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1952-03-18 第13回国会 参議院 電気通信委員会 第14号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十七年三月十八日(火曜日)    午後一時三十七分開会   —————————————  出席者は左の通り。    委員長     鈴木 恭一君    理事            山田 節男君    委員            大島 定吉君            新谷寅三郎君            稻垣平太郎君   政府委員    電波監理委員会    副 委 員 長 岡咲 恕一君    電波監理長官  長谷 愼一君    電波監理総局法    規経済部長   野村 義男君   事務局側    常任委員会專門    員       後藤 隆吉君    常任委員会專門    員       柏原 榮一君   参考人    日本放送協会理    事       岡部 重信君   —————————————   本日の会議に付した事件 ○放送法第三十七條第二項の規定に基  き、国会承認を求めるの件(内閣  提出、衆議院送付) ○電波行政に関する調査の件  (テレビジヨン標準方式決定の議事  録に関する件)   —————————————
  2. 鈴木恭一

    委員長鈴木恭一君) これより会議を開きます。放送法第三十七條第二項の規定に基き、国会承認を求めるの件につきまして引続き質疑を継続いたします。
  3. 新谷寅三郎

    新谷寅三郎君 この前に少し質疑を残しましたので、多少細かくなりますが、四、五点お聞きしたい点がありますから質問いたしますが、第一にはこの二十七年度収支予算書、これを拝見いたしますと、大別して資本収入資本支出事業収入事業支出というふうになつておるのでありますが、その金額資本収入資本支出と必ずしも合致しない、事業収入事業支出とが必ずしも合致しないというので、結局事業収入の中の大体二億ぐらいのものを資本支出のほうに当てておられるような結果になつておるかと思うのであります。この点はどういうところでこういうふうなことになつたのか、その事情とそれからその理由を御説明願いたいと思います。
  4. 岡部重信

    参考人岡部重信君) 事業収入事業支出の差は二億五千二百四十万円でございます、他方、資本収入資本支出の差は二億三百四十万円。それでこの事業収支の差の二億五千二百四十万円というものを以ちまして予備金の、ここに計上してございます五千万円、それから資本収支の差、先ほど申上げた二億二百四十万円に充当することにいたしております。それで、資本収支の差の二億二百四十万円の内訳はどうかということに相成りますと、この予算書にございます放送債券償還積立金として一億七千二百四十万円、それから長期借入金返還といたしまして三千万円、この三千万円と申しますのは、予算書に直接出ておりませんが、この資本支出の諸返還金の二億三千六百万円の内訳は、長期借入金が二億一千万円、それから放送債券償還が二千六百万円、それが内訳でございます。それで長期の二億一千万円のうち一億八千万円は借替というような措置をとつておるような次第でございます。
  5. 新谷寅三郎

    新谷寅三郎君 これは單に予算書の立て方の問題かも知れませんが、こういう資本支出に属する分はやはり一応資本収入のほうに、例えば事業収入がこれだけあつて事業収入のほうから一応資本収入のほうに組入れるようにしておいたほうがより明瞭じやないかと思うのですが、これはよく私は会計のことは知りませんが、何かその点で不明瞭な点があるような気がするのですが、私の思う点が間違いであるかどうか。
  6. 岡部重信

    参考人岡部重信君) 確かにお説の通りそういうような、おつしやつたような立て方も了解いたす次第でございますが、協会といたしましては昨年度もこのような方法でやつておりました。ただお説の不明確というようなことは、表面上はございますかも知れませんけれども、事業収入資本収入の差を只今申上げたようなことにいたしまして明らかにしておくという方針をとつておる次第なのでございます。
  7. 新谷寅三郎

    新谷寅三郎君 この点については私も非常に確信を持つて言うだけの知識も持つていないのでありますが、この事業収入事業支出資本収入資本支出、これの内容をなすものにつきましてもう少し考えられて、そしてその観念を整理し、そして費目の整理をする必要もあるかと思うのです。私は確信を持つて申上げるわけじやございませんが、でありますが、電波監理委員会においても後年度において成るべく資本的な収入なり、支出なりと、事業的な収入支出というものの間の区分を画然とせられたほうが、私は会計の点から言つても明瞭になると思うのです。これは今後の研究問題として問題を提供するにとどめておきます。  それから次は研究費関係でございます。今度はいろいろの研究を予定せられておるので、研究費については昨年よりも相当増額せられておるということは認めるのであります。最近の状況で行きますと、例えば今やかましく言われておるテレビジヨンの問題、こういつた問題については仮にどの事業体テレビジヨン実験をしようということにいたしましても電波監理委員会なり、或いはそれに代るべき日本放送協会が公的な立場から研究を進められて、そしてその結果を一般に利用させるというのが当然であると思うのであります。聞くところによると電波監理委員会で若干テレビジヨン関係研究費を計上しておる。又通産省においても工業技術庁で多少の経費をそのほうに充てるということを聞いております。それに比較いたしますと、この程度研究費では到底テレビジヨン試験実験を遂行するのに不十分ではないかというふうな気がするのであります。電波監理委員会等においてはとにかく早く実現するようにあらゆる努力をしておるということを言つておられるのですが、そういう方針から行つても、公共機関である日本放送協会がそういう政府方針を受けてもう少し研究費については十分の配慮をせらるべきではなかつたかという感じがするのであります。もとよりこの特許料等の問題があつて、技術的には具体的になかなかきまりにくい問題であるから、そういうことで研究費というものを具体的に十分に計上することができない、場合によつて予備費等を割いて研究費に充てるというふうなことも或いは考えられたかも知れません。これらの点は恐らく今の予定で参りますと、テレビジヨン関係だけ見ても相当な研究費を私は二十七年度に使わなければならんものだと思うのであります。これについて研究費が多少殖えたということは、悪いとは言いませんがもつと必要じやないかということを言つておるんです。この点について日本放送協会からも、でき得れば電波監理委員会からもこの点の御意見を伺いたいと思います。
  8. 岡部重信

    参考人岡部重信君) 技術関係経費につきましては、総経費といたしまして二十七年度は二億四千余万円でございます。これは事業支出総額に対しまして四%に相当するのであります。お話通りこれらの技術研究の結果は我が国の放送技術水準の向上と言いますか、延いては公共の福祉に寄与するという点から考えますれば、日本放送協会がこの程度経費支出するということは、考えようによつては至当かとも思われますし、又この程度経費では過少とも考えられます。現在の聴取料金一カ月五十円を基礎として二十七年度予算を編成いたした点から見ますれば、これ以上の経費予算に盛ることは極めて困難でございますために、この程度にした次第なのであります。併しながら予算の執行に当りまして彈力條項もございますので、事情によつて増額も又可能と存ずる次第でございます。なお御参考までに従来技術研究費用はどういうふうな状況になつておつたかということを申上げますと、二十五年度におきましては総経費建設費事業支出を入れたものでございますが、総経費の三・二%に該当する金額が盛られております。二十六年度にはこれを引上げまして三%といたしました。それから二十七年度におきましては四%といたした次第でございます。先ほど私ちよつと事業支出総額に対して四%と申上げましたのは言い間違いでございます。総経費の四%という金額になつておる次第でございます。
  9. 新谷寅三郎

    新谷寅三郎君 今の発言だと現在の聽取料程度ではこれ以上出せない。又総経費に対しては多少ずつでもこれを殖やしておるつもりだという御答弁であつたと思いますが、電波監理委員会にお聞きするのですが、この日本放送協会の担当する部分はこれは放送とかテレビジヨンとかいうものにいわゆる広義の放送というものに限られております。電波行政全体から見ますと、これはもう非常に研究すべきことがたくさんあると思うのであります。そういつたものについては通産省関係もありますが、これは相当あなたがた努力をされて試験研究費というものをこれから十分お取りにならないと、とてもあなたがた考えておられるような電波技術日本に入れるとか、それを又実用化するという段階にはなかなか行けないと思うのであります。そこでこれは大蔵省の問題……、従つて国力の問題にも関連するのですが、今度あなたがたのほうでは一体どの程度電波関係研究費要求されて、そしてどの程度それが予算に実現されるか。それから放送協会に関する、つまり広い意味放送に関する研究を担当させるとして、放送協会に、今のお話で多少聴取料を上げてでも今後日本全体の放送関係技術研究に役立たせるというようなお考えがあるかないか、そういうことは可能であると、お思いになるかどうか。その点も電波監理委員会のほうから伺いたい。
  10. 岡咲恕一

