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1952-03-31 第13回国会 参議院 内閣委員会 第12号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十七年三月三十一日(月曜日)    午前十一時十一分開会   —————————————  出席者は左の通り。    委員長     河井 彌八君    理事            山田 佐一君            鈴木 直人君    委員            小串 清一君            横尾  龍君            楠見 義男君            竹下 豐次君            和田 博雄君            赤松 常子君            上條 愛一君   政府委員    特別調達庁長官 根道 広吉君    特別調達庁長官    官房長     辻村 義知君   事務局側    常任委員会專門    員       杉田正三郎君    常任委員会專門    員       藤田 友作君   —————————————   本日の会議に付した事件 ○特別調達庁設置法の一部を改正する  法律案内閣提出衆議院送付)   —————————————
  2. 河井彌八

    委員長河井彌八君) これより内閣委員会を開会いたします。  特別調達庁設置法の一部を改正する法律案、これを議題といたします。先ず政府より提案の理由説明を求めます。
  3. 根道広吉

    政府委員根道広吉君) 本改正法案提出理由を簡單に申上げます。  先ず特別調達庁の現在の機構を簡素化いたします。又一面経費節減の見地から今般附属機関調達役務審議会地方支分部局京都特別調達局を廃止すると共に、平和條約の効力発生に伴い、特別調達庁所掌事務に変更が生ずるので特別調達庁設置法を次のように改正する必要があると存じます。  第一に、従来特別調達庁設置法と言つておりました題名を調達庁設置法と改正し、特別調達庁調達庁特別調達庁長官調達庁長官と又特別調達局調達局特別調達局長調達局長とそれぞれ改めることといたしますと同時に他の法令についても同様な読み替えを規定して居ります。  第二に、特別調達庁の従来の任務でありました「連合国軍」のための調達平和條約発効後は、「駐留軍」のための調達を行うよう改正いたしますと共に新たに行政協定の第十條に規定しております駐留軍の行為のために生じた損害についての請求処理に関する業務所掌をいたすことといたします。  第三に、終戰処理費解除物件処理費は、昭和二十六年度限りなくなりますのでこれを経費と改正いたします。  第四に、当庁に置かれております調達役務審議会及び京都特別調達局機構簡素化の趣旨に副い廃止いたすことといたします。  第五に、従来地方支分部局管轄区域は、連合国占領軍管轄区域と対応して定めておりましたが、これを明確化いたします  これが主なる点でございます。どうぞよろしく御審議をお願い申上げます。
  4. 河井彌八

    委員長河井彌八君) それでは只今長官説明がありましたが、本案につきまして御質疑がありまするならばこの際お願いいたします。
  5. 横尾龍

    横尾龍君 駐留軍と書いてありますのは、これは米軍だけでございますか、或いはその他のものもありますか。
  6. 根道広吉

    政府委員根道広吉君) 只今のところ米軍のみを予想いたしております。
  7. 横尾龍

    横尾龍君 呉におります英濠軍の場合はどういうふうに解釈いたしてよろしいですか。
  8. 根道広吉

    政府委員根道広吉君) これは安全保障條約及び行政協定に基く関係でございまして、日本は現在のところ他国の軍隊がこれと同じように駐留軍となることを予想しておらないものと存じます。従いまして英濠軍等は全然別のものであります。ここには関係はないことと考えます。
  9. 横尾龍

    横尾龍君 現在は英濠軍のほうも連合軍としてすべて調達はやつておられるわけでございますが、今後その辺の御関係はどうなんですか。
  10. 根道広吉

    政府委員根道広吉君) 今後は全然関係がなくなるわけであります。併しながらこれは全然私ども承知しておりません。若しそういうことがありとすれば、これは全然新たなる国際條約に基く結果によつてのみ発生して来るだろうと存ずる次第であります。
  11. 横尾龍

    横尾龍君 そういたしますと、今後は英濠軍限つては何かの條約のきまるまでは直接の取引でいいのでございますか。
  12. 根道広吉

    政府委員根道広吉君) 英濠軍占領軍連合国軍たる資格がなくなつて、帰つて行くまではこれは事実上法律関係がありますが、その後におきましては日本駐留すべき特別な資格は何も持つておらないわけでございます。日本との條約関係法規関係においては無関係の存在である、こう相成るかと考えます。
  13. 横尾龍

    横尾龍君 朝鮮事変が終末するまでに英濠軍が呉に駐留するといたしましたならば、これは直接取引で差支えないのですね。
  14. 根道広吉

    政府委員根道広吉君) それは今後あるべき国際約束においてきまります内容に基くことと考えます。
  15. 上條愛一

    上條愛一君 そうすると英濠軍は何ですか、新らしいこの調達庁では取扱わないということですか。
  16. 根道広吉

    政府委員根道広吉君) 只今のところそう相成つております。
  17. 楠見義男

    ○楠見義男君 私は数点お伺いしたいのですが、最初に今横尾さんから御質問なつた点に関連して先ずお伺いいたしますが、駐留軍というのは米軍のみを予想しておるというふうな御答弁があつたわけでありますが、この改正法律案二條のごときを見ますと、第一号に「條約に基いて」云々とあり、それから三点の場合には、具体的に「日本国アメリカ合衆国との間の安全保障條約」、こういうふうに三号の場合ははつきりしておりますが、一号の場合にはそういうような定冠詞を附せざる、條約ということになつているので、これで見ると一号で日米安全保障條約に基く外国軍隊駐留のほかに、将来こういう同じような例えば国際連合軍というようなものの軍隊も予想しておるように見えるのでありますが、若しそういうものを予想しておらないということであれば、何故この一号にはつきりと日米安全保障條約ということを謳い出して書かなかつたかという点が第一点であります。先ずそれからお伺いいたします。
  18. 根道広吉

    政府委員根道広吉君) これは言葉使い方でこういうことになつた次第でございます。我々この案を作りますときには米軍だけを予想しておつたわけであります。又第二條の第三号に書いてありますのは、具体的に行政協定第十八條に基く請求という細い点に入りましたので、「アメリカ合衆国との間の安全保障條約第三條に基く行政協定云々、こういうふうにして細かい仕事の内訳を書いたような次第でございます。
  19. 楠見義男

