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1952-07-24 第13回国会 参議院 地方行政委員会 第68号
公式Web版
会議録情報
0
昭和二十七年七月二十四日(木曜日) 午前十一時三十三分
開会
—————————————
出席者
は左の
通り
。
委員長
西郷吉之助
君 理事
岩沢
忠恭
君
中田
吉雄
君
委員
石村
幸作
君
高橋進太郎
君
宮田
重文
君
溝淵
春次
君
岡本
愛祐
君 館
哲二
君 若木 勝藏君 原 虎一君
吉川末次郎
君
林屋亀次郎
君
政府委員
国家地方警察本
部長官
齋藤
昇君
事務局側
常任委員会専門
員
福永與一郎
君
常任委員会専門
員 武井
群嗣君
参考人
京都市警察局総
務部長
中川
慶一
君
—————————————
本日の
会議
に付した事件 ○
地方行政
の改革に関する
調査
の件 (
警察
の
装備擴充
に対する
財源措置
に関する件) ○市の
警察維持
の
特例
に関する
法律案
(
衆議院提出
)
—————————————
西郷吉之助
1
○
委員長
(
西郷吉之助
君) それでは
只今
より
委員会
を
開会
いたします。
吉川末次郎
2
○
吉川末次郎
君 本月二十三日付で、
五大都市
の
公安委員会
の
警察署名
を以ちまして、
西郷委員長
及び本
委員会
の各
委員
に、
警備活動
に要する
装備擴充強化費用
の
財源措置
についての
請願書
が出ておるわけでありますが、
只今
五大都市
中の京
都市
公安委員会
の
警察本部
の
警視正
の
中川
君がこのことについて
請願
に参りまして、
皆様たち
に一分間か二分間くらいその
請願
の趣旨をお聴きを願いたいとい
つて
参
つて
おるのでありますが、特に
委員長
の許可を得てその申出を御
承認
を願いたいと思うのですが、よろしく御
承認
を願います。
西郷吉之助
3
○
委員長
(
西郷吉之助
君)
只今吉川委員
より御
意見
ございましたが、
只今
の
吉川委員
の御申出
通り発言
を許したいと思います。
京都市警察局総務部長中川慶一
君。
中川慶一
4
○
参考人
(
中川慶一
君) 貴重な御時間をお與え頂きまして大変恐縮に存じ上げる次第でございます。
只今吉川先生
から御紹介頂きました
中川
でございます。お
手許
に、趣く簡潔で却
つて
恐縮かとは存じ上げましたのですが、何分
実情
が
実情
でございますので、私
ども
の意のあるところ御賢察願いたい
一念
から、印刷物を似ちまして御
請願
申上げた次第であります。結論を申上げますと、
現下
の
警察活動
に要しまする
通信装備
の
施設物件経費
の
財源
の点でございます。極く簡潔に一、二敷衍させて頂きますと、
現下
の
治安情勢
に対応いたしまする
警察活動
の
最少限度
の十全を期し得ますには、何と申しましても或る
程度
の
通信装備
の、いわゆる
警察活動
の
充実強化
を必要といたしておる
実情
でございます。これに要しまする
経費
は、当然に
地方財政
、
市財政
のほうで
負担
を願わなければならないのでありまして、つとに
市財政当局
に具申いたしまして、市の
財政当局
におきましてもでき得る限りの面倒は見てもら
つて
おるのでありますが、
如何
にせん
市財政
にも
限度
もあるようであります、結局かたがたいたしまして中央で何らか御考慮を願わなければいけないのではないかということに
市財政当局
のほうでも相成
つて
おるわけであります。従いまして、
先般来私ども並び
は
市財政当局
が、
地方財政委員会
なり、或いは又その他の
事務当局
に参りまして縷々具申申上げておるのでありますが、
如何
にせんまだ今日まで朗報を頂いておりません。ところが、あにはからんや、
地方
の
治安状況
は
そういつて日
を遷延いたしてお
つて
いいという
状況
でございませんので、誠に厚かましいとは存じておるのでありますが、今後何とか御賢察頂きまして国庫のほうで起債の点なり、或いは又その他何らかの御
方法
を賜りまして、当面の
警察活動
の点にお力添えを頂きたいという
一念
で参つた次第であります。何とぞよろしくお願いいたします。
