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1952-06-18 第13回国会 参議院 通商産業委員会 第52号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十七年六月十八日(水曜日)    午後二時五十八分開会   —————————————  出席者は左の通り。    委員長     竹中 七郎君    理事            小林 英三君            結城 安次君    委員            重宗 雄三君            中川 以良君            山本 米治君            加藤 正人君            小松 正雄君            境野 清雄君            西田 隆男君   政府委員    公正取引委員会    委員長     横田 正俊君    通商産業省通商    局次長     松尾泰一郎君   事務局側    常任委員会専門    員       山本友太郎君    常任委員会専門    員       小田橋貞壽君   —————————————   本日の会議に付した事件通商及び産業一般に関する調査の件  (通商産業省設置法案に関する件) ○輸出取引法案内閣提出、衆議院送  付)   —————————————
  2. 竹中七郎

    委員長竹中七郎君) 続いて通商産業委員会を開会いたします。  先ず調査事件といたしまして通産省設置法関係法案議題といたします。  ちよつと速記をやめて。    〔速記中止
  3. 竹中七郎

    委員長竹中七郎君) 速記を始めて下さい。  それでは只今懇談会におきまして御了解を得ましたように、通産省設置法案関係について現在内閣委員会連合審査中でありますが、当委員会意向として次の通り申入れることにいたしたいと思います。それは  通商産業省設置法案等についての申入事項。   目下貴委員会において御審議中の通商産業省設置法案等については当委員会意向として左記の通り御取計い願いたく希望する。通産委員長竹中七郎内閣委員長河井彌八殿     記  一 通商産業省設置法案については中小企業庁を内局とすることは中小企業行政弱体化を来すので外局として存続するよう修正すること。  二 工業技術庁設置法の一部を改正する法律案については工業技術庁附属機関とするときは我が国で現在最も必要とする技術行政を強力に行うことができなくなるので外局として存続させるよう修正すること。これにつきまして御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  4. 竹中七郎

    委員長竹中七郎君) 御異議ないと認めまして委員長におきましてさよう取計いいたします。   —————————————
  5. 竹中七郎

    委員長竹中七郎君) 次に輸出取引法案議題といたします。御質疑を願います。只今ここに御出席になつておるのは公取と今の通商局関係でございます。
  6. 加藤正人

    加藤正人君 先ず第一に承わりたいのですが、この輸出業者のデイフイニシヨン、定義の中にいわゆるメーカーはつきり書いてないのでありますが、実際としてはこの前の御説明のときに取引きをしたいという意思があり、その能力があればこれは輸出業者として取扱うことができる、こういうふうに言われたのでありますが、これははつきりと明文化されたいと我々は思つておるのです。例えば我々に対して陳情する向きなどの文書を見ますと、貿易界のごときは輸出業者だけにこれは限らなくちやならないというように書いてあります。又逆に化繊協会とか紡績協会というようなところではこれははつきりと明文を以て書いてもらいたい、明示してもらいたい、こういうふうに言われているのでありますが、これらのことについては運用でよろしくやるというような従来の御説明でありますが、特に米国では法律などよりもむしろ運用というような面で取扱つている点が多いような関係から、運用については特に注意するだろう、こういう意味において何かこう運用でよろしくやるというようなことは、どうも悪く言えばごまかしておるようにとられて国際的の反響は如何かと、こう思うのです。それよりはそういう意思がすでにあるならば、これを初めから明文化しておく必要があるように思うのでありまするが、この点はそう明文化することが困難なことであるかどうか、この点についてお伺いしたい。先ずこれが第一点。  第二点は、第三国競争に出かけて来た場合ということを仮想したのであります。この法案によりますと、買手独占に対抗し得るようになつておりますけれども、第三回との競争関係につきましては必要の措置がとり得ないことになつておると思うのであります。つまり買い叩かれることを防ぐためにこれらの場合にも協定行為ができるようにしたほうがいいのではなかろうか、こういうふうに思うのであります。その理由は、独占禁止ということを厳格にやつているのは恐らく米国だけであります。その米国輸出についてはウエツプ・ポメリン法というような例外の措置を認めておる。而もそのポメリン法は何らの條件を附しておらん。この法令のように三つ原則をつけておらん。従つて日本だけが世界中でひとり自分勝手に自分を必要以上に括りつけておるような形にあるのです。こんな状態で海外反響を気に病んでおるということ自体がおかしいのではなかろうか、こういうふうに思うのであります。  それから第三としては、果してこの法令は所期の目的を貫徹し得るかどうかという点であります。生産数量の調節は依然禁止されたままであり、又アウトサイダーの存在の問題等があるのであります。その点につきまして例えば輸出組合方式以外の輸出業者協定というものが認められておるので、原則として一時的且つ部分的の輸出取引だけを対象として、且つその対象がすでに輸出組合で取上げられておる場合は協定基準組合のそれよりも低いことは許されないということにはつきりときめておかなければならんと思うが、その点はどうであるか。  それからアウトサイダーの不公正な取引行為現行輸出許可制を一段と引締めることによつてこれを是正し得ると言われておるが、果してかようなことで是正し得るのかどうか、先ずこれらの点についてお答えを願いたい。
  7. 松尾泰一郎

