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1952-02-20 第13回国会 参議院 電気通信委員会 第4号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十七年二月二十日(水曜日)    午後三時二十三分開会   —————————————  出席者は左の通り。    委員長     鈴木 恭一君    理事            山田 節男君    委員            大島 定吉君            寺尾  豊君            新谷寅三郎君            佐多 忠隆君            水橋 藤作君           池田七郎兵衞君   政府委員    電波監理委員会    委員長     網島  毅君    電波監理委員会    副委員長    岡咲 恕一君    電波監理長官  長谷 愼一君   事務局側    常任委員会專門    員       後藤 隆吉君    常任委員会專門    員       柏原 栄一君   説明員    電波監理委員会    委員      拔山 平一君   —————————————   本日の会議に付した事件 ○電波行政に関する調査の件  (テレビジヨンに関する件)   —————————————
  2. 鈴木恭一

    委員長鈴木恭一君) これより会議を開きます。  電波行政に関する調査を議題といたします。昨日に引続きまして電波監理委員会に対する質疑を行いたいと思います。
  3. 山田節男

    山田節男君 昨日丁度あの委員会の散会になる前に、水橋委員発言のあとに私発言して申上げた通りに、昨日の委員会においては、今回電波監理委員会決定したテレビジヨン標準方式このものに対して、相当まあ我々として、電波監理委員会行政的にやつたことに対して異議を差し挟んでおるのじやないので、先国会からのもう幾度もこの委員会で言われた電波監理委員会に対する要請、この問題が何ら容れられなくて、而もああいうように早々の間に、而も電波監理委員会全会一致を以てテレビジヨン標準方式決定したと、でこれは私冒頭に質問申上げたように、網島委員長に対してたとえ暫らく不在であつたにしろ、その当時のことは岡咲委員長も御存じのことなんだから、にもかかわらずああいつた方策をとられたということに対しての、電波監理委員会のああいう態度をとられた根本的な御動機、これは法律論は私は聞く必要もないし、電波監理委員会のやつたことに対していい惡いという、法律的には私は何も文句を申しておるのじやない、それ以上の問題、それ以外の問題ですね、私はどうしてもこれは了承しかねる。そこで私は網島委員長として電波監理委員会を開いてなぜああいう措置をとつたか、これに対して、私は昨日の質問に対して何ら納得の行く御回答を得ていない。で、私はその問題に入る前に、この問題を一つはつきりさして頂きたい、そうして議事を進行して頂きたい。
  4. 鈴木恭一

    委員長鈴木恭一君) 山田委員は要するになぜああいうふうな決定をしたかということに対する電波監理委員会に対しての御質問ですか。
  5. 山田節男

    山田節男君 昨日の網島委員長説明によつて私は納得しかねる。なお納得の行くよう一つ説明願いたい。
  6. 佐多忠隆

    佐多忠隆君 それに補足して、昨日も申上げたのでありますが、今の御質問に対するお答えとして納得できないというゆえんは、各委員かたがたで非常にお述べになつておる意見の根拠等々がまちまちで統一されていないので、そういうことでは了承しかねるということで、改めて一つ委員会として意見をまとめて十分練つた統一した意見として御答弁を願いたいということを要求しておきましたが、そういうつもりで一つ御答弁願いたい。
  7. 岡咲恕一

    政府委員岡咲恕一君) 山田委員お尋ねの点でございますが、私ちよつと十分了解のできない点があるかと思いますが、前国会におきまする当委員会最終の日であつたかと思いまするが、前富安委員長国会における各委員の議論はよくわかりましたが、併し電波監理委員会といたしましては既定方針によりまして近くテレビジヨン送信標準方式案につきまして公聴会を開くつもりであるということを申述べたのでございまするが、その委員長の言明に基きまして、電波監理委員会会議を開きましてテレビジヨン送信標準方式の案を確定いたしまして聴聞会を開いた次第でございます。山田委員の御意見、私会議に出なかつたこともございますので或いは誤解があるかと存じますが、誤解がありましたらお許しを願いたいと思いますが、テレビジヨン送信標準方式というものはテレビジヨンあり方というものに対して非常に重大な関係を持つておる事項である。單なる技術的なる問題ではない。アメリカにおいてもこれを決定するには非常に愼重態度を持ち、国会もこれを検討し二年有余に亘つて検討の末これを決定したものである。電波監理委員会はこの標準方式決定するについては少くともアメリカにおけると同様な愼重さを持つべきである。或いは技術專門家意見を聞くのもよろしいし、或いは更にアメリカ、更に欧州專門家を派遣して、とくとこれを研究し、日本の将来の政治経済或いは国際関係、その諸般の情勢をつぶさに検討した上で更にこれを決定するのがよろしいのではないか、そういうような御意見ように承わつたのでございます。ところが富安委員長が申しましたように、とにかく電波監理委員会といたしましては一応試案作つておる。ついてはこれを公聴会にかけて利害関係者、その他一般の輿論に問いたいということを申上げまして、委員会はその線に沿つてこれを事務的にこの案件を処理して参つたわけでございます。公聴会も終りましたので、委員会といたしましては、最後段階に至りましたので、昨日申上げましたように、聴聞の結果によつてこの事案決定いたしたわけでございまして、或いは考え方といたしましては、山田委員の御意見ように、これを廃案にいたして、もう一度考えを変えるということも勿論その際は可能であつたわけでございまするが、富安委員長中心といたしまして、いろいろ愼重検討いたしました結果、やはり既定方針よう聴聞会を開いて、そうして聴聞会意見によつて決定するのが正しい、かように考えまして、聴聞会を開催いたしたのでございます。ところが、聴聞会の状況につきましては、聴聞資料をお手許にお届け申上げておると思いまするが、それで御覧頂きまするように、各界といたしましては、成るべくテレビジヨンを早くやつてもらいたい、そうして標準方式もきめてもらいたいということは殆んど一致した要望でございましたので、電波監理委員会といたしましては、この要望に副うべく標準方式決定いたした次第でございます。  佐多委員お尋ねでございまするが、私ども昨日も早速帰りまして、各委員集まりましていろいろ検討いたしたのでございまするが、テレビジヨンのみならず、電波行政一般は、勿論国会の広く申しますると監督の下に行わなければならないと考えておりまするし、殊にテレビジヨン問題は将来の日本テレビジヨンに重大な関係がございまするので、この標準方式決定につきましては、勿論当委員会の御意見はとくと拜聽いたすようにいたしまするし、又将来におきましても、電波行政につきましてお心付きの点がございましたならば御意見を承わらさして頂きたい、その意見は十分私ども斟酌いたしまして、電波行政の衝に当ります者として遺憾のないようにいたしたい、かような心がまえでいることをはつきりと申上げることができると思います。
  8. 山田節男