西郷吉之助
5
○
委員長
(
西郷吉之助
君)
只今
の
中川
君の陳情に御
質疑
でもありましたら、この際お願いいたします。 別段ございませんか……。どうも有りがとうございました。
—————————————
西郷吉之助
6
○
委員長
(
西郷吉之助
君) 本日は
警察法
の一部
改正案
につきまして
法務
との
連合委員会
を一応打切りましたが、
伊藤
君がその際歯が痛まれまして、あととで本
委員会
の
審議
の際に
発言
を求めておられましたので、
予定通り
本日やるところでございますが、未だ
法務総裁
が御
出席
にならないので、
伊藤
君は朝から待
つて
おられるので誠にお気の毒でございますが、まだ
法務総裁
の
出席
時間が明確になりませんので、止むなく午前中はこの
程度
にいたしまして、午後一時に再開することにいたしたら
如何
かと思いますが、
如何
ですか。 〔「
異議
なし」と呼ぶ者あり〕
西郷吉之助
7
○
委員長
(
西郷吉之助
君) それではさように取り計います。午前中はこれで休憩いたします。午後一時から再開いたします。 午前十一時三十九分休憩
—————
・
—————
午後一時五十九分
開会
西郷吉之助
8
○
委員長
(
西郷吉之助
君) それでは
只今
より
委員会
を
開会
いたします。 本日の午後は市の
警察維持
の
特例
に関する
法律案
につきまして
質疑
の終了次第
討論採決
に入りまして、なお
警察法
の
質疑
に対しましては、
法務総裁
が本日は二時半からでないと御
出席
ができません等のこともございますので、
伊藤
君の
質疑
は明日の午前十時に延ばしまして、本日はこの市の
警察維持
の
特例
に関する
法律案
の
採決
が済みましたらば、本日はその
程度
でとめて置きたいと、かように考えます。 直ちに市の
警察維持
の
特例
に関する
法律案
につきまして
質疑
をお願いいたします。
中田
君質問ありませんか。
中田吉雄
9
○
中田吉雄
君 やめましよう。(「
賛成
」と呼ぶ者あり)
西郷吉之助
10
○
委員長
(
西郷吉之助
君) それでは御
質疑
がなければ
質疑
は終了したものと認めて御
異議
ございませんか。 〔「
異議
なし」と呼ぶ者あり〕
西郷吉之助
11
○
委員長
(
西郷吉之助
君) 御
異議
ないものと認めます。それではこれより
討論
に入ります。御
意見
のあるかたはそれぞれ賛否を明らかにしてお述べを願います。なお
修正意見等
がございましたら
討論
中にお述べを願います。
中田吉雄
12
○
中田吉雄
君 市の
警察維持
の
特例
に関する
法律案
に対しましては、我が党は
反対
するものであります。若干
理由
を申述べたいと思うわけであります。申すまでもないことですが、
社会制度
は時の経過につれまして流転して止まないものであります。これは
政治制度
について見ましても、
軍事政治
とか
貴族政治
、
独裁政治等
を経て、
民主政治
或いはデモクラシーの段階に
政治形態
は発展して
現代
に
至つて
おる次第であります。いろいろな
欠点
がありますにもかかわりませず、
民主制
は
最高
の
政治原理
といたしまして、
現代
は
世界各国
に広く採用されている
制度
であるわけであります。而もこの
政治形態
というものは、單に各級の
議会
の首長や
議員
を直接公選するというようなことのみを以てしては、
民主政治
の長所を十分発揮することができないわけでありまして、
世界各国
とも、
民主制
を採用しています国は、
社会制度全般
に
亘つて
全機構的にそのように組み合わされていると考えるわけであります。
只今議題
にな
つて
いますところの
警察制度
においても、我々は
民主主義
の
原理
を採用いたします限りにおいては、この基本的な
精神
が貫かれることが絶対不可欠であろうと思うわけであります。こういうような
観点
からいたしまして、戰後できました我が国の新
憲法
は、
民主憲法
とも言われている
制度
で、その
精神
で規定されているわけであります。更に、
現行警察法等
も同様であろうと思うわけであります。そういう
観点
からいたしまして、特に
現行地方自治法
の第二條の三の一ですが、「
地方公共
