君 ついでにちよつとお尋ねしておきますが、内務省時代から建設行政には技監というものがあつたと思うのですが、これが今後廃止されてどういうような形になるか、その権限に変化はないか、従来これは技術官最高峰であつたと思うのでございますが、今後そういうものをなくして技術的な統率がうまく行くかどうか、この点御説明願いたいと思います。
  18. 野田卯一

    国務大臣野田卯一君) 今回の機構改革におきましては、例えば通商産業省の通商監であるとか、或いは建設省技監等のごとく、事務次官局長との中間にあつて省務全般を統理するという職務指揮命令系統を簡明にし、責任体制を判然たらしめるという一般法則によりまして、これを廃止することにいたしました。又技監建設省所管行政にかかる技術全般を統理することになつておるのでありますが、建設省所管にかかる技術は、河川道路都市計画建築等極めて多岐に亘つておりまして、且つそれぞれ専門化しておるので、一人の技術者でこれを統理するということよりも、各種の技術権威者を以て構成する会議制のしつかりした機関内部に設けまして、技術に関する重要事項を審査してきめて行くというほうが適当と考えられましたので、今度技監制度を廃止する。その代りに最高建設技術会議というものを設けまして、建設省所管技術行政というものをここで十分審議いたしまして決定して、そうしてそれに基いてやつて行きたい、こういうふうなことにいたした次第であります。
  19. 栗栖赳夫

    栗栖赳夫君 そうすると、その会議は諮問的の機関ですか、或いは実施機関になりますか、どういうようなことになりますか。
  20. 野田卯一

    国務大臣野田卯一君) 技術上の重要事項はここにかけまして、ここで審査いたしまして、ここで決定して、それに基いてやつて行きたい、こういうふうに考えております。
  21. 栗栖赳夫

    栗栖赳夫君 そうしますと、諮問機関であつて、それは大臣諮問機関になりますか。
  22. 野田卯一

    国務大臣野田卯一君) 諮問機関と言いますか、私のほうは重要事項を必ずこれにかけるということに考えております。それでその決定したところは、最後の決定は御承知のように大臣にあるのですが、大臣はそれを極力尊重してやつて行きたい、こういうふうに考えております。
  23. 栗栖赳夫

    栗栖赳夫君 何か運営に関する要綱のようなものを頂戴できますか。
  24. 野田卯一

    国務大臣野田卯一君) この運営の要領というものは、今のところは建設技術会議に関する政令が出るのでありますか、それを今作つておりますが、併し政令も極く簡単なものでありまして、それほど詳細なものではないのでありまして、現在御承知のように、建設技監にはいろいろな技術上の重要なものは全部書類が廻つているわけであります。それを技監が決裁して、それを次官に廻して、それを大臣が決裁するという形をとつているのでありますが、そういう技術上の重要な事項につきましては、必ず会議に付しまして、会議で以てよろしいということになつたやつを大臣が決裁すると、こういうふうなことにいたしております。なお会議をどの程度開くか、常時開くか、或いは一週に一回開くかどうかというふうなことにつきましては、実情に応じてやつて行きたいと思いますし、勿論この会議には議長を置きまして、議長がこれを主宰する、それからメンバーは、建設省土木研究所建築研究所というのがありまして、それの所長その他部内技術的の最高峰に属す為人を皆ここに入れまして、大体部内関係では十人以内、そのほかに更に必要があれば臨時委員というふうなものを設けまして、部外の技術的な権威者をこれに参加させましてやつて行きたいと、こういうふうに考えております。
  25. 栗栖赳夫

    栗栖赳夫君 今日はここにおいでにならんかたもありますので、大体今の御説明のようなものをちよつと書いてお配り頂きますといいのではないかと思いますが……。今ここに頂戴しました。それではもう一つお尋ねいたします。この議長というものはどなたがやるのですか。
  26. 野田卯一

    国務大臣野田卯一君) これは私の個人の考えなんですが、建設省には今技監があつて、そのほかに事務次官があつて技術最高峰の人が事務次官になるというような場合が想定し得るわけであります。今は事務出身の人が事務次官をやつておりますが、この前のように岩沢忠恭君のような人が事務次官になるというようなことがありますと、岩沢忠恭君のような練達の士でありますと、事務次官議長を兼ねていいのではないか。併しながら、事務次官が本当の事務系統の人でありますと、兼ねられませんので、部内最高技術者を以て議長に当てるというような考え方をいたしておるわけであります。
  27. 栗栖赳夫

    栗栖赳夫君 そうすると、事実上はそれが昔の技監というようなところに……、次官事務出出身の人であつて議長などには別に技術出最高峰の人をお据えになるというような場合には、昔の技監に相当する人をその議長にお据えになると思うのですが、それを事実上そうなるということで解釈してよろしうございますか。
  28. 野田卯一

    国務大臣野田卯一君) おおむねそういうことになると思います。
  29. 楠瀬常猪

    楠瀬常猪君 今の建設技術会議の構成でありますが、栗栖委員からお尋ね議長の問題ですが、例えば事務次官でも技術上の非常に優秀な人がなつた場合には、議長はこれを兼ねてもよいような御説明であつたのでありますが、この建設技術会議の性質から言うと、そういう場合であつて事務次官議長というものは別にしておくほうが、この技術会議を設けた趣旨に合うのではないでしようか、如何なものでしようか。
  30. 野田卯一

    国務大臣野田卯一君) まあ行政機構を簡素化するという意味合におきまして、これは会議体のものでありますから、議長取りまとめ役ということになると思います。最高権威の人が先ず事務次官になられると、技術官から出身の人が事務次官になられるとすると、最高権威がなられると思いますから、その人にやつて頂いて、若しそれでやつて御心配のようにいろいろな不便が起るとか、それがためによくない結果が生ずるというようなことがありましたならば、それについては適当な処置を講じたらどうかと思います。これは先ほど申上げましたように個人的な見解であります。
  31. 楠瀬常猪

    楠瀬常猪君 今の御説明で多少わかつたのですが、その点は十分お考え願いませんと、まあ事務次官となれば、事務的に、場合によつては政治的に物事が考えられて行かなければならんというようなことになりますというと、技術権威というものを曲げて行かなければならんというような場合もなきにしもあらずというふうに考えますので、私はやはり建設技術会議というものを設ける趣旨から言いますと、技術事務というものは截然と区別して行くという趣旨につきましては、将来この会議運営の上におきましても十分お考え願いたいという希望を持つております。
  32. 竹下豐次

    竹下豐次君 現在の技監というのは、技術に関する大方針というような問題について意思表示をされるということは、これはもう当然だと思いますが、そのほかにまだ、根本方針というようなことでなくして、例えばどこに大きな橋を架けるとか、道路をどこの部分をどうするというような具体的な問題についての仕事もなすつておるのだろうと思いますが、今度できます建設技術会議ではどの程度のことをおやりになるのでありますか。ただ根本方針だけについておやりになるのですか、それとも具体的にこの橋をどうするというようなことまでおやりになるおつもりですか。
  33. 野田卯一

    国務大臣野田卯一君) どこに橋を架けるかというような問題でありますと、実際問題といたしましては、予算との関係があるのではないかと思います。予算を請求する場合に、この橋とこの橋を架けたいから、これだけの予算を出してくれということになつて、それで大蔵省と、今まで安本も入つてつたのですが、そこでこれは待てとか、この橋は認めるとか、予算折衝の過程においてきまるわけであります。その前の原案を作るときには、建設省の省議におきまして十分検討してきめるということになると思います。それから橋になりますと、その橋の架け方とか、高さとか、いろいろな問題が起つて参りますが、そういうものにつきましては、これは建設技術会議に諮つてきめなければならんと、こういう考え方を持つております。事実いろいろな問題がありますし、河川なら河川の改修ということになりましても、工事の仕方ということになりますと、これはなかなかむずかしいのでありますが、大体予算をとるときはその箇所をきめるだけで、どういう方法で、どういう順序で、どのくらいの時間をかけて行くかということになりますと、これは技術のほうの大きな問題になつて参りますので、これはこの会議にかけてきめるということになつて来ると思います。
  34. 三好始

    三好始君 第五条の二として監察官を置くことになつておりますが、この監察官はどの程度地位の人を充てる予定になつておりますか。
  35. 野田卯一

    国務大臣野田卯一君) 監察官は職の名としてあるわけでありますが、現在監察官の一番上の監察官局長ちよつと下つた程度の人になつております。まあ局長課長との聞くらいの地位の人がその主任の監察官になつております。その下にいろいろな高さの監察官がいる、こういうことになつております。
  36. 三好始

    三好始君 これは文理解釈の問題なんですが、第五条の二の2項に「監察官は、建設省職員のうちから、建設大臣が命ずる。」、こういうことになつておりますが、建設省職員以外の者を建設大臣監察官として任命することは、この規定から申しますと、できないことになつているのですが、この第2項はそういう趣旨の下に作られていのですか。
  37. 野田卯一

    国務大臣野田卯一君) その人は建設省役人になるのでありますから、建設省役人にして建設技官であるとか、建設事務官となるわけであります。その中から監察官を命ずる、こういうことになるのでありますから、実際上差支ないのではないかと考えております。
  38. 三好始

    三好始君 監察官専任であつて、他の職務をかわるということはありませんか。
  39. 野田卯一

    国務大臣野田卯一君) 専任でそのことに専従させたいと思つております。
  40. 竹下豐次

    竹下豐次君 古く内務省監察官というものがあつて監察官室というものが別にあつたのですが、今度はこの監察官というものはどこに所属することになりますか。
  41. 野田卯一

    国務大臣野田卯一君) 官房所属です。
  42. 上條愛一

    上條愛一君 この従来の技監というものは実際の土木建築の実地の指導に当つたと思うのですが、これを廃止して、技術会議というようなもので実際にそういう点も十分補い得るのですか、どうですか。
  43. 野田卯一

    国務大臣野田卯一君) 今までの技監はここに問題になつております技監は一人であります。一人ですから、実際はあまり出かけて歩くこともできませんので、大体中央におりまして、そうして各局から持つて来るとか、或いは各地方の部局から持つて参ります重要な技術問題のいろいろ相談に与つて、これに意見を述べ、そうしてきめて行く、こういうような働きをしております。何といたしましても、一人で万能なわけに行きませんので、そこで港湾の専門家だとか、或いは道路専門家と片寄るわけです。それが現在の技監制度の批判がされております一つの大きな原因だと思います。それを補うためには建設省の中におります各方面技術最高権威をすぐつて、こういうグループを作りまして、そこで審査決定して行く、こういうふうにして万全を期したいと、こういうふうに考えております。
  44. 上條愛一

    上條愛一君 今の大臣の御説明のように、技術会議でいろいろの技術上の各方面技術者が相談するということ、これは或る点までスムースに行くだろうと思うのでありますが、その技術技監というのは、一人であつても常にいろいろな問題が起つて来るのに対処して相談相手となつて指示して行くということをやられておつたのだろうと思うのですがね、だからそういう点でただ会議というようなもので従来の技監のやつて来たような仕事を十分に補つて行き得るかどうかということは我々によく納得いかんのですが、こういう点は差支えないのですか。
  45. 野田卯一

    国務大臣野田卯一君) 会議にはこれは普通の外部会議と違いまして、内部の人々から構成されている会議でありますから、これを用いたり、或いは相談したりするということは割合に能率的に事務的にできると思います。外部の人が集まつた会議ですと、日にちをいつにするとかということに対して支障があるとか何とかというようなことがあるのですが、内部最高会議ですから、一番優先しますから、いつ幾日にやるというと必ず集まつておりますし、お互いに常に中で仕事をしておる連中でありますから、お互い意見も十分述べられましようし、それから大体同程度のこういう最高権威道路河川いろいろな方面がありますが、最高権威が揃つておりますから、程度から言つても似たような人が集まつておりまして、そういう人が問題につきまして、言わば技術の衝に当るわけでありますから、これも十分自由な意見が述べられましようし、忌憚のない批判もされましようし、それから技術会議には当然各局の技術のほうの課長なんかも傍聴に出席するというようなことになりまして、これを中心にして非常に活溌なる技術行政が行われて行くのじやないかと、こういうふうに、そうしたいと考えております。
  46. 上條愛一

    上條愛一君 そうすると、この技術会議というのは随時に開催するという御予定でございますか。
  47. 野田卯一

    国務大臣野田卯一君) 必要に応じて随時開催されますが、場合によつては連日開催されるようなこともあり得ると思います。
  48. 竹下豐次

    竹下豐次君 この監察官は十人以内というのは、それぞれ技術別に人選されることになりますか、それとも或いは地域的にどの地方はどの監察官が監察するという分担地域をおきめになつて一般的に監察するということになりますか。
  49. 野田卯一

    国務大臣野田卯一君) 現在でも或る程度つておるのでありますが、各局から人をまあ供出と言うと言葉が変ですが、各局の優秀な人を集めまして監察官にして仕事を現在でもさしておるのです。将来も例えば成るべくいろんなことに対して精通した人を集める、あまり駈け出しでわからない人でも困りますので、いろんな方面にいろんな仕事を見に行きまして、各局の中でも相当事務に精通練達した優秀な人をしたいと考えております。
  50. 竹下豐次

    竹下豐次君 そうしますと、技術の人でなくして、事務系統の人が大部分ということですか。
  51. 野田卯一

    国務大臣野田卯一君) 事務技術系統の人と両方入れたいと、こういう考えでございます。
  52. 竹下豐次

    竹下豐次君 そうしますと、なお技術のほうはいろいろなものが分れておりますのですが、砂防の人は砂防をやるとかしないと、ちよつと監督とか、監査が無理だろうと思いますが、河川の人は又ほかのほうはちよつと手がとどかないということになりますので、全体的に見るには事務の人がいい場合もありましようけれども、それじや併し技術がわからないということになつて、人選はよほどむずかしいじやないかと思いますが、いろいろな方面から寄り合せて必ずしも一定の方針をおきめになつて人選するというわけじやないのですね。
  53. 野田卯一

    国務大臣野田卯一君) そういうような点を、この技術行政監察の対象の進度というものと睨み合せまして、人選に全きを期したいと考えております。
  54. 三好始

    三好始君 提案理由の説明の印刷物によりますと、住宅局所掌事務として連合国最高司令官から政府に返還されたいわゆる特殊物件に関する事務を整理することにいたしたい。こういうことが出ておりますが、講和条約が発効して三カ月経つた後に、例えば東京都内などにたくさん設けられておる進駐軍の家族用と申しますか、家族の住宅なんかはどういう取扱いになるのでしようか。
  55. 野田卯一

