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政府委員(
横田正俊君) それでは
只今お示しの問題につきまして、多少今までの経過などを織込みましてお答え申上げたいと存じます。御
承知のように、
電力会社の再
編成につきましては、
日発及び九
配電会社、合計十社につきまして新らしい
電力会社が九社できることに
なつたわけでございます。なお
日発の
資産は九つの新らしい
会社に分散されました結果、
日発の
株主に対しまして、新
電力会社の九社の
株式が
分配せられることに
なつたわけでございます。この
分配につきましては再
編成の
決定指令の中に一応の率がきま
つておりまして、その率によりまして
分配されることにな
つておりまするが、
一つの
会社の
株式に対しまして、九社の株を
分配しなければならないということと、旧
株式五十円額面でございますものに対して、五百円の新
会社の
株式を割当てるというような
関係からいたしまして、若しこの
比率のみによりまして
分配いたしますると、非常に失権をいたすものが多数になりまするのと、もう
一つは、九社の株を少しずつ持ちますよりも、
株主の
希望しまする或る一社なり二社なりの株をまとめて持てることになりますると、
株主にとりましてはそのほうが極めて好都合でございますので、この点は
日発の新
編成後の
株主総会におきましても、
株主から強い要望がございましたので、
日発当局といたしましては、この
株式の
分配につきまして、いろいろ研究をいたしました結果、
公正取引委員会のほうにも相談がございまして、その結果、一応
比率によることを
希望する者はその
比率による配当を受付けるが、併し、
集合斡旋と
言つておりますが、或る
会社の株にそれを集めて
分配を受ける、
集合斡旋を欲する
株主に対しては、その
幹旋をするという案を立てましたのが昨年の八月でございまして、それから各
会社の
株主に渡りをつけ、十一月頃に一応の案がまとまりまして、更にそれをいろいろ折衝いたしまして、今年の一月になりましてほぼ恰好がつきまして、二月更にそれを
検討し、漸く最近に至りまして全部その配分の計画が立ちまして、今月の二十二日に各
株主に対しまして、
最後の決定的な案を
日発から通達をいたす手筈になりました。この点で我々の
希望いたしておりましたことは、少なくとも一年前に本来の
株主に新
会社の
株券が渡ることを強く欲しまして、
公取といたしましてもその線に副いまして督促をいたしてお
つたのでありますが、御
承知のように、
株主も多く、
株式数も非常に多数ございますので、その時期が遅れまして、その点は甚だ残念には存じますが、併し、最近になりまして、やつとそういう運びになりました。そこでその間本来の
株主に配当せらるべき
株式が依然
法律的には
日発の
手許にとどま
つておるという
関係が生じまして、本来の
法律の形の上では
株主でございますが、いわば暫定的に
日発が預か
つておるという
関係もございますので、若しこの
議決権を普通の
株主が
行使すると同じ態度で
行使するというようなことになりますと、非常に面白くないことになるのではないかということが
一つと、それからもう
一つは、これは昨年
編成後すぐにその問題が起
つたのでございますが、当時は九
配電会社の取得しました
株式につきましても、なお
分配の
手続が終
つておりませんので、九
会社のみが
株主として新
会社の
株主総会が開かれ、それによ
つていろいろの重要なことが決定せられる、而もそれは再
編成の
方針に、
決定指令の
方針に或いはもとるようなことが行われてはならないと
考えましたので、昨年の七月に、当
委員会といたしましては、九
指定会社に対しまして、
議決権の
行使をいたします場合には一々こちらの
承認を受けるということ、特に
役員の選任につきましては、問題を重視いたしまして、その
役員となるものの
履歴書を添付せしめますとか、或いは昨年の間でございましたが、大体最初の
役員は
決定指令において一年ということにな
つておりますので、その一年の期間を超えて
役員にならないような
措置をして欲しいという
條件をつけまして、そういう
株主権行使の制限の
指令を
日発ほか
配電会社に出しておるわけでございます。そうして、昨年中
総会が何回かございましたが、すべてこの方式によりまして、一々
公取に届出てもらいまして、こちらで
承認をするという
形式をふんで参
つたのでございます。ところで、
只今お話の、最近に開かれまするこの新
会社の
総会におきましては、
配電会社の
関係におきましては、すべて
株式の
分配を終りまして、問題はなくすべて本来の
株主が今度の
総会には出て参るわけであります。
日発につきましては、先ほど申しましたような事情からいたしまして、甚だ残念なことでございましたが、遂に
日発がやはり
株主という形において
総会に臨まざるを得ないことになりましたので、先ほどの昨年の七月の
指令によりまして、
日発側から
承認の
申請があることにな
つておるわけでございます。四社の
関係につきましてはすでに
日発から
承認の
申請がございまして、これは大体新
会社のほうで立てました
役員の
原案につきまして完全に同意であるということで
承認の
申請を求めて参
つたのであります。なおそのほかにも次々と出て参ると思うのでございます。いずれその他の
関係につきましても出て参ると思います。そこで我々といたしましては、この
総会において円満に新
役員が選任せられることを強く欲し、
最後まで
日発側とその他の
株主との間に対立をいたしまして、表決をしなければならんというような事態のないことを強く
希望をいたしておるわけでございますが、先ほど申しましたように、我々がこの
承認制をとりました理由は、
日発の
当局者が普通の
株主のような気持を持ちまして、全く恣意的にその
議決権を
行使するというようなことがあ
つては困りますので、その点特に再
編成の精神に反するような
議決権の
行使がないことを十分に監視をいたしまして、これから出て参ります
申請については、そういう観点から
事務を
処理して参りたいと
考えております。