の
秩序
を維持し、
住民
及び
滞在者
の安全、健康及び福祉を保持すること。」が、この
地方公共団体
の第一義的な重要な
事務
として規定いたしまして、
現行地方自治法
は
警察制度
におきまして、
自治体警察
というものを極めて高く評価しているわけであります。
従つてイギリス
その他におきましても、エプリマン・イズ・ポリスマン、すべての人は
警察官
であるという
精神
が貫かれておるわけでありますが、併しすべての人が
警察官
として
地方公共団体
の
秩序
を破壊する者を取締るということはできませんからして、その
一つ
の
表現
といたしまして
公安委員会
というものを選んでそうして
自分たち
に代
つて公安委員会
が運営管理し、或いは管理するところの下に
地方公共団体
の
秩序
を維持するというのが、やはりこの
警察制度
における
民主化
の基本的な点であろうと思うわけであります。我々といたしましても、
現行警察法
が
完全無欠
なものであるとは決して考えていないわけであります。多くの
欠点
を持つことも十分了承するわけであります。併しながら我々といたしましては、この
現行警察制度
の持つところの短所、
弱点
というようなものは、
自治体警察
を
国家警察
に転移したり或いは
特例
を認めるというようなことによ
つて
、
自治体警察
を廃し縮小いたしまして、
国警
の範囲を擴大し権限を強化するというような
方法
によ
つて
、
現行警察制度
をそのような
方向
に断じて持
つて
行くべきではないと、こういうように考えるわけであります。我々といたしましては、現在問題にな
つて
おりまする
自治体警察
の大きな問題は、やはり
平衡交付金
に織り込まれました
單位費用
が非常に少い、
地域
が狭小に過ぎるというような大体二点にまたがるわけであります。
従つて
私
たち
としては、現在
警察官
一人
あたり單位費用
が二十万
足らず
で計上されておるわけでありますが、これを
国家警察
が一人当り使
つて
おられる三十万
程度
に引上げる、或いは
地域
が狭盗で十分な
警察機能
と
能率
が発揮できないというような場合には、その
地域
を
組合警察
その他に
地域
を擴大いたしまして、やはり
自治体警察
を守るというような
方向
によ
つて
、私は
現行自治体警察
の持つ
弱点
と欠陥を是正しながら、
警察
の
民主化
と
能率化
との調整を図るべきだという
観点
に立つものであります。
従つて
私は、このように一応
形式
的にはその
議会
の
議決
を経て
警察
を維持しないことができるという
特例
を認めますことは、勿論ゲーテが言
つて
いますように、そのすべての
法律
というものに
例外
のない
規則
はないと言
つて
おるわけでありますから、そういうこともあり得るかと思いますが、このことは私はこれが実際
法律
となりまして施行される際には、新たに
市警察
を
廃止
する大きな
橋頭堡
になりまして、全面的に
自治体警察
の崩壊する第一歩であるという点で強く
反対
するものであります。特に先にも申しましたように
平衡交付金
の
單位費用
に織り込まれていますものは二十万
足らず
でありますが、実際
警察官
一人置きますには三十万要るわけであります。ですから一人
当り自治体
といたしましては十万の
費用
が要るわけであります。例えば最も
都市財政
が困難だと言われている京
都市
に例をと
つて
見ますならば、三千七百の
警察官
がおりますから、どうしても
自治体警察
を置くことによ
つて
四億の
赤字
になる。更に
地財委
から勧告を受けたりしておる大きな
赤字
を抱えています大阪市にいたしましても約八千の
警察官
がおりますが、
警察官
を置くことによ
つて
十億の
自治体警察
の
負担
があるというような重圧に苦しんでいます。
市当局等
がこの市の
警察維持
の
特例
に関する
法律案
というようなものが、單に
特例
としてだけでなしに、やはり
議会
の
議決
を経て
警察
を維持しないこととすることができるというようなことに転嫁いたしまして、これが特殊の
例外
だけでなしに、
市警察
の一般的な規定に転嫁する
一つ