    ○楠見義男君 そうしますとこの條約という場合に、将来例えば国際連合軍との間に條約が結ばれて、そうしてそれに基く軍隊駐留する場合には、その軍隊はこの三條の一号によつてカバーできる、こういうことになるんじやないのですか。
  20. 根道広吉

    政府委員根道広吉君) 新たに国際條約ができまして、それがここに言うところの、條約に基いて日本駐留する軍隊という実質を備えれば自然この中に包含され得るものと考えます。
  21. 和田博雄

    和田博雄君 ちよつと関連ですが、これはやはり今のアメリカ軍以外の軍隊、例えば濠州軍であるとかイギリス軍であるとか、そういつたような軍隊が、これはもう日本としてはやはり国際連合との間で何かの関係、條約を結んで駐留するということを予定してやはり書いているんじやないですか。そうでないと辻棲が却つて合わなくなるんじやないかと思うのですが、アメリカだけの何だつたらこの一項は要らないように思うのです。
  22. 根道広吉

    政府委員根道広吉君) これは日本軍隊駐留するということは当然條約に基かなければならんということで、單に駐留するということだけではいかんという意味で、これは條約に基き駐留すると、こう書いたわけですが、又この起草の当時の考え方から申しまして、安全保障條約と行政協定というものを頭において考えております。日本国としては、安全保障條約というものは外務大臣の担当で、国務相の答弁すべきことであります。私どもとしましてそれ以外のことは実は考えておらなかつたわけであります。ただ言葉の上で広く條約に基き日本国駐留する外国軍隊と言えば、そういうものができたときにはこれに入り得るとまあ考えられると、こう申上げたわけでございます。
  23. 和田博雄

    和田博雄君 だからですね、これは意見になるから差控えたいと思うのですけれども、朝鮮事変の成行き如何によててはやはりほかの軍隊も結局日本におることになるのですから、だからそのはかは予定せずに、今度の行政協定に基いてのいろいろな物資の調達ということだけのための仕事であれば、少くともこの一項は要らないようです。もつとはつきり限定して書いても差支えない。機構の上から言えば私はそうだと思うのですがね。そこらのところはやはり政府のほうとして、あなたのおつしやるように、行政協定に基く仕事だけをやる、アメリカが、今の進駐軍が結局駐留軍に変つてしまうと、それについての仕事だけをやるのだという意味でのこの機構だというのであれば、むしろ構成の上でその点をはつきりしておかないと、却つて混乱を招くのではないかと思うのですが、その点はどうなんですか。
  24. 横尾龍

    横尾龍君 私は実は英濠軍で困つておるからお聞きするのです。船でやつております。只今英濠軍から直接に仕事をもらつておるんです。併しそれに対して間接、直接と……幸いに間接ということにきまつたといたしますと、この調達庁に何ら関係がないようになつてしまうのではないかと思いますので、その点をお伺いしておるわけなのです。これには役務もあります、いろいろの問題もありますので、できますならばできるだけはつきりしておいてもらいたいということでお伺いしておるわけでございます。その点一つ御考慮をお願いしたいと思います。
  25. 根道広吉

    政府委員根道広吉君) 直接調達間接調達かという問題は非常にむずかしいのでございまして、いろいろな面を直接調達、まあ外国軍隊或いはそれの所属の者が日本の各種の業者、殊に中小工業者でございまするが、そういう者と直接契約を結びましてやりますと、うまく行つてるつもりが、最後になりましてうまく行かん場合が非常に多いのでございます。このうまく行かん点をどう処置するかということがまあ非常に大事なことでございまして、殊に米国軍隊日本を防衛するために日本に駐在しておる。そのために米国においても相当な多額の経費を使うという状況におきまして、それが又同時に日本経済界に相当役に立つというような状態において、その使い方の結果日本国民との間に細かいいざこざが起てて来る、それが累積して来るというようなことに相成りますと、折角の大目的が精神的に阻害される虞れが多分にあるのではないかということを恐れております。従いましてそういうことができるだけないようにいたしたいと思いまして、これは現在予備作業班等においても将来の調達の仕方についていろいろ閣議で個人的に話合いをいたしております。まだそれの個々の問題についてどうするか具体的にはきまておりませんが、国内における調達機関といたしまして自分たちがやりたいと、こういうふうな希望を持つておりますので、これに対して私はあえて日本政府とは申しません、特別調達庁が過去の経験を成るべく参考にいたしまして、又各方面のいろいろの関係者のかたがたからお困りの状況も伺いまして、何かそういうことをできるだけ防ぎたい、日米間の関係をよりよくしたい、日本における米軍の欲する調達をどちらがやるにいたしましても、これが円滑に行われますように、又これが日本経済界発展等によりよき効果を與えますようにまあ考えております。従いまして間接調達というものも或る程度せねばならんということを私といたしましては主張いたしておるわけであります。御了承願いたいと思います。
  26. 竹下豐次

    竹下豐次君 間接調達と直接調達の両方の意見がわかれておる。いずれも相当の主張があるはずですが、それの論点を一つ説明願いたいと思います。只今長官間接の点を御主張のようですが、それに対する反対の意見などいろいろ……、アメリカは直接調達主張しておられると思いますが、その根拠があると思いますので、現在までの経過がいろいろあるだろうと思いますので、少し御説明願いたいと思います。若し速記にとれて惡いような点がありますならば速記はとめても結構であります。
  27. 根道広吉

    政府委員根道広吉君) 直接調達間接調達かということは、ものによりまして非常に違うわけであります。それでそれぞれの意見はございます。直接調達というのは契約自由の原則によつてやるものじやないかと、たとえ外国業者がやりましても、それは当然自由にやらせるべきものである。併し又それが軍隊であつてもこれはやはりやり方がよければ契約自由の原則によつて自由にやつたほうがいいのじやないか、その間に立てて政府がわざわざ職員まで置いて経費を使ててそういうようなことをやるには及ばんじやないかという考え方が直接調達の一面の論だと私は考えております。それから又米軍側におきましては、直接調達のほうが間接調達よりも安く上るということを言うておるのであります。まあそういうような点が大体主なんでありますが、必ずしも私はそうじやないと考えております。
  28. 河井彌八

