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1952-03-28 第13回国会 参議院 通商産業委員会競輪に関する小委員会 第1号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十七年三月二十八日(金曜日)    午前十一時二分開会   ————————————— 昭和二十七年一月三十一日通商産業委 員長において小委員を左の通り指名し た。           大野木秀次郎君            田方  進君            中川 以良君            結城 安次君            山内 卓郎君            栗山 良夫君            島   清君            境野 清雄君 同日通商産業委員長は左の者を小委員 長に指名した。    委員長     結城 安次君 二月四日委員大野木秀次郎君及び田方 進君辞任した。 二月十三日委員中川以良君辞任につ き、その補欠として古池信三君を通商 産業委員長において指名した。 同日通商産業委員長において松平勇雄 君、重宗雄三君及び松浦定義君を委員 に指名した。   —————————————  出席者は左の通り。    委員            古池 信三君            松平 勇雄君            栗山 良夫君            島   清君            境野 清雄君   委員外委員    小林 英三君   説明員    通商産業省通商    機械局車両部車    両課長     畔蒜嘉一郎君    通商産業事務官    (通商産業省通    商機械局車両部    車両課勤務)  寺久保三郎君   参考人    日本プロフエシ    ヨナル・サイク    リスト連合理事    長       菊池 宣次君    日本プロフエシ    ヨナル・サイク   リスト常務理事  重政 幸春君    日本プロフエシ    ヨナル・サイク   リスト常務理事  田村 利男君            山下 直子君   —————————————   本日の会議に付した事件 ○自転車競技法実施の状況に関する件   —————————————
  2. 島清

    委員長代理島清君) それでは只今より競輪に関する小委員会を開きます。本日は前回の小委員会における申合せによりまして、主として選手問題を中心としての研究を進めて参りたいと思います。先ず選手側を代表いたしまして出席参考人より競輪法改正に関する一般的意見の開陳を願いたいと存じます。出席されておられまする参考人は、選手連合理事長をやつておられまする菊池宣次君、更に常務理事重政幸春君、同じく田村利男君、選手山下直子君、更に通産省通商機械局車両課長畔蒜嘉一郎君が見えておられます。それでは菊池君から発言をお願いします。
  3. 菊池宣次

    参考人菊池宣次君) それでは自転車競技法改正に関する意見書を、私たち選手からお願いいたします意見として御説明申上げます。  競輪三年間の歩みがこの競輪の直接運営者たる施行者並び振興会、我々選手という間にありまして、三者が最善の努力を盡したにもかかわらず、現行競輪実施に当たつてはいろいろな諸問題が惹起されているということは、少くともこの競技法にどこか欠陥があるのではないか、そういうところにおきまして鋭意研究した結果、私たち選手立場において改正法案に強くこの意見を申述べ、そうしてこの改正をして頂きたいというあり方からいたしまして、我々競輪選手衆参両院通産委員並びに各関係官庁に対して昨年来請願陳情いたして参りました。本参議院通産委員会競輪に関する小委員会において審議されている通産省提案改正法案においてすら、選手の問題に対しては少しも考慮されておりません。そもそも競輪が完全に運営される要件は、選手会競輪を構成する施行者振興会相互人格を尊重し、三位一体となつて協力関係を結ぶことが競輪の健全なる発展に寄與するゆえんであります。現行競輪法規において重要な構成要素であるべき選手会法人格を容認されず、法的根拠に基かざる隷属関係に置かれていることは、競輪の完全なる運営を阻害する大きな障害となつております。選手会法人格を與え、職務分離責任分担明確化して競輪運営せしめることが競輪運営の最緊要事であると思います。現在この競輪実施面より見た改正要点を申述べれば次のようなことになると思います。  一といたしまして、競輪施行に当り職務分離責任分担明確化して頂くこと。これは法律的根拠に基く選手団体人格承認と、選手資格認定出場に関する選手会責任制確立教育機関自主的運営、二といたしまして法的根拠に基かざる隷属関係是正、三、みずからを規制し、みずからの技を磨き、人格向上を図る制度確立化、四、競輪関係団体連絡協議に基く健全実施確立化、五、保障制度確立化。大体以上のことが我々選手といたしましては、今度の改正法案に是非織り込んで頂きたい要望意見であります。以上であります。
  4. 島清

    委員長代理島清君) 只今菊池君から概略の説明がありましたが、もう少しこれの詳しい補足的な説明が願えれば非常によろしいのではないかと思います。例えばここに改正要望の第二に挙げられておりまする法的根拠に基かざる隷属関係是正なんというような、ただこういう抽象的に言われたのでは、非常に私たちも理解に苦しみまするので、それを他の参考人諸君からでもよろしいですが、この要望点についてもつと補足的な説明がなされれば非常に好都合かと思います。どなたからでもかまいません。
  5. 菊池宣次

    参考人菊池宣次君) この第二の法的根拠に基かざる隷属関係の……。
  6. 小林英三

    委員外委員小林英三君) 今の委員長のおつしやつたように……。
  7. 島清

    委員長代理島清君) 菊池君、今私は法的根拠に基かざる隷属関係是正というような抽象的ではちよつと呑込みにくいので、という例を申上げたので、あなたたちがこの改正に関する要望意見というものが(一)から(五)までありますが、これをもつとくだいて補足的に説明願えたらという意味なんです。ですからあなたからでもよろしいし、重政君からでもよろしいし、田村君からでもよろしいし、山下君からでもよろしいし、どなたからでもいいわけなんです。もう少し掘り下げて、くだいてもらいたい。
  8. 菊池宣次

    参考人菊池宣次君) ちよつと御質問したいのですが、この大体現行実施されておる現実から考えられる点を御説明すればよろしいのですか。それとも選手只今この現行競技法におきましては、自営者ということが認められておるわけでありますが、併しながら選手団体としては何ら規制がないわけです。そういうふうな根本的な選手要望をここにまとめて御説明すればよろしいのですか。
  9. 島清

    委員長代理島清君) そうです。まああなたたち選手として競輪実施に一役を分担しておられるわけですが、その実情よりましてですね、かくあるべきということがまあ大体ここに五項目くらい上げているわけですが、これをもつとくだいて説明してもらえればよろしいので、例えばここにみずからを規制し、みずからの技を磨き、人格向上を図る制度確立化というのがありますけれども、然らばこういうことはどういうことを目標として、どういうところに今それがなされないところの欠陥があるかというようなことを説明してもらえばいいわけです。
  10. 菊池宣次

    参考人菊池宣次君) これは現行競技法から申しますと我々は個人には自営者という建前で認められております。ですから参加の場合も、これは個人として一応競技者として参加ができるのでありますが、実際そういうふうな選手としての資格はどういうふうな形で得られるかと申しますと、これは競技法に規定してありますところの振興会連合会登録されなければ我々の資格というものは得られないわけです。そうしますと競技者の私たちといたしましては少くともこの登録選手としての資格を得るためには相当努力相当の期間を費してここに切瑳琢磨するわけであります。併しそういう面が果して振興会がタツチしてやつて頂いておるかと申しますと、これは絶対そうではないのであります。これは選手自体競技者として、又競技者の先輩なり又はそういうふうな一つ競技者のクラブなりに依存して、そうしてあとは自分努力によつてここにその資格を得るわけです。そういうふうな事実が把握して頂けなくて、重なる一つ資格においてこれが登録されると、又登録された後においてもこの選手としての日常が余りにも我々の意思に反するようなことが非常に多いというところに、何か私たちスポーツマンでありながらスポーツマンとしての日常を過すには、余りにも嚴格な一つ規制があるというようなことが多いのであります。そういうことは飽くまでもこの競技に当つては、競技者自体がみずからそういうふうな責任を負い、又みずからがそういう競技者として、この競技に当つてはこれを全うするというようなあり方において私たち競輪参加いたしたいということであります。
  11. 島清

    委員長代理島清君) 菊池君、例えば四に競輪関係団体連絡協議に基く健全実施確立化というのがあるのですが、この競輪関係団体というのは大体どういう団体のことを書いているのか、ただこういうことを謳われるのじやわからないから、だからこういうところをちよつとくだいて説明してもらいたいということだつたんです。
  12. 菊池宣次

    参考人菊池宣次君) 競輪関係団体と申ますのは……。
  13. 小林英三

    委員外委員小林英三君) 今折角この競輪法改正が将来行われようとしている機会で、参考人としてお出でになつている皆さんの御意見を十分に聽取したいというわけで今日の会合が開かれたのだろうと思いますから、はつきりと一つその意見を述べてもらいたいと思うのですが、例えば今の改正要点の中の第一の、競輪施行に当つて職務分離責任分担明確化というので、法律的根拠に基く選手団体人格承認、それからその次の選手資格認定出場に関する選手会責任制確立、それから教育機関自主的運営、これは具体的に言うとどういうことをおつしやつており、御希望になつているのでしようか。例えば選手団体人格承認ということ、その他具体的に言うとこういうふうにしてもらいたいのだ、こういうふうに改正してもらいたいのだ、それを……。
  14. 島清

    委員長代理島清君) 参考人に私から聞きますが、今の選手会、例えば私たち門外漢がのぞきます選手会だとか、それから互助会ですか、そういうものがあるが、そういうものは何も団体としての人格が認められていないので、更に何か財団法人とか何とかいつたようなそういう法律に基いて選手会なら選手会互助会なら互助会という人格を認めてそれに基いて選手が結集したい、こういう意味なんですか。そこのところがちよつとわからないのです。
  15. 重政幸春

    参考人重政幸春君) 一の競輪施行に当り職務分離責任分担明確化、この御説つ明を申上げますと、一の法律的根拠に基く選手団体人格承認、この問題は我々選手競輪開始以来過去三年間独自のチームや地域別選手会団体によつて運営して参りましたが、丁度一年前からこの全国的な統一を図つて、我々の社会的な地位の確保と選手の人権を主張しようではないかとこういうことから選手連合体というものが生れて参りました。それでこれを現在の競輪運営に当る施行者振興会連合会通産省、こういう関係団体の御承認を頂いて、我々の発展をその運営の中に盛込んで頂きたいということで一年前からやつて参りましたのですが、他の諸団体がみんな法的に裏付けを持つた社団法人であり官庁であり、それぞれの資格を持つて臨まれるのでありますが、我々は任意選手会団体であつて、如何に我々自身が正しいと思つて叫んだことも受入れられずに現在まで来たわけです。こうなつた以上は我々としても法的なしつかりした裏付けを持つてこの競輪運営に参画さして頂きたい、それがこの一の我々の意味でございます。
  16. 境野清雄

