運営者
Bitlet
姉妹サービス
kokalog - 国会
yonalog - 47都道府県議会
nisalog - 東京23区議会
serelog - 政令指定都市議会
hokkaidolog - 北海道内市区町村議会
aomorilog - 青森県内市区町村議会
iwatelog - 岩手県内市区町村議会
miyagilog - 宮城県内市区町村議会
akitalog - 秋田県内市区町村議会
yamagatalog - 山形県内市区町村議会
fukushimalog - 福島県内市区町村議会
ibarakilog - 茨城県内市区町村議会
tochigilog - 栃木県内市区町村議会
gunmalog - 群馬県内市区町村議会
saitamalog - 埼玉県内市区町村議会
chibalog - 千葉県内市区町村議会
tokyolog - 東京都内市区町村議会
kanagawalog - 神奈川県内市区町村議会
nigatalog - 新潟県内市区町村議会
toyamalog - 富山県内市区町村議会
ishikawalog - 石川県内市区町村議会
fukuilog - 福井県内市区町村議会
yamanashilog - 山梨県内市区町村議会
naganolog - 長野県内市区町村議会
gifulog - 岐阜県内市区町村議会
sizuokalog - 静岡県内市区町村議会
aichilog - 愛知県内市区町村議会
mielog - 三重県内市区町村議会
shigalog - 滋賀県内市区町村議会
kyotolog - 京都府内市区町村議会
osakalog - 大阪府内市区町村議会
hyogolog - 兵庫県内市区町村議会
naralog - 奈良県内市区町村議会
wakayamalog - 和歌山県内市区町村議会
tottorilog - 鳥取県内市区町村議会
shimanelog - 島根県内市区町村議会
okayamalog - 岡山県内市区町村議会
hiroshimalog - 広島県内市区町村議会
yamaguchilog - 山口県内市区町村議会
tokushimalog - 徳島県内市区町村議会
kagawalog - 香川県内市区町村議会
ehimelog - 愛媛県内市区町村議会
kochilog - 高知県内市区町村議会
fukuokalog - 福岡県内市区町村議会
sagalog - 佐賀県内市区町村議会
nagasakilog - 長崎県内市区町村議会
kumamotolog - 熊本県内市区町村議会
oitalog - 大分県内市区町村議会
miyazakilog - 宮崎県内市区町村議会
kagoshimalog - 鹿児島県内市区町村議会
okinawalog - 沖縄県内市区町村議会
使い方
FAQ
このサイトについて
|
login
×
kokalog - 国会議事録検索
1952-07-22 第13回国会 参議院 地方行政委員会 第66号
公式Web版
会議録情報
0
昭和二十七年七月二十二日(火曜日) 午後三時九分開会
—————————————
出席者
は左の
通り
。
委員長
西郷吉之助
君
理事
岩沢
忠恭
君 中田 吉雄君
岩木
哲夫
君
委員
石村 幸作君
高橋進太郎
君 宮田 重文君 館 哲二君
若木
勝藏
君 原 虎一君
吉川末次郎
君
政府委員
地方自治政務次
官 藤野 繁雄君
地方自治庁次長
鈴木
俊一君
地方自治庁連絡
課長 松村 清之君
事務局側
常任委員会専門
員
福永与一郎
君
—————————————
本日の会議に付した事件 ○
地方制度調査会設置法案
(
内閣提
出、
衆議院送付
)
—————————————
西郷吉之助
1
○
委員長
(
西郷吉之助
君)
只今
より
地方行政委員会
を開きます。 本日は
地方制度調査会設置法案
につきまして、先般来
吉川委員
より御希望がありまして、この
調査会
の
目的事項
につきましていろいろ
研究
して頂きましたので、
吉川委員
よりその
目的
についての
条文
について御
説明
を聞かして頂きます。
吉川末次郎
2
○
吉川末次郎
君
地方制度調査会設置法案
に対する
修正案
の
案文
につきましては、それぞれお手許に差上げました