のチャンスをなすものではないかというふうに考えるわけであります。我々といたしましては、そういう点でこの点に強く
反対
せざるを得ないわけであります。特に
吉川委員
の
発言
の
表現
を借りますならば、これが
齋藤国警長官
から出されたのでありましたならば諒といたすにいたしましても、
議員立法
といたしまして
国民主権
の
立場
を強く擁護しなくてはならん
立法
として、
警察
を
自分たち
の手で運営管理するというものを放棄することを
議員立法
とすることは、私は
自己否定
であるというふうに考えるわけであります。我が党の
立場
といたしましては、
警察
の
民主化
と
能率化
、
地方分権
というような問題は、やはり
現行制度
を貫き、その
方法
は
單位費用
を上げたり、その
適用区域
を擴大したりする等の
方法
によ
つて
、
十分自治体警察
の持つ
欠点
を是正することができる、こういう
観点
に立
つて
反対
するものであります。
西郷吉之助
13
○
委員長
(
西郷吉之助
君) 他に御
意見
はございませんか。
吉川末次郎
14
○
吉川末次郎
君 私は社会党第二控室を
代表
いたしまして、
只今
提案されております市の
警察維持
の
特例
に関する
法律案
に対して
反対
の
理由
を表明するものであります。
反対
の
理由
といたしますところは、この
法案
の
審議
が開始されまするや、私の質問の
意思表示
のうちにいろいろと申述べて来たところでありますが、概括的に申しまするならば、この
法案
は、その
内容
に盛られておりまするがごとく、先に行われましたところの
警察法
の
改正
のうち、
住民投票
の
形式
を以ちまして
町村自治体警察
の
廃止
を規定いたしました。この
町村自治体警察廃止
の
反動的魔手
を
都市警察
に更に擴充しよう、伸ばそうということが、この
法案
の基底を流れている最も注意さるべき私は
見解
であると思うのであります。
差当り
この
法律案
の
適用
を受けまするところの市は、
四つ
ということにな
つて
おりまするけれ
ども
、併しながらその考え方は、
只今中田
君が言われましたように、全面的な
自治体警察
の
廃止
に及んで行こうというところの
一つ
の
橋頭堡
である。そうした誤れる
見解
は、
現行警察法
の
前文
に規定されておりまする
民主主義
的な
精神
を飽くまでも擁護しなければならんという
立場
をとる者からいたしまするならば、
差当り
適用
されるところの市は
四つ
に過ぎないのでありまするけれ
ども
、その萌芽のときにその反動的な悪
思想
を切り取
つて
しまわなければならんのであります。
提案者
はさしたる重大なる
法案
でないかのごとき言辞をお漏らしにな
つて
おるのでありまするが、私はこれはその
意味
におきまして極めて大きな
政治
的な意義を持
つて
いる、
現下
新
憲法
の
精神
を蹂躪し、一切の
政治
を
明治憲法
の
時代
に復帰しようとしているところの
反動的政治
の一
表現
であるという
意味
において重視しなければならないものであると考えておるのであります。
只今警察法
の
前文
のことを申しましたが、
皆様
よく御承知でありまするが、
警察法
の
前文
には「
国民
のために人間の自由の理想を保障する
日本国憲法
の
精神
に従い、又
地方自治
の真義の推進する
観点
から、」云々ということが書かれておるのであります。先に行われました
町村自治体警察廃止
のときにも、
委員会
及び本
会議
においてそうした
見解
に基いての
意思表示
を我が党はいたしたのでありまするが、そうして又その
精神
に基くところの
修正案
をも出したのでありまするが、
現行法
に規定されておりまするところの
国家地方警察
という
名称
はNRPでありまして、これはその
言葉
が付けられた発生の
起源
に遡りまするならば、
国家地方警察
でなくして、
全国農村警察
であります。ナシヨナル・ルーラル・ポリスであります。そうして
自治体警察
と言われておりまするものは、同様にその
起源
を遡
つて
考えまするならば、略してMPと言われておるところのミユニシバル・ポリスでありまして、それは
都市警察
と訳されることが正しい
訳語
でなければならんのであります。然るに