    山田節男君 私が昨年、今の副委員長報告されたように、このテレビジヨン標準方式決定については、もう愼重愼重を重ねなければいけない、で、それについては、私はあのときに、もう委員会で二度も三度も申上げたことを記憶しておりますが、この電波監理委員会は少くなくともレギユラトリー・コミツテイそれ自体が一つ行政機関である。併し問題の重要性に鑑みて、例えばアメリカ連邦通信委員会がやつたように、一九四〇年から四一年までにやつたように、テレビジヨン標準方式を正式に決定するについては、政府機関である電波監理委員会調査するということは、これは勿論必要です。又これらの委員も言われるように、技術優秀なかたがたがおられるから、勿論私はいいと思うが、併し事の重大性、殊にテレビジヨン技術が本当に日々進歩しておりますので、最近の資料に基いて、專ら技術的の方面と同時に、経済或いは国際情勢下における日本の地位、こういうものを総合的にこの方式の問題については取上げなければいけない。そこで、技術的の問題としては、これはアメリカがやつたと同じようなナシヨナル・テレビジヨン・システム・コミツテイ、これは業者母体になつておる団体で、業者母体としてできておるように私は了承しますが、そういうふうに、一応電波監理委員会としては一つ委員会作つて、そういう一つ諮問委員会を作らして、それで日本の今の最高権威の人々が、これは電波監理委員会專門家が加わつて一つ諮問委員会で結論を出して、そうしてそれを電波監理委員会がとるかとらんか、これはもう電波監理委員会の権限です。ですから、最も民主的に標準方式をきめるのには、聴聞会ということも勿論法律的にありますが、問題の重要性と、それから問題の性質上、そういう諮問委員会ようなものを作つておやりになることを私は熱望する。ところがその意に従うやに言つておられた富安委員長は、新聞に発表されたところによると、テレビジヨン懇話会というような、斯界の実業家、或いは技術のほうの專門のかたを十名か二十名お選びになつた。併しこれは私が重ねて申上げておることとは違つた、極めて弱いものである。これが私は第一電波監理委員会に私も強く要望し、又富安委員長了承されたにもかかわらず、その結果においては私の期待に反しておる。これが第一に私は非常に不満を感じておる点であります。それから標準方式をきめられる、成るほど公聽会におかけになつて公聽会の結果を審理官調査意見書を附けて出す。そうしてこれを電波監理委員会で一応審議して決定する。これは法的に言えばまさしくそうなんです。ところがそれをおやりになる、これは法的に合法的に措置しておると言つておられますが、前国会からの経過などに鑑みて、この参議院電通委員に対しては、一つ礼儀、それは礼儀言つてはどうかと思いますが、道義的に考えて、これは恐らく電波監理委員会としては一応の報告と言うか、そういうことをおやりになることがこれが通念です。然るに我々の委員長からも正式に発表延期要望されたにかかわらず、十七日ですか、十六日ですか、土曜日にどうしても発表しなくちやならなかつた。これは私はどうしても納得行かない。そこの事情を我々委員に明確に一つ知らしてもらいたい。これが第二の質問の要点なんです。お願いします。
  9. 岡咲恕一

    政府委員岡咲恕一君) 電波監理委員会がとりましたこの措置につきまして、十分山田委員の御了承を得ることは困難かと思いまするが、テレビジヨン送信標準方式につきましては、委員会は正式に諮問委員会というものを作りまして、その意見を徴するというふうな形式はとらなかつたのでございますけれども技術のほうの專門家或いは製作会社專門家かたがたに数回集まつて頂きまして、電波監理委員会が今度標準方式をきめようと思うので、ついては何かこれについて御意見があればとくと承わりたいということを申入れまして、数回その会合を重ねまして、そうしてその会合の結果でき上りましたものが、前国会においてお目にかけましたよう標準方式試案でございます。実質的には、当時少くとも技術の面、或いは工業的な面に関する関係者意見というものは、委員会といたしましては漏れなく承わつたつもりであります。それから成るほど最近の科学は日々進歩いたしておりまするので、この最近の技術の進歩についても、十分我々は考慮しなければならないのですが、電波監理委員会が集め得る資料につきましては、アメリカから、或いは欧州大陸、或いはイギリスからも、資料を集めまして、そうしてその資料もとくと検討いたしまして、あの試案を作りました次第でございます。或いは費用が許し、時日が許しまするならば、又更に技術專門家を派遣して調査するということをすれば更によかつたかとは思いまするけれども、私どもの考える範囲では、現在集め得る資料は広く収集して一応検討いたした、こういうことを言い得るのではないかと思うのでございます。従いまして、前委員長富安委員長諮問委員会を開いてテレビジヨンあり方について更に検討をするつもりであるということを申しましたのは、標準方式に関して意見を求めるというよりも、将来日本においてどういう形にテレビジヨンを持つて行くべきであるか、その段階如何ようにするのが妥当であるか、或いは日本経済力工業力国民生活水準等から考えて、テレビジヨンを実施すべき時期は一体いつ頃であるか、或いはしばしば新谷委員仰せように、ここ暫らく実験局によつて実験をやつて、そうしてそれに従つて逐次メーカーの製造能力も漸増して行く、そうすると或る段階に行つて本格的なテレビジヨン放送をするのに熟するというふうなことも考えられますので、日本テレビジヨンあり方としては暫らく実験局で行くのがよろしいか、或いはそれともすでに今の段階において本格的なテレビジヨンをやつてもよろしいか、そういうふうなテレビジヨンあり方に関して諮問委員会を開きたいというのが前委員長意思であつたように思うのでございます。で、委員長が私どもにお諮りになりまして、私どももこういうかたがたにお集まり願えれば大体そういう点について誤りのない大綱を決定して頂けるのではないか、決定と申しますか、大網を決定するのに重要な御意見を承わることができるであろうというふうに考えまして、八人の委員かたがたにお願いして会食を持つたのでございまして、今まで前後二回その会議を開いたのでございます。又近くそのかたがたにお集まりを願つてもう一度会合を開いてその点も検討して見たいと、かように考えている次第でございます。で、一応山田委員或いは新谷委員そのほかの委員かたがたからお述べになりました後意見につきましては、私どもとくと考えまして、少くとも電波行政を主管する行政官庁として、国会及び国民に対して遺憾のないよう行政をいたしたいという熱意だけははつきり持つているのでございまして、或いは山田委員の御包蔵のよう委員会を持つことをいたさなかつたという点は、或いは御不満かとも思いまするが、少くとも御趣旨のあるところは十分酌んで私どもはやつているつもりでございます。
  10. 山田節男

    山田節男君 私の質問のポイントにまだ触れられておらんのですが、なぜ先週の土曜日に再考できなかりたのか。この点を一つ率直に……。
  11. 岡咲恕一

    政府委員岡咲恕一君) 申落しまして誠に恐縮でございます。なぜ山田委員から、或いは委員長からお電話で私どものところに、決定暫らく延ばすようにというお申入れがあつたにもかかわりませず、私どもが先週の土曜日にテレビジヨン送信標準方式決定いたしたかという点、昨日一応御説明を申上げましたが、十分の御了解を得られなかつたように思いますので、もう一度私どもがなぜさようにいたしたかということを繰返して御報告申上げようと思います。  前国会におきまして約一カ月に亘りましてテレビジヨン放送に関する送信標準方式試案をお目にかけまして御批判を願つたわけでございますが、私どもはそのときに、この標準方式案について委員会の御意思のあるところはどこにあるかということも随分酌み取るようにいたしたわけでございます。ところが、この標準方式案に盛られておりますものは、大体技術的な問題が多うございまするし、公聴会も或いは十二月の年内に開いたらいいという御意見もありましたが、成るべくゆつくり関係者かたがたから意見を述べて頂く機会を持ちたいというふうに考えまして、特に一月にこれを決定公聴会の日取りを決定したわけでございます。公聴会も三日間に亘つてやりました。そういうわけで私どもといたしましては、大体公聴会において、少くとも技術的な問題或いはそれを中心とした関連事項につきましては一応意見が出盡したであろう、かように考えたわけでございます。それからやや法律的なことを申して非常に恐縮でございますけれども、昨日も申しましたように、電波法の九十四條によりますと、電波監理委員会公聴会における調書及び審理官意見書に基いて事案決定を行うとあり、公聴会を開くまで、或いはこの公聴会を閉じまするまでは、これは私どもは成るべく広く意見を重視しなければいけないと思いますが、すでに調書ができ、審理官意見が出ました上は、丁度適切でないかも知れませんが、裁判におきまして口頭弁論を閉じたような形である、こういう段階になれば、口頭弁論の結果を中心として事案決定するのがよろしい、それが私どもの義務であるというふうに考えたわけでございます。そこですでに調書意見書検討いたしまして先週の火曜日であつたかと思いまするが、大体の方針をきめたわけですが、更に検討しなければならない問題がありますので、いろいろ検討よう、遅くとも土曜日には最終決定ができるであろうということを新聞関係かたがたにも公表いたしましたし、私ども決定いたしたいと、かように考えたわけでございます。そこで山田委員或いは新谷委員或いはそのほかのかたがた、或いは委員長から、できればそれを延ばして自分たちのこれに関する意見を聞いたほうがよくはないかというお申入れは、委員会の決議とはもとより拜承いたしませんし、委員長そのほか各委員の御希望のように承わつたのでありますが、すでに調査意見書が出て、我々が決定しなければならないという段階に到達しながら、その際に更に国会の御意見を承わるというふうにいたすことは、ちよつと私は足らんかも知れませんが、裁判の例なんかに鑑みまして、調書意見書に基いて判断する私ども責任があるにもかかわらず、国会の御意見を聞いてそれによつて多少でも我々が判断を左右するというふうなことになりますと、電波監査委員会行政上の責任を全うし得ないのではないか、或いは他の大きな発言によつて委員会決定していたことが左右されたというふうな印象を国民に與えることは私どもは非常に申訳ないというふうな、率直に申上げますると気持が私個人は実際は持つたのでございます。そこでもうこういう段階になつたのだから、私どもは丁度裁判におけるように、調書意見害に基いてそれをとくと検討して、むしろ他からの意見を求めたり、他から教えを受けたから、それで我々が当時持つてつたのとは別の意見作つたのだというふうな誤解を受けることのないようにするのが正しいのではないか、これが或いは間違つておれば誠に恐縮いたす次第ですが、さように考えまして決定をいたした次第でございます。或いは十分御了承を得られないかとも思いますが、少くとも私の気持はさよな気持であるということを申上げたいと思います。
  12. 山田節男

