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1952-05-15 第13回国会 参議院 電気通信委員会 第20号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十七年五月十五日(木曜日)    午前十一時八分開会   —————————————  出席者は左の通り。    委員長     鈴木 恭一君    理事            尾崎 行輝君            山田 節男君    委員            寺尾  豊君            新谷寅三郎君            水橋 藤作君   政府委員    電波監理委員会    委員長     網島  毅君   事務局側    常任委員会専門    員       後藤 隆吉君    常任委員会専門    員       柏原 榮一君   —————————————   本日の会議に付した事件 ○電波行政に関する調査の件  (テレビジヨンに関する件) ○連合委員会開会の件 ○議員派遣要求の件 ○公聴会開会に関する件   —————————————
  2. 鈴木恭一

    委員長鈴木恭一君) これより会議を開きます。  電波行政に関する調査を議題といたします。網島電波監理委員長から先般も申出がありましたが、議事の都合によりまして御説明願えなかつたのであります。今日おいでになつておりますので御発言をお願いしたいと思います。
  3. 網島毅

    政府委員網島毅君) かねてテレビジヨンの問題につきまして当委員会におきまして非常な関心を持つて頂きまして、いろいろ御指導御意見を拝聴さして頂いたのでありますが、従いまして私どもといたしましてその後の経過につきましてお耳に入れておいたほうが適当であろうと考えまして、お時間を拝借してテレビジヨンに関する経過報告を申上げたいと存じた次第でございます。  先ず第一に、標準方式の問題につきましてその後の経過を御報告申上げますと、先般の当委員会におきまして御質問がございまして、私どもからお答え申上げましたように、白黒式標準方式につきまして、過般異議申立日本放送協会及び無線通信機械工業会からございまして、かねて当委員会において御説明申上げましたように電波監理委員会といたしましては、その異議申立て理由あるものと認めまして、その異議申立てに基く聴聞をいたすことに決定したのであります。この聴聞に関しましては四月の十四日に準備会議を開きまして、以来四月十五日から本月二日までの間に八回の聴聞を行いまして、利害関係者及び電波管理委員会からそれぞれ意見を開陳し、並びに各般に亘りまして参考人おいでを願いまして、いろいろな角度からこの問題につきまして検討が加えられたのであります。私どもといたしましては恐らくこの標準方式の問題につきまして考えられ、又検討さるべき問題はすべてこの聴聞を通じて開陳されたものと考えております。なお当委員会におきましていろいろ御質問ありました点、或いは政府委員から答弁いたしました点につきましては、その議事録証拠資料として聴聞を主催する委員に差出しまして、意見書の作成のために使つて頂くという取扱いもいたしたのであります。この調査は非常に厖大なものでありまして、まだでき上つておりません。主任委員意見書もまだ提出されておらないのでありますが、恐らく近日中に提出されるのではないかと考えております。電波監理委員会といたしましては、今回の聴聞に際しまして作られました調書及び主任委員意見書に基いて十分慎重に審議をいたしまして、誤りのない決定をいたしたいと考えておるのであります。恐らく決定は今月の下旬になるのではないかというふうに考えておる次第でございます。  次に、放送局開設根本的基準の一部改正に伴う聴聞でございまするが、現在の開設根本的基準テレビジヨンを考慮しておらない、いわゆる普通のラジオ放送に対するものでございましたので、新たにそれにテレビジヨンに関する部分を附加えることといたしまして、第一回は五月八日、第二回は五月十三日の二日間に亘りまして、聴聞を終了いたしました。これの意見書は恐らく今月の二十日過ぎに出て参るかと存じます。又これらの規則に関連いたしまして電波法施行規則無線設備規則無線局運用規則等につきましても一部改正する必要が出て参りましたので、これらに関する聴聞を本日実施しております。これらの設備規則に関する聴聞は一両日を以て終了いたすことと存ずるのでありますが、恐らくそれの意見書の出て参りますのも今月の下旬ではないかと考えております。従いましてこれらの規則に対する電波監理委員会決定は恐らく今月の下旬、或いは来月の上旬頃に一応決定を見るのではないかと考えております。  なお、先般の標準方式聴聞に際しまして述べられました意見につきまして、ただこういう意見があつたということだけを簡単に御紹介申上げたいと思います。第一回の聴聞におきましては、六メガ、七メガの問題に関しましては、もつぱら受信機経済論から討議されたのであります。即ち六メガの場合にこれを白黒式から天然色に移行いたします場合には、技術が相当複雑になる。従つて真空管の数もそれに従つて多くなるので、受信機の値段が高くなる、これが国民に相当な負担になるという点が主として論議の対象になつたのでありまするが、今回の異議申立て聴聞におきましては、その問題と併せまして、画の品質に関する議論が相当活溌に交わされたのであります。即ち六メガの場合には画の質が十分ではない、殊に教育用テレビジヨンと申しまするか、大きな画面にして即ち映写、投影して見るようなテレビジヨンに対しましては、六メガでは不十分である、七メガのバンド、幅が必要であるということと、それからテレビジヨンは主として大衆を相手にするものであるので、大衆用受像機を考える場合には、画の質は六メガで十分であるという意見と、両方の意見が開陳されたのであります。それに関連いたしまして学問的にと申しますか、理論的には七メガのほうが画の解像力はよくなるが、実際的には画の解像力はただ単に周波数のバンド、幅の問題のみならず、いろいろなサーキツトの問題、或いは送信キヤメラの問題、或いは又受信機のブラウン管の質その他によつて影響されるのであつて、実際的にはその差は出て来ないという意見もございました。こういうような質の問題に対する討議がむしろ経済論よりは多く論議されたような状態でございます。  経済論に関しましては、七メガを主張する側といたしまして、画の質を考える場合には、七メガそのままを使つて天然色に変える、即ち現在アメリカで行われておりまするところの六メガそのままを天然色に変える技術をそのまま七メガに持つて来るということも考えられる、この場合にはいわゆる受信機経済論というものは成立たないのであります。それから画の質を多少落してもいいという場合には、白黒の場合は七メガでやつておるが、天然色にする場合には、これをモノクロムのところは、いわゆる白黒のところは六メガに落しまして、そうして一メガを余して、そうしてこれをカラーのほうに使つて受信機経済化を図るのだ、こういうことも考えられ、或いは又その中間方式も考えられるという意見が開陳されました。目下これらにつきまして意見書が、先ほど申上げましたように作成されつつあるのでありまして、私どもといたしましては、最も公平にこの問題についての結論を下したいと考えておる次第でございます。  以上簡単でございますが御説明申上げます。
  4. 鈴木恭一