    境野清雄君 大体今選手会諸君からお話があつたので、私の方からこれを逆に質問的に……、それから私の方は今拜見しましたこの意見書に対しての私のほうの解釈を申上げますから違つておりましたら一つ御訂正願いたい。要するに私はこの一の競輪施行による職務分離責任分担明確化というもの第一は、今お話のありました通り従来自転車連合会振興会連合会というようなものは、いわゆるこの法律的な一つ資格を持つておるけれどそれを選手諸君は持つておらない。そこで前に何か陳情書が来ておりましたときに、連合会の下へもう一つ選手会というものを入れてくれと、こういう申入れがあつたように記憶しておるのですが、その選手会確立させその選手会自体法律的に認めてもらいたいんだと、こういう要望だと思いますが違いますか。
  17. 島清

    委員長代理島清君) 何か発言したいときた発言を求めてそれから発言して下さい。
  18. 菊池宣次

    参考人菊池宣次君) 只今のお説の通りであります。
  19. 境野清雄

    境野清雄君 第二番目の選手資格認定出場に関する選手会責任制確立というものは、いわゆる従来の選手資格というようなものに対しての権限が殆んど振興会にあつた、そこで新しく今第一の問題で選手会作つたという場合に、或いは選手会法律的に認めてもらつた場合には、選手資格認定その他に関してのものを、従来の振興会責任から選手会分離してくれ、選手会に持たせてくれ、こういう御要望解釈してよろしうございますか。
  20. 菊池宣次

    参考人菊池宣次君) さようでございます。
  21. 境野清雄

    境野清雄君 第三番目の教育機関自主的運営というもは、これは私の思い違いかも知れませんが、今振興会のやられておるNCCのようなものに対しての運営まで選手会のほうでやりたい。言い換えれば現在の試験制度その他のようなものに関し、又この教育機関としてのNCCのようなものもその選手会自体がやるべきじやないか、こういうようなふうな解釈でございますか。
  22. 菊池宣次

    参考人菊池宣次君) そうであります。
  23. 境野清雄

    境野清雄君 二番目の法的根拠に基かざる隷属関係是正というのがあるようですが、これはまあ私どもは考えますと、前にこんなような陳情も私は見たと思うのですが、やはり先ほどちよつとお話がありましたように選手自営者だというような形にはなつているが、これが本当職業選手としての地位を確保していない。併し半面には自営者であるがために例のこの参加料なり旅費なりといいうものが税金の対象になつておらない。出張旅費のようにせられておつたりしまして、税金問題その他の問題もあつて一応もとはあなたがた自営者というものを御承認なすつたようなふうに私どもは聞いておるのですが、これが自営者でなく本当の野球と同じように職業選手だというようなことを確立して頂きたい。言い換えれば振興会に隷属しておるものじやないんだ、こういうようなふうな申出でのように解釈してよろしうございますか。
  24. 菊池宣次

    参考人菊池宣次君) 只今お話ちよつとあれしますが、選手が飽くまで自主性を持つた競輪界におけるところの三者といううちの一つの、その中の一つ団体としてであります。
  25. 島清

    委員長代理島清君) 菊池君に私から聞きますが、今境野さんがおつしやつたようにあなたたち出場すれば、この前も競輪の小委員会で問題になつたのですが、一体選手諸君出場した場合にはどういう法的な立場において出場しているんだということが問題になつたんですが、その時に、その出たときだけに雇用関係が成立するんだろうというような明快を欠いた答弁がなされたわけですが、思うに諸君選手としてこういうことを取上げておりまするところを見ると、その他にもあろうかと思いまするけれども出場した場合に明確な法律的な根拠を持つて出場したいとかという個人的なことなのか、それとも今菊池君の説明を聞いておりまするとそうじやなくしてその団体としてそうありたいというのか、団体としてありたいというならばそのことはちやんと一番の方に謳われておりますが、そことこれとが矛盾するのですがそれはどうなんですか。
  26. 重政幸春

    参考人重政幸春君) 我々選手自営者である限り雇用関係ではなくて、飽くまでも団体契約によつて行いたいと思つております。
  27. 島清

    委員長代理島清君) だからその団体的に契約はするかも知らんが、併し出場するのは一人々々の個人選手なんですね。個人選手だからして或いは誰と契約するか、或いは施行者側と或いは連合会側とやるのかはわからないけれども契約に当るのは選手会なら選手会が或いは当りたいというような希望なのかも知らんが、併しその出場した場合の法律的な権利、義務ということはこれは個人片々が負うわけですからね、個人々々が。だからその個人を指して言うのか、更に個人を指して言うならば意味がわかるけれども団体的だということになればあなたたちもここにちやんと選手団体人格を認めてもらいたいという、これをしてもらいたいという、これとこれとの矛盾があるのだが、これはどういうわけだということを境野さんが聞いておられるわけですね。それはあなたたちが何か選手会というものが法的に認められて、或いは財団法人とかという公益法人の形を志向せられるかわからないけれども、そういうことの熱望境野さんがおつしやつておられたように陳情請願を受けておりますが、その熱望ということがわかるわけですが、ここに殊更に法的根拠に基かざる隷属関係是正ということは、個人丸々がそうありたいという意味なのか、団体としてそうありたいという意味なのか、恐らく境野さんは個人々々がそういうような立場に基いて選手として或いは出場し、或いはその競輪参加したいという個人的な法的の根拠を持ちたいというような意味境野さんは解釈したいが、それで了承してよろしいかという境野さんのお話ですが、そうじやなくして団体だという意味の第一番の問題がここに重複して来るわけですね。いわゆるここをはつきりしてもらえばよろしいわけなんです。
  28. 栗山良夫

    栗山良夫君 今選手諸君が何か法的な根拠のある団体を是非とも持ちたいということを主張しておられますが、これは現在の法律でもすぐ私はできる問題だと思うのです。それは例えばあなたがた自営者ではありますけれども、ほかにも多数の例がありますが、今日国が法律を以て認めておる勤労者の広汎な保護法規として労働法というものがあることは御承知の通りだと思う。従つてその労働法の運用によつてあなたがた選手労働組合というものを結成せられて、そうしてその労働組合というものは国の完全な法律による資格を持つものでありますから、その組合振興会との間においてその競輪に対するいろいろな運営の問題について協議をせられて、そうしてそれをはつきりと法的拘束力を持つものにせられれば、十分にあなたがたの考えておられることが僕は成り立つと思うのですけれども、そういうことを勉強せられたことはございませんか。
  29. 菊池宣次

    参考人菊池宣次君) 私たちは現在の法的な自営者という建前がありますので、参加の場合も任意契約というような考えかたになると思うのでありますが、それが実際面においては雇用関係的な処置をとられておるわけです。そういうところで自営者であるような、雇用関係を結ばれるような、非常にあいまいなんです。これが法律に基いたときにはどちらに解釈していいのか、はつきりと私たちには解釈できないのです、現在の現行のものは……。
  30. 栗山良夫

    栗山良夫君 現行競技法に私はかかわらないでできると思うのです。それはあなたがたのいわゆる選手として、スポーツマンでありまりすけれども、やはり一定の收入を得ることを前提にしてやつておられる仕事なんですから、従つてそういう形で同じ立場にある人が一つ組合を結成する。そうしてその組合を国家に登録をすれば、はつきりした一つ法律の庇護を受けるところの団体になるわけです。その団体自分の考えておることを振興会のほうと打合せをして、そうして、はつきり契約として取り交して、相互にその契約の内容について確認し合えば、それは当事者がそれぞれ責任を持つて実行しなければならん。それでどちらかが実行しないときには、これはやはり争議を起すことも許される、そういうようなかつこうでやられることが一番私は手取り早いのじやないかと思います。
  31. 重政幸春

    参考人重政幸春君) 我々選手資格を公的に承認して頂けないといけないという理由は、施行者二百六十、振興会が四十数個というものを数えておる現在、我々ここに労働交渉を持つということは非常にむずかしいと思います。それと相互責任においてそれを実施すればよいというお話ですが、我我選手自己団体登録したことを認めて頂かずに、振興会連合会に我々の資格登録して、この上に立つてお互い責任の追及とかいろいろ交渉をした場合には、我々選手はどうしても弱くなるのじやないかと思うのです。例えば現在我々登録選手互助会というものをここ一年間に亘つて作つて参りましたが、その基金が七千数百万円たまりました。我々選手としてはこれに対する活溌な運営要望し、これの監査も非常は要望したのでありますが、振興会連合会選出互助会役員発言によつて、我々選手会発言というのはことごとく受入れられなかつたわけであります。これにおいて見てもそのお話交渉中に、現在出ている君ら十二名、十三名の選手のみが登録選手じやないのだ。こういうことになると、我々自体選手会自体登録している場合には、如何なる強権をもつて発言してもこれは発言できることと思いますが、一応自分登録自分の首を半雇用関係のような形態で自振連に預けている場合、それ以上の強力な発言は我々にはできないと思うのです。ですから飽くまでも法的な根拠の下に我々の団体というものに対さなければ、お互い責任において完全な運営ができないのじやないかと思うのです。
  32. 栗山良夫

    栗山良夫君 その振興会等がたくさんあつてまとまりにくいというお話があつたのですが、それはり全国一本にして選手のほうも一つ団体を作る。それから振興会も東京の中央にあるのを一本にして話をして、原則的なものを全部とりきめて行くということにすればちつともさわりはないわけであります。いわゆる原則的なものがとりきめができていない。今あなたがここで御説明なつた一から五までのこういうような原則的なものがちつとも話合いがつかないというのは、やはりそういうところに欠陥があるのじやないですか。
  33. 重政幸春