    山田節男君 甚だ長時間で失礼ですが、これで終りますが、最後岡咲委員長法理論ですが、成るほど法理的に言えばそういう一面もあるでしよう。併し法理論を言うならば、一体今度の標準方式電波監理委員会としては電波法の八十二條ですか、八十三條ですか、その第二項でやる……、第一項でやるのだ、それで聴聞会に諮つて決定する、そうしてこれが政府委員会決定によつてきまつた、これがそうするとあの法律の一項の関係ですね、この一項との関係はどうなるか。今言われたように私は調書意見も拜見しておりますが、この事案については内容を変更しないということが、今一事不再理の原則をとるということを言われておる、これは私は今岡咲委員長の法的な解釈、成るほどそういう一面もあります、併しこれは非常に一方的な解釈であります。と申しますのは、これは單なる技術問題として済まされないところに重要性がある、そういう一片の法律解釈だけで済ますというところに、やはり電波監理委員会として余りに技術的のみに囚われたやり方であるところに、これ又大きな問題を電波監理委員会としては惹起して来ていると思う。そこで私は今更この問題についてこれ以上論議いたしません。併し今の御説明では、どうして土曜日に発表しなければならなかつたか、ただ新聞に土曜日に発表すると言うてあるから急いだ、国会の影響を受けてこれを変更するということがあつちやいかんということを恐れて発表したとおつしやるが、それは私は今の岡咲委員長の言われたことは、これはもつと具体的に言えば、参議院電通委員会の言うことは前の国会で十分聞いた、うるさい、だからもう今度は法律の命ずるところによつて冷厳に法律解釈従つてもう有無を言わさないようにする、国会にそういう報告をする必要はない、我々の法律でやれるのであるからして、国会のほうはうるさいから我々のほうでやつたのだ、こういう意味にとつていいのかどうか、この点について御意見なり御回答を伺わして下さい。
  13. 岡咲恕一

    政府委員岡咲恕一君) 山田委員が今仰せように私どもは考えたのでは毛頭ございません。国会の御意見を承わることがうるさいからとにかく頬被りで通り抜けたい、さように考えたのでは断じてございません。先ほど申しましたように、又決定を急いだのでもございません。調書意見書を拜見いたしまして、私どもといたしましては決定をいたすべき時期であるとか、かように考えて決定いたしたのでございます。  それからくどいようでございまするが、先ほど申上げましたよう国会電波行政に関する各般の御意見は、私どもは虚心坦懐に承わつて電波行政の運用上万遺憾なきを期したいということの覚悟を持つておりますことは、皆同様でございまして、この点ははつきりと申上げて御了承を得たいと思います。
  14. 新谷寅三郎

    新谷寅三郎君 関連いたしましてお尋ねしたいのであります。その前に委員長も、副委員長は少し前でありますが代られた。両方とも代られた。私ども昨年はこの委員会としては例のないほど長い間非常に真剣にこの問題について富安委員長中心として討議いたしました。その討議の内容は、ここに持つております速記録に非常に明らかになつております。なおそのほかに秘密会ようなものも開きまして、隔意なく互いに意見を交換いたしたのでありますが、言うまでもないことでありますけれども富安委員長の言われたことに対しましては、委員長なり、副委員長が代られましても、この部面に対しましてやはり同じ方針で行かれるものと了解してよろしいかどうか、この点先ず伺つておきたい。
  15. 網島毅

    政府委員網島毅君) 遅れまして大変失礼いたしました。只今の御質問の点でございまするが、具体的にどういう問題が起つてどうなつたかということは私存じておりません。併し昨日も申上げましたように、私ども行政委員会行政でありまして、仮に委員長一人代りましても、その比重は、五分の一なり七分の一でございまして、それによつて委員会の全体の空気が左右されるとは私は考えません。前委員長国会において述べられたことに対しましては、これは恐らくほかの委員と御相談の上、委員会考え方として申述べられたことと思います。従いましてこれは恐らく委員長が代りましても、他の委員意見が変らない限り同じよう方針で行われるのではないかと私は考えております。
  16. 新谷寅三郎

