○
政府委員(野原正勝君)
農林省設置法等の一部を
改正する
法律案の提案の
理由を御
説明申上げます。
今回提案いたしました
農林省設置法等の一部を
改正する
法律案は、今次の行政機構改革の一環としての農林省の機構改革をその
内容といたしておるのでありまして、第
一條において農林省設置法の一部を、第二條において水産庁設置法の一部をそれぞれ
改正いたしております。
先づ第
一條の農林省設置法の一部
改正から御
説明をいたしますと、その要点は、(一)食糧庁及び林野庁を内局とし、それぞれ食糧局及び林野局とすること。(二)大臣官房、農政局及び農業改良局の事務の配分を調整して、農政局を農林経済局とすること。(三)内局に置かれた部及び新たに内局となる食糧庁及び林野庁の部を廃止すること。(四)農林経済局及び農地局に次長各一人、食糧局及び林野局に次長各二人を置くこと。国農林経済局に統計調査監を、畜産局に競馬監を置くこと。(六)米価審議会を経済安定本部から移管すること。(七)営林局の管轄区域の一部を変更すること。内林野局に林業講習所を新設することの八点であります。
第一の食糧庁及び林野庁を内局といたしますことは、今次の行政機構改革の主要な目的である外局の整理の方針に即応するものであります。
第二の大臣官房、農政局及び農業改良局の事務の配分の調整につきましては、これまでの大臣官房の事務が、旧総務局の事務の大部分を承継した
関係上、他省に比し複雑厖大であること、又農政局の事務のうち植物防疫及農産物の生産に関する事務は、農業改良及び普及の事務と一体として一局において所掌させることが適当であること等の諸事情がございますので、この際これら三局間に事務調整を行い、大臣官房の事務のうち金融、検査及び貿易等に関する事務並びに農業改良局の事務のうち統計調査、経済研究等に関する事務は従来の農政局に移し、その名称も性格を考慮して農林経済局とし、更に農業改良局には従来の農政局の事務のうち農産、特産及び植物防疫に関する事務を移し、農林行政の刷新を企図いたしたのであります。
第三の部制の廃止につきましては、これまた今回の行政機構改革の主要な目的の
一つでありまして、従来から臨時的なものとして存置されていた内局の部制をこの際全廃することとされましたのに伴い、農林省におきましても農政局の農業協同組合部、農地局の管理部、計画部及び建設部、農業改良局の統計調査部、研究部及び普及部、畜産局の競馬部、新たに内局となる食糧庁の総務部、業務第一部及び業務第二部、林野庁の林政部、指導部及び業務部を廃止することといたしました。
第四は、前述
通り部制の廃止に伴い、その所掌事務が相当複雑厖大な部局——即ち農林経済局、農地局、食糧局及び林野局についてはその質量に応じ、それぞれ一人又は二人の次長を置くことといたしたのであります。
第五の統計調査監と競馬監の新設は、これまた前述の部制廃止に伴うものでありまして、前者は統計調査事務の特殊の性格等を考慮してその事務を掌理する特別の職が必要と
考えられたため設置するものであり、後者は競馬に関する事務を掌理する特別の職が必要であるため設けられるものであります。
第六の米価審議会は、従来経済安定本部の附属機関であ
つたのでありますが、物価
関係の事務はすべて所管物資別に各省に分割されましたのに伴い、この審議会も農林省の附属機関といたす必要があるのであります。
第七の営林局の管轄区域の変更につきましては、従来の管轄区域が
昭和二十二年のいわゆる林政統一即ち御料林と国有林が合一したとき以来のものであり、その後における諸事情の変更等を考慮してこの際国有林野の適正な経営を図るためには、その一部の管轄区域を変更することが必要と
考えられるに至りましたので
改正をいたすことといたしたのであります。
第八の林業講習所の新設は、従来から継続して参りました林野庁及び営林局署の職員の講習施設を形式上講習所という施設に発展せしめるものでありまして、林業の技術及び経営に関する教習を常設的な講習所において行うことによ
つて事務能率の向上等を図ろうとするものであります。
次に第二條の水産庁設置法の一部
改正について御
説明いたしますと、その要点は水産駐在所を廃止することと漁業調整事務所を設置することの二点であります。
第一の水産駐在所の廃止でございますが、この水産駐在所は、元来設法置上臨時的なものであり、又その所掌事務も水産物の需給調整及び漁業の許可に関する事務であ
つて、水産庁の地方支分部局として今日の水産行政の事務の実態にそぐわない点がありましたので、後述の漁業調整事務所の新設とも睨み合せてこれを廃止することといたしたのであります。
第二の漁業調整事務所の新設は、水産駐在所の廃止とともに水産行政の出先機関整備のための支柱をなすものでありまして、水産行政の現段階からみまして、漁業法及び水産資源保護法の施行に関する事務のうち、特に必要な範囲内の国の事務は、直接国において出先機関を設けて行うことが必要と
考えられますので、今回漁業調整事務局とならんでその小規模の組織として漁業調整事務所を設置するわけであります。なお従来水産駐在所は、全国で七個所設置されてお
つたのでありますが、調整事務所は五個所でございますので簡素化の目的にも順応しておるわけであります。
以上申し述べましたところが本法案提出
理由の大要であります。何とぞ慎重御審議の上速やかに御可決あらんことをお願いいたします。