    委員長鈴木恭一君) 別に御質疑ございませんか。
  5. 新谷寅三郎

    新谷寅三郎君 途中から来ましたので、初めのほうは伺えなかつたのですが、この間の聴聞会では、カラーテレビに関しては相当論議があつたのですか。
  6. 網島毅

    政府委員網島毅君)  カラーテレビジヨンに関しましては、画の質の問題より、今申上げましたこの経済化の問題につきまして若干討議が戦かわされましたし、それからもう一つカラーテレビジヨンはいつ頃から実施されるのだろうということにつきましても、いろいろ意見の交換が行われました。併しながら今度の異議申立聴聞会におきましては、主として、と言うと語弊がございまするが、時間の相当部分白黒の場合の画の質、即ち六メガにしたときの画の質と、七メガにしたときの画の質というものに大きく時間が割かれまして討議されたのが前回と異なつておる点でございます。
  7. 新谷寅三郎

    新谷寅三郎君 そこでこれは私必ずしも新聞等に書いてある記事をそのまま信用するわけでないのですけれどもカラーテレビについていろいろ論議があつた際に、電波監理委員会側から、如何にもカラーテレビなんというものは、如何にも今の日本としては夢みたいなもので、問題にするのがおかしいくらいだという意味見解を披瀝しておられるということなんです。まあいろいろの新聞雑誌等に書いてありますので、これはこの委員会で私が再三カラーテレビについても網島君にも、その他の委員にもお尋ねしたところが、カラーテレビは勿論考えなければならん。まあその時期の問題については別でありましようが、カラーテレビに移行することをやはり頭に置いて行かなければならんということをこの委員会では述べておられます。そうすると如何にも電波監理委員会聴聞会におけるそういう説明の仕方が委員会における御発言と全く違うような印象を与えたのでもりますけれども、そういう事実はあつたのですか、なかつたのですか、私はそういうふうに考えたくはないのだけれども新聞雑誌等聴聞会模様を報道しておる中に、そういうふうにとれるようなことが報道されておりますが、そういう点はどうだつたのでしようか、もう一遍。
  8. 網島毅