    委員長河井彌八君) ちよつと速記をとめて下さい。    午前十一時二十九分速記中止    ——————————    午前十一時五十六分速記開始
  29. 河井彌八

    委員長河井彌八君) 速記を始めて。
  30. 鈴木直人

    鈴木直人君 直接調達の……今調達する場合にどつちが便宜かというような観点から、法理的観点から考えて、今度駐留軍という軍は、これはアメリカ軍隊である。そうしてそれに必要な建物とか設備とかいうようなものはアメリカ方面からも半分金を出す。そうして日本の半分の分はアメリカのほうに何と言いますか納めると、こういうことになるのですが、その際にアメリカ予算で建てたその建物等アメリカ所有になるか、アメリカ予算アメリカ軍隊の使う建物作つたのではあるけれども、それは所有はどういうふうになるのですか。
  31. 根道広吉

    政府委員根道広吉君) これは行政協定に或る程度書いてあることかと思います。恐らく土地の上に定着してなされたる工作物等はそのまま置いて行くのじやないかと思つております。いよいよ最後のときにきまるのがこれは国際上普通のことでありまして、家を建てたからこれをどうするということは條約関係になりますので……。
  32. 鈴木直人

    鈴木直人君 次に向うから言えば、アメリカ予算会計法というものから見れば、予算アメリカ軍隊が使うために日本で使うという場合に、アメリカ会計法上から見てみずから注文する、みずから使う、こういうことが考えられるわけですね。それで立法的なことをアメリカでやつて、そうしてアメリカのためにアメリカの金を使うのであるけれども、日本における駐留軍に必要なものは、特別立法によつて日本から出すところの半分とそれを一緒にして何か特別な経理を作つて、そうして日本において日本調達庁調達をするということ、こういうようなことを考えてるというようなことが今まで行政協定審議途上において言われたのですが、そういう傾向はどうなんですか。
  33. 根道広吉

    政府委員根道広吉君) 今言われたようなことになれば非常に結構だと私は考えております。事実はそうでなくて、アメリカのものはアメリカが勝手に使うのであつて日本が出すものは又アメリカが使うのである、こういうことにこの話が行つてしまつたように私は聞いております。
  34. 鈴木直人

    鈴木直人君 そういうふうに仮に行つたとしまするというと、今度の第三條の第一号の分については、調達庁がやる分野というものは殆んどないということになるのじやないでしようか。役務のほうはどうか知りませんが、第二号と第三号はこれはあるように思う。第一号のほうの仕事、これは余りない、こういうことになつて調達庁の必要もなくなるというような理論的な根拠も出て来るようになるのですが、ここに調達庁を置くということは、それはいけない、日本側としてはここに調達庁を新しく組織替して、そうして間接調達というものを強く主張する建前をここに持つ根拠にもなると、こういうふうに思うのですが、現実の場合に第一の分野というものは比較的なくなつて来るのじやないでしようか。
  35. 根道広吉

    政府委員根道広吉君) これは双方の分担の金をどう使うかということによつて、その元締がどうなるかということによつてそれが食い違つて来るわけであります。何でもかんでも向うがやるのだ、而もその契約自分がやるのだということにしますと、第一号の業務というものは非常に少くなりまして、ゼロに近くなるときがやがて来るわけであります。勿論現在は続いてやつておりますが、そういうことになるのはお説の通りであります。併しもう一つ申上げます。アメリカが自由に使うと言いましても、アメリカ日本政府契約の相手としてやるということは、同じく設置法の中でも現在も可能になつて来ます。その一つの例として先刻申上げましたアメリカドルそのものにより調達される労務の調達は、現在の特調契約に基いて引受けております。これは年額四百五十億ほどになつております。
  36. 鈴木直人

    鈴木直人君 まあ要するに我々は間接調達ということを強くこう主張したいと、私はそう考えておりまするから、私の意見はそういう意見であることを一つこの際速記にとめて頂きたいと思います。(「宣伝用か」と呼ぶ者あり)
  37. 楠見義男

    ○楠見義男君 私は速記があつてもなくてもいいのですが、御答弁によつて速記をとめてもらつてもいいのですが、結局その直接調達で安く買えるということは、逆に言えば買い叩くということなんですね。買い叩くということは、日本業者に対して買い叩くということなんですね。而も日本業者から見れば、こういう金融の非常に不足な、困難なときだから、少々損をしてでも金に代えて行こうということは、これは国内でもそうだけれども、特に大量的なその需要に対する商売においてはそういうことはもうあり勝ちなことなんですね。それじや……併しそうであるけれども、アメリカ軍としては、それだけ安く買えて、進駐に要する経費が節約されるというなら別だが、必ずしもそうでもない場合もあろう。これは中間いろいろ商社というものが入つて、儲けているのはその商社が儲けているとも言われている。而もその商社と或いは進駐軍との間に、あるかないかは知らんけれども、巷間の噂としてはまあ特殊関係のようなものがあると、それが匿名入札のような恰好になつて現われていると、これが又国民感情として堪えがたいものがまあ出て来ておるわけなんです。従つて直接調達間接調達の問題は、單に契約自由の原則に基いて、一個のその物についての売買だというような契約自由ということのほかに、日本国アメリカ国、又アメリカ軍隊日本国民という、そこに非常に微妙な、又面も非常に大きな感情の問題もそこに出て来る慮れがあるわけです。従つてこれは私は意見になるかと思いますけれども、折角日本の国を守つてもらつて、いざというときには日本も協力しようという、その国民をむしろ離反をさせるような大きな原因にもならんとは限らないのです。そこに問題が私はあると思うのです。従つて直接調達間接調達の問題は、そういうふうな広い観点から、私は政府は愼重に考慮すべき問題であると、こう思うのですが、同時にそこでお伺いしたいことは、物によつては直接調達間接調達ということを伺つたりしておる。又一面場合によつては、日本国内における物の需給関係に大きな影響があるものについては、政府が介入してそこに間接調達のようなことをすると、まあ極めて抽象的なことだけを今までほかの機会に伺つておるのです。これは問題は、抽象的な言葉では解決せずに、具体的の個々入札であるとか或いは需要であるとか、そこに起つて来るものだから、この問題は抽象的には決定すべきものではなしに、具体的に若し物によつて直接調達間接調達というふうに、或いは役務についても同様ですが、区分する場合には、はつきりと初めから物によつてしたほうがいいのじやないかとこういうふうにも思うのですが、それは間接調達で行けば全部がそうであれば問題ありませんが、そうでないと、先ほど最初にこの三條について專門員のほうからも、結論によつてはここに書いてある「物及び役務調達」という字は要らなくなるのじやないかというような議論も出ましたくらいなんですが、この点をこの審査に当つても明かにして頂きたいと思うのですがね。  それからついでですから、これは細かいことなんですが、この改正案の中で、文字の問題なんですが、「庁費以外の経費」による調達というのがありますが、庁費以外の経費による調達というのはどういうことを指しておるのか。その点を文字の問題ですが御説明を煩わしたい。それからついでにもう一つ、三番目の問題としては、これはできれば四月一日からということでお急ぎになつておるようでありますが、どうしても四月一日でなければならないという理由がまだ明かにされておらないようなので、最後のお伺いとしてはその点を一つ説明して頂きたいと思います。
  38. 根道広吉