    参考人重政幸春君) 今のお話は御尤もな、私たち社会一般常識では当然のことと思われますが、我々は常識的な線で選手としての過分な発言ではない、これならば当然の我々の権限だろうと思つて、例えば十五連敗の撤廃、我々競輪選手というのは十五回連続着外に落ちると首になる、こういう問題があつたり、賞金制度改正についても一応施行者振興会連合会そこに加うるに当然選手会相当発言力があつてもいいと思います。これについても正当な理論に基いてお話してもいい、我々の意見というのは今まで曽つて一回も通つたことがありませんのです。    〔委員長代理島清君退席、松平勇雄委員長席に着く〕  常識で判断すればそうあるべきだ、こういうお話でありますが、現実には我々の言う発言は何も通つておりません。例えば今回の選手における配分の問題でありますが、我々選手にとつてはこの配分というのは唯一の收入の糸口であつて、この配分を頂いたから必ずこれで生活の安定が立つとか、生きて行けるとか、いうこと問題ではないのです。この生理的なコンデイシヨンによつて非常にその收入差はあるのですが、その配分基本数量さえ一定されずに、全国振興会施行者希望配分によつて業者は月に四本乘せてやろう、四競輪場以上乘せてやろう、敗者においての出走はおおむね一本という弱い線で規定されておつただけです。現在の選手数競輪場数のバランスをとりますと、最高乘者が四本乘れれば、必ず四本より少い選手は非常に食えないというような選手が出て来るのです。非常に上位者は四本乘れば、人気があればこそ多数の要望があるのであつて、成績もよくなり收入もよろしいのですが、過半数の選手は忌避された選手の中に入りまして非常に收入が少くなることと思います。いろいろな面から申しましても常識的に我々が言つたことが往々にして取上げられずに、君らはまだ組織を作る力がない、まだ君ら自体でどうしようと思つても無理だ、こういうようなお話で我々は今まで進んで参りました。例えば互助会運営に当つて互助会の基金は御存じの通り我々血と汗でかせいだ賞金の中から五%その場その場で蓄積して参りました。それの運営は自振連から十三名、選手会から十二名で、選手会として当初考えた問題としては、飽くまでも互助会選手会の第一事業目的である、別個団体ではないのだ、互助会選手会連合の中の大きい事業の内容の一つである。外に共済制度あり、競技研究部あり、こういう意味で医療給付とか共済部とか、これを総称して登録選手互助会こういうことで我々からお願いして、その基金の徴收を連合会並びに全国自転車振興会にお願いして作りましたものですから、これの運営に当つても我々は非常に未熟な点もありますし、発言においても、機構においても確かに未熟な点はありましたが、今後選手相互福祉のために、これに使つて頂きたいと、強力に発言を何度我々が持つてつても、その委員会において我々の発言が通つたことはまだありませんです。こういうことはですね、お互い資格において発言するのであつたならば相当発言も通ると思うのです。一方的に登録権を委ねた相手と我々選手と話したところで、終局には一方的な結論に終るのではないかと思います。まあ以上のような点から配分の点又選手会活動、労働交渉の、問題もできることでしたら、是非我々を法的な裏付けを以て御承認頂きたいと思つております。
  34. 栗山良夫

    栗山良夫君 これはもう少しあなたがたの実際の選手全国的な配置だとか、いろいろなものを聞かせて頂かないと私もすぐ御返事ができないわけですが、全国選手全部が、例えば競輪選手従業員組合とかですね、競輪選手組合とか名前はいろいろありましようが、少くとも一つの団結権或いは団体交渉権、そういうものを設定し得るような組織を作るということはできるわけなんでしよう。
  35. 重政幸春

    参考人重政幸春君) 今の話の、我々が組合組織を作るということは、これは我々の内幕の話でありますが、先般行われました選手会長会議で以て議決しましたのですが、我自体自営者として、完全な裏付けがこれ以上認められないならば、現在の社会で我々自体自営者として、完全に生きることが認められないならば、じや我々いつそ労組組織に基いて組合を結成してはどうか、そういうような話まで出て、確かにそういう方法も一つの方法じやないかと思つておりますが、ただその場合には、先ほど申上げた、現在行われております法的根拠に基かざる隷属関係是正というこの問題は、いつそ法的裏付けでそういう組合組織を結成して、認可を受けて、公認団体として我々が雇用者と雇用関係において闘うのだと、これ又闘争できるのですが、現在我々が税金の対象とか一応社会的には自営者という建前になつておりますが、いざ競技とか、いざ收入の面になると、例えば連合会からお前はどこどこへ走れ、来月はどこどこへ走れ、これは我々には拒否する権限は持つておりますが、併しこれを拒否すれば、我々はそれによつてその一カ月か二カ月というものは食えないわけです。又私が一昨年盲腸を手術いたしましたが、盲腸治癒後六カ月というものは、これは雇用関係にあれば、必ず組合組織内の救済と雇用者からの手当というものは出ると思うのですが、我々このことについては自営者という建前から何らその時出ておりません。六カ月間は妻子四人が全く無收入で生活していたわけです。これは小さい個々の選手会によつて、いわゆるチーム組織によつて先輩と後輩の間で助け合つて現在まで進んだのであります。一年前からこういうことをしようじやないか、今お話のあつたように、この組合運動も再三考えますと、若しこれ以上我々が認められなければ、雇用関係を結ぼうじやないか。労組に参加して我々自体雇用関係を結んで頂きたい、こういう考えを持つていますが、ただ現在は非常に、この第二項にあります通り、理論的には自営者であり、一応権限も持たされ、発言の自由もありますんですが、実際生きるということに対して非常に弱い立場に置かれております。
  36. 栗山良夫

    栗山良夫君 それで、あなたがたは今選手全体の生活の確立ということを目標にして、いろいろな競輪の経営のことについても、或いは選手個々の收入の点等についても、選手としての意思をもつてと強く反映して行きたい、そういうことを強調しておられるんですけれども、現在の私は競輪界の状況を見ましても、選手のそういう強い要望を達成して行く途は、これはやはり法律的に定められた団結権、或いはそれに基く団体交渉権、こういうものが設定せられなければ、これは恐らく本当に不可能だ。だからそういうものが作られて、そして現在、別にあなたがた振興会のかたが言うことを聞かないから、一つ全部ストにして、どの競輪にも出ないんだというようなことを、しよつちゆう何もやられる必要はないけれども、そういう裏付けを持つてやられる、裏付けを持つて交渉されるような組織を作らなければ、なかなか事はうまく行かないと思うのですよ、話合いでは。従つて全国的なそういう組織を作ることが選手会としてできるかできないか、そういうことができるかできないかということは、法律的ではございませんよ、あなたがた選手会全体の実情がですね、そういうことが可能であるとするならば早く作られる、そしてその組合に対して、この競技法がそういうものの発展に対して阻害になるような項目があれば、それは国会の議を経てそういうものが十分伸びて行けれるように修正を加えればよい、私はそういう工合に考えるのです。
  37. 重政幸春

    参考人重政幸春君) 今、先生の組合お話は御尤もと思われますのですが、我々自体が断固として何もストをやるまでもなく、相互の力で以てこれに対抗すれば理論的には勝てるのでありますが、我々自体飽くまでも個人プレイヤーであり、チーム・ワークの問題を、野球とか相撲の部屋制度とか、そういうような選手ではなく、現在我々の競輪運営の実態は、労働者と雇用者、こういうような関係からはちよつと成立しにくいものと思われます。たしかに我々自体の自覚も及ばない点もあるとは思いますが、できることでしたらそういうような特殊な競技という関係から、我々の登録権というものを根本的に認めて頂いて、法的に裏付けを持たして頂きたい。そこでなお且つ我々の団結権で以て競輪組織に寄與したいというのが我々の信條でございます。
  38. 島清

    島清君 ちよつと今のに関連して……、こういうことですか、今栗山さんの御質問になりましたことは、六千人の選手全国にいて、そこでこれが固まればどんなことでも団体交渉できるはずだがということは、これは最も近代的な見方にお立ちになつお話、これ当然ですが、併しながらあなたたちが止むを得ないということは、結局選手であるということは、登録等によつて資格は認められておるが、然らばその資格に基いて職業として出場する場合などは、これは何か法律関係じやなくして、それを離れた力関係によつて、例えば連合会なら連合会施行者なら施行者側のほうに一々頭を下げて一顰一笑に服さなければ自分競輪選手として職業維持をして行くことができない。それは法律関係じやなくして、何といいますか食うためといいますか、或いは職業的な力関係といいますか、それに基いてその自由意思とは離れてさせられておるから、その出場する場合においてもさような法律的な資格根拠に基いて競輪選手として競技参加したいと、こういうことですね。つまり繰返して栗山君がおつしやつたように、労働組合を作つて団体交渉をすることもできることではあるが、相成るべくはその前に法律的なさような資格を持つて健全な競輪に寄與して行きたいということなんですね。できればできるんですね。やればできるし……。
  39. 重政幸春

    参考人重政幸春君) 先生の言われる通り、我々やる意思は持つておりますが、先生のお話もありました通り、我々自体が向うにその登録権を委ねております関係上非常にむずかしいことだと思われます。それと非常に我々が、先生のお話のように生きるということで弱い、振興会に或る程度抑えられた形で生きているのではないかというようなお話でございましたが、これは理論的には我々自営者であり、拒否することもできますが、例えば現在の配分状況を御説明申上げますと、我々選手がどこどこへ行けという場合に、希望配分制度に基いて、先ほど説明申上げましたが、希望配分になつております関係上、我々自体競輪場を忌避することはできないのであります。忌避すると、その收入のあれも来なければ、我々には代りの配分も参りません。併しその施行者乃至振興会が、これこれこういう選手は欲しくないという配分を忌避する権利を持つております。これは我々には見えないところなんです。
  40. 島清

    島清君 配分とは何ですか。
  41. 重政幸春

    参考人重政幸春君) 選手が次々どこへ出走しろということで、連合会から通達が参りますのですが、現在その配分制度は、連合会全体で五千名の選手のバランスを見て図るのが、これが主体なんであります。五千名の出走割りを配分するについて、各地の希望に応じて選手を送つておるわけです。そうすると自分希望されない場合がある、相手方から忌避されるような場合も往々に向うの内部にはあり得ることです。これは選手から何もそれに対して察知したり、又これを是正する機関もないわけです。
  42. 栗山良夫