    政府委員岡咲恕一君) 放送協会の現在における最も大きな任務は標準放送全国にあまねく、而も文化水準の高い国民の期待にかなうような放送をいたすということが本来の建前でございますから、放送番組の改善、或いは施設の改良、増設のために先ず予算をお使いになるというのが本来の行き方であろうかと考えます。尤も新谷委員の御意見にもございましたように、放送技術研究、これはテレビジヨンも含めての技術研究でございまするが、それは恐らく日本放送協会が担当せられるのに最も適当な設備、或いは技術的な專門家を擁していられると思いますので、これらにも電波監理委員会といたしましては予算の許す限りの努力をして行きたいと、かように考える次第でございます。二十七年度予算を拜見いたしますると、技術研究のための支出額は一億四千四百余万円でございまして、テレビジヨンのためには総額八千六百五十万円を計上しておられるようでございます。テレビジヨン研究費は前年度昭和二十六年度の三千四百二十余万円に比較いたしますると相当額増額でございまして、予算の均衡上、先ず本年度八千六百五十万円を計上せられたのは適当な額ではなかろうかと考えております。将来技術研究のために必要があるならばこの受信料値上げしても技術研究の完全を期すべきではなかろうか、この点について電波監理委員会がどういう考え方をしているかというお尋ねにつきましては、受信料五十円は考え方によりましては安いという見方もありましようけれども、広い国民一般生活水準から申しまして毎月五十円は世帶によりましては必ずしも安い金額とは申されませんので、これを将来値上げするかどうか、これは本来のNHK使命達成上絶対に必要であるということになりますると、値上げをすることが適当になるかと思いまするが、技術研究のためにこれを値上げをするかということになりますると諸物価等関係もございますし、或いは日本放送協会の職員の待遇問題、そのほかいろいろな問題もございますので、諸問題を勘案いたしまして検討いたすべきものであろうかと考えております。
  11. 新谷寅三郎

    新谷寅三郎君 岡咲君にもう少し突込んでお尋ねするわけですが、私はそういう意味言つているのではないのです。この放送協会目的事業の項を見ますと、やはり放送のために必要な技術研究七條目的達成のために必要だというふうになつてつて技術研究ということが公的機関としては当然なすべきだということになつていると思うのです。それは或いはあなたの言われたようなふうなことにも触れて参りましよう、或いはあとでお尋ねしようと思つているのですが、大電力に行つたほうがいいか、そうでないほうがいいか、そういう問題にも触れましようし、どうやつて最も経費を少くして、そうして普及率を高めるかということもありましようが、技術研究の結果はやはり施設費を安くするとか、国民全体に電波が十分に聞けるようにするという仕組、装置ができるとかというように、これはやはり放送協会が狙つているところであり、使命であろうと私は思うのです。結局目的から外れないと思うわけです。そういう前提からいたしまして、仮にテレビ研究というようなことを具体的に取上げて見ても勿論聽取料でそれを賄えということは私はむしろ限度だろうと思いますが、国が一体どの程度まで負担できるかという問題と絡み合せますと、今のあなたがたのほうから十分御説明なかつたけれども、非常にたくさんのものを要求されたけれども、本当に僅かしか研究費が取れなかつた、而もそれは要求される以上は当然あなたがたもやはりそういう技術研究なり、テレビジヨン実験のためには必要だという前提でお出しになつているに違いない、そういうのにかかわらずそれが非常に削られた、技術研究をなくしてやつてもいいということになると、やはりやらないとあなたがたも不安だろうと思うのです。そこで私は第二次的な案かも知れないが、幸いにして日本放送協会が公的な立場から技術研究をなすべき使命一つつているのだから、そういう機関研究命令でも出されて、そうして放送協会研究をやらして、そうして結果は国民に公表して、そうして国民全体がそれを使えるようにしたらどうかというようなことを前にも申上げたのですが、そういう意味言つているので、方法がなければそういつたことも考えられるのじやないか。予算が取れなかつたから研究をやめたというような態度じや困るじやないかということをむしろ電波監理委員会には申したい。そういうふうな場合にも電波監理委員会はお考えにならないか、又考える必要はないかということを聞いているわけです。
  12. 岡咲恕一

    政府委員岡咲恕一君) 新谷委員の御意見全く御尤もでございまして、私も全然同感でございます。昭和二十七年度電波監理委員会予算におきましても、放送協会技術研究を命ずるための予算要求をいたしたのでございます。金額は今はつきり覚えておりませんが、たしか三千万円か四千万円を請求いたしたのでございますが、国家予算関係上これは大蔵省承認を得ることができませんで、全額削除なつたわけでございまして、これは私ども非常に遺憾としているところでございます。放送協会公的性格を持つておる機関でもございますので、国家のために必要であるという技術研究につきましてはむしろ国家予算を以てこれを研究調査をお願いするというのが私は本来の建前かと思います。従いまして放送に関する研究費というものは電波監理委員会におきましても成るべくこれを要求いたしまして、大蔵当局の了解を得て認めて頂きたいと現在でも考えておりますし、将来もこれを努力するつもりでおります。この点は新谷委員の御所見に全然同感でございまして深く敬意を表する次第でございます。
  13. 新谷寅三郎

    新谷寅三郎君 この問題はこの程度にしておきまして、将来果して国家予算で以て研究費がどのくらい出し得るかという問題とも絡み合せて御研究を願つておきたいと思います。私はこれはいい方法じやないけれども、あなたのほうやら或いは通産省側が如何に要求をしてもどうも政府研究費というものは余り出したがらない、これは十分に大蔵当局研究内容について知つておらないためから来る弊害かも知れません。併し或る一部局で例えばあなたのほうでテレビならテレビを非常に熱心にやられても研究費がない、研究ができない、そうすると私はむしろ権道かも知れんが、これは今他の方面でも言われておりますが、例えばガソリン税目的税にして道路の建設補修費に充てようというような動きもあります。私も他の部内で燈台燈台税を取つて建設費に充てたらどうかということも言つたことがあるのですが、同じように全然別個に公的な研究費としてそういつたものを聽取料というものを財源にするということがこれは一つ考えられる方法ではないかと思うので、この機会に聞いておるわけです。それは御研究になつておけば結構です。それからちよつと一つこの問題に触れましたが、電波監理委員会にお聞きしたほうがいいと思うのですが、日本放送協会は例えば大阪その他で相当大電力放送施設を整備されつつあるようですが、この点については前にもお伺いしたのですが、はつきりしたお答えを得られなかつたのでして、占領下において相当司令部からの指図もあり、十分に皆さんの御意向を伺うことができなかつたのでありますが、今後もこういうように大電力放送所を建設することを第一義として行かれるのか、或いは今後も例えば聞えない極く小部分地域に対しての中継所をたくさん作つて中継所を充実することによつて小電力でもいいから特に国民全体に聞えるようにしようという方針で行かれるのか、これは方針としてまとまつたものがあるのですかないのですか、この点をお伺いしたい。
  14. 岡咲恕一

    政府委員岡咲恕一君) 新谷委員お尋ねになりました問題非常に私は重大な問題と考えておるのでございまして、大阪中央放送局電力の増力が決定になりました事情は、私まだ当時電波行政関係しておりませんで、つまびらかにその事情を実は知らないのでございまするけれども、その後寄り寄りそういつた問題が委員会でも話題に上りましたし、将来NHK放送は大電力主義参つて、そうして小放送局を整理して行くという方法で行くのがよろしいか、或いは成るべく小局をそのままにしておいて、或いは将来小局を以て全国をカバーして行くほうが果して適当であるか、周波数の利用の面と関連いたしまして、或いは放送の成るべく能率的、或いは経済的な運用という面から愼重に検討考究すべきものと考えまして、目下検討を進めておるわけでございます。
  15. 新谷寅三郎

