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1952-03-18 第13回国会 参議院 通商産業委員会 第20号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十七年三月十八日(火曜日)    午後一時五十五分開会   —————————————   委員の異動 三月十二日委員小林孝平君辞任につ き、その補欠として清澤俊英君を議長 において指名した。   —————————————  出席者は左の通り。    委員長     竹中 七郎君    理事            古池 信三君            結城 安次君            栗山 良夫君    委員            重宗 雄三君            中川 以良君            松本  昇君            松平 勇雄君            山本 米治君            山川 良一君            西田 隆男君   政府委員    通商産業政務次    官       本間 俊一君    公益事業委員会    委員     松永安左エ門君    公益事業委員会    委員      宮原  清君    公益事業委員会    事務総長    松田 太郎君    公益事業委員会    技術長     平井寛一郎君    公益事業委員会    経理長     中川 哲郎君   事務局側    常任委員会專門    員       林  誠一君    常任委員会專門    員       山本友太郎君    常任委員会專門    員       小田橋貞壽君   説明員    経済安定本部産    業局次長    岩武 照彦君   参考人    電気事業経営者    会議事務局   福田 勝治君    中央給電連絡会    議委員長    山崎 久一君   —————————————   本日の会議に付した事件 ○連合委員会開会の件 ○本委員会運営に関する件 ○輸出信用保險法の一部を改正する法  律案内閣送付) ○通商及び産業一般に関する調査の件  (昭和二十七年度電力需給計画に関  する件)   —————————————
  2. 竹中七郎

    委員長竹中七郎君) 只今より通商産業委員会開会いたします。  議事に入ります前に国際的供給不足物資等需給調整に関する臨時措置に関する法律案安本委員会のほうへ出たのでございます。それにつきまして安本委員長のほうから合同審査をやるならば早くその申込をしてくれろと、こういうような要求があつたのでございますが、これに対しまして当委員会といたしましては合同委員会をやるかやらんか、申込むかどうか、この点につきまして皆様がたの御意見を伺いたいと思います。
  3. 栗山良夫

    栗山良夫君 この問題は前国会以来この委員会でも関心を持つて政府所信を貸したこともあり、且つわざわざ安定本部長官出席を求めて安定本部所信を質したこともあるのであります。従つて重要な法案だと思いますので是非合同審議のできるように申込をせられたいと思います。
  4. 中川以良

    中川以良君 私も今栗山委員が申された意見賛成であります。これは本委員会といたしましても非常に関心を持つて先般関係当局質疑をしておりますのですから、是非一つ合同委員会において更に政府説明を聞き、我々も又質問等をしたいと思いまするから、さようにお取計らいを願います。
  5. 竹中七郎

    委員長竹中七郎君) 只今栗山委員の御発言並び中川委員の御賛成通りに取計らいまして御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  6. 竹中七郎

    委員長竹中七郎君) 御異議ないものと認めまして、取計らいその他は委員長にお委せ願いたいと思います。御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  7. 竹中七郎

    委員長竹中七郎君) 御異議ないものと認めてさよう取計らいます。   —————————————
  8. 竹中七郎

    委員長竹中七郎君) 次にお諮りいたしますが、いろいろの問題につきまして参考人のおかたをお招きいたしましていろいろ参考意見をお聞きして見たいと思つておるのであります。本日はかような取計らいをいたしたのでありますが、この点皆様にお諮りをいたしませんで恐縮でございますが、今後におきましても繊維機械の問題、或いは中小繊維機械の問題、或いは織布操短問題等がございますが、これの参考人を呼ぶことにつきましてあらかじめ御了承を得たいと思いますが、御異議ございませんか。
  9. 栗山良夫

    栗山良夫君 それは私異議ございません。ございませんが、この前に企業合理化法案審議をいたしましたときに、私が動議を出しまして取上げられておる問題は、通産省考えておる、或いは安定本部考えておる産業政策基本になる点の調査がまだできていない、従つてそれを中心にしましていま少し断片的でなく総合的な調査をせられるように私は願いたいと思います。従つて繊維機械の問題はすでにこの前参考人意見を聞いたわけなので、大体についてはわかつておりますが、それをどうするかという政府側方針もまだ明らかにせられていない。それでできれば今問題になつておる兵器生産等の新々特需と申しますか、そういうものと、それからいわゆる特需関係、更に平和産業的なもの、そういうものに分けての方針も明らかにしてもらわなくちやいけない。特に中小企業の問題については、最近一般の報道機関挙げてこれを伝えておるような状況でありまして、非常に前途は楽観を許さないわけでありますから、従つて只今委員長が指摘しました問題も、中小企業打開策一環として取上げられるべき問題が多かろうと思います。そこで海外の販路とか、或いは国内の購買力の育成の問題、或いは金融資金等措置の問題、或いは中小企業措置問題等、いろいろの、もう少し專門員のほうにおいて総合せられて、組織的にこの委員会で取上げられるように、委員長にお任せばいたしますけれども、そういう意味でお進めをお願いいたしたいと思います。
  10. 竹中七郎

    委員長竹中七郎君) 只今栗山委員の御発言のようなふうにやりまして、今私が申上げますようなものを先にやるか、通産省のお考えを聞いた上にやるかという問題でございますが、この点一つ委員長にお任せ願うことに御異議ありませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  11. 竹中七郎

    委員長竹中七郎君) それではさよう取計らいます。   —————————————
  12. 竹中七郎

    委員長竹中七郎君) 本日は先ず最初輸出信用保險法の一部改正に関する法案提案理由説明を聴取いたしまして、次いで昭和二十七年度電力需給計画に関する調査をいたしたいと存じます。先ず最初輸出信用保險法の一部改正に関する提案理由説明を求めます。本間政務次官
  13. 本間俊一

    政府委員本間俊一君) 提案理由の御説明を申上げます。  平和條約の発効を自前に控えました今日、我が国の経済的自立を速かに達成すべき必要性が改めて痛感されるのでありますが、それがためには、貿易の飛躍的な振興に待たなければならないことは、重ねて申すまでもないところであります。政府はここに輸出貿易振興方策一環といたしまして、輸出取引における諸種の危険を保險する制度を更に擴充強化するため、このたつび輸出信用保險法の一部を改正する法律案を提出して御審議を仰ぐことといたした次第であります。  現行輸出信用保險法は、昭和二十五年三月三十日に施行せれら、先ず甲種保險制度を確立して、最近における緊迫した国際情勢の下に、輸出取引に伴う為替制限、戰争等の非常危險に基く不測の損失を救済いたして参りました。又昨年十二月一日には、前国会を通過した一部改正法律が施行せられ、これにより、機械設備等資本財輸出につきまして、船積後その輸出代金を回收するまでの間における買手の破産、支拂義務遅滞等のごとき信用危險を救済する乙種保險制度を併せて実施して参りました。併しながら、過去約二年に亘る甲種保險制度実施の経験に鑑みまして、この制度について、なお改善すべき諸点が見出されましたほか、更に現下の切実な要請であるドル地域輸出振興を促進するため、輸出資金融通円滑化を図り、又海外市場開拓を期する上に、保険制度による推進策を講ずる必要が生じて参つたのであります。本改正法律案は、かかる必要性に基きまして、現行制度改善と、新種保険制度の設定をその内容といたしたものであります。  以下改正法律案の概要を御説明申上げます。  改正の第一点は、甲種保險制度改善であります。甲種保險につきましては、その被保険者及び損失填補範囲を擴大するのほか、損失填補の方式についても技術上の改正を加えております。  改正の第二点は丙種保険制度創設であります。輸出品生産集荷等に必要な資金につきまして、その調達の円滑化を図りますことは、輸出振興上極めて肝要でありますが、金融機関輸出資金融通する場合における最大の関心事は、言うまでもなく、その融通した資金が満期に回收され得るか否かということであります。丙種保險は、金融機関のこのような不安に着目し、保險制度によつてこの不安を除去して、ドル地域輸出に関する金融の疏通を図ると共に、他方金融機関から輸出資金融通を受けた輸出者又は輸出品製造者等に対しては、輸出不能の事由が発生した場合において、輸出資金の返済の延期を許し、以て損失の償却に要する時間的余裕を與えようとするものであります。  改正の第三点は、丁種保險制度創設であります。これは、ドル地域輸出の促進を目的として、輸出品広告宣伝費用が支出せられた場合におきまして、当該費用が爾後の輸出によつて回収されない損失を保險する制度でありますが、かかる保險制度に基く保護によつて、新市場開拓及び輸出量の増大を図ると共に、関係業者広告宣伝に対する関心を喚起しようとするものであります。  以上申述べました輸出信用保険法改正に関しましては輸出信用保險に関する政府事業を経理いたしておりますところの、輸出信用保險特別会計資本金を増額する必要がございますので、昭和二十七年度予算におきまして、一般会計より本会計に対する十億円の繰入を計上するのほか、所要の事務費の増額を計上いたしております。  何とぞ御審議の上、御賛成賜わらんことを切望いたします。
  14. 竹中七郎

    委員長竹中七郎君) 本件に関する質疑は次回に讓りたいと思いますが、御異議ありませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  15. 竹中七郎

    委員長竹中七郎君) 御異議ないものと認めます。   —————————————
  16. 竹中七郎

    委員長竹中七郎君) それでは只今より昭和二十七年度電力需給計画に関する調査に移ります。前回の三月八日の調査当時は、本日の委員会公益事業委員会から、復旧計画資料及び説明を願える予定でありましたので、参考人のことはお諮りしなかつたのでありましたが、その後公益事業委員会側の準備が間に合いかねる情勢となりましたので、経営者会議事務局のほうから資料及び説明を願うことに取計らいましたから、御了承願いたいと思います。
  17. 栗山良夫

    栗山良夫君 今おつしやつた意味はどう意味ですか。よくわからないのですが……。
  18. 竹中七郎

    委員長竹中七郎君) 速記をとめて。    〔速記中止
  19. 竹中七郎

    委員長竹中七郎君) 速記を始めて。
  20. 栗山良夫

    栗山良夫君 実は今日伺います電力需給に関する問題は、平常の場合と違つて、今予定をせられていると言われる電力料金更改に関する最も大きな基本資料になるわけです。基本点になるわけです。従つて電力料金の問題を総括して扱つているのは、公益事業委員会なわけなんです。この委員会でこの問題を扱おうというのは今度の電力料金更改内容について委員会として調査をいたしたいというのが、過日中川君から動議を出された趣旨なわけです。従つて我々がここで電力需給の問題を調査しようと思うのは、やはり権威ある数字でなければならない。権威ある数字ということになれば、公益事業委員会主管庁なわけでありますから、公益事業委員会の提出される資料に基いて説明を願わなければ、これは権威はないということになるわけです。私はそういう理窟を申上げるわけでありませんが、ただお話を承わる前に伺つておきたいことは、電気事業者から、この数字というものは将来公益事業委員会が出される数字内容的に違いが絶対にないのかどうかということを明らかに承わつておきませんと工合が悪いのじやないか、こう思うわけです。
  21. 松田太郎

    政府委員松田太郎君) 電力会社のほうからは先週の土曜日に申請がございまして、只今私のほうで数字的な間違がないかどうか、そういうような細かな点につきまして検討いたしておりますが、大体の太い線におきましては電力会社のほうからの申請に対して委員会としては六一体そのまま聽聞会のほうに議案を附しまして、その上で最後的な検討をいたしたいと考えておりますので、今日電力会社のほうで御説明があるとすれば、大体それについてお聞取り頂きまして、いわゆる聽聞前の御審議としては差支えないのじやないか、かように考えております。
  22. 栗山良夫

    栗山良夫君 そうすると重ねて伺いますが、電力事業者只今公益事業委員会申請されておる電力料金内容というものは、聽聞会を開きまして一般輿論を聽取せられるまでは、事業者が提出された内容について公益事業委員会或いはその他行政官庁意思によつて修正をせられることは絶対にないと、そういう工合にはつきりいたしてよろしうございますか。
  23. 松田太郎

    政府委員松田太郎君) 一番根本になります点は、いわゆる来年度の電力需給計画をどういう工合にきめるかという点が根拠になりまして、私どもとしましては、電気料金改訂申請をいたしたのであります。従つて需給計画につきましては、先般もお話申上げましたように、経済安定本部とも十分慎重に打合せをいたしまして、大体得ました結論に基いて各社から申請をいたしておるのであります。従つてその上について出て参りました料金の問題については、先ほど申しましたように、具体的に数字その他の点について委員会としても今検討しておりますし、それから又今日もこの会議におきまして皆様がたのいろいろな御意見も承われると思つておりますが、そういうような点は十分参考にしなければならんと思つておりますが、大体において支障のない範囲におきましては、この電気事業者の折角の申請でございますので、それを委員会がいろいろな方面の意見を聞いて決定するのは、先ほど申しましたように、聽聞会その他の方法によつて輿論十分伺つた上で最後的に決定しますので、その事前に、この議案内容としては、特別の事情のない限りは大した変化を来たさないだろう。むしろ会社側申請について数字の点その他において間違がなければ、大体それを原案として聽聞会にかけて輿論意向を聞きたいという方向に進むのが至当ではないか、かように事務総長としては考えております。
  24. 竹中七郎

    委員長竹中七郎君) 栗山君にちよつと申上げますが、実は專門員のほうで研究した結果は、中川君が、先般事業委員会で決定したものを我々が審議するということは、研究するというのですかう調査することは無意味だ、その前に大体の輪郭がわかつたときに、きまらないうちにやつて頂きたい、こういうようなわけでありますので、そういうように專門員のほうで取計らいまして……。
  25. 栗山良夫