    国務大臣野田卯一君) 現在使つておりまして、今度引続いて使つておりますいわゆるデペンデント・ハウスなどの問題は調達庁のほうで世話をして行くことに相成ると思います。
  56. 小林与三次

    説明員小林与三次君) 只今住宅局の所掌事項に書いてあります特殊物件と申しますのは、もう現在におきましては事実上なくなつておりまして、戦争中の掠奪物件とか、そういうものの始末をやつております。
  57. 三好始

    三好始君 只今お尋ねした問題に関連するのですが、進駐軍の家族用に特設された住宅は返還されると申しますか、日本政府の管理に移るというような時期は近いうちに来る見込ですか、或いはそういうことは当分の間予想されないことなんでしようか。
  58. 野田卯一

    国務大臣野田卯一君) その問題は、大勢と申しますか、大体の傾向から申しますと、今日本人の家屋を接収して住んでおる駐留軍がいるわけでございますが、そういう所を先ず明ける、そうしてデペンデント・ハウス、特別終戦後に日本政府が建ててあげた建物がたくさん各地にあり、先ずそこに入らせる。それからもつとその建物を使う人が減りますと、いわゆる空家ができるわけであります。そういうものについては日本側に漸次引渡して行く、こういうことになると存じます。向うではまだ日本の普通の住宅を接収して住んでおるものが相当あるし、場合によればかまぼこ兵舎に入つて、これは夏暑いものでありますが、ああいう中に住んでおる者がありますので、そういうものを取払つて普通のデペンデント・ハウスに入れて、それがもつと数が少くなれば要らない分を日本側に返してくれる、こういうことになるのではないかと思います。
  59. 三好始

    三好始君 これは将来のお話になると思いますが、政府が若し管理するようになつた場合に、その利用方法はまだ何にもお考えになつておりませんか。
  60. 野田卯一

    国務大臣野田卯一君) 私一昨日横浜に行つて参りましたが、横浜の本牧地区には、御承知だろうと思いますが、たくさんデペンデント・ハウスがあるのです。これが接収解除になつたら、どうして使うかということを話をしておつたのでありますが、今はちよつと困ると、こう言うのでございます。と申しますのは、非常に贅沢にできておりまして、全部セントラル・ハイツのように非常に広大な地域の真ん中に大きなボイラー室が作つてあります。そこからいろいろな冬ですと煖房や、それから中央のところでお湯を作つて、それから各家に配つてあるのです。ですから各家はちよつと栓をひねれば熱いお湯が出て来て、すぐにお風呂が立つというようなことで非常に便利です。それからスチームで部屋を暖つたかくするというようなこともできる、そういう非常に高級なる施設をそのまま維持して行けるかどうか、そうして大変高い金を払わないと、その建物に住んで行かれないのではないかというようなことがありまして、これを日本側にどういうふうに利用させるかということはまだなかなか方策が立たないと言つております。但し今申しましたように、日本側の家屋を接収したのや、或いはかまぼこ兵舎というものがたくさんありますから、それをやめてこつちへ移つて参りますれば、急にはこちらのほうの手に渡つて来ないというのであるから、時間的に余裕がありますから、その間に慎重に研究して、これを最善に使う方法を考えたい、こういうことを言つております。
  61. 河井彌八

    委員長河井彌八君) 他に御発言がございませんならば、建設省設置法の一部を改正する法律案はこの程度にとどめておきたいと思いますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  62. 河井彌八

    委員長河井彌八君) 御異議ないと認めます。さように決します。一時まで休憩をいたします。    午前十一時五十四分休憩    —————・—————    午後一時五十九分開会
  63. 河井彌八

    委員長河井彌八君) これより内閣委員会を開会いたします。  農林省設置法等の一部を改正する法律案議題といたします。本案につきましては衆議院で以て修正をいたして来ておりまするから、その修正したものを議題といたします。前回に引続いて質疑を行います。
  64. 三好始

    三好始君 衆議院修正されましたので、その修正内容について一通り説明を願いたいと思います。
  65. 河井彌八

    委員長河井彌八君) さようにいたさせます。
  66. 立川宗保

    説明員(立川宗保君) 衆議院修正案を御説明申上げます。  先ず第一に、農林経済局に農業協同組合監を置くことになります。ここの真ん中の第六項というところを御覧になつて頂きますが、「農業協同組合監は、」と、こう書いてございますが、その基になりますのはその二行前の「農業協同組合監及び」というその監でございますが、条文について申上げましようか……。それじや条文について申上げます。それじやこの政府提出原案に基きまして、その修正点を申上げて参ります。先ず四頁のお終いから二行目、「農林経済局及び農地局に次長各一人、食糧局及び林野局に次長各二人」というのを、食糧局に次長二人、林野局に次長三人という工合に改めました。それから次の第四項のところでございますが、「次長は、局長を助け、局務(農林経済局の次長にあつては、第八条第二十三号から第二十八号までに掲げる事務を除く。)」とございますのを、「(農林経済局の次長にあつては、第八条第二号、第五号及び第二十三号から第二十八号までに掲げる事務を」といたしまして、それからその次に「事務を」の次に「農地局の次長にあつては、第九条第一項第四号、第五号及び第十一号から第十三号までに掲げる事務を、」、それから「食糧局の次長にあつては第十三条の二第九号に掲げる事務を除く。)」といたします。それからその次の第五項のところに「農林経済局に農業協同組合監及び統計調査監各一人を置く。」といたします。それからその次に一項入りまして、第六項というのが入りまして「農業協同組合監は、命を受けて第八条第二号及び第五号に掲げる事務を掌理する。」、こういうことにいたします。その次の第六項が第七項に繰下がりまして、そのあとに新らしく入りますものといたしまして、第八項「農地局に計画監及び建設監各一人を置く。」、九項に「計画監は、命を受けて第九条第一項第四号及び第五号に掲げる事務を掌理する。」、十項といたしまして、「建設監は、命を受けて第九条第一項第十一号から第十三号までに掲げる事務を掌理する。」、十一項といたしまして、「農業改良局に技監一人を置く。」、十二項に、「技監は、命を受けて第十条第六号、第九号及び第十一号に掲げる事務並びに第八号及び第十三号に掲げる事務のうち農業及び農山漁家の生活に関する自然科学的試験研究に関するものを掌理する。」、こういたします。そうして元の七項、八項がそれぞれ十三項、十四項になりました。  その次に新らしく十五項といたしまして、「食糧局に農産物検査監一人を置く。」、十六項に、「農産物検査監は、命を受けて第十二条の二第九号に掲げる事務を掌理する。」、こう相成りますが、ここで要するに変りました要点は、農林経済局に協同組合監というのが新らしく入りました。それから農地局には、今まで次長一と政府原案にございましたのに対しまして、計画監と建設監というものが加わりました。それから農業改良局でありますが、農業改良局に技監一が加わります。それから林野局が原案は次長二でありますが、それが次長三と相成ります。それから食糧局は次長二のほかに、農産物検査監というのが加わります。以上が修正点でございます。
  67. 三好始

    三好始君 衆議院修正点に関してお尋ねいたしたいのでありますが、農林経済局その他の次長が置かれて、その次長の職務が規定されておるのでありますが、監が非常に衆議院修正によつてたくさんできたために、次長の整理する事務が監の司る事務を除いたものになつておりますので、非常に縮小されて来る、こういうことになつて政府案で予定しておつた次長制度の意味が衆議院修正によつて相当崩れて来たように思うのでありますが、この点について政府はどういうふうにお考えになつておりますか。
  68. 立川宗保

    説明員(立川宗保君) 御指摘の通り、次長が扱うと原案予定しておりました事務が大分減りましたけれども、なお政府原案では相当厖大な事務を扱うことにも相成つておりまして、結局修正をされまして、若しこれが成立いたしますならば、限定された業務に全力を尽すと、こういうことに相成ると思います。
  69. 三好始

    三好始君 次長及び監の制度を相当大幅に取入れたのが今回の各省を通ずる機構改革の特色になつておるわけでありますが、これは果して改正であるか、改悪であるか相当の疑問があるのであります。今度の衆議院修正は監を極めてたくさん取入れたことでありますが、この監は政府原案にあつた統計調査監と性格的には同じようなものだと解釈するわけでありますが、新たに設けられた協同組合監、計画監、建設監、技監、農産物検査監、こういう監は特定の事務について、即ち修正案に規定されておる事務について独立の権限を持つておる存在ですか、それとも局長の補佐的な立場で事務を遂行して行く存在なんでしようか。
  70. 立川宗保

    説明員(立川宗保君) これは修正されました案にもそれぞれ命を受けて、これこれの事務を掌理するというように表現してございますように、補佐的な性格を持つておりますので、局長を助けまして、その掌理いたします事務を処理して行くと、こういうことになります。
  71. 三好始

    三好始君 修正されて参つつた部分についてはその程度にして、次に政府原案に関して最初私総括的なお尋ねをいたしたわけでありますが、残つておる数点について補足的にお伺いいたしてみたいと思います。一つは先般お尋ねいたした際に触れた問題であり、その後資料として本日お配り頂いた農林省組織規程を要求いたしまして調べて見ようと思つてつた問題なんでありますが、農林省に関して林野庁、食糧庁が内局になつたことは相当大きな改正点なんでありますが、組織規程を拝見してみますというと、外局と内局との相違点が大体明瞭に現われております。例えて申しますと、外局としての食糧庁にありましては総務課において「職員の職階、任免、分限、懲戒、服役その他の人事に関すること。」、職員課においては、「職員の給与に関すること」或いは「職員の教養及び訓練に関すること、」、こういうふうに職員関係する事務或いは主計課において会計に関係する事務、主計課、経理課において会計に関係する事務、こういうことを食糧庁自身としてやつておるところに内局と異つた外局の特殊性があつたわけでありますが、これが今回内局になることに伴つて、これらの事務が官房に移るものと了解してよろしうございますか。
  72. 立川宗保

    説明員(立川宗保君) これは一つの形式的な建前から申しますと、官房でそれぞれ今お話のようなことを統括をし、扱うことに相成ります。従つて組織規程の表現をいたしますならば、内局になりました今の当該の課からその部分は除くという表現をいたすことになりますが、実際の事務運営といたしましては、大体従来各それぞれの外局の、例えば総務課なら総務課というところで扱つておりました仕事はほぼ内局になりましても、そこで取扱う。ただ形式的なその表現と言いますか、筋道を言えば、それは集約して官房の各課で取扱うという表現をとり、そこがまあ代表して行くということに相成るかと思います。
  73. 三好始

    三好始君 只今の御答弁は内局になれば形式的には官房が扱うような形になるけれども、実態は外局当時と変らないような方法をとつて行きたいということでしようか。
  74. 立川宗保

    説明員(立川宗保君) その実際の事務運営といたしましては、只今お尋ねがありましたところでありますが、省全体のそれぞれの仕事運営の能率をよくして行くという意味で、何と言いますか、最も集約された責任の帰属は別といたしまして、実際の事務の運行は十分人を持ち、慣れておるところの、というところで実際の仕事を行なつて行く、こういうことになろうかと思います。
  75. 三好始

    三好始君 この点は林野庁においても、只今食糧庁に関する組織規程を一応例にとつて申上げたのと同じような関係が考えられるわけですか。
  76. 立川宗保

    説明員(立川宗保君) その通りでございます。
  77. 三好始

    三好始君 そういたしますと、今度林野庁、食糧庁を外局から内局にしたことの趣旨は、単に形式的に外局の数を減らすということにとどまつて仕事の実態の上から言つて、外局であつたものを本質的に内局にしなければいけないという根拠に基いて行われたものとは考えられないことになつて来るわけであります。人事、会計等の事務を一切官房に移して内局として統一して他の内局と同じようにやつて行くということであれば、又そうすることが行政事務の合理化になるということであれば、それは今度の改正は意義があるということになるわけでありまして、私は若しそういう立場に立つておるのであれば、内局にして他の従来の内局と同じようにやつて行くことのいいか悪いかについてお尋ねをいたそうと思つてつたのでありますが、内局にはするけれども、実態は現在と余り変らないような形でやつて行こうとせられているような意図が只今の御答弁の中で窺われるのでありますが、そうしますというと、外局を内局にするという今度の改正は余り意味のない、実際に内局にしなければいけないという事務の上の必要があつて行われた改正ではない。こういう結論を下さざるを得ないのであります。ただ機構改革として外局の数を減らすという一応の方針を立てて、形式的に外局を減らして見たまでのことではなかろうかと、こういうふうに考えられるのであります。なおこの点については、内局になりますというと、衆議院修正によつて監の制度は相当設けられたようでありますが、やはり部という中間の段階を設けないという国家行政組織法の原則に返ることになつておりますので、食糧庁にいたしましても、林野庁にいたしましても、部制とその下に相当多数の課を用意しておりますが、この多数の課を内局としての局の下に直接つく課としてどういうふうに処理して行くのか、相当私たちは問題だと思つておるのでありますが、これは資料として内局になつた場合の食糧局、林野局の分課規程をどういうふうにして行こうと思つておるのか、それを案としてお出し頂きたいと思うのであります。これは資料として要求いたして置くことにして、次の問題に移ります。
  78. 竹下豐次

    竹下豐次君 先ほどの政府委員の御説明によりまするというと、この現在の食糧庁の人事、会計等に関する仕事は、形式的には官房のほうに新らしく移ることになるけれども、実質的には余り今と変らないようにしたい考えであるということでありますが、この職務権限というものを、各官房なり、内局の間にはつきり書いておいてさえ、よく役所では消極的或いは積極的の権限争いというものが起り勝なもんなんです。それを形式的にはそういうことになつておるのだけれども、実際はそうさせないんだということになりますと、大変な混乱を来たすような心配があるんじやないかと思います。その点は大丈夫ですか。
  79. 立川宗保