    新谷寅三郎君 今まだ検討中で将来に対する確たる方針はないというわけですね。
  16. 岡咲恕一

    政府委員岡咲恕一君) さようでございます。
  17. 新谷寅三郎

    新谷寅三郎君 それで私申上げておきますが、これは私は最も経済的に行くような方法をおとりになつて頂きたいと、私はそういう意見を持つておるのです。場所によりますと例えば一万世帶ならば一万世帶をカバーするために一つ中継所なり一つ送信所を作るということが果していいかどうか、これは私は疑問だと思うのです。併し徒らに大電力主義という主義に囚われてしまつて、東京も大阪も名古屋もいわゆる中央放送局というものは何十キロというような画一的な方針で行かれることはこれ又非常に経済的でないかと思うのです。併し一面から行くと国際的な電波のやはり競争と言いますか、戰いと言いますか、そういつたものがやはりこれは起つて来るわけですから、日本放送は極く近いところでも聞けない、外国の放送ばかりが入つて来るというようなことでもいけないと思います。これは一応政策的な問題も併せてきめなければならない問題だと思います。併し要はそういう点を噛み合せて最も経済的な建設計画をお立てになるのが一番いい、ただその画一的に大電力だとか、大電力はとらないのだとかいうような画一的な方針は一番これは避けなければならん方針だと私は思つております。これは意見として申上げておきます。  それからあと細かい点ですが、二つだけ申上げます。一つは先般他の委員からも質問がありましたが、この共同聽取料の問題でございます。共同聽取施設が相当盛んになつておりますが、これについてはいろいろ共同聽取の実態を調べて見ますると、また電燈のない地域なんかが一番多い、又そういうところでは相当の設備をするための費用を聽取者が負担をして、そうしてやつとまあラジオが聞けるようになつたという場所が多いのですが、併しこれは法律解釈上、たとえ拡声機だけでもそれは一つの別個の受信機だというふうにとれますし、或いはこれは法律的に見るとそうでないという反対の解釈もとれるわけでありますから、法律改正機会にこの点は明確にすべきだと思いますが、一応今の段階ではこれに対しては何らか私は中間的な措置をとつておく必要があるのじやないかと考えるのであります。というのは結局共同聽取をしておる人たちに対してはやはり若干この聴取料の値段を下げるというようなことを考えたほうが実際的じやないかと思うのです。これが今の法律上できるかどうかということは多少問題がありましようけれども、聽取料をきめているのはこれは予算書によつてきめておるわけですね、この予算書の総則から来ているわけだと思います。このきめ方如何によりましてこの聽取料というものが別にその五十円でなければいけないのだ、五十円でないものは聽取料考えないのだというようなことでなく、場合によつて聽取料を全然免除しておられるものもあるわけですから、五十円以内のものならばこれは私はやはり聽取料考えてもいいのじやないかと思うのですが、こういう点について日本放送協会はどうお考えですか、それから法律的に見て電波監理委員会はそれが不当である、或いは違法であるとお考えになるかどうかお伺いいたします。
  18. 岡咲恕一

    政府委員岡咲恕一君) 現行法におきましては放送法施行規則第五條によりまして、只今新谷委員の御指摘になりました受信機に連接して受話機或いは拡声機を設けて放送受信をするという場合に、その連接されました受話機又は拡声機というものを独立の受信設備と認めまして、受信契約によりまして、それぞれ單一受信料を払うということを認めておるわけでございまするが、受信料單一ということは、これは放送協会のほうにお確かめ願いたいと思う点でございまするけれども、協会といたしましても相当重点を置いていられることではなかろうかと考えるのでございます。法律的にはその共同聽取における受信に対しては、一般受信料よりも減額された金額を認めるということは、私は妨げないものと、かように考えておりまするが、これは受信料一般に対する政策の問題もございまするし、協会のほうでは受信料單一性というものを相当重く考えられておりまするし、それには或る程度合理的な理由もあろうかと考えまして、現状のようにいたしておるわけでございます。併しこれは私個人といたしましては、相当検討すべき問題ではなかろうかと考えておるということだけを申上げておきたいと思います。
  19. 岡部重信

    参考人岡部重信君) 共同聽取につきましては、先ほどお話通り、先だつて委員会大島委員かと思いましたが、お尋ねがございまして、その節單一料金の点、それから技術相談と言いますか、そういう面について協力しており、又直接に協会の手を以てする集金区域につきましては、いろいろの御希望もありましたので、早速全部切替えて共同聽取施設者と言いますか、あのほうでそれを取扱うことによつて、幾分でも何と言いますか、共同聽取の楽になるようにということを図つたわけでございます。なお郵政委託部分が相当ありますが、この郵政委託につきましては、只今郵政委託からその部分だけ外して、共同聽取施設者に委託してもらいたいということを再再要望し、又折衝いたし、その実現方を図つておるわけでございますが、御承知の通り、この共同聽取施設のところをとりますと、その残りの郵政委託というものの範囲の極めて不便なところだけが残つて行くというような事情もございまして、なかなか困難な問題もありますが、今申上げましたような線で進んで行きたい。併しこれについては相当考えなければならん問題も多いと思いますので、よく各方面意見を承わつて、できるだけいい方法によつて善処したいと、こんなふうに考えておる次第でございます。
  20. 新谷寅三郎

    新谷寅三郎君 共同聽取の問題につきましては、できるだけ早い機会に多数の人が要望しておる点をどう解決するか、その対策を研究されて御決定になる趣きですが、相当これは各方面の声が上つておりますから、十分その点を考えられた上で、電波監理委員会とよく協議をされて御決定になつて頂きたいと思います。  最後にもう一点伺いたいと思いますのは、これは一般的な問題でありますが、私は番組の編成の問題について一言伺いたい。従来はそういうふうな、具体的に指令が出ておるか別といたしまして、総司令部のほうからいろいろこういう番組を、こういう時間にやれというような指示があつて、それによつて公共放送の番組がきめられておる場合が多かつたのではないかと思うのです。これは事実問題としてそうだつたと思いますが、併し今後この番組の編成というものはNHK自体にこれは全部任かされる、番組については日本の他の官庁、その他が干渉ができないという建前になつておりますが、一応建前としては私結構だと思いますのですが、そこで私は公共放送としての日本放送協会の番組というものが非常にこれから大事なものになつて来るし、その点についてのNHKの当事者の責任も重大になると思うのです。ところがこれは業務報告でありましたか、どこか書類で拜見したところによりますと、番組編成については、何か番組編成の委員会のようなものができておつて、そこに諮問をしてきめておられるような記事がどこかにあつたのですが、従来であれば、つまり与えられた一つの枠の中でどういうふうにそれを運用して行くかとか、どういうふうに組合せるかということであれば、非常に專門的な方が集まられて、そうして番組を編成されるということができたかも知れませんが、これからはむしろそうではなく、仮に近いうちに講和條約が発効したとしますと、その時からはもうそういう日本放送協会の番組に対するいわゆる指示とか示唆とかいうものはなくなつて来るでしようから、これは日本放送協会が全責任を持つてみずから番組を編成するということにならざるを得ないですね、その場合、経営委員会が番組編成というものに対して、全然タツチされないということが、果してこれはいいかどうか、経営委員会法律建前からいいますと、勿論重要な業務についてはすべて経営委員会決定することになつておるわけですね。そこでこの番組編成からは、経営委員会が全然離れてしまつておるということは、これは公共放送の番組であるだけに、非常に私は重要な問題であると思うのです。今後番組編成の大綱と言いますか、方針と言いますか、そういつたものは、やはり当然経営委員会が責任を負つて経営をしなければならん問題であるというふうにも考えられるんですが、この点は放送協会のほうはどうお考えになつておりますか。
  21. 岡部重信

    参考人岡部重信君) 番組の編成につきましての今後の行き方とその責任ということについては、私も深くその点について留意いたさなければならん大きな問題だと思つています。それと先ほど放送審議会というようなことに  ついてのお話がございましたが、この二十七年度予算にも番組企画及び審議諸機関を充実するというふうなことがございますが、放送審議会のほうは、実は放送法にありますように「公衆の要望を満たすとともに文化水準の向上に寄与する」という使命がございますが、それにつきまして先般も申上げた審議会というようなものにおきまして、文化の水準の向上に寄与するというような点の大きな見方のいろいろな御意見を伺つておるわけでございます。「公衆の要望」ということにつきましては、世論調査によりましてこの大衆の要望を知るというような考え方でございます。尤もこういう番組関係委員会は、全部諮問機関でございまして、細目につきましては、例えば読書委員会、又映画の委員会というような、或いは宗教関係委員会、こういうものによつてそれぞれその番組の審議をお願いしておる次第でございます。なおこの経営委員会の職責につきましてお尋ねがございましたが、従来経営委員会において、番組につきましては放送法に、御承知の通り放送番組の編集に関する基本計画というのがございますが、この條項に基きまして、従来審議になりましたのは、編集権の自主制に伴いまして、おのずから協会として守らなければならない放送準則の制定というものそれと、昨年度も今年度もさようでございますが、番組の編集の方針、第一、第二放送の性格というようなものにつきましては、経営委員会で十分審議して頂きまして、これを決定しておるような次第でございます。なお先ほど、技術研究のための経費総額を、私間違いまして二億四千万円と申上げましたが、これは二億六千万円の誤りでございますので、訂正さして頂きたいと思います。
  22. 新谷寅三郎