    栗山良夫君 僕はまだ、そこまで進めて行こうという途中で、そういうことを言われては困る。
  26. 竹中七郎

    委員長竹中七郎君) そういう意味でございますから……、私ども專門員考え方は。
  27. 栗山良夫

    栗山良夫君 そこでですね、松田事務総長は若干言葉を濁されているのですが、松永委員長代理はどうお考えなのでありますか。電気事業者から申請されたところの数字は、そのまま生で聽聞会にかけ、或いは国会からも意見が出るでありましようが、そういうものの取入れは聽聞会後に慎重に公益事業委員会として考えられて、修正を要するものは修正をする、こういうような手続をおとりになるのか。或いは今申請せられたものを公益事業委員会において更に審査をせられて、聽聞会にかける前にまだ若干工合の悪いところは修正をなさるのか、そこのところをちよつとはつきりとお聞きしたいのです。そうしませんと、公益事業委員会議案の取扱の問題がありますので、伺つているわけです。
  28. 松永安左エ門

    政府委員松永安左エ門君) 大体松田事務総長の申された通りでありまして、今度の問題は大体二つ意味を含んでおります。一つ割当の問題で、相当安本その他と御交渉しまして、料金について特に御交渉はしませんけれども、その割当交渉中に御意向のあるところも幾分お聞きすることもできましたし、同時に業者のかたがたもこの割当問題は非常に苦心された点でありまして、従つてその問題は料金にも影響していることは当然でありますので、二つの異つたことを連絡して同時に委員会でも或いは委員会事務局でも相当調査に時間を費したのでありまするが、大体事務総長が申しましたように、一応十五日の申請を大体眺めた形において、あれを各官庁の更に折衝並びに聽聞会にかけて、そうしてその間ほうぼうの御意見も聞き、輿論のあるところを了解して、公益事業委員会としては、訂正すべきところがあれば訂正し、又修正すべき点は十分に修正を加えて、これを実行に移したいものだと思つております。その点松田君の御意見と大差がありませんのでございます。重ねて申上げておきます。
  29. 栗山良夫

    栗山良夫君 まあ大体その聽聞会前には修正をしないのであるというふうに私は拝聽したわけですが、それではもう一遍松田事務総長に伺いますが、先ほどあなたのお言葉の中に、特別な事由のない限りという言葉があつたわけでありますが、その特別な事由というのは一体何を指しておられるのですか、それをちよつと……。
  30. 松田太郎

    政府委員松田太郎君) 先ほど申しましたように、この一番基礎は、今度出しますものは、二十七年度の電力需給計画でございまして、これにつきましては、極く最近の機会に委員会としまして、一応需給計画というものを決定するつもりでございます。で、その需給計画内容等について、只今事務局内部において更に細かく検討いたしております。そういうような点について、経済安定本部とも従来いろいろお打合せをしておりますが、必要に応じてその方とも、更に検討を加えるというような点が出て来るのじやないかと思いますが、まあ大体先ほど申しましたように、従来から緊密な連絡をとつておりますので、結果的には殆んど変わることはないと思いますが、その需給計画について我々としては十分慎重に、而も検討して参つておりますので、近くその決定をしたいと思つておりますそれが仮にでいろいろな特別な事情で変更しなければならんというようなことがあれば、別でありますが、まあ私の考えでは、これまでも十分打合せをして参つておりますので、そういうことも恐らく問題は、大した問題はないのじやないか、かように考えておりますので申上げたのであります。
  31. 栗山良夫

    栗山良夫君 その公益事業委員会安定本部通商産業省とが、この需給計画の問題については相当御熱心にその打合せをせられて、業者との間にも緊密な連絡がとられたということは、我々もこの委員会で承わつておりますから承知をしておるわけです。そうして数次に亘つて修正せられたことも知つておるわけでありますが、そうしてその非常に練り上げて作られたと言われる案が、更にその特別の事由でという意味が、今の御説明だけではどうも具体的にわからないのでありますが、例えばこの委員会需給計画にいて意見が出ましたときには、そういう意見を取入れることも特別の事由の中に入つておりますのか。今まで役所打合せをせられたその打合せがまだ足りなかつたという意味が特別な事由になるのか。或いはその他まだほかに特別の事由があるのか。もう少し明瞭に伺つてときたいと思います。
  32. 松田太郎

    政府委員松田太郎君) 大変突つ込まれた質問で弱るのでありますが、要するに、今日お開き頂きますにつきましては、この前もいわゆる最後的の結論を出す前に、委員会を開きたいから、大体十八日ぐらいに、どうかというお話で十八日に開いております。従つてまあ委員会といたしましても、あらゆる面から検討して需給計画の大体の結論を得たと申していいくらいに進んでおると思うのでありますが、かねてそういう意味で今お開きを願つております。そういう意味で今日の皆さんがたの御意見も当然拜聽しなければならん我々としては立場にあると思います。そういう意味で今日もいろいろな御意見はお承わりをしたい、かように考えております。併しながら、それに対して最後的に委員会として需給計画を決定する立場にございますので、どういう工合結論を出すかということは、これはもう委員会として最後的ないわゆる責任を以て結論を出さざるを得んだろうと思つております。今日お呼び出しを頂きましたのは、従来の経緯から見まして、そういう関係でございますので、そう申上げたのでございます。
  33. 栗山良夫

    栗山良夫君 私これは問題が二つになると思うのですが、一つは、この委員会で、いわゆるまあ国民の代表機関としていろいろ需給の問題、需給計画の問題について意見が出ました場合に、その意見がどの程度に付度せられ、どの程度修正面に入り得る、又入れるべき時期というものはどういうときなのか、それをまあお聞きしなければならんというのが一つでありますが、その前に原案であるこのものが、今の松田事務総長お話を承わつておりますと、国会内で意見の出ましたことを特別の事由考えて、公益事業委員会で決定するときの重要な資料にしようというお考えではなくて、何かはかにあるように私は伺うのでありまして、ほかというと役所の間では相当もう緊密に打合せをせられて、役所としての意思十分電気事業者原案の中に織込まれておるように私は聞いておるわけなんですが、そこのところは今後の運営の問題がありますので、もう少し率直にお聞かせ願えませんか。
  34. 松田太郎

    政府委員松田太郎君) 私、余り特別な事由というような、仰山な言葉を使いましたので、非常に誤解をしたのだと思いますが、要するに先ほど申しましたように、我々のほうといたしましても、全般的の検討をいたしまして、各電力会社のほうに示しておるのでありまして、従つてそれを具体的に、それがどういう工合に織込まれておるかということにつきましては、先ほど申しましたように、只今事務局内で現在でも検討しておるのであります。そういう意味で、全然ここにお示しした細かな数字と少しも変らずに済むかどうかということについては、只今検討しておるということを申上げたのでありまして、そういう又いろいろな意味でこの数字に多少の変動があるかも知れませんけれども、併し前々から申しましたように、十分関係当局のほうとも仔細に検討して参つておるので、従つて大きな動きというようなことは、先ず先ずないと思いますので、従つてそういう意味で今日御審議を頂くことにつきましても、各電力会社のほうからの説明をお聞取り頂きまして、御審議願つてどもとしては差支えないのじやないかと、かように考えております。
  35. 栗山良夫

    栗山良夫君 私はそれはいいですよ。それはよくわかりますが、問題は公共事業会によれば、公益事業委員会というものは電気事業者から何條かによりまして、料金改訂申請があつたときには、勿論内容調査せられる権利を持つておられるでありましようが、聽聞会を開いてその聽聞会の意を参酌して認可せられると、こういうことになつておるので、申請せられた書類を聽聞会にかける前に、もう一度電気事業者修正させて申請書の再提出を命ずることができ得るのかどうなのか、そこのところを私はお聞きしておるわけであります。松田事務総長お話だと、どうもそれが場合によつてはそういうことをやり得る場合があり得るようにおつしやつておりますので、私時間を費して済みませんけれども、繰返してお尋しておるわけであります。
  36. 松田太郎

    政府委員松田太郎君) 需給計画の点は、只今申しましたように、そういう意味検討をしておりますので、もう極く近くに委員会としての結論を出したいと、最後的な結論を出したいと思つております。それからなお電気料金申請につきましても、先ほど申しましたように数字的な誤謬がないかどうか、一つ方針の下に立てられた考え方はこれを是としましても、今申しましたように具体的な数字的の誤りがないかどうかということについて今検討しておりますので、そういうような点については、若しも誤りがあるとすれば極く最近の機会に補正の手続をとつてもらう、これは前回の電気料金申請のときにもそういう手続をとりましたが、今度もそういう途は考えております。
  37. 栗山良夫

    栗山良夫君 大体了解しました。そうすると、出された申請書について、事務的に、まあ内容検討されて、誤謬と認められるような点があれば補正を申請者に要求をして、そしてその結果を聽聞会にかけられる、こういう工合に理解してよろしうございますか。
  38. 松田太郎

    政府委員松田太郎君) その通りでございます。
  39. 栗山良夫

    栗山良夫君 そうしますと、例えば参議院の通商産業委員会意見というものが、公共事業会の運用についてどういう立場を持つかはこれはにわかに断定できないわけでありますが、併しながらこの委員会が表明する意見というものは国民を代表するところの意見であろうと思いますが、こういうものを取入れられるといたしますとどういう形で取入れられますか、その点を伺いたい。
  40. 松田太郎

    政府委員松田太郎君) 電気料金の実態につきましての問題であるとすれば恐らく聽聞会におきましてもいろいろ各方面の御意見を伺うことになりましようし、又恐らく今後もその前後等にはいろいろ御意見も伺うことができると思いますので、そういう際に一応そういういろいろな問題については一緒に検討いたしまして、最後的に委員会として認可をするときに考えるべきことになるであろうと存じます。
  41. 竹中七郎

    委員長竹中七郎君) では、最初に経営者会議のほうから需給計画作成の経過、供給力算定根拠、需用種別ごとの電力配分の方法等につき、前年度と比較して資料につき御説明を願います。
  42. 福田勝治