旧式官僚
の
見解
は、
国家
至上主義的な、
国家
は一切の
最高
の
道徳
であるというような、前世紀的な古きドイツの
見解
によりまして、
全国農村警察
と翻訳するならば、そうした
官僚
独善主義的な、
国家
至上主義的な
見解
に符応しないので、わざとこれを曲げて翻訳いたしまして、
全国
というナシヨナルという
言葉
を、これを
国家
と翻訳し、そうして我々が子供のときから育成されて来ましたところの
教育勅語
と
明治憲法
の神がかり的な
国家思想
に結び付けたその感情にアツピールして、
国家
は
自治体
よりも遥かに高位なるところの
最高
の
道徳
であるというような、
日本
の
国民
に今なお新
憲法下
にも存しておりますところの一種の迷信にアツピールするように、わざと
国家
という名に曲げて翻訳して、これを使
つて
おるのであります。その
名称
の影響は
地方自治体民
にもそのまま受入れられまして、
官僚
の思う壼に陷り、
国家地方警察
は
自治体警察
よりも遥かに高位なるところの組織であるかのような、漠然たる
見解
が持たれておるのであります。ところが今私がその
前文
を読み上げました
現行警察制度
の全体を通覧いたしまするならば、
現行警察制度
は、新
憲法
の
精神
に
則つて
、又この
前文
の
精神
に則りまして、
自治体警察
と訳されておりまするところのミーニシパル・ポリスをその本体に、たしておるものであることは明確であります。然るにかかわらず、そうした
名称
に現われておるような誤まれる、
間違つた訳語
に現われておるような、そうした
旧式官僚
的な
精神
を持ちまして、そうして先には反動的な
警察法
の
改正
を行な
つて
、
自治体警察
をいわゆる
国家警察
、それは
警察法
上は
農村警察
であるところのナシヨナル・ポリスに吸収してこれを取上げてしまい、今又更に折角
現行法
に規定されておりますところのミユニシパル・ポリスまで
魔手
を伸ばして、同様の意図に基いて
農村警察——名
は誤ま
つて
国家地方警察
と言われておるものの中に吸収し去ろうとしておるのであります。どうぞ
皆さん方
は、
現行警察制度
の
精神
はどこにあるか、そうして
現行警察制度
が新
憲法
の
精神
と結びついて、その新
精神
がどこにあ
つて
、
明治憲法下
におけるところの
日本
の
警察制度
との
差異
はどこにあるかということを十分にお考え下さいますならば、こんな馬鹿げたところの反動的な、
官僚
的な暴案を、
中田
君が引用いたしましたように、
齋藤
君の
手許
でまだ出して来るなら、成るほど
齋藤
君は
旧式官僚
でありまするから、まあ頭の切り替えが行われておらんのだろうということで、その動機だけは頷かれるのでありますが、
人民
の
代表
であるところの政党の
議員
が、こういう馬鹿げたところの
法案
を出して来られるに
至つて
は、実に沙汰の限りでありまして、私はこれらの方々がもう一度新
憲法
と
明治憲法
の
差異
がどこにあるかということをば
政治
思想
的に御検討にな
つて
、新
警察制度
の
精神
がどこにあるかということをば、私はもう一度初めから読み直して頂きたいということを、この際申上げておきたいと思うのであります。而も
提案者
にいろいろ質問いたしますというと、この
国家農村警察
、
全国農村警察
の中に吸い上げようとしておりまするところの、これらの
都市
におけるところのこの
警察機能
の不便、或いは具体的な
困難性
というものがどこにあるかということを質問いたしましても、明確な御
調査
もないのでありますから、お答えになれないのであります。そういう杜撰なところの基礎において、この
法案
が出されておるということも、誠に私は許すべからざることであると考えるのであります。又
住民投票
の問題につきましては、先の
官僚
的な反動的な
警察法
の
改正
に
反対
いたしましたときに言つたことでありまするが、その
形式
は一見
住民投票
というのま
民主主義
の
形式
に副
うたところ
のものではありますけれ
ども
、まだ
日本
の新
憲法
の施行後日浅くして、十分なるところの理解は、なお封建的な性質を深く抱いておりまするところの
地方