    新谷寅三郎君 今のお話によりますと、経営委員会が、番組編成の大綱をきめておるのだということでございますが、勿論今御説明のように、よりよき番組になつて放送内容を実現するために、それぞれの專門的な委員会をお作りになつて、そうして検討されるのは、これは極めて結構なことで、必要だろうと思うのです。それは結構なんですが、併し、公共機関としては、どういうふうな番組を編成するかという、これはもう日本放送協会の、事業の内容の根本をきめるものだと、私は思うのですが、そういうことについて、経営委員会が最後的な決定をしておるかどうかということを、私聞いておるのですが、今御説明によると、これは経営委員会が、やはりきめておるのだということになれば、私の誤解であつたかも知れません、その点もう一度明瞭にお答え願いたいと思います。
  23. 岡部重信

    参考人岡部重信君) 多少私が申上げたのが、不明確かも知れませんが、基本的な番組の編集方針というような問題、第一放送、第二放送はどうあるべきかというような問題につきましては、全部経営委員会に付議されて決定されておる次第でございます。
  24. 山田節男

    ○山田節男君 私からも、極く断片的なお尋ねをいたします。第一には、この建設関係ですか、公共放送として、このNHK全国放送網を一日も早く完成されることは、公共放送としての任務、それから一般聽取者の便宜のために、これは当然やることなんです。ところがもうすでに、NHKが開設以来三十年の歴史を経ておるにかかわらず、依然として毎年この放送施設の建設或いは放送施設の改善関係という予算を計上しておられるわけですが、依然として全国に、このブランケツト・エリアと言いますか、地理上の関係等で聽取できない、又非常に何と言いますか、雑音が入つて聞えない、こういう地帶がまだ相当あるわけであります。これは実に公共企業体としてのNHKは、もうすでに三十年も携わつておる今日、依然としてブランケツト・エリアがなお残存しておるということは、これはNHKとして重大な責任じやないかと思うのです。ところでまあ二十七年度予算においても、放送施設の建設関係六千三百万円余り計上しておられる、又放送施設の改善関係、これも一億七千万円ばかりありますが、こればつかしの金で、二十七年度において、今私が申上げたように、ブランケツト・エリアを完全に消滅するようなことになるのかどうか、これは予算の編成上、殊に公共企業体としてのNHKは、全国放送網を先ず第一にこれは完全にしなくちやいけない、都市偏重式な立派なスタジオを作るということは、これはもう、むしろ全国放送網を完全にして、然る後にこういうのに手を着けるべきでないか。明年度予算を計上しておられますが、これだけの金で、二十八年度においても、更にそういうような必要が相当あることを見込んでおられるのかどうか、見込みでいいですから、一つお示しを願いたい。
  25. 岡部重信

    参考人岡部重信君) 実は二十六年度予算を編成いたしますときに、将来三カ年の大よその見通しを立てたのでございまして、それによつて大体一カ年に中継放送に五局、それから第二放送のない既設局に対しまして十局程度、それから放送電力の増力という仕事というものを睨み合せまして、逐年聽取状態を改善いたしたい、かように考えて計画を立てた次第でございます。ただこの問題につきましては非常に、誰が建設いたしましても、それによつてカバーする世帶数というものは非常に少くなつて参ります。その点につきましては昨年の当委員会でございましたか、低廉にして優秀な受信機というものを普及するということがあまねく受信できるという問題に絡み合せまして、重大なことでないかというようなお話もございました。我々といたしましてもその点確かにさように考えまして、それらによつても拡大して行きたいということを考えておる次第でございます。先だつてちよつと触れたかと思いますが、二十七年度のこの建設の計画によりまして、聽取状態の改善は大体第一放送におきまして只今聞きにくいところが〇・五ミリ・ボルトという電力になります。総体が十四万五千ほど第一放送で殖えますし、第二放送では四十九万殖えるというような計数になつておる次第でございます。それで明年度も先ほど申上げたように、この程度つて行きたい、その上でこれらの支局関係というものを更に再検討を要するということも無論あり得る、このように考えている次第でございます。
  26. 山田節男

    ○山田節男君 これは私昨年度予算においても今年度と同じようにローカル放送局を拡充強化するということになつておる。同じようになつておるわけですが、例えば一つの県に放送局が二つある場合、例えば長野県、福島県、青森県その他一県に放送局が二つあるような、複数になつておるところがある。実際を見るとむしろ強化でなくて片一方は人員を減らし、又ローカルの放送も貧弱になつて来るというような、予算に盛られた政策に反したような結果になつておる。従つてこの中継放送にしても先ほどおつしやつたように経済的でない、聽取者が非常に少い、だからやつても経済的に収支償わん。こういつたようなことを言われたように思うのですが、これは公共放送であるが故に多少ペイしなくてもやるというのが公共放送のこれは建前なんです。そういうような方針をとつておられると、こういう狭い国で、山が多いという非常に不利な條件がありますけれども、狭いこの島の中で完全に放送がカバーできないというようなことは、先ほど申上げたように三十年の歴史を持つて、今日まだそういうことがあるとは何としてもこれは一つの怠慢のように考えられてもしようがない。それから公共企業体としては損益を無視してもカバレージを拡くするということは、これも一つの経営の根本方針じやないかと思う。私が質問したのはこれは今後何年間でそういうものが完全になくなるのか、こうして今年も建設関係、或いは放送施設の改善費として二億に余る金を計上しておられるわけです、大体どのくらいで全部、全国をブランケツト・エリアのないようにカバーできるのか、それをお聞きしておるのです。
  27. 岡部重信

    参考人岡部重信君) 先ほど私申上げたのは言葉が足りなかつたかも知れませんが、この放送局の建設ということにつきましては、私どもとしましても十分公共放送使命に鑑みまして必要であるということについては疑問を持つておるわけでございませんで、毎年これを第一番に考えておる次第なんでございます。ただ次第にこの〇・一ミリ・ボルトというような地域が狭くなつて参りますと、従来のような考え方だけでは救済しにくいのでございまして、その点で優良受信機の普及という点が非常に大事な要素になつて来ると、かように申上げた次第でございまして、或いは将来極く微電力というような放送施設も先ほど申上げたように三カ年計画後においては起るかとも存じております。又止むを得ざる措置といたしましては、大電力放送というものによつてせめて夜間だけでもその地点をカバーするというような措置ということも、現在もさように行われて極く山間部の僻地と申しますか、そういう点も救われておるところが相当ございますので、只今のところ三カ年におきまして大体実施いたしまして、その上で又考えることは考えなきやならん、又周波数の問題もありますから、その点からも睨み合せなければならん、かように存じておりますが、ただ御指摘のようなあまねく容易に受信できるようにということは、放送協会の重大な使命一つでございますので、その点については鋭意努力いたして行きたい、かように考えておるわけでございます。
  28. 山田節男

    ○山田節男君 次には来年度予算に駐留軍に対する役務収入として、約二億五千万円の収入を見込んでおられるわけですが、これは従来占領軍下にあつてAFRSに役務を提供した実績でのお見込ですか、それとも新らしく独立後において役務提供という形においてこれだけの金は米軍当局と直接契約か何かで間違いなく入つて来る金と見ていいのですか。
  29. 岡部重信

    参考人岡部重信君) 連合軍関係放送で二十七年度に載せました主たる点は、協会の業務全般を予算に計上するという建前をとるほうがいいのではないか、昨年は総則においてさような措置をいたしただけでございます。そういう考えから本年度予算に計上いたした次第でございます。それで先般も会長がちよつと触れたかと思いますが、役務の見通しについては我々の考えておる範囲で従来の実績に多少の見通しを以ちましてこの金額を計上した次第でありまして、仮に役務の提供がないならば役務支出もございません、ですからこの金額については先ほど申上げたように、我々としましては見通しを立てたものでございますが、将来役務が変われば又変るということは申上げるまでもなく当然だと思います。
  30. 山田節男