通り
でございます。その
案文
の前に書いてありまするところは省略いたしまして、専ら
目的
といたしまして、第一条に「この
法律
は、
日本国憲法
の
基本理念
を充分に具現し、且つ、
総合的一体性
を有するように
現行地方制度
を
改革
するため、これに全般的な再
検討
を加えることを
目的
とする。」という
条文
を挿入しようとするのであります。
従つて
現在の第一条以下をば一条ずつ繰下げまして体裁を整えるようにしようというのが大体の
骨子
でございまして、その
理由
といたしましては、簡単に
修正理由
として掲げておりまする
地方制度調査会
における
調査審議
の
基本精神
を明確ならしめる必要がある。これがこの
修正案
を提出する
理由
であると書いてありまするところによりまして、大体
修正案提出
の
理由
は御了解を願えるかと思うのでありますが、もう少し詳しく
お話
申上げますと、その当時御
出席
にな
つて
おりました
委員
の
かたがた
は、大体におきまして、こうした
修正案
が出て参りましたいきさつにつきまして、御記憶のことだろうと思うのでありますが、当日御
出席
にな
つて
おらなかつた
委員
の
かたがた
もおいでになるようでありますから、重複いたすようでありますが、簡単に申述べますると、
地方制度
の
調査会
というものを設けるということについては、いろいろこの
地方制度
の
改革
の
動向
に関する
意見
の相違によ
つて
、悪くするならば、現在の
地方制度
が
戦前
の
動向
に反動的に
改正
されるところの憂いがあるというような
意見
が出まして、私などもそういうことを申上げましたところの者の一人でありますが、そうした
論議
が闘かわされておりまする間に、
原委員
から、それでは今問題にな
つて
いるような、決してこの
地方制度調査会
を通ずるところの
地方制度
の
改革
の
動向
はそうした
戦前
への
制度
の逆転化であ
つて
はならない、飽くまでも新
憲法
の
民主主義
的な
基本的精神
を
基本
にしたところの
動向
への
改正
でなければならんというような
意味
の
条項
をば、
目的
として入れたらどうか、ほかの
法律
にも
前文
の
形式
で、或いは第一条に、この
法律
の
目的
はどこにあるというようなことを規定しているところの例は非常に多いのであるから、むしろ現在の戦後の
法律
は、その
目的
を第一条に、或いは
前文
に規定するのが例が多い、その多くの例に
倣つて
こうした
意味
の
条文
を入れたらどうかというところの
お話
がありまして、私も直ちにその
原委員
の御説には
賛成
をいたしましたような次第であります。なお列席しておられました
岡本委員
、
西郷委員長
も大体私の推察でありまするが、そのときの御
言動等
からして、そうした
原委員
の
意見
には御
賛成
であつたようにお見受けいたしたのであります。列席の
かたがた
も積極的に御反対のかたはなかつたようにお見受けいたしましたので、それでそうした
賛成
の意を御表明になりました、正式ではありませんが
岡本委員
、その他の
かたがた
とも
お話
をいたしまして、ともかくも私の試案といたしましてのこうした
修正案
を作成いたしましたような次第であります。この
案文
につきましては、
法制局
の
参事
の
諸君
の尽力を煩わしまして、このようにでき
上つたの
であります。先般来私的の話合いの間におきまして、他の
委員
の
かたがた
からいろいろ御
批判
的なお
言葉
をも頂戴いたしたのであります。十分それらの御
批判
の御
意見
は私といたしましても尊重いたしまして、昨日も申しましたように、できるならば全会御一致の
修正案
として円滑にこれが成立することができまするように、御協力を願いたいと思
つて
おるわけであります。座談的の、私的の話の間に出ました御
批判
のお
言葉
の
一つ
といたしましては、別にこういうこの
日本国憲法
の
基本理念
を十分に具現し
云々
というふうなことを規定しなくても、それはわかり切つたことではないかというような御
批判
もあるように見受けるのでありますが、併しながら私はやはり先ほど来申しましたような
精神
に基きまして、これを入れて、そうして
