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1952-07-26 第13回国会 参議院 地方行政委員会 第70号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十七年七月二十六日(土曜日)    午前十一時七分開会   —————————————   委員の異動 本日委員溝淵春次君辞任につき、その 補欠として堀末治君を議長において指 名した。   —————————————  出席者は左の通り。    委員長     西郷吉之助君    理事            岩沢 忠恭君            中田 吉雄君            岩木 哲夫君    委員            石村 幸作君            高橋進太郎君            堀  末治君            宮田 重文君            岡本 愛祐君            館  哲二君            若木 勝藏君            原  虎一君            吉川末次郎君            岩男 仁藏君   政府委員    地方自治政務次    官       藤野 繁雄君   事務局側    常任委員会専門    員       福永与一郎君    常任委員会専門    員       武井 群嗣君   法制局側    法 制 局 長 奧野 健一君   国立国会図書館側    専門調査員    (調査立法考査    局)      藤田 嗣雄君   参考人    大 阪 市 長 中井 光次君   —————————————   本日の会議に付した事件公職選挙法の一部を改正する法律案地方行政の改革に関する調査の件  (警察装備拡充に対する財源措置  に関する件)   —————————————
  2. 西郷吉之助

    委員長西郷吉之助君) 只今より地方行政委員会開会いたします。  最初に公職選挙法の一部を改正する法律案について審議をいたしますが、速記を中止して懇談の形で審議をいたしたいと思いますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  3. 西郷吉之助

    委員長西郷吉之助君) 御異議ないと認めます。それでは懇談に入ります。速記をとめて下さい。    午前十一時十分速記中止    ——————————    午前十一時五十九分速記開始
  4. 西郷吉之助

    委員長西郷吉之助君) 速記を始めて下さい。ではこれにて休憩いたします。    午後零時休憩    ——————————    午後一時四十九分開会
  5. 西郷吉之助

    委員長西郷吉之助君) それでは只今より委員会を再会いたします。  本日は公職選挙法改正案に関連いたしまして各府県知事或いは各省政府機関事務次官局長等選挙制限に関する問題につきまして、国会図書館調査立法考査局専門調査員藤田嗣雄君並びに本院法制局奧野健一君の意見を聽取いたしまして御両人の御意見の御発表が終りましたら質疑をお願いいたします。では藤田君。
  6. 岩木哲夫

    岩木哲夫君 その前に。本尊の自由党が一人もお見えになつておりませんがいいのですか。
  7. 西郷吉之助

    委員長西郷吉之助君) 今呼んでおります。
  8. 岡本愛祐

    岡本愛祐君 それから吉川君が要求したのですから出席されるまで……。
  9. 西郷吉之助

    委員長西郷吉之助君) 吉川君は会合に出ておられますので連絡しております。
  10. 中田吉雄

    中田吉雄君 お忙しいときに公述して頂いて大変恐縮ですが、申すも恐縮ですが、一つ純法理的に展開して頂いて、有益なる御示唆をお与え願いますようにお願いいたします。
  11. 西郷吉之助

    委員長西郷吉之助君) そろそろ見えると思いますから、それでは藤田嗣雄君お願いいたします。
  12. 藤田嗣雄

    国立国会図書館専門調査員藤田嗣雄君) 昨日急にこの問題について意見を申述べるようにというお話でありまして、昨晩遅いことでありますので、十分準備もできませんでしたが、簡単に申上げて責を果したいと思います。御承知通り日本国憲法におきまする基本的人権と申しまするものは、自然法的の基本権でありまして、憲法に先立ち、又は憲法を超越する基本権として認められておりますからして、その制限原則としてなされないという建前であります。その趣旨憲法の第九十七条ですかに見えております。従つて基本権制限は成るべくしないという立て方でありまして、権利制限に関する規定が明確には憲法規定されておりません。従つてこの問題が起つて来るものとも考えられます。ヨーロツパ大陸憲法、例えば今ドイツで行われておりますボン憲法のようなものを見ますると、権利制限規定が明確に規定してありますからして、権利制限をしようと思えば、その条項によつて権利制限ができるのであります。ところが今の日本憲法アメリカ式言つてもよろしいでしようが、権利制限に関する明確な規定がないものでありますから、しばしば問題を起すのであります。原則として権利制限をしないことになつておりますから、例えば非常事態のようなときにどう処置していいかということも、憲法上必ずしも明確ではありません。かたがたこの問題を一層困難ならしめておる次第であります。それで今日問題となつておりますところの離職後の立候補制限の問題でありますが、御承知通り憲法第十四条には、「すべて国民は、法の下に平等であつて人種信条性別社会的身分又は門地により、政治的、経済的又は社会的関係において、差別されない。」それからこれを受けて御承知通り第四十四条に、「両議院議員及びその選挙人資格は、法律でこれを定める。但し、人種信条性別社会的身分門地教育財産又は収入によつて差別してはならない。」この四十四条の規定は御承知通り、十四条より更に詳しく議員資格、それから選挙人資格について明確に規定してあるのであります。こういう条項の下で特定の人に対して被選挙権制限することができるでありましようか。それで国民権利は第十三条にもありますように、立法の上で公共福祉に反するときに限つてこれを制限することができる、こういう条文があります。従つて公共福祉に反しない限りは制限することができない。それで制限すれば、憲法違反になる、こういう解釈になるのであります。只今日本国においては軍隊はありませんけれども、例えば軍隊のある国で考えますると、現役軍人選挙権は持つておりますけれども、被選挙権は持つておりません。これは軍人被選挙権を与えまして、現役でありながら議員になるということになりますと、例えば中隊長議員であつて師団長は普通の軍人である。政治的に動かされる。それでは軍の規律が保てないという関係上、軍人被選挙権制限されております。これは公共福祉に反するから制限が行われておるものと解釈すべきでありましよう。それでこの問題の核心に触れるのでありますが、政府、高級の官吏は、国家公務員法の下ではそれが一般職である限り、政治活動はすることができない。従つて事前選挙のために行動を起すようなことはあり得ないのでありまして、若しそれをするようなことがありますれば、公務員法によつて処罰を受けるということになつております。それから知事等地方の職でありまして、この人たちはいわゆる特別の職でありまするからして、政治運動はいたすことはできまするけれども、特定の利益を供与するということは私はできないであろうと考えます。それで特定地位を利用して選挙のために有利な立場を作るというようなことがありますれば、特定のそれは行為でありまして、全般に通ずる行為ではないと考えまするからして、若しかそういうような人が選挙上面白くないというならば、そういうものを対象とする何か立法が望ましいのじやないかと考えます。それでこれと同様な範とうに属すると思われる規定ちよつと考えますると、弁護士法にありまして、それは弁護士法の第十二条第二項に、弁護士登録進達の拒絶というものがありまして、特定公務員であつたものは弁護士登録をすることが拒絶されるというような規定がございます。併しこれは特定のものに限つて行為でありまして、全般的の規定ではありません。それからもう一つあるのは、日本専売公社法第十七条の二というのにありまして、その専売公社役員及び職員一定のものが離職制限を受けております。これは両者は特定のものについての規定であります。一般的の規定ではないと私は解釈いたします。従つて知事のような場合において一般的に規定するということは、憲法第十四条、或いは四十四条、それから十三条に違反すると考えますので、こういうことを規定するということは穏当でないと考えます。若しも、逆説的に考えられることでありますが、全部に、例えば国会議員、或いは国務大臣その他に対してもこういうことを規定するということならば、或いは公平になるのかも知れませんが、これ又法の行き過ぎでありまして、こういうことも考えられないと思います。従つて私の見解といたしましては、今問題になつておる立候補制限は、日本憲法の下ではなすことができないものと考えまするけれども、これは私一個の意見でありまして、その最終決定権最高裁判所にあることは申すまでもないことであります。  大体私の意見を申上げますとかくのごときものでございます。
  13. 西郷吉之助