    新谷寅三郎君 実は申すまでもないことでありまするから、只今お答えように私ども了解いたしております。これは特に新らしい委員長になつて非常に方針が変つたとかということがあれば、委員会の側から我々のほうに今まではこういう方針であつたけれども、実はこういうふうに変りましたということをお話になつて然るべきであろうと思いますから、従つて従来の我々が数十日に亘つて討議いたしましたことは、委員会として十分新委員長も副委員長責任をお持ちになるという前提の下に私は質問したいのであります。山田委員質問に対しまして岡咲委員長から今お答えがありましたが、拜聽いたしておりますと、私はこの点で前に富安委員長の言われた気持とは変つて来たように考えるのであります。一例を申上げましよう。これは昭和二十六年十一月五日の午前に開いた委員会でございます。やはり山田委員から今お述べになつておりましたように、單にこれは標準方式というものは技術的の問題ではなく、政策的に合せて考えなければならん問題がたくさん含まれているのであるから、今のように早急に標準方式というので決定を急がれるということはやめなければならない。いろいろな例を引いて質問をしていられるのでありますが、それに対しまして富安委員長の答弁しておられる最後にこういうことを言つておられる、この方式につきましては、これはともかく一応民間といいますか一般意見を尋ねるよすがにする何か案がなくては、とにかく尋ねるにしてもどうしたらいいでしようかというような漠然たる抽象的なやり方ではできないので、一応こういつた案をつくつて見て、皆さんの前に取出して見るのだ、そうして自由にそれを討議して、そうして最良の案を得るようにしたい。公聴会も開くのだが、公聴会以外におきましてもあらゆるかたがたからあらゆる方面の御意見を拜聽したい。委員会としてはそれを待ちこがれておるので、こういう点を十分に御了承願つて、今案は自分たち標準方式をとつていたというわけではないのであつて、この方式決定にはこれからまだあらゆる紆余曲折を経て、そうしてきめるようにしたいと思つております、というような意味の答弁をしておられる。これは速記録を見たのでありますが、これははつきりと出ておりませんから、或いは記憶違いかも知れませんが秘密会の席上でちよつと話があつたのかも知れませんけれども委員会としてはあなたがたも一つ公聴会に出てくれたらどうか、そうして公益を代表する、つまり国民を代表する者の意見として今言つたよう意見を述べてもらうほうが結構だ、委員会は今お述べになつた九十四條ですかによつて調書を元としてやるのだから、調書に載らないものは、これは採用するわけには行かないというような意味において御答弁になりましたが、私は記憶しておりますが、国会議員としてはそういう一般聴聞会に出る必要はないので、我々は委員会で十分に討議を盡したいということを申しました。そうしましたらば、それならば、委員会のほうであなたがたの意見公聴会等において反映するよう自分たちのほうで発言できるのだ、あなたがたの御意思を体して我々は行動するつもりでありますというような意味のことをお述べになつたことを私は記憶しております。岡咲委員長は多分その点は覚えていられると思います。そういうふうな空気の中にこの問題につきましては、ともかく電波監理委員長の言われるように、一応試案として何か案がなければ、討議の対象がわからないから、ともかく一応出して見ようじやないか、まあこういうことで、この決定についてはなお政策的に幾多の点について研究しなければならぬという余地をお互いに認めながら、聴聞会にかけることについて私は賛意を表したのであります。ところが今お話になりましたことは大分違う。聴聞会を開いて一応の意見調書がまとまつてできた、もう決定しなければならん段階であるとお考えになつたというのでありますが、これは今私が申上げた従来の電波監理委員会意見とはよほど違うんじやないかということを私は痛感するのであります。のみならず今お述べになつた九十四條の規定、この規定は昨日私からも申上げましたように、これはむしろ電波監理委員会決定に対して一つの拘束をしておるものだと私は考えております。そういうことを、電波監理委員会法律によつて拘束されておるようなことを、国会法律に反して企図するということをあなたがたはお考えになつておるかどうか。聴聞会を開く以上、その聴聞会決定に対しまして、つまり審理官が出して来まする意見書によりまして、我々は聴聞会が大体世論に問うてどういう結果になつたかということについては、非常に注意深く見守つておりましたが、その結果国会のほうに報告される、或いは国会委員会でお互いに意見を闘わすということは、何らかこの法律に反してまで電波監理委員会意見を拘束する意図が国会にあるように考えられるというような意味に私は今の御答弁を考えたんでありますが、そういうふうにあなたがたは今でもお考えになつておられるのでありましようか。それだとすると、私どもはその政策の決定に当りまして、いやしくももう聴聞にかけた以上は、何らもうここで審議ができないというような結果になるのではないでしようか。今後この問題につきましては、いろいろまだ手続も残りましよう。仮に訴えでも出ました場合には、更にこれを又電波監理委員会としましても研究をしなければならん問題でありまして、一たび聴聞会が開かれた場合には、この国会委員会においてそういう審議をすることが如何にもこの九十四條に触れるかのごとき印象をあなたがたは今でも持つておられるといたしますると、この問題に関して我々はここで討議することは、非常に監理委員会決定を拘束するというようなお考えで今でもおられるかどうか。私はこれに対しましてはいろいろ意見があります。根本的な国会政府行政機関との間の関係におきまして、いろいろな根本的な意見を持つものでありますが、そういうふうな考えを岡咲委員長は今でも持つておられますか。この点明瞭にお答え願いたいと思います。
  17. 岡咲恕一

    政府委員岡咲恕一君) 前国会におきまする当委員会における富安委員長発言、及び秘密会におきまして私もたしか申上げたと思いまするが、その事項に関する新谷委員のお話はその通りであつたと私は承知いたしております。私が先ほど申上げました点、或いは十分の御了解を得なかつたかと思いまするが、この公聴会におきまして十分の論議を得たいということは富安委員長も期待いたしておりましたし、私も法律家として特にこの聴聞会に非常な重さを置いておつた次第でございます。聽聞会におきましていろいろ意見が出ましたことは参考資料としてお届けしてあります聴聞資料を御覧になればわかると思いますが、少くともこのテレビジヨン放送に関する送信標準方式を今決定すべきものではないというふうな意見は私殆んど出なかつたように思うのでございます、成るべくこれは早く決定して日本テレビジヨン放送が行われるようにして頂きたいという要望が非常に強くございましたので、私どもテレビジヨン放送に関する送信標準方式決定することが妥当である、かように考えて決定いたした次第でございます。それから新谷委員に申上げましたように、私は国会におきましてこの標準方式に関していろいろの御主張がある場合には、或いは国会委員会速記録というものを一つ資料として出せば、国会がどういうふうにお考えであるかということは勿論これは検討いたし得るわけでございまするし、たとえ調書に載りませんでも、私ども、じかにこれを承わつておりまする以上は、これは一つの心がまえとして問題を考えるということもいたすのは当然かと考える次第でございます。私どもはさように考えまして前国会におきまする当委員会におけるだんだんの御意見、それから聽聞会における聴聞の結果もとくと勘案いたしまして決定いたすことが適当である、かように考えて決定いたした次第でございます。  それから電波法の九十四條の解釈の問題でございまするが、これは昨日も申上げ、只今も申上げましたように、委員会は專ら調書及び意見書に基いて事案決定を行うということが最も正しいと考えておりまするが、これは当委員会聴聞の結果を報告すべき義務がないというふうなことまで言つておるわけでは勿論ございませんし、或いは先週金曜日に当委員会が開かれておりまするならば、聴聞会の事柄について或いは御報告申上げたであろうかと考える次第でございまするが、併し当委員会に御報告しなければ決定ができないものであるとは私は考えておらない次第でございます。或いはもう二、三日延ばして、そうして御報告をいたした上で電波監理委員会最終決定をいたしたら或いはよかつたかとも思いまするが、私は先ほど申しましたよう決定をいたすべき時期に到達した、まさに決定すべきであるというふうに考えまして決定をいたした次第でございます。
  18. 新谷寅三郎

    新谷寅三郎君 何遍言つても繰返すだけで私は納得できないのであります。私は法律論といたしまして岡咲君の言われることも、法律論としてはわからないことはない。ですから私は当委員会報告しないと監理委員会決定ができないなんということは一遍も言つたことはない。ただあなたがたのおやりになつたことがそれほど二日や三日を急いで、本委員会から委員長初め各委員が、是非この発表をする前に、決定をする前に、これは單なる技術問題じやないから、計画的に検討すべき問題であるから、十分に討議を盡した上でおやりになつたらどうかというような意味のことを申出たにかかわらず、二日、三日をどうして急がなければならなかつたかということについて、実はどうしてもあなたがたのお気持がわからないのであります。あなたがたが結局それ以上の答弁しかなさらない、又できないということであれば、これは幾ら私が言つても無駄であります。皆さんのお気持は昨日も申上げましたが、こういう問題についてはやはり法律の表面的な解釈、適用によつて動かしておるのが一番いいというようにこの問題についてもお考えになつておるようであります。さように私は了承してこの問題に関する私の質問を終りますが、併し私はあなたがたのこの問題についてとりました態度につきましては非常に遺憾に思つておりますことを最後に申添えておきます。
  19. 佐多忠隆

    佐多忠隆君 同じ問題ですが、先ずお聞きしたいのは、昨日今日の御答弁によりますと、監理委員会のほうではすでに十二日に事案決定して、それを土曜日に発表するということを十二日に発表した。そういう事情があつたのでどうしても十六日には発表せざるを得なかつたというようなお言葉がありましたが、それはその通りと考えていいですか。
  20. 岡咲恕一