    ○山田節男君 これは恐らく昨年度まではAFRSの役務提供と言いますか、調達庁を通じてNHKに入つて来る金は二十六年度以前は載つていなくて衆議院で問題になつたように私聞いておるのですが、これはできれば終戰後から二十六年度までAFRS関係放送が始まつてからNHKにどのくらい役務に対する賠償と言いますか、対価を受けておるか、これは一つあとでもよろしうございますが、ちよつと参考のために見せてもらいたいと思います。今概略でもわかりますか。
  31. 岡部重信

    参考人岡部重信君) 資料もございますから後刻資料を提供させて頂くことでよろしうございますか。
  32. 山田節男

    ○山田節男君 あとでよろしうございます。それから共同聽取の問題ですが、これは一昨年北海道に行つて共同聽取が非常に普及しつつある現状と、それから共同聽取者の経済的な実情から見てああいう法律を作つたわけですが、概数でいいのですが、北海道と、九州、四国を含めた内地で、大体共同聽取として受信料を払つておる聽取者は全体でどのくらいおりますか。
  33. 岡部重信

    参考人岡部重信君) 多少古いかも知れませんが、共同聽取の六月末に調べたところによりますと、施設の数が全国で四百五十七、加入者の数が四万一千九百七十、うち北海道の施設数が三百八十、加入者数が三万二千六百六十六、かような数になつております。
  34. 山田節男

    ○山田節男君 約四万二千の加入者が五十円払つているわけですが、年間とすれば三百万円以上の金になるわけですが、この前にも我々委員会として共同聽取者は五十円じや高いのじやないかという議論もあつたのです。而も集金から言つても非常に便利で、先ほど言われたように郵便局とか、聽取者の組合で総括的に料金を集めるのに非常に便利でもあるし、それから受信機は今のように極めて簡單なものを使つているのであるからして、受信料は安くしたらどうか、こういう輿論があつたにもかかわらず五十円にしたのですが、その対価としてNHKがそれに対して特に共同聽取者に対してはサービスと言いますか、そういうようなものをするようなことを我々として條件にしたわけですが、そういつたサービスというものはどんなようなものをやつておられるか、一つお示し願いたい。
  35. 岡部重信

    参考人岡部重信君) サービスといたしましては只今のところ先般申上げたかと思いますが、施設面におきまして最初の施設の場合、それから保守の場合、それらの相談指導とか、改良というようなものにつきまして、親受信機並びに親受信機から聽取者宅までの電話線路などでございますが、それらについて技術的の、只今申上げたようなサービスをいたしておるような次第でございます。
  36. 山田節男

    ○山田節男君 電波監理委員会にお聞きしますか、この法律ができると同時に、電波監理委員会としても予算を計上されて監督と言いますか、そういう方面に折衝されたのですが、この共同聽取に関しての監督と言いますか、免許もあるはずと思いますが、こういう昨年度の、二十六年度の数字的なものはありますか。これは今ここでなくてもいいのですが、後日でもいいから共同聽取分だけたしか予算が二千万円くらい出たのでしよう、共同聽取に関する法律ができて人件費か何か予算が出ておつたと思います。
  37. 長谷愼一

    政府委員(長谷愼一君) 只今手許に二十六年度における共同聽取施設の数字的なはつきりしたものが手許にございませんので、はつきりしたことを申上げかねるのでございますが、昨年の夏現在におきましても全国で約六万五千六百ばかりのものが共同聽取施設に加入しておりまして、放送協会受信契約を結んでおる数字でございます。なお只今御質問の点は有線放送の業務の運用に関する法律が昨年議員提出によりまして成立を見まして、その仕事を電波監理委員会が所掌いたしておるのでありますが、その法律によりましてはこれらの施設電波監理委員会に届出をいたすということになつておりまして、許認可という手続にはなつていないわけであります。この関係の仕事をいたしますために私どもといたしましては所要の経費並びに定員等を要求いたしましたけれども、当時大蔵省との折衝の結果、遺憾ながら殆んどその成立を見ないでしまつたような状態でございます。只今のところは一般の無線の許認可に関するもの、或いは検査検定に関する関係の全般の業務の中にこの関係のものも含まれておるというような形になつてこの仕事をやつておる状態でございます。
  38. 山田節男

    ○山田節男君 これは有線放送でも、例えば盛り場などで広告放送をやつておるこれらの監督も含まれておる法律のように了解しておるのです。最近澁谷なんかで私痛感するのですが、有線の広告放送がとてもやかましい、あすこの広場は演説に使うことは禁止されたのですが、今度は有線の広告放送が非常にやかましい。これは一般の世論になつておる。これなんかはあの法律によつて電波監理委員会が規制できるのではないかと思います。これは單に一澁谷にとどまりませんで、各都市でこういう傾向があると思います。これは私の希望としてお願いしておきます。  それから来年度受信料を免除するものが昨年度に比べ四倍半の一万八千件に殖えておる。これはなぜたくさん殖えたのですか。
  39. 岡部重信

    参考人岡部重信君) この免除の分につきましては御承知の通り学校関係が主でございます。近年来学校関係受信機の設置が相当活撥になつておりますので、それらのことを考えまして主としてこの数字を計上したような次第でございます。
  40. 山田節男

    ○山田節男君 学校関係だけなら昨年とそう私は違わないと思うのですが、急に四倍半に殖えたというのは、学校関係を免除したということを言われるのですが、二十六年度に比較して四倍半に殖えたというのは、ただ学校関係だけを免除したというだけでは余り数が大き過ぎると思います。事実に副わないように思うのですが、何か理由があるのですか。約一千万円に上る聽取料の免除ということになるわけですが……。
  41. 岡部重信

    参考人岡部重信君) 只今のお尋ね誠に御尤もでございますが、昨年の、二十六年度の免除の見方が少かつたというほうが正当かも知れません。
  42. 山田節男

    ○山田節男君 少かつたということは、二十六年度は勿論これはまだ年度末に来たばかりですから実数はわからんにしても、二十六年度は四千と見積られておつて、来年度は一万八千、私はこれは何か理由があるのじやないかと思うのですが、その理由があればお示し願いたい。
  43. 岡部重信

    参考人岡部重信君) 御承知の通り免除につきましては、免除基準、即ち電波監理委員会の認可を得た免除基準でございますが、それに基くもので、それについての改正も考えておりませんので、別にこれというそういう方面から来る理由というものはございません次第であります。
  44. 山田節男

    ○山田節男君 理由と申上げるのは学校ということも一つ理由かも知らんけれども、例えば生活保護法の適用を受けているいわゆる困窮者ですね、こういう生活困窮者と言いますか、生活保護法の扶助を受けているような人は受信料の免除を受けるというようなことを聞いているのですがね。
  45. 鈴木恭一

    委員長鈴木恭一君) 基準について電波監理委員会のほうからわかりませんか。
  46. 長谷愼一

    政府委員(長谷愼一君) 只今御質問の点につきまして、放送協会のほうから詳細御答弁があると思いますが、法律の定めるところによりまして、受信料の免除の基準は放送協会電波監理委員会の審査を経てその定めるところによつて行なうということになつております。御参考にその免除になつているものを申上げて見ますというと、第一番目に兒童福祉に関係する施設、それから第二番目に青少年の矯正教育関係施設、例えば少年院法に基く各種少年院とか、或いは少年観護所とか、少年鑑別所とか、そういうところの関係でございます。それから三番目が社会救済事業関係施設、四番目が身体障害者更生援護施設、それから五番目が刑務所、少年刑務所等でございます。六番目が公的な医療機関、それから七番目が学校、これは学校教育法の第一條に掲げる学校で教育に專用する施設だけを対象にしております。それから八番目が公民館、九番目が博物館等一般の公衆の観覧に供する設備でございます。そのほかその他といたしまして貧困者で市町村の証明のある盲人に対する設備を特に考慮している。なおそのほかに日本放送協会が二十五年の六月に社団法人から公益法人に御案内のごとく切替えられたわけでございますが、社団法人時代に放送協会の会員であつたかたがた設備は特に免除するということで附加えてございます。
  47. 鈴木恭一