    政府委員網島毅君) 只今の点でございますが、八日間に亘る聴聞の中におきまして、一部この天然色テレビジヨンは五年くらい日本ではやらないのだという意見を表明したほうがいいじやないかという見解が述べられたことはございます。併しこれは飽くまでもそういう考え方もあるということでございまして、電波監理委員会といたしまして、天然色というものは遠い将来のことであつて、今考える必要はないのだというふうには毛頭考えておりませんので、私の記憶する限りにおきましては、そういう発言はなかつたように考えております。近く調書ができました暁におきまして、その調書皆さんに御覧に入れたいと存じておりますが、私どもも更にその点につきまして調書を詳しく調べたいと考えております。併し、只今申上げましたように、委員会としてはそういうふうには考えておらないというふうに御了承願いたいと思います。
  9. 新谷寅三郎

    新谷寅三郎君 そうしますと、委員会は考えておらないが、委員の一部にはそういうふうな考えを持つておる人があつたということですか。
  10. 網島毅

    政府委員網島毅君) そういう考え方もあり得るという見解を述べられたことはあるように記憶しております。併しその見解も、そうすることが一番いいのだという意味であるとは私ども考えておりません。
  11. 新谷寅三郎

    新谷寅三郎君 私は今デリケートな問題だと思うのです。言葉の使い方、言い廻しによつて、或いは委員会意見であるようにも考えられたかも知れん、或いはそうでなくて、そういう考え方一つ考え方だというように問題を提供したというような意味合いで述べられたのかも知れません。これは調書なんかを読んで考えなければならんと思うのでありますが、いずれにしても、そういつた問題で私とも聴聞会を外部から新聞雑誌等を通じて模様を聞いておつたわけですが、なお当委員会において再三論議をし、或る程度監理委員会と当委員会との方針についての意向が合致した、或いは接近したという点も多々あつただろうと思います。それらがどういうふうに取扱われるかということについては、やはり関心を持つております。そこで今月末に最後決定をするというお話があつたのですが、成るべく意見書のようなものが出ました場合に、早く本委員会に提出されて、あなたがた決定される前に、やはり当委員会としても一応問題の所在をはつきりして、それについて審議したほうがよかろうと思います。この点はこの前の聴聞会後にあなたがた決定されるときに委員会といろいろ話合うことが、如何にも電波監理委員会は誰にも束縛されないで決定する権限を持つておるのだから委員会相談相談というか、委員会審議することが、如何にも他に制約されるということは委員会本来の性質から見て好ましくないのだというような御発言があつたように記憶しておりますが、これは私再三申上げておるように、国会というものの性格というものをあなたがたのほうが誤解しておるからそういうことになると私は考えておるのであります。行政機関行政方針決定せられるに当つて国会が国全体の政治的立場政策的立場から審議をするのは当然我々の責任としてやらなければならんことだと考えておりますから、今申上げたように、最後決定をされる前に、本委員会で成るべく審議ができるように、時間的な余裕を置いて意見書の提出をして頂きたいということを私は希望しておきます。
  12. 山田節男