    参考人(福田勝治君) 二十七年度の需給想定について御説明申上げます。これは只今いろいろお話ありました通り電気事業者で策定したものでありまして、その間関係御当局ともいろいろ連絡申上げた次第であります。なお説明に入る前に配付いたしました資料一つ誤謬の点がありますので、数字を御訂正願いたいと思います。それは二十六年度需給想定表(公益委策定)という中で供給力のほうでありますが、水力発電所がありまして、それからその下に火力発電所がありまして、その下に以上計というのがあります。以上計というその最後の数字がミス・プリントでありまして、この表では三百七十九億六千八百三十万、こういう数字になつておりますが、これを三百八十三億七千八百四十万に御訂正願いたいのであります。それからその次の数字も同じく三百八十三億七千八百四十万に御訂正お願いしたいと思います。訂正はそれだけであります。  二十七年度の需給を想定いたします場合に一等問題になりますのは、供給力を如何に算定するかということでありまして、この供給力の算定につきましてはいろいろと苦慮いたした次第でありますが、先ず第一番目に水力の発電所の水の出方でありますが、これは前回の二十六年度の想定におきましては過去九カ年間の平均水量をとつておりましたが、今回は更に一年を附加えまして十カ年の平均出水率を根拠にいたしておる次第であります。それからその発電所のそういう水に対して実際有効にどれだけ使われるかというと、つまり発電所の利用率ということがいろいろと問題に相成ります。これは後ほど少し説明いたしたいと思いますが、そういうようなことが問題になりまして、我々としては水力の発電電力量、最初考えましたのは、そこには数字は出ておりませんが、水力発電量、合計で三百十三億三千二百万キロワツト・アワーというような想定をいたしたのであります。それからして、この中には今年二十六年度において発電所の新規開発された発電所を作つておるのでありまして、二十六年度の数字とはその点において違つております。今回含まれておる新設の発電所は、水力におきまして、我々事業者の建設したもの並びに県或いは鉄道省等で建設されたもの等を合せまして約二十七万キロの発電力が二十六年度に追加されたものが二十七年度に相成つております。その電力は約八億二千万キロワツト・アワーほどの電力が追加になつております。そういうような想定で先ほど申しましたように、水力といたしましては当初計画いたしましたのは三百十三億三千二百万という想定をいたしたのであります。  次に火力発電所でありますが、火力発電所につきましては、今回の需給想定におきまして一等苦慮した点でありますが、従来の実績等を勘案し、且つ又今後の需用増ということに対処するためにいろいろと考えたのでありますが、御承知のように、二十六年度の青本想定におきましては、石炭は合計におきまして六百五十二万トンの石炭が入つております。これは私らのほうで事業者で持つております火力発電所と自家用火力の委託発電とを合せた合計であります。これが二十六年度の想定数字でありました。ところがそれに対して今日までの実績数字は全国的にまだ十分揃つておりませんが、二十六年一月から二十六年十二月までの数字を見てみますと、六百九十一万二千トン程度の石炭を消費したことに相成つております。過去のそういうような実績等を考慮いたしまして、当初私らのほうで考えました想定は、私らのほうの自社経営の火力で以て六百八十七万七千トン、重油が二十九万トンそれから委託発電の火力が五十三万七千トンという数字を当初に見込んだのであります。この石炭は重油一・八という比率で石炭に換算いたして見ますと、約七百九十四万トン程度に相成る数字を当初計画したのであります。この七百九十四万トンは、先ほど申しました去年の六百五十万トンに対して相当量の増加になつておるのであります。それでこの石炭に対して、当初計画いたしましたが、その後いろいろな、当局等の御指示或いはいろいろのお話がありまして、この石炭量では今回の需給に間に合わんという結果に相成りまして、最終的に作りました今回の、これから御説明いたしますところの最終案では、自家用の自社経営の火力の石炭は七百二十万三千トン、重油が二十九万トン、委託火力が六十一万九千トンという数でありまして、結局石炭は重油換算一・八にいたしますと、八百三十四万四千トン程度に相成る数字に最後になつております。とにかく当初に私らのほうで計画いたしました石炭のトン数は、先ほど申しましたように、約八百万トン弱の数であつたのであります。そのような想定で以て、いろいろ需給想定をやりましたが、それが今最後に申上げましたような数字に最後的には訂正いたしたのであります。  それでなおその場合に、あとでもう少しその辺の詳しいことを御説明申上げますが、その最初の私らの考えました案から最後に考えました案は、石炭のトン数においてさように変更しておるばかりでなく、発電所の利用率等におきましても、当初私らのほうで考えましたものと比べまして、相当の利用率の向上を図つたのであります。これは利用率につきましては、去年の、二十六年度の需給想定におきましては、全国平均九一・一%という数字に相成つておるのでありますので、我々が当初考えました利用率は九一・二、去年の青本の数字より多少上昇したという線をとつたのであります。実は去年の青本の数字は、私らとしては非常にシビヤーな数と考えておつたので、今回も大体その数字に準拠いたしたのであります。ところが需用の方面から見て、なお供給力の増加を必要とするという考え方からこれを最後にとりましたのは九三・二%という利用率に上昇せしめたのであります。実は皆さん大体御案内の通りでありますが、発電所の利用率というものは、現在電気事業といたしましては、殆んど水力発電所の修理を放擲いたしまして、供給をしておる、或る某会社の某水力発電所等におきましては、隧道が壊れかかつておるけれども、これをとめて修理する余裕がない、時間がない、それをとめておると、電力をその期間停止しなければならんということで、非常に無理やりに運転を持続いたしておるのであります。従いまして我々事業者といたしましては、この利用率を九三程度まで上昇せしめることは、非常に我々としては、危惧の念を抱いておるのであります。つまり我々としてはこんな利用率を上げることは発電所を完全に維持管理できない、維持管理するのに非常に困難であるというような見解をとつておるのでありますが、併し二十七年度の需給を見ますと、どうしてもそういう無理をしなければならない。このために発電所は設備に多少の危険と言つては語弊があるかも知れませんが、多少の危つ気があることを押し切らなければならないというような状態になつておるのでおります。それでとにかく利用率をさように九三・二%まで上昇いたしております。その結果、水力発電所で先ほど申しました第一次案に比べまして最終のこの案は、第一次案が三百十三億三千二百万と先ほど申しましたが、その数字に対しまして、最終案ではここに出ておりますように、三百十九億八千五百万という数字に相成つておりまして、相当、約五億キロワト・アワー程度以上の水力を出すという結果になつて来たのであります。  次に送電損失でありますが、これは去年の、二十六年度の想定におきましては、全国平均二五・七%という数でありました。実は去年のこの二五・七%という数字は非常に無理な数でありまして、実際問題といたしまして、こんな数字は大体それを目標としてここ両三年後に達成し得る目標数であると私らは考えておつたのであります。そうしてその目標に向つて我々事業者は努力いたしました結果、かなり能率の、損失率の上昇を見ましたので、当初の案では損失率は全国平均二六・三にいたして、当初の案を出したのでありますが、最終案では二五・七七という数字で以て損失率を出した次第であります。かくのように、水力発電設備におきまして相当の無理をいたします。又火力発電所においては先ほど申しました通り、前年度の六百五十二万トンに対して、今回は八百三十四万トン程度の石炭を焚くという非常に無理な焚き方をするようなことにいたしましたし、又送電損失の点におきましても、去年の目標に殆んど等しいような目標数字で以て今回最終案を我々としてはきめたのであります。その結果といたしまして、今回の最終案では需要の総数は三百八億四百万キロワツト・アワーでありまして、去年の想定数字二百八十四億七千二百万に比べまして約九%程度の増加ということに相成りました。結局この三百八億八千万というトータルの需用電力を我々は今回想定として最終的に考えた数であります。それでこの電力をどういうふうに需用に配分いたしますかということにつきましては、いろいろ途中のいきさつもありますが、少し話を申上げますと、先ず大口丙、つまり三千キロ以上の需用家の供給電力は除きまして、それ以外の電力につきましては、需用想定の需用量につきましてはできるだけ需用を制限しなければならんというか、去年の実績から余り殖やすことが困難であるのでありまして、成るべく新規の需用に対してはできるだけ御遠慮願うというようなことを想定せざるを得なかつたのでありますが、併しそれにいたしましても、従来からそういう方針で立てておりましても、実際は相当程度需用が伸びますので、例えば電燈等におきましては相当家が立つわけであります。こういう需用に対しては何としても抑えるわけに行かないので、そういうことを考慮いたしまして需用数は想定いたしました。  それから需用電力量につきましては、大体去年の渇水時期を除きまして、昭和二十五年九月から昭和二十六年の八月までの一カ月年間の原單位を大体考慮いたしまして、それを基準としてきめたのであります。それで当初私らが考えました需用と、最終的にきまりました需用とはその間いろいろいきさつがありますが、その最も大きい点は、結局三千キロ以上の需用に対しまして、国の生産計画から見て相当の電力をそのほうに割かなければならないということのためにいろいろと試算を何回もやつた次第であります。その三千キロ以上の需用につきまして当初私らのほうで考えました需用と、最終的にきまりました需用とを見てみますと、当初我々が先ほども申しました石炭を七百三十九万トン焚くというあの想定のときにおきましては、大口丙に対しましては特約電力を合せまして、且つ又住友及び黒部の電力等の供給する分を合せまして百二十一億六千万という数字を出したのであります。これに二十六年度の青本の数字、二十六年度の想定数字百九億六千万キロワツト・アワーに比べましてかなり大きな数を想定いたしたのであります。ところがその後当局のいろいろの御内示もありまして、百二十一億六千万という数字はもう少し上げなければならんというような結果に相成りまして、結局最後的にこの数字は百三十三億二千九百万キロワツト・アワーになつております。そのために当初我々が考えました発電計画、供給計画を先ほど申しましたようないろいろな点において修正を行い、石炭の量も相当増加してこの需用に応ずることにいたしたのであります。勿論そのほかにこの供給を確保するために一般の動力、小口動力等は、当初考えておりました数字よりは多少圧縮いたしております。これは特契需用を除きまして当初考えました数字を五%程度圧縮いたしまして、その浮いた電力を大口丙の電力に供給申上げるというような操作をいたしたのでありまして、そのために大口乙以下の小口需用並びに業務用電力等におきましては相当窮屈な需用想定に相成つております。併しこれは現在の置かれておる我が国の現状から見て止むを得ないと考えまして、さような想定を変更いたした次第であります。  それでその詳細な最終的な数字は二十七年度需給想定という、この数字で見て頂きますとわかりまする通りでありますが、これは最終の数でありますか、この数字について少し申上げますこ、供給力のほうから申上げますというと、一番上に書いてあります流込式可能発電力量、その会計三百二十六億九千万、これは去年の青本の想定数字に比べまして約四%増になつております。それから利用率等を書きましたその次の流込式発電電力量三十億四千六百万、これは去年の青本に比べまして約六%の増になつております。それからその下の水力発電、計三百十九億八千五百万は、去年の想定に比べまして約一〇五・五%、五・五%ばかり多くなつております。それから火力の委託発電電力量四億六千九百万、これは去年の青本に比べまして約一五八%、五割八分の増加になつております。それからその次の自社系の火力発電電力量八十四億五百万、これは去年の青本に比べまして一一八%、一割八分増になつております。従つて発電電力量、計四百十六億一千四百万は約九%増になつております。それからずつと一番しまいの需要端供給量、ロスを引いた最後の需要端供給量、先ほど申しました三百八億八千三百万キロワツト・アワー、去年の青本に比べまして大体九%増になつております。八・何%、約九%増になつております。  それからその次の需用のほうを申上げますと、進駐軍需用は、これは八億九千七百万キロワツト・アワー、これは去年の青本に比べまして約九五%、少し減つております。これは現状から見まして多少減つて行くものと想定いたしました。それからその次の電燈、計でありますが、電燈、計六十億三千九百万キロワツト・アワー、これは去年の青本に比べまして一〇一%、約一%の増であります。それから小口電力二十一億四千万キロワツト・アワー、これは去年の青本に比べまして一〇七%、七%増、それから大口甲は一〇二%、それから大口乙は九七%、これは大口乙からして大口丙へ移りましたので、多少大口乙が減つております。それから大口丙はそこにありますように百二十億二千四百万キロワツト・アワー、これが一一八%、一割八分の増であります。それからその下にあります特殊電力六億三千二百万キロワツト・アワー、これは去年の青本に比べまして三四三%、約三倍の増ということに相成ります。電力、計におきましては二百三十六億、これが一〇七%、約七%の増、需用総計は先ほど申しましたように約九%の増、こういうような数で、大口丙に対する需要の伸びが非常に大きく目立つておりまして、そのほかの需用は大体去年の青本の数字にほぼ近い数だと、こういうふうに御了承願つてよかろうかと思います。それで需給の想定等は大体御了解を願つたことと思いますが、これの標準電力量と追加電力量の比率でありますが、これは今回の想定は別に資料は出ていないのでありますが、完了した数で言つて見ますると、今年の一月から十二月までの実績に比べまして、今回想定いたしております標準電力量は、一月からして十二月までの実績に比べまして二十七年度の想定でありますが、標準電力量は一〇六%、少し殖えております。それから業務用電力は約一〇五%、ほぼ同じことであります。小口電力は九八・八%、大口甲は九八・二%、大口乙は一〇・八%大口丙は一一二%というような、実績に対しましてそういうような想定になります。それから去年の小口電力は青本に比べまして、今回の想定は一〇・六%、大口甲は一〇一・二%、大口乙は九七・六%、大口丙が一一五・三%というような程度に相成つておりまして、大体去年の実績から見まして、標準電力量でお使い願うものは大体去年の実績程度のものだと、こういうようにお考え願つてよかろうかと考えております。  大体そういうことでありますが、最後にこの電力需給想定をやります場合の事業者間の電力融通計画のことでありますが、当初我々が考えました融通計画では、大口丙にこういう大きな需用がないと想定いたしたその当時の考え方といたしましては、大体二十六年度の各会社の間の融通契約量を大体二十七年度は量においてそのまま踏襲しよう、つまり各事業者間の融通電力量は、二十六年度の契約数字をそのままフリーズするという考え方で進んでおつたのであります。ところがあとで説明いたしましたように、大口丙の需用が非常に大きな需用になつたことと、地区間に当時想定したものと相当の食い違いを生じたのであります。そのために更に第一次の融通電力のほかに、更に第二次的な融通契約をやる必要が生じたのであります。その結果先ほども申しましたように、各電力会社の持つておる発電力の量率を挙げるとか、或いは又ロス率を減らすとか、或いは三千キロ未満の需用を圧縮するとか、そういうようなことをして、浮いた電力を各事業者間で相互間に融通をする、そういう形態をとつたのでありまして、その結果として資料として配付申上げております通り、中国電力さんからして関西電力さんのほうに三千万キロワツト・アワーを送つて頂きまして、それだけの融通を行いまして、それから関西電力から更に自分の会社で以て三億三千万キロワツト・アワー電力を捻出いたしまして、その二つを合せた電力を北陸電力さんのほうに一億六千万キロワツト・アワーを融通して頂きました。それからその残りを東北と東京に融通して頂くわけでありますが、東京にはそのうち四千万キロワツト・アワーを東京電力融通してもらう。関西さんから東京経由で以て北陸電力さんに一億六千万キロワツト・アワーの電力融通願う。それから中部電力から四千万キロワツト・アワーの電力を出して頂きまして、それを東北電力の高田方面に送つて頂くというような第二次融通を行うことになつたのであります。大体こういうような融通を、当初考えました去年の、二十六年度の融通契約にプラスして、プラスすると言うか、別途にそれだけ附加えて融通することにいたしておる次第でありまして、この融通契約につきましては、第一次の融通契約とは別途で、この融通契約は今年限りの電力である、来年度からは需給、勿論この大口丙の想定が動くことも考えられるし、これは今年限りの融通であるという考え方で、こういう第二次融通を行うことにいたしたのであります。この融通につきましては、値段のことをそこにちよつと表に掲げておりますので申上げますと、値段は、特殊電力は六十銭、それからして常時電力は六円という電気で以て融通願うということにいたしたのであります。特殊電力六十銭という電気は、殆んどこれは一般の産業にお使いになる特殊電力の値段に大体近いのでありまして、近い値段で融通する。それからこの六円という電気は、これは火力発電所の大体電気で融通するという考え方でありますが、併し火力の総原価でなくて、石炭費とそれから運炭灰捨費と、つまりインクレメント・コストだけ、それだけ多く焚くことによつて増加するインクレメント・コストだけとつて、それの約九がけ程度の單価で似て融通願う、こういうようなことにいたしておるのでありまして、そういう第二次融通を行うことにいたしまして、各社間の需給のアン・バランスを調整いたすことにいたした次第であります。  大体二十七年度の需給想定につきましては、以上のようなものでございますが、なお詳細なことにつきましては、いろいろ專門家も来おりますので、御質問がありますればお答え申上げたいと思います。以上であります。
  43. 竹中七郎