    委員長鈴木恭一君) 放送協会のほうから御答弁はございませんか。
  48. 岡部重信

    参考人岡部重信君) この免除の数につきましては、二十六年度末はここにございますように、丁度九万四千というのが予算の数字でございましたが、実績から見ますと、ここに計上してあるような十一万四千となるというので、この実績を推定いたしまして十一万四千といたした次第でございます。なお一月末における免除の受信契約者数は十一万一千二十になつております。
  49. 山田節男

    ○山田節男君 それからこの来年度予算での国際放送ですがね、政府からの交付金が何ぼですか、三千四百万ですか、三千四百万と私ちよつと記憶しておるのですが、この予算ではやはり現行の一日五時間、それから用語は日英両国語と、来年度においてもやはり現在の規模でやる御方針ですか。
  50. 長谷愼一

    政府委員(長谷愼一君) 来年度NHK予算、これは御案内のごとく政府の命令に基きまして、又政府が国際放送の実施の命令をする場合には、法律に定めてございますように、政府が交付金を与えることになつております。電波監理委員会といたしましても二十七年度電波監理委員会自身の予算といたしまして、NHKに対する交付金の予算要求もいたしておるのでございます。で、この海外放送の規模によりまして、いろいろその所要経費が変つて参るわけでございますので、いろいろ折衝の結果、政府としては取りあえず現在実施しておる程度の規模のものが来年度もそのまま延長されるという想定の下に来年度予算は一応関係の間で了解を得まして、結局今年度の、二十六年度でございますが、認められて実施いたしました国際放送は約四カ月間で今の規模でやる、その経費は私どものほうで実費を計算いたしましたところ、一千万円に相当いたしますので、来年度このままの規模で、このままの状態で継続されるならばその三倍の三千万円で実費は賄えるものと、こういう想定の下に三千万円という予算電波監理委員会といたしまして計上いたしまして、目下国会の御審議を頂いておるわけでございますが、これと裏腹を併せまして、協会としては政府からの交付金が三千万円、こういうことで予算編成が成つているわけでございます。  なお政府から出ております国際放送の実施に関する命令の中には最低限このくらいやらなければいかんということを申しているわけです。例えば番組で言いますならば只今御指摘のありましたように二カ国語によりまして五方面に対して一時間ずつニユース及びニユース解説を主としてやるように、必要があるならば音楽その他の娯楽も附加えて頂いてよろしい、又国語も又日英両国語を基とするが、必要に応じてほかの外国語を使つてもよろしいということになつております。今申上げました必要に応じて協会がみずから番組の編成等の責任を持つておられるわけでありますので、その編成上適当と思われる国語を或るときに追加されたり、或いは音楽その他の演芸のプログラムを追加されるために三千万円では賄えないで五千数百万円の予算に組上げてこの予算ができたような次第でございます。
  51. 山田節男

    ○山田節男君 それからもう一つ韓国語の放送問題ですが、日本放送しているのか韓国から放送しているのか私の持つている受信機がシヤープ過ぎるのでよくわからないけれども、あれはNHKは韓国語の放送を命令によつて現在もやつておられるのですか。
  52. 岡部重信

    参考人岡部重信君) 二十九頁の三の「ヴオイス・オブ・アメリカその他」ということについてのお尋ねですが、これは主たるものは韓国語放送でございます。
  53. 山田節男

    ○山田節男君 これは電波監理委員会のほうにお伺いするのですが、韓国語放送、これは朝鮮事変が起きてからずつとやつてつて今日ではさほどでもないと思いますが、当初は国内放送を全く妨害、時間もエアー・タイムをとるまでにしてやつておつたところが、少くとも独立すればこの韓国語放送というものもおのずから性質が変つて来るのじやないかと思う。で、依然としてやつぱりNHKにこれをやらすのかどうか。それからこの韓国語放送に対して来年度予算として一千百五十二万九千円ですか、これは今後もやはり駐留軍のほうから役務の代償として払われるものかどうか、この性質……。
  54. 岡咲恕一

    政府委員岡咲恕一君) 韓国語の韓国向け放送は、法律的に考えてもいろいうな問題があるかと思いまするし、近く開催されまする行政協定実施のための合同委員会の分科会におきまして十分研究協議いたしたいと思つております。私どもの了解いたしておりまするところでは、合衆国が国連に協力をするという形におきまして現在の韓国語放送を企画せられ、スキヤツピンが私どものほうへ出ましてそれを日本放送協会のほうへまあ伝達いたしました結果日本放送協会と司令部との間で契約を結ばれまして、その契約の実施として韓国語放送をされておるわけでございます。従いましてこれを平和條約発効後如何ようにするかということは電波、或いは放送の自主権という問題にも関連いたしまするし非常に重大でございまするので、十分研究いたしまして遺憾のないようにいたしたいと思つております。
  55. 山田節男

    ○山田節男君 岡部理事にお伺いするのですが、今ヴオイス・オブ・アメリカとしての韓国語放送というものは、韓国語放送が始まつて以来ずつと役務の代償として契約によつてお金をもらつておられるのですか、お金を……。
  56. 岡部重信

    参考人岡部重信君) 要るだけのお金を頂戴いたしております。所要額だけは頂戴いたしております。実費でございます。
  57. 山田節男

    ○山田節男君 この程度のものですか、来年度予算に計上しておられる程度のものをもらえているわけですか。
  58. 岡部重信

    参考人岡部重信君) 大体さようでございます。
  59. 山田節男

    ○山田節男君 大体そうだということは損にはなつていないということですか、NHKの犠牲があるのですか。
  60. 岡部重信

    参考人岡部重信君) 国内の聽取者に何と言いますか、これの負担のかかるということはないようにいたしております。
  61. 山田節男

    ○山田節男君 この間網島委員長にもお願いしておいたのですが、例の行政協定第三條で以て電波の問題、今も岡咲委員長が言われるように合同委員会、分科会ができ、必ずこれは電気通信に関してはこれはできる。この間ではどうも電波監理委員会そのものが、行政協定第三條の、ただ相互に協議するというだけで、その電波行政の自主性というものははつきりしていない、こういつたようなものを、はつきりしたものを我々は報告を求めたい、こういうことをお願いしておるわけですが、なあ併せてこういつたようなヴオイス・オブ・アメリカの問題、それから国際放送というものも今後の事態に、国際青勢の変化に応じたら又向うからの注文があるかも知れない、こういう点を飽くまで、日本としては独立国として電波行政の自主というものは堅持しなければいけないと思うのです。電波監理委員会のこの間の御説明はどうもこの問題に関して深く掘下げられて研究された跡も見えない、これは当然されなければならない。されておられると思うのでありますが、次の機会でいいですからこの委員会電波監理委員会として、行政協定のあの電波の行政はどうなるか、これは一つ正式に御報告願いたい。予算に関する質問を終ります。
  62. 岡咲恕一

    政府委員岡咲恕一君) 只今の山田委員お尋ねにつきましては後ほど検討いたしましてお答え申上げます。
  63. 鈴木恭一

    委員長鈴木恭一君) 別に御発言ございませんか。
  64. 稻垣平太郎

    稻垣平太郎君 いや、私別に……大体予算については新谷委員並びに山田委員の御質問で盡きると思うのですが、たださつき新谷委員が御質問になりました研究費についての問題は、私は非常に重大なる問題だと思うのです。殊にこういつたような放送事業についてはその点が特に必要だと思うのでありますが、先ほどの二億六千万円というお話でありますが、先ず私のお尋ねしたいのはその二億六千万というもので、これは研究員のかた、或いは施設方面、或いは研究人員の関係その他で二億六千万円しか研究費が使えないのであるというのか、或いは多ければ多いほど多々ますます弁ずるということになるのですか、その点を先ず承わりたい。
  65. 岡部重信

    参考人岡部重信君) 先ほども申上げましたが、予算の編成として逐年この研究費につきましてはその重要性を考えまして増加しておるのでございますが、聽取料金の据置等の関係もございましてその辺にとどめた、とどめざるを得なかつたというふうに申上げるわけですが、多ければ多いほどということについてはまあいろいろあると思いますが、無論相当程度のものは経費があればそれに応じた研究というものがなし得るものと、さように考えております。
  66. 稻垣平太郎

    稻垣平太郎君 私の聞きたいのは今NHKでお持ちになつておる技術員、或いは研究員と申しますか、そういつたもの、或いは新らしくできた施設その他でこれを働らかしておやりになる場合に二億六千万円の程度でいいのか、或いはこれは予算全体の立場から四%に当るというお話ですが、この程度にとどめるべきだという考えですか、もう一遍その点をはつきりしてもらいたいのですが……。
  67. 岡部重信