    山田節男君 これは今日はこの間の聴聞会経過報告だから、ここで質問しません。質問することがありますけれども質問しませんが、先に新谷君が注意を喚起したようなことは是非守つてもらいたい。それから現在政府案によると、電波監理委員会が今度組織替になるという案が今出ておるわけですね。今の政府の目論んでおるような電波行政組織などということになると、テレビジヨンというものの標準方式が大体現在できまつたとした場合、次の最も重要な問題は経営ですね、民営か、公共放送か、商業放送か、これはもう一官庁でやるような問題ではない。それから、例えば郵政省の一外局か何かになつて審議会が設けられたということになつても、あの行政組織電波監理委員会地位といいますか、それから言つて、これは扱うのには大きな問題になる。これは標準方式がきまつたからすぐテレビジヨンが実現するかということは、これは考えられることでないと思う。その間半年間か或いは一年間かかるのではないか。どうしても当面解決しなくちやならんものは放送形態をどうするかということです。これは今後今のままの電波監理委員会がもう一カ月の後にはこれは組織が変るかも知れませんけれども、とにかく現在の電波監理委員会としては、これは相当民間で問題になつているから、この経営形態をどうするということは、これは標準方式が仮に決定するとすれば、これに間を入れずそういうことを現在の相当地位の高い電波監理委員会で取上げて行くべきではないか。これは時目的国会が六日までしかないということになつております。そうなつてつてもそれまでに一つの何かこれは国会もこれに対して考えるが、電波監理委員会として一体これをどう取扱うか。取扱い方ですね、これをきめておかなければ非常に混乱を来すと思う。これは国会でも大きな問題である。電波監理委員会としても重要な問題である。この点は一つ十分今月末に標準方式標準がサイクルによつて決定するということになると思う。これも合わせて考えてもらわないと、国会とそれから行政官庁が又混乱されては困る。これは私の希望として、委員長委員会でも今まで研究しておられることだと思うのです。国会に法案を出せというのではなく、相当電波監理委員会として肚をきめておかなければいかんと思う。標準方式国会と対立したわけではなくして、国会としての意見と、電波監理委員会が多少食い違いがあるために、この再聴聞会をやらざるを得なくなるならば、経営形態でこういう問題が再び起きたとすれば、これは性質が違つて経済的な問題であるし、又社会文化的な非常な重要な問題であるから、もつと私は混乱すると思う。この点はあらかじめ委員長のほうとして十分検討しておいて頂きたいということを私は希望として申上げておきます。
  13. 新谷寅三郎

    新谷寅三郎君 網島さんにお願いしておきますが、この前聴聞会を開かれる前でしたが、いつの委員会つたか忘れましたが、最後電波行政についての調査をいたしました際に、この委員会で私は資料岡咲君に要求したことがあるのです。それはこのテレビジヨンを実現するまでには、電波監理委員会仕事もあるけれども関係各庁がやはりそれぞれの立場歩調を揃えて推進してくれないと、なかなか実現できるものではない。それで通産省でありますとか或いは文部省方面技術養成の点であるとか、或いは資金を担当する大蔵省であるとか、そういつた方面が、電波監理委員会歩調を合してどういうふうに仕事を推進しているかの状況を簡単に書いて出してくれということを言つたのです。岡咲君はそれは確定的にはまだなつておらないから、最後的な結論を出すことは非常にむずかしいけれども、載る程度のことは今の段階でこうなつているということはできると思いますという答弁があつたのですが、まだそれが出てないと思うのです。それで中間報告的なもので私は結構だと思います。それ以上のものは要求しませんが、最近、新聞雑誌によると、通産省なんかはテレビジヨン技術研究に対して相当予算も出し、研究費もかけて通産省独自に又いろいろの企画をもつているようであります。そういつたようなものを総合して私どもはやはりこのテレビの実現については促進策を講じて頂かなければならぬと考えるので、各省ここへ呼び出して一々その説明を聞くまでもなく一応中間報告としてあなたがたのほうで資料をまとめて至急御提出願いたいと思います。
  14. 網島毅

    政府委員網島毅君) わかりました。   —————————————
  15. 鈴木恭一

    委員長鈴木恭一君) それでは網島委員長の御報告をこの程度にいたしまして、次に先般の会議内閣委員会連合委員会を開くということの申入れ内閣委員会にいたしました。内閣委員会のほうでも電気通信委員会連合を開きたいという希望があります。そこで十九日の午後一時に、月曜でござ              一いますか、提案理由説明を聞くのだと聞いております。第一回の連合委員会を開きたいという申入れがございます。実は私のほうでも十九日には逐條説明を願つたらどうかと思つてつたのですが、若し早く連合委員会のほうが済みますれば、時間を少しずらしまして、ここでも委員会を開きたいと思います。  次に御承知のように今度の会社法なり或いは公社法なり出ておりますこの機会に、特に国際電信電話の問題に関しては、皆さん造詣が非常に深いかただと思つているのでありますが、多少国際関係の実際の事務を見学したいという御希望のかたもあるようでございます。非常に審査を急いでいる機会でありますが、この一、二日を利用いたしまして国際業務を視察するという機会を得ることもよろしいかと思うのですが、それにはやはり正式に議員派遣というふうなことで行つたほうが私はよろしいのじやないか、そう考えております。皆さんの御意見によつてそうした取計らいをいたしたいと思いますが、如何でございましようか。ちよつと速記をとめて下さい。    〔速記中止
  16. 鈴木恭一

