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説明員(瀬川一郎君) お答え申上げます。
只今島さんから以上
お話がございましたように、パルプ工業特に化学工業におきましては、機械工業に比べまして若干遅れておるような現状でございます。特に。パルプの製造工程におきましても、同じ人絹パルプ或いは製紙用のパルプを作ります場合におきましても、従来のいわゆる亜硫酸法によります場合には、いわゆる重亜硫酸石灰水で蒸煮いたします
関係上、パルプの廃液なんかが当然出て参りまするが、新らしい最近建設いたしておりますような工場のパルプの製造
方法は、クラフト法に変
つておりまして、その薬液を九二・三%
程度まで回収するようないわゆる設備再新を事実上や
つております。それで我々のほうといたしましては、今後増設される設備、或いは新設される設備等につきましては、極力クラフト法によ
つて進めたい、そういうふうに
考えております。それは廃水の、汚水の問題で薬液を回収するという利点を有するだけでなしに、広葉樹の利用も本格的にできる
関係上、そういうような
方法を全面的に、今後新らしくできる工場に対しましては極力そうういう設備に変えて行きたいと、さように
考えております。
それから第二点の現在までの汚水の処理
状況は、特に終戦後、化学パルプが非常に不足いたしました
関係上、僅かの、多額の設備資金を投下せずして化学パルプを作り得るいわゆるソーダ・パルプと申しますか、苛性ソーダで木材を蒸惹いたしまして、その薬液をそのまま流してしまうというような非常に簡単な
方法でのパルプの製造が随所に行われました
関係上、それは特にパルプの不足の結果、そういう簡単な
方法でのパルプの生産量が非常に殖えたために、汚水もかなり各
地方で問題を起しております。併し最近パルプの需給
状況も非常に緩和いたしまして、今後の傾向といたしましては、そのようないわゆるソーダ・パルプというものの生産というものも急に激減するという見通しを立てておりますので、今後従来のソーダ・パルプで各
地方に問題を起しておりますような事態は非常に少くなると
考えております。
数字的に申上げますと、二十一、二年頃までは七千トンとか八千トン
程度のソーダ・パルプしか生産されておらなか
つたわけですが、今後、二十五年、二十六年
あたりでは七万トン乃至八万トン
程度の生産に上
つておりました。それが最近は製紙用のサルフアイト・パルプなんかの増産によりまして減少の傾向に向
つておりまするから、特にそういう非難を、汚水の問題を起すような、いわゆるソ—ダ・パルプの生産というものは減少する傾向にあると思います。
それから第三番目の御
質問の点につきましては、私
承知いたしておりません。