    委員長西郷吉之助君) 今の藤田さんの御意見の、一般事務次官とか局長、そういうものに対する御意見は如何ですか。
  14. 藤田嗣雄

    国立国会図書館専門調査員藤田嗣雄君) 私に御質問でございますか……。同様に考えます。
  15. 岩木哲夫

    岩木哲夫君 公職選挙法に関する公述人の御意見聴取最中に甚だ恐縮でありますが、警察法に関連する警察装備の特別の経費、財源の問題について、五大市の市町村のかたが特に地方行政委員長以下に陳情いたしたいと来られておるのですが、ちよつと陳情を五分間ほどお聞き下さるようにお計らい願いたいと思います。   —————————————
  16. 西郷吉之助

    委員長西郷吉之助君) それでは只今岩木君からお聞きの通りの御意見がございましたから代表のかたから簡単に趣旨をお述べ願います。
  17. 中井光次

    参考人中井光次君) 大変御予定のある中にお邪魔さして頂きまして誠に有難うございました。ちよつと時間を拝借してお願い申上げます。  今日は、実は京都神戸横浜並び大阪、名古屋の五大都市の市長並びに助役が陳情に参つたわけでございますが、事柄は、実は現在の自治体警察状況からして、国家において何分の経済的な負担を願いたいということであります。  承わりますれば、今度警察法改正伴つて、東京都警視庁に対しましては十億円の国庫補助を与えます。補助でありますか、名目は何でありますか、国庫下渡金があるそうであります。五大都市状況を申しますると、私から申すまでもありませんが、最近における非常な、集団的な暴力的な活動がありまして、これの鎮圧に対し警察は相当苦慮をいたしておる。殊に京都のごときは、御承知のように最も早くから騒いでおります。神戸は殊に朝鮮人の問題で顕著なのであります。又大阪は比較的静かでございましたが、先般は大阪市内ではございませんが、近郊の吹田で以て事件が起つた。極く最近には七・一五の記念日に当りましての取締りは相当な警察力を使つた。その一例を申しまするというと、時間外勤務手当と申しますか、動員に要した費用が一晩に手当だけでも五百万円要つたというようなわけでありまして、その他装備の点から考えましても、こういう国家的な警察活動に対しては、国家が相当な、これを負担して下すつて然るべきものではないかと考え殊に警視庁における実例がさようなことでありますから、この際当委員会におかれましては、何とぞこの五大都市財政状況等につきましてはしばしば御陳情申上げましたような次第でありますから、適当なる御勘案を願いまして、適当な御処置を願いたいと思うのであります。前は各府県警察に対しまして、古いことを申上げますと、警察費国庫下渡金と申しますか、国庫の分担があつたのであります。そういうことも考え合せ、あえて自治体だけの問題でありますれば、私たちも御無理は申上げたくありませんが、今日のような国家的警察活動の非常に多い場合におきましては、特にお願い申上げたいと思う次第であります。どうぞよろしくお願い申上げます。
  18. 西郷吉之助

    委員長西郷吉之助君) 只今の御陳情に御質疑がございますか。
  19. 原虎一

    原虎一君 中井さんにお伺いしますが、五大都市警官給与平均額と、国警給与の額の相違、それから装備に必要な差、こういう統計を大阪なり、京都なりできているのがありますれば頂きたいのです。これは国警国警のほうから取寄せますが、あなたのほうでできておればそういうものが欲しいのです。
  20. 中井光次

    参考人中井光次君) 国警大阪或いは各都市との給与の状態につきましては、私は実は今数字を持つておりません。これは直ちにわかりますからお届けをさせます。
  21. 原虎一

    原虎一君 できれば給与の差と装備の差を合計いたしまして、国警側が例えば三十万円要るとすれば、地方が二十万円或いは二十五万円で済むということがあります。そういう点を市側から作つたものをもらいたい。国警側からは又国警側のを作つてもらいますから……。
  22. 中井光次

    参考人中井光次君) それから今の給与の点でなく装備の点でありますが、これは自動車とかピストルとか或いはその他の放水車とかいろいろなものがあると思うのですが、これは実は五大都市で以てそれぞれの連合の協議会を開きまして比較いたしておりますが、それぞれ程度が違つております。大阪京都とは違うというような工合で、装備完成程度が違うわけであります。それらを取調べまして……、併しながら最小限度のものは如何なるものが必要であるかということを只今打合せをしておりますから、その資料も成るべく早くお届けするようにいたしたいと思います。   —————————————
  23. 西郷吉之助