    説明員(立川宗保君) これは現在の内局の属しております各局と官房との間の関係について申しますと、職階ですとか、任免ですとか、分限ですとか、こういうようなことは、当然秘書課の事務として官房に属しております。その実際の仕事内容の手続きをいたしますのは、それぞれの内局の庶務を扱つております課がやつております。お膳立をいたしまして、結局官房がそれを統轄いたしまして、全体の取りまとめをして省全体の決定をすると、決定の準備をすると、かような扱いをいたしております。今のそれぞれ内局に属しております局の庶務課がやつておりますこと、そういう内容を、若し現在外局にありますものが政府原案通り内局に相成りまするから、内局になりました以後は、現在の、現にある内局の庶務課と同じような仕事をする、こういう意味で申上げたのでございます。
  80. 竹下豐次

    竹下豐次君 非常に大きな現在の組織でありますので、下準備をするというだけのことにお考えになつておりますけれども、実際の力は相当に強いものになるだろうと思うのです。そうすると、今やつていらつしやる各局との小さい区域の仕事の量を庶務課でやつておる実際と比べて、そこに大変な違いができて来るのじやないか。そうしまするというと、原則としては官房の仕事となるのだけれども、食糧庁の関係については、問題も大きいから、もうはつきり規則の上でその事務は食糧局の内局、今度内局になる食糧庁の局長に委任するというようなはつきりした規定でもお作りにならないというと、実際の運営はこういうふうにやつて行くのだということだけじや大変に混乱を来たすのじやないかと思いますが、これは今ここで御答弁頂きませんでも、私の意見を申上げまして、お考え願いたいと思います。
  81. 三好始

    三好始君 先ほど要求いたしました資料は食糧局と林野局の分課の問題でありましたが、他にもこの内容を、分け方の問題を知りたい部分がありますので、他の局についても一応分課の予定を資料としてお願いいたしたいと思うのであります。それから農業改良局に関してでありますが、組織規定を拝見しますというと、内局を一本に、人事、会計は官房で扱うことになつておるはずだと思つておりましたところ、農業改良局の総務課では研究部、普及部の人事、会計を行うことになつております。これは多分研究部は全国に厖大な試験研究機関を擁しておる点において、一般の内局の場合と人事の上で違つた点があります。普及部と同様に全国的な組織を持つておりますので、同じく人事、会計等に関して他の内局とは異つておるところから、改良局の研究部、普及部においては他の内局と違つて、特に総務課で人事、会計を司つて来た、こういうふうに了解してよろしうございますか。
  82. 立川宗保

    説明員(立川宗保君) これはこの改良局の組織規定の表現につきましては、組織規定を書きますときに少し問題があつたのでございまして、法律関係の規定から申しますと、研究部、普及部、それから統計調査部というところにそれぞれ仕事内容所掌事務内容を全部規定してございまして、総務課というものの仕事内容を書き上げにくいという、実は法律との関係があつたわけであります。それでほかの内局の庶務課につきましても、人事、会計の仕事はやはり一応扱うのであります。それは特別に表現はしてございませんが、他課の所掌に属しない事務ということで、その局内の人事会計の仕事は一応やはり総括と省全体の規制を官房のそれぞれの課で……。官房で行う、こういうことになると考えておるのでありますが、この改良局の総務課を規定いたしますときには、ほかの局の庶務課にありますようなそれぞれの事務は余りございませんので、それで特に人事、会計ということを書き上げた、かようなことでございます。それで只今御質問のございましたように、改良局だけは特別な総務課が仕事をしておるということではございません。
  83. 三好始

    三好始君 同じ改良局に属しておる統計調査部について、改良局の総務課が研究部、普及部の人事、会計だけを担当して、同じ改良局に属しておる統計調査部については人事、会計は統計調査部として独立してやつておる、こういうことが組織規程に現われております。只今の御説明でそれぞれの局で実質上その局に属する人事、会計はやつておるんだという話でありますけれども、同じ局に属する統計調査部に限つて研究部、普及部とは更に又独立して人事、会計をやつて行くような組織規定になつておるのはどういう理由に基くのでしようか。
  84. 立川宗保

    説明員(立川宗保君) これは統計調査部の人事、会計にきましては、地方機構があると、人員も非常に多いと、予算も相当大きいというような関係上、それからもう一つは、沿革的な理由といたしまして、従来一局をなしておつたというものが先回の行政機構改革の際に、これを部にいたしたという関係で相当仕事内容と人、予算というものが大きいのでありますから、いわば局の中で一つのまとまりを付けて、ここで仕事をして行くということで、いささか他の所とは変則でございますが、統計調査部だけは人事、会計を分離する、かようなことでございます。
  85. 三好始

    三好始君 統計調査部に限つて事務の実情なり、或いは人員、予算の状況からいつて、独立して人事、会計をやるに相当する実態を持つてつた、こういうふうに了解される御説明なんでありますが、これはもともと統計調査局として独立しておつたのが、機構改革によつて局を二割とか、三割とか整理するという方針に基いて部になつたいきさつを、私やはり法律案を扱つて来て承知いたしております。ところが部の存続期間が国家行政組織法によつて期限を付けられておると、つまり部というものが局と課の中間的な、いわば中二階的な存在は整理して段階を一つでも減らすほうが行政機構の改革の上からいつて適当なんだ、一応こういうことで、中二階的な存在の部を整理するということを今回の各省を通ずる機構改革案で実現しようとせられておるわけでありますが、もともと局であつたものが二割とか、三割とかの局の数の整理の対象になつて部になつてつたものを、部は設けられないという、部は続けられないという国家行政組織法の原則に従つてやめる場合に、それを局に戻すほうがいいか、或いは課にするほうがいいのかということは一つの問題だろうと思うのであります。その場合に只今説明のように、非常に厖大な事務であり、人員も多数を擁しておるし、それに伴う予算も多い、まあこういうことであれば、むしろ中二階を昇格して本二階の局にするほうが事務の実情からいつたら合理的なんではないですか。
  86. 立川宗保

    説明員(立川宗保君) その辺は非常にむずかしい問題であろうかと思いますが、仕事は成るほど非常に多いし、人員といたしましても、一万三千名ほどの人間を抱えておるというようなことから申しますと、局の実態を備えておるじやないかという御指摘も或いは御尤もと思いますけれども、まあ今回行政組織法の原則に従いまして、これを部を解消するということにいたしましても、監という制度を設けまして、そこで一つ統轄をするということにいたしますならば、その新らしい制度の下で我々は全力を尽して行政の目的に邁進するということしかないと思つております。
  87. 三好始

    三好始君 部を廃止しても統計調査監の下で統轄して事務の合理的な運営をやつて行きたいというお話でありますが、先ほどもちよつと私触れましたように、監の性格は必ずしも明確ではないと思うのであります。独立の権限を持たないで、ただ局長の命を受けて一定の範囲の事務を担当して行く、それは部長とか、局長とかいつたような一つのはつきりした権限を持つておる存在でないというふうになつて参りますというと、果して統計調査関係事務を監によつて局長或いは部長に相当するだけの統轄ができるのかどうか、これには相当の疑問があるだろうと思うのであります。監の権限なり或いは責任の範囲が必らずしも明確ではないように思うのでありますが、そういう点から言つて只今の御説明では従来の統計調査関係仕事が従来以上に、今回の改正案によつて合理的に運営されて行くものと考えるのは非常に無理なんではなかろうか、こういうふうに思うのであります。これ以上は意見に亘りますから、省略して次の問題に移りますが、改良局長は来られておりますか……。改良局長に一点お尋ねいたしたいのでありますが、今回の改正法律案には出ておらない問題でありますけれども、第七国会でありましたか、農林省設置法の改正案が提出された際に、全国に七つの農業試験場を設置するという案が出て参りました。その当時私は中国、四国農業試験場を設けるよりは、中国と四国とは瀬戸内海を隔てて截然と地理的に区別されておるということ、又仔細に検討いたして見ますというと、雨量の点、土質の点その他の自然条件が異なるということ、又沿革的に四国は農林省農事試験場四国支場が古くから存在しておつたということ、へ又管内の各種の技術関係の指導、連絡の便宜の問題からいろいろ考えましてむしろ中国農業試験場、四国農業試験場ということに分離して、七つの農業試験場を八つにするほうが合理的なのではなかろうか、こういうことを当時の磯部改良局長、梶浦研究部長お尋ねいたしたのでありますが、理論的には私の説明なりお尋ねに対して、根本からの反対はありませんでした。そして率直に申しますというと、当時は司令部関係等もありまして、修正案を提出するに至らなかつたのでありますが、当時の速記録には、たしか三項目か、四項目かの問題を将来の問題として残しまして、法立案が成立したことを記憶いたしておるのであります。ところがその後中国四国農業試験場の運営の実情を調べて見ますというと、私は当時指摘したのと同じような欠陥が現われております。中国四国農業試験場を分離して中国農業試験場、四国農業試験場にしたほうが合理的だと主張した私の考え方が正しかつたということは、今日はつきり申上げることができるのでありますが、問題は二十七年度予算がすでに成立した後でありますから、これを今回の改正法律案修正するという形で分離する場合、予算上或いは人員の上からいつて非常な支障があるということであれば問題を先に延ばすよりほかないのでありますが、若し予算、定員等の関係で実現性がないわけではないというのであれば、私はこの際考えて頂くほうが適当だと思うのでありますが、これについての改良局長の御意見を承わりたいのであります。
  88. 清井正

    政府委員(清井正君) 只今中国四国農業試験場の問題について御質問があつたのでありますが、お話の通り、当時農林関係試験研究機関につきまして根本的な改革をいたしまして、中央におきましては、根本的な技術を研究いたしまするところの農業技術研究所、それから各地域においてそれぞれその地域の特性のある研究をいたしますところの地域農業試験場というものをまあ作つたわけでございます。その際に中国と四国の問題につきまして、いろいろ御議論があつたのでございますが、私どもといたしましては、成るべく地域試験場は当該地域が農業関係上の気象、土壌、作物その他試験研究の対象となるものについて成るべく同一的な地域を対象として試験場を統一して参りたい、こういうような考え方からいたしまして考えをまとめて参つたのでありますが、その際の問題といたしまして、中国と四国を分けて試験場を別にするか、或いは中国、四国を一緒にしてやるかという問題があつたのでございます。我々といたしましては、成るほど中国につきましては、山陰地方はいわゆる瀬戸内海地方と大分趣きを異にいたしておりますし、或いは四国につきましても、いわゆる瀬戸内海方面と高知方面とは大体農業上の関係も違うというようなことがありまして、いろいろ苦慮したたのでございますが、問題となりまする特に瀬戸内海方面は、特に気象その他の条件から申しましても、いわゆる瀬戸内海の中国地方と四国地方とは大体気象関係或いは農業関係も似ておるというような点を重要な問題としてとらえまして、中国と四国とを合せて一本にいたしまして、そして中国四国農業試験場ということによつて発足をいたしたのでございます。本場は姫路に置きまして、栽培の、或いは畜産、農業経営、土地利用、それぞれ適当なる地域に分散いたしまして、従前ありましたところの国のそれぞれの試験場を姿を変えまして地域試験場の部ということで出発をいたしたのであります。その後いろいろ実施をいたして参つておるのでございますが、成るほど私どもといたしましては、瀬戸内海の周囲の気象条件その他が同一である地方の稲作等を主として研究いたす場合においては、成るほど中国、四国が一緒であつたほうが都合がいいのでございますが、又一方いわゆる暖地水田と申しますか、南海地方の稲作或いは殊に傾斜地方面の畑地関係、或いは土壌浸蝕の問題、或いはそれに伴いまして研究いたさなければならんところの果樹の問題等、いわゆる稲作以外の畑作等の問題を研究いたす場合においては、四国においては中国と四国と異なる一つの特色があるわけでございます。そうしたことを別にいたしましても、私どもといたしましては、中国四国ということで以て統一をいたして参つておるのでございますが、実際問題といたしましては、四国は善通寺に本部を置きまして、それぞれ土地利用なり、栽培等につきまして四国の独特な問題を研究をいたしております。或いは本場のほうの姫路におきましては、栽培を中心といたしまして、或いは畜産なり、或いは経営等を研究いたしております。こういうようなことで進んで参つておりまして、本場は姫路にありましても、それぞれの支場が各地に分散をいたすというようなことでありまして、まあ実際問題といたしましては、中国四国試験場ではございまするが、運営といたしましては、実際離れ離れと言つては語弊がございますが、それぞれ別々に実際運営をいたしまして、それを試験場の本場において総合をいたす、こういう機能を果して参つておるわけでございます。今回の問題におきましても、私どもといたしましては、四国と中国というものはこれは統一して行くという一応の形で以て進んで参つておるのでございますが、飽くまでも問題は多少、中国と四国とは研究に特質のあることは御指摘の通りでありまして、人員、経費等を仮にそのままにいたすということを考えまする場合においては、仮に中国と四国とが機構上分れるということも考えられる問題ではないかというふうにも考えておるのでございますが、私どもといたしましては、今回は中国、四国はこのままで行きたいということで一応分離の問題については考えていないのでございます。但し只今お話のありました通り予算、人員等について、仮に現状のままで行くということでありましたならば、その分離の問題も一つの問題として考えられるのではないかというふうに考えておる次第であります。
  89. 成瀬幡治

    ○成瀬幡治君 大臣お尋ねしますが、この食糧庁と林野庁を内局にいたしますことについては、今後の行政機構改革の主要な目的である外局の整理の方針に即応するものでありますと、こう提案理由に説明してあるわけでございます。私は大臣は前に幹事長をやつておみえになつたときに、一つの行改機構改革というものは私は大きな自由党のスローガンのように了承しておるわけでございます。そうした場合に農林大臣をやられて機構改革をする場合に、何か積極的に農林省において食糧庁乃至林野庁を内局にすべき理由が私はなければならないと思いますので、私はほかのおかたなら、まあほかできめられたのなら私は反対であるけれども、まあこういうふうだということが言えると思うのです。廣川大臣はやはりほかの大臣とは違つた立場におられるかたであるから、その点を一つ明瞭にお答え願いたい。
  90. 廣川弘禪

    国務大臣(廣川弘禪君) お尋ねでありますが、農林省の積極的にこうしなきやならんという構想で機構改革をやつたかどうかというお話ですが、やはりこれも行政管理庁長官の意向を多分に汲みまして、一般的に外局を内局に移す方向に順次に従つて参りまして、この原案で私たちは運営して行くように努力をいたすつもりでやつたわけです。
  91. 成瀬幡治