    政府委員根道広吉君) 只今言われました間接調達、直接調達の問題は、只今お説の通り考え方で私はいるわけであります。非常に大事な問題であります。なお現在の状態のままで推移して行きますというと、御質問のように、物に関する面の調達というものが殆んどなくなるのじやないかと言われますが、少くともそういう方向に今行きつつあるのでありますので、できるだけこれを食い止めて行きたいというふうに考えておるわけであります。幸いに特別調達庁法規設置法そのものにおいてこれが或る程度可能のようにも書いております。これをできるだけ活かす、又行政協定の解釈もできるだけ広く解釈して行けるような段取りになるのは結構だというふうに考えております。  それから又経費の点でございますが、庁費はお話の通りであります。庁費以外のやつは、防衛支出金等、まあ関係経費と一応考えておるわけでございます。それから又四月一日にどうして発効しなければならないかというのでありますが、この法令上、現在の設置法京都特別調達局というのが存在しております。これは四月一日から廃止したい考えでおります。でき得るならばそのほうが非常に結構なのであります。予算上も手当がついておりません局であります。職員身分等も全部本日を以て終止せしめる予定であります。又今度の行政整理に関連いたしましての退職者として現在京都は三百二名おります。そのうちで百名をもう本日を以て退職発令になる予定であります。あと残りの者は大阪へ設置換をし、京都には京都監督事務所として縮小いたすようにいたします。そういうふうに設置して行くというふうに準備中であるわけであります。
  39. 楠見義男

    ○楠見義男君 三点お伺いした第一点と第三点の問題ですが、第一の点は今特別調達庁のほうで間接調達方向において御努力中であるという御苦心のあるところもよく了承したわけでありますが、問題にいたしました点は、若し間接調達というものがなくなるという場合には三條は実は我々は空文審議したことになるわけなんです。という意味は、こういうこともできるというような書き方でなしに、物の調達に関する事務を行うことを主たる任務とすと、こういうふうにこの法律はなつておるので、我々は物の調達、即ち間接調達をするということを前提にしてこの法文を審議しておるわけなんです。それがやるんだかやらないんだかわからないということであれば、その主たる任務とするというこの條文は、実は空文を我々は審議することになるのだから、その点を明らかにしてもらいたい、こういう意味なんです。
  40. 根道広吉

    政府委員根道広吉君) 只今のお説、これは空文を御審議つておるわけじやありませんので、四月一日以降におきましても特別調達庁は当分の間この第一の業務は継続してやらなければならんのであります。
  41. 楠見義男

    ○楠見義男君 その点は当分やるというのは、現在の占領軍が継続しておるからそれでやるのでしようけれども、ここに言つているのは安保條約に基いて……、先ほど安保條約以外のものもあるのじやないかという質問もありましたけれども、一応政府側答弁をそのままとるとすれば、安保條約に基いて日本駐留する軍隊需要に関する問題なんです。だから当分やられるという意味は、占領が続くから今までのやつをそのままやると、こういう意味であつて、当分やるという意味は、安保條約に基いて進駐軍なつた場合になお物の調達はやる、こういう意味じやないでしよう。
  42. 根道広吉

    政府委員根道広吉君) それは講和條約が効力を発生いたしまして、安保條約に基く駐留軍なつた後においても当分の間という意味であります。これは現在の建前におきまして日本が支出しまする負担分をアメリカが今直ちにみずからこれを使つて直接調達をするという段取りにはなつておらんのであります。アメリカにおいても或る種の法的措置を必要とするものと考えております。従つてたとえ全面的に向うが直接調達をやるにしましても、それまで相当期間があるものと今考えておるわけであります。
  43. 楠見義男

    ○楠見義男君 その問題に関連して日本側としては直接調達は困るのだということを主張して、間接調達にしてもらうということをするには、予備作業班における交渉以外に他には交渉の途はないのですか。
  44. 根道広吉

    政府委員根道広吉君) まあこれは非常にむずかしいお話でございます。先ず当面のところ予備作業班におきましては、これが正式の合同委員会になりまする以前にいろいろ準備をしておりますが、その場合においていろいろ意見も戰わすつもりでおります。又合同委員会が正式に出発いたしましても、まだ或る種の暫定期間、或るちよつとした暫定期間はやはり現在の通り仕事を多少やるから、その間において又十分話合いを進めたいと私としては考えております。ただ日本側として今直接調達とか間接調達とかいうことで参つておりますのは、暫定期間を過ぎた後を実は主として論じておるのであります。暫定期間中は日本側でやらなければならんということについては、政府部内は実は一致しておるのであります。将来の問題について……。
  45. 楠見義男

    ○楠見義男君 将来の問題については、これは專門員に伺つたほうがいいのかも知れませんが、文理解釈上どうなりましようか。進駐軍需要する建造物及び設備の営繕並びに物及び役務調達を主たる任務とするためにこの特別調達庁を置くという法律を作ることは、結局進駐軍需要については我がほうが調達をするのだ、こういうことを日本法律はきめた、従つて即ち間接調達というものがなくなるというのは法律の建前上できないのだ、こういう解釈になりますか、どうでしよう。これは政府の御意向と、両方伺いたいのですが……。
  46. 杉田正三郎