    委員長西郷吉之助君) それでは只今陳情はその程度にいたしまして、次に本院の法制局長奧野健一君。
  24. 奧野健一

    法制局長奧野健一君) 只今問題になつております都道府県知事或いは事務次官等高級行政官国会議員立候補制限に関する問題について、憲法との関係についてどういうふうに思うかという問題と考えます。  そこで国会議員立候補についてこれらの知事或いは高級行政官吏離職一定期間立候補することができないということが憲法上どういう問題になるかという点につきましては、恐らく憲法四十四条の「両議院議員及びその選挙人資格は、法律でこれを定める。但し、人種信条性別社会的身分門地教育財産又は収入によつて差別してはならない。」こういう規定但書社会的身分によつて差別待遇ではないかという点が一点、それと同じような関係におきましては憲法第十四条の法の下にすべて国民は平等である。そして社会的身分というようなことによつて差別されないという憲法の十四条の条章に違反しないかどうかという点が一点と、第二点は憲法第二十二条の「何人も、公共福祉に反しない限り、居住、移転及び職業選択の自由を有する。」という二十二条の憲法趣旨に違反しやしないかという二点が憲法との関係において考慮すべき点ではなかろうかと思います。そこで先ず第一点の憲法第四十四条若しくは第十四条の社会的身分によつて差別待遇にはならないか、いわゆる都道府県知事或いは事務次官といつたような身分を有するが故に、国会議員立候補が或る程度制約を受けるということがこれに該当しやしないかという問題であります。勿論国会議員に対する立候補ということは、国民に与えられたる参政権の中の重大な問題でありますから、これはできるだけ平等に制限をしないようにいたすということは、憲法趣旨と考えます。併しながらこの四十四条の但書といえども、合理的な、言い換えれば公共福祉要請によつては、場合によつてはこれを制限することも認められて然るべきではないかと思うのであります。現に公職選挙法八十九条におきましては、選挙事務関係する職員立候補制限しておりますし、又在職中の公務員一般職であろうと、特別職であろうと、同条に規定している以外の公務員立候補制限されております。これは申すまでもなく選挙事務関係するものが立候補をすることは弊害のあることは勿論であります。又在職中の公務員立候補いたすことは、その公務員たる地位及び何と申しますか、特権と申しますか、地位及び職権をまあ利用する、少とも危険性があるという、従つて公務員としての自己の職責を空しくするという危険性と同時に、又公務員たる地位職権を利用して選挙に不当な影響力を与えるという弊害、この二つの弊害が一応考えられますので、そういう弊害のある以上は、現職中における立候補制限するということはやはり合理的な公共福祉に基く要請としては、憲法四十四条但書例外として認めても憲法違反ではないというふうに考えていいではないか。そこで憲法四十四条但書といえども無制限要請ではないということが言い得ると思います。  然らば都道府県知事或いは事務次官等現職中ではなく、離職一定期間立候補制約することはどうかという問題に相成るであろうと思います。この問題はあとの職業選択の自由についても同様でありますが、いやしくも弊害危険性というものを当然に制度的に包含する場合におきましては、そういう制限をするということも又憲法上是認されるのではないか。従いまして知事若しくは次官等離職後といえども、一定期間はやはり現職中の立候補に準ずるような弊害が当然に予定され、包蔵、内蔵しておると見られるような制度的なものでありますれば、やはりそれを制限するということは必ずしも憲法違反ではないかと思いますが、私は事実知事その他上級官吏選挙ということについて、制度的に必然的にどういう弊害があるかという具体的な問題については実は詳かにいたしておらないのでありまして、でありまするから抽象的に、これは制度的にこの弊害を予定されるように考えられる危険があれば、公共福祉要請として或る一定期間立候補制約ということも許されるのではないかと考えますが、ただ知事というものの或いは次官、或いは局長とかいうものの職責の遂行と、当然に選挙に対する不公正なる影響力を与えるものであるという必然的なこのつながりというものは果してあるかどうか。制度的に見て、むしろそれを肯定することが困難ではなかろうかと、実は個々的には場合によつてはそういう弊害を醸す人もあるかも知れませんが、制度として考えた場合に必然的にそういう弊害を伴うものであるという断定はなかなかいたしかねるものではないかというふうに考えます。この点は国務大臣或いは政務次官現職議員というようなものとの関係も考慮して、やはり平等に考えなければならないのではないか。ただ知事は県政のために非常に若し努力したとするならば、非常に人気を博して選挙に有利であるというようなことはあり得るとは思います。併しその関係国務大臣或いは現職議員、或いは政務次官といつたような人々と同様なものであるのではないか、若しそうであると仮定すれば、知事なるが故に、次官なるが故に制限するということは、法の下に平等、或いは四十四条の趣旨から言つて平等に取扱うという点についてやはり問題が起るのではないかというふうに考えます。要は知事というものが、或いは次官というものが当然に選挙に不公正を来す危険性を包蔵しておるかという、そういう蓋然性を持つておるかということによつて、若しそうだとするならば、これを制限することは必ずしも憲法違反ではないのではないかというふうに考えるわけでございます。  次の職業選択の自由との関係につきましては、これ又無制限職業選択の自由を憲法二十四条は保障しておるとも考えません。先ほどお話がありましたように、国家公務員につきましては百三条におきまして或る一定職員については「離職後二年間は、営利企業地位で、その離職前五年間に在職していた人事院規則で定める国の機関密接関係にあるものにつくことを承諾し又はついてはならない」というのが国家公務員法第百三条二項にあります。いわゆる天降りを禁止する規定であります。これは国家公務員としてその職務の取扱いの事務並びに監督関係にあつた直接密接関係を有する営利企業へ天降りすることを禁止しておるのでありまして、公務員職責上これを放置することは弊害があることは明らかでありまして、こういうふうに直接密接関係監督関係或いはその事務に携るというものについては、そのコネクシヨンの関係等から言つて当然に弊害を予想されますので、こういう二年間の職業の選択自由をその部分だけに限つて制約するということもこれは又合理的な根拠があるものとして是認せられるのではないか。又先ほど藤田さんのお話もありましたように、弁護士法第十二条第二項で、例えば判検事がやめてその勤務の土地ですぐ弁護士をやるというようなことについてはいろいろ弊害があると言われて、この規定ができたのでありますが、その地域内において弁護士職務を行わせることが特にその適正を欠く慮れがあるものについては弁護士登録をさせないという規定であります。これも在職中の判検事、まあ公務員となつていて判検事とありませんけれども、この法文の狙いは大体判検事であつたのでありますが、すぐ在野法曹となつて弁護士職務をとるということについて臣、弊害が大体必ずしも予想されないというわけのものではないのでありまして、併しすべてがこれを制約するというのではなくて、特にその適正を欠く虞れがあると認められるものについてだけ登録をさせないことができるという規定で、これは具体的に、一般的ではなくして、具体的に適正であるかどうかということを判断した上で就職制限せしめるような規定であります。又それと同様な問題は、日本専売公社法第十七条の二で「公社役員及び職員は、その離職前五年間に葉たばこ、製造たばこ用巻紙云々々々といつたような「物資の割当事務に従事し、文はその事務を直接監督していた場合においては、離職後二年間は、その従事し、又は監督していた割当事務密接関係にある営利を目的とする会社その他の団体の役員又は職員になつてはならない」、但書がありまして、「但し、」云々々々の「場合その他特に弊害がないと認められる場合において、公社の総裁の申出により大蔵大臣の承認を得たときは、この限りでない」というのでやはりこの場合も弊害がない場合は例外としておりますが、大体これらの直接密接関係の、まあ監督関係におるようなものについては一応弊害が予想せられるという場合に就職、言い換えれば職業選択の自由を制約しておるのでありまして、これはやはり先ほど言いましたように、その弊害職務上当然に予定せられると思われるものについて公共福祉要請から職業選択について或る制約を設けることは必ずしも憲法二十二条の職業選択の自由の制限ではなく、即ち憲法違反にはならないのではないかというふうに考えられます。  そこで今回の知事有しくは事務次官等立候補制限につきましてでありますが、これも先ほど申上げましたと同じように知事なり、事務次官なりその他の高級行政機関職務の執行が当然に国会議員選挙の公正に悪影響を及ぼす弊害をそれ自体内蔵しておると思われるかどうかによつて、苦し肯定されるといたしますならば、そういう制約をすることが又必ずしも憲法違反ではないと考えますが、具体的に果してそういう弊害の当然に伴う蓋然性を持つておるかどうかというこについてはつまびらかにいたしませんので、若しそういうものでないとした場合において、知事或いは事務次官なるが故に立候補離職一定期間制約するということは、やはり先ほど申しましたように憲法四十四条の但書或いは憲法十四条の法の下に平等であるという原則或いは憲法二十二条の職業選択の自由の保障といつたようなものと牴触する、言い換えればやはり或る意味で憲法違反の虞れがないとも言えないというふうに考えます。
  25. 西郷吉之助