地方制度調査会
の仕事がやはり
日本国憲法
の
基本理念
を十分に具現して行くというところヘリードして行くということのために、やはりこうしたことは書いておいていいのじやないかという
考え
であります。それは今日も
警察法
の、
現行警察法
を見ましても、
警察法
の
前文
には、「国民のために人間の自由の理想を保障する
日本国憲法
の
精神
に従い、又、
地方自治
の真義を推進する」
云々
というような
言葉
が掲げられておりまして、
憲法
は
基本法
でありますから、一切の
法律
は
憲法
からは離れて制定されることができないことは当然でありますが、併し
警察法
が
前文
に書いておりますと同じような
意味
におきまして、私はこれを入れておくことがいいということであり、又私の私見からいたしまするならば、特に必要があるようにも感ぜられるのでございます。それから又その座談の間における御
批判
の
一つ
といたしましては、
総合的一体性
を有する
云々
というような
言葉
は法文としては少しおかしいように思うがというような御議論も拝聴いたしたのでありますが、これは実は
法制局
の
参事
のかたに
案文
を作
つて
もらいますときに、この
法案
の
提案理由
として、
当局
から
説明
されましたところのものの中に、実はそのような
言葉
があるのであります。でその一節を述べて見ますると、今後といえども
日本国憲法
に淵源する
地方自治制度
の
基本理念
と
基礎構造
においては、特別の変更はあり得ないのであります、こういうことを掲げられておるのでありまするが、多少この
理由書
に現われております
意見
といたしましては、私としては
憲法
の
精神
を尊重するということが消極的な
表現
にな
つて
おるように思うのでありますが、私はそれをむしろ積極的な
表現
にし、又積極的な
基本
的な
観念
としてこの
地方制度調査会
が設置されなければならんと
考え
ておるものであります。それから又こういう
言葉
が
提案理由
の中に掲げられておるのであります。「
地方行政
の各
分野
における諸
制度
の
相互
の間に有機的に
一体性
が保たれているとは必ずしも言えないのでありまして、
地方自治制度
を全体的に考察し、その
構造
、組織、税務、
財政制度等
に再
検討
を加えることが今日必要とされるのであります。」これが
提案理由書
の一説にな
つて
おるのでありますが、その
理由書
の文面をそのままここに引用いたしまして、そうしてこういう
言葉
ができ上
つて
おるわけであります。 なお、くどいようでありますが、特にこういう
目的
の
条文
をわかり切つたことであるというところの御
意見
も十分わかるのでありますが、特に入れなければならないと思
つて
おりまする私
個人
としての
意見
について申上げますと、丁度今日、
鈴木次長
が主にな
つて
団体
を組織して、その
機関紙
として
地方自治
という
雑誌
を毎号実は私は頂戴いたしておるのであります。今日も開封いたしまして、最近のその
雑誌
を見ますると、
行政能率
の諸問題という論文が
巻頭
に載せられておりまして、
地方行政
や
市制
の若い
研究者
であります
吉富重夫
という大阪市立大学の教授であり、たしか
法学博士
だと思いますが、その人が
行政能率
と
民主主義
ということを
巻頭
に書いて、こういうことを書いておるのであります。
余り
長くないと思いますが、私が言わんとするところをこの
吉富博士
が又同様に書いておりますので、
ちよ
つとここで引用させて頂きたいと思うのであります。「
我が国
の
行政機構
の
改革
に当
つて行政能率
という
言葉
が
民主化
という
言葉
と並んで用いられるようにな
つたの
は言うまでもなく
終戦
後のことである。その際
敗戦
直後の段階においては従来の中央集権的、
官僚主義的体制
の排除という観点に
重点
が置かれ、従来の絶対
主義的官僚行政機構
は百八十度の転換を要求されるに至つた。
憲法改正
はこの
基本的要求
を満すための
基礎工作
であつたけれども、この上に構築せられた
行政機構
の面では教育、
警察
、経済、産業、農業、労働などの諸般の部面に亘
つて