    ○成瀬幡治君 誠に農林大臣がその受身でやつたようなことをおつしやるわけですが、私がお聞きしたいのは、大臣がまだ幹事長のときに機構改革として私は考えられたことを、私は農林省においても実現される一つ考え方があつたと思うのです。そこで大臣になられて食糧庁外局を内局にしたほうがいいのだという意味合で、ただそれだけの意味合で食糧庁や林野庁を内局にされたのだというふうには私は少し了承できにくいところがある。もう少し、と申しますことは、私は食糧庁や林野庁というものは一つの独立採算をとつておる。而も食糧庁で言うならば、六千三百億というような特別会計を持つておる一つの商行為までする企業体といつてもいいくらいのものだと思います。そういうものをあえて内局にせなければならないということについては、何か私は積極的なそこに根拠がなければいかんと思う。ただ行政長官がこうやれと言いましたから、やりましたというのじや、少し廣川農林大臣としてはできが悪過ぎるのじやないかと思うから、その点あえて一つお尋ねするわけであります。
  92. 廣川弘禪

    国務大臣(廣川弘禪君) この食糧庁につきまては、いろいろな今まで扱つて来ました品物が、統制が外れましたり、或いは又麦のことについても、今国会においては統制が外れるのじやないかというような具体的なことはございましたが、そういうような内面的なことがありましたが、一般的に見てこれは外局を余り置かずに、内局を多くしたいという意向でやつたわけであります。
  93. 成瀬幡治

    ○成瀬幡治君 まあこの点について追及しても、私と廣川さんとのれんの繩のようなことじや私はいけないから、まあただ積極的な理由がなくて、行政管理庁長官の言付けでおやりになつたのだというふうにしか私はどうしても受取れないと思います。  次に米価審議会の点についてお尋ねしたいのですが、今度農林省の方へまあ移管されるわけですが、その場合に今までの米価審議会というものは、実際農民の私は切々な要望の下にできたものであり、相当私は農民の期待に応えるような決定をしておつたと思うのです。今後農林大臣の下になれば、当然私はその決定を、大臣は職を賭しても頑張らなければならないような立場に立つて引受けて来られたのか、これも行政管理庁長官が、まあお前のところへ行けというような意味合で持つて行かれたのか、その点一つお尋ねしたいと思います。
  94. 廣川弘禪

    国務大臣(廣川弘禪君) これは安本の機構を縮小するにつれて、各関係いたしておる各省に配分したことには無論関係があるのでありますが、農林省としては、やはりこの米価審議会を持つておることがいいんじやないかと私は思つておりますが、又審議会の決定については十分これは農民の意を汲んで、農民の意欲に副うてきめて行かなきやならんと思つております。
  95. 成瀬幡治

    ○成瀬幡治君 いや、私のお尋ねしたいのは、農民の希望とか、意欲、そういう点はわかりますが、これは一つ農林省へ当然来るべきである。そうしてその決定されたことは、農林大臣としては農民の代表として飽くまでも頑張るんだというような、そういう積極的な意思で、むしろ農林省へ来るのが本体だというような意思でここへ持つて来られたのか、行政管理長官からこうたと言つて押付けられたのか。そのところをすつぱりと承わりたいと思います。
  96. 廣川弘禪

    国務大臣(廣川弘禪君) これは先ほど申上げました通り、あの安本の職分を分配いたしたことには基因いたしますが、これは私先ほど申上げました通り、農林省にあるのが本当だと思つております。
  97. 成瀬幡治

    ○成瀬幡治君 次にこの細かい点で恐縮なんですが、修正で出ましたところの農産物検査監というのですか、これを一つ事務当局のほうでお答え願いたいと思いますが、若しこれができますと、この監の下に食糧庁のうちの検査監というような人が、何か一つの別なグループの下に監督ですか、或いは事務系統で流れるようなかつこうになるのじりやないですか。
  98. 立川宗保

    説明員(立川宗保君) この農産物検査監は、現在の食糧庁で担当いたしております食糧の検査、この仕事をまあ扱うということに相成りますので、ほかの例えば競馬監とか、そういつたようなものと、やはり同じような一つの組織上の下に任務を持つと、かように存じます。
  99. 成瀬幡治

    ○成瀬幡治君 食糧庁のかたたちの事務が、私は例えば米の買入れであるとが、検査であるとか、輸送であるとか、保管であるとか、加工であるとか、まあ現物或いは現金の受渡しというようなこと、すべてやつてお見えになつたのですが、そのうちの特に検査監というのを置かれたということになると、このうちの検査だけに対して何か一つの系統ができまして、ほかの人と分れた一つの組織体と言いますか、命令系統と申しますか、事務系統がそこにでき上つて来るわけですが、その点がちよつとわかりにくいからお尋ねすつるわけです。
  100. 立川宗保

    説明員(立川宗保君) これは先ず現況から御説明をいたして参りたいと思いますが、現在食糧庁の総務部に検査課というのがございまして、そこでこの農産物の検査法によります農産物の検査その他いろいろな主要食糧等の検査を担当しておるのです。その下に今度は地方に食糧事務所がございますが、ここには業務部或いは経理部、検査部というような組織がございまして、その検査部では農産物の買入れその他の買入れ検査、その他の検査、それから外国から食糧を輸入して参ります場合に輸入品の検査、そういう仕事を担当しております。その下に検査員というものがございまして村とか、そういう所に駐在をして、いわば米麦の検査をやつておるわけであります。で、そういう意味で今でも一応その行政の組織はそういうかつこうで活動しておりますが、それを検査監というものができますならば、今の行政の流れのいわば一番この責任者となりまして、そこで仕事を統轄して行くということに相成ろうかと思います。
  101. 成瀬幡治

    ○成瀬幡治君 そうすると、その地方におる検査監というのは検査だけをやつてつたのですか。ほかのことも私はやつてつたように思うのですが。若しそういつたようなことで検査監ができて検査だけのことを行政上やつて行かれるというようなことになると、ほかのことはやらないようなふうになるのか、そこが私にはわからないわけです。
  102. 立川宗保

    説明員(立川宗保君) お話の通りに、現在地方におります食糧庁の職員は主として検査に当る者がございますが、当然ほかの一般の食糧の買入業務その他をやつておるわけであります。で、今後も農産物検査監ができましても、その農産物検査法その他に基きます検査の系統の指揮をいたしますので、末端におりますその職員は検査の仕事につきましては、いわば検査のルールの指揮を受ける、それからそれ以外の業務の関係では、一般の次長その他からの指揮系統に従つてまあ仕事の指揮を受けると、かようになります。
  103. 成瀬幡治

    ○成瀬幡治君 そうすると、ここではそれでは単に検査監というのが一人殖えただけだと、こういうふうに了承して間違いございませんでしようか。
  104. 立川宗保

    説明員(立川宗保君) 結論としてはさようなことでございますが、その裏にはここ暫らく前から検査というものが非常に大きく叫ばれて参りましたのは、まあ統制が麦等で外れまして、商品の規格を全国的に統一するということが農民の保護のためにも必要だし、それからその商取引の合理化のためにも必要だというようなことで検査の重要性というものが力説されて参りました。そういうような意図がかなり入つておるのではないだろうか。かようにまあ背景としては考えますが、この形式的な問題としては単に検査監というものが一人殖えたに過ぎない、こういうことに相成ります。
  105. 成瀬幡治

    ○成瀬幡治君 林野庁のことを少しお尋ねしたいのですが、今度の修正でまあ内局になり、そして行政管理区間というのですか、そういつたものが少し変るようでございますが、何かこの木曾福島にあつたのが長野へ変つて行くのは、二年前くらいからまあ準備されておつて、二十七年度の予算に約二億円ほど計上されておると、それに比べまして、例えば前橋などが、これがなくなつて福島に移つて行くというようなことが機構改革につれて、忽然と言えばどうかと思いますが、そういうふうに起きて来たと、こういうふうに了承するわけでありますが、それに対しまして私はいわばいろいろな理窟があると思いますが、片一方では政治的な意味も色彩も相当強いのじやないかというような批判もあると思います。ですからもう一度どうしてもこれをしなければならないのだというような、一つ納得の行く御説明が承りたいと思います。
  106. 廣川弘禪

    国務大臣(廣川弘禪君) これなんか政治的の背景があるんだというようにお話ですが、そういうことはございませんので、非常に技術的に緻密にやつておるようなわけでございます。なぜかと申しますと営林署を水系別に持つて行きたいというのが前からの意向であります。それから前橋の問題ですが、前橋は曾つて戦災に遇いましたときに向うに疎開いたしておつたものが定着したような形になつておりまして、それが東京営林局ができて、これが利根水系を代表するような形になりましたのでここを廃止して、そうしてあれを福島に持つて参りまして阿武隈水系を代表する形にしたい。それから又長野の現在あるところはこの宮内省の財産であつた御料林時代にできたものでありまして、現在の森林法等が施行になりまして、一般民有林もこれを民有になりましたのについては非常に土地が便利じやないというような立場から、これを信濃水系の長野に持つてつたと、こういうのが実情でありまして、何ら政治的の考えはないわけであります。
  107. 成瀬幡治

    ○成瀬幡治君 私は片一方のほうではまあ相当前から準備もされ検討もされておつた、ところが今度ここに出て来るということは、もつと機構改革に便乗したところの一つの管理区域の変更といつたようなふうにしか受け取れないわけなんです。もう少し水域別にやるというようにおつしやるなら、前からそういうことが準備せられておつたなら、当然そういうようなときに話が出てもいいように感ずるわけなんです。ですからどうもそこらあたりが少し便乗されたのじやないかというように受取るわけでありますが、これは受取るほうが間違つておるのですか。
  108. 廣川弘禪

    国務大臣(廣川弘禪君) 是非御訂正願いたいと思います。
  109. 成瀬幡治

    ○成瀬幡治君 なおこうした問題で私たちが考えておかなければならないし、或いは大臣も考えておられると思いますが、例えばそこで働いておる人たちの受容態勢の問題については、どんなふうにしようとしておられるのか。例えば私は若干数の人は住居を変えなければならないと思います。そういう人に対しては、どういうふうな便宜と申しますか、住居がないために失業しなくちやならんというような人が出て来ると思います。そういう人の対策はどういうふうにしておられますか。
  110. 廣川弘禪

    国務大臣(廣川弘禪君) これは私よく詳しいことはまだ承知しておりませんが、元のありました場所においては、ここには作業場その他のものが残るはずでありまして、現事務系統等が長野に行くと、こう聞いております。
  111. 成瀬幡治

    ○成瀬幡治君 大臣、詳しいことを承知しておらんと、こうおつしやるわけですが、その受容態勢のことについて、若干わかつておられる事務当局のかたがあつたら御答弁願いたいと思います。
  112. 渡部伍良

    政府委員(渡部伍良君) 長野の移転が前から問題になつておりましたのもやはりそういう問題でありまして、庁舎の問題、それから公務員の宿舎の問題、そういうものをまあこれはいつでも官庁の移転のときは問題になりまして、最近は大分住宅問題が緩和されましたけれども、今までほかの官庁でも移転ができないで、まだ疎開先に残つておるのが随分ありますが、今度はそういう点を十分検討を加えまして遺憾のないように手はずが整つておるのであります。
  113. 成瀬幡治

    ○成瀬幡治君 遺憾のないように整つておるとこう申しましても、私は木曾福島のときにもそれが問題であるから二年前にやるというので、予算に二億も計上したわけですが、今度そうすると、それに対してやはり何億という私は金が要ると思うのです。そういうものに対しての支出の問題、或いはなかなか金は出せないと言えばそれまでだと思いますけれども、そういうようなことで、もう少し具体的に、片一方は二年もかかつておる。余りに遅いじやありませんか、こういう問題です。
  114. 渡部伍良

    政府委員(渡部伍良君) 長野の問題は庁舎のその問題が、敷地の問題が操めたのでありまして、公務員の住宅の問題が主でなかつたのです。それがやつと片付いたのであります。そうしてできたのであります。敷地の問題で相当操めておつたので長引いたのであります。ただそれだけであります。
  115. 成瀬幡治

    ○成瀬幡治君 そうすると前橋の問題は敷地もあるし、家もあるし、金も予備費から出して来れば解決できる、だからそういうことは万々遺憾ないのだと、こういうふうに理解してよろしいわけですね。
  116. 渡部伍良

    政府委員(渡部伍良君) そういうことであります。
  117. 成瀬幡治

    ○成瀬幡治君 私はこの点につきましては、今申しましたように前に一遍疎開したのですが、だからまあこつちにやるのだというようなことでは、私はやはり地元の人としては相当な大きな問題だと実は考えておるわけです。ですからこの点については私は意見があるわけでございますが、これはまあ意見でありますから省略させて頂きますが、一つ私のほうからも修正のいろいろなものを、一つ当局のほうにおいても私は十分考慮して頂かなければならない問題だと思います。
  118. 波多野鼎

    ○波多野鼎君 それでは農林大臣に質問しますが、二点であります。第一点は一般的な問題として庁を廃止して内局にするという方針を立てられた理由を一つ承わりたい。
  119. 廣川弘禪

    国務大臣(廣川弘禪君) これはやはり行政簡素化ということで、そういう外局にありますよりも、内局で次官のもとで統制するほうが簡素化するんじやないかというようなことから、さようにいたしたのであります。
  120. 波多野鼎

    ○波多野鼎君 そうすると行政簡素化ということは具体的にはどういうことになりますか。例えば事務を少くするということ、或いは又人員を減らすということ、或いは事務系統を直線的にするということ、いろいろあると思いますが、この庁を内局にされた場合にどういう点で事務の簡素化が行われておるのですか。
  121. 廣川弘禪

    国務大臣(廣川弘禪君) やはり事務の連絡がよくなることも一つだろうと思いますが、あなたも農林省におられるのでよくおわかりだろうと存じますが、これは事務の連絡がよくなるというように一つ簡単に考えて頂きたい。
  122. 波多野鼎

    ○波多野鼎君 そう簡単には考えられないのですね。庁にしておいたところで事務の連絡がちつとも悪いことはないです。どういう点が悪いのですか。その点は私は少しおかしいと思うのです今度の改革は。
  123. 廣川弘禪

    国務大臣(廣川弘禪君) 多分これは行政管理庁長官から話があつたと思いますが、今度この行政簡素化しても人員の点も大して減らない。大してどころじやない。殆んど減らない。又費用の点も減らない。併しこのあとまだ続いてこれに連れて簡素化するんだという前提が多分行政管理庁長官から説明されていると思いますが、その辺で一つ御勘弁願いたいと思います。
  124. 波多野鼎