    委員長竹中七郎君) ちよつと速記をとめて下さい。    〔速記中止
  44. 竹中七郎

    委員長竹中七郎君) それでは速記を始めて下さい。只今説明に関連がありますので、公益事業委員会から提出資料の御説明を願いたいと思います。
  45. 平井寛一郎

    政府委員平井寛一郎君) お手許に差上げました資料を頁の順番に、はしよつて説明申上げたいと思います。  前回、大体八月以降最近までの実績をいろいろ出すようにというお話でございましたので、いろいろ取りまとめたものその他ございますが、先ず第一頁の最初にございますのは、昭和二十六年度の八月以降における全国の出水率のパーセンテージを表にいたしたものであります。これは全国の会社の関係数字を集計したものであります。この数字のパーセンテージが出ておるのでありまするが、註にございますように、ずつと前の当委員会でも御説明申上げたと思いますが、新らしい数字は午前六時の速報による数字しかございませんので、一月、二月、三月につきましては午前六時の速報の数字によつております。十二月までの分については電力量からずつと計算しまして、一月の平均の出水率を出したものであります。八月、九月、十月は全国的に非常な渇水でございましたので、出水率が非常に下つております。一月、二月はよかつたのでありまするが、二月のしまい頃からだんだん悪くなりまして、三月に入りましてからの出水率は、こういうふうな数字を示しております。  それから次は八月以降の発電用の石炭の受入、消費、貯炭の実績を表にしたものであります。これは紛炭を含めた数字でございまして、三月は推定でございます。この前に大体昭和二十六年度の年間といたしましては、大よそ六百八十万トン、これは重油を含めての数字でございますが、六百八十万トン程度の石炭を消費する見通しであるということを申上げましたのでありますが、その一環としての八、九、十、一、二、三の数字がこういうふうになつておるのであります。    〔委員長退席、理事古池信三君委員長席に着く〕 それからなおこの上の数字が重油を含めない数字でございまして、下に御参考に重油の使用状況を載せております。おおむね十月から消費を始めたのでありますが、十一万五千キロ・リツトルをこの六カ月間に使う計画でこれは進められたのが、月割はこういうふうな受入、消費の状態になつております。それに対しまする二十七年度の計画は、石炭の面で八百三十四万トンであり、そのうち重油が二十九万キロ・リツトルという数字になつておるわけでありまして、その点を御承知願いたいと思います。  その次の頁は、八月以降の地域別の出水率、及び発電用石炭の状況を更に会社別に詳細に挙げたものでございます。説明を省略いたします。  更に次の頁は、昭和二十六年度の流込式発電所の利用率の実績を、これは五月以降十二月までについて挙げております。利用率と申しましても、実際には余剰率と停止率との総合の数字が利用率という言葉によつて現わされておるのでありまして、各会社の内訳が出ておるのでありますが、一番下の欄で総合の毎月の利用率を御覧頂きますと、五月が九三・三、六月が九五、七月が九一、八、九、十月以降は大体九四から九六くらいの利用率の実績を示しております。この年間の数字はまだ年度としては締めておりませんが、大体二十六年度の一月から十二月までについて見まして、おおむねこの総合利用率が年間で九四%程度に昨年の実績はなつておるということを申上げました。而もそれには相当停止率という…これは事故による停止と推定率による停止と両方あるわけでございますが、かなり圧縮した数字がこの表に載つておる結果になつておるということを前回申上げたのでございまするが、もう一言なお補足いたしますると、この利用率はおおむね水の多い月において利用率が下り、出水状況が悪くなるに連れましてこの利用率が上るのでございまして、まあ一、月のような最渇水期になりますと、この利用率は九八から九九%というような、殆んどこぼさずに利用するというところにまで上るのであります。で、そうした傾向が大体下半期は、七、八、九、十は非常な渇水であつて、平年でも大体平水期乃至低水期に入つておりますところに、更にこの七、八、九、十、特に八、九、十に非常な渇水がありましたために、利用率が非常に高く出ておりますが、年間として見ますと、先ほども申上げましたようにかなり下つておるわけでございます。  その次の頁は、同じく八月以降の発受電実績と計画との対比表を月別に出してあるのでございます。これもやはりこの水力の欄で御覧頂きますると、八月はおおむね計画程度の実績が右のほうに出ておりますが、九、十という月は非常に渇水がひどかつたものでありまするから、その影響のほうがひどくて、計画より相当実績が下つております。十一、十二 一は豊水でございましたが、計画数量より相当実績が上廻つておるわけでございます。  火力につきましては、ここにパーセンテージが出ておりまするように、渇水の月におきましてはどうしても計画より余計焚いておりまするし、水がありました十一、十二、一につきましては若干千廻つております。なおこの十一月の数字が非常に火力が下廻つた数字になつておりますが、これは長い異常な渇水が続きまして、その後一時に豊水になりました関係もありますし、又ストとの関係もありまして、実績が非常に下廻つた数字になつております。  最後の頁が二十七年度の新増設水力発電所増加出力及び可能発電量を書いてあるのでありまして、二十七年度の五月以降一カ年間に完成すべき発電所の名前を会社別に書きまして、そして月別のこれにより期待し得る増加電力量を書いてありまして、御承知のように三十七年度中に完成しまする水力発電所が非常に少いのでございまして、右の一番上の合計という欄に出ておりまするように、電力事業者だけでは十三万キロワツトしかこの期間には完成しないのでございます。昨年度には先ほども説明がありましたように十五万キロワツト以上の水力が完成しておるわけでございまするが、この表はこの期間中に完成する新規水力だけについて数字を載せましたので、稼働期間がおおむね少いのでございます、年間における……。従いまして、この年度において水力発電所の完成による出力増加は、僅か一番右の下にある十一億キロワツト・アワー程度しかないわけでございまするが、昨年の計画に対して、昨年度中にこれと同じように完成いたしました水力は、二十七年度におきましては年間一ぱい稼働いたしまするので、この前年の稼働発電電力量の中のその期間において完成した水力部分というものは約八億キロワツト・アワー利用できることになつております。おしまいに付いておりまする半切のものは、同じく二十七年度中に完成いたします火力発電所名と増加出力を計算して表にいたしたものでございます。
  46. 古池信三

    ○理事(古池信三君) 只今の平井技術長さんの発言につきまして御質疑なり、或いはその他御発言がございますか。……さつき御説明つた中で、二十七年度が二十六年度の想定に比べて特殊電力が非常に殖えておりますね。三百何十%になつてつたのですが、これは何か特別な理由があつたのでしようか。
  47. 福田勝治

    参考人(福田勝治君) 先ほど約三倍ばかり殖えておると申しましたが、実は発電所の利用率を極度に上昇するということを申上げましたので、従来の余剰として出る分もかなりこれを供給するというような計算にしなければならない結果になつたことと、それからもう一つはやはり従来特殊電力は余り少くて常時供給を余りに多く見過ぎておる嫌いがあるものでありますから、そういう点も併せ考慮いたしまして、いろいろ算定いたしました結果は、今回のように去年に比べまして相当殖えた、こういうようになつたわけでございます。
  48. 古池信三

    ○理事(古池信三君) それでは……。
  49. 中川以良

    中川以良君 私が先ずお伺いをいたしたいのはこの作業を、今御説明を聞いて拜見をしたのでありまするが、これは各電力会社が今の電気事業者協議会ですか、そこにおいておやりになつた作業のように承わつておるのでありまするが、だんだんお話を承わつておると、この作業中には安本並びに公益事業委員会が共に参加をしてこれをお作りになつたようにも承わるのでありまするが、当初の御説明では全然経営者会議だけでおやりになつたようにもお話があつたのでありまするが、この点を一つ明確にして頂きたいと思うのであります。
  50. 福田勝治

    参考人(福田勝治君) この作業は九電力会社でおのおの行なつて、それを電気事業経営者会議で集計をいたしたのであります。各電力会社が折角自分の責任においておやりになつた数であります。ただその間、需給想定の最終の割当等とも関連がありますので、当局の内意を伺つて進行をしたということでありまして、我々のところで我々の責任においてやつた次第であります。
  51. 中川以良

    中川以良君 そうすると、更にお伺いいたしまするが、このお出しになつた数字等につきましては、各電力会社とも十分に責任をお持ちになるという御確信をですね、今日お出ましになつておりまする皆様がたが代表してはつきりお答えができるのでございましようか。    〔理事古池信三君退席、委員長着席〕
  52. 福田勝治

    参考人(福田勝治君) 先ほども申上げました通り、この需給想定は今年は非常に無理な点が多々あるのでありますが、国の現状の生産計画から見まして、この程度のものは我々としてはどうしても出さなきやならんというところで出した次第であります。従つて我々は平水でありますれば、これだけの水、これだけの供給はできると、こう考えております。
  53. 中川以良

    中川以良君 例えば一つの例をとつて申しまするならば、今の御説明中に、発電所の利用率の点だけを申しましても二十六年度の想定が九一・一%であると……それを本年は需用量が非常に増加をしたために、止むなくこれを九三・二にしたと、これは非常に苦しい御説明があつたように承わるのでありますが、殊に流込み式発電所の設備の修繕等につきましては、これは修繕をしないで、非常に無理をして使わなくちやならん。殊にこれがために、これらの維持管理には非常に困難である。大変危險のようなお話があつたので……多少という字をお使いになつたが、ともかくも危險……無理しなければならんというような御説明があつたのでありまするが、この点に対しまして何ら御腹案はなかつたのか、こういうことは或いは需用量が増したために、あなたがたが強要されて、それだけをいわゆる机上の作業としてお示しになつたのかどうか、その点をはつきり一つ責任のあるお答えを頂きたいのであります。
  54. 福田勝治

    参考人(福田勝治君) 前年度の利用率は九一・一%でありまして、今回想定いたしましたのは、今お話のありました通り九三・二になつております。で、これは説明のときに申上げました通り、相当窮屈な数であります。併し先ほど平井技術長から今年の一月から十二月までの実績は九四になつているという御説明がありましたが、これはこれから見ると、まだちよつと少いのであります。それでは九四に上るのではないかというようなお考えもあるかと思うのでありますが、これは本年度は、昨年八月、九月その他非常な異常渇水であつたために、非常に無理に無理をしてやつた数字が九四であります。従つて、我々としてはこういう無理はしたくないのでありますが、大体今のところで本当にまあ無理をし、且つ又作業時間等も極力短縮する。つまり従来経済的と言つたら語弊があるかも知れませんが、或る程度突貫的に相当たくさんの人を一二にかけて、経済的には多少難点があるが、急速に修繕を完了するというようなこと等を併せて考えて、先ずこのくらいで今年は、多少の無理はあるが、やつて行こうということに各事業者として決意した次第であります。
  55. 中川以良

    中川以良君 本年は不幸にして新規発電所の完成するものが、先ほどお話通りに極めて少いのでありまして、供給力をどうしても何か無理をして出さなければならんというようなことはわかるのでありまするが、これは電力会社の企業の合理化等によつて一般にその発電量が殖える裏付けがあるものによつて、供給力を増す数字が出るというなら誠に好ましいのであつて、又是非そうなければならんと思うのでありますが、今のお話を承わりますと、どうも突貫工事をやるとか、或いは非常に無理があることもこの際止むを得ないというようなお話でありますが、そうなりますると定期修理というものは、一体、平年に比べてどのくらい無理がかかつているんでありますか、その点を一つ承わりたいのであります。私はこれを伺うのは、その点をはつきりして頂かないと、これは全く机上のプランに過ぎないということを立証されるのです。その点あなたがたは正しい主張をなさらなければならんと思うのです。
  56. 福田勝治

    参考人(福田勝治君) これは我々としては、この利用率を向上せしむることについては、我々としてこれはもう現在のような時代には、我々の責任においてできるだけ利用率を高めて、電力の供給の確保を図らなければならんことは我々の当然の責務だと考えておりますが、一方又、設備におきましても相当無理をして使つておりますので、そういうことも勿論併せ考えなければならない点でありまして、この両方を相考えまして、大体我々は今回この想定でやつて行くということにした次第であります。
  57. 中川以良

    中川以良君 そういたしますと、いいずれにしても相当な無理がかかつておりますので、この供給量を出す、今のこの供給量を出すということについては、今無理であろうけれども、いろいろ合理化して、これの永続が可能であみということがはつきり御断言できましようか。
  58. 山崎久一

    参考人(山崎久一君) 山崎でございますが、只今の御質問につきましては、この程度のものは永続することはむずかしいと思います。と申しますのは本年におきましては、非常な急速な御要求によりまして、この程度の補修で以て辛抱いたしますが、これが長く続きますというと、発電所などが非常に傷んで参ります。でありますから、こういうような状態を永続することは困難だと考えております。
  59. 中川以良

    中川以良君 今はつきりしたお言葉かあつたのでありますが、そういたしますると、或いは補修を無理しているために大修繕をやらなければならん…今目先の、一応の机上プランとして相当の供給量が見込まれている。将来においてこれが大修理を要するような場合においては、却つて逆の結果を招くような虞れがあるように私は思うのでございますが、その点はどうでございましようか。
  60. 山崎久一

    参考人(山崎久一君) この点につきましては、大体只今質問のように当面の問題としては不安でございますが、この補修は、一番重大な危險のありそうなものから重点的にやりますので、今目先にどういう事故が、大きな重大な事故が起るということには相成らんと考えております。だんだん無理をいたしまして最後に重大な結果が招かれると思いますが、その間におきまして、電源の開発を期待いたしまして、その電源の開発が進むにつれまして、需給が或る程度緩和いたして参りますというと、軌道に乗せて行くことかできるのではないか、こういうふうに考えております。
  61. 中川以良

    中川以良君 私ども心配いたしまするのはその点でありまして、若しも大修繕を要するというような場合には、これはこういうような計画でおりますると、いよいよ中小企業にそれのしわ寄せが寄つて来て、さなきだに中小企業が圧迫を受けております今日、日本の産業に大きな私は悪影響をもたらすという点を心配するのでありますが、そういう点は非常に無理である。あなたがたは実際良心的な自信のある計画というものを飽くまで強く公益事業委員会なり、或いは安本なりに一体御主張になつたのでありましようか、どうでしようか。
  62. 山崎久一

    参考人(山崎久一君) 私どもはこれにつきましては、私ども意見を申上げております。例えば先ほどの利用率の内容的なものを申しますと、昨年の公益事業委員会の計画におきましては、定時補修七・二%、これは可能発電力に対して通算いたしまして七・二%のものが定時補修のために停止できる。こういうような計画に相成つておりまして、これが長期間に亘つて計画を進める場合にはこの程度のものが、補修、事故のために停止するのを合せまして七・二%。それに対して二十六年度は非常に窮屈であつた関係で、その補修停止の量が四・五%と変りました。それに対して本年度の計画はそれが五・六%、昨年度の実績よりは一%だけ余分に作業ができるという結果になつておりますので、併しながらそれでも正当なる形といたしまして計画されました七・二%に対しては一・六%の不足がありますので、こういう事情でありまするから、こういうものは恒久的には非常に危險がありまするから、できるだけその軌道に乗せるようにお願いしたのでありまするが、併しながらいろいろな供給力、火力或いは送電損失その他の全般的のバランスからこの程度で本年は辛抱することに相成つたのであります。
  63. 中川以良

    中川以良君 そこで私は、公益事業委員会の松永委員にお伺いをいたしたいのでありまするが、我々がいろいろ新聞で見たり或いはいろいろ話を聞きますると、どうも今回の計画に対しましては公益事業委員会がさながら戰前の総動員法を弄ぶがごとく一方的に会社にきめ付けておやりになつた、こういうようなことが伝わつておるのでありますが、そういうところは実際民主的に御運営になつておるかどうかという点を承わりたいのであります。
  64. 松永安左エ門