全面的な改訂がなされたわけである。
ポツダム宣言
の受諾に伴い、
我が国
の
民主的傾向
を
復活
促進する要請に基くものであつたことは言うまでもない。ところが
講和独立
の前後から
敗戦行政体制
に対する
批判
が高まり、その欠陥は指摘されるように
なつ
た。これらの
批判
はいろいろな部門に亘りいろいろな形において発表されたのであるけれども、一言にして言えば、
敗戦体制
は
民主化
の考慮に
重点
を置き過ぎた結果として、
行政能率
を甚だしく
犠牲
にしているということであり、
国情
に副わないとか、
日本
の復興のためには強力な
行政体制
を確立しなければならないというのがこれである。何が
国情
であり、何が
強力機構
なのかはその際一向に明確でないけれども、要するに従来の
機構
は時間と金が余計かかり、物と手間を要し、
貧乏国
で、而も国力の急速な回復を図らなければならん
日本
の現状には
賛沢
で、急場の間に合わんものとされておるようである。一面において
民主化
を急ぐ
余り
、
アメリカ
の直訳的な
制度
を輸入したことは認めてよい。だが最近の
改革論
は
民主化
を
犠牲
にしても
行政
の
能率
を確保しようとする
傾向
が
余り
にも著しい。
警察法
から
北海道開発法
、更には
自治法
の
改正
、さては
委員会制度
の
検討
などいずれもそうである。ここには
民主主義
の前進ではなくして旧
制度
への逆転が見られるだけである。
民主主義
と
行政能率
との
関連
について明確な洞察を持たないことがこのことの根本の原因である。」又他のところでこういうことを言
つて
おります。「
行政能率
の名の下に
中央集権的官僚主義的体制
への
復元
が
考え
られるのであれば、それは警戒さるべき徴候である。
行政能率
は
民主主義
の原則を発展させる
方向
においてのみ実現さるべきである。」こういうことをこの
吉富博士
が言
つて
おるのでありますが、大体において私が御
賛成
を得たいと思
つて
おります
考え方
に符合するものがあるのでありまして、
吉富
さんは我々のような
社会主義者
でなく、いわゆる
民主主義者
に過ぎないかただと思いますので、どうぞそういう点を御考慮下さいまして、御
賛成
を得たいと思います。 なお、この
案文
につきましてはいろいろ御
批判
もあり、その御
批判
を十分尊重いたしまして、私もいろいろ再考いたして来たのでありますが、極めて簡単に要領よく
法制局
のかたが作
つて
くれたことを実は感心しておりますような次第でありまして、
法律
全体の性質、又
法律
の
案文
全体が極めて簡単でありますこと等と照応いたしまして、
警察法
の
前文
のような長文の
条項
を入れますることは
形式
の上においても不釣合ではないかと
考え
られております。大体におきまして、私
個人
といたしましては結構であると、実は
法制局
の
作案者
に感謝いたしておりますような次第でございますが、十分御
検討
下さいまして、満場一致これを
各派共同
の
修正案
として
修正
することができまするようにして頂きたいというのが、
発案者
といたしましての心からの真意であるのでございます。
岩木哲夫
3
○
岩木哲夫
君 私は先般来当
委員会
に欠席いたしておりましたので、この間の事情については十分わからなか
つたの
でありますが、
只今吉川委員
から詳しく拝聴の機会を得まして、誠に有難い仕合せと感謝いたしております。そういつた
論議
の結論として、今
吉川委員
から
修正案
の詳細についてお示しを頂きましたこの
趣旨
に私たちは全幅の
賛成
をいたしたいのであります。ところが今
吉川委員
の御
説明
の中にも論究されましたが、一体この
地方制度調査会
の
設置法律案
の第一条に、
日本国憲法
の
基本理念
を十分に具現しというようなことを特に謳わなきやならんかについての虞れ、危惧を持つ点が
修正
の要旨だと思うのです。でまあこうした問題に
憲法
の
基本理念
を十分に具現しというようなことを謳いかけると、何もかもこれは全部わかりきつた問題だが、やはりこうしたものを
巻頭
に謳わなければならんということは、ともすれば旧態勢に
復元
する虞れが特に
講和
後
吉田内閣
においてこの