の小
都市
や、
農村
の
居住民
には、十分に徹底いたしておらないのであります。それにつけ込んで、そうしてこの
住民投票
というような一見
民主主義
的な
精神
を利用することによ
つて
、
自己
の反動的な行為をカムフラージユする手段に使
つて
おるのであります。若し
人民投票
によ
つて
、今日、
日本
の全
国民
に対して、
男女同権
はいけない、
婦人
に
参政権
を與えたことはいけない、これは元へ戻そうじやないかというところの
人民投票
を、少くともこの
警察法改正
の対象にな
つて
おりまするところの小
自治体
においてこれを行いまするならば、私
ども
は恐らく新
憲法
に規定されたところの
婦人
の
参政権
を否認するところの
投票
のほうが、私は余計集まるであろうと思うのであります。而もこれらの
住民投票
を行うに当りましては、その
反対論者
の
意見
というものに基くところの十分なる
政治的訓練
が行われておりません。そうして一方的にそうした
旧式官僚イデオロギー
に支配せられておる
全国
一万数千の市
町村
、府県の一切の役人というものは、
明治憲法時代
の
内務省中心
の
官僚主義的見解
から少しもこれは頭の切替えが行われておらないのであります。その
刀筆
の吏であるところの
町村
の吏員が、
旧式見解
に基くところの一方的な宣伝をいたしまして、そうしてこれが行われて来たところの
住民投票
であります。我々はそうしたこの
住民投票
の
形式
が、形だけは民主的であるということだけで以て、それが
民主主義
の
精神
に副うて行われるものであるというように考えては断じてならないと思うのであります。なお申上げたいことはほかにもありますが、私は以上二、三の
理由
を申し述べまして、かくの如き愚劣なるところの反動的な
警察法
の
改正
に対して、
人民
の
代表
であるところの
衆議院議員
の
諸君
が提案して来られましたことをば、私は
日本
の
政治
を新
憲法
の
精神
において擁護するというところの
立場
から、実に慨歎に堪えないところの最悪のことの現われであるということを申述べまして、私の反実
討論
を終るものであります。
西郷吉之助
15
○
委員長
(
西郷吉之助
君) ほかに御
意見
ございませんか。なければこれにて
討論
は終局したものと認めて御
異議
ございませんか。 〔「
異議
なし」と呼ぶ者あり〕
西郷吉之助
16
○
委員長
(
西郷吉之助
君) 御
異議
ないものと認めます。これより
採決
に入ります。 市の
警察維持
の
特例
に関する
法律案
について
採決
いたします。本
法案
を衆議院送付案
通り
可決することに
賛成
の
諸君
の
挙手
を願います。 〔
賛成者挙手
〕
西郷吉之助
17
○
委員長
(
西郷吉之助
君) 多数であります。よ
つて
本
法案
は多数を以て衆議院送付案
通り
可決すべきものと決定いたしました。 なお本
会議
における
委員長
の
口頭報告
の
内容
は、本
院規則
第百四條によ
つて
あらかじめ多数
意見者
の
承認
を経なければならないことにな
つて
おりますが、これは
委員長
において
本案
の
内容
、本
委員会
における
質疑応答
の
要旨討論
の
要旨
、
討論
の
要旨
及び表決の結果を報告することとして御
承認
を願うことに御
異議
ございませんか。 〔「
異議
なし」と呼ぶ者あり〕
西郷吉之助
18
○
委員長
(
西郷吉之助
君) 御
異議
ないと認めます。 それから本
院規則
第七十二條によりまして、
委員長
が議院に提出する
報告書
には多数
意見者
の
署名
を付することにな
つて
おりますから、
本案
を可とせられましたかたは順次御
署名
を願います。 多数
意見者署名
岩沢
忠恭
石村
幸作
高橋進太郎
宮田
重文
溝淵
春次
岡本
愛祐
館
哲二
林屋亀次郎
西郷吉之助
19
○
委員長
(
西郷吉之助
君) 御
署名漏れ
はございませんか。ないと認めます。 本日は先ほ
ども
申上げました
通り
この
程度
にいたしまして、明日午前十時より
警察法
の
審議
を開始いたしまして、
伊藤
君の
質疑
から始めます。 本日はこれにて散会いたします。 午後二時二十九分散会