    ○波多野鼎君 私どうもまだ勘弁できないのですがね、というのは、それは第二段の根本的な行政簡素化と申しますか、それを目論んでおられるということは一応了承いたしておきます。で、第一段の行政簡素化として今度の改正法律案をいろいろ出されたわけなんですが、今度の改正法律案によつては例えば人員も減らない。費用も減らない。事務も減らないというと、どこが簡素化になるのですか。ただ庁を局に入れたということだけが簡素化ですか、それが……。
  125. 廣川弘禪

    国務大臣(廣川弘禪君) 先ほど申上げたように、現機構においてはそう大した変つたことはないと思いますが、将来に含みを残して私は簡素化の大前提だと、こう考えております。
  126. 波多野鼎

    ○波多野鼎君 それじやまあ農林大臣の答弁によつてこういうふうに理解しますよ。今度この行政機構の改革を第一段としてするんだが、その改革は行政簡素化ということを謳つておるけれどもそれは嘘であつて、実は行政簡素化にならないんだ。が、まあやらなきやならんというような公約を与えたから差当りこれをやつておくんだと、この程度のものですか。そう伺つていいのですか。
  127. 廣川弘禪

    国務大臣(廣川弘禪君) その嘘ということはお取消しを願いたいのです。真の行政簡素化はこれから又あるんだと、こう率直に御理解を願いたいのです。
  128. 波多野鼎

    ○波多野鼎君 それじや今度のは行政簡素化ではない。それへ行くための一つのステツプを作るだけの話なんだと、その程度のことですね。それでは次に簡素化ということの実体が伴わない行政改革だというふうに今度の改革は理解して話を進めますが、そうだとしますと、次に先ほどから問題になつている食糧庁や林野庁を内局にするということと、それから水産庁だけは残しておくんだ、そのまま残しておくんだということが法案として出ておりますが、この区別はどうして立てられたのですか。
  129. 廣川弘禪

    国務大臣(廣川弘禪君) 行政簡素化についてのいろんなお話でありますが、併し原案を御覧になると部長が減つたり、それから又はかに人が減つたりしておりますんで、大きい声では言われないが、簡素化していることは事実であります。それからどうして林野庁や何かを内局にして水産庁を外局にして置くのかということでありますが、この水産庁に対しましては国会の強い意思の反映がありまするので、国会の意思を尊重いたしたようなわけであります。
  130. 波多野鼎

    ○波多野鼎君 その水産庁を外局として置けという国会の意思は、政府原案を作られる前に決定してあつたわけなんですか。
  131. 廣川弘禪

    国務大臣(廣川弘禪君) これは水産委員会を設定する当時だつたと思いましたが、委員会か或いはどつちかの両院側から強い法律案設定のような機運があつたはずであります。この案を作る前からそういう空気が院の意思の表示が多少ともありましたので、院の意思に逆つてはいかんというので我々はこういうことにしたわけであります。
  132. 波多野鼎

    ○波多野鼎君 そうしますと行政簡素化、大きな声では言えない、小さい声の行政簡素化なんだが、それをやるについても水産庁についてはあらかじめ国会側から外局として残せという強い意向があつたのでこれだけを残したと、で、行政簡素化、小さい行政簡素化の例外としたのだ、それだけですか。国会側の要望というだけですか。
  133. 廣川弘禪

    国務大臣(廣川弘禪君) これは水産庁が管轄しておる仕事が非常大きなものであることは御存じの通りであります。又仕事の点もだんだんこれから殖えて参るのでありまするから、将来のことも考え又現在やつておることも考えるのは勿論でありますが、それにもう一つそういうことを加味いたしまして、水産省設置法案ですか、これが継続審議中になつておりまするので、これに逆行することは如何かと考えてかようにした次第であります。
  134. 波多野鼎

    ○波多野鼎君 水産庁を庁として残して置くということについてはいろいろの理由があるようでありますが、その一つの理由として仕事の分量が非常に大きいと、多いと、今後ともますます多くなつて行く可能性があるというのも一つの理由のように承つたのでありますが、食糧庁と水産庁を比べて見ますと、食糧庁を実は内局にする積極的な理由がないように思うがどうなんですか。仕事の分量においても特に国民の主食を預かるというのが食糧庁の仕事の中心であろうと思う。で、水産はこれは副食物でしようが、とにかく主食を預かる食糧庁というものを内局に引下げて行くという積極的な理由はどうも見付からんように思うのですがね。これは先ほども申上げましたように統制時代と統制がだんだん緩和されて来る時とは、やはりおのずと仕事の量が違つて参りまするので、先を見越してかようにしたようなわけであります。
  135. 波多野鼎

    ○波多野鼎君 政府の方では麦の統制を外すことになつております。それからその統制を外しましてもですよ、決して仕事は減つて行かんと私は思う。大体あなたがたの考えでは麦の価格の維持のために相当大きな仕事を、而も非常に複雑な仕事を今後麦に関してでもやらなきやならんことはまあ覚悟しておられると私は思う。ただ統制を外したということだけで仕事は減らないのであつて、別の形の大きな仕事が今度引掛つて来ておるのですよ。だから統制を外したというだけで仕事が減つたというように言われるのは少しおかしい。違つた意味の職分がうんと殖えて来るのです。又米についても、米の統制ははずされるかどうか知りませんが、仮に統制ははずされたとしたところで同じことなんです。農林省が国民の主食について負わなければならん責任、その責任を果す上においてなさなきやならん仕事の量、これは仕事の性質が変わるかもしれんけれどもちつとも減りやしないと私は思う。どうですかその点は。
  136. 廣川弘禪

    国務大臣(廣川弘禪君) お説のようなこともありまするので、定員を殖やすことを非常に私どもは心配してやつておるのであります。原案を御覧になると、ただ極く上層部だけでありますが、併し砂糖のように最早やもう何もないものもできておるのでありまして、これを将来の線に沿うようにして内局にしてもいいのじやないかと、こういうことです。
  137. 波多野鼎

    ○波多野鼎君 それからもう一つは食糧庁の食糧行政として政府がやつておる仕事はだんだんこの複雑な仕事に移り変わりつつあるというふうに私は理解するのです。現在においても、先ほども成瀬委員から話がありましたように、一つの企業体的な仕事も現在やつておる。で、この仕事は恐らく米についてもずつと続いておると私は思う。又麦についても同じことが続けて行かなければならない。砂糖のごときは今おつしやつた通りでありますけれども、食糧庁の基本的な仕事、即ち主食に関しての責任ある行政をやる官庁だという性格はちつとも変わらないのですねこれは。ですから何を好んでこんなところに内局にするかという積極的な理由は少しも、どうも納得ができないんですね。何だかこの水産庁については、太平洋は広いから仕事が広いように見えますけれども、仕事内容はそう複雑じやないですねこれは。仕事内容はそう複雑じやない。食糧庁の仕事は四千万の農民に関する仕事なんですね。非常に複雑、一方において四千万農民、他方においては八千四百万の全国民に関する仕事なんだから、非常に仕事の範囲が広い。広く且つ困難だからですよ。それとだんだん縮小して行つて、そうして何かそういう面の仕事はもうなくなつたんだと、単に意味が減じつつあるのだという印象を与えられることは、政治としてもまずいと私は思いますがね。ちよつと意見になつて甚だ恐縮なんだが、今の農林大臣の御答弁だけ聞いておれば、食糧庁を内局にしなきやならん積極的な理由は一つも私は発見できないと思うのです。それはまあそれにいたしておきまして、林野庁の問題です。林野庁もやはり食糧庁と同じような現業的な仕事が非常に広汎に行われておる。そして治山治水というようなことが自由党あたりでもやかましく言つておられる政策面なんですが、これについてはどういう積極的な理由があるのですか内局にせられる。
  138. 廣川弘禪

    国務大臣(廣川弘禪君) これもやはり仕事の分量が減るわけじやございません。又この林野庁自体の仕事が減るわけではございませんし、又生産事業としても何らの変更はないのでありますが、将来この内局にみんなして行きたいという一つの行き方で内局にしたようなわけであります。
  139. 波多野鼎

    ○波多野鼎君 そうしますと、この庁を廃止して内局にするということは、一般的な方針として何らかそうすれば行政簡素化といつたような名目が立つというだけの話であつて何ものもそれによつて得られない、プラスにならないというふうに私は思うのです。そういう意見は別といたしまして、そう理解するよりほかない大臣の御答弁では。次にもう一つお伺いしたいのは、この部というものを廃止するということは、国家行政組織法できまつておることなんですが、その部を廃止することの善し悪しという点については、私個人としては意見がありますが、これは別に留保いたしておきます。ただお伺いしたいのは、部を廃止しておいて、而もこれを見ると、又新しい制限漢字にある字かどうか知らんが、監という字が出て来た。これは部と監とはどう違うのですか。部長と監といいますか、部長と監といつたほうがいいですか、どう違うのですかこれは。
  140. 立川宗保

    説明員(立川宗保君) 農林省からお答えするのは或いは当を欠くかもわかりませんが、私どもはかように了解をいたしております。部はやはり一つの農林省という行政機関内部におきまする一つ内部部局であります。その内部部局の責任者として部長がいる、かように考えられますが、監は一つの職でありまして、内部部局の一つの段階たという工合にはなりません。そこで監は一つの職でありますが、ただ監はその局の中の或る一定の仕事を分担をいたしまして、それを掌理をするということで、監の下に一応の仕事のまとまりがつきますけれども、飽くまで法制上の性格としては違つたものだとかように考えております。
  141. 波多野鼎

    ○波多野鼎君 鼎君監というものは職であると、そして例えばここで農業協同組合監というものを見ると、これは農業協同組合課、組合検査課、農村工業課とこの三つの課の仕事を一応ここで取りまとめるという役目を組合監が持つておるということなんですか。そうだとしますとおかしいのですよ。農業協同組合部というものがあつて、この三つか四つだつたか知らんが、この三つの課の仕事を取りまとめて行くということと同じことではないか。ただ名前が法律形式的に一つ内部組織だ、一つは単なる職だという、それは形式論です。形式論だけであつてこれは全くごまかしでおかしいですよ。部の復活ですよ。部長と言わないで監と言つているだけだ。実質上は部長仕事ですよ。
  142. 立川宗保

    説明員(立川宗保君) いろいろ見解を申述べるのも或いは工合が悪いかも知れませんが、これは、監の場合はそれぞれ命を受けてこれこれこれに関するる事務を掌理するというようなことがございまから、命じ方でいろいろ監の運営が違つて来るわけであります。それで、例えば局長が非常に技術的な性格を持つたような仕事を監に専念させるというようなことも運営によつてはやれるのでありますが、部長でありますと、結局その内部組織としてとにかく仕事が規定された、法律上規定されたものがございますから、そういうものはいやでも応でもとにかくやらなきやならないということで、いわば監のほうが命令の仕方で相当幅を持つて運用ができるというような特色はあるかと存じます。
  143. 波多野鼎

    ○波多野鼎君 そうすると、局長がこの監の仕事に命令をすると言いますが、恐らく又内規か何かを作りまして、農業協同組合監は大体こういう仕事をやるということがきまつてしまう。一々の命令なんかしておる暇がないですよ局長は。だとすれば、部長としておつた時の職務範囲と監がやる職務範囲は大体きまつて来るのです。ただそのときどきにどこに重点をおくかということになつて来れば、部長の時だつて局長と相談してどこに重点をおくかくらいはきめて行くですよ。ちつとも局長から独立したものじやないですよ部長は。ですから恐らく内部規定で内規のようなものでこの監の仕事はきまつてしまう。きめなきやどうにもならんのだもの。どんな命令が来るかわからないのだもの。農林省のほうの答弁を先ず求める。それからあとでやる。農林省はどういうようにこの監を運営しようとしておるか、それを聞こうとしておる。農林省の見解を聞いてそれから伺うことにいたします。答弁できなければできないでいいのだけれども。
  144. 立川宗保

    説明員(立川宗保君) どうも実際の運営をやつて参りますと今お話のような点がだんだん出て参るかと思いますが、これはやはり制度として如何に関連するかという問題であろうかと思いますから、いわば部長法律仕事がきちつときまつておる。監は法律上は命の受け方であつて、こう伸縮し得るような規定になつておりますので、その辺は実際の運営としては或いは内規でそれぞれの時期においてこの時代はこう、この時代はこうときまつて行くかも知れませんけれども、一応制度上はやはり違うと観念できるかと思います。
  145. 波多野鼎

    ○波多野鼎君 制度上違うことは名前が違うことはわかるのですが、ただ名前を変えて、制度上変えてみたところで実際は同じことをやつておるのだということを私は言つておるので、制度上違つて同じだということは私は言つていやしない。違つている。違つているが同じことをやつている。違つた名前の下で、そういうことになつてしまつたというのだよ。それはあとで又ほかのほうで聞きます。  それからもう一つお伺いしておきますのは農業協同組合監というのは資料の第一頁にあるので、そればかり問題にするようですが、これは衆議院修正でこういうふうになつたと理解するのですが、最初農林省原案でこういうものをのけておつたのはどういうわけですか。ここでは農業協同組合監というのは要らないという農林省が原案を作つたその考え方はどうなのですか。
  146. 渡部伍良

    政府委員(渡部伍良君) 当初は行政簡素化の政府方針に基きまして内部の部制は廃止すると、こういう原則が立てられたのです。そうしてどうしても仕事の分量、或いは仕事の性質から言つてそれなしでは、そういう局長だけでは処理できないものは次長を置いてやるという原則がきまりました。従いまして協同組合部は廃止されても次長でやるというふうな考え方であつたのであります。協同組合部の部はそれも要らないじやないかという、これは政府中の行政管理庁、その他の交渉の過程においてあつたのであります。いろいろ農林省としましては行政管理庁その他と折衝を重ねておりましたけれども、行政機構の法案を出す期限も到来しましたので、一応農林経済局の次長で協同組合の仕事をできるだけやつて行こうという案を立てたのであります。
  147. 波多野鼎

    ○波多野鼎君 よくわからないのだが、ちよつと理解しにくいような答弁をしておられるのですね。農業協同組合に関する行政事務は次長担任ということでやつて行こうと最初考えておつたと、こう理解していいのですか。
  148. 渡部伍良