    政府委員松尾泰一郎君) 輸出業者生産業者との関係と申しますかを、はつきり生産業者も参加できるというふうにしたことを明文化したほうがよくはないかということが四項に亘つてお尋ねの第一点だつたかと思うのでありますが、まあこの法律の立て方といたしましては一応輸出取引だけを対象に考えたわけであります。要するに一つ取引を分けますと国内取引とそれから対外との取引とに区別できるかと思うのでありますが、その輸出取引の面だけを独占禁止法等適用除外を認めようという趣旨から、すべてを輸出取引従つて輸出業者というふうな観念構成をいたしておるのであります。現在の独禁法体系の下におきまして、国内取引も又そういう或る程度の調整的な行為独占禁止法適用除外になるということになりますれば、当然それは併せて考えられるべきかと思いまするが、まあ曾つての我々占領下におきまして総司令部との関係或いはその後の海外のいろいろな情報からいたしまして、せめても対外取引としての輸出取引だけは独占禁止法等適用除外にしても、そう海外影響もさしたることはなかろうじやないかということで、要するに国内取引に重大な影響を及ぼさない輸出取引だけをこの法律対象に考えました結果、勢いその輸出業者だけをこの法の対象に考えたわけなのでありますが、そうかといいまして、実際の運用に当りまして輸出取引をやつている人だけを対象にした場合に実際問題として効果が薄い場合も考えられるわけであります。そこで法体系といたしましては飽くまで輸出取引或いは輸出業者対象に考えるのではありまするが、戦前の貿易組合法におきましても、いわゆる実績業者というものと新規業者というものをどういう工合に観念するかという場合におきまして、輸出意思能力のある者は輸出業者であるという判定をいたしておつたような経緯もございまして、今度の場合におきましても意思能力ということで以て判断をする、従つて実績だけで物事を決定しないというふうな解釈をとつて参ろうかと思うのであります。まあそういう解釈からいたしまして、一応法の体系としてはやむを得ず輸出取引或いは輸出業者ということを対象にいたしておりまするけれども、実際の運用に当りまして輸出品生産をしておる重要な輸出品製造メーカーというようなものは、若しその人たち輸出をしようとすれば簡単にやれることでもありまするので、いわゆる商社としての新規業者よりもより以上に輸出品メーカーというものは輸出意思能力ある者と判定できるのではないかという解釈からいたしまして、輸出品に重大な関係のあるメーカー輸出業者判断をして輸出組合に参加願おうというふうな解釈をいたしておるわけでありまして、先般政務次官からもそういうふうな御説明を申上げたのであります。従つて明文化するということになりますと、法全体の体系がややおかしくなりまするので、法体系といたしましては飽くまでこの輸出取引輸出業者ということで一つお願いをしたいというふうに考えておるわけであります。  それから第二点の、第五條におきまして輸出業者協定をし得る場合に、三つの場合を規定しておりまするが、こういうことが余り海外気兼ねをし過ぎているではないかというお尋ねでありますが、現実問題といたしまして今いろいろ想像されること或いは今後こういう種類の問題が起る場合を予想しますというと、大体この三つの場合に殆んど該当するわけでありまして、従つてまあ我々といたしましてはこういう独禁法の、或いは事業者団体法適用除外を初めていたす場合におきまして、輸出取引だから如何なる場合にもこういう協定ができるという書き方をいたすよりも、現実問題としておよそ現在なり将来なりに亘つて活動が制限されるというならいざ知らず、大体こういう三つの場合で殆んど網羅できるということでありますれば、ここにこういう三つの場合を規定しておきましても別段輸出業者協定範囲なり或いは輸出組合活動がそれによつて狭められるわけでもないわけでありますから、他方こういう三原則を謳つたほうが対外的な響きもよいということであるならばそれも謳い、且つ現実問題として業者協定なり組合活動がそれによつて実際問題といたしまして影響を受けないということであれば、まあ規定しておくほうがよりベターではなかろうか、全然書かずに如何なる場合でもこういう品質数量価格について協定ができるというふうな書き方をして海外影響というか刺戟を與えるよりも、実際問題として書いておくほうが海外に対する影響が緩和できるし、国内的に見れば、実際問題としてこの三つの場合は殆んど今我々が想像し得る限りのところはこれで該当しておりまするので、別段その活動を阻害されないのではないかというふうなことで、一方は海外に対する顧慮と、国内的な配慮から行きましても、実質的に目的が達成できるということで、こういうふうな三原則を謳つたような次第であります。まあこれは考え方の相違になろうかと思いまするが、実利を攻めるという考え方ならばこれでもよかろうじやないかというふうに考えたような次第であります。  それから輸出組合業者協定との関係を明確化すべきであるというお尋ねでありまするが、これも大体運用といたしまして、そういう運用を、今御指摘のありましたような輸出組合と、或いは輸出業者協定との使いわけをいたしたほうがよくはないかということで先般御説を申上げたのでありまして、法の体系からいいますと輸出組合活動につきまして独禁法事業者団体法適用除外をなされた以上、輸出業者協定についても、輸出業者協定の場合はそれはいけないという根拠が成立ちませんので、それが業者の結成した法人であろうと法人でなかろうと、業務の内容が同じことであるならば同様に独禁法事業者団体法のやはり除外を策するのが法律的には合理的であり、又海外に対しましても輸出組合というものに対する印象をやわらげるのではなかろうかというので、こういう協定組合の二本建にいたしたのでありまして、従つて輸出組合のほうが優先するのであつて輸出業者協定のほうはそれを補完的に、臨時的にやるんだということを書かないほうが我々事務的に考えますとベターではなかろうか、やはり法律体系としては両方が相並び運用されるのである、併し実際問題といたしまして、そういうふうなやや輸出組合に重点を置いたような運用のほうがよくはなかろうかと考えるわけでありまして、又情勢の変化によりまして輸出業者協定のほうが便利だというような業種もあろうかと思いますので、その辺の関係一つ情勢の如何によりまして運用に任して頂きたいというふうに考えるわけであります。  それからアウトサイダーの取締りの点は輸出貿易管理令で円滑に行くかどうかというお尋ねだつたかと思いまするが、これも確をに完璧であるとは申せんかと思思うのでありますが、それかといつて段階におきましてアウトサイダーを厳格に縛る規定を設けるということが又非常にむずかしいということから、止むを得ず輸出貿易管理令輸出承認制運用によつてできるだけ輸出組合活動を保護するように運用しようというこれは方針にすぎないわけでありまして、輸出業者協定、それから輸出組合業務品質価格数量の問題のうちで、価格の問題或いは数量の点につきましては輸出貿易管理令輸出承認制運用によつて大体アウトサイダーを取締つて行けると思うわけであります。現在輸出組合なり輸出業者協定はございませんが、輸出許可制運用によりましてチエツク・プライス制を実施しておることは御存じの通りであります。ただ品質の点になりますと、我々事務的にも政府の設可制を以てアウトサイダーを取締るということはやや困難かと思つておるのでありまするが、現段階におきまして成る程度止むを得ませんので、価格数量等の面につきましては大体輸出貿易管理令運用によりましてアウトサイダーは十分に取締つて行けるだろうというように考えた次第であります。そういう意味合いから申しまして、全部完全に輸出貿易管理令でやれるかということについては、若干抜けるところもあろうかと思いまするが、まあ当面問題になる価格なり数量の問題につきましては輸出貿易管理令のほうで問題なくアウトサイダーは取締つて行けるであろうというふうに考えておるわけであります。
  8. 加藤正人