    栗山良夫君 そこで先ほどお尋ねしておる、島さんが大分細かく質問されたので明らかになりましたが、結局こういうことだろうと思うんです。あなたがた今やりたいと思つておられることが、山ほど選手立場からあるわけです。不満と思つておられることがある。それは選手配分のようなことにまであるわけです。ところが残念ながらその登録権を選手会が握つていないというところに一番弱点がある、こういうことなんですね。そこでこれは法律関係することなんだけれども選手登録権というものは、選手会というものが一つの権威ある例えば今の団体交渉権を持つたような団体ができるということを前提にすれば、選手登録というものは、そういうような団体が推薦したものについては振興会はもう殆んど無條件で登録を受理しなければならないような法律改正を行う、こういうことにすれば、すべて選手の自主的な登録運営は、そういうあなたがたの作られた組合がやつて行く、こういうことになるわけですね。そうい、うような形になつてそこに初めて選手の身分というものが保障される、法律的にも保障される。そしてその保障された団体によつて振興会とあなたがた組合との間において、この競輪を明朗に運営し、而も選手の生活も保障する、又振興会のほうの收入も補償する、そういうように完全に対等の立場に立つての話合いのできるようにして行く、そういうことに進んで行くわけじやないんですか。
  43. 重政幸春

    参考人重政幸春君) 先生のお話通りでございます。
  44. 境野清雄

    境野清雄君 大体今選手諸君お話を聞いて納得はでき得るんですが、そこに一つ大きな考え違いを選手諸君がしておられるのじやないかと思いますのは、いわゆる選手会の方の諸君から言わせまするなら、法律の中へいわゆる選手会を認めてくれれば、それによつて選手会自体が非常に強固なものになり得るんだと、こういうような解釈ですが、私ども解釈はそれとは逆で選手会自体がもう少ししつかりしたものである、選手会がしつかりしたものであつて振興会なり或いは施行者なりと相拮抗できうる基盤ができておるものなら、我々は法律の中に選手会を入れまして、そうして選手会自体がいわゆる今の選手配分問題、或いは保障制の確立というようなものを一々取上げまして、そうして登録権なら登録権というようなもの自体についても選手会に渡すということに対しては、我々は決してやぶさかではない。丁度通産省当局も来ておりますが、役所のかたも、課長さんなんかも私は同じ考えであろうと思う。ただ選手会自身が、今、現在の御報告のあつたような程度では、法律として私ども選手会を認めるという段階に至つていないのじやないか。一つの例を挙げれば、選手配分というような問題にしましても、今連合会なら連合会のやつておりますものを、あなたの方でやればこうやるんだ、こういうふうにやつて、いわゆる選手配分ができ得る、こういうような問題も一つ建設的な議論がありまして、それがどうしても振興会の方でこういう立場で受入れないというような問題になつてくれば、私どもはもつといろいろ考えられる。又選手に対する保障制の確立というようなものでも、現在選手に対する事故補償額というのが通産省から出ておりますが、こういうものに対して、死亡なら死亡というものに対する施行者振興会連合会互助会というもののこの出し方が足りないんだ。これをこのくらいにすればいいんだというような問題、そういうような問題についてもう少し私は選手会の方でお調べ願つたらどうか、そういうような形、先ほど又重政さんですかお話のありましたが、自営者なるがために相当期間休んだ者の手当というようなものはもらえない。これは尤もでありまして、従来私どが調べてもいる範囲でも相当矛盾した保障制になつておるようにこの表を見ましても考えられる。又特にこういうような、どつちがきめておつたのですかわかりませんが、連続十五敗すればその人はやめる。連続十五敗すれば一万円だ、十四敗してこの次は負けるのだというので引下れば三万円だ、こういうようなことに大きな私は原因がありはしないか。矛盾がありますが、総体的に選手会というものが我々が認め得るだけの基盤を持つておらない。これが確立化しておりまするなら、いわゆるこの競輪法の中におきましても、各都道府県の自転車振興会は命令の定むるところにより、競輪場、審判員、それから出動選手及び使用自転車の種類、規格の登録並びに検定、こういうような面が誰つてありますが、この中の出場選手及び使用自転車の種類とかというような、この面の登録選手会へ廻せというようなこと、又十二條にありますように自転車振興会及びその連合会の設立は、命令の定めるところにより、通商産業大臣の認可を受けなければならない、こういうような條文で、選手会自体がしつかりしておつて選手会そのものが我々が認めてもよろしいのだというような段階にまで来ておりまするなら、これは私どもは決してそれを拒否するとかいうような考えは持つておらない。むしろ法文に入れまして、先ほどのお話のように三者一体になることが日本競輪界の前途のために非常に望ましいことであるのでありますが、そういう面に対しても、施行者なり或いは振興会なりというものの今まで持つております基盤といいますか、組織といいますか、そのものと選手会が並行して我々が一緒に見られない、というような段階におるのじやないだろうか。例えば選手の各級別の、ここへ出場配分回数が出ておりますが、これによりますと、A級は月平均配分回数が一・七、B級が一・六と女子が二・三、こういうような数字が出ており、A級の諸君の方を見ますと月平均收入が四万三千三百九十五円、Bが二万五千三百十八円、女子は三万四千二百九十五円、こういうような数字が出ておるので、こういう数字だけを私どもが見まするなら、決して選手諸君の生活というものがそれほど困難なものではない。むしろ一般生活水準というものよりも非常に上廻つておるのじやないかというような解釈をするのですが、これは裏を返せばA級選手諸君の中には常にたくさん取られるかたがあるので、このアヴエレージされたものはずつと下つてしまう、又B級選手の中ではさつきの十四連敗のようなかたがた相当多いので、こういうものは平均收入じやないということはわかりますが、そういう面もむしろ選手会自体から、実は今日の会合あたりにはこういう問題に対して、例えば選手配分に対しては自分の方はこういう形態を以て配分ができ得るのだ、今の各級別の配分回数に対しては、B級は一・六じや足りないのだ、少くもB級の選手というものは三にならなければ困るのだ、或いは今の組織のA、B級と二つの階級にしておくことが困るので、ABCDぐらいまでやらなくちやならないのじやないか、その代り四階級に分けましてから同時に参加料、賞金というものを各施行者において上げてもらわなければならん。ABCDと四階級ぐらいにしてもらつて、そうしてそれに対する各施行者側の賞金なり或いは各参加料というものを上げてもらえば、私はむしろ選手諸君の均分化が図れるのじやないか。そういう面に対して今日は実は選手諸君がお出まし下さるというので私は非常な期待を持つてつた。参りまして、例えば参加者の基準にしましても、こういう普通の報告だけを見ますれば、男子の二千円というものは、改正後は二千三百円になつておる。それからB級の千五百円は千六百五十円になつておる。上つておりますが、その半面、今お話のありましたような、互助会へA級は百円出さなくちやならん。B級は五十円出さなくちやならん。B級の中の人には、苦しいかたは生活費まで私は互助会のほうに出さなければならないのじやないかと思う。そういうような点もあり、又賞金に対しましても五分というものを取られて、平均毎月勝つている人なら五分もさして痛手じやないでしようが、たまに勝つた人が五分取られることは相当痛手じやないか。そうしてそのものが七千万円以上出しておりまして、僅かに昨年一カ年に使いましたものは一千万円弱、未だに預金が六千万円以上選手会はある。そうして先ほどのお話によりますと、選手互助会に対する発言権がない、いつも連合会のほうにしてやられたと、こういにお説ですが、さて、連合会或いは選手互助会というものの定款なり何なりを拜見すれば、半数ずつ出ておるというような面から言いますと、私どもはその面だけ見たんでは決してそれが押えているという理由にならないというように解釈できるので、私どもとしましては、今の振興会関係からの権利をそれだけ分離してもらえばいい。自分のほうは選手会法律で認めてくれということよりも先に、振興会の持つておる今の権利の中でこれとこれは選手会に廻わしてもらえばいい。選手登録なら登録ということだけでも選手会に廻わしてもらえば、選手会は完全に立直れるのです。皆さんが認めるような選手会になり得るのだと、こういうふうに私は逆に見てもらいたいと思う。そういう形で以て、現在選手会法律で認めろということは、非常な無理な話がありまして、今の組織なり、今の形態で、弱体な選手会というものを法律の上で認めるということは、非常にこの法律自体から無責任なことになるから私は認められないだろうと思う。認められないが、認められるようにするために、いわゆる今の選手配分権を選手会によこせ、或いは振興会関係のうちの権利のこれとこれを選手会でもらえば、選手会自体確立化しますよと、こういうふうな問題を出して頂いたらと思うのです。そうでないと、なかなか今のお話で水掛論に終つてしまいはしないか、こういうふうに思うのでそういうような面がありましたら、是非一つお聞かせ願いたい。例えば選手の各級別の問題にしましても、現在の配分が足りないのだ、一・七回というようなものでなく、二回なければ自分たちがやつて行けないというような問題に関しては、一つ何か御議論があつたら承わりたい。併せて丁度通産省のほうから車輌課長が見えておりますので、車輌課長の再確認、再確認ということじやないですが、今私が申上げましたことが、私は選手会自体が現状のままでは法律の中に入れるという段階に立至つていない。併しながら選手会自体本当確立しまして、組織その他のものが我々が見てもこれならば法律にも入れられる、そうして選手会自体を重要視するということになると、私はそういうような考えを持つておりますが、通産省自体そういう考えをお持ちかどうかを、一つ車輌課長から願いたい。
  45. 畔蒜嘉一郎

    説明員畔蒜嘉一郎君) 只今の問題につきましてお答え申上げます。大体境野委員さんが云われました点につきましては、車輌課長としては同感でございます。ただ私たち競輪行政をやりまして痛切に感じておりますことは、この賭博行為を伴つているために、八百長でありますとか、いろんな普通の制度には見られないような惡い点があるわけでございます。この点を考え併せて頂きまして、選手会の問題その他の問題を考えませんと、非常にむしろ競輪を破壊に導くような結果にならないとも限らんわけでございます。我々といたしましては、選手会が健全に発達してくれまして、選手たちの真底の要求をそこに顯現され、それが施行者にも、振興会にも反映されることが非常に望ましいと考えているのでございまして、恐らくそういつたことが実現された暁には、今境野先生が言われたような法的な問題にも余りうるさいことを言わずになれると私は考えております。
  46. 島清

    島清君 車両課長選手会の完全な発達というのは、あれですか。近代諸法規関係における感覚の下で組織化されて、そしてそれをみずから運営して行くという能力が、即ち健全なる発達を意味するのか、乃至は振興会側のほうの意向に唯々諾々としてついて行く団体こそが円満で、そしてこれが健全なる姿の選手会というふうに思うのか、どつちのほうですか。
  47. 畔蒜嘉一郎