    政府委員岡咲恕一君) 先ほど申しましたように、十二日でございましたか、たしか火曜日であつたと思いますが、大体の見通しがつきましたので、今週中、遅くとも土曜日には発表しようということを一応決定いたしたわけでございます。併しそれは一応の見通しでございまして、新聞社の間にそういう約束があるからそれに拘束されるという意味では勿論ございません。土曜日まで殆んど連日委員会を開きまして研究いたした結果土曜日には最終決定をなし得るという確信を持ちましたので、まさに決定をなすべき時期が到来したと考えて決定をいたしたわけでございます。
  21. 佐多忠隆

    佐多忠隆君 十二日に内定をされて、十六日には発表の予定だということを新聞に発表されたということですが、この間の委員会で私、これはいつ頃決定をされるのだ、いつ頃発表をされるのだ、この見通しがついたら早急に委員会にも報告をして頂きたいという希望を言つておいたのですが、新聞に十二日に御発表になつたときには同時に委員会のほうにも御連絡なり御発表はあつたのですか。
  22. 岡咲恕一

    政府委員岡咲恕一君) 佐多委員から或いはさような御希望をお述べになつて、私も何かお答えをいたしたかと思いまするが、私個人に関する限りその点誠に申訳ない次第と思いまするが、それを全然忘れておりまして委員会のほうに正式に御連絡いたさなかつたのは誠に申訳ないと思います。若しさようにお約束をいたしておるといたしまするならば申訳ない次第と思います。
  23. 佐多忠隆

    佐多忠隆君 それらの点を考えますと、どういう約束になつていたか、私もよくその内容を今速記録を見ておりませんのではつきりしませんが、ただあのときの希望としては、なかなか期日その他少しもお答えにならなかつたので、若しきまつたら早急に連絡をして頂きたいという意味の希望は申述べたつもりなんです。それにもかかわらず今おつしやつたように何ら連絡等のなかつたことを考えると、更に先ほどのいろいろな御答弁を考えると、やつぱりこういう事案についてはすでに行政措置の問題であるから、国会は従つて委員会は何らそれに嘴を挾む必要がないんだというふうな考え方なり態度以外の何ものでもないというような感じがするのですが、これはこれとして別な問題にしまして、内容の問題に少し入りたいと思いますが、電波監理委員会の聽聞資料を頂いたのがやはり十六日の午前、この聴聞資料につきましては実はこの間、前の電波監理委員会において私たち至急に届けて頂きたいということを非常に強く申上げていたのですが、それにもかかわらず十六日すでに発表しなければならない、発表するというようなことをおきめになつたその日に形式的に届けられたに過ぎないと私たちには考えられるのですが、この点はどういういきさつであんなに遅れたのか、その点を一つお聞きしたい。
  24. 山田節男

    山田節男君 ちよつと議事進行……佐多君の御質問に答えられる前に私はこういうことを確認してもらいたいと思うのです。というのは先ほど私が新谷委員並びに佐多委員から質問があり、委員長並びに副委員長からこれに対する返答があつたのですが、これは何度も申上げましたが、昨年ああして電波監理委員会が急いで暫定的なテレビジヨン標準方式を公表しようとしておつた、それを参議院電通委員会愼重にやれということになつて大体その議に従つてできれば年内の十一月くらいで公聴会を開いてやろうとしておつたのを、参議院電通委員会の御意見に従われて今年の一月十七日から公聴会を開いて成規の手続をとつていられる。これはこうしろとは言いません。それから先ほど新谷委員が指摘されておりますように、私も記憶しておりますが、委員長は我々の意見に対して敬意を拂う、尊重して、あえて電波監理委員会の意に反してああいうよう公聴会を開いて成規の手続をとつていられる。少くともそういう経過をとつた以上は、電波監理委員会として国会に対して二、三日遅れたからといつて何もそれを延ばしてはいけないという法規的な何があるわけじやないのです。電波監理委員会国会に対する礼儀として当然それを延ばしてもちつとも……、国会にも前の経過から一応報告してやるのがそれが普通である、これが妥当なものであるということは、これは私は電波監理委員会として確認すべきものだと思うのです。若し電波監理委員会として、あれは我々は法規上に基いてやつたのだから、そういうことは道義的には異議はないのだ、これで行くのならば今後電波監理委員会は一行政機関、而も委員会という特殊な行政機関である、そういう態度国会に示すということになれば、これは我々委員として考えなければならない、であるから私は今までの委員長、副委員長の御説明からすれば、そういつたような道義的な或いは国会に対して盡すべき礼儀も顧みない、こういうように私は確認してよろしいかどうか。なお電波監理委員会として一日も遷延を許さなかつたということは、この理由は何もない。何も今日テレビジヨンを一日も早くしてくれと誰も言つておりません。のみならず講和條約発効前で賠償問題がある、現実問題になつて来ておる、現にフイリピンからは十名近い調査員が日本経済能力を調べに来る、こういうようなことから見て、一電波監理委員会技術的にこういうことを考えるべきで、これは国会としてそういう点から言つて技術家の何を……、電波監理委員会が国家の取引というものを考えて、技術的道義というものを考えて行かないということになれば、今後の電波監理委員会行政措置上我々は深刻な問題として考えなければならん、そういうよう資料にもしたいから、先ほど私が申上げた確認でありますが、こういうように私は確認されてもいいのじやないか、私は一応委員長なり鈴木委員長なり、或いは若しこれに対しても何ら発言する必要がなければあえて電波監理委員会のこれに対する釈明なり何も求めません。私は少くともこういうような立法と行政との極めて矛盾した部面、而もこういう重大な問題について立法機関は無力である、これは立法者として相当我々は考えなければならん問題であるということを私は当委員会としては当然確認しておく必要があるのじやないか、鈴木委員長のこれに対する一つお取計らいを願います。
  25. 網島毅

    政府委員網島毅君) 只今山田委員から、いやしくも国会において約束した事実はそれを盡すのが礼儀じやないかというお話がありました。今度のテレビジヨン標準方式の問題に関しましては、それが事前にどういう約束があつたか、或いはどういうことを電波監理委員会としてここで申上げたか、私只今存じておりません。従いまして若し公式の委員会としての返事、返事と申しますか、釈明を欲しいという気持でしたら、この問題について別途委員会で諮りましてお答え申上げたいと存じまするが、私個人の気持といたしましては、それはおつしやる通り一旦約束したことはこの約束を守るのがこれが礼儀だと思います。ただ今度の問題に関しましてどの程度の……約束なり了解が相互の間で行われたということにつきまして、電波監理委員会のほうといたしましても多少誤解があつたのじやないかというふうに私は推察する次第でございまするが、先ほど申上げましたように、一旦約束したら約束を守るのが、これは礼儀であり、又そうすべきものだと私は存じます。
  26. 山田節男

    山田節男君 礼儀を盡してないからこういうことを私は申上げるのです。
  27. 新谷寅三郎

    新谷寅三郎君 ちよつと関連しますので……。山田君は礼儀という言葉を使つておりますが、私は礼儀とは思つておりません。私は国政の審議機関として国会が、政府行政権限内にある事柄でありましても、それに関連する政策的な部面が非常に多ければ、国会としては当然それに対して十分な審議をしなければ、国民に済まないのでありますから、我々これに対して十分の審議を盡すということは、私どもの義務であり、これに対して十分の説明資料を提供し、そうして我々の審議に供するということは、あなたがたの義務である。私はそういう見地から申上げております。山田委員発言の趣旨は了承いたしますけれども、使われました礼儀という言葉に対しましては、私は違つた意味で申上げるのであります。その点は政府のほうでは誤解のないように判断をお願いしたいと思います。
  28. 佐多忠隆