    政府委員(渡部伍良君) そうであります。農林経済局には、力はその次長一人で賄えるかどうかという問題があつたのです。それは農林省としましては次長一人では仕事の分量が多過ぎる。もう一人置いてくれというような交渉の経過はあつたのであります。一応次長一人でやつたらどうかという案で話を纏めまして、法案を出したのであります。その後衆議院におきまして、それではどう見たつて協同組合の再建整理とか、今後の農業政策遂行上の農業協同組合の重要性から見てもつと協同組合の仕事に重要性を置かなければいかん。従つてこれを担任する協同組合監を置いたらいいじやないかというのが衆議院修正考え方であります。
  149. 波多野鼎

    ○波多野鼎君 そうすると局長、例えばここで問題になつております農林経済局をとつてみますと、局長仕事と次長の仕事とは大体分担がきまることになりますか。最初の案では次長というのは、農林経済局の次長の主たる仕事は協同組合関係仕事を分担すると、局長はその他の課の仕事を直接目を通すというふうに考えておつたのですか。
  150. 渡部伍良

    政府委員(渡部伍良君) そうでありませんで、次長は局長全般的に助けるという考え方であります。それよりも協同組合の仕事は先ほど文書課長説明申上げましたように特別に枠をきめて監でやられたほうがいいじやないかというのが修正案でございます。次長は全般的に局長の任務を助ける。
  151. 波多野鼎

    ○波多野鼎君 だから修正案のことを聞いておるのじやなくて、最初の案を聞いておるので、最初の案では協同組合関係仕事というのは次長が大体担当するという考え方で監を置かなかつたと言われるから、これはさつき聞いたのです。局長と次長とは仕事の分担が違うのかということを聞いたわけです。
  152. 渡部伍良

    政府委員(渡部伍良君) それはそうではありませんで、次長は局長が思う通り指図して時宜に応じて使つて行くのであります。場合によつては協同組合の仕事を或る程度専任させる場合もあるかもわかりません。仕事を限定せずに局長を助ける、こういうことであります。
  153. 波多野鼎

    ○波多野鼎君 もう一つ統計調査監ですがね、これなどは統計調査仕事はこの表を見ますと管理、調整、作物統計、経済調査、農林統計、水産統計、図書、集計業務室、こういう非常に広汎な課を持つておるのです。農林経済局の全体の課の約半数でしよう。半数が統計調査監と言われるものの下にある仕事なのです。半分ですよ、それを統計調査監というようなものでまとめてしまつて、これを局から落してしまうのはどういう理由なんですか。
  154. 渡部伍良

    政府委員(渡部伍良君) 局から落すのではありませんで、統計の仕事は非常に技術的でありまして、これは毎日こつこつと調査を発し、集計をすると、こういう仕事なのでありまして、これは特別に監を置いて分掌させるといいというので、統計調査監を置いたのであります。
  155. 波多野鼎

    ○波多野鼎君 僕は統計調査局が統計調査部に格下げされ、更に今度はもう一段ここで格下げされてくるのですが、これほどの広汎な、而も農林行政の基本的な資料を提供すべきものが、ただこういう農林経済局といつたようなものの一部として辛うじて息をついていくような恰好ですね、これは辛うじて息をついて行くというような恰好であつて、今の自由党内閣というものが如何にこういう調査とかいう問題について熱意が足りないか、ないかということを先ず如実に表わしておるのだ、これはこの機構改革の案というものは、まあそういう点は僕の批評として聞いておいて頂けばいいが、だがこんなことをしておつて今後の農林統計というのは非常に複雑なんですよ、工業統計なんかと比べものにならない、そういう非常に複雑な調査をやらないと農林行政はうまく行かないのです。実際今まだやつと戦後農林統計の仕事が緒について、漸く軌道にのりかけたという時に又もう一ぺん格下げしちやつてこんなふうに隅つこに押し込めてしまうということでは、農林行政の科学性ということはちよつと期待できなくなつてくるというふうに思うのであるが、農林大臣どうですか、その点。
  156. 廣川弘禪

    国務大臣(廣川弘禪君) これは前に局にあつたことは御承知通りでありますが、それから部になつてとにかく今度の機構は部というものを廃止しようということでやりましたので、決して冷遇するわけではないので、特にここは監を置くということになつてつたのでありまするから、決して農林統計を冷視しておるわけじやないのであります。この農林統計が大事なことはよく承知をいたしておりまするから、余り監というものを使わないのにここに監を使うということになつておるのであります。
  157. 波多野鼎

    ○波多野鼎君 農林大臣、この農林統計監というものは職名ですからね、こんなものは内部部局じやないのだから、職名ですから、こういうものがここにおるということだけです。それはそれとして、統計調査局にする考えはないですか、別に……。
  158. 廣川弘禪

    国務大臣(廣川弘禪君) 今のところはこれでやつて行きたいと、こう考えております。
  159. 波多野鼎

    ○波多野鼎君 今後どうせ基本的な行政機構の改革の案を自由党は出されるという、そのまあワン・ステツプとしてこんなものが出て来た。これは実際は大きな声で言えない、行政の簡素化の線であるといわれておりまするから、次の基本的な行政機構改革の場合に統計調査の問題を、農林大臣根本的に考え直して、基本的な立派なものを一つ作つて頂きたい。これは私は廣川さんならわかると思うのですが、如何に農林行政の基礎的な資料というものが必要か、それが如何に困難か、これを集めることが……。これは全国民に関連する問題ですからね。非常に困難で、工業統計なんかと比較になりはせんですよ。そういう点は農林大臣よくおわかりだろうと思うので、この次の本格的な機構改革の場合には一つ農林大臣の案として局にこれを引上げるという案を出して頂きたいということを要望しておきます。それからもう一つ競馬監ですがね、この競馬監もおかしなものだが、この国営競馬の問題はもうこれはやめるということじやないですか自由党の方針は。
  160. 廣川弘禪

    国務大臣(廣川弘禪君) 農林委員会、政調等でいろいろ案を練つておるようでありますが、まだ最終決定までには行つていないので、農林省に各階、各層のかたを集めて折角案を今練つておる最中であります。方針はまだはつきりきまつておりません。
  161. 波多野鼎

    ○波多野鼎君 僕の聞くところによると、もう早急に競馬の国営というのは廃止して民営に移すということがきまつたように聞いておるのでありますが、まあ農林大臣はある間はしようがないから、そう答えるよりしようがないと私は思うのだが、この先の見通しとしてはこんなものはなくなるものでしようね。米の統制とどちらが早いのですか。米の統制撤廃とどちらが先ですか。
  162. 廣川弘禪

    国務大臣(廣川弘禪君) 結論付けられるのはこのほうが私は早いのじやないかという感じがします。
  163. 波多野鼎

    ○波多野鼎君 もう一つだけ……、これを見ておりまして私まだ十分研究しておりませんが、ずつと見ただけでも実に今度の機構改革案というのはアンバランスというものがすぐわかるのですね。ここに蚕糸局というのが出て来ておる。一つの局、蚕糸局。たつた四つの課ですよ。蚕糸課にしたらどうですか。この蚕糸局なんというのを独立の局に、たつた四つの課しか持たぬのに独立の局にしておいて、統計調査なんというのは課が幾つありますかね。八つあるのです。丁度倍あるのです。これを監が支配するという、実にアンバランスだと私は思うのです。こんなアンバランスなことをしないで、国の農林行政の重要性の点から考えて、例えば食糧局にしましても或いは食糧庁を存続させるという考え方を私はとりますが、とにかく全体の局の編成が非常にアンバランスだと私は思うのです。仕事の重要性からいつても局の建て方がまずいという感じがするのですが、こういう点もこの次の基本的な行政改革の場合に一つ立派な案を出して頂くことを全体を通じて農林大臣要望しておきます。
  164. 竹下豐次

    竹下豐次君 部と監の問題につきましては内閣委員会が始まつて以来何遍か聞かされましたけれども一やつぱり同じような御答弁でありまして、私としても余り頭にピンと来ないわけなんです。これは政府の立場としては、法律を忠実にお守りになる上において止むを得ない御苦心であろうということはわかります。併し、私が今度の機構改革案を見て第一に気がつきましたのは、部局以上のほうは気をつけておいでになりますけれども、課のほうはさつぱり気をつけていらつしやらない。だから私から考えまするならば、むしろ逆である。国民一般の立場から見ますると、先ず課長のところに行きますと、甲の課へ行け、甲の課へ行くと乙の課に行け、乙に行けば丙の課に行けと、どこに一体お詣りすればよいのかわからないというように、一番民間で苦労するところなのです。その上に乗つておる部や局であるというのでありますから、先ず課をはつきり整理されまするならば、部は自然減つて来る。さつき頂きましたこの表の資料を拝見しましても、今波多野委員からお話のように、たくさん課が並んでおるのがあります。これも、見ますと先ず原案じや次長だけでやるといつても、議員の一部の人が、特に農林にいわゆる関係ある議員と申しますか、そういう議員の立場から見てみますというと、農業協同組合課というものも置かなければならないというような意見も出て来て、結局政府で初め意図しなかつた行政機構の拡張に似たようなことになつてしまうというようなことになつて行くだろうと思うのです。先ずその課を整理されるということが最初に大事なことじやないか。ただ併し考えなければならないことは、非常にこの組織の分課が進みまして、技術方面にしましても事業方面にしても、分課的になりましたら自然課が殖える傾向になるのも、これも止むを得ないと思います。併し余りにも課の殖え方がひど過ぎやしないか、世間でも皆そう言つております。殊に職階制の問題ができて以来は、端的に言うには、月給がうんと上るというようなことのあつたことも否めない。私この間行政管理庁長官からもちよつと課の廃止の問題についてはお話がありましたが、遠慮してその点は言わなかつたのでありますが、長官からお話があつたことは、確かに正直におつしやつたことだろうと思います。そのことを行政管理庁長官にも御意見を伺いましたところが、課のほうの関係は各省大臣権限で均衡することに今日まで任せられておるので、今度手を着けなかつた、併しそれも是非やらなければならないということの御答弁を頂いたので……。ただ考えて頂きたいのは、去年の行政整理、事務整理、人員整理で公務員は非常な不安を長い間抱いておりましたが、あれが済みまして、一応安心したところへ又今度の問題が起つて来て、今度は二度目の不安を感じておりまして、私どもなどにも、内閣委員をしておる関係もありましようが、やつぱりその関係の人たちが非常に心配されて、訴えて来られるのであります。その立場に立つて見ると、私も非常に気の毒に思つております。先ほど大臣の御答弁のうちにもありましたが、又やがて第三次の行政機構改革政府が考えておるという、まあ私なども国民の税金も重いのでありますから、これも減らさねばならん一方、役人の数が多過ぎる、機構も複雑化過ぎるということが、輿論になつておりますので、これを整理されるということは極めて必要なことだと思つております。ただだらだらやられましては、これは実際公務員の立場から見たならば本当にたまらないだろうと思うのです。それがどこに響くかというと民間の人が困る。今後第三次の整理をおやりになるというならば、成るべく早くと、私はこの改正の初めにそう申上げたことがあります。一緒におやりにならないというとそれは罪ですよと申上げたことがあります。ですが、おやりになるならば早く整理されることが必要だ。逆な言葉で言うならば、成るべく早く役人たちが安心して、仕事を進められるようにしてもらいたい、こう思うのです。これは今まで、今日も申上げたのでありますが、この点は私から申上げるまでもなくお考えになつておることだろうと思つております。併し先の御答弁ではただやるつもりだというお話でありまして、いつ頃までに打切るかということについては御説明がありませんでしたので、その点をはつきりこの際、丁度管理庁長官もお揃いでありますから、して頂きましたならば、公務員のほうでも或る時期になれば安心するということになるだろうと思います。はつきりした態度をお示し願いたいと思います。
  165. 廣川弘禪

    国務大臣(廣川弘禪君) こう何回も何回も行政整理、行政機構改革ということをやつてつたのではいかんじやないかというお尋ねでありますが、その通りであります。今度の行政機構が非常に不十分で、改革が不十分でこれは直さなければならないということを波多野委員から質問があつたので、私は決してこれだけでとどまらない、将来よく相談してもつと端的に行政簡素化をしなければならないということは、皆閣内でも一致しております。ただ時期、方法等についてはまだ具体的になつておりませんが、その前提としてこれだけでもやろうと、こういう考えでやつておるようなわけであります。
  166. 野田卯一

    国務大臣野田卯一君) 大体今農林大臣から言われたような気持を持つものであります。
  167. 松原一彦

    ○松原一彦君 官房長がおいでになるようでありますが、従来農林省には次長というのが何人おつたのでしようか。
  168. 渡部伍良

    政府委員(渡部伍良君) 次長と名のつくのは水産庁を入れまして八人でございます。内局だけで申しますと農林経済局に一人、それから農地局に一人、食糧局に二人、林野局に三人でございます。
  169. 松原一彦

    ○松原一彦君 野田さんも昨日お聞きでありますが、厚生省のほうでは次長を減らしたのですね。ありますのを次長を削つたのです。削つた理由を聞きますと、本来次長は要らんものなんだ、次長がなくなれば課長の中の相当な人がこれを補つて行く、こういう厚生省の所管大臣のお答えでした。それから官房長も、厚生省は今度七局になりましたけれども、官房長はないがどういうわけかということを聞きましたら、官房長というものは本来要らないものだ、それは次官がこれをカバーして行くので、官房長は本来なくてもいいものなので、別に官制ではなくて、その必要があるときに法律でつくるのだということで、これは非常に勇敢な行政整理、簡素化の具体的なものだと思つて敬服したのです。どうもこれをずつと全部を通観して見て、行政整理とか簡素化というものがどうも顕著なものを見出し得ない。私は増員も希望しないのです。削りたい希望です。国民もこれを希望しておるようですから、そういう意味で吉武氏は労働と厚生両省を持つておられて、両省共に官房長を置かない。官房長がないのは文部省とこの二省の三省だけです。身を以て実行してそれでよろしいと、次長のあつたのも切つた、こういう次第です。私はこれは非常に勇敢なやり方だと思つておるのです。相当困るだろうということは想像するのですが、私は厚生省を知つておりますから……。けれどもこれほど勇敢に簡素化、整理をやつておられる。然るに農林省は今度次長を八人にして七人増員をしておられる。又官房長もちやんと置いておられる。これは昨日も野田さんにも伺つたのですが、次長をこんなに置かなければならない意味はどこにあるのでしようか。而も次長によつて農業協同組合の仕事をば見て行こうとせられておつたのに今度はそこに農業協同組合監というものが入つている。思い切つて次長を全廃するという御意思はないでしようか。
  170. 廣川弘禪

