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1952-02-19 第13回国会 参議院 電気通信委員会 第3号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十七年二月十九日(火曜日)    午前十時四十六分開会   —————————————   委員の異動 二月四日委員黒川武雄君辞任につき、 その補欠として大島定吉君を議長にお いて指名した。   —————————————  出席者は左の通り。    委員長     鈴木 恭一君    理事            山田 節男君    委員            大島 定吉君            寺尾  豊君            新谷寅三郎君            佐多 忠隆君            稻垣平太郎君            水橋 藤作君           池田七郎兵衞君   政府委員    電波監理委員会    委員長     網島  毅君    電波監理委員会    副委員長    岡咲 恕一君    電波監理長官  長谷 愼一君   事務局側    常任委員会專門    員       後藤 隆吉君    常任委員会專門    員       柏原 榮一君   —————————————   本日の会議に付した事件電波行政に関する調査の件  (テレビジヨンに関する件)   —————————————
  2. 鈴木恭一

    委員長鈴木恭一君) これより会議を開きます。  電波行政に関する調査を議題といたしますが、今般新たに電波監理委員長になられました網島氏の御挨拶をお願いいたします。
  3. 山田節男

    山田節男君 委員長ちよつとその前に発言さして頂きたいと思います。  実は私電通委員の諸君に一応弁明といいますか、私の考え方を、理事としての立場について一応御了解を求めたいと思います。というのは、実は電通委員会がもう暫らく開催されておらないので、私理事として、尾崎理事は家庭の事情でお見えになつておりませんで実は困つておるところです。ところが電通省汚職事件発表等で延びておる。先週の金曜日に、十五日に電通委員会開催して頂くように鈴木委員長にも了承を得て、そういうことになつてつたのです。ところが十三日の朝、寺尾委員がお見えになりまして、どうもあの汚職事件等いろいろな問題があるので、今週中だけは電通委員会を延ばしてくれ、せめて今週一ぱいたてば、今問題になつておる電通省汚職の問題もはつきりするだろうから、来週早々にしてくれ、こういう話があつた。私も寺尾委員のおつしやることもよくわかりましたが、併しこれは私は理事であつて委員長にも諮らなければならんし、又他の委員のかたにも御了承を得なければならんから、私からそういたしましようということは言う権利はない、いずれ登院して委員皆さんに御相談をして、そうしてまあきめましよう、こう言つて登院しまして水橋委員、或いは佐多委員その他の委員をいろいろ探したのでありますが、新谷委員がおられまして、新谷委員には実は寺尾委員からこういう申出があつたということを申上げ、事情がそういう事情であれば来週まで延ばしてもいいじやないか、と新谷委員も快く了承してくれました。佐多委員にもお目にかかつたとき申上げました。水橋君は二度参りましたがお留守だつた。そこで私は電波監理委員会標準方式について先月十七日から二日間公聽会を開いた。噂に聞くところによれば、審理官意見書なり調書もできて出されたということを聞きましたので、私は早速委員長電通委員会の金曜日の開催を延期するが、電波監理委員会で今審理しているが、今審理しておられるテレビジヨン標準方式問題については結論を出さないで、国会には必ず前と同じように出すべきだ、こういうことを申入れてもらいたい。私はたしか委員部のほうにもそのことを申上げて、それを條件として私は電通委員会を延ばしました。延ばしてもいいという各位の御意向であるということを私は申した。そうしておりましたらば、たしか十四日の午後だつたと思うのですが、網島委員長から電話があつて、どうしても電波監理委員会審議されたテレビジヨン方式を土曜日に発表しなくちやならんことになつた、こういうわけです。それは困る。私は、電通委員会を金曜日にやらないで来週に延ばすということについては、それを條件として私は委員長にも電波監理委員会申入れしてもらつた。それは私は困る。こういうことを言つたのですが、どうも止むを得ないというようなことだつた。そのあくる日副委員長岡咲君から電話があつてどうしても土曜日にテレビジヨン標準方式決定して発表しなくちやならん、こういう重ねてのお話でありました。そこで、私は先ほど網島委員長に申上げたと同じようなことを言つたわけであります。ところがどうしてもこれを発表しなければならん。それで、若しどうしても電波監理委員会で自己の権限に基いて決定発表しなくちやならんというならば、それによつて決定されたことによつて起る今後の事態については、電波監理委員会が全責任を持て、持つという自信があるならば、これも権限としてできるのでありますから、電波監理委員会として、それでは止むを得ないだろうけれども、その事態については一応電波監理委員会責任を持つということを委員会に十分知らせてくれということを申した。そうして遂に発表になつたのでありますが、私の申上げたいのは、結果から見まして、如何にも私が理事として、委員会運営に対していろいろ御便宜を図らなくちやならない。それに寺尾委員からそういう申入れがあつて、その申入れを私は極めて正直に、寺尾委員も紳士である、多年御厄介になつてよく知つております。又事情も、電通省のそういう新聞に出たことを以てすぐ委員会の問題にするのもどうか、我々はそういう野暮な考えを持つていない。要は電波監理委員会の運用がうまく行けばいいという建前で実は私は電通委員会を延期した。この延期したために電波監理委員会が土曜日にテレビジヨン標準方式を突然として発表した。ここに何か私として、私自身の行動に疚しいことがあつたのじやないか、或いは場合によつて寺尾委員の何かそういう策動的なことがあつたのじやないか、私がペテンにかかつたのじやないか、こういうふうに実は思われやしないか、実は私は非常に良心に苦しみまして、併し私としては決してそういうことがなかつたということだけを皆さんに私は良心に誓つて申上げることができると思います。ただ、そういう結果で、私は誠に申訳ないと思いますけれども、そういう経過であつたということを一応私は皆様に御了承をして頂きたい、かように考えます。
  4. 水橋藤作

    水橋藤作君 私もそういういきさつは今初めてお伺いしたわけなんですが、ずつとその前に、山田委員からの委員会開催についての御相談は、一旦食堂でちよつと会いながら、近いうちにやろうぜ、うんそれはよかろうという程度でお別れしたので、その後お会いできなかつたから、その後のいきさつは存じておりませんが、只今山田委員お話では、電波監理委員会からどうしても土曜日に発表しなくちやならんということを山田委員個人連絡をとられたということがちよつとおかしいというふうに感ずるのと、それから山田委員の言われたように、委員長電波監理委員会のほうへ申入れしてくれと伝言した。それを申入れられたかどうか。この点ちよつとお伺いしたいと思います。
  5. 鈴木恭一

    委員長鈴木恭一君) 只今山田理事からお話通りでありまして、去る水曜日と存じます、金曜日に電気通信委員会を開くということに内定いたしておつたのでございますが、これを延期するようにという寺尾委員から申入れがありまして、山田理事相談いたしまして、来週に延期する、即ち今週に延期するということにきめたのであります。翌日の木曜、十四日であつたと思いますが、山田理事からテレビジヨン標準方式電気通信委員会を開くまで延期してもらうように電波監理委員会へ通知をしてもらいたいというお話がございました。私はこの決定がいつになるのか全然存じておりませんでしたですが、山田理事からの申出で電波監理委員長に通知いたしたのであります。なお、この際にちよつと申添えますが、この意見は、電気通信委員会として正式に電波監理委員会に対する申入として決定されてのことかというふうな話でございましたが、これは別に正式に電気通信委員会決定したわけではないが、会議を円満に取運ぶ意味申出でがあつたと思うし、又自分もそういう意味で申しておるのだということを申したのでございます。
  6. 水橋藤作

    水橋藤作君 そこで電波監理委員会といたしまして、委員長申入れが、山田個人申出でだという見解にお立ちになつて、その見解の下で山田委員の所へ電話で、そうしてどうしても土曜日に発表しなければならない理由があつたのだという報告をされたものと想像いたしますが、それにいたしましても、土曜日にどうしても発表しなければならんという理由がおありになることだと思いまするので、その理由と、又その当時どうしても土曜日に発表しなければならんから、一応報告も兼ねて国会報告したいと思うから、委員会開催要望される意思がなかつたかどうか。そういう点につきまして、網島委員長から御意見を伺いたいと思います。
  7. 佐多忠隆