    佐多忠隆君 先ほどの私の質問に対するお答えを願いたいと思います。
  29. 長谷愼一

    政府委員(長谷愼一君) この白黒式テレビジヨン送信の標準の方式に関する聴聞会意見書並びに調査をいつ国会のほうへお届けしたかというような御質問と承わりますが、実は調書は非常に大部なものでございましたので、提出されましてから必要部数の印刷をするために比較的日数を要しまして、調書そのものが提出になりましたのはたしか十日前後と記憶をいたしておりますが、それから印刷ができ上りましてから、一部電波監理委員会の内部で、これは製本その他が不手際であつても、審議上には十分と思われるようなもので、審議を委員会としてして頂きまして、お届けするのに十分な体裁に調書ができ上りましたのは、十四日の午後だと承知いたしております。十四日午後大分遅くと存じますが、專門委員室のほうにお届けしたように我々存じているのであります。できるだけ早く、最大限度早くお手許に差上げようという気持でやりましたのですが、相当大部になつたものでございますから、予定よりも一両日遅れたかということを考えております。
  30. 佐多忠隆

    佐多忠隆君 その問題はこのくらいにしておきましよう
  31. 山田節男

    山田節男君 今の調書というものは、これは作成したらば一般の公衆にこれは公開して見させるものである。公開さるべきドキユメントといいますか、公文書である。然るに今の長谷長官の御説明によりますと、十六日発表する二日くらい前にこういうような……それほど急いで調書が、発表して公開、一般の公共の人に見せ得るということになつて三日にして、この標準方式決定を発表するということは、電波監理委員会として実に軽卒だと思います。この電波監理委員会会議制の委員会というものが、そういうようなやり方をするのだつたら、本当に私はやつた措置に対して非民主的と言うか、むしろ違法じやないか、一般の公共的でないと思います。
  32. 長谷愼一

    政府委員(長谷愼一君) 先ほど私が御説明申上げたことで誤解をして頂いたのではないかと心配をいたすのでございますが、お手許に差上げてありますような体裁に印刷をいたしましてお届けいたしましたのが十四日でございますが、審理官から意見書に続きまして調書が提出されますと、委員会で目を通されますと、直ちに一般の公表用に用意いたしまして、一般の公衆のかたがた利害関係者が来られた場合には、それをお目にかけるようにいたしております。ただ御希望があつても差上げるわけに行かなかつたものですから、そのものは印刷ができ上りますまでは、個々に差上げるということはいたしておりませんが、閲覧には、提出された殆んど間もなくから閲覧用に供しておる次第であります。
  33. 山田節男

    山田節男君 アメリカより日本はもつとはつきりして、国会制度において常任委員会制度を持ち、而も電気通信委員会という、電波監理委員会の所管においても審議するという独立の立派な常任委員会があつて、その常任委員に、発表の当日の朝手許に渡る、渡されたのは前日かも知れませんが、それにしても僅か一日の差しかないようなやり方を以て、電波監理委員会標準方式を発表するということは、如何にしても私が先ほどから言つたように、国会を軽視した、殊に電通委員会というものをうるさいと考えておるのじやないか、私はこういうようにとられてもしようがない思います。
  34. 網島毅

    政府委員網島毅君) 今回のことに関しましていろいろ誤解もありまして、只今山田委員からおつしやつたように、電波監理委員会国会をうるさいと考えておるのじやないかという気持のお申述べがございましたが、私どもは決してそういうことを毛頭考えておりません。たまたま今まで申述べましたようないきさつによりまして、今回はいろいろ誤解を招くような結果になつたのでございまするが、今後はできるだけ早く国会意見書なり調書を御覧に入れるというふうに取扱つて行きたいと考えております。
  35. 佐多忠隆

    佐多忠隆君 その問題でもう一遍ちよつと確かめておきたいのですが、意見書を公衆の閲覧に供しなければならんというふうな規定になつておるようでありますが、今長官のおつしやつたように、ただ一部を見れば見得る状態に置いてあつたのだというような状態で、公衆の閲覧に供しなければならんという義務が果されておるとお考えになつておるのかどうか。
  36. 岡咲恕一

    政府委員岡咲恕一君) この調書及び意見書は、原本は一部しか作りませんし、私は只今佐多委員お尋ねの、公衆の閲覧に供しなければならないような書面は、原本を法律は予定しておるのじやないか、かように考えまするので、原本を何時でも見得る状態に置けば、それでよろしいのじやないかと考えます。ただ実際問題といたしましては、先刻お手許にお届けいたしましたような写しを作るわけでございますから、この写しもできれば相当部数備えておいて、その写しを又見得るというふうにいたすことは、これは公衆に親切かと思いまするが、法律が予定いたしておりまするのは、その調書の原本、意見書の原本を公衆の閲覧に供しろという趣旨であろうかと思います。
  37. 山田節男

    山田節男君 昨年の春、異例な件として、電波監理委員会の過半数が一度にアメリカへ行つた、そうしてそれには技術家、法律家、各部門の人がわざわざ電波監理委員会の構成を無視するような、事実機能を失わせるようなふうにしてアメリカへ行かれて、つまりFCC、連邦通信委員会で、拔山委員調書の中でちやんと公聴会をやらして見たと言つておられる。私たちも向うでわざわざ公聴会に出席し、或いは特に模擬公聴会なりを開いて、異例なケースに基いて審理官それから委員長と、非常に詳細なものを三時間に亘つて模擬公聴会をやつて見ました。そのときに私は、今問題になつておる調書一般公開を、これは文学の印刷は英文と日本文とは同じようにならないかも知れませんが、向うではただ一つの原本を備えつけて、見たい者は見よ、こういうようなやり方ではなくて、連邦通信委員会は範を民衆に、通信の民主化という建前であるから、いわゆるパブリツク・リレーシヨンといいますか、みずから進んでみんなにこういうことをやつているというようにやるのが、こういう新らしい会議委員による一つ行政官庁である。それを今岡咲委員長より、ただ原本一つあそこへ置いておけばそれで法律上はいいんだというんでは、これは私は折角アメリカへ行かれて、而も抜山委員が言われるよう公聴会の事例を見て、岡咲委員長專門家としてただ原本を一応あそこへ置いて、見たい者は見ろ、こういうものじやなかつたということを見られたに違いないと思う。それをただ一つ置いておけば、見ようが見まいがそれで義務は済むんだというようなことでは、電波監理委員会の民主的な性格というものはちつともないということをますます暴露したことになる。こういうことを聞くということは私たち非常に不愉快である、誠に残念だと思います。
  38. 岡咲恕一

    政府委員岡咲恕一君) 私も山田委員のお考えのように考えております。ただ法律は原本を公衆の閲覧に供すればよろしいというふうに私は読み得ると申すのでございまして、ただ実際上の取扱といたしましては、電波監理委員会では写しを作りまして、相当部数の写しを作りまして、閲覧に供するようにいたしておるはずでございます。そうして成るべく、この一般公衆或いは利害関係者が迷惑をなさらないように、もつと申上げますると、恐らくその写しを要求があれば利害関係者に配付申上げたこともございます。成るべく私どもは予算の許す限り、公衆の利便に適合するよう行政をいたしたい、こういうつもりでおることをはつきり申上げます。
  39. 山田節男

    山田節男君 昨日私ちよつと質問を申した際に、この電波監理委員会の主催された公聴会の席上における抜山委員の御発言に対してちよつと質問をした、それであとで抜山委員から速記録を見てもらえば私の言うたことはよくわかるというお言葉であつたのですが、我々に配られた電波監理委員会聽聞資料という以外に、もつと詳しい速記録があつて、これはただの要点の拔萃に過ぎないのですか、どうですか。
  40. 長谷愼一

    政府委員(長谷愼一君) 只今の御質問に対してお答え申上げます。この調書を一見して頂きますと大体おわかりになりますように、殆んど速記録に変らないような状態になつておりますが、ただ内容聴聞会の進行模様がよくわかるような工合に編纂してございますので、いわゆる議事録、或いは速記録違つた形になつておりますが、殆んど速記録と同様のものとお考え願つていいかと思います。実際には速記者をお願いしまして速記を取つてございますが、これは非常に印刷もいたしておりませんし、この調書をまとめ上げるときにその速記に基いて調書を作り上げている。私、只今断言はできませんけれども、殆んど漏れなくこの調書のうちに入つているとお考え願つてよろしいかと思います。
  41. 山田節男