状態
が非常に濃厚にな
つて
来た。特に先般来の当
委員会
における
地方自治庁
、その他の
言動
が旧内務省、旧
官僚
の
復活体制
を
目途
とせるいろいろのことがあらゆる
法律案
、あらゆる
言動
の中に多分に散見されるのから、特に
吉川委員
がそういう点に、或いは
委員会
においてこういう点を特に強調いたしたいというお
考え
については誠に時宜に適した当然の措置だと
考え
ます。ところが今私が申上げます
通り
、こういうふうなことを謳わなければならんということについては誠に情けないことでありまして、一体こういうふうなことを入れなければならんのかどうかという根本問題に対して、私は
地方制度
の将来
改革目途
、何を申しましてもこれらの
事務的原案
を出し、
事務的資料
を出すのは
自治庁
の
役人
が出すのであ
つて
、これまで
自治庁
の
役人
が内務省的な旧
官僚制度
の
復活
を心ひそかに願
つて
おる。これは
警察法
その他の
状態
から見ましても明らかでありまして、そういう
状態
などから見まして誠に欺かわしいことだと私は思うのでありますが、そこで折角
吉川委員
がそういうことをお
考え
なさるならば、
日本国憲法
の
基本理念
を充分に具現しという
字句
を入れることも止むを得ないのであ
つて
、併しながらその次に「且つ、
総合的一体性
を有するように」というようなことが極めて
誤解
を生じやすい
字句
だと思うのであります。おのおの
地方制度
については
個性
があり、税制においても
行政
上においても
個性
があるのであ
つて
、
提案理由
の中に、
有機的一体性
が
必らずし
も得られておらない、ということについての問題についても私は
検討
を要する問題があろうと思います。そこでそういつたことなどの
誤解
を生ずる点などから見て、この「
総合的一体性
を有するように」というようなことをこの
調査会設置法案
の第一条に特に強調することについては問題がありまするから、
吉川委員
の
修正
の
意図
を更に強化する
意味
において、この「
総合的一体
性を有するように」という
字句
は消してもらいたい。是非、これを消すことが困難であるならば、「且つ、総体的に
現行地方制度
を
改革
するため」、これならばよいのでありまして、総合的に
一体性
を有するということは旧
体制
に
復元
の
意図
の氷山の一点を現した点 が看取されます。よ
つて吉川委員
の
修正
の目標を強化する
意味合
から見て、今私は
吉川委員
の
修正
を支持いたしますが、更にそれを強化する
意味合
で、「
総合的一体性
を有するように」という
字句
を消して、この消した中に「総体的に」という
字句
を改めて入れて頂きたい。こういうことに私は提案いたしたいと思います。以上を
委員長
はお諮りを願いたい。
西郷吉之助
4
○
委員長
(
西郷吉之助
君)
只今吉川
さんの
趣旨説明
に対しまして、
岩木
君から御
意見
の発表がございましたが、他の
諸君
の御
意見
を伺いたいと思います。
高橋進太郎
5
○
高橋進太郎
君 今
岩木
さんからもありましたが、「
総合的一体性
を有するように」という、これがどうもはつきりしないんですが、これについて何か
提案者
もう少し……。
吉川末次郎
6
○
吉川末次郎
君 お答えいたします。これは先ほど読上げましたように、
理事者
の、
当局
の
提案理由
の
説明
の中に、
地方行政
の各
分野
における諸
制度相互
の間に有機的一
体制
が保たれておるとは必ずしも言えない、
云々
、これまでの
改革
の結果を見ますると、こういう
言葉
があるのでありますが、これは
当局
の
意思
は或いは
岩木
さんがお言いになりましたように悪く
考え
るならば、旧
体制
への
方向
への有機的一
体制
を保つようにして行こうというような
意思
があるのかも知れません。私はないことを望みますが、ともかくも
終戦
後の
地方制度
の
改革
はたびたび行われたのでありますが、結局のところ先ほど
吉富博士
の文章を引用いたしました中にもありまするように、従来の
戦前
の
日本
の
地方制度
というものが
明治憲法
と結び付いたところの、
ドイツ人
によ
つて
作られた