    佐多忠隆君 網島委員長からそういう内容の問題のいきさつを聞く前に、さつきから問題になつておりますように、この委員会として、或いは委員長としておとりになつ態度に私どうも了解が行かないのですが、理事了解してくれとおつしやいますけれども委員長はとくと御承知通りに、この放送に関するテレビジヨン標準方式の問題は非常に重大な問題だと思うので、聽聞会をすでに先に開かれるはずだから、これに対する資料その他を早急に提出をして頂きたい。それでそれらを十分に検討して、当委員会としてもそれらの問題を十分に検討した上で一つ標準方式その他はおきめ願いたいから、その前に資料提出して頂きたい。その資料に基いて我々も十分に論議をしたいから、その論議を聞いた上で一つ標準方式をおきめになるならばきめて頂きたいということは、この間の委員会のときに私詳しく申上げて資料の早急な提出を御要求したつもりでおります。それらのいきさつから、私資料の早急な提出をしばしば山田理事を通じて督促いたしておりましたし、更に資料提出してもらうと同時に、それらの問題に対してどういうふうになつておるのか、決定をおやりになる前に、委員会にも十分連絡をとつて委員会にも十分論議をされる機会を作つて頂きたいという意味において、早くたびたび委員会を開いて頂くように、理事には催促していたのですが、先ほど山田理事お話のようないろいろな特殊な事情があるので、その問題のために延期をしておるのだから、この標準方式の問題とは関係がないのだ、標準方式の問題はいずれ委員会でいろいろ論議した上で決定発表して頂くような取計らいにするからということだつたから、私は今まで延期しておられたことをば了承しておつた。ところが今どうも山田委員のおつしやるような状況になつて、それでは話が違う。我々は山田理事なり、委員長がどうしてそういうことを軽々に取計らつておられて、すでに決定発表をしているのに、それを知らん顔でおられるのか、その辺がはつきりわからない。改めて一つ理事或いは委員長のその点のいきさつを詳しく御説明を願いたい。それから殊に先ほどのお話によりますと、委員長が何か山田氏から個人的な申出でがあつたから、それを單に取次いだ形で、意見だけは申述べておいたというようなお話のように受取れるのでございますけれども電通委員会としては、そういう單なる個人意見とか何とかいうことでそういう問題を処理して行くのではなく、この間の委員会空気その他をお聞きになつておれば、その点は委員長として、理事会はどうこの問題に対処しなければならんかということも十分御存じのはずだと思いますので、それらの点をもう少し委員長並び理事から詳しく御説明を願いたい。
  8. 寺尾豊

    寺尾豊君 委員長議事進行……。先ず、先ほど山田委員から去る十五日に開会する予定であつた委員会を今週に延ばした、それについて、それは寺尾委員から要望があつてこれを延ばした。併しそれに関連をして、標準方式の、電波監理委員会発表との関連において、何かそこに山田なり寺尾なりに臥しいことがありはせんか、こういつた疑惑を受けられるということについての一身上弁明のような山田委員からのお話がありました。従つてこれは私が一言その際のいきさつを申上げておくことが、更に疑惑をお持ちになり或いは不審をお考えになつている各位のために私がとるべき責任である、かように考えまして、議事進行にかつて発言を求めたのであります。これは私が委員会を一応暫らく延ばして欲しいと考えましたことは、すでに御承知通り、有力な新聞に、委員長並び電通省の次官、事務次官があたかも何かこのいわゆる不祥事に関係あるかのごとき非常に重大な報道がなされたということで、実は私のほうの自由党といたしましては、政府は支持している、而も自党の委員長がそうした忌わしい事件関連がある、こういう報道を極めて重大視いたしまして、特に私が国会対策のほうの責任を持つている関係上、委員長にもこれを質し、又網島君にもその事情を聴取して、更に警視庁と申しますか、捜査第二課の課長とも会いまして種々その間の事情を聴取をしたのであります。併しながらその際には、全然未だ靱君にしろ、鈴木委員長にも何ら容疑が現われていないというふうな捜査方面事情でありましたので安心をいたしておりました矢先に、中国電通局長杉山君が突如として逮捕せられるに至つたようなことで、我が自由党といたしましても非常にこれを重大視して、少くも両君のこうした非常に重大な報道があつた以上相当突つ込んでこれを闡明をしておく必要はないか、こういうように極めて私どもがこの問題を重視をいたしました関係上、杉山君の要するに逮捕後極めて間もないときでありましたので、いま少し司直の調査が進んで、そうして両君容疑に対しても、これが明白に、何らの疑惑もない、疑う余地もないというところまで持つて行けるならば、政府言明にしても、又委員長立場としてもよくはないか、こういうふうなことを考えまして、委員長にも相談をし、又山田委員にも相談をいたしまして、実は今週に延ばしてもらうということを了承を賜わつたわけであります。従いまして、この委員会を十五日に開催するものを今週に延ばしたということと、標準方式発表するというようなことには何らの関係も、又こういうことを毛頭私どもが念頭においたこともないということを私がここではつきり申上げて皆さんの御了承を得たい。こういう私の一身上弁明を以上申上げました。
  9. 鈴木恭一

    委員長鈴木恭一君) 只今寺尾委員から御発表がございましたその経緯につきまして、私の個人の問題が関係いたしておりますることにつきましては、皆さんに非常に御迷惑をかけておることに対して衷心お詫びを申上げたい気持でおります。別に一身上弁明を申すわけではございませんが、あの記事につきましては、私さようなことはございません。ただそういうふうなことに関連いたしまして取調が進んでおるということに対しましては、全く私の不徳のいたすところでありまして、そういうかたに対して心から相済まないと考えておる次第でございます。只今寺尾委員から申されましたように、寺尾委員のいろいろの御心配から、この委員会開催日が延期されたということに相成つたのでございまするが、丁度私も申しましたように、テレビジヨン標準方式が先週きまるというふうなことを私は少しも存じておりませんでした。又山田理事からのお話も、公聴会も過ぎて今審理官の手続もしておる際と認められるので、従来の経緯もあるので、その決定電気通信委員会開催されるまで待つてもらいたい。私も御尤ものことと存じまして、早速網島委員長にそのことを申入れたのでございます。先ほど簡單に申しましたが、そのことにつきましては、相当強く当委員会の従来の空気と又将来のこと等につきまして網島委員長ともお話申上げました。併しどうしても電波監理委員会としては土曜日に発表しなければならないというお話でございましたので、私といたしましては、それに対して命令する権能を持つておりませんので、遂に発表という結果に相成つたのでございまするが、事情事情だけに私といたしましても皆さんに対して非常に相済まないと思つております。併しその点につきましては、私といたしましてもできるだけのことはいたしましたし、その間に何ら、この決定に対して或る意図を持つてつてつたというようなことだけはないということを御了承願いたいと存じます。
  10. 寺尾豊

    寺尾豊君 私が、ちよつと訂正させて頂きたいと思います。私の先ほどの発言中、容疑について質すという問題のときに、靱君と申上げるのを網島君と申上げて、とんだこれは私失言で、(笑声)間違いでありますからどうぞ一つこの点訂正をさせて頂きます。靱君であります。
  11. 水橋藤作

    水橋藤作君 先ほど私が申上げましたように、どうしても土曜日に発表しなければならんと電波監理委員会で言われるには、何かそこに理由があつたと思う。そこでその理由をお伺いしたいということと、それから委員長電波監理委員会申入れされた日がいつか。つまり土曜日に発表される幾日前であるか、お伺いしたいと思います。
  12. 鈴木恭一

    委員長鈴木恭一君) お答えいたします。それは木曜と金曜の両日であります。
  13. 水橋藤作

    水橋藤作君 そうしますと木曜に申入れられて、そうしてどうしても土曜日に発表しなければならんと言われるには、二日間の間がありますので、その間に委員会を開かれなかつた委員長の、何といいますか、それまでの間に余裕があるのに開かれなかつた理由をお伺いしたい。
  14. 鈴木恭一

    委員長鈴木恭一君) 土曜日に発表しなければならないというのは、土曜日にきまつたのでありまして、それまでは私は考慮されるものと確信いたしておりました。
  15. 水橋藤作

    水橋藤作君 そうしますと、電波監理委員会の土曜日に発表しなければならんという、そういうあれを土曜日におつしやつたと、こういうことなんですか。土曜日に発表するので今日発表しなければならない、こういう回答があつたというふうに了承してよろしいのですか。
  16. 鈴木恭一

    委員長鈴木恭一君) 土曜日にきめたいと思うのであるが、それまでは別に電波監理委員会としては委員会を開いておられたかおられなかつたか、私の申入れに対して考慮されるものと思つてつたのでありまするが、土曜日の電波監理委員会開催によつて決定された、かように私は了承しております。
  17. 新谷寅三郎

    新谷寅三郎君 先ほど来の山田理事事情報告、それから委員長からの弁明、これは私十分に了承するのであります。要はいろいろ当委員会開催の時期について問題がありましたので、これは当時の事情からすれば遅れたことも万止むを得なかつたかと思うのでありますが、問題は私はそこにはないと思うのでありまして、水橋君が今御指摘になりましたが、私は監理委員会が何故に、当委員会においてそれほど各委員こぞつて要望があり、これは單に今に始まつた問題ではなく、昨年の十月から十一月にかけまして、この委員会としては前例を見ないほど長期間に亘つて熱心にこの問題についてお互い討議をした。而もそれについていろいろ問題が残つており、今後の十分なる研究に待ちたい。又各委員意見は十分に尊重をしてこれを取入れて行きたいというような富安委員長言明からいたしましても、この国会終つて意見書が出た場合に、監理委員会は当然当委員会に対してその内容をつぶさに説明をし、当委員会委員意見を十分に聞かれる筋合いであつたかと私は考えるのでありますが、何故にそれをこの間、委員会開催の時期が止むを得ない事情によつて遅れたというにかかわらず、今鈴木君の言われたような、土曜日にどうしても発表しなければならない、当委員会に対する報告もこれはしなくてもいい、先に発表するのだという態度をとられたか、私はそこに問題があると思うのです。我々は実は従来電通省に対しましても、電波監理委員会に対しましても、党派を超えて実は国民の利益のために協力をして参りました。これからもしたいと思つておりますが、電波監理委員会がそこまで当委員会意向を無視して当委員会を軽視するがごとき態度をとられます場合には、今後我々は今までのような気持を以て電波監理委員会には協力はできないのじやないかと、私はそういう点を強く感じておるのであります。これはあとで結構でありますが、何故に当委員会のそういう強い要望にかかわらず、土曜日という日に決定をして、その日に早急に発表しなければならなかつたか。この理由は私は十分当委員会としては皆さんに聞いてもらいたい。私もこれは極力追及したいと思つております。問題は私はそこにあると思うのであります。
  18. 山田節男