    山田節男君 そうするとですね、昨日私たちはこの調書を読み、又審理官としてもこの意見書の理由のうちに抜山委員発言を引用している。これは重大なる発言なんです。ところが拔山委員から、こういうふうなことを書いてあるけれども速記録を読めばこういうふうなことを言つたのじやないかということがわかるということをおつしやつたように私は記憶するのです。そうするとこの編纂において、重要な抜山委員の御発言に対して、発言されたその人が、いや、速記録を読んでもらえばこういうことでなかつたということがおわかりになる、こういうようにおつしやつている。そうするとこの調書速記録の編纂において、相当歪曲されたということは申上げませんけれども、まあ拔山委員の御発言についても、御本人がこれは自分の言つたことが全部出ていないということをおつしやる。そうするとこの調書というものの記録に対して私は公平にそういう編纂ができているかということを疑わざるを得ないことになる。ですから昨日抜山委員のおつしやつたようなことを、誤解のないようにするためには、速記の完全な編纂なんかしないそのままの速記を見せてもらわなければ、これにはこういうことを書いてあるけれども委員会としてはこういうふうだ、これじやこのドキユメントになつている調書を我々は信頼して電波監理委員会委員諸君に質問することはできない。幾らでも言い逃れをする口実ができることになる。我々はこれを信用することができない、電波監理委員会の重要な抜山委員からそういうことをおつしやつているのですから。
  42. 拔山平一

    説明員(拔山平一君) 昨日最後山田委員からのお話がありましたから、私よく考えてお答えする準備をして来たのですが、第一に私は審理官意見書は認めていないのです。それは誤解もあるのか、或いは曲解があるのか、とにかく私は認めていない。それでただその意見書として出されたものをそのままそちらへお配りしてあるという理由は、審理官というものの立場を我々尊重しなくちやならないというので、ただ審理官が出したままを差上げてあるのです。私としましては若しも審理官が、私が発言したのは重大な発言だと思つて発言したのですが、私の発言したことに対して異議があれば、異論があるならば、その聴聞会の席で私を反駁すべきであると思うのです。それをそういうふうにこの意見として出してある。私としてはどうすることもできない。そうしてその基礎が誤解に基くだろうと私は確信しているのですが……それから意見というのは元来どちらが正しいかという問題は別にしても、大体議案の外なんです。議案の外の問題ですから、あたかも江戸の敵を長崎で討たれたような感じがして、私としてはどうにも仕方がないのですが、併しそれは聴聞会というもののあり方だろうと思つて私としては黙つているわけです。その聴聞会の席上のことを申上げますと、高柳君はちよつと私に反問しましたが、満足して坐つたと思いました。それから聽衆も熱心に聞いておりましたし、それから最後聴聞会を閉じるときの挨拶で、松下電器の代表者は私の発言に非常に同感を覚える、そういうふうに挨拶をしております。私の言つたことはただこれだけなんです。利害関係者は率直にその利害について発言して欲しい、こう言つたのです。要するにそれだけなんです。例えば六メガサイクルではアメリカの製品がどんどん入つて来て困る、日本の工業界としてはこれだけの不利がある、そういうようなことを言つて欲しい。こういう例を取りたかつたのですが、そういう例を私が申しますと、それはあたかも七メガサイクルを言う人に対して或るヒントを與えることになりますので、わざわざすべての利害関係者に共通の利害だと思われる、例えば特許の問題などについて発言して下さらないかというようなことを申したわけです。それから聴聞会あり方ということについては、かねてから非常に私疑問を持つてつたのです。それは各発言者の発言は、自分の利害はそうつと隠しておいて、そうして国家のため、国民のためにこうだということだけ言うのが主なんです。それで私はその裏を誰も考えると思うのですが、ああ言うけれども、実際は自分の利害関係から言つておるのだろうと、私はその点について非常に疑問を持つておりましたから、アメリカに行つたときにはいろんな機会を捉えてそれを確かめたのです。そうすると、聴聞会に出席している利害関係者は自分の利害を率直に言えばいいんだ、委員会はいわゆるアーム・オブ・コングレスでありますが、国民の立場で利害を考えてよく判断すればよい。利害関係者は、それは利害自身が大切だからではない、その利害を通じて行動することによつて非常に国民全体の利益に関係するから、それは我々は責任を重んじなければならないということをいろんな機会に確かめておる。その点をいろいろな機会にお話したのです。私はそのときの話の原稿を持つておりますから、速記録がないなら繰返して見ろと言われるならいつでも繰返して見ることができると思います。で、私はその山田委員の御批評ですと、非常に官僚的だとおつしやるのですが、私は元来官僚は非常に苦手で、委員会はアーム・オブ・コングレスとして、日本を民主化する新らしい組織としてできたのだと、そう伺つたのです。それでは委員になつて見たいと思つてなつた次第です。どうも官僚的……その意見書から官僚的と言われれば、或いは何とも申されませんが、併し私はその意見を認めてはいないのです。それから私は前後三回、長くアメリカにおりましたので、英語も或る程度自由に話せるし、どうしてもアメリカ流のデモクラシーの考えになりたがるので、或る方面からはアメリカかぶれだ、アメリカのデモクラシーかぶれだという非難はときどき受けるのですが、官僚的だという非難は初めて受けたので、(笑声)この点どうもいたし方がないと思いますが、二年足らずの電波監理委員会の生活で、六十過ぎてそういう方面に成長するとは考えられないのですが、要するに私は好むと好まざるとにかかわらず、この委員会はアーム・オブ・コングレスに違いないと思うのです。聴聞会においてもやはりそうして働かなければならないということは、これは私たちがチヨイスを許さないようにしつかりできておる。それでなお私の考え方が間違つているというのでしたならば、私の最近の科学技術生活という書物がありますから、それについて私の思想をよく御検討下さればよし、それから若しも今度の具体的な聴聞会においての発言が批評の余地があるというのでしたならば、私は喜んで幾らでもお答えしたいと思いますが、併しこの委員会ではそれではちよつと目的を外れて余計な時間を費す虞れがありますので、私としてはその点御希望申上げることは御遠慮したいと思います。併しかまわないからというならばその点幾らでもお答えしたいと思つております。
  43. 山田節男

    山田節男君 それはまあ今の拔山委員の御弁明ですが、私もそれはよくわかります。併し少くとも公式にこうして任命された審理官意見書の中にこういうことを謳つており、なお又これに編集された調書の二百二十七頁、それからまだもう一カ所あつたと思いますが、これをこの編纂された速記をずつと読んで見て、昨日私は抜山委員の御質問と申しますか、批判と申しますか、そのことに対しては、これは正式の文書ですから、これを私は土台として私の意見を申上げたのです。少くともこの文書に現われた限りにおいては、私はこういつたような抜山委員の御発言に対しては、審理官として同じよう気持を持たざるを得なかつたということを申上げたのです。殊にこういうような重大な問題であつて、メーカーとして、例えば、それは勿論自分の利害得失というものについても勿論言及するのは当り前でありますが、もつと国家的な見地から、それはもう非常に熱心に意見を述べておつて、十分私はこれを認めます。それですから私はこの電波監理委員会から提供されたこの文書を読んで非常に、極めて公平に見てこの審理官意見書に現われた意見と私は全く同一であつたものだからこういうことを昨日申上げたのです。
  44. 新谷寅三郎