    委員長西郷吉之助君) 以上を以ちまして御両名の意見発表を終りましたから御質疑がありましたらどうぞ。
  26. 中田吉雄

    中田吉雄君 藤田さんにお伺いいたしますが、第十四条ですね、「すべて国民は、法の下に平等であつて云々それから第四十四条の但書関係からいたしまして、十四条と四十四粂との関係からして、知事並びに局長次官等制限憲法違反の疑いがあるではないかという御意見ですが、そういう観点からして公職選挙法の八十八条選挙事務関係者の立候補制限国家公務員法の百二条、それから人事院規則の政治的行為、昭和二十四年九月十九日にできました人事院規則十四から十七ですか、そういうようないろいろな政治上の制限というものとの関係はどうなりますか。そういうものはやはり憲法違反にはならないですか。
  27. 藤田嗣雄

    国立国会図書館専門調査員藤田嗣雄君) つまり一般的に前におつしやつたようなものについて奥野さんの詳しくおつしやつた通り一般的に知事なり或いは政府高級官吏離職後の立候補というものに弊害があるということが抽象的に立証されれば、制限しても差支えないと思いますが、それはどうも困難のように思います。  又後段のような場合にはそれが説明ができるためにそういう規定があると私は考えております。
  28. 岩木哲夫

    岩木哲夫君 私さつき藤田さんにお伺いいたしましたが、一般的にやることは憲法違反の虞れがある、かような工合に一般的に及ぼすときのやり口は憲法違反の虞れがあると言われておりますが、今この場合においては両院議員のその被選挙権資格についての限定、特定のことであります。  それからもう一つは、都知事とか、或いは知事、副知事とかいうものが全般的にその立候補制約を受けるのでなくして、知事のような場合においては、当該関係府県以外のところは自由であるとか、それからその他についてもおよそその公務員たるの職責の勢力の延長、温存されておる、いわゆるぬくぬくの期間の六ヵ月、こういつたような場合に対する特定制限方法であるから、これは先ほど中田君の言われたような工合に、公務員法のいろいろの箇条、或いはその他選挙管理委員立候補制限の周題であるとか、人事院規則の問題であるとか、弁護士の問題であるとかいつたような工合に、特定の場合に限つて制限憲法違反でないというならば、この場合も同様ではないのですか。
  29. 藤田嗣雄

    国立国会図書館専門調査員藤田嗣雄君) つまりまあ意見の相違になりまするけれども、私の申上げましたのは、知事であるとか、或いは事務次官であるとかいうことによつて、その人が在職中から後の選挙のために有利な態勢を作つておるということを一般的には認められないという立場から申上げたので、特定の人についてはそういうことがあり得るかもそれは知れませんが、実際の状況を私は存じませんから、一般的に抽象的に申上げたまでであります。
  30. 岩木哲夫

    岩木哲夫君 ですから私がお尋ねしておることで、知事とか局長がその在職中に、次の選挙に引続いて有利ないろいろの公費を使い、いわゆる地位権力を利用してやるというようなことは、現在国会議員立候補しようという意図のあるものは、もう公然の状態として展開されておるのであります。従つてこうしたような両院議員の、憲法第四十四条にある両院議員立候補資格、即ち被選挙権資格については、これは特定のことである。決して全般的の問題じやない、或いはそれが永劫、永久的な問題じやないのであるから、今私が重ねて申上げたような工合に、一定の期限においてのみこれを制約するのであつて、六ヵ月経過すればこれは自由に立候補でき、又地域が違えば立候補が即日からでも可能であるという問題は、これ即ち公共福祉に沿うゆえんである。であるから若しこれを憲法違反であるという疑いを言うならば、先ほど来も言う公務員法のたくさんな条文、たくさんな制限規定、或いは人事院規則、専売法、弁護士法、あらゆる問題について全部人権の制約をしておるのであります。これもやはり特定のことを制約しておるのであつて、全般を制約しておるのではない。例えば判検事弁護士をやらないで漁業をやるのだ、百姓になるのだということは制限しない。特定の場合にのみ制限するということは、今私が申上げる、こうした役人が特定の両院議員立候補する場合の被選挙権資格一定限度で制約するということは、共通性のある問題で、私は、若しこれが憲法違反だというならば、先ほど来申した公務員人事院規則弁護士法、専売法は憲法違反の疑いがあるのです。これはまあ同様であると私は思うのですが、如何でしようか。
  31. 藤田嗣雄

    国立国会図書館専門調査員藤田嗣雄君) つまり私の申上げたのは、一般的と特定の問題でありまして、私は政治上の実際について存じませんから申上げたまででありまして、今質問をなされたかたのごとく、全部の知事、或いは全部の事務次官等についてそういうことが立証されるならば御説の通りでありましようけれども、それができない限りにおいては、一般的にはそういうことを認めることは公共福祉に副わないということになりはしないかとそう考えます。つまり意見の相違でありまして、私は現在の政治の実際を知らないために起る議論であるかも知れませんが、私が今持つておりまする考えは、全部のものがそれであるということが立証されるならば、御説もそうでありますけれども、そうではないと考えますから、私も議論をしたわけであります。
  32. 岩木哲夫

    岩木哲夫君 私はあなたが政治的に詳しいということを前提としてお聞きしておるのでもなく、又全般的政治情勢を知つてから話せということを申しておるのでもない。ただ全部の知事がそういう不正行為をやるということがあるから私は怪しからんということを申しておるのと違うのであつて知事であろうが、局長であろうが、今私が申上げるような工合に制限制約をせられると、一定の期限……、永劫永久のものじやない、一定の期限制約するということは、私は公務員法、それからいろいうな問題などの条文を憲法違反でないと言うならば、これも憲法違反でないのであつて、共通する問題であり、全部の知事が不正な行為をしておる、これを取締るということを私は申しているのではない。そういう全般的な虞れがあるということは世間熟知のことであるから、こうした殊に公共福祉の観点から見ても、こうしたかたがたはいわゆる公費を以て、その地位職権、あらゆる機会を利用して、公共の仕事もするが、自分の次の選挙の場合にもその何一〇%かは活動いたしておる虞れがある、或いはいたしつつある虞れがあるから、そういう虞れがあるから、公共福祉の観点から六ヵ月間制約し、或いはその当該関係府県以外のところでないと、即日立候補できないという制約をするということは、前段に申上げた各公務員法、或いは人事院規則弁護士法、専売法などと何ら相違はない。これは一定のことを制約制限をしておる。だから公務員、例えば大蔵省の役人が銀行の役員に就くという場合は限定しておるが、大蔵省の役人が農業会などの役人に就くのであつたら差支えない。ですから私は特定の方法を制限しておるのとこれは同じことである、こういうことを考えるのですが、それが意見の相違と言えば意見の相違かも知れませんが、もう少しこれは純理的に、一つ法理学的にお聞かせ願いたいと思います。
  33. 藤田嗣雄

    国立国会図書館専門調査員藤田嗣雄君) いつまで申上げても、一般的と特定の問題でありまして、普遍妥当性があるかないかの問題でありますからして、これ以上申上げても、そうじやない、ああじやないと、もうきりがないと思いますから……。
  34. 中田吉雄

    中田吉雄君 ちよつと……。国家公務員ですね、これを全般的に禁止しているのですがね、それはどうなのですか、私は……。あなたの立場として伺つて……。
  35. 藤田嗣雄