    委員長鈴木恭一君) それでは速記を始めて下さい。審議も非常に差迫つておりますので、議員派遣については成るべく日を節約することにして、委員全体が見学するというふうな形をとらないで、希望のかたがありますれば、そのかたに審議に差支えない範囲で見学をお願いするということにきめてよろしうございますか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  17. 鈴木恭一

    委員長鈴木恭一君) じやさように取計らいまして、その日取りとか、派遣地区とか派遣議員については、委員長に御一任願います。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  18. 鈴木恭一

    委員長鈴木恭一君) さよう取計らいます。
  19. 新谷寅三郎

    新谷寅三郎君 あとで結構ですが、懇談的にこの間山田君もおられなかつたと私は思うのですが、途中から出られて……。今の受信機物品税の免税問題、この間大蔵省政府委員を呼んで御説明を聞いたのですが、大体大蔵省の意図しておるところはわかつたと思うのです。それでその問題の取扱方あと懇談的にでもいいから御相談願つて見たいと思います。これは今の民間放送が誕生してから最大の共通問題で、私は極めて重要だと思うのです。この民間放送の発達するかどうかということは、むしろこの問題にかかつておると思うのですが。そういうふうな大問題だから、一つ各派で御相談をして、この問題をできるだけ初めに我々が考えておつたような方向に持つて行くようにしたいと存じます。懇談機会を考えて頂きたいと思います。
  20. 鈴木恭一

    委員長鈴木恭一君) 新谷委員お話は、従来から当委員会でも問題になつてつたので、いろいろそれについては委員のかたからの発言もございまして、当委員会としては大体方針をきめておるような形にもなつておるわけです。従つて各会派として一つおきめ願つて、適当の機会懇談をしてこの進め方をきめたい。御尤もだと思います。
  21. 山田節男

    山田節男君 この間の話はこれは一課長だが、あの話の僕の印象では、大蔵省としては現在の一割ですか、一割の物品税は例えばイギリスは三三%、これはイギリスでもやつている。だからね、これは飽くまでも娯楽娯楽意味が非常にあるというので、而も国際的に見ても、日本だけじやないというような根拠で、どつちかというと、大蔵省物品税を廃止したくない、私はこういうふうにとつておる。そうすればこれはどうしてもそれで課けるというのだ、又政令によつたら、スーパーのようなものなんかに、高級なものに課けても、それ以外のものは課けないように操作ができるというように私は聞いておる。そうなると、政府の肚はちやんときまつておる。更にこの物品税の廃止は議員立法になる。ところがこれは我々が注意しなくちやならんことは、殊に税金だけの問題に関して議員立法するということはよく考えなければならん、各国の歴史を見ても。議員が勝手に予算関係のある立法をし出したら非常に悪用される。物品税を廃止することについて議員立法する、これは又違つた見地から国会という立場から考えなくちやいかん。僕はこの間、君も一生懸命にやつておられるし、理窟は立つと思うが「大蔵省が極めてリーズンなもので国際的に決して高くない、それから娯楽という見地は、多少論議はあるが、とにかく向うの肚を見ると、大蔵省にも理由がある。それを廃止させようということになれば、議員立法よりほかに手段がなくなる。それをもあえてして、この目的を達し得るかどうかということになつて来れば、これは単に受信機という問題でなく、もう一歩高い見地から、これを考えなければならん。だからそれは高級品は課ける、成るべく安く…。そこで今の大衆課税になるような間接税というような点は、その目的を達することができればいい、その目的をはつきり定めておかなければならんと思う。政府がそういう法律を出さないものを議員がそれをやらなくても、そこにこちらの目的が実現できる方法があれば、これは一番穏当じやないか。我我議員として最も警戒しなくちやならん点が避け得るのじやないか。だからその余地があるかないかという問題で、これが見当付いていると言えばそれまでだが、もつと政府が実際的にこちらの目的とする免税の方法ができるかどうか、方法が他にあれば、考える余地があれば、更にそれを考究する必要があるのじやないかその点をよく……。
  22. 新谷寅三郎