    加藤正人君 質問第二点のところがちよつと私の承つたところに当つていないように思うのですが、一、二、三の三原則の法文の表現が如何にも気兼ねをしておるようであつて、そうしてむしろこういうような表現のために海外業者から、これを運用されて不利な條件を押し付けられたり或いはダンピングというような汚名を着せられるような機会を馴致する慮れがあるというようなことは一般が憂慮しておるところであります。私は三原則についてはそういうふうに考えておるのでありますが、更にその上には協定行為を認めるべき場合として仕向け地に、今までは日本仕向け地関係でやつたのでありますが、仕向け地に対して第三国商社値段協定して日本輸出競争して来た場合はどうするか、そのときは協定行為ができるようにしておいたほうがいいのではないかと、こう思うのです。例えばドイツが何かが我々の仕向け地に対して、ドイツ商社値段を申合わせて競争して来た場合はどうするか。そういうときに協定行為ができないか。四原則にされたらどうかというわけです。
  9. 横田正俊

    政府委員横田正俊君) 私から申上げるのは少し筋違いかと思いますが、確かにおつしやいましたような場合がありまして、その際に若し日本業者のほうで協定してその第三国業者協定に対抗できるという工合のいい場合も確かにあると思いますけれども、併しその点まで実はこの輸出取引法範囲擴めますことにつきましては、やはりこの全体の建前が、お話のように多少手温いということと関連しまして、やはり相当外国に対するいろいろな影響もかなり鋭いものがあるのではないかというようなことも考えられますんで、そういう点は一応考えましたのでございますけれども、この際は入れないでと、こういうことで三原則の限度にとどめたわけであります。
  10. 加藤正人

    加藤正人君 その点まで飛躍すると日本気兼ね政策に反するということになる。要するに私がいつも申上げる通り事業者団体法というようなものは早晩全廃しなければならん。その時期は近きにありと、こう期しておるのでありますから、そういう場合にはかような法律は何らの役に立たないものになる、ほんの一時的に思つておりますから深く議論をいたすことをやめまして、私の質問をこれでやめておきます。
  11. 竹中七郎

    委員長竹中七郎君) ほかに御質問ありませんか  御質問がなければ散会いたしたいと思いますが御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  12. 竹中七郎

    委員長竹中七郎君) 御異議ないものと認めまして散会いたします。    午後三時三十五分散会