    国立国会図書館専門調査員藤田嗣雄君) つまり政務次官事務次官を区別したということが全般について認められたら差支えないという立場からではないでしようか。つまり政務官は政治のほうを担当しているし、事務官は事務のほうを担当している。事務しかやらないのだ。それが政治に没頭しちやいかん、つまり政務官の指導の下に事務官は働く、こういう立て方であるのじやないですか。
  36. 原虎一

    原虎一君 これは奥野さんの意見をお聞きしておるのでずが、知事の場合だけを考えて、こう一般的に今まで……、今度問題になつていますのは、次官局長知事というふうにまで及んでおりますから、全般的にお考えになつておる御答弁、御見解だと思うのですが、その中から取上げて、最も今日弊害を認める部分の大きなのは知事です。私は具体的に申上げて御見解を伺いたいのは、一県が、某県の知事が、その府県は選挙区が仮に三区もあると、その県内のいずれかの区で立候補する場合・知事が六ヵ月なら六ヵ月の前に辞職しなければ立候補できないという制限をした場合において、あなたが今日陳述なさいましたような、一般的なものと同様な観点でいいかどうかという問題がある。これはもう一遍具体的に申しますというと、埼玉県の一区で、三区、四区なんかもありますが、その中の一区で、現任の知事が辞めても、告示があつた日にやめて立つということは、これはそういうことはできない。六ヵ月前にやめていなければ、現任の県のその中の一つの区で立つ場合は許されないというような場合においては、今のあなたの一般的な御見解は適用できないのじやないかと私はこう考えるのですが、この点はどうですか。
  37. 奧野健一

    法制局長奧野健一君) 知事と、それから事務次官等との関係ちよつとお話に出ましたが、この問題は私は更によく検討して見ると、一般職である事務次官或いは局長というものと、公選によつて出て来る知事というものを必ずしも一本に考えるということも実はどうかと思つております。むしろ公選で出て来る知事のほうがやはり総理大臣或いは政務次官現職議員と同じように、もう政治活動というものが前提として大体許されているわけでありますから、一般職公務員政治活動が禁止されているのと非常に違うのでありますから、むしろ次官局長なんかの制限よりも知事のほうが緩やかであつていいのではないかとまあ思つているのですけれども、それと、只今の或る区の一区と二区というふうなあの或る区の中から立候補されるのととの関係でありますけれども、若し法律として制定される場合には、やはり制度的に画一的に規定しなければちよつと困りはしないか。それで或る県のうちのどの区から立候補するのはいいが、そのほかの区からは悪いといつたようなことが果してうまくやれるかどうか、その点までは……。
  38. 原虎一

    原虎一君 それは前段の局長と県知事との相違する点については検討を要すると思いますけれども、その後段の、その現任地のどの区でもいいのです、私の申上げるのは……。現任地のどの区からか立つということは、立つてもかまわないのですが、現任地の県内の選挙区から立つということに対して制限を加えるということは、前段の局長、県知事というものはこれは別個に考えることは私はそういう場合におけるところの考え方は、ただ次官であるとか或いは局長という国家公務員というものと県知事というものは身分が違うということ、選任の形が違うということだけでは、混乱していかんという考えがあるのであります。これは別です。ただ現任の県下のどの区でもいいのですが、どこから出るということは、そう今岩木委員が言われましたように、判検事がその管轄区内における弁護士登録できないというのと似ておるのじやないですか、その点はどうですかということをお聞きしているわけです。
  39. 奧野健一

    法制局長奧野健一君) 若し知事立候補制限するということになれば、恐らく全県ということになるだろうと思います。併しその選定は問題がありましようけれども、若し制限すべきものであるということになりますと、全県に対して影響力を持つておつたのでありますから、そのうちの所在地とか何とかというのでなく全県に対して制約をするということになるのではなかろうかと思います。
  40. 原虎一

    原虎一君 その場合における違憲論は薄弱になりはしないかということを申上げているのです。
  41. 奧野健一

    法制局長奧野健一君) やはりそれと問題が少し違うかも知れませんけれども、その知事に全国区の立候補まで制約するということになると、よほど又ちよつと違つて来るのではないか。その県だけから立つ選挙というのと、まあ全国区と言つても事実上或いはその一県だけでも票が集まるかとも思いますけれども、建前として全国区からの票というような場合に、それとその地方区からと両方同じようにやつていいかどうかということになると、影響力という面から言つてもよほど違つて考えなきやならんかと思いますがその点は直接にはお答えにならないかも知れませんが……。
  42. 原虎一

    原虎一君 奥野さんが意識的に逃げているような感じが私はするのですが、我々一番問題になるのは、ざつくばらんに申しましてこれは速記をやめてもらつてもいいと思いますが、県知事が、成るほど公選知事でありますから、局長次官等とは違いますけれども、県知事が衆議院であろうと参議院であろうと、その現任の県内で勝手に立候補ができるというそのために起る弊害というものは、これは事実あるわけですね。まあ我々の体験からいたしますと……。でありますから、今具体的に申しました現在の県の県内で立候補一定期間認めない、許さないということは、判検事弁護士になるときの制限とその部分だけにおいては似ているのではないか。従つてその部分だけを考えれば、違憲論というものは成り立たないのではないか、こうお聞きしているわけですね。
  43. 奧野健一

    法制局長奧野健一君) その判検事から弁護士になる、その現任の場所でなることについては場合によつて制限を受けるのです。併しながら特に不適当であるとまあ弁護士会等においてこれを認定した場合でございまして、丁度その知事なんかの場合でも、いろいろな関係からその人が非常に今後の選挙に不当な影響力を与えておると認められるような人だけについて何か選挙管理委員会か何かで認定してやれるというような制度のものであれば、それは私はいいと思うのです。ただ一網打尽に全部を一律に制限するといううちには、非常に正当なものもあるし、不当なものもある。併し法律ということになると、一律的にやらなければならないというところにむずかしい問題があるのじやないかと思います。
  44. 岩木哲夫

    岩木哲夫君 藤田さんにお聞きしたいと思いますが、これは見解の相違と言つて話にならないから、必要がないからお聞きするのを略して奥野さんにお尋ねしますが、今私が藤田さんにもお尋ね申上げた通り憲法第四十四条に謳つておる両院議員被選挙権資格というものは、これは先ほどあなたが言われたと思いますが、弊害危険性が制度上当然あり得る立場、それから職責遂行上選挙に対する不公正なことが直接間接に与えられやすい虞れがある職域の者に対して一定の期限を設けて、或いは一定の地域を限つて被選挙権制限をするということか若し憲法違反と言うならば、同じく被選挙権制限規定はたくさんあります。これは先ほど来申上げました通り年齢二十五歳以上だとか、参議院は三十五歳以上だとか、これは被選挙権制限規定であります。或いは立候補の届出については供託金十万円納めなければいかん、そういつたようなこともこれはやはり被選挙権制限事項であります。又公職選挙法の第八十八条においても投票管理者、開票管理者、選挙長、及び分会長等の者はその在職中その関係区域で立候補が禁止されておる。その他公務員のいろいろの規定、それから今も話が出ましたが、弁護士会長の問題にいたしましても、その他においても、この被選挙権制限というものは弊害危険性が制度上多い。職責の遂行上選挙に対する不正行為が起りやすいというが故に、この被選挙権制限している部面も多くあるのであります。であるから第四十四条においても弊害危険性が制度上多いという虞れあるもの、職責遂行上選挙に対する不公正が起りやすいといつたようなものについては、特定……、一定に限らず全般的に永劫末代でない、地区又は最小限度の期限を附してこれを制約するということは何ら関係ない。若しこれがいかんと言うならば、先ずこの問題から明らかにしてもらわないと筋が立たないと思う。前の問題十把一からげに、これはこういう解釈だといい工合に解釈しておつて、そうしてこの問題だけひつかかつてやるということは筋が立たないと思うのです。ですから前の筋を明らかに溝をきれいに掃除してからかからないと、やつばりこの意見は筋を立ててもらわんと話がわからん。
  45. 奧野健一