    山田節男君 今の新谷君の発言されたことに関連して、網島委員長発言される前に、私はその心がまえとしてお伺いしなければならないことは、前にテレビジヨン暫定標準方式国会に出された。たまたま我々、新谷、等尾、私はアメリカから帰つて来まして、そうして今新谷君の言われたように非常に真劍に論議した。そのときも、前富安委員長は飽くまで国会というものを尊重して、そうしてあの間の事情関係方面に直ちに発表しよう、こういうような事情があつたにかかわらず、当委員会審議といいますか、討議に対して非常に協力して、そうして次にこの委員会結論として得た、もう一遍愼重にやつてもらいたいということを言われて、そうして一月十七日に公聽会を開かれた。そうして今度富安委員長がやめられて、網島委員長になられた。そうして今度前電波監理委員長意思を全く無視した、換言すれば国会を軽視している、こういうやり方が、これは私は法律的には電波監理委員会を戒告することはできない。併しそういう態度網島委員長国会に対してとるという心がまえ、これは後ほど言いますが、今度の公聽会調書を熟読して見ますと、そこに網島委員長その他の委員の気がまえがはつきり現われておるのじやないか。これは非常に恐しいことなんです。なぜ国会を軽視したような態度に出たか。この点に対してはつきりしたことを伺いたい。それを伺わない限りこの問題について、今新谷君の言と同じようにまじめに電波監理委員会協力できない。なぜそういうことをしたか。殊に前のテレビジヨン暫定標準方式のときに、網島委員長は外国に行つておられたので、その間の事情は直接には御存じないかも知れませんが、他の監理委員からお聞きになつていると思うのです。その前富安委員長のやられた、国会に対する相当に敬意を持つたやり方について、我々はこの間全会一致を以て委員長を選任したのです。その委員長が極めて非民主的な、国会を軽視するような態度に出られたことは誠に遺憾と思う。どうしてこういうようなことになつたのか。電波監理委員会壽命幾許もないかも知れないが、そういう態度をとるということは国会に対する挑戰じやないか。先ずその心がまえからはつきりさせて、発言があれば十分発言を続けてもらいたいと思う。
  19. 佐多忠隆

    佐多忠隆君 今の山田委員或いは新谷委員の御意見には全く賛成で、私も後ほど電波監理委員会態度その他についてはいろいろお尋ねしたい問題をたくさん持つておりますが、その前に、私はやはり先ほど寺尾委員からいろいろ弁明がありましたし、主観的には勿論これとからみ合わせて会を延期されたことはないことを信じます。併し結果においてはそういう理由によつて会を延期したために、委員会審議をする前に決定発表がなされたという結果になつております。結果的に見れば委員長或いは理事のかたがたがこの委員会運営を誤まられたのだとしか私たちは思えないと思います。若しあのときに仮にそういう問題があつたにしても、この問題自体は私は非常に大きな問題だから、別途やはりこの委員会としても問題にしなければならんと思いますが、寺尾委員がおつしやつたような事情があるのならば、何もお互いに紳士的にそれはお話合いをすればその問題を暫らく論議することは棚上げしておいて、適当な時期に讓つてこの問題自体を切離して議論してもいいわけなんで、そういう意味では寺尾委員がああいう計らいをされたことが却つて逆にこういう結果を招いた。従つて寺尾委員の或いは山田理事、或いは委員長のとられたことは主観的にはそういうものではなかつたにしても、結果においてそういう結果を招いた責任だけはどうも免れないのじやないか、私はだから電波監理委員会責任を追及する前に、委員長なり理事が非常な手落をされているのじやないか、その点において委員長或いは理事はどういうふうにお考えになつておるか、その弁明をもう少し聞きたいと思います。
  20. 山田節男

    山田節男君 今の佐多委員発言に対して回答しますが、これは先ほども説明申上げたような事情でありました。それから申忘れましたが、この去る金曜日に予定されておつた電通委員会電波監理委員会だけに来てもらおうと、こういうことになつてつた。そこへ寺尾委員から電通省の問題が実は出て来て困つておるから来週に延ばしてくれと言われたときに、今度は電波監理委員会だけを呼んであるから、電通関係には関係がないからできるのじやないかと言つたところが、実は電通大臣或いは次官自体が、落着いてはつきりして来たら大臣たちも出て来て一つ説明もしお詫びに申上げたい、こういう申入れがありました。それであのときに寺尾委員から電通大臣もどうも今週中は都合が惡いというようなことで出られもしないから延ばしてくれと、こういう申入がありました。そこで私は電波監理委員会の問題だから支障はないと言つて申上げたのですが、電通大臣がせめて出てお詫びしたい、又釈明もしたい、つぶさにしたいと、こういう事情があるから一つ是非延ばしてもらいたいという申入れでありました。これは全然違う。そこで私は申落しましたが、私自身もちよつと疑念を持つたことは十五日、十六日に衆議院のほうで電通委員会が開かれた。私はたまたま十五日の委員会へ、向うへちよつと行きましたが、電通大臣が出ているのです。佐藤大臣が出ている。そこで私はちよつと寺尾委員のお言葉と違うと、こう思つたのであります。私は先ほど申上げましたように、今度開かれる最近の電通委員会において、電通大臣、次官その他が来て釈明し、それからお詫びも申上げたい機会を得たいのだから是非今度だけは待つてくれ、こういうお話つた。そこで私は先ほども申上げたように電波監理委員会だけ呼ぶのであるし、その以外は公聽会が開かれて近く結論になるかも知れない標準方式の問題についていろいろ我々も考えて見たい、こういうのでありましたから、先ほど申上げましたように、若しこの標準方式公聴会結論が出るということになるといけないだろうと思つて、私は委員長を通じてそれは暫らくそのまま委員会が開かれるまでは伏せてもらいたい、こう言つて申入れをしておいたら、先ほど申上げたように木曜日の午後、金曜日になつて実はどうしても土曜日に発表しなければならん、こういう話があつて、先ほども申上げましたようないきさつになり、それから又私は新谷委員に御連絡をし、又佐多委員に御連絡申上げましたような経過であります。これは私もそういう経過から見れば、私が最初に申上げました趣旨は、如何にも私自身がペテンにかけられたのじやないか、こういうわけです。で、若しそうであつたとすれば、これは誠に私は皆さんに対して申訳ないし、このことについて私はそういう標準方式発表されるかどうか知らないけれども、併しこれは若しそういうことがあつたら抑えておつてくれということを條件にして延期を承諾した。そうしたら間もなく、いやもう土曜日にやるんですということは、その翌日はつきり我々は知つたのです。ですからそういう点において、結果から言えば本当にペテンにかかつたような気がしますので、非常に申訳ないと私は思います。今佐多委員の言われる通りなんです。実際私はペテンにかけられたのです。これは寺尾委員を疑い、鈴木委員長を疑えば相通ずるものがあつて私がペテンにがかつたのではないか、こう思われるかも知れないと思つて、私は皆さんに最初に申上げて御了承つたのです。どうかこの気持だけは十分御了承願いたいと思います。
  21. 新谷寅三郎

    新谷寅三郎君 山田委員から御発言がありましたが、私も感じとしてはそういう感じがするのであります。併し問題は委員長理事を責めて見てもこれは取返しの付かん問題であります。私先ほど申上げましたように、問題はそこにあるのじやないと私は考えておるのであります。我々従来あらゆる法律案或いは予算案等につきまして、政府当局から実はこれは何日までに施行しなければならんのであるから委員会をいつやつて頂きたい、或いはいつまでに法律案を通過するようにしてもらいたいというような要請は始終受けております。国会としましても、或いは委員会としましても、できるだけやはりそれに対して協力をして差支えないものは何とかして早く政府要望通りに法律や予算案が通るように努力をして参りました。併し今度電波監理委員会のとられた態度というものは、実は私は非常にこの点については遺憾と思うのであります。極めて一方的な態度であります。政府側からはいろいろな法律案、予算案等について要請があつた。併し委員会側からの要望に対してはどういう理由があつたか知りませんけれども、それはあとで釈明を求めますが、我々の気持にかかわらず、どんどん自分の都合のいいときに都合のいい方法で発表をしてしまう、こういうことが現内閣の、政府の全体の方針としておやりになるのならば、私はこの政府のあらゆる法律案或いは予算等に対する態度考えなければならん、私はそう思つておるのであります。でありますから、今回の電波監理委員会のとられた措置がこれは政府全体の態度としてそういうふうな態度をとるのであるということを電波監理委員長は言われるのか、この点をはつきり釈明してもらいたいと思います。それによつて我々は今後のあらゆる法律案或いは予算に対してとるべき態度をきめようと、こう考えておるのであります。我我はできるだけ政府要望に副つて便宜を図つて参りましたが、今後そういう態度をとれるかどうかということについて、私は自分自身としては非常に疑問を持つておるのであります。重大問題でありますから、この点ははつきり委員長から言明をして頂きたいと思います。
  22. 鈴木恭一