    国務大臣(廣川弘禪君) あなたのお尋ねは、それは衆議院修正案を御指摘のようでありますが、これはまだ衆議院のみで参議院で決定になつておりませんから、私、論を差挾みませんが、原案は非常に減つているはずです。この次長を置く、置かないはやはり仕事の分量を見てきめませんといかんと思います。決して端的に全部なくするとかどうとかいうことでなく、やはり仕事の分量によつてやるのが本当だと思います。それから今まで部長があつたところを部長を廃止して次長制にしたので、多分二つ三つ前より殖えている。原案は殖えているようでありますけれども、前の次長制度と今度の次長制度とは違つてつて部長がなくなつたから次長を置いた、こういうことじやないかと思います。
  171. 松原一彦

    ○松原一彦君 これも意見になりますが、私はそれでは同じ内閣の中におられて大臣の態度がまちまちであつてはいかんと思う。こういうことは統一して思い切つて一つ簡素の実をお上げになるようにありたい希望を持つのです。成るべく上官は減らす、不自由はせられるでしようが、国民も不自由をしている現状ですから……。それで昨日も野田さんにその希望を申上げたのですが、どつかでこういうような思い切つた、多少血は出ましても、ずばりと切つたものをお示しにならなければ簡素化にならない。  もう一つ伺いますが、これはもうさつきから繰返す問題ですが、部を廃して監とするという問題は、これは最初から納得のできない問題としてここで蒸し返し、繰り返しておりますけれども、一つの今までの部長がなくなつて今度は監という職名を持つた人がそこに現われたという技術的な面、これは了解しないではありませんけれども、その下に現に課が付いておるのであります。極めて著しいものは統計のごときものでありますが、七課一室が付いておる。その人が監と、従来の部が仮に監に変つて課が六つも七つも並列しておりますが、これは行政の簡素化でも何でもないと思うのです。今までは中二階を取つて除けて局から課にということであつたが、中二階をのけると言つてから半二階を置いたことと内容は同じなんです。看板を中二階と言うも、半二階と言うも、その段階においては違いはしないし、むしろ際から見ると行政上の責任を負う部長が何だかぼやけた監という行政責任を負えない一つのブロツクを持つておるといつたような形になつて、これは私は改悪だと思う。必要があれば私は部を復活してもいいと思う。それのほうがむしろ筋が通る。筋の通らない改正は看板だけをあつちも書換え、こつちと書換えても無駄な手間があり、名刺も変えなければなりませんし、いろいろのものの文字も刷り直さなければなりませんし、厄介千万なことだと思う。誠に無駄なことだと思います。できるならば実体の簡素化が欲しいので、かような名称の簡素化では意味をなさないと思うのであります。そういうような意味で、合せて更に行政整理の本当の骨髄に触れたものをおやりになることを十二分に御考慮頂いて、ただ取つて除けるというような期限付きの法律があつたためにということであつたならば、私も実はこの前衆議院時代にこの行政機構改革のときにこれを扱つた責任を持つものでありますけれども、これは議員の側から修正してもいいと思う。何も無理やりに面目にこだわることはありませんから、実の上るようにしなければならないと思う。願わくばこれは私の希望意見になりますけれども、かような名目の整理は人を惑わし、困らせるものでありますから、実体の整理に触れられまして、必要のあるところはいきさつに拘泥しないで、我々の修正をもお容れ頂きたいという希望を持つております。それを申上げておきます。
  172. 野田卯一

    国務大臣野田卯一君) 只今の点は全般の問題に亘りますので、私から一言だけ申上げたいのでありますが、部を廃して監を置いたけれども、全然一緒ということはわれわれのほうとしては考えておらないのであります。観念の切換えというものはなかなかむずかしいということを私は痛感するのですが、一階と中二階と本二階があるのを中二階を取払つて二階が局長課長が一階でその二階の局長の脇机のところに監か或いは次長がおるというふうに、組織としては飽くまで中二階を取払うということを考えております。これはまだ今実行しておりませんので、実際どうなるかという点において多少の疑問がありますけれども、考え方としては局長のそばに監がいて補佐する。而も監というものは所掌等のはつきりきまつたもの、そういうものを置きまして、組織的には中二階を飽くまで取つ払うと、こういう考え方を持つておるのであります。この点はまあやつてみるとわかると思うのでありますが、まだ移り変りにつきましてはいろいろとはつきりしない点があると思いますが、考え方としてはそういう制度をすでに昔やつたこともあるのでございまして、いわゆる中二階を取つ払おうという観念は、この際としては飽くまで貫いて行きたい。同じことをするというふうには持つて行かないで、あらゆる方法を講じて行きたいと、こういうふうに考えております。
  173. 松原一彦

    ○松原一彦君 まあ一つ拝見をいたしますが、実績を拝見いたしますが、併し野田長官昨日あなたお聞きになりました通りに或る大臣は、いや次長なんというものは要らんものだ、官房長も要らんものだというふうにしてそれを実行しておいでになる。或るところでは必要だというのでお置きになるといつたようなことは私は内閣としては方針に統一を欠くと思うのですが、これはどうなんでしようか。
  174. 野田卯一

    国務大臣野田卯一君) その点につきましては昨日も厚生大臣が来られましていろいろと答弁がありまして、私もよく聞いておりましたか、厚生大臣の所見は私尤もだと思います。厚生省には今殆んど次長というものがない。(松原一彦君「あります。」と述ぶ)で、御承知の医務局に次長がある。(松原一彦君「あります。」と述ぶ)で、この医務局の次長は、これは設けるときに私関係しておつたものですから、いきさつをよく知つておるのですが、お医者さんを以て局長にしたい、そうするとあそこには事務が多いからどうしても次長が要るということを、主張されて、ああいういろいろすつたもんだでああなつておるのでありますが、最近の考え方といたしましては、技術官を以て局長としなければならんというような局につきましては、若し事務を総括する必要があるとすれば、或いは次長という制度も一つの行き方だと思いますが、同時に総務課長というもので引締めて行くという方法もあるわけでありまして、で、技術を非常に尊重し、技術官局長にするという風習が建設省でもあるわけであります。建設省では技術官局長になつておる局がありますが、そういうところではやはり同じ悩みといいますか、同じ不便がある。そういうのは総務課長というものを置きまして、事務的なことを総括さしてやつております。私はこれは非常に自分で経験いたしまして、なかなかいい制度だとこのほうがいいなという確信を持つておるわけであります。やつて御覧なさいますと、これは次長より総務課長で、事務官の大きな人を総務課長に持つて行きますと、十分その間の調節がつく。又私の実験上そういう感じを持つております。  それから次長というものの制度全体といたしましては、これは中二階なのでありまして、なかなか使いにくい点があるわけなのであります。従つて吉武君なんかまあ自分の経験上も次長なんかなくて済む場合にはなくしたい。まあなくてもいい場合にはできるだけなくしてやりたい。如何なる場合でもなくすというのではなくてできるだけなくして参りたいという意見を持つておりますが、これは我々も同感なんであります。ただ今回の農林省の場合におきましては、従来局自体が大きい。それから部を幾つも置いておつたという場合には課の数も多いわけであります。そういうところが一遍に部を取つ払つてしまうと、そこに何となしに事務的に申しまして、一つのギヤツプができる虞れがある。そういたしますと、それがやはり内部事務、或いは外部から来る人に不便を与える虞れがあるので、そこでその移り変りをできるだけ円滑に、そうして行政上の不便を避けて行きたいという意味の慎重性からそこに行政ということを考えまして、若干の次長を置かれるということになつたのであります。これも仕事をやつておるうちにだんだん慣れて行けば、或いは局長課長だけでできるかも知れませんし、我々といたしましても、そういうことになれば結構だと、そういうことを期待しておるのでありまして、農林省で次長を置きましたのと、それから厚生大臣が次長をなくしてもいいという御意見との間には、私そんなに実際的な矛盾はない、気持は一致しておると思います。  それから官房長の問題でありますが、官房長も昔は官房長というものはありませんで、御承知のように一時は総務局長というものが各省に設けられまして総務局長という者がおつたわけであります。そうして総務局長を廃止した場合に官房長に移り、官房長というものを設けたと、従来こういう沿革があるわけであります。で、将来官房の持つておる仕事を漸次各局に分属させて行くということになれば官房の仕事は減る。そうすれば官房長がなくてもいいという事態が出て来ると思います。その点につきましては、今後の行政機構のあり方として十分検討して行きたいと思います。
  175. 河井彌八

    委員長河井彌八君) ちよつと皆さんに申上げますが、農林大臣が所用のために退席したいということを申されておりますが、この際簡単ならば農林大臣に御質疑があつたら……、如何ですか。
  176. 成瀬幡治

    ○成瀬幡治君 この前まあ若干意見めいたことで楠見委員が申されたわけですが、農林省としていろいろなことをやつて最後に残るものは一つ農林省で行くなら、行政上統計というものが必要だからやろうじやないか。それからもう一つは農業改良局といいますか、農地改良局というようなものが大体農林省の行政上根幹をなすものじやないかという見解を洩らされたわけですが、そういうことに対して農林大臣は行政上何が柱をなしておるかということにつきましてのお考えを一つ伺いたいと思います。
  177. 廣川弘禪

    国務大臣(廣川弘禪君) 農林省全般を見ると、これは非常に広い役所でございまして日本の殆んど全般関係しない所はないくらいに関係しており、又それと比例して重大な役所であります。でありますから、柱もこれといつた前提はできませんが、何本かの柱があることは事実であります。今度の農林経済局ですか、これなんかも一つの非常に大きな柱であり、或いは又改良局なんかもこれは無論柱であります。それから又将来と言いましても外国との交渉その他についての問題から言い、又真に農林行政を確立する上においては統計というものが一つの大きな柱になることはお説の通りであります。どれがどれといつてこれは捨てるものは殆んどないのでありますが、そういたしますと、御指摘のようなやはり統計調査というさうなものが将来大きなる柱になると、私はこう思つております。
  178. 成瀬幡治

    ○成瀬幡治君 もう一点、イギリスのように食糧が非常にないところがやは食糧庁というものが食糧省になつておるわけです。そういうことについて検討をされたのだろうと私は思いますが、今回の機構改革やいろいろなものに絡み合つてそういうことについてはどういうふうに考えておりますか。
  179. 廣川弘禪

    国務大臣(廣川弘禪君) 食糧も米麦等に限定する場合の食糧と総合的な食糧の考えでは又違つて参ります。これを今のような何合何勺ということで食糧を考える場合と、カロリー計算によつてすべてのものを総合してやる場合とではおのずと違つて参ります。そういうようなことからいたしまして、単に食糧庁を食糧省とするというようなことになりますと、これはもとより横の関連性を十分検討してやらないと間違があるのじやないかと思います。
  180. 栗栖赳夫

    栗栖赳夫君 波多野委員との御問答の中に、今度の行政改革は一つの石を打つた程度だけだという意味のお話があつた。そうすると食糧庁を内局にするについて本格的には何か御政策、目通しその他を持つておられるのじやないか、見通しを付けてというお言葉があつたが、その見通しというものがどういうものであるかをお、示し願いたい、こう思うのであります。
  181. 廣川弘禪

    国務大臣(廣川弘禪君) 食糧庁に対しての広汎な仕事はこれはあなたのよく御承知通りでありまして、総予算面から行きましてもこれは大きなものであります。それから又米麦その他のものを扱つておる関係から言いましても、この農林省としては一番大きな仕事をしておるところであります。併し現在だんだん砂糖前には馬鈴薯、甘藷等もあり、又砂糖等も極く最近にこれははずれまして、それから又麦も大体統制から除かれます。併し麦に対しては相当量の複雑な仕事が残ることは事実でありますが、併し今までの仕事の分量よりもそういつた面で減るということからいたし、又内部の内局に入れて次官その他と直結して事務をスムーズにするというような考えから内局に入れてもいいのではないか、こういう考え方であります。
  182. 栗栖赳夫

    栗栖赳夫君 もう一つそれじや進んでお尋ねしますが、米の統制を撤廃するというような前提があるわけじやございませんですね。
  183. 廣川弘禪

    国務大臣(廣川弘禪君) 我が党は米麦共に統制をはずす方針でおることには間違いないのでありますが、併し各委員会、本会議等で私が説明いたしておる通り米については慎重に考えたい、こう思つておりますので端的に冷すぐこれをはずす、或いは両月幾Hからはずすという考えはございません。
  184. 栗栖赳夫

    栗栖赳夫君 そうしますと先ほど波多野委員に述べられました見通しの中には、この米というものはもつと慎重に考えるから入つておらんと解釈してよろしいんですか。
  185. 廣川弘禪

    国務大臣(廣川弘禪君) その通りでございます。
  186. 栗栖赳夫

    栗栖赳夫君 どうも恐れ入りました。
  187. 竹下豐次

    竹下豐次君 現在局長事務と次長の事務関係はどういうことになつておりますか。ほかの言葉で申しますならば範囲ですね、局長権限内のことは全部次長もやはり関係しておられることになつておりますか、或いは一部分を委任してやられるのか、どういうようなことになつておりますか、大変違うと思うのですが。
  188. 野田卯一

    国務大臣野田卯一君) 次長につきましてはその局々によりましてやり方が異なつておりまして、局長権限に属する全体のことを委任させるというふうにやつておるところもありますし、或いは局長が取扱事務の或る一定の部分だけを取扱うという場合もありまして、そこに次長制に非常に弾力性があるのでありまして、個々の場合におきまして違う、こういうふうに御了承願います。
  189. 竹下豐次

    竹下豐次君 次長にすつかり委任して次長限りできめるというようなことはありませんか。
  190. 野田卯一

    国務大臣野田卯一君) 私は局長決裁のもので比較的軽微なものは次長限りにしておることが、局長だけの裁量によりましてやつておる場合もあり得ると思います。
  191. 竹下豐次