    新谷寅三郎君 今山田君の御発言ですが、抜山委員の問題をこれは別にいたしまして、これは私もいろいろの人からいろいろの話を聞きますが、拔山委員言つておられるように、この点について相当怪訝の念を持つていることも事実であります。併しこれは私はここで審議の対象としようとは思いませんが、主として申上げたいのは聴聞会資料を頂いたのは、これは電波監理委員会としては、言葉の端端は別でありますけれども、この内容について正式に国会にお出しになつたものと私は考えております。従つてこの内容に盛られております事項については、聽聞会の経過はこうであつたということについて、電波監理委員会責任を持つてお出しになつておることは間違いないと思いますが、その点はつきりしてもらわないと、これは間違つておるから、何かほかのもので調べてくれというようなことが出て来た場合に、我々はこれを幾ら読んでも駄目だと思います。その点をはつきりしてもらいたい。
  45. 網島毅

    政府委員網島毅君) 御質問お答えいたしますが、御承知の通り電波法の九十三條に、調書審理官炉作成するということがはつきり明記されております。従いましてこの調書に対しましては、電機監理委員会として審理官以外の面から何らの作為的なものが加えられておらないということははつきり申上げます。従いまして私どもといたしましては、現在の審理官を信頼いたしております。従いまして審理官もこれは事実に基いて作成したものであろうことは私どもは疑いを持つておりません。従いましてここに御提出した聽聞の調書は、委員会といたしてもこれは正式のものであるということをはつきり申上げます。
  46. 佐多忠隆

    佐多忠隆君 そうすると、ここに第十三回電波監理委員会聽聞意見書という意見書が出ておりますが、これは電波監理委員会意見書というふうに考えてよろしうございますね。
  47. 網島毅

    政府委員網島毅君) 只今申上げましたように、この調書意見書は審理宮が作成するものでございまして、従いましてこの意見書審理官意見でございます。
  48. 佐多忠隆

    佐多忠隆君 そうすると、正確には、電波監理委員会聴聞意見書としては正確でないという御意見ですか。
  49. 網島毅

    政府委員網島毅君) 電波監理委員会は、審理官が作成いたしました調書並びに意見書に基いて事案決定をするのでございます。従いましてこの只今お手許に差上げました聴聞資料、この中には調書意見書が入つておりますが、これに基いて私ども意見決定した次第であります。
  50. 山田節男

    山田節男君 今のよう委員長の言葉だと、さつきの抜山委員発言にあるような工合に、審理官が作つた調書、それから意見書、こういう意味じやなかつたというようなことを言明されておる、そうすると、私は審理官が作つたそういつたような一部分、これは一つの問題として抜山委員の問題が出たが、そういう意味で言つたんじやないと、そういうように訂正されなくちやならんような、この審理官の作つた調書或いは意見書を土台にして、そうして電波監理委員会が、これに基いて決定された、私はそこに非常に何といいますか、技術的に見てすつきりしないことがある、さつき長谷長官が言われたように、この厖大なものを編集してまとめて、まとめられたものに対して、我々がこれを素直に読んで認識したことを、例えば抜山委員発言に対して、こうだと言えば、抜山委員からは、それは違う、こういう意味で言つたんじやないと訂正されなくちやならんようなことでは、これは一抜山委員発言だけでなくて、ほかの問題についてもそういうことがあるのではないかということを疑わざるを得ないのであります。
  51. 網島毅

    政府委員網島毅君) 私どもは、今山田委員のお考えになつように、この審理官意見書が訂正されなければならないのじやないか、というふうには考えておりません。これは飽くまでも審理官意見でありまして、そういう意味で、私どもはこれを尊重したいと思います。又尊重しておるわけであります。併しながら委員会といたしまして、この調書を読み、又この意見書を読んで出すところの結論は、おのずから別なものがあり得ることは、これは当然でございまして、従いまして委員会、いわゆる私ども七人の委員といたしまして、全面的にこの審理官意見書に同意しておるわけじやないということをこの際申上げたいと思います。
  52. 山田節男

    山田節男君 調書のほうはどうですか。
  53. 網島毅

    政府委員網島毅君) この調書は先ほど長官から説明がありましたように、これは速記録に基いて作られたものでございます。私どもは一々速記録を読んでおりません。従いまして審理官の作成しましたこの調書は、これは事実のままを載せたものと考えております。
  54. 山田節男

    山田節男君 そうすると、今の抜山委員の弁明のようなことはないわけですか、事実として。抜山委員の言われたことにしても、すぐそういう訂正或いは釈明がある。そうするとほかの重要な問題に対しても今長谷長官の言われたよに編纂されたもので、審理官の主観的な立場で編集されたものというのは、これは我々は客観性がなしと思う。
  55. 拔山平一

    説明員(拔山平一君) この意見書の中で、私の問題についての場合は極く不幸な場合でして、常にそういう場合が非常に多いということはないと思います。速記録が一応公開されて、公開といいますか、我々に見せられて、これで間違いないかということになつて、そうしてそれを基礎として調書ができて、そうしてその速記録がいつでも我々に見られるようになつておればそれが一番よいのですが、それなら間違いないと思いますが、今度のような、私として誤解している、こういうふうに思うというようなことをここで公言しなければならないというのは、極く不幸な特別の場合だろうと思います。併しこういうような間違いがあるかどうかという問題をはつきりさせるには、どうしても速記録によらなくちやならない、或いは私のそのとき話した言語を又ここで繰返さなければならない。こういうことになるのですが、このために全体のこの調書なんかの鼎の軽重を余りに強くおとりにならないように、私としてはお願いしたいのですが、私のケースは私のケースでどこまでも誤解だと、こう思つております。
  56. 佐多忠隆

    佐多忠隆君 それでは改めて聞きますがね、今の審理官意見書に書いてある抜山委員に関することは別として、その場合の調書の二百二十八頁の抜山委員自身が御発言なつたとして述べられていること、このことは速記通りであつて、この事実だけは違いないというふうに確認をしているのかどうか。これをどう判断するかは別の問題です。或いはこれはむしろ拔山委員お尋ねするよりも、こういうものにまで手を入れて作成してあるのか、こういうものは速記そのままなのか、どういう扱いになつておるのかということを……。
  57. 網島毅

    政府委員網島毅君) 只今こういうものはという御表現でございましたが、これは全体は私は事実そのまま載せられたものと思います。
  58. 佐多忠隆

    佐多忠隆君 こういうものはというのは二百二十八頁の抜山委員発言……。
  59. 網島毅

    政府委員網島毅君) これは私は事実のままを載せられていると思います。但し御本人の抜山委員がおられますからお確かめ願いたいと思います。
  60. 拔山平一

    説明員(拔山平一君) 私はこれを正確にこの通りだと申上げるのは、速記録と引合わして見なくちやなりませんが、昨日から求めておるのですが、手に入らないのですけれども、大体この通りだと思います。
  61. 佐多忠隆

    佐多忠隆君 いや、それだけ伺えばよろしいのです。
  62. 山田節男

    山田節男君 それで各委員とも予算委員なり決算委員なりを兼任している人も多少あるだろうと思うのですけれども、問題の重要性に鑑みて、できれば一つ頻繁に開いて、従来参議院電通委員が持つておるこのテレビジヨン方式、或いはこれに附随して起るべき問題について、私はできるだけ繁く委員会を開きたいと思います。電波監理委員会と密接な連絡をとつて、再び標準方式決定を急ぐということをしないという條件の下に、電波監理委員会の御迷惑を最小限度にとどめてやるということを提案したいと思います。
  63. 鈴木恭一

    委員長鈴木恭一君) 委員長といたしましては、只今山田委員の申されたような御趣旨に副つて今後進めて行きたいと思います。
  64. 佐多忠隆

    佐多忠隆君 今の問題まだ打切りになつていないですね。私はまだ問題の内容には触れておらないのです、これからやるんですから。ですから中断しないようにして一つおやり願いたい。
  65. 鈴木恭一

    委員長鈴木恭一君) 承知いたしました。  本日はこれにて散会いたします。    午後四時五十八分散会