    委員長鈴木恭一君) 佐多委員が先ほど申されました結果から申せばまさに佐多委員の言われる結果に相成つたことに対しまして、私本当に衷心より相済まないと思つております。併し木曜にも、金曜にも電波監理委員長、或いは副委員長等に対して強く申入れをしたのであります。その点について私できるだけのことはいたしたつもりでございますが、又電波監理委員長なり副委員長としましては、できるだけの措置を講じられたと私は信じているのでありますけれども、御承知のように電波監理委員会というのは委員会制度になつておりますので、土曜日の委員会におきましてそう決定せざるを得なかつた事情もあるのではないかと私は考えているのであります。その際、我々国会電気通信委員会といたしましては、それ以上私としましてもできませんので、そのままに相成つたわけでございまするが、先ほど佐多委員の申された結果についてこうなつたことに対しましては、私としては相済まないと思つております。併しその間における私の気持なり又やつて参りました事柄については、一つ了承願いたいと思う次第でございます。
  23. 大島定吉

    大島定吉君 佐多委員からの申分誠に御尤もだと存じます。なお又山田理事お話も一応結果から見て寺尾委員ペテンにかかつたというような感じを持つことも、これ又御尤もであるように思うのでありますが、寺尾委員といたしましても、私にお話ありましたことも、又理事に話したことも同じようなお話で、私にも話したのであります。さような結果から見まして、結果から見てそういつた形には相成つておりますが、寺尾委員が決してさような気持でなかつたことは私もはつきり認識いたしているのでありますが、この機会に委員長が誠意を以て網島委員長から、どうしても土曜日に発表しなければならなかつたその経過を詳細に委員に御説明つて、御納得願うよりほかないと思うのでありまして、この機会に誠意ある網島委員長説明をお願いしたらどうかと思います。
  24. 佐多忠隆

    佐多忠隆君 その前に……。そうするとさつきの委員長お話によると、委員長はこれを発表することを了承はされない、されないままに、而も委員長申入れがあつたにかかわらず、それを無視して電波監理委員会のほうは発表されたのだというふうに了解してよろしうございますか。
  25. 鈴木恭一

    委員長鈴木恭一君) お答えいたします。最後は我々といたしましては、国会といたしましては、電波監理委員会に命令するわけにはいきませんので、その点まで私は申上げているのではないということを申上げたように記憶いたしております。
  26. 山田節男

    山田節男君 これは今の委員長お話でいいのですが、重要なモメントだと思うから、私あえて反駁するわけじやないのですが、私はこういうことも委員長に申上げておきますし、委員にも私申上げておきたいと思います。この行政措置として電波監理委員会標準方式の問題を独特の立場でやつて行く、これはできるのです。これは我々も言うまでもなく知つている。ただ私がなぜ強く言うかということは、電波監理委員会一つのモラルの問題です。そこなんです。私の問題とするのは……。ですから委員長にも申上げたように、前の富安委員長が十月末から十二月にかけて国会に、ここに来て岡咲委員長以下ここに来て、あの状態をよく知つておられる。網島委員長そのときにおられなかつたにしても、この参議院で、国会で如何に真剣に国民の代表としてやつているか。この事情から見て、これはもうむしろ強制的にもやめさせるべき問題である、私はその意味であなたに強く申上げたのです。どんなことがあつても、電波監理委員会の限りでは発表することがあつちやいけないということを強く申上げておきます。この点で私は委員長が最後に言われたことは、弱腰のようであるが、私はそうすべきであると思うのです。やはりこの問題に関する限りは前国会から見ても、これはむしろ立法府として強制的にやるべきものである。ですからこの点は、委員長に強調いたしたことはこれは事実だということを確認して頂ければ結構です。
  27. 鈴木恭一

    委員長鈴木恭一君) 承知いたしました。
  28. 佐多忠隆

    佐多忠隆君 もう一遍はつきりしておくため伺いますが、委員長としてはこれをとめるわけに行かないから、それは発表することはそのままにしておいたが、了承はしておられないのだというふうに了解していいのですか。
  29. 鈴木恭一

    委員長鈴木恭一君) 了承は、了承して発表されたものではありません。
  30. 佐多忠隆

    佐多忠隆君 だから、そうしますと、委員長は、或いは委員会としては、そういう申入れをして反対していたにかかわらず、そういう事実があるにかかわらず、電波監理委員会は独自に決定発表されたというふうに了承してよろしいのですか。
  31. 鈴木恭一

    委員長鈴木恭君) はい。
  32. 網島毅

    政府委員網島毅君) 御挨拶申上げる前に、いろいろ御質問がございましたので、先ほどの御質問のありました点にお答え申上げたいと思います。新谷委員から電波監理委員会の今度とつた措置は、政府の全体の態度であるのかどうか、或いはそれと関連をなすものであるかどうかという意味の御質問でございましたが、御承知のように、電波監理委員会も広い意味政府の機関ではございますするが、これは独立の委員会でございまして、電波監理委員会設置法で明らかに規定されておりまするように、これはその決定に対しましては内閣の指図も受けないのであります。このことに関しましては、私このたび新委員長に任命されるに際しましても、総理或いは官房長官その他の大臣のかたからも、何ら電波監理委員会決定に対してこうして欲しいとか、ああして欲しいとか、その指図がましいようなことは一言も承わつておりません。従いまして今度電波監理委員会のとりました決定は、全くいわゆる内閣と申しますか、他の政府機関とは全く関係のないことでございます。これは電波監理委員会の独自の立場できめたことでございますので、その点お答え申上げて置きます。  それから何故土曜日に発表したかという御質問がいろいろなかたからございましたが、参議院において、参議院の電気通信委員会が先週の金曜日に開かれる予定のものが今週に延びた、従つて電波監理委員会標準方式決定を延ばして欲しいという御要望は、最初私は專門員室から承わりました。このときは、その御要望委員長に対する御要望か、或いは委員会に対する御要望かという質問をいたしましたところ、山田委員から委員会に伝えて欲しいというお話であるということでありましたので、私は直ちに委員全員にその旨をお伝えいたしました。それから相次いで鈴木委員長から先ほどお話のあつたようなことも承わりました。それも又私から直ちに全委員に御通知した次第であります。ところでこの煙準方式決定を何が故に皆さんの御希望もあつたにかかわらず土曜日に発表したかということにつきましては、次のような経過並びに考えを以て行われたものでございます。今回聽聞にかけました標準方式の事案は、昨年十一月に当委員会提出いたしましていろいろ御参考に供した次第でございまするが、その事案に基きまして一月十七日から三日間聽聞をやりました。そして本月の四日に審理官から調書並びに意見書が出て参つたのであります。それ以来約十日間、我々の電波監理委員会といたしまして、殆んど連日、午前午後を通じまして、この標準方式を如何に決定すべきやということにつきまして愼重審議を続けて参つたのでございます。全委員意見といたしまして、今日テレビジヨンの問題に関しましていろいろ世間各方面において関心を持つておられる、従いましてその決定に当つては最も愼重を期さなければいかん、それと同時に徒らにその決定を遷延することは、又世間の疑惑を招くゆえんである。従いまして、成るべく早くこの決定を行いたいというのが全委員の希望であつたのであります。先週になりまして大体決定結論も近ずきましたので、先週の火曜日に委員会といたしましてこの標準方式に対する内定をいたしまして、そうして土曜日にはこれが最終決定をして発表するということを、これを公表いたしました。またまた金曜日に当電気通信委員会をお開きになる御予定だつたそうでありまして、そういたしますればいろいろ御意見も承われたのかと存ずるのであります。  ところで先ほども申しましたように、專門員室及び鈴木委員長からの御希望によりまして、我々の委員会といたしましては、木曜日と金曜日、二日間に亘つてこの決定を延ばすべきか否かということを協議したのであります。御承知のように電波法の第九十四條には「電波監理委員会は、前條の調書及び意見書」、これは審理官から出て参りました調書及び意見書であります。その調書及び意見書に基いて事案の決定をしなければならないということがきめられております。従いまして、私どもといたしましては、この決定を更に延ばすことによつて、あたかも電波監理委員会がこの調書及び意見書以外の意見によつて決定を左右されるのじやないか。そういう疑惑を世間に與えやしないかということにつきましても、委員会の中でいろいろ論議が交わされたのであります。その結果、委員会全員一致を以ちまして、やはり土曜日に予定通り決定発表したほうがいいという結論になりまして、先週の土曜日にこの結論発表した次第であります。申上げるまでもございませんが、我々の委員会会議制の官庁でありまして、委員論議によりまして、その多数決によつて委員会意思決定されるのでございまして、新らしく委員長に任命された私個人意見が右であるか左であるかということによつて、この委員会意思決定するものでは絶対にないのであります。先ほど前富安委員長のときには非常に強力であつたけれども網島委員長になつて非民主的になつたというお言葉がございましたが、私は決してそういうふうに行動したつもりはございませんし、この電波監理委員会は、委員会設置法の定むるところに従いまして、委員皆さんの御意見従つて委員長としての職責を果したに過ぎないのであります。以上のような次第でございまして、これは当委員会の御希望なり、御意思を無視したとか、或いは挑戰的に出ているというようなお言葉もございましたけれども、我々委員会としては毛頭そういうことは考えておらないのでありまして、ただ法律の命ずるところによつて行動しただけでございます。何とぞ御了承をお願いしたいと思います。
  33. 山田節男