    新谷寅三郎君 今の山田委員の御意見御尤もな点もありますが、最近水飴なんかも、これは議員修正で通しておる、殊に地方税が非常に公平で妥当であるということは、これは政府みずからも言つていない。これは必ず近い次の国会には全面的改正をやるのだと言つておる。その中にはこれは沿革的に見るとラジオ受信機及びその部分品は、今までも免税さるべくして残されておるという経過があるのです。それで文化日本だと言つてつてラジオ受信機が如何にも娯楽機関娯楽機関の一部分だというような考え方を持つておるのは、まあ私個人だけかも知れませんが、私から言えば、これは実は滑稽なことだと思うのです。そこでこの間申上げたような意見も私は出しておるのですが、各派でそういう点を考え合せて、そうして態度をきめて成るべくこれは各派共同で出したほうが私はいいと思います。各派がまとまらなければ賛成者だけで私は議員提案物品税法改正案を持出すことを考えたらどうかと思います。これには物品に対する物品税をどうするかというような問題もあります。併しそれは我々としてはまだ十分な審議をしていないので、ここでこの委員会で我々がきめるというわけには行かないでしよう。他の物品税についてもそういつたものがあれば、それは同調されてもかまわないと思いますが、我々としてはラジオ受信機に関する物品税の免税の議員提案をしてもかまわないと思つておるのです。これはこの間説明された中でイギリスやアメリカの例をとられたけれども、我々は極く乏しい知識ではあるけれども、アメリカなんかでもこれは単にラジオ受信機だけでなしに、あらゆるものについて売買があつた場合にここで何がしかの物品税を取つておる。国が取つておるのもあるし、州政府が取つておるのもあつて、我々がノート一冊買つて物品税を取られる、そういつたものも対象にすることはできないので、全体の税制というものの立場から検討すべきである。日本の税制としては自転車とか電気アイロンとか、或いは冷蔵庫とか、ミシンとかというものはこれは生活必要品であるというような理由で免税されておる。それにもかかわらずラジオ受信機を一千万世帯が持つておるというのに免税されていない、これはどうしても私たち理窟の上から言つても腑に落ちない点がたくさんあると思うのです。私はそういう点から是非各派とも同調されて、この免税の法律案を共同して提案者になつてもらうことを私希望するわけです。
  23. 鈴木恭一

    委員長鈴木恭一君) この問題はこの前の懇談会の席で話合いもありましてそのままになつておるのです。一応政府意見を聞いてということでこの前政府意見を聞いたわけですから、いずれこれは懇談会に移して、各派と申しますか、当委員会と申しますか、話をしたいと思います。それでよろしうございますか。
  24. 新谷寅三郎

    新谷寅三郎君 よろしうございます。なるべく近い機会に。
  25. 鈴木恭一

    委員長鈴木恭一君) さようにいたします。
  26. 鈴木恭一

    委員長鈴木恭一君) それから今一つ公聴会の候補者の問題につきまして皆様がたに案をお配りいたしましたが、大体御意見を伺いました。そこで人数は五人と申しましたが、少し殖えるかとも思います。理事のかたとも相談したいと思うのですが、そこで依頼して若し都合の悪い人ができる場合にはこの類別に従つて別の人にお願いするというようなことも起るかと思いますので、その入選については一つお委せ願いたいと思います。
  27. 新谷寅三郎

    新谷寅三郎君 それはお委せいたしますが、私ちよつと専門員に意見を聞きたいのですが、鉄道でもそうでありますように、公社になつて来ると建設資金の問題は非常に重大だと思います。学識経験者の中にそういうかたが入つておればいいが、入つていなければ日本の財政資金及び民間資金、それをどういうふうに活用できるかというような点についてやはり見解を披瀝してもらう必要があると思うので、そういう候補者を是非中に入れておいて頂きたいと思うのであります。その点を希望として言つておきます。
  28. 鈴木恭一

    委員長鈴木恭一君) それは全体の経済界から眺めた、どちらかというと政策的な方面意見という意味で、学問的に経営学的にこれがどうだというふうなことではないと思いますが、そういうことだと思いますが……。
  29. 新谷寅三郎