    ○專門員(杉田正三郎君) 一応形としては特別調達庁が三條の一項に掲げる仕事、即ちこういう調達をやるのだ。併しながら内外の事情によつて、その中の或る仕事が将来なくなるにしても、一応はその違法とかそういう問題は起らないのじやないかと思いますが……。
  47. 楠見義男

    ○楠見義男君 それは進駐軍需要がなくなる場合は当然客体がなくなるが、ところが需要というものはやはりあつて、そしてそのものの調達に当るために特別調達庁を設けるのだ、こういうことになつた場合にやはりそうなんでしようか。
  48. 杉田正三郎

    ○專門員(杉田正三郎君) 例えば需品の調達という問題が、今直接或いは間接調達の問題の主たる問題でしようが、需品の中で或る特定の、例えば石炭だけは間接調達でやるという場合が仮にあるとすれば、それだけでもこの規定があることが必要だ、全部将来需品調達というものが皆無になるというような場合であれば、それは何でしようが、そういうような特別の重要な需品の調達ということが応予想される限りは、この書き方で一応間に合うのではないかと思います。私の私見ですが……。
  49. 楠見義男

    ○楠見義男君 問に合うという意味は、すべて直接調達にして、特別調達庁の関與を排除する、そういうふうになつてはならない、そういう意味ですか。
  50. 杉田正三郎

    ○專門員(杉田正三郎君) そういう特定の需品を調達する場合にはこの規定が必要だ。併しながらそれ以外の需品の調達は直接で行くのだというような場合を仮定しても、この規定ぐらいは必要ではないでしようか。
  51. 楠見義男

    ○楠見義男君 私の伺つておる趣旨は、おわかりのように間接調達というものを是非残しておきたい。これは全部という場合も、令お話のように一部の場合もありましようけれども、とにかく間接調達というものを残しておきたいという頭でおるわけで、それを基礎にして行く場合に、この條文で先ほど私が文理解釈で申上げたようなふうに当然特別調達庁はやらなければならないのだ。こういう文理解釈が法律として出て来れば、私の今申上げた点は解決するわけです。若しこの條文が單に従来の官制と同じように一種の権限規定で、義務規定ではないということであるとすれば、今申上げましたような希望はこの権限規定だけでは遂げられない。そうするとこういう規定を新たに設けるか、或いはこの文字を変えることによつてそれができるかどうか伺つておるわけです。
  52. 杉田正三郎

    ○專門員(杉田正三郎君) その点は一応わかりました。今おつしやつたような間接調達は、この規定に基いて間接調達の権限というか或いは任務があるのだというのではなくて、そういう間接調達をやるか或いは直接調達をやるかということは、他の規定、或いは日米間の協定というようなものに基いてできて、それを受けて特別調達庁がそういつた需品の調達をやるのだということになるので、この三條が唯一の根拠で、特別調達庁というか、日本政府が直接、間接調達をやるというのではないのではないかと思います。
  53. 楠見義男

    ○楠見義男君 そうすると、これは官制における権限規定のごときもので、強行規定でない。それからもう一点、先ほどお伺いした第三の点ですね、第二の点は、これは特別調達庁にお伺いするのですが、予算上の処理をしておらないというようなふうに伺つたのですが、そうするとこの規定で、この原案で行けば京都調達局は廃官になるわけですね。ところが若し本日これが決定されるということになれば、京都におる職員という者は、やめるかたはやはり依願免官という形をおとりになることになると思うのだけれども、その辺はどうなんでしようか。
  54. 辻村義知

    政府委員(辻村義知君) お話の通りでございまして、それは実際問題といたしまして、三月限り京都特別調達局を廃止する場合におきましても、実際上の措置としましては整理いたします者は依願免官の形にいたしたいわけであります。
  55. 楠見義男

    ○楠見義男君 それから今予算上措置をしておらないというふうに伺つたのですが、それは予算には京都特別調達局というものは廃止するということは二十七年度予算にはなつていないのですか。
  56. 辻村義知

    政府委員(辻村義知君) 予算では一応京都局を廃止する建前で内訳などはできております。
  57. 楠見義男

    ○楠見義男君 ああそうですか。そうなつておりますと、予算上は京都特別調達局は廃止する、こういうことになつておれば、当然この四月が遅れても、その京都調達局に勤務している人間は、予算がなくなつたのだから当然廃庁と同じようなことになるから、必ずしも四月一日にこれをしなければならん、こういうふうにはならないと思うのだけれども、どうでしよう。
  58. 辻村義知

    政府委員(辻村義知君) 一応三月一ぱいで京都局を廃止したいという希望でございますから、法律のほうもそういうふうに御審議を願えれば実は非常に便利だと申上げておる程度でございまして、法律的に或いは予算的に非常にこれが廃止が遅れることによつて困るというような事態にはならない……。
  59. 鈴木直人

    鈴木直人君 関連質問です。これはくどいようですが、先ほど皆さんから第三條の條約ということたついて質問があつて政府からは答弁があつたようですが、この條約というのは安全保障條約のみを意味するものでなくして将来起り得るであろうところの條約、将来起つた場合に、発生した場合にも、その條約に基いて外国軍隊日本国駐留するという事実ができた場合には、当然この第三條第一号の條約というものの中に包含されて行くという解釈を以て、そういう考え方の下に條約というものの意味をここに書いたのだろうと思いますが、若しそうでなければ、第三号などには安全保障條約と書いてありますが、この官制の中ですべて條約というものは安全保障條約であるというならば、安全保障條約ということを書かなくてもよいわけですが、これは将来起り得る條約も考えて包含してそうして書いたもので、そういう場合も駐留軍とここの官制においては言うというような解釈ではないですか。そうでないと今後又こういうことがあつた場合にもう一度又別な意味において改正するなり、それを解釈するなりしなければならないと思いますが、その点はどうなんですか。
  60. 根道広吉