    説明員畔蒜嘉一郎君) お答え申上げます。この点につきましては、私といたしましては、私といたしましては前者のほうの、島先生が言われましたような前者のほうの考えで進んで行きたいと考えております。ただその場合に、選手会それ自体自分たちだけの問題でなくて、競輪というものが施行者、それから振興会選手だけじやなくてフアンもおられる。更にその裏には、冷嚴な一般国民の批判の眼があるという点も考え併せて頂きまして、すべての場合に最も合理的な要求が、主張が、主張と申しますか、なされる状態、まあそういう状態において発達して行くことを考えております。
  48. 島清

    島清君 更に課長にお尋ねをいたしますが、そういう線に沿うて、選手会を指導育成して行くという積極的な熱意をお持ちでございますか。
  49. 畔蒜嘉一郎

    説明員畔蒜嘉一郎君) そのつもりでおります。
  50. 島清

    島清君 そうしますと、私は、これは私自身そういう証拠があつて申上げたわけじやないのですが、選手諸君が請願陳情の形で随分私たち議員のほうに葉書をよこしたり、又この前の雪の降る日などは選手諸君が議会まで参りまして、請願陳情した形なのですが、それに対しては振興会側、或いは施行者側のほうが、それに参加した選手に対して、むしろ私たちは憲法の基本権にまで触れた非常に高圧的に、そういうことをしてはいかんとか、そういうことをしたらお前たち選手として出場できないのだという、生活権を脅すような封建的思想に基いて選手のさような行動を牽制しておる向きがありまするが、それに対しまして承知であられるかどうか、若し承知であるといたしまするならば、行政官庁立場から、さようなことのないように、選手会は育成して行くようにという指令をお出しになるお気持がありますかどうか。
  51. 畔蒜嘉一郎

    説明員畔蒜嘉一郎君) お答えいたします。そのことにつきましては事情をよく、甚だ怠慢かもわかりませんが、承知いたしておりません。従つて今言われた点につきましては、振興会並びに施者側の言動をよく確かめた上で、若しそういう事実があるとしますれば、そういうことのないように、むしろ選手会を今私が申上げました線で導いて行くように固く申し付けるつもりでございます。
  52. 境野清雄

    境野清雄君 今のようなお話から行きますと、大体選手会というものは今日こういうような問題が起つてつたのでありますけれど、それまでの間通産省の車両課として、選手のほうの取扱といいますか、選手自体選手会を強化するというような面について何か協力をせられたとか、或いは考えられておつたというような問題がありましたらお知らせ願いたいと思います。
  53. 畔蒜嘉一郎

    説明員畔蒜嘉一郎君) この問題につきましては、車両課長として着任いたしましたのが去年の四月でございまして、当時は競輪行政のあり方を知るということに忙しく、又いろんな問題が起りましたので、余り選手の問題につきまして手を着けなかつたのでございますが、たしか去年の九月に賞金制度改正いたしまして、従来よりも五%当時としましては殖やした賞金制度実施して現在に至つております。その他、互助会の問題その他につきまして担当官を直接選手会に派遣いたしまして、要望を聞きながら一番適当な行政を考えつつある現状でございます。
  54. 境野清雄

    境野清雄君 今のような選手会の問題が起つておりますので、今後に対して通産省自体としては、選手会に対してはどんなような援助方法といいますか、選手会確立というものに対して、何か応援的な措置をとるというお考えはありますか。
  55. 畔蒜嘉一郎

    説明員畔蒜嘉一郎君) その考えは持つております。
  56. 松平勇雄

    委員長代理松平勇雄君) それからちよつと申上げますが、御相談なんですが、選手のかたが見えておりますから、成るべく選手のかたにお聞きになつて頂いて、折角おいでになつたのですから、課長のほうはいずれ又日を改めてお聞きになつて頂くことにして、ほかにまだお聞きになつておらないかたもあると思いますから、そちらのほうへ一つ……。
  57. 境野清雄

    境野清雄君 選手諸君の前で確言しておいて頂かないと困るので……。
  58. 松平勇雄

    委員長代理松平勇雄君) それじや境野委員
  59. 境野清雄

    境野清雄君 大体こちらのお二人の御意見は承わりましたが、あと参考人のかたがお二人おられるようですが、何か意見があつた発言させて頂いたらどうでしようか。
  60. 島清

    島清君 意見があつたらという、折角の境野さんの誘い出しですが、私からもう少しここに謳われておるのをお聞きしたいのですが、この四日に、競輪関係団体連絡協議に基く健全実施確立化とありますが、この競輪関係団体というのは一体何と何を指しておるのですかね。そうしてその団体が皆まとまつて一つの何と申しますかね、連絡協議会と申しますかね、協議し合う団体を仮想して、それの健全な実施をということなんですね。
  61. 重政幸春

    参考人重政幸春君) 競輪関係団体と申しますのは、この競輪運営しております施行者協議会と自転車振興会連合、こういうものと我々選手会が協調してやりたいと、こういうことであります。
  62. 島清

    島清君 つまり何ですね、三位一体と謳われておる三者が連絡協議会を持つて、それでやつて行きたいということなんですね。それから五番目に、保障制度確立化ということが謳われておりますが、これはあれですか、選手会は認めてもらつて選手会の若干の費用を国家的に認めてもらつて、その基金によつて最低限の生活保障を維持するのであるか。それを離れて或いは怪我をした時であるとか、死亡した時であるという場合の災害的な補償を意味するのであるか、そのどちらであるかを……。
  63. 田村利男

    参考人田村利男君) この保障制度確立化と申しますのは、災害についてでございます。
  64. 島清

    島清君 何か先刻互助会の基金が七千万円もある、こういう話です。それは何ですか、境野さんのお言葉の中には今でもあるというようなお話でしたが、併し私が何か昨日傍聽いたしまして聞いたところによると、それが皆さんに配分されたようなことでしたが、それは一体どうなつておるのか。それとこの互助会の基金というものはどういうふうに積立てられて、そしてどういうふうに分配をされたか。例えば昨日僕が傍聽して見ますと、分配されたようなことを聞いたのですが、そのどつちであるか。その分配に当つて選手諸君が納得の行くような処置の仕方であつたかどうか。
  65. 田村利男

    参考人田村利男君) 互助会の七千何百万というものは、給付されました賞金の五%を我々積立てまして、その金が約一年間給付、災害補償、そういつうものが補償された残りの金が七千万円残つたのでございます。その金を私らは互助会は給付だけの目的じやなく、我々相互福祉のために選手に有効に使つてくれと再三、先ほどから重政君からお話があつたのですけれども、申出たところいろいろと選手意見がまあ通りませんでした。境野先生がおつしやつた通り、十二対十二じやないかと申しますけれども、我々選手のほうは十二名、連合会からは十二名、会長は連合会側理事長さんが会長になつております。これは議決権はどうしても十二対十三になります。それでたびたび、二月の全日本選手権大会の折に、こちらに陳情に参りました。その関係で、いろいろと感情にとらわれたのですか、勿論選手の持つて行き方の惡い面も確かにあつたと思います。それで二月の二十九日に互助会の第三回の運営委員会が開催されました。その席において、選手会といたしましては互助会は絶対解散は反対と、こういう意見で臨んだわけでございます。ところが君らは……、互助会の設立並びに現在までは相当連合会ではお骨折り願つておる、又各地の振興会も同じでございますけれども、それは選手として私らも感謝しております。併し、君らは法律的に完全保障を唱えるならば、互助会なんというものは必要ないじやないかと、こういう見解を以ちまして、解散という連合会側意見でございました。どうしても收拾がつかないときに通産省が調停に入りまして、二ケ月間の取りあえず中止をしよう、徴收も五%の徴收を打切ろう、給付も打切ろうということで、二ケ月間の間にお互いに再建方法を考えようじやないか、そういう結果になりまして、定款に基きまして、残つた金の七千万円を、取りあえず三千万円だけ最後の整理とし残して、給料並びにいろいろの事務費に残して、あとの五千万円を定款に基きまして各選手に返そうと、こういうことになりました。我々はその金を各選手個人々々に返してしまいますと、満十六歳からの選手が、年若い者が殆んどその金を、当てにしていない金でありますから、無駄に使つてしまう、これは全日本の連合といたしましてはその金を基本にして我々相互福祉のために、又選手会確立のために有効に使つて行きたいというのが我々選手の気持でありました。ところが三月の十四日、私の所へ来ましたのが十五日、勿論返すということはその二十九日の運営委員会で決定いたしたのでございます。各選手に還元するということは決定いたしまして、私らも存じておりました。併しその事務に当りまして、いつ返すのか、私らもその運営委員会の席上で聞いたところによりますと、一日半は事務的にかかる。そのうちに私らもいろいろ選手で決定いたしまして、若しもこの金で以て我我選手の立派な団結、正しい団結を求められれば、これに越したことはないというので、下から盛り上つた力で全員そういう意見でおりました。ところが三月の、今月の半ば頃不意打ちに各個人々々に現金書留を以ちまして送付されてしまいました。勿論私らは互助会の役員になつております。選手からも十二名の運営委員が出ております。これに何らの相談もありませんでした。現在残つております金は、定款に基きまして、去年の四月から発足いたしまして十二月までのものを全部の出走回数によつて割当てまして、残りの金がまだ四千何百万円が現在残つております。それを以て選手連合の正しい団結と確立を図れば、決して我々も連合会は、私らは法律改正が通れば、連合会はどうするんだ、おれは一人で偉くなつたという気は毛頭ございません。現在までの連合会並びに諸団体の私ら選手をここまで育てて来てくれたということは、私はスポーツマンといたしまして非常に感謝しております。今後もなお一層諸団体の御協力の下にやつて頂けば、立派な選手会確立されるんではないかと思います。何とぞ御指導、御鞭撻をお願いいたします。
  66. 島清

    島清君 そうすると今、田村君のお話を結論付けると、あの金は連合会側からは一銭も出てない。一銭も出ておらない。あんたたちの貯金でありながら、あなたたちの意思と離れて処分されたと、こういうことですね。一銭も出てないということですね。
  67. 田村利男