    政府委員松永安左エ門君) 甚だ恐縮ですが、もう一度中川さん、恐れ入りますが繰返して下さい。
  65. 中川以良

    中川以良君 私どもがいろいろ新聞で見ましたり或いは巷間伝えるところを聞きますると、今回のこの需給計画を会社が立てまする際に、公益事業委員会はそれに求めて干渉し、殆んど戰争中の総動員法を弄ぶがごとき態度を以て臨まれたということが伝えられておりますが、そういうことがあつたのかどうか、本当に民主的におやりになつておられるのかどうかという点を、私どもは非常に心配をするが故に、これをお尋ねいたすわけであります。
  66. 松永安左エ門

    政府委員松永安左エ門君) お答えをいたしますが、新聞に出ておりましたことはまだ拝見しておりませんので、どういう世評がありましたか、それについてのお答えはできませんが、今回の割当をし、それから需給想定をきめたのは大体に三千キロ以上の特殊の需用について国家の要請と申しますか、安本さんそのほかからこれだけは是非必要である、輸出関係、或いは農村に対する肥料の関係、或いは金属の関係において、私の聞くところによりますると、たしか四つの主要項目は是非とも増産を図りたい、私のほうは無論自分で出す力も何もないのでありますから、各社の技術家及び営業方面のおかたと、私どものほうの事務局の人並びに私ども、ときどきその会議電力会社の社長さんがたも打混じて、何とか一つこの局面の展開を図つてもらいたいということをお願いしたのは事実でありまするけれども只今の新聞のような意味の、非民主的、に圧倒的に押付けたというような意味はないと思います。実は経済安定本部、そのほか通産省あたり御希望では、まだまだ電力を増してもらいたい、そしてこの点はまだ不十分であるという、たびたび御要請になつたことに対して、できるだけこれは御要求の幾分でも満たすべきものであると考えまして、この点各社に御要請というより、むしろ事情をよく存じておりますから、お願いをして、そうして二度も、三度も御破算にしては又やり直し、御破算にしてはやり直し相当日を重ねてやつたのであります。殊に申添えておきますのは、この地蔕間において極く重要産業が他の中小工業の比率よりも多く固まつた地域もあります。この辺はむしろ水力地帶と申していいか、主に水力を中心とした重工業でありまするが、御承知のように水力の開発がまだ不十分でありまするがために、火力の方面よりこれを補充して、この重要産業に対する地帶間の融通をせんならんというようなこと等は、ここで申上げれば当然のことであると申上げてよく、又皆さんも電気事業会社の義務であると御了承になることでありましようけれども、実はその融通を受ける料金の問題そうして受けたその料金で安い方面に供給せんならんというふうな種々雑多な各社間の算盤上の利害も相当複雑しておりましたので、これらのことは私のほうから算盤をとつて、かれこれ申上ぐべき筋じやないのでありますが、併し特需産業に向つて相当数量を増さなきやならん必要上、この融通間の連絡は当然しなきやならん結論に達しまするので、これも各社の社長さんがたに御相談し、又社長さんがたは自分の專門家及び経営者会議等にたびたびお諮りになつて、多少行違いが起りそうな場合は、主な主脳者が自分で出馬して、その間の調停を図られて、まあいわば苦心惨憺して、この融通間の連絡を図る、そうして国家の要請であります約十億キロワツトばかりでありますか、それを捻出することができたのであります。ただ公益事業委員会としましては、危險を冒してまでもやるということは、これは一般に対して甚だ相済まん結果が起りまするので、先刻福田君よりも、平井君よりも縷々御説明があつておりまするが、昨年に比べまするというと、補修率などはむしろ或るパーセンテージを増して、補修の余裕のあることを認め、そしてあとは勉強努力によつて本年を乗切つてもらいたいということを懇願したのでありまして、若し民主的ということがありますれば、公益事業委員会はこの懇願協議の態度をとつたということだけは間違いない事実でございますから、これを中川さんに申上げて、新聞等のことにつきましては多分誤聞だろうと思つております。
  67. 竹中七郎

    委員長竹中七郎君) ちよつと中川さんに申上げますが、この問題に関連いたしまして、特別大口電力需用算定に関しまして、安本方面から一遍聞いておかれては……。
  68. 中川以良

    中川以良君 それを実は承わろうと思つておりました。
  69. 竹中七郎

    委員長竹中七郎君) それを先に伺つてからお願いします。
  70. 中川以良

    中川以良君 はあ。
  71. 竹中七郎

    委員長竹中七郎君) では只今の問題に対しまして、安本の岩武産業局次長から御説明を願いたいと思います。
  72. 岩武照彦

    説明員(岩武照彦君) 先ほども中川委員からいろいろ安本お話も出たのでありますが、安定本部としましては、今年の需用の増加の趨勢という……二十七年度における大体の生産の動向等を考えまして、大口電力に対してこの程度の量がかかるだろうということを公益事業委員会に対して申入れたわけであります。その中味は前回にお手許に配りました通りでございます。全国で特別大口の配電需用量が百五十四億であります。これにはこの前申上げましたように、自家発も昨年の渇水期を含めまして相当多量に焚いた実績を基礎としまして、その余分を事前に期待するということになつております。なお御要求がありました輸出の需用端等につきましても、本日お手許まで資料を差上げてございます。前回申上げました通りこの生産の見通しはその後いろいろな景気の変動等もありまして、一部の業種によりましてはこれより若干下廻るかと思われるものもあります。併しながらその業種は不幸にしまして余り電力を消費する業界でありません。例えば繊維関係でありますとか、或いは紙でありますとか、紙パルプ等の業界もあるようでありますが、それは実は電力消費としましては余り大きな減退にならないかと考えております。そこでむしろ問題はその後に起つた問題、例えばこの中にあります造船等につきましては、最近における輸出船の受注が相当ありまして、とてもこんなものでは話にならないと今朝ほどから運輸省から詳しい話もあつたような事情もありまして、又この公共事業関係である私鉄であるとか、或いはガス事業等につきましても、相当な需用増加が、実は我々が考えました以上に殖えておるのが相当あるようでございます。そこでまあ百五十四億という数字につきましていろいろ公益事業委員会のほうに申入れたわけでありますが、なかなか供給力の実態から見まして、とてもこれだけの数字はまあ呑めないというようなことで、いろいろ公益事業委員会のほうに御配慮頂きまして、経営者会議のほうとお話合いでございますか、或いは経営者会議が自主的にお聞きになつたものでありますか、大体先ほど平井技術長からでありますか、或いは参考人からでありますか、百三十三億というような数字お話があつたようでございますが、現状ではこの程度数字では何としてもやむを得ないだろうと考えております。従いましてこの百五十四億でありますが、これが約二十一億キロワツト・アワー減退せざるを得ない。その差額は或いは豊水を期待するか、或いは生産を落すかということになるわけでございます。  なお御参考までに申上げますが、先ほど来特定大口需用産業以外の産業の消費実績等の比較の話もありましたが、特定大口におきましても、いろいろ昨年の実績等を比較して見ますと、実は特別に生産の増加を要請されておりまする化学肥料の関係、それからアルミニウム、そのほかに石炭、それからガス、水道、国鉄、私鉄という関係の公共事業、その業種を除きましては、この百三十三億で計りますと恐らくは昨年の実績を下廻る、若干下廻るのではないかという考えを持つております。勿論これは業界の今後の推移もありますので、見通しの問題でありますから、何とも申上げられませんが、どうも昨年より一般産業は殖えるという結果にはならないようであります。そこでまあそれから割当等のほうはまだ標準料金分の数字が出ませんので、まだ割当の作業を開始しておりませんが、この割当を見まして、使用料金における火力料金分の比率を見まして、昨年は前回の公益委員会資料にありました通り、六%程度の火力率であつたわけでありますが、今年が如何相成るか、実はまだ見当がつきませんが、恐らくはそれよりも火力率が殖えるということになるのじやないかというふうに考えております。ただ何分特定大口等におきましては、最近の景気変動で相当動きも大きく動きますので、具体的な予想は立てかねておりますが、いろいろ業界の生産の動向を考えて見ますと、なかなか我々考えておりますような百三十三億程度で到底防ぎ切れるわけでもありません。現に各業界からいろいろなこの総使用量のお話、或いは割当増加のお話がまあ殆んど連日のように参つておるわけでございます。特定大口といえどもこの量で、決して一般産業、小口産業、或いは大口の甲乙よりも使用量が余計に期待される、或いは割当が殖えるというふうな状況ではないようでございます。  なお念のためお答えしておきますが、我々の安定本部としましては、利用率をこうしろとか、ロス率をどうだとかいうことは、申上げる限りではございませんので、ただ需用端で、特別大口がこれだけ欲しい、その他の需用を考えると、総需用端への供給力はこの程度でいいのじやないかと考えております。それから前回にも申上げましたように、石炭の関係、或いは重油の関係等につきましては或る程度安定本部におきまして、全般の需給も睨んでおりますので、石炭の需要量、或いは重油の輸入期待量につきましても御相談を受けておりますが、又それはこの程度は可能だろうというふうな御返事は申上げておるわけであります。大体以上を持ちまして安定本部お話を終りますが、いろいろ新聞等にも特別にこの小口電力、或いは三千キロ未満の大口電力を切つて、これで特定大口に付けるのじやないかというような記事が見えておりますが、これはその年間の需給の想定といたしましては、先ほど申上げましたように、大体上下ともに実績程度になつておるのでございます。ただ特別にこの生産量の増加、或いは公共事業等におきまして使用量の増加を小しでも確保しなければならん業界につきましては相当増加して参つておりますが、然らざる業界に対しては昨年の実績より大きな期待どころか、逆にものによりましては減退するというような状況も見られるかと思つております。安定本部は、電力の全般の需給計画につきましては公益事業委員会の所管でありますので、我々としましては、全般産業政策から見まして、特に大口を優遇するとか、或いは小口を虐待するということは考えておりません。前回申上げました通り、具体的にこの計画を置きます限りは、結局は割当と制限の問題になりますので、制限につきましては、前回申上げました通り、業種によりまして制限の率が異なつておりますので、特定の大口なるが故に優遇するとか、小口なるが故に制限するということはないと申上げておきましたが、これはその通りのことと考えております。
  73. 中川以良

    中川以良君 二十七年度に大口がとかく受けるのでありますが、これは日米経済協力に伴うものということが言われているのでありますが、今の御説明を聞きますると、そういう点が具体的に何ら話がないのでありまするが、その日米経済協力の線に沿うた具体的の案というものが、何か安本ではおありかどうか、これはこの前も御質問して何か資料を出して頂くことに私はお願いしておつたのでありますが、その資料が来ていないようでありますが、それに対してはどうなんでございますか。
  74. 岩武照彦

    説明員(岩武照彦君) この前御要求がありましたところによりまして、この生産と需用の関係をお手許に差上げておりますが、ただこれは日米経済協力ということは、いろいろ新聞で言われておりますが、まあ米というよりもむしろ近隣諸国との経済協力というふうに考えるのが、或いは適当かと考えております。直接アメリカに輸出しますものとしましては電気銅でありますとか、或いはアルミニウム、硫黄等もありますが、これはアメリカ向け、或いはその他の国向けにおきましても、結局国際原料割当会議の配分に基きまして輸出するというものでございまして、必ずしも行き先はアメリカと限つたわけではございません。その他の諸国に輸出しましても、割当会議輸出割当を果すというようになつておるわけであります。それから肥料でございますが、これも直接にアメリカに輸出するというよりも、前回申上げましたように、朝鮮、台湾、沖繩、フイリピン、その他の国も勿論いろいろ引合いもございますが、特別に近隣関係で普通のコンマーシヤル・ベースの取引では考えられない地帶に対しまして、内需の余裕を以て出そうということであります。お手許に仮にこの翌肥料年度でありますが、八月から始まります肥料年度におきまして硫安百九十万トン、石灰窒素五十万トンの生産が達成できますれば、今申上げましたような地域に対しまして十五万トン程度輸出が可能であろう、又過燐酸におきましても百九十万トン程度生産が達成できますれば二十万トン程度輸出は可能であろうというふうに考えております。それから鋼材でありますが、この鉄の関係はいろいろ一時アメリカ方面に百万トンの輸出引合があるというような話もございましたが、これは立消えになりましたが、現実はポンド向けの輸出の問題もございますし、又この中には機械の素材としまして、東南アジア開発地域等におきましてのいわゆる機械の輸出の素材も入つております。なお特需がほかに二十万トン程度見込み得るというように考えております。それからセメントにおきましても、この輸出の中にはフイリピン、台湾等の輸出も相当入つております。なお特需におきまして、これは主に朝鮮向けだと存じておりますが、二十万トン程度出し得るのじやないかと考えております。ただお話のように具体的にアメリカに輸出するということになりますと、これは価格の関係もございますし、又向うの調弁機構のこともございまして、むしろ全般としまして世界の原料関係等を緩和するに寄與するという広い意味の経済協力ということで御了承願いたいと考えております。
  75. 中川以良

    中川以良君 これはあなたにお尋ねいたしましても無理かと存ずるのでありまするが、まあ現在スターリング地域への輸出は、御承知のごとく非常に困難なる事態に直面をいたしております。それから、又アメリカの特需にいたしまいても、ドル地域輸出するにいたしましても、いわゆるコンマーシヤル・ベースでなければ、なかなか商いができないというような状態にあるのでありまして、一部の大企業もまあ操短を慫慂しなければならんというような状態にあるのでありますが、折角電力をこれだけ思い切つて割当てて、果してこれが十分に消化できるという自信がおありかどうか、この点の先行きに対しましてはどういうふうにお考えかということを承わりたいことが一点、それから次はこれに対してアメリカが何か資材を、原料を持つて来るとか、或いは外資を導入するとか、殊に電源開発の外資導入等につきましては、具体化した話が今日出て来ておるかどうか、こういう裏付がありますることによつて、私どもも国民も非常に納得することと存ずるのでありまするが、この点一つ御承知の範囲内で承わりたいと存じます。
  76. 岩武照彦