    政府委員根道広吉君) それはお説の通り安保條約と書こうか條約と書こうかということをいろいろ案文を作るときに考えたわけであります。ただこれがいろいろな場合も想像せられるし、当面はこういう安保條関係だけを予想しておるのでありますけれども、身動きがつかんようなことではなくて、一応広く條約と言つておけば問題が少ないというような考え方で條約と單純に書いたわけであります。
  61. 上條愛一

    上條愛一君 第十二條の三、調達役務審議会を廃止するというのは、これは役務調達ということはもう必要がなくなつたという意味ですか。
  62. 根道広吉

    政府委員根道広吉君) 調達役務審議会の中における主なるものは芸能の審査をする審議会、芸能審議会、ホテル関係委員会でございます。芸能につきましては今後日本が向うに当分提供するということがなくなるという建前から、ホテルも同じような意味で自由な立場になるので、これは要らない、但し残すべきものは不動産審議会で、これは当然残さなければならない。そういう意味役務審議会のほうを節約してしまつたというわけであります。
  63. 上條愛一

    上條愛一君 そうすると、おつしやるような芸能関係とかホテルの役務というのは全然なくなるという予定ですか、少くなるという意味で廃止するというのですか、全然もう関係がなくなるという意味ですか。
  64. 根道広吉

    政府委員根道広吉君) 芸能のほうにつきましては勿論当分はございます。併し今まで作つた基準はそう動かすものでもございませんし、大体ものをいじりますときには、年に一回くらいそのときの情勢において値上げのときなどに起るわけでありまして、大体整理もついております。それで大体芸能につきましてはそういうふうな娯楽的なものは日本側が負担しないという建前で必要がないというふうに考えます。ホテルもやはり自由契約の建前になつて参りますれば、直接細かい料金等を制定せずともよい段階に入る、こういう予想でございます。
  65. 上條愛一

    上條愛一君 そうするとホテル関係などは直接調達のほうになるという御意向なんですか。
  66. 根道広吉

    政府委員根道広吉君) ホテルは相当数解除になりまして、特別なホテルが労務提供関係の労務者が入つて、向うが直接動かして行くというようなものがあるだろうと思います。又今後の推移によつて多少わからないのでありますが、やはり請負制度的なものはあります。
  67. 上條愛一

    上條愛一君 労務関係についてお尋ねしたいのですが、労務関係は勿論直接調達が多くなる場合もあると思いますが、その場合に労働條件は直接に進駐軍で決定するわけですか。
  68. 根道広吉

    政府委員根道広吉君) 只今米軍側においても労務関係仕事を直接にやるという意向を持つておりません、労務だけについては……。
  69. 上條愛一

    上條愛一君 労務だけは間接調達……。
  70. 根道広吉

    政府委員根道広吉君) 但し私的の性質を持つておるもの、例えば個人の家におけるメードとか、それに類する者、或いは米軍等においてやはり向うの人たちが私的に集つているクラブとか或いはPXのようなもの、そういうところで政府が直接に賄うものじやないところのもの、これは私的関係として向うが直接米軍として雇うものは、全部日本側間接的に頼みたい。自分のほうはどうせそんなことはできるものとは考えていない、こういうことです。又労務関係のほうにつきましては勿論十分に存重する、勿論当面としては日本政府間接雇用でありまするので、日本政府が労務者に対しては全責任を負つておるわけであります。    〔委員長退席、理事山田佐一君委員長席に着く〕
  71. 上條愛一

    上條愛一君 もう一つお尋ねしたいのですが、それからまあこれは直接調達間接調達かということによつて違うと思いますが、行政協定の取極から言えば直接調達をし得る建前になつておるのですね、そういう意味から言えばこれは今後は調達庁の従業員という者はだんだん不必要になると思うのですが、この点についての見通しはどうですか。
  72. 根道広吉

    政府委員根道広吉君) 当分の間、先刻申し上げました暫定期間中は特別調達庁職員は非常に忙がしく働かなければならん状態にあります。ところがその一定の暫定期間を過ぎた後どうなるかということが正直のところ只今わかつておりません。まあ大体の方向としては、軍が物及び役務等の調達については直接にやらんとしている部分もあります。或る方面においては日本政府機関に頼みたいと言つているところもあります。いろいろあるのでございます。軍内部においても必ずしも全面的に一致した意見だと私はまだ考えておりません。
  73. 上條愛一

    上條愛一君 そうするとこれは暫定期間を過ぎることになつて直接調達が多くなるということになれば、結局人員整理というようなことは当然起つて来なければならんと思うのですが、これらに対する対策は何か立てておられるのですか。
  74. 根道広吉

    政府委員根道広吉君) これらにつきましては、又その半面日本政府部内においていろいろ仕事をなさねばならん面もありますので、若しそういうことになりましたときは、早く他の部門への転換をしなければならんといつて、相当前からいろいろ考えてはおります。
  75. 上條愛一

    上條愛一君 京都特別調達庁の人員整理は何か特別なこの整理される者に対する待遇を考えておられるかどうか、全然ないのですか。
  76. 根道広吉

    政府委員根道広吉君) これは京都が廃止されますから京都を全然やめるという措置をとつておりません。前国会で御審議を願いまして或る程度の行政整理に相成りました。それは殆んど全国を平均して特調を減して行くという建前をとりました。従いまして京都局といたしましても三百二名のうち約官名を免官の扱いにいたしまして、それらの者がこのたびの行政整理の範囲に入れることにして、残余を然るべく配置換する、こういうやり方であります。
  77. 鈴木直人

    鈴木直人君 只今質問と同じようなことを質問しようと思つたのですが、要するにこの特別調達庁を将来どうするかということについては、私の聞いたところによるというと、今後政府の行政機関の或る程度の合理的な縮小が考えられておるようですが、その際にまあいろいろまともに考えると、こういう方向で行つているように聞いているのですが、本日ここで審議しているのはそういう根本的なものでなくして、予算に関連してこの四月一日から一応切換えてやつて行こう、こういうような事務的なものとしてこれは提案されたと思うのですけれども、従つて今後直接調達間接調達かというようなことが、政府のほうにおいてアメリカ側と折衝の結果見通しのできる段階になれば、又それに応じた根本的な施策が考えられるだろうというふうに私たちは考えております。そこでこれは差当りの事務的なものであるとしましても、京都がなくなるというようなことになりますから、これに基くこの法律の裏付となるこの定員法において、法律が改正されるために人間全部の異動が行われるという改正は、定員法としては全然出ていない、こういうことになりますか。
  78. 根道広吉