    法制局長奧野健一君) お説のようにまあ具体的に言いますと、知事というものが当然、丁度たとえば現職公務員現職のままで立候補するということは公務員職責遂行をおろそかにするという点及び現職の圧力なり、権力の濫用の虞れがある。従つて公正なる選挙を害する危険性があるという理由で立候補制限をするということは、これは憲法四十四条但書例外としてやはり認めて、憲法違反ではないというふうに思うのでありまして、それと同じような弊害離職後も知事についてあるという前提が立つということでありますれば、やはり同じように立候補制約しても憲法違反ではないというふうに考えております。ただ、その知事という制度が、或いは次官局長という制度がそういつたような弊害を当然持つているものであるかどうかということについては、事実いま少し検討してみないと、ただ制度の上からだけみるとやや肯定がむずかしいのではないか。従つてそういう前提に立てば、やはり憲法に牴触する虞れがあるのではないかというふうに思うのでありまして、結局その前提の知事という職責遂行、或いは制度と選挙の公正という関係上、そういう危険性があるかどうかということによつてきまる問題であろうかと思います。
  46. 岡本愛祐

    岡本愛祐君 奥野局長に伺つておきたいのですが、実は公職選挙法を作りますときに知事、又大市長なんかの国会議員立候補する準備と言いますか、弊害が余りに甚だしいということで、何かこれは制限をする必要がありはしないかという問題が起りまして、仮に私は一つの案を立てて見たのであります。それは今おつしやつた憲法四十四条、憲法五十四条、憲法二十二条、この規定をよく噛みしめた上で憲法違反にならないように考えてみたいということで出発した。そこで先ず或る県の知事を例にとりましてAの県の知事を例にとつて、A県知事がその任期中に、つまり四年間の任期があるのでありますが、これはまあ契約で、四年間務めますというので、この県民の投票を得て当選をした。その四年の任期を振切つて二年とか何かで今度は参議院議員に又は衆議院議員に出る。そうして直前まで務めておつて事前運動的なことをやつて、そうしてその県の知事に出る。これはどうも公共福祉に反するのじやなかろうか。なぜならば四年のこういう任期があるのですからそれを務めるべきは当然であります。それが四分の三まで務めたというならば、まだいいかも知れません。半ばならずしてやめてしまつた。そうすれば県民が又何千万という負担をして選挙のやり直しをしなければならない、こういうことで公共福祉を害することになりはしないか。それで本人が而も自発的にそれをやめたと前提をする、リコールとか何かでやめた。それじや県民に信任を問うて丁度参議院選挙があるから自分は出てみようというので、それは大したことではないと思いますが、而もいよいよ参議院選挙に出たいなら、任期四分の三以上務めなければならんということを設けるとして、四分の三済んだ後、幸いにその時期的に半年あれば早くやめたらいい、半年前にやめよう、而もぎりぎり一ぱい務めてほかの県から出ることはちつとも差支えない。任期中早くやめてほかの県、自分のインフルエンスの及ばない自分のくにとか又自分の身寄りの人の地盤のある地区から出ることは知事としてのインフルエンスはないのですから、これはちつとも拘束をしない、こういうふうに考えてみる。つまり知事知事全部じやない、任期の一定期間を務め上げ得ずして、そうして自発的に退職して、而も退職してから半年ならずしてその地区から、自分の知事をしておつた地区から参議院地方区に出、又は衆議院議員立候補するということは、公共福祉を害することになりはしないか、こういうふうに考えてまあ一つの仮案を作つてみた。ところが参議院のほうじや皆さんの賛成を得ておつたのでありますが、衆議院との懇談会のときに、これは憲法違反だということが衆議院の連中から出まして、又それをGHQに持つて行つたところが、GHQもそれはいけないということでやめたという歴史がある。併しこういう問題を振返つて見て、今それを私のほうでやるわけじやありませんが、そういう程度であつたならば、あなたは今までのお説の中でいろいろ説明をしておられるそれと照し合せて見て、憲法違反であるとお考えになりますかお考えにならないか。それを念のために伺つておきたい。
  47. 奧野健一

    法制局長奧野健一君) 実はその問題はまだよく考えてみたこともございませんが、参議院議員が途中でやめて衆議院議員になるという問題も同じ問題であろうかと思いますが、若し知事の場合にあと残りだけは待たなければならんということになると、参議院議員から衆議院議員に出るときもやはりあと六年までは待たなければならんということになると、又いろいろ問題があるのじやないかと思います。その知事の場合と区別すべきかどうかというような問題についても、いま少しく研究してみたいと思います。
  48. 岡本愛祐

    岡本愛祐君 そのとき知事、市長……大市長ですがね、つまり任期のある人に限つたのであります。それですからそのときの衆議院の反駁の意見としてお説明の通り出ました。衆議院議員や参議院議員でもそれを振り捨てて参議院から衆議院に変る、衆議院から参議院に変るということは同じ問題になるのじやないかという意見もありました。だから或る一定期間経つた人、つまり任期の半分経つたら変る、或いは四分の三経つたら代るという人はいいというふうにしてもいいのではないかということも考えられる、議論としてはですね……。併しそのときには衆議院、参議院も同じようにやらなければならんのですからそういうときにはどうであろうかという問題なんです。
  49. 奧野健一

    法制局長奧野健一君) なおよく研究したいと思いますけれども、ちよつと必ずしも憲法違反……、その場合にあと残りだけ待つておれということが憲法違反かどうかという問題でございますね。
  50. 岡本愛祐

    岡本愛祐君 つまり公共福祉をそういう人は害しやしないかという面、つまりまだ四年の任期の半分くらいも経つか経たないのに、その任期を振り捨てて今度は衆議院のほうへ出る、参議院のほうへ出るということになれば又すぐ選挙しなければならん。そうすると県民は二年間は損しておるわけです、費用をですね。だからそういうことがやはり公共福祉を害するのじやないだろうか、こういうふうに考えるわけです。そこに私どもの疑問があるわけです。それは衆議院でも参議院でも同じことです。
  51. 奧野健一

    法制局長奧野健一君) なお一つよく研究して見たいと思います。
  52. 若木勝藏

    ○若木勝藏君 私お二人にお伺いしたいと思いますが、全国の知事会或いは全国の市長会から出ておる反対意見の場合においては、明らかに憲法違反であるということを指摘しておる。ところが今お二人の御意見を伺つておりますと、私はよくそれを突きとめ得ないのでありますが、藤田さんのほうではそういうふうに制限することは不当であるというふうな言葉を使つておつたようですが、不当であるということは憲法違反であるということを意味しておるものであるかどうか。それから藤田さん……、奥野さんのほうは違憲の虞れがあるということをおつしやつておりますが、これは違憲の虞れがあるという場合と違憲であるという場合とは明らかに差があるわけです。そういう点をはつきりお述べ願いたいと思います。どちらかですね。
  53. 藤田嗣雄