    山田節男君 今の網島委員長弁明といいますか、釈明を聞いて、経過報告を聞いて、これは非常な私は電波監理委員会のサボ……意思的なそういう行動があつたということを証明していると思う。一体先ほど申上げましたように、この電波監理委員会からテレビジヨンの暫定的な標準方式を出したが、公聽会をやつておられたのに今の電波法九十三條ですか、これによつて出されたものか、暫定標準方式は。前富安委員長の下における電波監理委員会は、参議院の電通委員会でいろいろと意見を申上げた結果もう一遍やり直す、今度はもうこの法律の命ずるところによつて電波監理委員会決定に基いてやつた、法の命ずるままにやつた。それで済むかという問題です。これはあなたはずつといらつしやらない。けれども岡咲委員長以下は知つておられる、この状況は全部……。それを今度は法の命ずるところによつてやるのだ、国会報告をする義務はない。それで済むかということを最初からあなたに、私は弁明される前に根本的なあなたの態度を知りたい。少し強いけれども国会に対する挑戰である。これに対して、あなたは今の電波監理委員長としての御説明ではますます電波監理委員会は、我々が疑つているようなものであるということを証明したことになる。これは私たちは單に遺憾であるというだけじや済まされない非常に大きな問題がある。なぜ富安委員長がやられたようなことを網島委員長はおやりにならないのか、そこなんです、知りたいのは……。
  34. 新谷寅三郎

    新谷寅三郎君 関連して……。網島委員長からの一応の御説明がありましたが、これは私はあなたにお尋ねをしたことに対するお答えにならぬと思う。九十四條に書いてあります「調書及び意見書に基き事案の決定を行う。」という意味は、これはお互いにこの法案を出されたときから審議したのですが、調書及び意見書にないような事柄については決定を行えないということを書いてあるものと私は了解しているのであります。つまり今、網島君の言われたように調書意見書にないものを勝手に委員会で以つてそういう勝手な案を作つたりすることを、これはしていないのであります。聽聞会というものを尊重する趣旨から出ている規定である。これは何も今言われたような、早く土曜日に決定しないと電波監理員会が調書並びに意見書に基かない決定をするのじやないかというような疑惑を招くというようなことはとんでもない話である。電波監理委員会がみずから自分の職責を自覚しないからそういうことになる。私はこれは理由にならぬと思うのです。又委員会会議制だと言われます。全くその通りでありまして、これは網島委員長個人的な問題として私は言つているのではないのであります。併し委員会の各委員に対して一人々々こういつたことについての説明を求めるわけに行きませんから、委員会を代表しておられる委員長に対して私は申上げておるのであります。網島個人の問題では私はないと思います。併し山田君の言われるように、この委員会では数カ月来この問題については実に真劍に国民的立場から検討を進めております。又我々委員会としましては先ほど来申上げたようにあらゆる事案につきまして政府側の要望に基いて、随分委員会としては無理をしてでも、政府側の要望に副つて審議を進めて参りました。当委員会のこの問題に対する希望意見というものがどういうものであるかということは、あなたがた十分に御承知のはずです。それをですね、今言われたような單なる何と申しますか、私から言えば理窟にならないと思いますが、そういう事柄によつて委員会の希望意見というものを無視されて、土曜日にどうしても発表しなければならなかつたという理由は、私はまだあなたの御説明によつては納得できないのであります。我々国会委員会をやる場合におきましても、或いは本会議があるとか、他の委員会があるとか、いろいろ差支えがある場合が多いのであります。併しそれは差繰りようによつては如何ようにも差繰れる、できるだけの協力をしておるというのはそこなんでありますが、委員会は一度木曜日と金曜日に発表を延ばすかどうかということについて審議をしたけれども、今言われたような二つの理由からして、やはり土曜日に発表しよう、つまり本委員会に何らの報告も、何らの打合せもしないで発表してしまうというような決定をされたということについて、私は電波監理委員会の諸君は、而もそれは全会一致であつたというに至つては、今までこの委員会で、網島君を除いて他の委員のかたがたがたびたび審議関係しておられる、一体この委員会の今までの審議をどういうふうに思うかということについて、やはり私は根本的な疑念を持つのであります。そこに強い私は不満を持つておるのであります。
  35. 水橋藤作

    水橋藤作君 只今の説明で、どうしても土曜日に発表しなければならない、委員会のまあ、全会一致できまつたと言われること、これはまあ一応別問題といたしまして、監理委員会としては聽聞会なり、或いは公聽会なり、あらゆる立場意見を総合し、そして意見書或いは調書なるものがかく決定されましたが、それにつきまして先ほども皆さんがおつしやる通り、当委員会は昨年の十一月から何回にも亘つて最も愼重に審議し、而も三委員がアメリカのテレビジヨン問題につきましても、特に研究されて愼重審議したはずなんであります。それにその結果が、委員会の結果としては、私は方式をきめるにはどうするかという決定はまだ見ていないのであります。で、委員会決定によつてどうするこうするということはなくとも、せめて参議院の電通委員会空気を十分反映されることこそが、あらゆる機会、あらゆる方法を十分考慮し、又参考にして方式をきめたということは言い得ると思うのです。そこでやはり国民の代表たる、而も專門的に、特に專門的に当委員会テレビジヨン問題を重視し、又米国政府の援助も要望しつつ、今日まで来たにもかかわらず、最後にこういうことになつたことは非常に遺憾だと思いまするが、併しながら、恐らく意見書なり調書なり、或いはあらゆる方法を考慮して決定されたのですから、その際に当委員会決定を、どういうふうに決定されて、方式をおきめになつたか。委員会委員長は不在でしたろうが、委員のかたがたが参議院の空気はどういう……、結論は出しておりませんが、どういう方向に動いているのだという見解に立つて決定をされたか、お伺いしたい。
  36. 岡咲恕一

    政府委員岡咲恕一君) 山田理事お話のうちで、私多少御理解の点で誤解がおありではないかと思いますので、その点先ずお確かめしておきたいと思います。と申しまするのは、富安前委員長の時代に、昨年、確か十一月の始めであつたかと思いまするが、過日聽聞会にかけまして、テレビジヨン放送に関する受信の標準方式案というものを御披露いたしまして、いろいろ御検討を煩わし、新谷山田水橋、その他の各委員から極めて熱心にこの問題を御研究頂きまして、前委員長始め私ども非常に深い感銘を得たのでございます。その御披露申上げました標準方式案は、聽聞会を経て決定いたしたものでございますので、これは電波監理総局が主として研究をいたし、各方面関係者の御意見を斟酌いたしまして試案を作りましたものを、電波監理委員会提出いたしまして、私どものほうで聽聞会にかける試案として一応決定いたしたものでございます。で、これはしばしば山田委員新谷委員から御指摘もございましたように、我が国のテレビジヨンのあり方に関する非常に重大な決定でございまするが故に、前委員長も当委員会の各委員の御意見を率直に承わりまして、そうして将来私どもがこれを決定する際の参考に十分いたすという心構えであつたことは、恐らく当委員会委員長初め、委員のかたも御了承頂ける点でなかろうかと思うのでございます。で、約一カ月問いろいろ熱心に御討議の結果、私どももいろいろこれにつきまして考え、更にこの標準方式のみならず、そのほかのテレビジヨンのあり方につきましても、いろいろ決定をいた次第でございまするが、標準方式つきましては、一応委員会決定いたしましたし、とにかく聽聞会を開きまして、利害関係者そのほか一般の御意見を承わるということにすることが適当である、かように考えまして、臨時国会の最終の当委員会の開会されました際に、富安前委員長からさようなことを、その趣旨を申し伝えまして、皆様がたの御了解を得たかと考えておる次第でございます。で、電波監理委員会におきましては、去る一月十七日から三日間聽聞会を開きまして、そうして網島委員長から申しましたように、その聽聞の結果につきましては、調書及び審理官意見書電波監理委員会提出され、その調書及び意見書に基きまして、私どもは試案の決定をいたした次第でございます。で、網島委員長から申しましたように、私どもは、この委員会としては、決定は專ら調書及び意見書に基いて行うべきものと、かように了承いたして考えた次第でございます。新谷委員はこの点に関しまして、この枠の外に出ることはこれはいけないけれども、他の意見を広く斟酌して、調書に現われない他の意見を顧みることも決して許さないことではないというふうな御解釈のように承わつたのでございまするが、私はこの聽聞というものを非常に重大に考えまするので、少くとも電波監理委員会決定いたしまする際には、この調書意見書に基いて決定を行わなければならない。それ以外の意見なり、或いは資料というものを調査研究するということは、却つて法律の趣旨を誤まるものではなかろうか、かように考えておるのでございます。この決定に関しましては、私は利害関係者から異議の申立を許すものと考えておりまするし、又この異議の申立のある際に、その決定電波監理委員会が更に決定をいたすわけでございますが、この決定に対しましては訴えを提起することも許される次第でございまして、而も訴えの審査、審議の対象になりまするのは專ら調書に限定される次第でございます。従いましてこの調書にない別の材料というものを委員会決定資料にいたしますことは、法律の予定していないところではなかろうか、かように私は了解いたしているのでございます。従いまして、網島委員長から申しましたように、調書意見書提出されました以上、私どもは專らそれに基いて決定をいたして行くつもりでございまして、当委員会委員長、或いは山田理事から私のほうにお電話がございましたし、まあ成るべく先週の土曜日に決定をいたすことを変更して、もう暫く決定を延ばしたらどうかというふうな御注意と申すよりむしろ御要望、御希望というふうに申上げたほうが正確かと思いますが、相当強いお言葉もございました次第でありますが、私ども国会からさような申入れがあることによりまして、決定を延ばすということになりますと、電波監理委員会が法律の命じております調書及び意見書に基いて事案の決定を行うということに対して、忠実でないのではないかというふうにも考えられる節があるように考えるものでございます。(「そんな馬鹿なことはない」と呼ぶ者あり)で、網島委員長から申しましたように、私どもはたしか先週の火曜日だつたと思いますが、一応検討すると同時に、最終の決定をしようということを決意をいたしまして、これを一般にも発表いたしました次第もございまするし、土曜日になりまして全員一致を以てこれを決定いたした次第でございます。  それから先ほどちよつと申上げました臨時国会に御披露いたしましたものは、聽聞案の最終事案というふうに申上げましたのは私の言い間違いでありまして、聽聞案として決定しようとしているものを御披露いたしたのでございます。その点は言い間違いでございますので訂正いたしておきます。
  37. 新谷寅三郎

