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吉川末次郎君 私は社会党第二控室を代表いたしまして、
只今議題となりました
衆議院回付の
公職選挙法の
改正案に対しましては、緑風会の
岡本愛祐君より
只今代
つて提案せられました我我の共同
修正案に、言うを待たず、もとより賛成するものであります。又その他のこれに関連いたしまするところの二つの
修正案に対しましても当然賛成の意を表明するものであります。同時にその
修正部分の三
法律につきまして除きましたる残余の部分につきまして、これ又賛成するものであるということを申上げたいと思うのであります。
簡単に賛成の理由を申上げたいと思うのでありますが、第一に、終戦後行われましたところの
選挙法の
改正におきまして、新らしいものといたしましては、私たちがその
法律によりまして選出されて参りましたときの
昭和二十二年度の
選挙に
適用されました
選挙法、それはその実施の結果に鑑みまして、その
選挙法が余りに
選挙公営主義の
建前から諸種の
選挙の自由を拘束する点が多いというような批判が盛んに各方面から起りまして、それの反動として現行法が制定されるようにな
つたのであります。そうしてその拘束を排除しようとするところの人たちの中には、
選挙は全く自由放任主義によ
つて行わるべきものである。金も幾ら使
つてもいい、或いは戸別訪問なども幾らでもやらしてもいい、どんなことも自由勝手にやらすことがいいことであるというような主張を強硬にする人もありまして、大体そうした考えがどこかに基底となりつつ、以前の
選挙法が
改正されるような運びに
なつたと思われるのであります。然るに現行法の実施の結果は、更にそれの反射作用を生みまして、そうした戸別訪問というようなことも非常に弊害がある、或いは又金を比較的自由に使わすというようなことは、
選挙費も非常にかさんで、金のないところの優秀なる候補者が立候補できないような結果を来たすというような批判が盛んに起
つて参りまして、そうしてこのたびの
選挙法の
改正の動機を作
つて参つたと思われるのであります。
衆議院におきましては、このために
特別委員会が開かれまして、長い間
衆議院で慎重
審議の結果、この
法案が我々の手許に回付されて参
つたのでありまするが、我々はこの我々の手許に廻されて参りましたところの
衆議院の
改正案が、大体におきまして
選挙公営主義の上に立
つて公営の範囲を拡充して行く、そうして又
選挙費をばできるだけ多額に使わないようにして優秀なるところの適材が国会に選出されて来るということを
建前といたしておりまするところのこの骨子につきましては全く同感の意を表するものであります。併しながら一たびこの
法案が発表されまするや、世上諸種の批判の対象となりまして、その公営主義の強化の結果は余りに
選挙の自由を拘束するものであるというところの非難も一部に盛んに起
つて来たのであります。これらの非難のうちにおきまして、とるものは我々はできるだけこれをとるように努めなければなりませんし、又批判の言葉のうちには必ずしも我々の判断におきまして妥当でないと思われるようなものもないではないと思われるのであります。で、基本的に
衆議院が長い時間を費して折角作られて参りました
衆議院の意思を私たちは基本的に飽くまでも尊重して行くという態度で以てこの
法案に対して行きたいと思うのであります。併しながら、これを通覧いたしまするのに、
如何にもなお欠陥と思われるところの事項につきまして、
審議の過程において我々が気付きました点はでき得る限りこれを
修正するに努め、又
審議の期間が極めて短かく、
衆議院からの回付が極めて遅か
つたので我々は十分の
審議を尽し得なかつたうらみがありまするので、我々の
修正は必ずしも十分であるとは考えておらんのでありますが、ともかくも来たるべき
衆議院議員の
選挙における実績を見ましたあとで、我々は更に後日その弊害と認められました点をば
修正する日を又持ちたいと思
つているものであります。併しながら世論一部にありまするところの
衆議院の回付案が余りに不合理な
選挙の自由を拘束していると思われまする点で気付きましたものにつきましては、我々はこれを
修正することに努めましたが、例えて申上げますならば、先ほど来この
委員会において問題となりましたポスターを全然禁止しておるというがごときことは、余りに
選挙を、何と申しまするか、
選挙運動の効果を十分に挙げ得ないものであると思
つて、これを少くとも参議院の
選挙につきましては皆様と共に
修正することに賛成いたしました次第であります。
最後に、
知事その他の公務員の立候補の制約につきましては、いろいろな議論があるのでありますが、
委員長が先ほどお話になりましたように、我々は更にこれを懸案として十分検討いたしまして、次の国会に自信ある結論を得て、そうして我々の自信ある結論を国民の前に明らかにすべき日を持ちたいと思
つております。現段階におきましては、これをまだ
最後の結論を下さない処置をとりますることをば妥当であると考えているものであります。