    政府委員根道広吉君) 実は先般の定員法改正のときには京都局の廃止をすでに予想していろいろ内訳を立てたような次第でございます。
  79. 鈴木直人

    鈴木直人君 そうすると今度は全然入つていないということになると、ここに調達局がございますね、それから本部の機構もございますが、その本部の機構と、今度新らしく調整された調達局の、改正前の人員数と改正後の人員数の表か何かございますか。
  80. 辻村義知

    政府委員(辻村義知君) 今持ち合わせておりませんが、後ほど差上げます。
  81. 鈴木直人

    鈴木直人君 そうするとこういうことをしたために百人程度の人が前の定員法によつてまあ整理されるという程度であつて、あとは配置転換というような形で行く、こういうことでございますか。
  82. 根道広吉

    政府委員根道広吉君) 当面はその通りであります。又実際問題といたしまして、京都局は急に廃止することはできませんので、事実上の事務処理に要する実際上の措置は、前の定員法改正以来徐々に進行しておつて、あとは実際上は廃止する措置及び任命換の措置だけで済むように手配はつけてございます。
  83. 楠見義男

    ○楠見義男君 なおこの法案については細目に亘る点で研究を要する点もあると思いますから、本日はこの程度にして頂きたいと思います。  それからついででありますが、この次のときに、これは言葉が違う、日本アメリカでは……、言葉の同じアメリカとイギリスとでは或いは例にならんかと思いますけれども、イギリスにおけるアメリカ駐留軍の物資役務調達方法等について若しおわかりになつておれば、これは直接調達間接調達の問題とも関連してお伺いしたいと思いますから、この次のときにそういう説明もして頂けると非常に仕合せだと思いますから、これをお願いいたします。
  84. 根道広吉

    政府委員根道広吉君) できるだけ調べたいと思いますが、アメリカ側、イギリス側がどうなつておるか、北大西洋條約にはあるんでしようけれども、実際上どういうふうになつておるか、細い点は……。
  85. 楠見義男

    ○楠見義男君 若しわかつてつたアメリカ、イギリスだけに限りませんが、ほかの国の場合……。
  86. 山田佐一

    ○理事(山田佐一君) 速記をとめて。    〔速記中止
  87. 山田佐一

    ○理事(山田佐一君) 速記を始めて下さい。この際二時まで休憩をいたします。    午後零時四十七分休憩   —————————————    午後四時五十分開会
  88. 河井彌八

    委員長河井彌八君) それではこれより引続いて内閣委員会を開会いたします。  議題は先に申しました通り特別調達庁設置法の一部を改正する法律案であります。御質疑がありますれば、この際更にお願いいたします。
  89. 楠見義男

    ○楠見義男君 ちよつとお伺いしたいのですが、先ほど第十條の改正規定において、「庁費以外の経費」による不動産の調達事務について、これはどういう場合を予想しておられるのかを伺いましたら、防衛分担金による調達というふうな御説明がありましたが、若し聞き間違いであれば御訂正頂きたいのですが、聞き間違いでなければ、防衛分担金による調達ということは、結局日本の防衛分担金がジヨイント・アカウントによつて毎四半期ごとに向う側へ繰入れることになるのですが、その間による調達というものは、アメリカ側の委任を受けて調達するというふうに、こういうふうにこの條文は理解しているのかどうか、この点お伺いします。
  90. 根道広吉

    政府委員根道広吉君) 不動産等の借用等に関する経費は、大体九十二億を予想されておるわけであります。この金は日本側でそのまま保留しておりまして、それを日本政府が賄うことになつております。
  91. 楠見義男

    ○楠見義男君 先ほどイギリスにおけるアメリカ駐留軍の現地調弁の方式等について、若しこの事例がおわかりであれば伺いたいということでお伺いしたのですが、今のところおわかりになつておらないようで、そこでその点は止むを得ませんが、「北大西洋條約締約国内ニオケル駐留軍ノ地位二関スル協定」第九條によりますと、それにおいては、現地調弁の場合には、大体日本の場合で言いますと、特別調達庁のようなものに当るかどうかわかりませんが、当該国における政府機関のようなものが調達すると、こういうふうにこの條文にはなつておるのですが、そういうことでしようか。
  92. 根道広吉

    政府委員根道広吉君) 各国別にその国の軍関係調達機関がこれを取扱うというように規定されておると覚えております。併しまだこれは現実には実施になつておらんと記憶しております。
  93. 河井彌八

    委員長河井彌八君) 御質疑は大体終了したものと認めてよろしうございますか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  94. 河井彌八