    新谷寅三郎君 岡咲委員長の御説明は、私が今申上げたのを全く誤解しておられるのですが、私は電波監理委員会決定は九十四條にあるように、「調書及び意見書に基き事案の決定を行う。」という意味は、電波監理委員会決定する場合に調書及び意見書から外れたことを決定ちやいけないということを書いてあるだろう、法律の趣旨はですね。ですから電波監理委員会決定については、それはあなたがたの言われる通りです。併し網島君の説明によると、何か監理委員会がそれを外れて決定をするような疑惑を招く慮れがあるから早く発表したい、こうおつしやるのですが、私はそれは納得できないと言つているのです。私は、電波監理委員会が九十四條によつて決定されるのは当然のことであるけれども、そんなことは今更ここで御意見を聞くまでもない、併し私が読んだところによりますと、この聽聞会の調書ですね、これには大体我々が今まで主張したり意見を出したことは、殆んど全部これに盛られている、私たちはこれを全部読みました。ですから私たちは、別に特別にむずかしいことを言つているわけでもないし、妙なことを言つているわけでもないと私は思うのです。私は決定内容について言つておるのではない。この九十四條があるから土曜日にどうしても発表しなければならなかつたということは説明にならないということを私は言つておるのですが、あなたがたが九十四條によつて決定したのは言うまでもない、当然のことです。そういう意味で私は言つておるのではないのですから、今あなたのお答えは、私の質問に対する答えとすればそれは見当違いの答えである。それから国会のほうからの要望があつたから延ばすと、如何にも九十四條から外れた決定をするように疑惑を招くというようなことがありましたけれども、私はそんなことは、これはもうあなたがこの国会というものに対してどういう考えを持つておられるかという根本問題とからんで来る非常に重要な問題であると思います。私たちは何ら利益を代表しておりません。国会の者は特別の利益を代表してそうして何かあなたがたにお願いをするとか、要望するというようなことはこれはないのです。そういう前提に立つて考えになつておるとすれば、非常なこれは間違いです。我々国会議員としましては、少くとも政策を決定する場合に、その政策の大綱は国会によつて決定するのです。ですから職権もあるし責任もあるのです。そういう意味において我々はその法律の規定に照らしてどういう結果になるかは別として、如何なる場合でも、我々としては政策の決定については発言そしなければならん。国民の利益を代表して発言をしなければならん。そういう意味において我々はいつも審議しておるのです。国会要望に従つたから、何か九十四條に触れるというようなお考えは、国会というものに対する見方があなたは少し違うのではないかと思います。而も内容については、今まで私どもがここで発言をしたことは大体この聽聞会の各利害関係者ですか、或いは参考人等によつて皆述べておられることが大部分です。だから調書によつておるということも私は言えると思う。それをどこを心配するのか、従つてそういうことのために土曜日にどうしても発表しなければならんということは、依然として私はわからない。
  38. 山田節男

    山田節男君 網島委員長は御不在であつたが、少くとも岡咲委員長は昨年の十一月過ぎ以来始終出ておられた。その結果について今岡咲委員長の言われることは、法理的の問題はいざ知らず、最初に国会に出された時に、これは試案である、意見であると言つておられる。これが重大問題である。試案でも、国会に出された以上は、これは関係方面のOKを得て発表しておるということになる。それがいけないというのが問題である。而も初めに申上げたように、これはあなたがおられたかどうか知らんが、富安委員長が、実はこれは二十四時間以内に発表しなければならんことになつておるのだということを言われた。それを私はとめて、こういう程度でテレビジヨンのスタンダードの方式をきめてはいけません。これはアメリカの一九四〇年から四一年にかけてやつたナシヨナル・テレビジヨン・システム・コミツテイ、これで十分だというものでなく、本決定でもいいから、そういうものを一月や二月でできるものではない。殊に承わると八月下旬に電波監理委員会がこのテレビジヨン標準方式に関する調査方針をきめた。そうして九月、十月になつたら試案として出すという、そんな軽卒なことをしてはいけない。あのとき我々が口を酸つぱくして言つたことは、こんな重大問題に対して軽卒なことをしてはいかんから、よく論議して、正式に立派な諮問委員会、或いはアメリカのナシヨナル・テレビジヨン・システム・コミツテイのことを以て十分検討してやりなさい。それを嫌がるのを富安委員長が、こうして我々の要請によつてこういう立派な諮問委員会を作られるようなことになつた。けれども発表したところを見ると、何だかテレビジヨン懇話会というような名前で、十名ばかりの各界の代表者を集められた。我々は非常に失望した。我々が議論して電波監理委員会にお願いしたことが懇話会ぐらいのものでやるというのが実は不満である。ところが一月十七日から公聽会を開かれてやつたが、今度は……去年はそういうふうな正式のことをやつておらなかつた。そうしてわあわあ騒いでおきながら、今度我々のアドヴアイスに従つて愼重にやられた。その結果を国会報告する義務はない、我々は勝手にすればいいじやないか、これで済むか、そこなんです。従つてども網島委員長に最初に、一体国会に対する態度というものをはつきりして頂きたいということを申上げたのは、その点なんです。
  39. 佐多忠隆

    佐多忠隆君 今のに関連しまして、網島委員長は当委員会にも諮り、意見も聞くつもりであつたが、時日の問題として当委員会が延期になつたので、その機会を逸したのだというような御意見も出たようですが、どうもそういう御意見が出やしないかと思つたから、さつき私は委員長なり理事のこの扱い方に対してこの責任をどうお考えになるかということをしつこいまでに追及したのだが、果せるかな網島委員長はそういう答弁をされた。併し委員長はとにもかくにも一応諮るつもりであつたようなことをおつしやるが、副委員長においては、諮ること自体がこの法律に反するのだというような発言をしておられる。非常にこれは重大な問題だと思うのですが、一体そのいずれであるのか、それから先ずお尋ねをしたいと思います。先ほどから委員長、副委員長とも、その調書及び意見書に基いて事案の決定をしたとおつしやいますが、私は実は当委員会に入つたのはつい最近でございますが、この調書なり意見書を読むと、むしろ反対に決定をなされるほうが当然で、そういう意味から言つても、調書或いは意見書に基いて決定しておられないと極言しなければならないようなことになるように私は少くとも思うのです。その一々については更に後ほど詳細に一つ質問をしたいと思いますけれども、その前に一体この決定を行われるときに委員長の言われた気持、或いは副委員長の言われた気持、その食違いはどういうふうにお考えになつておりますか。その点から先ず承わりたい。
  40. 網島毅

    政府委員網島毅君) 只今佐多委員お話の点につきまして、私先ほど申上げたことを多少誤解されておるかと思いますので、もう一度申上げたいと思います。先ほど申上げたことは、これは速記をお調べになればわかると思いますが、私の申上げた趣旨は、先週の火曜日に、電波監理委員会は土曜日までにこの標準方式決定するということを公表した。たまたまそのときは私どもには参議院の電気通信委員会開催日はつきりわかつておらなかつたのでありまするが、たまたま金曜日に当委員会をお開きになるということがわかりましたので、それならいろいろ又御意見も伺う機会もできて好都合だというふうに考えておつたということを申上げた次第であります。
  41. 佐多忠隆

    佐多忠隆君 そうすると、ただたまたまそこで開かれるから一応しやべらしてやろうという程度のことをお考えになつてつたに過ぎないので、飽くまでも当委員会意見その他は全然無視してこれは決定する予定の行動だつたのだ、その意味においては副委員長のお考えと全然同じだつたというふうなお気持なのかどうか。
  42. 網島毅