    新谷寅三郎君 そうです。
  30. 鈴木恭一

    委員長鈴木恭一君) それではさようにいたします。
  31. 山田節男

    山田節男君 これは新谷君、国際電信電話、それから電信電話は国内のものもそうですが、アメリカも一つのああいう何というか、民営でやつておるのです。それの経験を一つ聞くかどうか、これは国会法の議院規則で外国人が公述人とか参考人になれないということはないらしい。私はマツキー・ラジオ副社長チヤツタートン氏は在京中であり、それからRCAのシユトラウス副社長は呼べばすぐアメリカから来るそうだし、これは我々国会でも電信電話は今度は経営が変るだろうというふうに新聞に出ておつたものだから向うも関心を持つている。これはどちらか来てくれれば公述人として公聴会に呼び得れば、これは一つの毛色の変つたものとして我々いろいろ質問してみるというようなこともこれは一つ参考になるのじやないか。そういうものを一人入れるということになれば、どちらかによく準備をさして、我々の質問に答え得るような準備をさせなければいかん、それを一人公述人として入れるかどうか、これは僕の考えですが、これは一つ皆さんの御意見によつてやる。よければアメリカでの経験を聞いてみるのも多少我々の参考になるのではないかと、こう思いますが……。
  32. 水橋藤作

    ○水橋藤作君 それは参考になる点もあるでしようが、併し公述人として向うでおしやべりなさる、こつちが質問するといつてもちよつと困るのじやないですか。
  33. 山田節男

    山田節男君 それは無論通訳を入れます。そうしますよ。
  34. 新谷寅三郎

    新谷寅三郎君 これは私は日本でも今まで国際電信電話に関しては一応の経験を持つておるわけです。ただまあ外国のそういう会社がどういう方針でどういうふうな規模でやつておるかということを聞くのは、或いは参考に若干なるかも知れませんが、そういう外国の公述人がいないと審議できないというほど強いものではないと思うのです。一応我々の経験でも今度の公述人の中にもそういう人が入つておるわけですから、これは時間の関係もあるし、強いてそれを呼ばなければならんというほど私は強く考えてない。若しそんな時間でもあれば公聴会でなしに参考に聞いてみようという程度にしたらどうかと思うのですが。
  35. 山田節男

    山田節男君 今まで何十年か官庁を相手にしていた国際電信電話は、今度は会社になるわけだ、そうすると向うさんとしては政府のほうがよいか、民営のほうがいいか、これは我々としては彼らの意見はわからないからそういうようなことを聞くと、これはこれで参考になると思うのです。向うは実際金をかけてやつておることだから、これは参考人でも公述人でもいいから、何もそれに重きを置かなくてもいいけれども、これは参考になるのだから、それは僕は時間さえあれば一応長い話ではないし、僕は参考になるのではないかと思うから……。
  36. 新谷寅三郎

    新谷寅三郎君 それは今言つたような意味で軽く考えたらいいじやないかと思います。山田君の言われるように、これはアメリカと違つて純粋な民営ではなかつたけれども、併し特殊会社であつたが、官庁から離れて、国際電信電話というものは日本でも経営しておつたし、それから他の地区でも同じような経営をしておつたので、一応はそういつたことの利害得失はわかつておるだろうと思うのですが、だから何かの機会に時間があればそういつた人に一時間でも来てもらつて、向うの民営としての特に経営上のことよりも、こういう公共企業体と民営との違うところですね、純粋の民営ですね、そういつたところを聞いて見る程度で、時間があればやつてもいいと思うのですがね。
  37. 鈴木恭一

    委員長鈴木恭一君) それではどうでございましようか。実はこの経験者という中に、やはり満州で電信電話の株式会社をやつてつた人も入つて、そういう点も考慮はしておるのです。そこで今新谷委員のおつしやるように、時間がありますれば参考人として聞く機会一つ考える、ここでは、公聴会としては一応はオミツトしておいてよろしうございますか。
  38. 山田節男

    山田節男君 時間があれば……、何人ですか。
  39. 鈴木恭一

    委員長鈴木恭一君) 七人で、一般の申込みがありますから十人になつてしまうのです。
  40. 山田節男

    山田節男君 参考人でもいいから一遍聞いて見ましよう。別の機会でもいいのですから……午前、午後でしよう。時間の制限をすれば、三十分なら三十分にしてもいいし、それは一つ又公聴会でなくてもいいわけです。公述でなくても差支えないのですから、それは一つ一般のと照し合せて聞いて頂きたいと思います。午前、午後やれば、時間の制限をすれば大体十人くらいはできまずから、それはそうして下さい。
  41. 鈴木恭一

    委員長鈴木恭一君) それでは一つ考えて見ましよう。本日はこれにて散会いたします。    午後零時一分散会