    委員長河井彌八君) 御異議ないと認めます。それでは討論に入ります。
  95. 楠見義男

    ○楠見義男君 只今議題になつております特別調達庁設置法の一部を改正する法律案は、昭和二十七年度予算の成立と、それから対日平和條約並びに日米安全保障條約、更にその保障條約に基く行政協定の成立に伴う法案でありますから、私はこの法案については賛成いたしたいと思うのでありますが、ただこの法案に賛成するに当つて強く要望いたしておきたいことが若干ございますので、その点を政府に要望しておきたいと思うのであります。  その点は先ほど来質疑応答を重ねた事項でもございますが、駐留軍の物資並びに役務調達方式についてであります。今回の改正法律案と、只今申上げた物資、役務調達方式とは、必らずしも直接不可分の重大な関係はないようでありますが、併し又見ようによりましては、改正條文の第三條のごときものは、将来調達方式がどういうふうになるであろうかということと相当の深い関連があるようにも思われるのであります。即ち若しいわゆる米軍の直接調達というものが全部を占めるということになれば、第三條の一号の規定のごときは全く空文に帰するようにも思われるのであります。政府側の御説明を伺いますと、当分の間はやはり特別調達庁において、新らしい法律で言えば調達庁においてその調達仕事に従事される。而もそれが第三條に規定されておりますように、調達庁の主たる任務一つになつておるのです。当分の間が過ぎた後にどうなるかということについては、現在のところ未定のようでありますが、従つてその未定の状況でありまするだけに私は強く政府に要望しておかなければならんと思つておるのであります。直接調達間接調達の是非、又利害得失については、先ほど調達庁長官から御説明を伺いましたので大体はわかりましたが、その際に私質問し、又多少意見に亘つて申述べたのでありますが、その申述べました通り、直接調達の問題は、物資の調達を、特に物資についてでありますが、物資の調達を合理的に又経費を安く上げるということに狙いがあるようでございまするが、その一面我が国の産業の実情、特に中小企業者の現状、金詰りによる換金投売りの要請の甚だしい現状において、特にその感を深くするのでありますが、ややもいたしますると、狙いの公正妥当なる売買というものが、実は我が国の特殊事情によつて非常に不公正な、又不健全なことになる虞れなきを保しがたいことを心配するのであります。いわんや言語風俗その他の異なる両国の間の問題でありますから、この関係が單に経済上の問題にとどまらず、国民的な感情の齟齬、従つてそれがひいて折角両国が共同して日本の治安防衛に当ろうという、その最も緊密でなければならん両国の間に好ましからざる感情がそこに湧き出て来、又そこに一つの隙が出て来ることもこれは想像にかたくないのであります。従つて事柄は個々の極めて重要ならざる物資の調達の場合でありましても、それから生ずるところの影響というものは決して軽視することのできない大きな影響を両国に及ぼすことを懸念するのであります。従つて私はできればこの調達の問題は直接調達ではなしに間接調達で行かれることを希望するのであります。そういう意味で、勿論ものによつて必ずしもそう潔癖に行かん問題があろうかと思いますが、できるだけ間接調達の方式で行かれるように、今後の両国の交渉に当つては特に政府の善処方を要望したいのであります。例えばこれはまだ効力は発生しておりませんが、この種の條約としては一番新らしい事例としての、いわゆる「北大西洋條約締結国内ニオケル駐留軍ノ地位ニ関スル協定」でありますが、この條約の九條におきましても、例えばその第二項に「駐留軍マタハソノ非戰團要員ノ維持ノタメニ必要トスル現地物資ハ、通例、受容国の軍隊ノタメニカカル物資の購入ニアタル当局ヲ通シテ購入スルモノトスル。斯ル購入ヲ行ウ結果トシテ受容国ノ経済ニ不利ノ影響ヲ及ボスコトヲ避ケルタメ、当該国ノ当局ハ、必要ノ場合、購入制限、マタハ購入禁止ヲ行フベキ物品ヲ指定スル。」、物品についてはこういうふうに我々の主張する間接調達の方式が明らかにされておりまするし、又役務の問題につきましては、同じく第九條の四項におきまして「駐留軍マタハソノ非職鬪要員ノ現地民間ニ労務ニ関スル要求ノ充足ハ、受容国ノ同種要求ト同様ノ方法ニヨリ、雇傭紹介所ヲ通ズル受容国当局ノ援助ニヨツテ行ウ。特定ノ賃銀、加給、及ビ労務者保護ノ條件ニ於ケル雇傭條件ハ、受容国法令ノ定ムル所ニヨル」云々、雇用の場合につきましても同様のことであります。私はこれが本筋であろうと思いまするし、これは單に問題は、先ほども申上げましたように純経済的の問題のみならず、それが政治的に非常に大きな影響を持つということを深く考慮しての措置であろうと思いますので、特にこの点は重ねて強く要望しておきたいと思うのであります。  同時にもう一つの問題は、調達に関する防衛分担金の使い方についてもそうでありますが、我々は当初ジヨイント・アカウントによつて、こちらもその使い方について相当関與し得る機会を得ること、又向う側もこちらの調達についても相当關與し得る機会を得ること、いずれもそういうような機会を得て、そうして公正妥当にこの両国の租税が有効適切に使われることを期待しておつたのでありますが、最近伺いますと、必ずしもそういうふうにはならず、我がほうは殆んどこれには関與する機会がないのではないかと疑われるような節もございますので、この点についても特に政府側としては今後の予備交渉その他の交渉の際に特に善処方をお願いいたしたいと思うのであります。  以上の点を強く今後の問題として政府の善処方を要望いたしまして、本案に賛成いたします。
  96. 上條愛一

    上條愛一君 私は簡單に本案に対する反対の理由を申上げます。  本案は先に我らの反対いたしました安保條約に基いて行政協定によりまして、駐留軍の物資調達は直接調達を行うことができるということによるのであります。先般の予備作業班の決定を見ましても、平和條約が発効後において暫定的に米軍の直接調達と、日本政府を通じての間接調達と二本建になつておりますが、アメリカとしては強く直接調達を要望しておる意向が明白になつておりますので、かくのごとき駐留軍の直接調達を行うことによりまして日本の経済が撹乱せらるる虞れが十分にあると思われまするので、この案に反対をいたします。  なお希望といたしましていずれ予備期間、暫定期間を終了いたしますると人員整理が強化されると思いまするが、これによりまする失業対策については万全を期して、遺憾のなき対策を講じてもらいたいということを要望いたします。  以上を以て私は本案に反対いたすものであります。
  97. 河井彌八

    委員長河井彌八君) もはや討論はこれで終局したものと認めて御異議がありませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  98. 河井彌八

    委員長河井彌八君) 御異議ないと認めます。それでは採決をいたします。問題は特別調達庁設置法の一部を改正する法律案、本案に賛成の諸君の挙手を願います。    〔賛成者挙手〕
  99. 河井彌八

    委員長河井彌八君) 多数であります。本案は可決すべきものと決定いたしました。  つきましては賛成の委員諸君の御署名を願います。   多数意見者署名     山田 佐一  小串 清一     横尾  龍  楠見 義男     竹下 豐次  鈴木 直人
  100. 河井彌八

    委員長河井彌八君) 又本日、日程に追加いたしまして委員長報告をいたしたいと思いまするが、委員長報告は委員長にお任せを願います。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  101. 河井彌八

    委員長河井彌八君) 御異議ないと認めます。さように取計らいます。それでは本日はこれで散会いたします。    午後五時十一分散会