    説明員(岩武照彦君) 第一点の、この程度電力消費をこなし得るかというお話でございますが、先ほど申上げましたように、この電力を多量に消費いたします方面におきましては、むしろ需用旺盛で、輸出を抑え気味になつておるのが実情でございまして、その例は鉄から始まりまして、大体金属、化学肥料等がさようでございます。繊維関係等におきましては、まあ比較的電力消費が少いわけでありますが、同時に他方、いろいろなポンド地域の輸出抑制問題等もございますので、或いはこの量は若干減少するのではないかと考えております。それから第二点の見合原料の問題でございますが、特別な、原料を供給するというふうな具体的な話はございませんが、ただ現実におきまして、普通鋼々材の原料になります鉄鉱石及び石炭におきましては、米国から入つておりますものが正確な数量はちよつと期待できませんが、鉱石におきまして約三割乃至四割、石炭におきまして約半分、粘結炭でございますが、約半分ぐらいは米国から参つております。それからアルミニウムのボーキサイトでございますが、これは特別にアメリカというわけではございませんが、御承知のように、インドネシア方面から参つておるわけでございますが、或いは今後マレー方面のボーキサイトの開発、或いはパラオのボーキサイトもございまして、この新らしい地点につきましては、いろいろ総司令部を通じまして従来もその開発に現地当局を納得させるようにいろいろ要請し参りまして、ものによりましては、或る程度好転するものもございます。なおビンタンのボーキサイトにつきましては西欧、たしか西欧だと思いますが、その方面に相当量参つておる関係がございまして、むしろ日本向けにアメリカを仲介しまして或る程度の量を斡旋してもらつておるというふうなのが裏話のようでございます。それから硫黄でございますが、これは別段見返り原料等もございませんが、現在におきましてもアメリカのほうとも価格の関係がございませんが、その他の地域におきまして或る程度ありますので、これは国際原料割当会議割当通り出せるかと考えております。  それから第三点の外資の話でございますが、これは私直接担当いたしておりませんし、又事務的な方面だけではなくて、いろいろな話もあるようでございますので、答弁を差控えたいと思います。
  77. 中川以良

    中川以良君 私一人伺つておるのですが、極く簡單に松永委員にお伺いをしたいと思うのでありますが……。
  78. 竹中七郎

    委員長竹中七郎君) 大きい声で……。
  79. 中川以良

    中川以良君 今だんだん伺いますと、この作業は全く三者一体となつておやりになつたということが、これははつきりいたすわけでありますが、そこで又前に戻るのでありますが、つまり非常に無理をして五億キロから出しておるという点につきましては、先ほど経営者のほうからお話があつたのでありますが、その点松永委員はどういうようなお考えをお持ちでございましようか。
  80. 松永安左エ門

    政府委員松永安左エ門君) 考えとしましては、十分な御努力を願い、それだけはどうしても通産省なり安本方面で必要なりと仰せられることについて、委員会でも相当検討しまして、そうしてこれいろいろ各社間の先刻申上げたような事情によつて利用率を上げ、或いは火力を十分使い、融通間の調節を図ることによつて大体この程度ならば他の公益を害することなく、そして日米協力といいますか、或いは刻下の特需産業と申しますか、そういうことに大体対応ができることと思つております。以上お答えいたしました。
  81. 中川以良

    中川以良君 今計上されておりまする供給力の面におきましては、これは心配ない、永続性のあるものという御確信をお持ちでございましようか。
  82. 松永安左エ門

    政府委員松永安左エ門君) お答えしますが、目下焦点となり、お話の重点となつておりますのは、供給力と申すものよりも、むしろ需用の激増に如何に応ずればいいかという問題であります。併し單に需用が増加するのに無理に出すという意味じやなく、業者のほうではそれぞれ昨年以来の苦しい経験に徴せられまして、例えば石炭を使つてつたよりも分量を、重油のほうに重点を置くとか、或いはボイラーの、即ちボイラータービンの能率のいいものをできるだけ使つて、そしてその機械の能率を上げて行くとか、或いは漏水或いはロスの軽減そのほかが織込まれて、先刻数字を言われたように、相当大きな、九億キロワツト以上の電力を捻出されて、ここに需用と相当見合い得る程度になつておるものと思つております。ただ永続性云々のことについては、これは申すまでもなく、長く荒廃しておりました日本の電力界、殊にすべて古い火力が関西方面そのほか各地に散在しております。これをいつまでもこの状態で使つて行くというより、できるだけ早く火力を置き替えて、そして危險なからしめるようにすることが一つ、それから一つは水力をできるだけ急いで、この需用の激増に対して適当な割合を保つて行きたいと思うのであります。その点において外国のごとく一割五分以上予備の発電力を持つているところと違つて、殆んど只今でも一割五分乃至二割の、全体の潜在需用に対して不足を訴えている状態でありまするので、永久にということよりも、むしろ本年を乗り切ることに最大安全度を図つて、公益委員会はこの供給力の割出しを認めておりますという事情であります。その点において公益委員会では責任を持つて業者を監督するつもりでおります。さよう御承知を……。
  83. 中川以良

    中川以良君 今のお説はよくわかるのでありまするが、全くお話のように一刻も速かに、新らしい電源開発の速度を早めて、完成期を短縮して行くということが一番急務と存じまするが、この点については、公益事業委員会も非常に御努力になつていると思うのでありますが、ただ私どもは本年、かような無理な供給力を出しておつて、万が一故障その他等によりますると、このしわ寄せはいわゆる火力地帶並びに中小企業方面に大きく寄つて来るということを誠に懸念をいたしておるのであります。この点につきましても十分に一つ御配慮を頂きたいと思うのであります。それから公益事業委員会がいろいろお考えでございまするが、各電力会社のいわゆる経営面の合理化、これはいわゆる経営上或いは技術上の合理化ということに対しまして、この際層の御努力を賜わらなければならんと存じますが、そういうような面につきましては、一体どういうようなことを今お考えでございましようか。
  84. 松永安左エ門

    政府委員松永安左エ門君) 経営の合理化問題につきましては、公益委員会が出発いたしますときより各社に申しておりますのでありますが、大体において機械面と申しますか、テクニツクの面ではロスの軽減、擅用防止そのほかによつてだんだん緒に付いて参つております。それがやはり今回も需用に相当し得る底力となつております。ただ御承知の通りに人事の合理化と申しますか、その方面については、公益委員会でも十分なりとは考えておりません。おりませんので、たびたび干渉がましくなつては相済まんことと思いまするが、何分ともこういう状態のときにおきましては、前回八月十五日に実施されました料金の値上げのときも、当委員会又は衆議院においても、聽聞会においても、或いは新聞紙上においても、料金を上げるならば先ず人事を合理化せよということが議論の根拠となつておりまするし、又最近も料金値上げが新聞に出ますると前後して、この問題は一層多く取上げられておりまするので、甚だ干渉がましくはありましたけれども、今回料金値上げを去る三月十五日申請される場合にテクニツク方面のことについて詳しくお書き願つておりますると同様に、人事について自分でどういうふうに合理化されるのであるか、その時期はいつどういう順序でやられるのであるか。例えば職制を簡素化するということが全体の動きの根本じやないだろうか、それによつて下の人事もおのずから改良される、それから御承知の通りに労務問題等についても相当能率を上げることについてお考えを願わなければ、いつまでもただ安易について、妥協と申しまするか、單に商売取引をするというような考え方よりも、やはり国民のために思い切つて業者と話合つて、そうして膝組みでよくその御希望は達するものは達し、又会社の能率の上ることについてはよく話合いなさることを切望しまして電燈料金の従業員の割引のごとき、すでに殆んど全部割引廃止は解決されております。それから何しろまだ五月の出発でありますので、重役等もいろいろな事情もあつたろうかと思いまするが、今後五月には各社総会があるわけでありまして、それまでには重役陣の整備もお願いしたいということをかねて懇請しておつたわけでありまするが、お聞入れ願つて今回の料金改正に條件として、添付書類になつて各社長から参つております。さようにして人事の改革も漸次でき得るものと信用いたしておる次第でございます。
  85. 中川以良

    中川以良君 今のお話でよくわかりましたが、経営の合理化に対して非常に御熱意を示しておられますことは大変結構だと存じます。殊に料金改訂を前にして、これは是非とも断行しなきやならん問題だと存じます。今日は料金問題に触れないことに申合せができておりますので、いずれ料金の問題は後日に譲りますが、今の人事、それから経営のいわゆる内部の編成等につきましても御刷新を慫慂されるような趣きを今承わつたのでございますが、それは甚だ立入りまするが、例えば中国のごときは先般進藤会長はみずから勇退をいたしたのであります。最初この電力会社ができまするときに、どの会社にも会長を置くというようなことは恐らくきめてなかつたのでありましたが、北陸を除くその他は会長があるのであります。例えば四国のごときは比較的規模は小さいにかかわらず会長がおられる。こういうような点につきましても、これは立入つたことをお伺いするようでございますが、松永委員とされましてはどういう御抱負をお持ちでございましようか、あなたの御意思に反しているのか或いはこれでいいのか、その点だけを一つ承わりたいと存じます。
  86. 松永安左エ門

    政府委員松永安左エ門君) 簡單にお答えしますが、会長制度は今日といえども各社の随意になつております。今後やめる所もありましようが、おやめにならんと言つてもそれが改革を阻害するというふうには考えられませんので、おやめになる所もありましようし、又おやめにならん所もあろうと思いますが、それにむしろ職制を簡素化して、それで仕事全体がすつきりして働きいいように、脇から見ても心持のいいようになるのが肝要と考えておりまするが、会長制度については今特に何ら私見を申上げる点はございません。
  87. 栗山良夫

    栗山良夫君 私もう少し内容的なことを伺いたかつたのですが、時間がありませんから、次回にどうせこの問題は今日のままではすまないと思いますので、資料要求を少しいたしたいと思います。先ず安定本部に伺いますが、安定本部として今御説明になつた点は伺つておれば至極御尤もなことだと思うのですけれども、併し十億という電力を要求されたならば、こういう漠たる資料でなくて特別大口でありますから、三千キロ以上の各個々の工場に対して電力の配給計画をお持ちだと思うのあります。従つて一つこれは各工場別に前年の実績と、それから、今度の十億を含めて増配されようとする計画の覧表を至急一つ御提出願いたいということが一つであります。  それから第二点に伺いたいのは、特別大口電力、大口電力と言われるけれども、その電力割当は受電電力量の実績を見ますと、非常に大きな差が過去にございます。従つてそういうものを均等に是正される御意思があるかどうか、この点を先ず第二点として伺います。例えば例を申上げますると、昭和二十六年の一月から十二月までの実績におきまして、鉄鋼業に対する使用電力は七八・七%の割当を受けておりました。石炭業が九四・二%、アルミニユームが一〇〇%受けております。それから機械類が八九・九%、化学肥料が九〇・〇七%、化学工業が九〇%、こういうような受電の実績であります。従つてあなたのほうで重要産業であると言われながら、その割当内容は実に区々まちまちであります。そういうものを今度調整せらるる用意があるかどうかということが第二点であります。  第三点に伺いたいことは、いわゆる火力負担分と標準負担分の率であります。これ又特別大口の中だけを見ましても非常にまちまちであります。例えば鉄鋼のほうは一一・五%、石炭は六・七%、アルミニユームは〇・六%、機械は一〇%、化学肥料は一・一%、化学工業は六・五%というような工合にその負担の割合は非常に区々まちまちであります。従つて特別大口に対しても火力料金の負担率というものを均等化せられる用意があるかどうか。若しせられないとするならば、その理由を承わりたい。その三点を一応伺います。
  88. 岩武照彦

    説明員(岩武照彦君) 最初の工業別の配当計画でございますが、この百五十三億を要求するにつきましては、大体各配電地域別の生産の量、それに見合います電力量等を以てしたわけでございます。その個別的の工場別につきまして、これはむしろ割当計画がきまりましてから各需用官庁から暫定割当を行う。なお公益事業委員会の支局長において最終の割当するということになつております。それから工場別までは安定本部としては実は事後にはわかりますが、事前にはわかりません。従いまして御要求の数字は地域別の使用量ということで御勘弁願いたい。  第二点の使用量と割当量との関係でございますが、これは或いは御承知と思いますが、割当のほうはむしろ電力料金の問題になりますので、従つて例えばマル公が存しておつて、その中において或る程度の火力分を計上し得るもの或いはしてあるもの等におきましては、その辺の率に合せるのが妥当かと思つております。例を挙げますと私鉄、国鉄、水道、ガス等がさようかと思つております。それからなお金でありますとか或いは塩でありますとか等につきましては、大低価格等が公定いたしておりますので、それに合せるように……なかなか金におきましては、いろいろ鉱山の関係もありまして正確な測定は先ず至難でございます。それから肥料でございますが、これは御承知のように国内価格抑制という線が非常に強く出ておりまして、たしか一週間か十日前でございますが、農林委員会におきましても実績価格を出すようにというようなお話もありまして、安本長官、通産大臣、農林大臣の三大臣におきまして、現状よりも上げないというふうに自粛の要望が出て参つておりますので、従いましてこの電気化学工業という特性のほかに、国内価格を極度に抑えられているというような状況もございますので、これはむしろ火力料金分を少くするのが妥当かと考えております。その他のアルミニユームでございますが、これは公その他の何もございませんが、むしろ操業自体からしまして、火力料金を或る程度想定しておりますが、たしか今年お話のところは或いは渇水等の関係で火力料金を食うまでに至らなかつたものじやないかと考えております。或る程度の火力料金はつけております。その他の業界におきましては、これはむしろ大きく言いますれば、一律にやつておる。従つて差が出ますのは所要量の関係も睨みまして、大体余りひどい差のないようにやつておりますが、これはいろいろ各配電地域の供給率との関係もございまして、全国一律に同ず率にに参りません。或る程度の差はつきますけれども、押並べて大体平等ということを原則にしております。なお鉄などの例でございますが、これは鉄の或る種のものにつきましては、むしろ電気を使用することが不適当ではないかというような状態もございますので、そういうものについては割当を極度に減らしております。  それから二十七年度の割当方針でございますが、先ほど申上げましたような方向で価格抑制の措置が行政的に講じられたものにつきましては、できるだけその線に合せたい。従つて火力率を或る程度その分を考えまして、比較的低めに相成るかと考えております。その他の方面は所要量或いは実績等の関係から見まして、大体は平等扱いにしようと思つております。従つて結果におきましては、我々の予期に反しまして生産が伸びれば火力率がうんと殖える。これはむしろその業種の負担力の関係もあり、或いは生産の要望等の関係から、そういうふうに相成るかと思つております。その逆に操短等を行いますれば、火力率は我々が想定したよりも減つて参るということになります。なおこれにはいろいろ自家発電の関係であるとか、或いは特殊電力量の関係もございますので、なかなか我々が狙つたようには結果的にはうまく参りませんけれども割当をするときの考え方は以上申上げた通りであります。
  89. 栗山良夫