    参考人田村利男君) 勿論これは出ております。連合会の事務局が初期の時代は互助会の事務局のほうへお手伝いして頂きました。
  68. 島清

    島清君 幾らですか。
  69. 田村利男

    参考人田村利男君) 年間四百万でございます。勿論人件費も含んでおります。施行者から五十万出ております。
  70. 境野清雄

    境野清雄君 今島委員から質問がありましたから、二月の上旬に登録選手互助会の会計を私のほうで調べましたから、参考までに私のほうから申上げます。共済基金として、一月三十一日までに選手諸君が全部出されました金が七千三百九十九万七千六百二十七円二十五銭、それから自転車連合会が補助金として出しましたものが二百二十五万円、それからこの金を預けておきました受入利息が八十七万八千三百七十一円二十銭、そこでその当時の私の調べましたのが、銀行預金が千代田銀行へ銀行預金になつておりましたが、これが六千六十四万九百二十四円五銭というものは私が確認して参りましたが、そこで一カ年間に出しました補助金というものは、四百万円でなく二百二十五万円というものが補助金として出ておるわけです。そしてこれはまあ自分の出身県の数だけ調べて来たのですが、それによりますと、群馬県の場合は合計百六十八万七千三百二十九円を互助会へ出しておりまして、そして給付金の明細が九十九件で、四十四万一千百七十九円、差引何にもこの関係のない預け金が百二十四万六千百五十円というような状態になつてつたので、私はこの互助会の預金の六千万円からのものは非常に不純じやないかという意見を述べて参つたのでありますけれど、こういうような形で、どういう形で金が余つているのに金を出したのであるかわからないが、補助金は二百二十五万円出しておる。そうして各県ともに平均しまして大体二割弱のものきり給付金は拂つておらない、こういうような状態になつております。参考に申上げます。
  71. 島清

    島清君 そうすると振興会側の方で、それをどうしても今選手の方に還元をしなければならないというので、選手側の意思を押し切つてつたということは、選手諸君が国会の方へ陳情請願をして、国家補償を求めておるから、それは必要はなかろうという、ただ單なる一つの理由に基いたわけですか、もつと理由はあつたのですか。
  72. 菊池宣次

    参考人菊池宣次君) この問題に対しましては、二月の二十九日の委員会におきまして、私たち選手側選出の委員は、総員これは異口同音にこの互助会の今後のあり方において、現在の給付範囲をこれを擴大するか、又はもつと福祉厚生施設なり、或いは我々が直接利用のできるような施設を作るべきじやないかというような考え方から、運営委員会に臨んだのであります。このとき、互助会の会長の小西さんの発言によりますと、互助会であるが故に、我々がこれだけ最善の努力をやつたにもかかわらず、第三者から、部外者からこの金をめぐつてのいろいろの非難があるということが一つであります。それと同時に、この選手が主体になつて行いましたところの全日本のプロ選手権大会、この大会のときに一日延期されました。これは雪のためであります。その時に参加されました選手発言によつて選手が折角九州の果から、北海道の果から東京に出て来たのであるから、この機会に自分たちの今度の改正法案に対するところの……我々の選手会を認めてもらいたい、法的に認めてもらいたいというので、一つの運動が、今日のこの機会に一つ国会にも、私たちはなかなか外へ行かれないから、又知つている議員のかたもおられるから行つて見たい、こういうお話がありましたので、それに対して、それでは国会へ行つて、それと同時に今やらなくてはならない陳情もあるから、これを一つお願いに上ろうというようなことで参つたのでありますが、大体この問題に対しては、一部選手の煽動であるという建前において、これが互助会の解散という二つの問題になつたのです。
  73. 島清

    島清君 その時に通産省側からどなたが出席になりましたか。車両課長は来ておりましたか。
  74. 菊池宣次

    参考人菊池宣次君) その時に寺久保事務官が来て下さいました。
  75. 島清

    島清君 ちよつとそれに列席をしておられた通産省側にお聞きいたします。およそ近代のものの考え方では考えられないような、国会に陳情したからけしからんと言つて、折角の基金が一方的に選手側のほうに而もお聞きの通り選手側の醵金が多いにもかかわらず、その意思を無視して還元を決定しておる。而も振興会側の言分としては、金があるので外部からこの運営についてとかくの批判があるから、金はないほうがいいということは、振興会側において、互助会的なものを作り、共済的なことをやることの能力がないということの端的な表現なんですが、それに出席をしておられた通産省側の見解はどうですか。
  76. 畔蒜嘉一郎

    説明員畔蒜嘉一郎君) 当日は、たしか午後の五時頃でございますか、非常に揉めているという情報が入りまして、車両課のほうで何らか手を打つてくれという話が、会議の席上から私のほうに電話がかかつて参りました。それから寺久保事務官を会場に馳せまして、まあ、事態の收拾に馳せたわけでございますが、当時の状況は最初から出つ席しておらなかつたために、今菊池君が言われたようなことがあつたのかどうかという点は、詳らかにすることはできなかつたんでございますが、行きました当時の状況におきまりして、一番最善と考えられる方法として寺久保事務官が選手側ともよく相談し、振興会ともよく相談して打つた解決策が金を返すということであつたように考えております。  で、なお附言して申上げますと、互助金を設立することは、実は一昨年九月の騒擾事件の前から問題になつておりました。当時何としても互助会、共済組合的なものを作つて選手の生活を保障しなければなるまいという考えで、当時の車両課も考えておりましたのですが、たまたま騒擾事件が発生しまして、いつ競輪が廃止されるかもわからんという状況から、とりあえず互助会の基金は、いつ競輪が解散になつても、何と申しますか、選手個人に一万円くらい程度の保障はいたしたいというところから五%というような高い率の醸金の率をきめまして発足いたしましたわけでございます。ところが、当時自粛再開した当時は、四日制ということで進んでいましたのですが、十月に諸般の情勢から六日制を実施しても差支えあるまいということと、八月に賞金制度改正しまして、賞金額を殖やしておりました関係から、十月以降加速度に実は徴收金の額が多くなつて参りました。従つて毎月々々給付金によりますところの退職金ということが主眼でございましたので、給付原因のほうは非常に狭い、本人の場合のみに限つておりましたために、毎月毎月支給する金が大体百五十万円から二百万ということなんでございますが、入つて来る金が七百万、八百万もあるという状況で、先ほどお話がありましたような六千万円ばかりの金がそこに積つて来たという状況になつて来たわけでございます。そこで、その当時の会議の状況からして、多額の金をそのまま置いても、恐らく給付原因を如何に擴張しても、金が余るという恰好になりますので、最も正しい意味における共済組合的なものに作り直して、給付原因も整理いたしまして、改めて醸金率を定めて再発足さしたほうがいいのではないかということで、とりあえず余分の金を返すという線で解決法をきめたということでございまして、先ほど菊池君が言われたようなことを頭に入れて解決案を提示したということでございます。
  77. 島清

    島清君 非常に奇怪至極ですが、選手側のほうは、やはり金はあつたほうがよろしいということを主張したと。そこで、通産省側のほうも参加して、それを還元すると決定されると、而も向う側の言い分の中には、君らは国家保障を認めておるから要らんだろう、ということが一つの理由になつておるということになれば、行政官庁である通産省が、その選手側の要求するものは、国家が保障するということを前提として還元してやつたかということが一つのお聞きしたい点。更に、その金がありさえすれば、ここに謳われておりまするところの保障制度確立化ということが、選手側の要求としても現われて参らなかつたであろうというふうに想像のできるくらいなんです。そういうことを殊更に選手側の意思を無視して還元したというに至つては、どうも我々が如何に善意に解釈しようとしても解釈できませんし、何か知らん、選手側のほうにこれだけの巨額の金を持たしておるというと、只今栗山委員からも、近代的な労働組合みたいなことがやれそうなのになぜやれないんだと、我々もそう思うんですが、仮にこれだけの基金を持ち、六千人の人間がそれを根拠にして強力な団体を作ると困る。こういうので、その危惧からその金を返えさせたのではないかというような疑いすら起るのですが、通産省はどういうふうなお考えでございましようか。
  78. 寺久保三郎

    説明員寺久保三郎君) その問題につきましてはちよつとあとにしまして、先ほど選手の意思を踏み躙つてつたんじやないか、一方的にやつたんじやないかという点について御了解を頂きたいと思います。この非常に連合会振興会と、それから選手側が寄りまして、会議をやつておるさなかに我々に対して調停の労をとつてくれろというような課長の今ほどの、お話があつた。それでその任を受けて実情を調査し、その実情に応じて我々は上司に諮つて即刻措置を講ずる、こういうようような態度で僕は向つたのであります。併し事前にどういうような措置が一番その零囲気からみて適当であるかという一、二の案は持つてつたのであります。それで両者間において幾多紛争を起して、今にも喧嘩を勃発せんというような情勢にあつたわけです。併し両者の意見を私はじつとして聞いておりました。併し事ここまで至りましては、もうどうにもならぬとこういうことから、競輪百年の大計に汚点を染めるようなことがあつてはならぬと私は確信したのであります。それで選手側の首脳部並びに連合会側の首脳部と、両者ともにお話合いをいたしまして、その際にいつまで揉んでおつてもいかんじやないかというか、どちらもしやちこばつた、その挙げた拳はなかなかおりないのであります。それでいろいろと慰撫策を講じまして、この辺のラインで妥協されたらどうか、それで再度互助会再建策を考えたらどうだろう。併しこれは一方的に君たちに押しつけるのじやない。我々の意見を聞いてくれるならば、これに是非協力して頂きたいということによりまして、私は両者の意見が諒とされたので、席上に臨みまして調停の案を提案したのであります。その際に今こちらから一方的に云々とありますが、その案には双手を挙げて両者とも賛成をしまして、それじやこれで行ごうじやないか、こういうことになつたので、決してこちらが一方的にこれを左右したのじやないという点だけを附言しておきます。
  79. 重政幸春

    参考人重政幸春君) 私は登録選手互助会ができた時からずつと常任委員を務めておりまして、この事情は一番よく知つておりますから、今の解散に近付いた、その線に近付くまでの経緯と基金のあれを御説明申上げます。
  80. 島清