    政府委員網島毅君) 先ほど山田委員からもお話ございましたように、私は昨年の八月から十二月まで留守にしておりました。その間当委員会電波監理委員会との間のお話合いにつきましては存じておりませんでしたが、併しこの問題を今回電波監理委員会においていろいろ協議、審議した際におきまして、事前に国会の御意見を聞いてからきめる必要がある、そうしなければならないという意見は、委員会において一つも出なかつたと思います。従いまして参議院の委員会において御意見を伺つてからきめようということにはならなかつたわけであります。
  43. 山田節男

    山田節男君 去年のいわゆる試案として電波監理委員会国会に出したもの、そのときに意図されたものは試案だつたと思うが、今度きめられたのはやはり暫定的な筋のものですか。
  44. 岡咲恕一

    政府委員岡咲恕一君) さつき私は御訂正を申上げましたのですが、聽聞にかけました事案の決定の経過を申上げますると、当局のほうで案を検討いたしまして委員長から当委員会に御披露申上げましたように、一応司令部に試案として提出いたしまして了解を求めたものであります。ところが総司令部のほうでは、その了解を與えまする際に、この試案を早速委員会では決定して、確か二十四時間と申しましたか、四十八時間と申しましたか、割合短かい期間内に、是非公表をしろというふうな希望を述べられたのでございまするが、富安委員長は非常に愼重を期せられまして、先ず委員会決定いたしまする前に、この試案を当委員会に御披露いたしまして御検討を煩わした次第でございます。で、一カ月ばかりに宣りまするいろいろ御意見を拜聽いたしましたあとで、委員会はその試案を聽聞会に提出いたしまする事案として決定をいたしまして、そうして聽聞会を開催することになつたのでございます。聽聞会につきましては、先ほど来申上げましたように、各方面意見が極めて詳細に発表されまして、審理官はそれに基いて意見書を作成し、電波監理委員会提出いたしたわけであります。私どもはその調書意見書に基きまして、先週の土曜日に決定いたしたものでありまするが、これはいわゆる電波法に基きます電波監理委員会の規則として決定をいたしたのでございまして、規則として制定いたしまして近く公布になると思いまするが、公布されますると、それは勿論試案ではなしに、確定的な一つの基準といたしまして国民を拘束することになるわけでございます。先ほど新谷委員から御注意がございましたが、電波法の第九十四條にございまする「事案の決定を行う。」と申しまするのは、この調書及び意見書に基いて勿論事案を決定いたすのでございまして、この事案を決定いたしますにつきまして、私どもは広くいろいろ意見を聞くということは、これは私は適当なことかと考えまするが、最終の決定をいたしまする際には少くともこの調書及び意見書に盛られているところのいろいろな資料を斟酌して、專らこの資料によつて決定するということがこの法律の私どもに命じているところである、かように考えるのであります。多少申上げ方がまずい点がございまして徹底を欠いたかと思いますが、先週の火曜日に、私どもはすでに最終の決定をいたす段階に到達した、かように考えまして、いろいろな準備もございまするし、土曜日を目途として最終決定を行うということをきめまして、これを公表いたした次第でございます。さような関係もございまするので、私どもは既定方針に従つて土曜日に最終決定をいたした次第であります。その間に若し当委員会が開かれまして皆様がたからいろいろ御意見を承わることができれば、勿論その意見を私どもは心の中に深く銘ずることは、これは勿論やぶさかではございませんし、むしろそれが適当かと思いまするが、すでに調書意見書によつて最終決定をいたすことが可能な段階に立ち到りながら、電通委員会からの御希望がありましたということによつてこの決定を延ばすということになりますると、私は多少この法律に命じておりまする調書及び意見書について事案の決定を行うということに対して、やや義務を怠るというふうなそしりがあるのではなかろうかというようなことも私ども考えまして、土曜日に決定いたしたのでございまするが、新谷委員は、この政策決定ということも頻りと申されるわけでございまして、国会の国民代表としてのいろいろの御経験、御意見というものを承わることは非常に大切であるとは勿論考えておりまするが、事実基準標準方式は電波の質及び技術基準に関する事項でございまして、これは私が電波法によりまして電波監理委員会がこの規則を以て制定いたすということになつているわけでございます。この限度におきましては、その政策決定電波監理委員会責任において決定されなければならない事項であるというふうに考えますので、私どもはその責任遂行に対して、少しでも怠慢であつてはいけないというふうに考えまして、すでに最終決定をいたすべき段階に到達したが、これを延引するということは如何かと考えまして、土曜日に決定いたした次第でございます。  それからちよつと申落しましたが、調書及び意見書を検討いたしますると、新谷委員御指摘のように、臨時国会におきまして御開陳になりました様々の意見は、殆んど洩れなくやはり調書の中にも出ているわけでございまして、私どもはこの調書をつぶさに検討することによつて国会標準方式に関する御意見も十分斟酌し得ると考えたのでございます。
  45. 山田節男

    山田節男君 私の質問申上げたのは、昨年の試案として出されたものは、電波監理総局で以ていろいろ研究して、正式の公聽会にもかけないものを、それを関係当局のアプルーバルによつて公表しよう、こうしておつた。ところがそう軽々しくしてはいけない、愼重にやれということで、細かい点を作り、今年になつて初めて公聽会を開き、それによつて調書意見書というものを作つてきめた。そうすると去年の国会に出された試案はですね、成規の手続を経ておるものではない。公聽会も何も経ておるものではない。ただ電波監理総局の試案だということを言つておる。そういうものを公表してオフィシャルなものにするというようなことでは、それではいかんということで我々が盛んにここで議論して正式に今度やつた。すると一体去年のこの試案を公表するというのは、どういう意味で公表するつもりであるか。少くとも今回きめられたものと去年に国会に出された標準方式とは、全然違うのじやないかと思う、意図が。法的に考えても正式の公聽会を開いてない、昨年出されたものは電波監理総局の單なる試案に過ぎない、而も関係当局は二十幾日に発表しろ、正式の手続を経たものでない、公聽会も何も経てない。今度は正式に公聽会を開いて調書意見書によつてきめた。そうすると今年電波監理委員会標準方式に対する態度というか、方針は違うんですね、これは一体どういうことでこういう事態なつたか。
  46. 岡咲恕一

    政府委員岡咲恕一君) 山田委員のお尋ね、ちよつと私了解しかねる点がございますので、昨年当委員会に御披露いたしましたのは試案という言葉でございまするけれども、聽聞にかけまする事案としての試案でございます。こういうふうなこの事案について聽聞会を開く、白黒式テレビジョンに関する標準方式案、この案を聽聞会にかける、この聽聞会にかけるべきこの案を発表しろということを司令部が申したわけでありますで、当委員会に御披露いたしましたものは委員会が聽聞案としてかけ、最終決定いたします以前に一応検討を煩わしまして、いろいろ御意見を承わりたいと思いましてかけたものでございます。そうして臨時国会の最終の委員会におきまして、富安委員長も申しましたように、あの御披露いたしました案を、聽聞会にかける案としてその後電波監理委員会決定いたしまして、そうして審理官を命じて、審理官が一月になりまして聽聞会を開いた。そうしてその聽聞会の結果によりまして、電波監理委員会が最終の決定をいたした、その最終の決定が先月の土曜日に行なつたものでございます。
  47. 新谷寅三郎

    新谷寅三郎君 いろいろ話が脇のほうに行くのですが、又政府委員の答弁もですね、なぜ土曜日に、二、三日の期間を待つこともできないでやつたかということにつきましてはです、いろいろ答弁が変つて来る。従つて私はどれが本当か解釈に、信ずることに困難を感じて来るのですが、結論的に言いましよう。結論的に言つて電波監理委員会国会側のそういう要望があつたけれども法律に従つてつたんだ、正しいやり方だ、今後もそういう方針でやるんだということをここで主張しておられる。その点をはつきり伺いたいと思います。私どもはですね、我々の委員会、本会議等の運営につきましては、国会法の命ずるところに従つてつておる。若し今のような態度で法律上何ら差支えないものである。行政権限はあるのだから国会報告は必要がない、やつてもいいのだ。如何に要望があつても自分たちの責任でやるのだ。これが正しいのだ、こういう御見解で今後あなたがたが仕事をやつて行こうと言われるのか、私はそうじやない、そうあつちやいけない。これは單に技術基準とおつしやるけれども、もつと大きな政策的な意味を持つておる。経済的にも考えなければならんし、それから対外的の問題も起つて来るだろう。内容は今詳しく山田君の言われたように、具体的にあなたのほうに質問をしますけれども、広汎なものだから、要するに大きなテレビジョンの政策を決定するものだ。将来それに対する予算或いは法制というようなものがこれに伴つて出て来るだろう。にもかかわらず技術基準だけは今言つたように技術基準であるのだから、これは権限内において、国会意見なんか別に聞かなくてもどんどんやつていいんだ。こういうふうなお考えで今後もお進みになり、又お進みになるお気持か、この点最終的にあなたがたの気持を聞いておきたい。
  48. 佐多忠隆

    佐多忠隆君 ちよつとそれに関連して……、この問題に関連しますが、政令であるとか規則であるとかいうことは、国会審議を経ないでもやるのだというような態度のみならず、むしろそういう問題については国会審議をしてもらつた意見を聞いたりすることのほうがむしろ法律に反するのだというような御意見と私は拝聽したのです。その点も併せて、新谷委員の御質問に関連して明確に一つお答えを願いたい。
  49. 網島毅