地方制度
を
骨子
といたしまして発達して参つたと思うのであります。ところが
終戦
後は、
吉富
氏も言いまするように、
アメリカ
のいろいろな新しい
地方制度
がそこへ入れられまして、体系の上からいたしましても、私は或る点におきましては誠に木に竹をついだような形にな
つて
おるところは
相当
にあると私は
考え
られるのであります。でありますから、これを
日本
の
国情
に即して、そうして新
憲法
の
基本的精神
に
則つて
、決して
戦前
の
明治憲法
と
関連
するところの第一次
欧州人戦前
の
プロシヤ
の
制度
を模倣する
方向
へ逆転化することなくして、
民主主義
の発展に
基礎
を置きながら
国情
に即したものに統一して行く、即ち有機的一
体制
を持つたもののように
改革
して行くということ、ここに
地方制度調査会
の必要がありといたしまするならば、その
調査会
の
目的
ということはそういう
考え方
の上に立ちまするならば私はいいのじやないか、大体の私が
案文
の中を
法制局
の
参事
の
諸君
に申伝えまして、ここに書きました
意思
はそこにあるわけであります。
高橋進太郎
7
○
高橋進太郎
君 どうも古川さんの
お話
は抽象的で非常に私らには高遠なのでわかりにくいのですが、そうすると、
総合的一体
制というのは一体何ですか。そうすると言い換えれば
地方自治団体
が全体として
町村
と
府県
とに竹をついだようなんでなく、何か有機的
総合的一体
制をなしてやれと言うのですか。言い換えれば
府県
と
町村
という
意味
なのか、或いは横の
町村
なら
町村
という個々の
町村
でなく、
日本
全体の
町村
が、或いは
府県
なら
府県
といつたようなものが
総合的一体
制において運営するというような
意味
なんでしようか。その点は具体的にはどういうことを
意図
せられて
考え
ておられるのか、その辺を
一つ
伺いたいと思います。
吉川末次郎
8
○
吉川末次郎
君 それはこういう
目的条項
を入れた
修正案
を作るという
お話
が
委員会
で先般起りましたとぎに、多少私も申上げたのであります。又その
案文
を作
つて
もらいまする
法制局
の職員の
諸君
にもその
節言つたの
でありますが、それは非常に多少アカデミツクなような
表現
になるわけでありますが、先ほど申上げましたように、
日本
の
地方制度
というものは御承知のように
ドイツ人
のアルバート・モツセが
日本
に参りまして、
山県内務大臣
のときに
ドイツ
から来て、
ドイツ人
が
プロシヤ
の
制度
に
則つて作つたの
が
日本
の
地方制度
の始まりであり、大体において
明治憲法
の
存続期間
はそれとの
関連性
において多少の
修正
がその問いろいろと行われて来たのでありますけれども、根幹をなしておるものは
戦前
の
プロシヤ
の
地方制度
を模倣して発達したところのものなんであります。だから大体において
日本
の
地方行政
に対するところの
考え方
は、第一次
欧州
大
戦前
の
ドイツ
の
国法学
と結び付いた
行政法
の一環としての
法律
学的なもの、即ち
行政法
の中で
府県制
、或いは
市制
、
町村制
というようなものの
法律酌解釈
をするというようなことが
地方制度
の全般であり、それが又
地方行政
であるかのように誤認されて来たかと思われるのであります。例えばこの
委員会
は
地方行政委員会
でありますが、以前のは私が
委員長
をいたしておりましたときは、治安及び
地方制度委員会
でありまして、
地方制度
の
研究
ということが即ち
地方行政
の
研究
である、
地方制度委員会
という名のものが
地方行政委員会
に変りましても、全く同じものであるというような
考え
が、漠然と
地方行政
の
理事者
の頭のうちにあるということは、如何に
地方行政
というものが、
法律
学的な面にのみ
考え
られておるかということが私は言えると思うのであります。
地方行政
と
地方制度
とは全く内容を異にするものでなければならんのでありますが、その例についてみることができますように、現在なお
明治憲法
と結び付いた第一次
欧州
大
戦前
の
ドイツ
の
国法学
及びそれを
基礎
としたところの