    参考人岡部重信君) この技術研究関係に総体の経費をどういうふうに振向けるかという問題につきましては、或いは年々何パーセントというようなきめ方もあると思います。できればそんなふうにしたいと思つておりますが、いろいろの他の経費を要するものがありますので、増額しようと思つてもこの程度ぐらいしか予算ではし得ないと、それでなお事情によりましては、御承知の通り予算総則におきまして彈力條項を設けておりますし、又場合によれば予備金も多少ございますので、それらを振向けて技術研究に努めると、かようにまあ考えておる次第でございます。
  68. 稻垣平太郎

    稻垣平太郎君 私はこれはしつこいようにお伺いするのは、どうも研究費というものは、とかくほかの経常費の関連において圧迫するときは結局研究費のほうに割込んで来ると、こういうことが実は多いのですね。そこでさつき四%ということを承わつたのですが、例えば四%なら四%、七%なら七%、幾らか存じませんが、若し現在の技術人員その他によつてなお現在の四%よりも例えば五%程度の仕事ができる、或いは六%の仕事ができるかどうかということを私は実は第一に知りたかつた。若しそれであれば、仮にもう一億円殖えればそれだけの立派な研究ができるんだと、こういうことになりますというと、それは而も現在の持つておるその研究人員、技術人員その他によつてできるということであるならば、問題はこれは先になお進んで考えなければならん。今持つておられる人員ではこの数字以外には、これ以上にはできないのだと、まあ今の全体の経常費の上で四%程度がもうこれは一ぱいなんだと、こういうなら、もうこれから先へ進んで実は私は申上げる必要はないと思うのでありますが、その点をはつきり承わりたい。
  69. 岡部重信

    参考人岡部重信君) 研究費に相当の経費を盛るということは、先ほどもお話がありましたが、放送協会の業務内容でございまして、私どもとしてはこれは決して圧縮するようには考えておらんのでありますが、或る程度経費があるならば今よりももつとよい研究ができるということについては確信を以てお答えできるだろうと思います。
  70. 稻垣平太郎

    稻垣平太郎君 これはこの前の二十六年度予算承認のときにも、この研究費の問題は私出ておつたように記憶いたしております。で、まあそのときに、この問題については十分に留意すると、注意を払うというようなお話であつたように思うのですが、先ほど新谷委員から、この問題について、例えば丁度目的税式に或る程度この研究費のための聽取料を附加えて取るといつたようなことも、これは一つの案……無論これは新谷さんがそうしようという案じやなくて、その新谷さんの一つの案として出されたように思うのですが、こういつたようなことについても十分私は研究する余地があると思う。この点について電波監理委員会のほうでも十分御検討願わなければならん問題だと思うのですが、電波監理委員会のほうとよく御協議を願いたいというようなさつき新谷さんの御意見のようだと思うのですが、実はこの前の予算承認のときにも研究費の問題が出まして、予算が通つてしまうとそのままになりがちになるので、私はこれは研究費の問題は非常に重大なる問題だと思いますが、電波監理委員会におきましてもそういつたような、目的税的に新らしく聽取料研究費のために幾らか殖やして坂つて見る、まあこれは十円殖えれば六億円程度になるのだと思うのですが、そうは使えないでしようから、それが五円殖えれば幾らになる、三億円、まあどの辺がいいのかそれは存じませんが、そういうことについて一つ電波監理委員会におきまして御検討を願つてNHKと御協議の上、まあ一つの、これは私は何も委員会全体の御意見でなくてもいいのですが、委員会一つの試みの案といつたようなもので結構なんですが、遠からん機会において一つそういつたものについての御研究の結果を知らして頂きたい、こういうことを申上げておきます。私の質問を終ります。
  71. 鈴木恭一

    委員長鈴木恭一君) この放送協会予算につきましては別に御発言がなければ、まだ時間もございますので電波監理委員会のほうに御質問願いたいと思います。
  72. 山田節男

    ○山田節男君 電波監理委員会にえらい小言ばかり言うようですが、実は過日のテレビジヨンの標準方式を電波監理委員会決定するについてのこの議事録ですね、私ども要求して今朝受取つたのですが、どうも余りに簡單なんでこれはちよつと僕はおかしいと思うけれども、これはやはり電波監理委員会の設置法で、議事録といういわゆる公衆の閲覧に供すという重要な書類になつているわけです。そしてみると、全く、半紙二枚、全部書けば二頁ぐらいで済むような議事になつているのですが、これではやはり電波監理委員会の議事録として、殊にテレビジヨンの標準方式に対する決定の議事録として、これは全会一致ということになつておりますが、非常に簡單過ぎて、而もその註に、電波監理委員会で出されたテレビジヨンの標準方式に関する決定、これが内容だというようなことで、議事録の体をなしていないのだ。こういうようなことでは、テレビジヨンの重大な問題を決定するに当つて重大なるこれはドキユメントなるべき議事録ですね、その体をなさんと思うのです。どうしてこういうことになつたのか、少くともこれは法が命じている体裁にだけはしておかなければいかんと思うのです。これでは全く議事録の体をなさないと思うのです。これは岡咲委員長、何か事情があるだろうと思うが、これはいわゆる重大なミニユート・ブツクとして体をなさない。できればこういう事例を残さないように一つ権威のあるものとしてもらわなければいかんと思うのですが、電波監理委員会一つ見解を聞いておかなはればいかんと思うのです。
  73. 岡咲恕一

    政府委員岡咲恕一君) 電波監理委員会の議事録の作成につきまして山田委員から御意見承わりましたのですが、多少この議事録の記載につきましては何と言いますか、簡單と申しますか、……でございまして、例えて申しますると昨年民間放送の申請について審査をいたしまして、その許否を決定いたしました議事録などにつきましては、各委員意見がそれぞれ分れましたので、かような場合には委員意見を相当詳細に記載いたしまして、そうして最後に討論採決に入つて決定いたしたわけですが、さような場合にはこの議事録の記載は相当詳細に記載いたしております。御指摘になりました標準放送、白黒式テレビジヨン放送の送信の標準方式につきましては、各委員とも殆んど意見が一致いたしまして全会一致を以て可決いたされました関係上、議事録の記載は非常に簡單になつた次第でございます。なお議事録の記載方法につきましては、幹事である長谷長官は各委員会の実情も検討せられまして、かような議事録の作成方法決定いたしたわけでございまして私は現在におきましてはこれで足りると、かように考えておる次第でございます。なお詳細につきましては長谷長官から説明を申上げたいと存じます。
  74. 長谷愼一

    政府委員(長谷愼一君) 只今岡咲委員長から議事録の記載の仕方のことにつきまして御報告申上げたのでございますが、一、二の点を補足さして頂きたいと思います。電波監理委員会委員会の議事のやり方並びにこの議事録関係の処理につきましては、電波監理委員会といたしまして、その発足第一歩にこれを愼重にいろいろ検討をして頂き、又その当時すでにできております他の行政委員会の例等をも調べまして、電波監理委員会の規則の第一号としまして、電波監理委員会議事規則というものを定めまして、それに則つて処理いたして参つたのでございます。只今まで相当回数に上つておりますが、この電波監理委員会委員会の結果を議事録としてとどめます場合に、幸いのことには、今まで電波監理委員会で各委員の皆さんの間で意見が対立されたということは殆んどありませんで、大体全員一致を見て決議をされておりますので、議事録の中に「審議の経過及びその結果」ということで審議の内容を議事録としてとどめておくことになつておりますが、それが今申上げたように極めて簡單な文章で進んで来ておる状態でございます。尤も過般民間放送の東京における……二局現在許されておりますが、他の一局を、二局目でございますが、第二の局が許認可を決定する場合には相当長時間に亘つて委員の間で多少の意見の相違もあられて審議されました。そのときの議事録は殆んど速記体にこれを議事録にとどめて公開いたしておるようなわけでございまして、恐らくこれも委員会でおきめになることでございますので、私からあらかじめ申上げるわけには行きませんが、若しも全会一致でないというようなことが起きた場合には、恐らくそういう例に倣つて相当詳細な議事録を書きとどめるということになるのではないかと存じておる次第でございます。なおこの電波監理委員会の議事の経過、決定した事項を、参考としてその議事の行われている模様を内閣総理大臣に報告することになつておりますが、その場合にも議事録その他も内閣方面とも打合せの上で参考にこういうものも差上げてありますが、そちらの方面でも大体こういう様式で結構ではなかろうかというようなことで、お打合せの上で私どもとしては現在まで進んで来ておつた次第でございます。
  75. 山田節男