    政府委員網島毅君) 只今の新谷委員佐多委員の御質問にお答えいたします。申すまでもなく国会は国民の代表であります。従いましていわば国民の委託と申しますか、国民の委託を受けて行政をやつておる私どもといたしましては、国会の御意見を十分お聞きし、又それを尊重して、この行政の上に反映しなければならないということは、これは申すまでもないことだと思つております。併し一方、又私どもには国会がおきめになつた法律の枠の中で、法律の條項に従つて行政をしなければならないということも明らかであります。従いまして、私どもといたしまして、法律にきめられた枠の中で、又法律によつて與えられた権限の中におきまして、できるだけ国会の御意見を聞いて行政をやつて行くということには恐らく私どもも他の委員も全く同感じやないかと思うのであります。不幸にして今回はたまたま当参議院電気通信委員会開催日が変更になつたためにこういうような問題が惹起したのでありまするが、今後はできるだけ事前によく私どもも当委員会連絡をいたしまして、こういうことがないようにしたいものと考える次第であります。  それから次に佐多委員の御質問でございまするが、御承知のように規則の制定は法律によつて電波監理委員会権限として委任されております。併しながら、やはりその規則の制定に当つて国会皆さんの御意見をよく伺つて、万遺漏なきを期するということは、これは当然でありまして、先ほど申上げた趣旨に則りまして、できるだけ今後は皆さんの御意見を伺う機会を持ちたいと思つております。但し御承知のように、行政には時間という問題も入つて来る場合も多々あるのでございまして、場合によつて皆さんの御意見を一々お伺いする機会までにその権限の中において決定しなければならないことも多々あるかと思います。併し、できるだけ皆さんの期待を頂きまして、そういうふうにして行きたいという考えであります。
  50. 新谷寅三郎

    新谷寅三郎君 網島君からの御答弁ですが、気持はわかりましたが、それならば、私は、だから先ほどから答弁がまちまちになつてよくわからんと言うのですが、あなたは先ほど自分はよく知らなかつたけれども、外遊してよく知らなかつたけれども、どの委員からも国会側に報告しなければならんというようなことは一人も発言をしなかつた。たまたま委員会が開かれるということで、その際には報告もできるだろうと思つてつたというだけで、あなたがたのほうから自発的に委員会報告しようということは何ら考えていなかつたというようなお話が先ほどありましたね。私はそれを言つているのです。それで今御答弁の中で、電通委員会が延期されたから、報告する機会を失したのだと言われるけれども、それは、あなたがたの初めからのお考えがその通りなんですね。報告しなくてもいいと思つておられた。その点私は申上げておるのです。それから第二に、まあ行政というものには、或る程度時期というものを考えなければならん、それはその通りだと思います。併し本件に関しまして、先週の金曜日から今週の火曜日まで四日間ある。その四日間という日にちを延ばすことによつて国民がどれだけの不利益を受けますか。あなたがたもやはり国民全体の利益を考えてやつておられるのだと、そう思います。四日間延ばして国民の代表である我々の意見を聞くということを考えられるほうが、四日間延ばすことによるその利益のほうがずつと私は多いだろうと思います。でありますから、そういう点から言いますと、私はどうしてもあなたがたが土曜日に発表しなければならなかつたのだという点が依然として私は了解できないのです。その点は今日ここで更に伺うのが本筋でありますけれども、時間の関係でそこまであなたがたに伺うことができなければこの次の機会でもいいですから、その点を私はもつと明瞭にして頂きたいのです。あなたがたが、それは間違つたのだ、自分たちの今まで、今度やつたことが間違つてつたのだということを言われるなら、これはもうどうもしようがないのです。併しそれが正しいのだという主張をしておられるなら、なぜこの四日間を遅らすことが不可能であつたかという理由については、私は依然として了解できないのです。その点若し簡單にお答え願えればやつて頂きたい。
  51. 水橋藤作

    水橋藤作君 先ほどから説明をいろいろ聞いておりますと、我々感じるのは、技術方面であり、特殊な電波監理委員会にかけられた仕事の内容である、標準方式をきめるのは。従つて政令に基いて委員会がやつたのだというふうに聞きとれるのですが、我々委員会といたしましては、やはりこの標準方式をきめることによつて、対外的、或いは国民経済に及ぼす影響、又経済、文化、日本の要するに予算に関連するというような大きな面で、方式決定することが先ほどから申上げましたあらゆる方面に影響があるのじやないかということを、真劍に考え審議しておるわけなんで、ただ技術方面だけは電通委員会関係はないのだという考え方は、我々は納得できないのであります。併しながら考え方によつては、これは技術方面国会が特殊な利益代表でないのだからして、これは監理委員会決定して、その運営とか或いはいろいろな面は又国会に諮らなければならんというような考え方もまああると考えるのであります。従つて本日は二時間に亘つてこの問題を検討いたしましたが、これ以上いろいろその面について議論してもあれですから、この次に廻しまして、この次、近いうちに委員会を開いて、経済に及ぼす問題とか或いは文化方面とか、その標準方式がきまつたことによつてその及ぼす国民への影響等につきまして真劍に我々は検討したいと思いますので、この次の委員会にそういう方面で質問することにして頂く動議を提出いたします。
  52. 鈴木恭一

    委員長鈴木恭一君) お諮りいたします……。
  53. 山田節男

    山田節男君 ちよつと待つて下さい。今の、水橋委員はこの標準方式決定したものだというお話ですが、これはちよつと私異議があります。先ほど網島委員長からの御説明があつたように、行政府としては委任された限度で行政行為をなすことは申すまでもない。電波監理委員会の大半の諸君は、アメリカへ行つて実際F・C・C、連邦通信委員会公聽会を見ておられる。私はあちらへ行つて公聽会を見、又特殊なモデル公聽会まで見て来た。今の電波監理委員会考えておることは本当に民主的でない、従来の官僚主義の暴露だと思う。この公聽会調書の中で、記録を見ても電波監理委員会がどうも民主的でない、これは抜山委員がこの中で、この公聽会の席上で以て電波監理委員会は大きな事務局を持ち、人員なり施設を持つておればどんどんやつておるのだ、だからそういう標準方式の周波数帯幅の問題よりか、団体或いは個人の利害の関係があるあの特許権のような問題をやればいいのだ、こういうことを言つておる。これは審理官の最後の結論にも、これはどうもけしからんと言つておる、そういつたようなことに今の電波監理委員会は、従来の日本の一番惡い官僚の典型的なものを暴露しておる。これは何故我々スタンダードの問題をしつこく問題にするかと言えば、これは岡咲委員長が今言うように、技術基準の問題に過ぎない……、数百億の金が文化及び政治経済のあらゆる革命を起す、單なる技術基準以上の問題があるから我々は問題にしておる。それをただ我々は技術的にやればいいというようなところに、今の電波監理委員会考え方が非常に非民主的なところがある。これは富安前委員長に重ね重ね申上げておる通りなのです。自分だけで結論を出すべきじやない。ナシヨナル・テレビジ  ヨン・システム・コミテイがやつておるように、あれほど長い間かかつて、学者とかあらゆる代表が出て、そうして一つ結論的なものを出して、それを如何ですかといつて、それを採用するというようなもので、それが同時にF・C・Cの決定になるのです。今回のこれを見ても審理宮の意見書なんかを見ても、それから調書を見ても、そこに電波監理委員会が従来の日本の惡い官僚主義がまざまざとここに出ておる。この意見書を見ても、去年の十月末に出したものを無理やりに押し通したというようにしかとれない。公平に見て……。我々が標準方式の問題についてこれほどしつこく言うのは單なる技術基準以上の問題、これは国民全体に対して非常に大きな問題だから申上げる。この点が、我々はもうそれは知らんのだ……さつき新谷君が言われたようにそれはもう済んでしまつたのだからお前ら黙つておれというのなら、我々は我々として、国会として考えがあるということを申上げる。ですから今水橋委員が言われたように、標準方式がもうすでに決定したのだ、これに対して質問するというような段階で今日この委員会を終局することは反対です。
  54. 佐多忠隆

    佐多忠隆君 いろいろ御意見もあると思いますが、時間の関係もあり、さつきから問題になつておる先ずなぜこれを早急に決定しなければならなかつたかといういきさつについて何ら説明がなされていないので、もう一遍それはよく委員の間で話をまとめて正確な御報告を願いたいことと、それからもう一つこの委員会審議をどうお考えになつておるのか、この点に対して電波監理委員会はどういう態度をとろうとしておちれるのか、この点についても先ほどから意見が必ずしも一致しておらないし、いろいろ食違つておるようにも思いますので、それらの点を改めて明瞭に他の機会に御説明を願いたい。それから更に内容に入るというようなふうにお取計らい願いたいと思います。(「賛成」と呼ぶ者あり)
  55. 鈴木恭一

    委員長鈴木恭一君) それでは本日はこの程度で散会してよろしうございますか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  56. 鈴木恭一

    委員長鈴木恭一君) 本日はこれにて散会いたします。    午後零時四十四分散会