行政法学
の
考え方
が
終戦
後も依然として
地方行政
の
理事者
の頭を支配いたしておりますることが私は現実の事態であると
考え
るのでありまして、これは当
委員会等
におきましては、私のプライベートの
意見
で大変恐縮でありますが、機会あるごとにそれが改められなければならんということを申上げて来たのであります。そういうような
考え
と結び付きまして、飽くまでも新
憲法
の
精神
を
基本
とした立場において、それが
一つ
の有機的な
一体性
を持つたところのものへ
改革
されて行くということこそが、
日本
が今日当面しているところの
地方制度改革
の
基本
的な
理念
でなければならんかと思
つて
おるようなわけであります。そういう
観念
に基いて書かれておるのであります。
高橋進太郎
9
○
高橋進太郎
君 そうすると、
日本国憲法
の
基本理念
というものとの
総合的一体性
とこういうふうに読むわけなんですね。というのは私が
ちよ
つとわからなか
つたの
は、その「
基本理念
を十分に具現し、」とここで一応
切つて
、そうしてその「
総合的一体性
」というのであるから、何か
現行地方制度
のうちに、例えば
町村
なら
町村
が非常にばらばらであ
つて
、どうも
総合的一体性
を以て運用されないとか、或いは
町村
と
府県
とが、或いは市と
町村
と
府県
との間がばらばらであるからこれについて何か
一体性
があるような形に改めなければいかんとか、そういうことを言
つて
おられるのかと
思つたの
ですが、そうじやなくて、あなたの
お話
だと、要するに
日本国憲法
の
基本理念
を具現し得るような
総合的一体性
と、こういう
意味
なんですね。
吉川末次郎
10
○
吉川末次郎
君 そうです。
高橋進太郎
11
○
高橋進太郎
君 わかりました。
若木勝藏
12
○
若木勝藏
君 私も
吉川
さんに質問したいのでありますが、御
趣旨
はよくわかりまして、非常に私らも賛意を表するものでありまするけれども、この第一条の
案文
を見ますというと、先ほど
岩木
さん、それから
高橋
さんからも質問があつたようでありますが、非常に私は
誤解
を生じやすいのじやないか。御
趣旨
が逆に現われて来るように解釈されるのじやないかと思うのであります。私もこれをさつきから非常に読んでお
つたの
ですけれども、どうも御
趣旨
がぴたりと来ない。それは「
総合的一体性
を有するように
現行地方制度
を
改革
する」というのでありますからして、
現行
の
地方制度
がこの
憲法
の
理念
に合しておらないからして、これを
総合的一体性
を有するように
改革
して行くのだ、こうなりますと、そういうふうにとられるのです。そうなりますというと、現在の場合の
地方制度
というようなものは新
憲法
によ
つて相当
私はできておると思う。それがどうもうまくないからしてということになれば、逆の
方向
へ走
つて
しまうような気がするのであります。そこで
総合的一体性
というようなものは、ここに書いてあるところの
政府
の
提案理由
にある
地方行政
の各
分野
における諸
制度
の
相互
の間というふうなものに、それを総合的にして行くというふうな
意味
になるのじやないかと思うのでありますけれども、
考えよう
によ
つて
は、今も
お話
があつたように、市
町村
の統合とか或いはそういうような方面の統制とかいうふうに非常に
考え
られやすい、私はそういうふうに思うのです。そこで御
趣旨
のように言われるのでありましたら、
憲法
の
理念
を十分に具現するということを
基本
に置いて、そうして現在の
地方制度
を全般的に
検討
して行く、こういうことによ
つて
御
趣旨
がはつきりして来るのじやないか、こういうふうに思うのでありますが……。
岩木哲夫
13
○
岩木哲夫
君
賛成
、そういうふうにどうか直して下さい。そうしないと
意味
が徹底しない。
吉川末次郎
14
○
吉川末次郎
君 いや、結構であります。わかりやすいように御
改正
願いまして結構であります。ただ
基本
的な
考え方
は以上申上げた
通り
でありますから、その
基本
的な
考え方
が文章にもつとよく現われる、もつとよい
表現