    ○山田節男君 これは岡咲委員長も昨年アメリカへ行つてFCCのこういう委員会の運営については十分御存じのことだと思いますが、これは何と言つて電波監理委員会はFCCと同じような準司法的な機能を持つている。これは特殊な行政委員会であります。ですから、すべてこの委員会の議事というものは、たとえこれが散会になつても議事録はあるのです。私はその例を持つております。電波監理委員会委員会の議事録というものを、サンプルを三つほど持つている。これはあなた新聞でも御存じでしようが、委員会出席者があつても議事がないとか、出席者がない、それでも、ちやんとチエアマンがおつて、レコーダーがおつて、発言者がない場合でも、その経過をちやんと一人の発言でも、チエアマンだけの発言でもちやんと議事録は正式に残しておる。FCCのあのミニユート・ブツクを見ましても、全会一致の場合でも、例えば全会一致の結果を宣言するというたつた一行にしても、これはミニユート・ブツクにしてある。法的にこれは必要なんだ。たしか電波監理委員会の設置法の中にこの議事録に関するものがあつたと思う。第十六條の三項かなんかにあつたと思う。これは電波監理委員会はあれの、FCCをまねて作つた、まねて作つたと言えば語弊があるかも知れませんが、とにかくFCCと同じような地位を持つた準司法的な行政機関である。でありますから、議事録というものはやはり成規のものを持たなければならない。たとえ全会一致であつてもその会議の模様というものはこれは記録しなくちやいけない。併しこれでは会議の模様というのでなくて、ただ全会一致だ、これでは果してこの委員会が成規な委員会を開かれたかどうかわからない。これは法的の、一つ法律で定めた一つのドキユメントになつている以上、こういう記載でやるということは余りに略式である。電波監理委員会の私は権威にかかわると思う。そのために私は御注意申上げたので、こういう我々のもらつたような、今私が頂いたようなものでは、これは議事録の体をなさない。それから先ほど長谷長官が総理大臣に報告されだと言いますが、このものは、議事録を含めて作られるということもあるかも知れませんが、少くともあすこにおいて一般の公衆に見せるという、体をなす議事録としてはちよつと私はおかしいのではないかと思う。今後のこともありますから、殊にこの問題はテレビジヨンの生命の問題である。もう国民一般が関心を持つているものであるだけに、こういうような議事録の先例を作るということは電波監理委員会の将来のために私は非常にこれは注意すべきことではないかと思つて私は御注意申上げた。私は実は今朝頂いてびつくりしたのです。今長谷長官の説明されるような理由があつたにしても、これは議事録はもうドキユメントである、而も法律によつて一般に閲覧をさせなければならないというものであるから、できればこの議事録というものは、いわゆる体をなした議事録というものにしてもらいたいと、かように私は御希望申上げておきます。これは今の長谷長官、岡咲委員長の言われるような理由でいいと言われればそれまで……、私はそうではないと思う。アメリカのFCCのどんな散会した委員会の議事録というものもありますが、殊にこういうような、重要な標準方式の決定ということになれば、全会一致でも私は議事録だけはとどめてもらわんと、これはどうも聽聞会のピリオドの打ち方としても足りないということを私は申上げておきます。
  76. 新谷寅三郎

    新谷寅三郎君 一つ電波監理委員会のほうにこれは若しできれば資料として出して頂きたい、できなければ止むを得ませんけれども、今朝ほどでしたか、新聞で見ますと、テレビジヨンの局の開設基準というようなものが、電波監理委員会のほうできまつたということが出ておつたのです。これについても又取扱は我々全然何も聞かされておらんわけで、勿論規則を作るたびに報告される必要はないでしよう、併し重要な問題については、又当委員会との間においていろいろ問題を起さないように十分に御注意を申上げなければならない。この点はおきまして、局の設置基準がきまつて来て、今度は技術基準というものもきまつて、だんだんそういつた法規的な体制が整備されて来るだろうし、こういう御努力は私は非常に結構だと思うのです。でありますが、先般来私たびたびこれは質問もし、意見も申上げておるのでありますが、そういう電波監理委員会方面の技術的な問題が仮に決定いたしましても、決定しただけでは、これはなかなかテレビジヨンの実現というところまで行かないいろいろの関係する政策というものが、総合的に盛り上つて来なければこれは問題にならない。でありますから、大蔵省関係する部分もあるだろうし、農林省に関係する部分もあるでしよう、或いは文部省と関係のあるそういう一連の問題を一応対象にして、今どういう程度に進んでおつて、或いはどういう程度に進めようとしておられるかについて、そのやはり目途一つをつけておく必要があると思う。あなたがたが仕事をおやりてなる場合に、やはり一つの計画を持つてやらなければならん、その一つのチヤンスにもなると私は思うのです。できれば作つて頂きたい。先般来申上げたような、例えば特許の関係の問題はどういうように進んでおるか、それからメーカーの方面の生産設備の問題はどうなつておるか、設備資金の問題はどうなつておるか、或いは技術者の養成の問題はどうなつておるか、その他あなたがたの内部の議事の進め方がどういうような段階で、どういうふうに進めようとしておられるのか、そういうようなずつと一連の問題がありますから、それを簡單なもので結構ですから、これは今こういう段階に来ております、或いはこの問題はこういう規則を今考えておりますというふうに、我我に出されるようにして、そうして実現されるまでの間の官庁としてなすべき計画、手段、措置というものを一つの表のようなものにして現わしてもらつておけば、大体我々も実現に対して技術的にも目途がついて行くのではないかと思うのです。これは資料として出して頂けますか。
  77. 岡咲恕一

    政府委員岡咲恕一君) 只今新谷委員から御指摘のありましたこのテレビジヨン放送局の開設の根本基準の問題でございますが、それは私どものほうではすでに制定いたしております放送局の開設の根本的基準を改正するという形で一応案を検討いたしまして、その案ができ上りましたので、これは当委員会のほうにも御連絡をいたしまして資料として御提出いたしておるはずでございます。それから只今新谷委員からお述べになりました御希望につきましては、御希望に成るべく副うように努力いたしまして、何か表でも作りましてお手許にお届けいたしたいと思つております。私どもが現在考えておりますところでは、更に無線設備規則というものを検討いたさなければならないと思いまするし、続いて無線局の運用規則というようなものも検討しなければならないかと思います。原則といたしましては大体今申しました三つの規則が制定、公布、施行されまするならば、テレビジヨンの開設のために必要な規則は制定し終ることになろうかと思います。特許庁或いは大蔵省、そのほかの関係各庁との連絡の問題につきましては、委員長及び私どもから連絡いたしておりまするが、そういう具体的な事務連絡につきましては、いろいろ計画もございまするし、その結果につきましては、これ又書面にでもしたためまして御参考にお届けいたそうかと思つております。成るべく新谷さんの御希望に副うように努力いたしたいと思つておりまするが、各省各庁に関係もございまするので、そちらのほうの関係もあろうかと思いまするので、成るべく連絡をいたしまして、関係官庁の御支障のない限り資料を提出いたしたいと思つております。
  78. 新谷寅三郎

    新谷寅三郎君 それでできるだけやつてもらえば結構なんですが、その際に他の官庁の所管に属することで、なかなかあなたがただけでは勿論きめにくい問題もあると思うのです。ですから、この問題について電波監理委員会だけの問題ならばこれはあなたがたのほうの意見をまとめればいい、他の問題については関係官庁があなたがたの希望せられる時期にすべてその方針決定してくれるかどうか、それはなかなか望めない。ですから、その場合には余りこれは時間をとつても困りますから、監理委員会としてはこういうふうな考えを持ち、こういうふうな交渉をしておるが、この点は今こういう段階にしか進んでいないというふうに、現在の段階における進捗の模様を知らしてもらえば、これが一番参考になると思う。その意味で成るべく近い機会に出してもらいたいと思います。
  79. 岡咲恕一

    政府委員岡咲恕一君) よろしうございます。
  80. 鈴木恭一

    委員長鈴木恭一君) 本日はこれにて散会いたします。    午後三時三十七分散会