    島清君 いや、その時の点でよろしい。歴史の沿革はよろしいです。
  81. 重政幸春

    参考人重政幸春君) はあ、互助会運営委員会を開きまして、選手側としてはこれに対してあくまでも、前日から全役員運営委員も集合いたしまして、あくまでも選手相互福祉のために医療給付は勿論、これ以外に相互福祉の共済会を作ろうじやないか、こういう意見で、議場に臨みましたが、連合会選出の互助会役員は、頭から我々がこの国会に参りましたことをデモ行為と称し、我々一部幹部が非常にダラ幹である、かかる行為で今後円満なる互助会運営は不可能であるから、これは即刻解散すべきだ。こういうことを一点張りにもつて来られました。我々は我々の希望を如何に披瀝しても、これは当然の権限じやないか、国会問題には触れたくないのである。あくまで今日は互助会の再建方策、今後如何にこの七千二百万円を運営して、選手相互福祉にもつて行くべきかということにつつぱねて、最前通産省からも御説明のあつた通り、非常な混乱に陷つたわけであります。この解散については、一応会議の形態としては通産省の御調停により、止むを得ず基金の還元ということになりましたのですが、これの結果、一応振興会も、連合会も、各選手会、各会員にこの理由書を出さねばならん、これは一応こういう緊迫した状況にあるのであるから、監督官庁たる通産省に見せてもらいたいというようなことでありましたので、連合会も、振興会も、その文書をお見せしまして、それから選手に配つたものであります。ところが連合会から来ましたその文案を見ますと、一部選手の代表幹部が、国会に対しデモ行進を行う等非常に競輪互助会運営に思わしくない状態である。これによつて、満場一致解散の止むなきに至つたということを、選手各位にプリントして渡したのであります。これは監督官庁たる通産省として、もつと公平な白紙に還つた眼で以て、我々の立場も見、連合会立場も見、正しい運営に対しての監督を頂きたいと思うのであります。
  82. 島清

    島清君 さつき通産省側の御答弁の中に、なぜかその上げたこぶしが下りそうにもないというので、若し何か起れば警察があることでございまするから、何も戰時状態でやつておるわけじやなし、我々はそのために、高い税金から俸給を拂つて、治安警察官をおいたのでありまするから、そういうことは、ちつともこの一つの部屋の中で行われたことがですね、何か喧嘩にでもなるんじやないかと、そういうことで、そういう解決をしたんだということについては、少くとも通産省の役人としては、もう少し国家にありまするところの、治安を担つておる警察官を信頼してもよかつたんじやないかと、私はそう思います。若しそういう危険性があれば、或いは警視庁なりに連絡をして、そういうことが事前に起らないように処置することが、当然に行政官庁からしてとられて然るべきだと思いますが、そういう理由を挙げて、そういう場合にその処置をとられたということは、まあ止むを得んといたしまして、今ですね、私は素人が考えてもわかる、僅か二百万やそこらのですね、境野委員が調べればすぐ判明するような、額でございまするから、通産省側としては、これを還元したいというような意向があれば、振興会自分の方で出した二百万やそこらを取ればいいのであつて、あとの金は選手側の方に任しておけばよろしいのであつて、それまで二百万やそこらのはした金を出しておいて、選手側の一方的な貯金をされたものをですね、選手の意向を無視して、そしてそこに還元というところの軍配をあげたということについては、どうもやつぱり第三者から見ると、行政官庁としての公平さということが惡ければ、その場合において、非常にその正常さを失つた失正状態ではなかつたかというふうに思えるのであつて、今でもその処置が正しかつたと思いますか、通産省側の意見をお聞かせ願います。
  83. 畔蒜嘉一郎

    説明員畔蒜嘉一郎君) お答えをいたします。その点につきましては、当時の状況としては、止むを得なかつたということで御了承願いたいと思います。なお再建計画につきましては、前の委員会の席上でも、死亡の場合の災害補償の問題、その他がございますので、それらと関連いたしまして、自営者でありながら、労務者的な性格を持つ選手に対する生活費の問題でありますが、災害補償のあり方を考えまして、合理的な案を考えたい、こう考えております。
  84. 栗山良夫

    栗山良夫君 私まあ、いろいろ伺つておりますとですね、今島委員が追及されたように、振興会選手会との関係から見ましてですね、恐らく選手会が今日要望されたようなことは、両者の話合いでは、恐らく選手会希望は容れられない。こういう工合に私は考えるのです。そこで先ほど通産省の方では選手会自主性確立のためには、大いに片腕借してやりたい、こういうことをおつしやつたのですけれども、さきほどの運営会でとられた通産省の態度というものは、これは何も選手会に力を借しておるとは見えない。私どもこういう紛争にはときたま参加しておりますが、これだけ根本的な問題、競輪行政の基本になる問題である場合には、その紛争の具体的な結論までもその席上で出してしまうというようなことは、これは軽率すぎることだと、私は思います。その具体的な結論を出すまでの話合いの手続を、どういう工合にしようかというくらいの話合いをして、当日の会合というものは、これは散会すべきものです。そして更に今後の問題は、両者がいきりたつたその頭を、冷静に戻つたときを見計つてですね、もう一度愼重に話合うだけの余地を残してもらいたい。そういうことが全然行われていないのでありまして、その点はもう少し……。従つてですね、私は車両課長に伺つておきたいことが一つありますが、今後、先ほどあなたが言われたように、選手会の身分確立のためには、援助をしたいと言われましたが、その援助をするという具体的なその方策というものは、どういう形で行れるのですか。即ち選手会の意思を振興会の意思と同等に取上げてですね、そうして調整をして、そういうことをやりまするためには、  一体どういうような手続を以てやられようとしたか。この問題はいろいろ具体的な手続の方法はあろうと思います。で今日、只今具体的にお答えを願うことができなければですね、後日省の方でよくお考えになつて、そして御回答を願いたいと思います。
  85. 畔蒜嘉一郎

    説明員畔蒜嘉一郎君) その点につきまして検討さして頂きまして後日お返事いたしたいと思います。
  86. 島清

    島清君 ちよつと議事を進行してもらつて……、折角御婦人のかたが見えられましたから御婦人のかたにお伺いしたいと思います。
  87. 松平勇雄

    委員長代理松平勇雄君) 委員のかたに申上げます。折角婦人の選手が見えておりますから、特に又婦人から聞く必要もあると思いますから婦人選手一つ御質疑を願います。
  88. 島清

    島清君 男の選手諸君でも相当の不満を蔵したところの改正意見がありまするから、我が国の現状からいたしますると、如何に日本の憲法が民主化されたと言いましても、その惰情から脱却をしないままに、御婦人においてはなお更非常に言いたいことがあろうかと思います。更に御婦人の選手としては今男子側の御要求は全部承認をされた上で、それ以上に御婦人としてはやつて欲しいということがありましようか。ただ私たちが想像できますので御質問申上げたいのは、第一番目に生理日等の選手出場の問題がどうなつておるかどうかということと、更に日本の婦人はいつも台所のほうに押込められておるが、選手としてかどの人格を以て競輪場出場した場合でも、何かしらそこに選手としてひけ目を感ずるところがあるとか、或いは男子の選手に劣るような設備の中で、競輪をしなきやならないとか、或いはこの点を男並みに改正してもらいたいとか、更にそういう態度から男並み以上に御婦人としての立場から改正してもらいたいという点が多々あろうかと思いますが、そこの一つ二点、取りあえず私は想像できまするので二点について山下さんからお聞きしたいと思います。
  89. 山下直子

    参考人山下直子君) 女子が生理日の場合ですね、競走に参加した場合…今まで配分が毎月きめられておりまして、そうして参加した場合には、無理をして今まで出場して来たわけなんです、生理日のとき出場しなかつた場合に、その次の月にその配分が余計来ないのです。ですから、欠場した場合にとても生活に響くのです。ですから無理をして今まで出場して来たわけなんであります。それから女子の控室が現在とても狭いのです。それで女子の控室を、まあ男子のかたと違いまして、いろいろ薫る豪ありますから、男子の選手と同じようにもつと広くして頂きたいと思います。
  90. 島清

    島清君 山下さん、例えばですね、十人ぐらいの競輪選手がいるとしますね、男のほうは例えば一坪というと畳二枚ですね、十人なら十人の男の選手に対しては控室が、例えば一人当り畳一畳敷なら一畳敷振当てられているが、女子なるが故にまあそういうものが三人なら三人で当てがわれている。そういう非常に選手の数と比例して殊更に女の控室が狭いということですか。
  91. 山下直子

    参考人山下直子君) 現在レース乃至四レー入参加した場合に、三十名か四十名参加する場合にですね、大概六畳か八畳ぐらいしかないのです、女子の控室が……ですからもう一畳に四、五人ぐらい現在いるわけなんです。ですから出場レース前に体を休めるということがとても不可能なんです、現在のままですと……。ですから、その点人数によつて控室というものをもつと広くして頂きたい。それから女子の場合、顔面の負傷のことなんですけれども、男子の選手と比べまして女子の場合は傷をしましてあとに非常に残るのです。落車する場合腕に力がありませんから、どうしても顔のほうに怪我が多いのです。ですから、顔面の保障と言いますか、(笑声)もつとして頂きたいと思います。
  92. 島清

    島清君 もう一点だけ。別に女子とか男子とかいうのがなくて、競輪選手收入は先ほどからの御説明によりますると、一般の勤労階級の收入を上廻つておるのだという御説明があつたのですが、大体競輪選手としては平均するとどれぐらいの收入になり、それから諸君はまあよく旅廻りをするわけなんですが、そうするとそういう必要経費を除いて大体平均実際生活の面に当てられる收入というものはどれくらいになるのですか。
  93. 菊池宣次

    参考人菊池宣次君) その問題に対しましては、昨年度選手の大体平均牧入というものは二十五万程度であります。そうしますと、この競輪一つ発展過程におきまして、私たちが最初競輪参加した大宮の第一回、この最初は、少くとも私たちは当時社会の一般のかたが穿いておるような、又着ておるような服装でも出場できました。仮に具体的に申しますと、運動靴でも出場はできたのであります。それと同時に、自転車そのものも、その当時といたしましては非常にいい車でなくても済んだのであります。それはなぜならば、これは飽くまで実力の世界である。実力というものがなければ我我の職業というものは成り立たないという根本的の問題がありますから、そういうふうな考え方からいたしますと、現在のような競輪発展にありましては、少くとも選手は数字的にのみ一般社会の生活状態と比例するというわけには参りません。少くとも現在選手の必要経費といたしますのは昨年度の計算によりますと、大体現在の競輪の明朗な運営を図るための選手の服装なり、自転車なりその他の必要経費といううものは、総額にして約二十万円なければこれは現在のプロ選手であるという立場において堂々と闘い得られません。そういうふうなことからいたしますと、現在仮に月に平均して二十万円なり又は二十五万円の收入があることにはなつておりますが、実際はそれから必要経費を引き、又は自分の家におつて務められる職業でないのでありまして、今日は大阪、明日は北海道に行くかも知れません。こういう場合には我々の体力におきましても、エネルギーの消耗、こういう点において栄養というものを相当撮取しなければならない。これは人間の生活といたしまして、家にいたときは麦飯でもいいが、なかなかこれがよそに出れば交際もあり、又場所が変れば栄養を取る量も違つて来るということからいたしまして、この選手收入というのは、家庭生活におけるところの收入というものはそう大きいものではありません。以上であります。
  94. 島清