    栗山良夫君 今非常に重要な意味のことをおつしやつたのでありますが、火力料金制度を価格政策と結び付けておいでになるという点を私あとでもう少し突込んで伺いたいと思いますが、それは別としましてそういうような構想で割当をしようとしておられる業種はどれとどれですか。
  90. 岩武照彦

    説明員(岩武照彦君) 先ず第一に公共事業と申しますか、料金、運賃等につきましてマル公的なものがあるもの、例えば水道、ガス、それから私鉄、国鉄でございます。大体この関係の公共事業は同じ率の火力の入るように期待しております。地域間のバランスもできるだけとつておりますが、なかなか地域によりましては、供給力の関係もそう参らんところもございますが、そういう関係で特別待遇をしております。それから肥料も、これは今申上げましたような価格抑制の見地もございますので、これは極力少くしたいと考えております。それからアルミニユーム、これも一般産業並に火力料金を食うということは、これはとても使用量も多い関係もございますのでできません。これも若干の調整をしたいと考えております。その他は今考えますところでは大体は押並べて平等に行きたいと考えております。
  91. 栗山良夫

    栗山良夫君 今大体そういうお考えの是非は別として、一応そういう根抵に立つて議論を進めますが、そうするとそういう工合にマル公価格のある公共事業の問題は私申しません。肥料関係、アルミニユーム等の事業を価格抑制の対象として火力料金率の操作をするとおつしやつたのでありますが、然らば肥料会社なりアルミニユーム会社の持つておる事業の公共性を経営の面からどういう工合に指導しようとしておられるか、こういう点からどういう工合考えられるか、伺いたい。
  92. 岩武照彦

    説明員(岩武照彦君) 具体的な生産指導の問題につきましては、むしろ通産省のほうにお問合せを願いたいと思つておりますが、今お話の第二点は価格抑制の問題でございまして、これは最近の電力事情或いは石炭事情等もありますが、価格は現行低率でございますので、その現実に合うように、同時に具体的の問題になりますが、輸出問題等につきましても、或る程度各社の要望を抑えまして、肥料消費の実態に合うように時期的並びに季節的に調整してございます。従つてこれはほかの産業では見られない状況だろうと考えております。アルミのほうはこれはむしろ実際上から参る面も相当ございますが、何せトン当り二万或いは二万二、三千キロワツト・アワー程度の消費をいたしますので、仮に現在の料金で一割火力料金を入れますれば、電力の支拂料金分は二倍半くらいになるかと存じております。従つてこの輸出先の状況にもよりますけれども、なかなかこれを更に増加するということは到底できないかと考えております。
  93. 栗山良夫

    栗山良夫君 私が申上げたのが具体的におわかりなかつたかと思いますが、例えば肥料の場合を考えますと、米の闇値というものがここ数年間殆んど動いておりません。にもかかわらず、肥料の値段は六百円ちよつと内輪から、最近は千円を上廻つておるものがあります。そういう工合に野放図に値上げが行われている。而も各肥料会社の経営内容というものは、配当の面を見ますれば、極めて優秀なものが多い。そういう工合のところへどういうわけでこういう割安の火力料金を供給しなければならないか、私鉄等ははつきりと運賃がマル公になつて抑えられておりますが、肥料会社などは自由に価格操作が事業者みずからによつて行うことができる状態にあるのであります。そういうことは経済安定本部として所管でない、通産省の所管であるとおつしやつたのですけれども、とにかく価格政策として火力料金の徴収率を下げたいといつてあなたが挙げられた対象の中にはつきり入つておるわけでありますから、従つてそういうような事業に対する公益性をもう少し追求するような構想を持たれなければ、これは国民が理解しないのじやないですか。
  94. 岩武照彦

    説明員(岩武照彦君) 肥料の行政の問題につきましてはいろいろ御意見も存するかと存じまして、これを統制下に置くということもいろいろ考えられるかと思いますが、一般的に今は統制撤廃ということになつておりますし、殊に米の統制撤廃の問題も日程に上つておるようでございますから、従つてこの肥料のみを価格統制を行うということはなかなか困難かと存じておりますし、又この肥料のいろいろな、購入します原料であります、例えばガス等におきましては石炭というものが大きい問題でございます。これがマル公ということになるだろうと思つております。或いは過燐酸におきましては燐鉱石の問題もございます。従つて法的なマル公の分析につきましては、いろいろ議論も存するかとも存じておりますが、行政的な措置によりましてできるだけ抑制を措置する、殊に硫安のほうは最近一時より上つてつておりますが、併しすでに相当値も崩れて参つておるところもあるようでございます。石灰窒素のほうはこれはいろいろ時期的な関係等も、殊に現在東北、北陸等におきましては相当制限をこうむつております関係と、肥料の需要時期の関係もございますので、やや強気でございますが、これも需要期を過ぎて参りますれば、現在のような強気は恐らく出ないであろうと考えております。従つて農林委員会の決議にありましたように輸出のために値を上げるというようなことは考えておりません。むしろ現状に据置くという線で強く業界を指導しているわけであります。
  95. 栗山良夫

    栗山良夫君 私は只今の御答弁では了解しません。それで特にアルミニユームなんかにいたしましても、ここにありますように需要の四十三という数字に対しまして、特需が二、輸出が十八大体半数近い数が出されるわけでありますが、そういうものが国民の大きな犠牲の上において行われることは賛成しかねるのでありますが、特に肥料の只今の問題にいたしましても、先ほど電気事業体内の合理化ということを強く要望せられましたが、それは電気事業は体内の合理化も大いにやらなければなりませんけれども、こういう工合経済安定本部一つの政策として価格面の操作までも行なつて強制しようと思うならば、肥料だとか、或いはアルミニユームだとか、石炭だとか、鉄鋼とかそういうような企業の内部に飛び込んでもつと徹底した経営の指導をなぜせられないのか、それは自由企業であるとおつしやるのでありましよう。それから実はこの前周東安本長官に将来統制をすることはないかという質問をいたしましたときに、ないということを随分強調したのでありますが、まだ一年たたんうちに、すでに臨時措置に関する法律案が出ているじやありませんか。そのほかあらゆるものがどんどん統制の状態に入りつつある。そういうような時代の趨勢を考えないで、そうして経済安定本部が、ただ一部のものに対してだけこういうような誠に首尾一貫しない方策をとられるということについては、私はどうしても了解し得ないわけであります。従つて緊急にそういうような一つの一貫した産業政策というものを、我々に一つお目にかけてもらいたい。そういう用意がおありかどうか。こういう立場から電気なら電気を徹底的にそういう国家の要請に応じて重要産業として使う。そういう国の方針であるならばそれでよろしい。その代り反対給付として対象の工場も徹底的にそうあらねばならん。そういうことが全然首尾一貫していない。それをあなたは矛盾とお考えにならないか、その点を伺いたい。
  96. 岩武照彦

    説明員(岩武照彦君) 統制の問題は、これは実はまあ方法の問題だと思います。そう言いますと、又これは栗山さんの御質問意味をとり違えるかも知れませんが、私いろいろな産業の、様子を見ておりまして、現在の肥料ほど普通の態勢でありながら役所の干渉が多いところは実はないのでございます。値段は抑えられ、出荷は事実上の指図をされ、或いはいろいろな購買機関の関係等でうまく買取られる。うまくという意味は値を下げて買取られるという意味であります。それから輸出の引合いなり、且つ値もあるにかかわらず輸出は相当細かく抑えられておるという状況でございます。これは結局お託のような法的にやるか、或いは行政手段でやるかという問題だろうと存じております。その辺は一般産業政策の問題とも関係いたすものと存じますが、我々事務当局が承知しております範囲では、重要産業につきまして法的な統制をやるという考えは、今のところ持ち合せておらないのであります。それからなお今新らしい物調法に代ります法律案お話がございましたが、それはその中に謳つてございますように、国際協力の建前から国際割当物資でありますとか、或いは諸外国の輸出許可物資の取得等に関連いたしまして、或いは輸出等に関連いたしまして国内の需給調整を図るという建前でございまして、この国内生産の重要物資につきましては、特段の措置を講ずるということは目下のところ考えておらないのであります。例えばこの細かい稀少金属等につきましては、いろいろ使用制限を行いまして国内の需要を抑えながら輸入を図るというふうな措置を中心に考えておるわけであります。
  97. 栗山良夫

    栗山良夫君 それは只今当面は考えていないとおつしやつたことは逃げておられるので、情勢の変化によつてどうなるか、あなたの見通しをはつきり申述べられることはできないと僕は思うのであります。そういう情勢にあるので、一つの政策としてやはり安定本部はもう少し国民の理解の行くような方法を、私はどうしても立ててもらいたい。統制に私は協力するわけではありませんけれども、最近の石炭需要を御覧になればわかりますが、新聞で随分叩いている。九州では炭を全部電気会社に売込んで、そうして一億以上の大所得者が北九州にはズラリといる。その代りに電気料金がハネ上つた、こんな面白い現象はどこにあるかと新聞に書いてある。これは経済安定本部の失政の現われであると私は言わざるを得ない。まさにその通りだと思います。若し御抗弁されるならばして頂きたい。従つてそういうところをはつきりと今度改めてもらわなければならぬ、そうしなければ経済全体の運営は私はできないと思う。  それからもう一つあなたの考え方の矛盾の一つは、二十四年の暮でありましたか、電気料金が標準料金制と火力料金制の二本建でやりますときに、私は火力料金制というものは、価格抑制の面に使つたり、或いは又消費規制の面と料金制をゴツチヤにするようなことがあつては絶対にならぬ、料金制と消費規制の面とは別個の方法でやらなければならぬということを述べ、そうして当時誰もこれに賛成をして、その通りにやりますという話でしたが、ところが現に今あなたのお話では、火力料金制を民国生活抑制の一手段に使い、そうして又火力料金制が消費規制の一つの方法に使われておる、非常に大きな矛盾であります。一昨年の暮に我々に説明せられたこと、実際やつておられることとは月とスツポンです。こういうようなやり方で電気事業の本当の発展ができるかどうか、そうして消費者が満足をするかどうか、そこまで掘り下げて筋道を通してお考えになつておるかどうか。この点も一つ…。これは経済安定本部もそうであり、通商産業省もそうであり、公益事業委員会もそうであり、皆んなこれは一連の連蔕責任であります。それぞれの御答弁を願いたい。
  98. 岩武照彦

    説明員(岩武照彦君) 現在の需給調整規則による割当制度需給調整として完璧なものであるかどうか、これは大いに議論のあるところでございます。私自身も実はその点は疑問を持つております。昨年の夏でありましたか秋でありましたか、電力特別委員会におきましても、その旨を申上げたことがあつたことを記憶しております。事実現在の割当規則による割当制度といいますものは、需給調整も或る程度あるかと思いますが、同時に何といいましても、これは火力料金との料金差のために電力原価の調整に使われることは、これはもう事実だと思つております。これはどなたも恐らく御否定にならないだろうと存じております。むしろそれは意図とは違つたかも知れませんが、結果的にはそうなつているということでございます。従つて需用旺盛のときにおきましては、今のような割当制度だけで需給調整は図れるということは、恐らく誰も考えておらないだろうと思います。で、結局は昨年ありましたところの総需用量の制限という形に行かないと、本当の需給調整は図り得ないだろうということは、これ又事実だと思つております。ただ現在の割当制度におきましても、追加料金制度を設けたことによりまして、或る程度は需用の抑制ができる、殊に供給力のほうにおきましては、火力用炭を確保しまして、そうして電力会社のほうに供給の意慾を持たせるという、この機能も又あるわけでありまして、一〇〇%悪い制度でございませんし、まあどちらの弊害が多いかということでございましようが、恐らく安定本部から見ますると、これは五分々々の制度だろうと考えております。むしろ割当制度を直しまして一本料金にしましたときの供給力の確保といつたほうが問題になる場合が相当あるかと思つております。むしろ現在のようなこの料金による割当制度と合せまして、使用量を制限するという制限の段階と二つを合せ用いませんと、なかなか需給調整は円滑に行かないのではないかというように考えております。
  99. 中川哲郎

    政府委員中川哲郎君) 公益事業委員会といたしましては、いわゆる標準料金と火力料金とは価格操作の面では使わない、この点につきましては公益事業委員会割当範囲でございますので、三千キロワツト以下の量につきましては、これは昨年未来いろいろ関係方面から割当の操作によつて或る程度渇水事情それに伴う電気需用のコストの負担増を調整するようなことをしてはどうかというような或る程度の示唆もございましたけれども、価格操作といたしまして、こういう点を動かすことは非常に国民の納得するところでないと、かように存じまして、いわゆる附則によつて定められました割当の線はこれを維持するという方針でやつてつて来ております。従いまして三千キロワツト以下に関する限りそういう措置は現在のところいたしておらない実情でございます。
  100. 栗山良夫