    竹下豐次君 私は大体次長の事務の範囲と、局長事務の範囲とが同じ例が多いんじやないか、そうしますというと一階段下のものから申しますると、階段が多くなつておるだけで、それで以て却つて事務の渋滞を来すようなことが少くないのではないか、これが一つ考え方であります。一方次長がおるがために局長が非常に忙しいときには、その補助の効果が上るという又利益面もあるということになり、又各省の状態によつてもいろいろ違うのであります。事務の量によつても違うでありましようが、私はなるべく階段を少くしたほうが事務能率を上げるというのにはいいと思つている。その点は厚生大臣の先ほどのお話と同じ意見を持つております。今度の改正案を見ましても先ほどから話しておりますように課が非常に多い、それだけのものを局長一人ではなかなか治めきれないので次長も置かなければならない、次長だけで足りないからほかの監なども置かなければならないというようなことになつて非常に面倒になつておるわけでありますが、私は局長権限内の仕事を次長に代決させて、それは局長はもとより責任を負わなければなりませんが、その委任事項をうんと多くするということになつて行きましたならば、局長仕事も非常に楽になつてそうして目も届くようになる、そうしますとこの際同時にはできませんでしようが、追いかけて課の統合を思い切つておやりになるならば、別に監とかいうような御説明にお困りになるような、あなたお困りにならないつもりでしようけれども、なかなか通らないと思います。何遍も繰返さなければならんだけお困りだろうと思つておりますが、そういうものを置かないでも仕事が捌けるのではないか、これが本当の行政の簡素化であつて、今度のように簡素化とおつしやいますけれども、ところによつてはむしろ人が殖える、複雑になつて来る、簡素化の逆を行つておるような感じを与えられるような向きがないではないのであります。思い切つて次長の委任事項局長がやつて、課を少くするということが必要ではないか、この際そういうふうな機構にするという肚をおきめになりますれば、昨日も御説明がありましたが、課の統合もやるというお話でありましたが、それを促進する意味においても非常に効果がある、そうでないとこれから又いつそういうふうに着手されるやら議論も多いことだろうと思います。少くとも課長さんがきらうことなんであります。反対意見も起つて来ましようし、やはりそういう段階で押して行かれることが必要ではないか、それについてはいい機会ではないか、かように考えますが、それについてどういうふうにお考えになりますか。
  192. 野田卯一

    国務大臣野田卯一君) 非常に建設的な御意見を拝聴して我々全く同感でありまして、ただ方法といたしまして次長というものは恒久的に認めるかどうかということがあると思います。私は次長というものはむしろ経過的に考えておりまして、局長制度、課長制度というものが確立されたときには次長というものは漸次消滅すべきものである、こういうふうに考えております。  それから中二階、これは課長が少し多い。今課が小さく分れ過ぎてしまつておる。従つて中二階が要るので、そうすると課を大粒の課にして、そうして局長課長とが直結してやつて行けば容易にやれる態勢に行く、中には係でいいような課もあります。ですからそういうのは漸次係に下げて行き、そうしてまとまりのある課にしたいと考えております。課については必ずしも次長とは同様に考えてはおらないのです。これは我々の役所の始まつた頃からずつと行政の組織を見ますと、官の名前は変つておりますが、一種の特殊な専門的な仕事を受持つ特殊な地位というものがいろいろな制度に現われておるわけであります。これはずつと古くからあちこちに現われておるものでありまして、どうしてもそういうものを全部一般的に扱わないで何か特殊に扱わしめるものがあります。それについてそれにふさわしい制度が昔からあるわけであります。従つて私も、官の制度というものは、これを専門化する必要があると思うのでありまして、先ずその取扱いには極めて慎重を要しますが、官の制度は例えば調査統計官というようなものについては調査統計というものが特に専門的知識を必要とし、又一般の行政に煩わされることなく、又一般の行政のように始終変わるというようなことでも困る、一種の特殊性を持つておるだけに特殊性のやはり配慮が必要になるのじやないかと考えております。又今の建設省にある技監とは違いますが、あれとやや似たような制度が昔も随分あつたことがある、こういう制度については十分検討をして最も実態に即し、又行政能率全体の上る工夫をいたしたいと、かように考えておる次第であります。
  193. 竹下豐次

    竹下豐次君 将来次長がなくなれば結構だというお話ですが、私もそうだと思つております。事務量から見ても昔と違つて非常に複雑になつて、その量も殖えております。併し急にはその時期は来ないのじやないか、こういう気持がするのであります。それで局長を助けるほどの人が一人でも二人でもおるというならば、まあこれは置くとしても、一人でたくさんだと思いますが、私の見込ではそれにすつかり委任して、但し責任は、局長は委任した以上は、自分のすべきことを次長にやらせるから俺は責任は負わんというのでなく負う。そして次長も負わなければならん。両方で責任を負うという制度にしなければいけないと思つておりますけれども、先に申しますように、私は直進される今一番いいチヤンスじやないかという気持がございますので、更に申上げる次第であります。
  194. 野田卯一

    国務大臣野田卯一君) 今次長の制度が出ましたが、私は自分で次長をやつたこともありますし、次長を使つたこともありますが、どうも私は自分の行政経験からいたしまして、次長という制度は余りよくないと思つております。これはどうも使いにくいし、使われにくいという……現在次長をやつているかたはそうでないかもしれないが、私は自分の経験から言つて実に使いにくい、これはやはり何か制度として中二階的な感じがする、やつぱり長い目で見て行けば、私の申しますのは局の中のことでございますが、課長さえしつかりしていてくれれば、ないほうがいい制度じやなかろうか、こういうふうに考えておりますが、なお御意見があれば傾聴いたしたいと思つております。
  195. 松原一彦

    ○松原一彦君 昨日私は吉武さんのお話を聞いておつて、初めは吉武さんは中のことはよく御存じじやないのじやないかくらいに私は皮肉に実は聞いたのですが、併しあの意見は確かにいい意見だと思うのです。そして今お話のように、技術局長を置いたら総務課長に有力な者を据えれば結構それでやつて行けるということは非常にいい考えだと思う。官房長というものも実は官制の上にはないので、法律でそのために置くとこうなつているんですから、今の御意見のように、次長といつたようなまあ得体も知れんと言つちや悪いですが、中途半端なものを徒らに増加する。今回のごときは農林省は要らんというものを委員が無理に押込んだ。それから建設省では技監は置いてはならんということで、非常にやかましい主張で技監というものを取つてのけたので、これは建設省技術屋陣営では非常に困つて失望しているんですが、あれは最高技術屋の王様のように今までは言われておつだのです。ところが今回議員が立法府から農業改良局に技監を押込んでいる、同じ名称の技監を押込んでいる、甚だ御迷惑じやないかと思うのです。それで行政整理は私は少し意見になりますけれども、思い切つてこういう冗官を廃止しなければいかんと思う。昨日の吉武さんの意見のごとくに、総務課長というものに、少し次長よりも格の下つたような位地でも有能な人材を入ればこれで済む、官房などその総務課を置けばこれでよし、そういうようなことにしますというとうんと人間の、実人員の整理がつく、無用の判コを捺した階段を上つて行かなければならない手間も省ける。課長というものが単なるいい加減なものでなくして、非常に有能な人が課長におつて大きな課を統べて行く、私がなぜかように申すかというと、近頃地方に行つて見るというと小さい府県に部区長が八人おつて、副知事がおつて、その下に、知事に君のところに何人課長がいるかと言えば、五十八人いるとか六十人いるとか言うのですが、小さな府県に五十か六十人いるのです。課長は起案もしないのです。大きいぐるぐる廻る椅子に腰掛けてやはり課長様でおさまつているんです。私は小さい府県でああいうように課を殖やす、私は知事に聞いたのです。課長の名前と顔を知つているかと言つたら知らんと言うのです。まあ我々は古い人間ですが、昔はもう三部とか大きくて四部、そうして副知事はなかつた、課なんかというのは極く少なかつたのですが、今は小府県までが五十課、六十課で、そうして課長はまあ起案もせんというのが、もう大体課長クラスになるというと日本では恒例になつている。GHQに行つて見ますというと大課長がいる。フーヴアーでも課長さん、ウイリ、アムス氏もあれは課長です。而もタイピストか何か控えておつて極めて課員が少い、日本の行政簡素化というものが、もつと思い切つた、かような実態の上の簡素化が何とか行われないものであろうかということをしみじみ思うのです。この冗費というものは、このように大きい選挙などがありますというと、知事が公選になりましたが、多少論功行賞によつて相当課が殖えたりすることがあるということをまあ耳にしてにがにがしく思うのですが、一つ行政整理は吉田首相多年の御主張でもあるし、国民は役人の殖えることにもう愛想をつかしているんです。今度おやりになる場合におきましては、今のような私はことでなく、血が出てでもいい、それは他の方面から救済することにして思い切つた一つ整理をおやりになる御意向はないか、又これではあなたも御満足じやなかろうと思う、議員がこういうふうに立法の府から、行政府で要らんというものまでも押込むなどということは私はよろしくないと思う。人を殖やすというようなことはこの点について御所見を伺いたい。
  196. 野田卯一

    国務大臣野田卯一君) 松原さんの御意見私も全く極めて御尤もなことだと傾聴いたしております。行政整理も一遍にいわゆる徹底的にやるというといろいろな困難な点もありますし、今回はこの程度の、現状では二の程度が適当だということで、この次になお今後役所の仕事のやりつぷりとか、或いは法令の整理とかいろんなことを十分検討いたしまして、行政機構をできるだけ簡素化するようにして行きたい、こり考えております。
  197. 松原一彦

    ○松原一彦君 実は或る懇意をな知事にそのことを話しましたが、君がたそういうふうに見ることは非常に君、それは表面に拘泥して見ているので、実は副知事というのが部長で、部長というのが課長なんだと、課長というのは府県ではあれは係長なんだと、こんなことを言つてつておりましたが、その係長が実は起案もせん係長だということになりますと、私は冗官だと思う。その点非常にその仕事が暇がいる、許可とか認可とかいつたようなものが非常に暇がいつて国民の迷惑は甚だしいのであります。窓口が少くして段階が多過ぎる、これが私は今日の実情のように思います。中央で以て余ほど範をお示しにならんというと、地方はこれを真似て、そうしてやたらに機構を拡大して冗官を置くという弊が今日目に見えます、目に余る感がする。だから先ず中央が範を示す意味におきまして、私はこの次にはあなたも御同感のようでありますから、次長制なんといつたものはこれはもうやめてしまつて課長にも職階制などで以て余りやかましいことを言わないで、有能なものについては局長級の給料が出るようにして待遇を厚くするのがよろしい。課長は何が悪いか、課長には有能な人材がたくさんいるというように、まあ今後は運営の上においてこういうことにならんように御考慮を頂きたいという私は希望を持つのです。課長が起案もせずにただたくさん並んでいるといつたようなことでは、私は国民はいい感情は持たん。まあこれは私の意見になりますけれどもが、御参考に供して頂くならば仕合せであります。
  198. 栗栖赳夫

    栗栖赳夫君 ちよつと農林当局に小さい問題ですがお尋ね申上げたいのですが、我々もどうも建設大臣と同じように、大蔵省をやつてつたりなんかして、財政上の問題といつても問題を合せて考える癖がありますが、その癖で又お尋ねするのですが、今度の行政機構の改革は一般的に申しますと、予算その他について先ずまあそのまま大体持つて行くということでやるということなんですが、併しこれは実行予算をいずれお立てになつて、そしてどれだけ節約ができるかというようなことも一応はお尋ねしてみたいと、これはすベての設置法の改正の法律案をきめる前に、思うのです。ところで併しこの前問題になりました営林省の問題ですが、これは私はもうこの前大分議論が楠見委員その他から出たのですが、なお附加えますけれども、木曾福島から長野へ持つて行くというようなことは、これは予算にも組んである。これは一般の交通その他の不便ということを考えますというとまだわかるのですが、この前橋と福島ですね、その理論は筋がわかりますけれども、これを福島へ持つて帰ると相当の新規予算が要るのじやないか、さつきは予算的のことはというような極く漠としたお話がありましたが、実際はどういう関係になりますか、御説明願いたいと思うのです。
  199. 渡部伍良

    政府委員(渡部伍良君) 前橋の営林局を福島に持つて行くことは先ほど大臣からお話申上げましたように、戦争の時に東京営林局を前橋に疎開して、そのままになつているのであります。その後御料林を国有林の中へ編入したのに伴い営林局の官轄区域をいろいろ整理いたしまして、あそこにあるよりも、又木材の需給関係から奥地林の開発ということが非常に問題になりまして、御承知のように例の只見川上流の奥地林の開発が具体的に問題になつて来ておるのであります。従いましてこの前橋の営林局の所管のウエイトが前橋にあつたのでは非常に不便である、これは先ほど大臣が申上げました水系によつて営林局の管轄を整理して行くと、こういう具体的な内容を持つておる、そういうふうな理由で福島に移すことになつた。この予算的な措置につきましては長野のように具体的にまだ予算面には計上しておりませんが、大蔵省と話合いをつけまして予算的の措置を講じて行く、こういうことになつております。従いましてこの次の補正予算、或いはもつと早くというわけにも行かんと思いますが、この次の補正予算の中でそれが取上げられる、こういうことになると思います。
  200. 栗栖赳夫

    栗栖赳夫君 その金額は一体幾らくらいですか。
  201. 渡部伍良

    政府委員(渡部伍良君) 金額は只今私手許に持つておりませんので正確なことは申上げられませんが、あとで……。
  202. 栗栖赳夫

    栗栖赳夫君 それではその辺をお考えになつて国民の便、不便もありますけれども、趣意もわかりますけれども、日本の財政の現状とそれから今後の財政の見通しという点からこの際そこまでやらなければならんかどうかということを只今一応お伺いしたいと思いましてお伺いしたのですが、資料が出たときに又お伺いすることにいたしたいと思います。
  203. 成瀬幡治

    ○成瀬幡治君 ちよつと関連して……木曾福島から長野に移るのりに大ざつぱに言つて約一億と聞いておるのですが、それも併せて資料としてお出しを、願いたい。
  204. 三好始

    三好始君 他に御質疑がなかつたならば今日はこの程度で……。
  205. 河井彌八

    委員長河井彌八君)諸君にお諮りいたしますが、本日はこの程度にとどめまして散会しようかと存じまするが、如何でございましようか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  206. 河井彌八

    委員長河井彌八君) 御異議ないと認めます。さように取計らいます。それでは本日はこれを以て散会いたします。    午後四時三十四分散会