    島清君 二十万円の必要経費は少しどうも多過ぎるようですが、それは二十万の必要経費の中に自転車の修繕、靴下だとか、或いは何ですが、頭に被つているのは、あれなどの修繕費等と、それから何か施行者側のほうから出るのが、振興会のほうから出るのかわりませんが、あなたがたが旅に行くときは宿屋銭と汽車賃ぐらいは出るのですね。ところが宿屋あたりの食事では選手としての体力を保持するものが出ないから、栄養的にそれを補給して行かなければならん。そういうものを含めて二十万というわけですか。
  95. 菊池宣次

    参考人菊池宣次君) これは我々の必要経費と申します大きなものは自転車関係であります。それと服装関係であります。そうすると仮に現在自転車のタイヤは約何十種類というタイヤがあります。そうするとこのタイヤの中にも最高は五千円、六千円というタイヤがあり、最低は千円というタイヤがあります。併しながら私たちが競走に出て勝つというあり方からすれば、これは当然人よりもいいもの、又は人よりも重量の軽いものという考えが生まれて来るわけです。そうすると人が五千円のタイヤを付けているのに自分は千円のタイヤで果して勝ち得るかどうか。これは五分と五分の実力であつたならば、それは負けてしまいます。それが即生活に影響するわけです。ですから、仮にこれが日本の独立と同時に国際的にこの自転車などが輸入されて来れば、恐らくは現在の選手においても十万円の車でも買わなければならないと思います。と申しますのは、これは飽くまでも競技者として勝つという一つの目的のためです。そうすると人が十万円の優西な車に乘つて走れば、一万円の車に乘つてつて果してそれが競走して勝てるかどうか。そういうふうにして必ずしも選手の必要経費と申しますのは経済的にのみ支配され得ない。必ず実力の向上相当多額な経費が加算されて来るということが考えられるわけです。まして今の競技形態から行きますと、タイムを制限する。それがだんだんと上げられるわけであります。今までの選手の実力からしますと千米を一分三十秒で走れば、これは競輪競技形態は成つている。併しながらだんだんと選手お互いに切瑳琢磨し、スピード・レースになつて来ると、そうするとお互いに練習をしなければならない。それから又人に先んじるためには、非常なそこに他人の対抗でき得ない何かの力を付けなければならないということが、技術的な、又そういう自転車関係においても現われて来る。そういう点で選手の必要経費というものは年々加算されて行くというのが現状であります。それと同時に参加費用といたしまして、我々は手当をもらつております。参加の場合の出費として支給されております。これは旅行中は三等の急行料金付きということになつておりますし、又競輪参加のときには四日間の日当、宿泊費を頂いております。これは仮にここから九州の小倉競輪場参加する場合は、私たちは少なくとも二日乃至三日は前に出て行かなければなりませんと申しますの一は、明日の何時の競輪参加すればいいのだからといつて、それに一杯に行つたのでは、体力の消耗と練習ができないということから、これはとても競走に勝つ望みがありません。そうしますと、これはどうしてもここから小倉まで行きますと、一週間は日にちを費すわけであります。そうすると一週の中で参加費用として頂いておるのは四日間で、あとの三日というものは、それは自分の働いた金の中から負担しなければならない。又もらつた参加費用の中から自分で節約してこれを賄わなくちやならんということになつて来る。ですから、一日の参加費用としては非常に優遇されておると思いますが、併しながら我々が職業に従うために日数を加算したときには、非常にこれは低いものになるのじやないか、こう考えます。
  96. 境野清雄

    境野清雄君 最後にいま一つ、今の御議論は私はおかしいと思う。と申しますことは、競輪選手なつたら必らず身分保障をしなければならんとかいうことじやなく、私は競輪選手は健勝劣敗があるんですから、通産省から従来頂いておるデーターによれば一カ月の最高收入というものは頭のほうは四十万円をいつも突破しておる。そうすると一カ年平均は従来にしてもそのまま平均すれば五百万円からの收入がある、毎月幾分変つて行きましても、この三十万円平均にしても三百万以上の收入があるかたもあるのですから、それを最低線だけを論じて、選手なつたから身分保障をしなければならない、これは私は非常な解釈違いで、若し選手諸君がそういう議論を出されるのなら、上の賞金というものをもつと低くしてくれ、そうして下へ均霑してくれということならば我々は受取るけれども、総体の生活費が……。二十五万円入り二十万円出場経費がかかるから、それではやつて行けないということは、私は筋違いな陳情でありまして、むしろそれならば最高位のかたの四十万円なんか取るかたはもつと低くしてくれ、これならば私どもこの委員会としても考える目途がありまして、そうして最高の人をもつと半額くらいに減らし、頭の人が取りましても一カ月二十万円とか何とかにし、それをとつて下へ均霑して、そういうものから殖やすならば別ですが、今の参加賞のままで、十五万円も三十万円も取るかたがあるのに、下のほうだけ上げて平均しなければならんというのは矛盾だろう、こういうふうに私は考えるのです。
  97. 田村利男

    参考人田村利男君) 勿論私は選手になれば最低の保障が得られるのだということは、全員六千名の選手が望んでおりません。何事も、商売をやりましても努力して初めてこれは生活が立つて行かれるのだということを私らよく感じております。併し現在の制度では競輪選手になつて競輪選手として、はたから見ても決しておかしくないという生活を立てて行ける選手が六千名の中の私は三分の二あれば、そういう制度であれば何も別に私としても不足はないのでございます。併し賞金にしましてもあの宝籤と同然で、年間百何十万から或いは二百万円近く稼ぐ選手というのは六千名の選手の減る一部分でございます。そういういろいろの不備なところを選手会確立によりまして、私ら選手として選手の辛いのは選手が知つておるのだ、あらゆる面においてそういう選手の知つておる意見をどんどんとり入れて我々もお互いに生きて行こう、そういうふうに私は考えております。決して六千名が登録したならば、その人は国家において最低の保障を得られるということは毛頭思つておりません。これは努力によつて上のものもあるし、又下のものもある、何の社会でも私らと同じだと思います。  それから選手は他の商売と違いまして、非常に寿命が短かいのでございます。そのために勿論最高者には相当の……。賞金制度におきましても、努力によりましては選手をやめても現在得られた賞金だけで一生を暮せるというのが六千名の中の一名か二名でも差支えないと思うのでございますけれども、現在の制度は、六千名の選手が恐らくどう見積りましても三分の一がどうにかやつて行けるんだ、あとは制度の惡いためにいろいろとほかのことをやつたり苦しい立場に置れておる、こういう実情であります。決して六千名が全部最低保障をしろというのではありません。
  98. 島清

    島清君 そういうことを、若しできることならば選手諸君の生活の実態というものをこちらのほうへ御報告願えれば出して頂きたいと思います。それから時間が過ぎて済みませんが、ただ一点だけ二、三分で済みますから……。よく騒擾事件というものが起りましてその責任選手側のほうの八百長だというのでよくその責任諸君のほうに転嫁されて、一、二選手側の全面的な責任のように印象づけられておるんですが、あなたたち知る限りにおいてその不正行為を選手側のほうで行なつた件数、そうして犯罪として起訴されて確定した件数が何件くらいあるか、それから又その不正として起訴された諸君が、選手側のほうで肯定したもので金銭的なものがあるならば、大体どの程度の金をもらつて八百長を働いたかどうかというようなこの三点について簡單に説明をして下さい。
  99. 重政幸春

    参考人重政幸春君) 先生の御質問にお答えいたします。現在までとかく競輪は一年前に騒擾事件がありましてから八百長、八百長ということを言われておりますが、実際にはこの問題は我々選手同士非常に少いと信じております。現実の判決として出たものは数えるほどしかないと思つております。それからいわゆる騒擾事件として騒がれる問題でありますが、これの責任の追及は飽くまでもフアンあつての我々じやないか、であるから選手が一方的に惡いのだ、こういうような見方から、今までは一方的に選手に対して三カ月の出走停止とかこういうような問題が非常に多くありました。自転車レースの持つ特異性で明らかにフアンの予想するような本命対抗に入らないような場合が往々にしてありましたが、これが今の社会情勢から騒がれた場合、これは振興会のとる立場としては選手に力走する意思がなかつたものとみなして、一方的に懲戒処分をしておりました。勿論これには異議申立の機関がありまして、選手側からも異議裁定を申上げることはできますが、今までの実情は殆んど欠席裁判で、我々が証人として喚ばれることは皆無であります。そうして敢闘精神がなかつたとか、そういうような一方的な判決で処分されておりました。
  100. 島清

    島清君 いや私の聞いているのはそういうことでなくて、八百長をやると何か刑事的に起訴されたりなんかする、そういう問題が無論ございましようから、そういう問題が、起訴されているものが競輪発生以来何件あつて、而もその選手側が、検事側で以て起訴した事実を認めたこととか、一体金銭的な買收……、買收されたとするならば、これはどのくらいの金で買收されてやつたのか、ただ單に御馳走を食べただけでやつたのか、或いは脅迫によつてつたのか、そういつたような選手側のほうで認めた理由の二、三点を挙げて、犯罪事実が確定して判決を受けた事件が何件、それから疑いを持たれたけれども無実であつた、それからそういう疑を持たれて振興会のほうで欠席裁判で処分されたものが何件あつたということをできるならば選手側から見た資料を委員会のほうへ出してくれませんか。
  101. 菊池宣次

    参考人菊池宣次君) 只今の御質問に対しては早急に事務局に計らいまして、書類を作成しまして御提出したいと思います。
  102. 松平勇雄

    委員長代理松平勇雄君) 委員諸君にお諮りいたします。この程度で本日は散会することにいたしたいと思いますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  103. 松平勇雄

    委員長代理松平勇雄君) 参考人のかたがたに申上げます。本日はお忙しいところをおいで願いまして非常に参考になる話をして頂いたことを厚く御礼申上げます。  ではこれを以て本日の小委員会を散会いたします。    午後一時十九分散会