    栗山良夫君 それからもう一つ、先ほど資料を要求いたしましたときに、安定本部は三千キロワツト以上の実際の割当通産省がやり、而も支局長がやるのだから地域別の使用量だけでどうかというお話がありましたが、安定本部としてはそうかも知れませんけれども、これは恐らく安定本部は三千キロワツトの個々の工場なり、事業場に対して、通産省なり、或いは支局長に白紙一任を今までせられておるとは私考えておりません。だから恐らく今度の十億殖やすことにつきましても、密接なる連繋を以て具体的な数字の積上げを私はしておらなければならんと思うのでありまして、安定本部だけでお作りになることが困難でありますならば、通商産業省とお打合せしまして、至急に一つその予定計画を出して頂きたい。個々の三千キロの工場はそうたくさんありませんので、それに対して昨年度の割当の予想と実績、それから本年度の十億を……、八億三千を附加えた割当の予想表は私は十分できるものである、こういう工合考えるのでありまして、一つ岩武さん先ほど熱心に御答転頂きましたが、今のを私も熱心にお願いするのでどうぞお願いいたします。
  101. 岩武照彦

    説明員(岩武照彦君) 御要望の趣旨に副いかねますけれども、実際問題としまして、百五十三億を表として出しますときには、工場の使用量等を一々計算することは先ずないわけでございます。我々としましても大体あの地域でこの程度の石灰窒素は作らなければならん、作る必要があるということでやつているわけであります。逆に申しますと、通産省等では恐らく工場でやつたかやらんか知りませんが、百五十三億じやないかと思います。そういうような関係でございますので、御要求のような資料は恐らくあとがつくごとになりますので、これは却てまずいのでございますから、我々が考えました百五十三億の地域別ので御勘弁願いたいと思います。
  102. 栗山良夫

    栗山良夫君 初めからそういう工合だから、実績がでたらめになつて、そうして国民が了承しなくなるわけです。私先ほどから申上げておるように、三千キロワツト以上の需用家というものはそうたくさんないわけですよ。全国的に幾つあるか、私も大体の見当は付くけれども、そうたくさんあるはずはない。そういうものに対して今これだけの先ほどの電気事業者の答弁のように四苦八苦して八億三千の供給増をやろうとしておる、その大切な電気をどこにやるかさつぱり見当が付かん。こんなべらぼうな計画というものは私はないと思う。これはやはり一つの計画を立ててやつて頂かなければなりませんし、そういうことがないからこそ、先ほど私が読上げた数字のように、過去の実績においても同じ大口の中ですら個々に不平が相互に起きつつある。これなども安定本部がないほうが却つてすつきりしますよ。是非ともそれはもう少し通商産業省として打合わせられて、あとで私はその内容が実績と合わなかつたから非常に工合が悪いというようなことを私は申上げません。申上げませんけれども、一応の経過とてそれだけ強く事業主にも要請し、公益事業委員会でも、これに賛成をして今事業計画書を作ろうということでありますならば、それれに対してはどうか一つ早く作つてもらいたい、できないことはこれはないと思います。過去の実績はありますよ。各工場ごとに二十六年の一月から十二月まで電気をどれだけ割当ててどれだけ使つたか、これは必らずあると思います。それがないということはおかしいと思います。これは必ずありますよ。そうしてそれに対して、どういうふうなことを附け加えようということは、これは一晩も二晩もあれば、そんな資料はできないことはないと思います。
  103. 岩武照彦

    説明員(岩武照彦君) 過去の実績のことは、これは落しましたが、これは取りまとめて提出いたします。ただ申上げておきますと、御承知のように大体特別大口の工場は全国で二百五十二ございます。それは時間を貸して頂きたいと思います。それから百五十三億のほうはこれはまあものによりまして、大体アルミのごときは全国で工場に受電をいたします地域は三つしかございませんので、これは地域をはじけば、すぐどの工場と出るわけでございますが、その他いろいろ業種によりまして、十数個も同じ業種のある地帯もたくさんございますので、その点につきましては、その地域で過去の実績等を睨んだわけではございませんので、むしろ大体生産の増強等があの地帶ではこの程度ということをやつておるのでございますが、これもそういうその計画を作りまして、お目にかけても結構と思います。ただ申しておきますが、事実事前にはそういうことをやつておりませんので、従つて或る程度附け足すことは御承知願いたいと思います。
  104. 栗山良夫

    栗山良夫君 これはやつておられんことはいけないと思います。例えば安定本部割当の要請を業者がして盛んに運動すると、更にここに何万キロを付けてやろう、何万キロを付けてやらうといつて、だんだん付けておる間に、あとで見ると変なお化けみたいなものができ上つてしまう、こういうことになるわけであります。だからやはり初めから二百五十二工場であり、そうしてどれだけ要るぐらいのことはわかつておるのでございますから、当初においてそういう計画を立て、そういう上で私はおやりになるのが、これは私は計画企画官庁としての安定本部の最も大きなお務めじやないかと私は思います。そういう事実がなくて枠だけ取つておいて、そうして重役がポケツトマネーを社員にやるように、あちらこちらへ少しずつ分けてやる、そういう官庁であるならば、私はこれはないほうがいいと思います。だからすぐこれは一つそういう見込でもようございますから出して頂きたいと思います。  それからもう一つ伺いたいのは、昨日の火力料金の枠のことでありますが、これは電気の割当に直接関係する問題でありますが、今価格政策の抑制を考えるということを言われましたが、それは特定の事業であります。その事業は自由企業であつてそういうことがあつてはならんのでありまして、而もこれは家庭用の電力から大口まで私はここに実績も持つております。今度の予定のパーセーテージも持つておりますから、数字で示せと言えば示して質問しますが、とにかく非常な差がある。料金の単価において差を設けて、又割当において差を設けるということは、これは二重に差を設けるということは改めるべきじやないか。火力料金の負担率というものは、一定の率をその需用に当つて行わなければならない。そのうちで先ほどお話があつた肥料とかアルミニユームのようなものは安くしなければならんというようなことであれば、その会社の経理の配当はこの程度よりやつてはいかんというような経営の内容までも監督して、そうして価格の抑制をやつて安くするということなら私は理窟が通る。そういうことをやる御意思がないのかあるのか、そういう点を先ず公益事業委員会松田さんと岩武さん両方に伺います。そうして進駐軍はあなたの御承知のように定率で火力料金を負担しておる。進駐軍のほうはそういう合理的なことをやつてつて、そうして日本国内のほうはどうしてできないか、その点を私は伺いたいと思います。国内の進駐軍向電力量に対しては火力料金の負担率はそんなでこぼこもございません。消費電力量に対して一定の率を以て徴収しておる。そういうことが進駐軍は行える、そうして日本の国内は日本の政府が指導しておつて不合理極まることをなぜやつて行かなければならないか、その点を私はお伺いいたしたい。
  105. 中川哲郎

    政府委員中川哲郎君) 進駐軍関係一般需用との間の取扱いに差があつて、進駐軍の扱いのほうが合理的であるという御意見でございますが、私ども現在標準料金と火力料金制度の二本建てをとつておりまするのは、最初栗山さんからお話がございましたように、一昨々年でございましたか、二十四年の暮にあの制度が採られました節は、いわゆる標準料金割当量でありまして、それ以上使うのは会社の需用家の自由である。その目的は一面においては供給力が不足する、こういう現実からいたしまして、火力料金の単価を制定いたしまして、それだけの支拂料金をすれば供給力をそれに応じまして供給をしようと、こういう体制であつたわけであります。従つて標準量が先にきめられまして、それ以上の追加は各需用家の判断によつてやるという制度であつたわけでありまして、進駐軍需用のごとく、これは占領下にある別途の措置といたしまして、或る程度慫慂せられまして、こういう制度が進駐軍部門だけに認められたわけでございますが、これは支拂い総体の使用実績から逆に追加料金程度に計算いたしまして支拂うわけであります。従つて実績拂いになるわけであります。初め設定せられました火力料金制度の本旨からいたしますれば極めて例外扱いであるわけであります。若し進駐軍需用のごとく追加料金を実績からこれを算定いたしまするならば、結局まあ初めから一本料金であるのと同じことでございまして、いわゆる追加料金制度を存するか、一本料金にするかというようなことはいろいろ検討はいたしましたけれども、現在の需給段階におきましては、やはり年間を通じての制限までは必要がないという見通しでございまして、いわゆる制限のない時節におきましてはそれぞれの需用家の判断によつて供給力のある限り火力の供給力に応じて使つて頂く、こういうことでいいんではないかという点から現状の措置が認められようとしておるわけでございます。従つて現在の状況からいたしますれば進駐軍関係のごとき形態はむしろやはり例外であつて、追加使用料金の本来の姿として自由に割当以外に使われるほうがいいのではないか、かように考えております。又需給想定の前提といたしまして、各部門の追加使用料の割合に非常に差があるという点につきましては一つの問題でございまして、今お話のございましたような点は考慮を要するだろうとは存じます。併しながらこれはやはり一つ料金と申しますか、支拂いの実績と申しますか、各需用家の負担の一つの今までの実体として現われて参つて来ておるものでございまして、一般におきましては全体の支拂料金の値上げ等の時期に際しましては、負担をどう調整するかという問題になるわけでございまして、急激に現状を変更するということはいろいろな点で問題を生ずるわけでございます。それで委員会といたしましても成るべく零細な需用、従つて家庭用電力であるとか、小口電力であるというものと大口需用との間に火力料金と含む率に非常に差がある点は順次是正して行きたいという意図を持つておりまして、今回におきましても、いわゆる大口丙部門におきましては、相当の火力料金をやはり負担をして頂くのが筋合いであるというつもりで標準量の割当につきましても案を練つているわけでございますが、これは標準料金の料率自身との関係もございます。単純に追加料金だけで措置が全部全うされるものでもございませんので、この両方かね合せまして或る程度負担の公平が順次図られて行くように措置いたしたい、かように考えております。
  106. 栗山良夫

    栗山良夫君 私はもう一回で終りますが、一本レートとおつしやるけれども、単価のほうは違うんでして、それに更に火力のほうはレートで違えておつかぶせるところに、巾が更に大きくなるからいけないということを、私は申上げておる。電燈料金と大口料金の単価を一緒にしてしまうというようなそんな不合理なことを申上げておるのではないのです。漸次縮めてというお話ですけれども、今度の案では漸次縮まつておらんと僕は思う。昨年のやり方と同じで、例えば今度個別原価主義から申しますと、消費量の中の二、三〇%を占めておる低圧電力以下のものに対して一一〇%くらいの負担をさせて、そうして特別高圧等の大口のものは九一%くらいのものであります。こういう工合に個別原価で出て来た単価を実際の値段では非常な修正が行われるわけで、修正が行われるということは、それぞれ一〇〇%個別原価で出たものを持たなければならんのを、特高のほうはその出て来たものを九〇%くらいにして、そうして低圧電力のほうは一一〇%くらいにするというようなやり方をしてあります。そのやり方は昨年の料金変更のときとちよつとも方針は変つていない。これは今日資料が提出されておりませんから、私は各電力会社別に、これは今日は料金のことをやつておるのではありませんが、割当電力の面において今の率を昨年と今年との傾向を示す資料一つ出して頂きたいと思います。  それから第二番目に資料をお願いしたいのは、今度非常に無理をして電力の増強をやつたと言われますが、その昨年の予想なり実績に比較して、二十七年度の需用想定で殖えました部分について水の利用率の向上によつてどれだけ殖えたか、それから石炭量の増加によつてどれだけ殖えたか、損失量の軽減によつてどれだけ殖えたか、発電所の新設増設等によつてどれだけ殖えたか、そういうこれは各社別です。相互融通が入りますが、相互融通の多寡によつてどれだけ殖えてどれだけ減つたか、委託発電でどれだけ殖えたか、そういうような内容別に電力の殖えた割合を計算して表にして出して頂きたい。そうしてその中で特に損失率の場合においては、この損失率は計算不能電力もありまして、私今読んでおりますと大分減つたようであります。計算不能電力がどの程度に今度は減つたのか、それからいわゆる送電線のロスはどの程度に減らされたか、配電線のロスがどの程度減らされたか、そういう損失率の各工作物の部分における想定を一つ出して頂きたい。それはなぜそういうことを申すかと申しますと、九会社の内容を見てみますと、随分損失率の算定にこれ又差があります。非常な差がある。そうして各社がどの部分を減すのにどれほど努力をされたのか全然わからないわけで、まだ中には三〇%を超すような損失率を持つておるような会社もあるようであります。そうしてその損失率全体が公益事業委員会の強い要望によつて実際の損失率よりは低く抑えられておる。これはまさに手品師が物を取出すようなものでありまして、実行不能の供給可能電力である。従つてそういう内容を私は明らかにしたい、こう思うわけであります。  それからこれは今日割当電力のことをいたしておるだけでありますから直接関係ありませんが、次回に恐らくこの委員会では、この次あたりに総括原価の内容の問題をお聞きし、それから料金の構成の問題をお聞きするような工合になろうかと思いますが、その場合の資料としてあらかじめ御用意を願いたいのは、先ほど申上げました個別原価主義によつて出された料金、それから実際に今度申請されようとしておる料金との一覧表を、これは是非頂きたいと思います。如何に消費者大衆がごまかされておるかという、その数字内容を明らかにしなければならんと思います。これは一つ正直にその資料を頂きたい、そういう工合に思います。
  107. 竹中七郎

    委員長竹中七郎君) 只今資料できますか。
  108. 福田勝治

    参考人(福田勝治君) 大体できると思います。
  109. 竹中七郎

    委員長竹中七郎君) 散会前に申上げますが、明日も午後一時より委員会を開き、現在本委員会に付託されております法案五件、石油開発は一応別にいたしますが、それを議題といたしまして、別に大蔵委員会に付託されております日本輸出銀行法の一部を改正する法律案、国有財産特別措置法案の二件についても通商産業政策と密接な関係がありますので政府説明を聴取したいと存します。更に明後日は午後一時より国際的不足物資に関する法律案について経済安定委員会と連合委員会を開きたいと思います。御異議ありませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  110. 竹中七郎

    委員長竹中七郎君) 御異議ないと認めます。  次に来週の電力に関する調査に関しまして参考人のかたに来て頂きますか、どういたしましようか。……それでは来て頂くことにいたします。  本日はこの程度において散会いたしたいと思いますが御異議ありませんか。  御異議ないと認めまして散会いたします。    午後五時十四分散会