    国立国会図書館専門調査員藤田嗣雄君) 不当であるという言葉を使つておるかも知れませんが、つまりさつきからも問題になつておるように、特別のものを以て一般を、全部を律するということが憲法上認めがたいということを申上げたつもりであつたのですが、それから私は議論の都合上虞れとは言わなかつたと思います。憲法違反であると私は申上げたつもりでございます。若しも虞れがあると言つたらば私が言い違えたと思います。つまり私は議論を進める上において虞れという字を使つて或いはいいのかも知れませんが、憲法違反であると言つても、最終の決定は我々としてはわからないので、最高裁の決定されるところであるというように言つたつもりであります。
  54. 奧野健一

    法制局長奧野健一君) 知事或いは次官というものが選挙の公正を害する危険性が当然に職責遂行上只今言われるような関係があるならばというふうに認定されれば、立候補制限をしても憲法違反ではないと思いますが、そうでなくして制限をするということは憲法四十四条とか十四条とか等から憲法の精神に反するじやないか。従つてまあ憲法違反の虞れがあるのではないか。これはやはり虞れと言いましたのは、結局はこれは最高裁判所等によつて確定されるので、そこまでこの席で断言するのは如何かと思つて虞れがあるということであります。
  55. 若木勝藏

    ○若木勝藏君 わかりました。もう一つお伺いしたいと思います。そういたしますと、あなたの御意見を通して聞いて見ますと、結局職務執行の上の弊害が伴わない場合は、これはこれを制限することは明らかに憲法違反であろう、こういうふうな御説明ですか、奥野さん。
  56. 奧野健一

    法制局長奧野健一君) 丁度先ほど申しましたように、直接監督の関係にあるものが天降りを民間にするとか、或いは先ほど専売公社の例を挙げましたように、そういう一応その職責とそういう関係蓋然性として相当弊害があるのではないかと思われるような関係のものについては、憲法に保障されておる職業選択の自由といつたようなものを制限するとか、或いは又公務員現職にありながら立候補するということは、その公務をおろそかにし、なお且つ権力と地位を利用して選挙の公正を疑わしめるというふうなことになりやすいので、中には現職から立候補しても非常に正しくやる人もあるかも知れませんし、或いは職務上監督の地位におる人が天降りをしてもなおいい場合があるかも知れませんが、蓋然性としてまあそういう弊害があるというのでそういう制約をする、そういつたようなことが考えられるなれば制限をしてもいいのではないだろうか、こういうふうに考えます。
  57. 若木勝藏

    ○若木勝藏君 蓋然性としてそういう場合があるとあなたはお認めになりますか。
  58. 奧野健一

    法制局長奧野健一君) その前提はここで御認定されるよりほかないと思います。
  59. 岩木哲夫

    岩木哲夫君 そういう職責遂行上の弊害がある場合においては憲法違反であるということについてはこれはわかるわけですが、問題はそういう公職遂行上に弊害のあるような問題かどうかということについては、私はこれは議論が相当まあ細密に分れると思うのですが、私はそのことよりももう一歩前提として、弊害があるなしにかかわらず、いろいろの被選挙権のい制限規定があるのであります。これは先ほどたくさん私が列挙したのですが、これも弊害があるかどうか。これは議論の問題ですが、この参議院は三十五歳とか、衆議院は二十五歳以上でなければ被選挙権がないということは、どこに弊害の根拠があるか、これは非常に困難な問題でありますけれども、およそ常識として衆議院は二十五歳、参議院は三十五歳というものが被選挙権があるということが社会通念の一般論であります。従つてこの場合も社会通念の一般論として、大きな弊害の虞れある公職遂行中のこうしたものが一定期間だけは一つチエツクするということは、これも又その一般概念として成立つことなんで、こういう観点から見るというと、被選挙権制限規定は全部憲法違反というならば、今までの被選挙権制限規定は全部憲法違反の疑いがある、或いは憲法違反である、こう言わなくてはならん。その問題には触れずにこういつた問題を列挙するということは、私はどうも解釈上にがてんの行かん点があります。従つていろいろの御意見は拝聴しておりますけれども、どうもその点にまだ我々は徹底を欠いておるような憾みがあると思いますが、この点は私は奥野さんは明確に私たちに御教示願えることができますかどうか、承わりたいと思います。
  60. 奧野健一

    法制局長奧野健一君) 年おの問題とかその他まあ被選挙権制約がそれぞれ恐らく合理的な根拠があるのじやないか、まあ犯罪者であるとか、或いは又選挙事務の従事者であるとか、今言つた在職中の公務員であるとか、まあ今ありませんけれどもパージの問題であるとか、おのおの極めて合理的な根拠があつて公共福祉から見てそういう制限をするのは合理的であつて止むを得ないと見られることであればよろしいと思うのであります。結局知事なり事務次官というようなものについて立候補制限が今言つたような趣旨で合理性ありと認められるかどうかという問題に帰着するかと思います。
  61. 岩木哲夫

    岩木哲夫君 ちよつと合点が行きませんが、そういつたことに合理性あるかどうかということに対する問題点だとおつしやいますが、そんならなぜ公務員がその関係営利機関就職はできないとか、判検事弁護士になれないかといつたようなことは、やはり弊害がある。弊害があるからそういう禁止規定を設けておる。これはいわゆる職業に就く場合、公務員が一般民間企業或いは関連事業に直ちに天降つて来るということについては弊害があるということは認めているから、こういうことが合理性があると確立されておる。これと同様にこの虞れがある。広い弊害の虞れのある者が被選挙権の立場に直ちに一夜にして瞬時にして塗り替えられるということも弊害がある、これは五十歩百歩で同じことなんです。ただ被選挙権制限をするかしないかということが今話題となつておるから、いわゆる議題となつておるわけであつて公務員がその営利機関とか天降りに職域に入るということは合理性がない、危険性がある。弊害があるからしてそういう規定が現にたくさん設けられておるのと裏返しすれば同じことなんだからやはり公務員弊害を及ぼす直後、或いはそれと引続いてこういう被選挙権を獲得するということもやはり私は弊害がある。そこに合理性が結びつく、こういう工合に解釈できると思うのですから、ですからその点がどうももう一つぴんと来ないのですがね。どうも何とかわかりやすいようにおつしやつて頂きたいと思うが、僕はどうしてもわからん。
  62. 奧野健一

    法制局長奧野健一君) 結局現職公務員立候補するということが弊害があることは、これはもう疑いは大体ないと思うのでありますが、知事等の高級の公務員がやめて間もなく立候補するということがそれと大体同じような弊害を伴うものであるという御認定であれば、そういうことになろうと思います。
  63. 中田吉雄

    中田吉雄君 お二人の方にお伺いしますが、仮に地方自治法を改正して参議院や、衆議院立候補しようとする者は選挙の日何ヵ月前にやめて立候補するという規定はどうお感じになりますか。地方自治法の改正でですね。
  64. 奧野健一

