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山田節男君 これはもう向うの言い分としては
ITTは一九二〇年からインターナシヨナル・テレホン・アンド・テレグラフ・コーポレーシヨンという
名称を持
つておる。この今の
提案理由を見ても
国際電信電話株式会社というものも非常に発達を遂げて、これはまあ創立されたのを見ると
昭和十三年ですから一九三八年だと思うのですが、そうすると十八年向うが先輩に
なつている。これは言うまでもなく
国際電信電話の仕事、ビジネスというのはこれは
略号を使うのです。成るほど
日本語のほうでは
電信電話に
なつている。別にテレグラフ・アンド・テレホンに
なつている。併し
略号で言えて
ITTですね。
日本は今度独立国家に
なつてすべての点においてやはりそういうような、これはこつちできめたんだからこれはこつちでやるんだ、こういうことでやるのだからと言うことは、これは
国際電信界に初めてデビユーするについて、
名称は
日本で作
つたのだから変えられないということは、これは
事業の
国際性から見てどうも不穏当じやないかと思うのです、公平に見て……。だから混同が起きるということはこれはもう明らかに見えるわけなんであります。今いよいよ再編出発に当
つて何を好んでこういうことをやるか。向うから言えば、これは
佐藤大臣に対して、こういうような名前にしてもらつたらどうかというような参考の名前を、成るほどいい名前を向うもサゼストして来ております。こういうことは今度独立国に
なつて初めて久しぶりに
国際通信電話の業界にデピユーする場合に、そういう混同した名前を以て出るということが国策としていいかどうか。これはもつと高い見地からやはり
名称というものも考えなくちやいけないと思います。で、こういうようなことが積り積
つて、やはり
日本に対するいろいろな感情というものが悪くなるのじやないか。ですからこれはやはりもつと謙虚に、本当に
国際に協力する、混乱を起さないようにするということは、これはもう言うまでもない。電波にしましても周波数の区別があるのと同じように、
名称においても、やはりこれは
国際的に言えば成るべく混同を避ける。これは我々
日本にと
つても有利なんであります。今までの例を見ても向うが使
つてお
つて戰後においてもいろいろな混乱がすでに起きて来ている。こういうことをや
つて、又
業務上のいろいろの場合に混乱を起こすということは、これはもう過去の事実もあるということを例証している以上は、今の靱次官のおつしやつたような気持もわかるけれども、
国際的な
性質が濃厚であるだけに僕は再検討すべきじやないかと思う。やるならばもうこの
法案を審査する前に
名称を変えないと審査が進むに連れてますますこれはどうもこうもならなく
なつて来る。ですから今日
提案理由を
説明されたのですが、この問題を一応考えてもらわなければ困るのです。これはもう明らかに困ります。ですからこの点は今靱次官いいようなことをおつしやるけれども、僕は了承しかねる。もつと
国際的にやろうという、而もこの
趣旨によれば縦横無蓋に活躍しようというのに、そういう混乱を来たすような看板を掲げることそれ自体が非常に私はこの
趣旨と矛盾するのじやないか。ですからこれについては大臣がまだお見えに
なつておられないけれども、次官、政務次官、大臣はこれを十分一つ御検討されて早急にこれを決定してもらいたい。願わくばこれは
改正されたほうが
国際道徳から
言つても僕は望ましことであると思う。
日本に従来そういつたものがあつたからごつちが看板は先だというけれども、これは歴史的に言えば向うが一九二〇年ということを
言つている以上は、これは
国際的な道義上から
言つてもこれは再検討すべきじやないか、かように考るのでありますから、できればこの
名称を法の審査に先立
つて再検討してもらいたいという希望を申上げておきます。