    法制局長奧野健一君) 地方公務員でございますか。
  65. 中田吉雄

    中田吉雄君 特別職知事ですね。
  66. 奧野健一

    法制局長奧野健一君) 公職選挙法の八十九条から……。
  67. 中田吉雄

    中田吉雄君 ええ、関係があるのですがね。
  68. 奧野健一

    法制局長奧野健一君) 八十九条も、現職中はできないので、退職してから初めてできる。尤もその間に辞職の手続をすれば当然五日の間に退職したものと見なされるといつたような規定があると思いますが、その問題でございますか。
  69. 中田吉雄

    中田吉雄君 それを自治法の特別職一般職と、知事特別職というふうにしてはありませんか。
  70. 藤田嗣雄

    国立国会図書館専門調査員藤田嗣雄君) ええ、そうです。
  71. 奧野健一

    法制局長奧野健一君) 特別職一般職も同様に八十九条で取扱つておるわけですね。
  72. 岡本愛祐

    岡本愛祐君 藤田さんに念のために御意見を聞いておきたいのですが、先ほどの私の出した問題ですが、藤田さんも憲法第十四条その他の規定公共福祉に反しない限り尊重するのであつて公共福祉に反すると認めるときは制限はしてよろしい、こういうふうにおつしやつた。現に軍人選挙権制限するということはまあ公共福祉に反するから制限をした。結局軍人選挙権制限公共福祉に反するという点からしても当然だというようなお説のように伺つた。そこで知事現職のままでは勿論どこの選挙区からも出られません。ところが選挙の直前にやめまして、而もそのやめたのは自発的にやめて、そうしてそれが自分の四年の任期のうちの例えば二年近く、そうしてそこの自分が知事をしておる県を地方区として参議院選挙に出た、又衆議院選挙に出た、こういうことはやはり公共福祉に反すると言えやしないか、余りに影響が大き過ぎる。それから又四年の任期があるにかかわらず二年しか済んでいないということは、その県に対してその選挙に負担をかけるというような、まあそういうような見地で、結局知事立候補するならば、その県から立候補するなら半年前におやめなさい、他県から立候補するのはちつともかまわん、又任期が満ちておる人は勿論直前でもよろしい、こういうような考え方はどうでしようか、やはりそれは憲法に違反するでしようか。
  73. 藤田嗣雄

    国立国会図書館専門調査員藤田嗣雄君) 今の問題ですが、任期満了前に辞職するということは二十二条の公職に就く自由のほうで以て、あの裏で以てやめることも自由なのじやないかと思いますが、それでそのほうの問題はむしろ選挙法でなくて地方自治法のほうから取上げられる問題じやないかと思います。それから任期満了だというと、今の問題になつておるところの長ければ長いほどやはり選挙的地盤ができるのじやないかと思いますが、その県から言えばやはり早くやめる方も勢力のある方もありましようし、又任期一ばいやつて非常にその県にいわゆる功績を残したかたはやはり初めから何かそういう意思があるようなかただつたらば、選挙的のいい地盤を培養せられておるのじやないでしようか。
  74. 岡本愛祐

    岡本愛祐君 だからそういう人は制限しないのです。ちつとも制限しない。ただ任期中にみずからやめる。それは確かにやめられる権利はあるでしよう。あるでしようが、一応知事に出た以上は、任期の全部を通じて県のために一生懸命やるというのが公共福祉に合致するのであつて、勝手にやめるということは工合が悪いと私ども思う。
  75. 藤田嗣雄

    国立国会図書館専門調査員藤田嗣雄君) 公職の就職の自由というものを今のようなことで制限できるかどうかということは大いに疑問があるように思いますが、病気の場合はやめてもいいのですし、つまり立候補するためにやめてはいかんということだけになると思います。そういうことがやり得るかどうか疑問だと思います。
  76. 岡本愛祐

    岡本愛祐君 わかりました。
  77. 中田吉雄

    中田吉雄君 ちよつとほかのことなんですが、知りませんのでお尋ねしますけれども、憲法二十一条ですね、「集会、結社及び言論、出版その他一切の表現の自由は、これを保障する。」という関係と、新聞にあつて選挙の公本前に一ヵ年やつておらなければ一切の評論はできんとか、新聞協会に入らなければできんという規定との関係は、ちよつと問題外ですが、どんなものでしよう。
  78. 奧野健一

    法制局長奧野健一君) まあ今度の選挙法の新聞雑誌の報道の制限というのはなかなか問題があるのじやないかと思います。その点も実は……、
  79. 中田吉雄

    中田吉雄君 これは公職選挙立候補の一年とか六ヵ月というのと……、
  80. 奧野健一

    法制局長奧野健一君) 違いますけれども表現の自由、言論の保障ということとの関係で、やはり相当の問題はあるんではないかと思つておつたのですが。
  81. 中田吉雄

    中田吉雄君 どうですか違反ではないのですか。藤田さんの正論だけで言うと……。
  82. 藤田嗣雄

    国立国会図書館専門調査員藤田嗣雄君) 今の問題は実は研究しておらないのですから申上げられない。
  83. 中田吉雄

    中田吉雄君 一つ月曜日頃にこの問題をお願いしたい。それから奥野さんもう一遍一つ恐縮ですがお伺いしますか、ほかのことなんです、二十五人以上候補者を有する政党その他の団体等でないと政談演説を一選挙区で一回するとか、ポスター一選挙区で千枚するとか、いろいろなことができないことになつているのですが、これも問題じやないか。例えば尾崎行雄さんのように議会始つて以来当選されている人も二十五人以下ということでこの規定できないことになるのですか。これは憲法上どうなんですか。
  84. 奧野健一

    法制局長奧野健一君) その点も非常に問題だとは思つておりますが、結局いろいろな語弊がありますが、つまらん雑誌なんかがよく出て来て困るからやむを得ずという趣旨だということを承わつておりますけれども、憲法論をいたしますとやはり相当問題があるんじやないかと思つております。
  85. 中田吉雄

    中田吉雄君 これもそういうふうな一般的な規定なつちやつて、そうでないものもあるかも知れんし、一つこの問題も藤田先生月曜日でも結構ですから二十五人以下の候補者しか持つていない場合は選挙運動ができない……。
  86. 西郷吉之助

    委員長西郷吉之助君) 他に御質疑ありませんか。
  87. 岩木哲夫

    岩木哲夫君 今御両氏の御意見を拝聴しておると、結論を今この席上で出すことはどうかと思うのですけれども、結局どうも弊害があるというようなことが全般的に認められるならば、そういつたことも差支えないだろうというように要約できることと思うのだが、そうすると問題は憲法違反であるかという基本線より少し外れて、そういう公務員被選挙権との問題に対する弊害があるかどうかという問題に問題点が少しずれて来ていると思いますので、従つて両証人のかたがたの問題点はもう尽きたような感じも持ちますので、なお必要があつたら来て頂くこともあるかと思いますが、ちよつと問題点が基本線から変つて来ておりますので、よろしくお諮りを願いたいと思います。
  88. 西郷吉之助

    委員長西郷吉之助君) それでは参考人のかたどうも有難うございました。  それでは本日はこの程度で散会いたします。    午後三時二十五分散会