がありましたら、いろいろお変えを願
つて
結構だと思います。
高橋進太郎
15
○
高橋進太郎
君 ただそうなりますと、やはり私は例えば
地方自治
法とか、或いは労働法とか、そういう
基本法
律の中に
法律
の
目的
を書くというようなことは、これは又了解できると思うのです。併しこの
地方制度調査会
のようなものについては、どうも一々やはり
現行
憲法
の
基本理念
をというようなことを言うと、あらゆる
法律
にこれを入れなくてはならないのです。
従つて
私は、これはわざわざこの
法律
だけについて
日本国憲法
の
基本理念
、こういうことの前書きを、言換えればさわりを入れて置くのもどうかと思うのですが、どうもそこの点がはつきりしないのですがね。
吉川末次郎
16
○
吉川末次郎
君 これは最初に申上げました
通り
、むしろ私は
地方制度
の新
憲法
の
精神
に副うところの何と言いますか、進展が戦後十分に行われておらんということを深く
考え
るものでありまして、そうしたこの第一条の
修正案
に掲げておりまするような
観念
が、この
調査会
のメンバーに深く理解されておらないときには、先ほど
岩木
さんも
お話
になりましたような旧内務省
官僚
の反動的な
考え方
へ、
有機的一体性
を持つような
方向
へ逆転的にリードされて行く憂いがあるということを私は深く憂えるものであります。それは特に
地方行政
の面においては力点をそこに置いてその
精神
を高揚するところの必要が
日本
の
地方制度
及び
地方行政
の現実の
状態
からして大きくあるというために、特にこれは
地方制度
の
改革
についてこれを審議いたしまするところの
調査会
の目標として、高くこの旗を掲げて置くということは、全般からして深く必要があるという
意見
の上に立
つて
おります。
従つて
高橋
さんがおつしやることには多少対蹠的な関係に立
つて
おるわけであります。
高橋進太郎
17
○
高橋進太郎
君 私は現在の
地方制度
或いは
地方自治
法というものが新
憲法
後に作られたものでなくて、古い
地方制度
でもあ
つて
、それ自体を
改正
して行く
調査会
というようなものであれば、或いはそういうことを書くということも
意味
のないこともないと思うのです。ところが現在の
地方自治
法そのものが、或いは現在の
地方制度
自体が、現在のいわゆる新
憲法
の下に、而も
憲法
自体の中に
地方自治
というものを条章を設けて規定し、その条章に基いて規定されてあるのであ
つて
、
従つて
今もうこれを再
検討
する、こういうことはむしろ新
憲法
ということは勿論であ
つて
、むしろ
終戦
を通じ
講和
発効後の新しい事態に応じた
地方制度
というものの実施について六年間の経験を通じてどう
考えよう
かというようなあれですから、
従つて
そういうので具体的な問題があ
つて
、或いはそういうものについてこうだという
方向
を示すのならいいと思うのですが、今事新らしく
日本国憲法
の
基本理念
を十分に具現しと、こういうことをここで再唱することはどうかなと私は
考え
ております。重ねて申しますれば、現在の
地方自治
法そのものがすでに新
憲法
に基いた、新
憲法
後の
制度
なわけなんですから、
従つて
、それを更に
検討
し、更に調査するときにはもうその
日本
憲法
の
基本理念
ということは、もう勿論会得しているのではないかという気がするのです。まあこれ以上は
意見
に亘りますから、一応私の
意見
を申上げて置きます。
中田吉雄
18
○中田吉雄君 成るほど
高橋
さんの言われましたように、
地方自治
法とかいうような法文でしたら、まあこういう
目的
をはつきり掲げることも妥当であろうというように仰せですが、最近の
動向
から見まして、やはり私は
吉川
議員が言われたように、こういう規定を入れざるを得ん。そういうことは
一つ
の悲劇だと思うのであります。我々が昭和二十五年から出まして、満二年間に亘
つて
地方行政委員会
を通じて
地方制度
の流れを大観して見まして、その後半におきましては明らかに新
憲法
並びに新らしい
自治法
の
基本
的な線からずれるような
傾向
に急テンポを以て行
つて
いる。そうしてその集中的な最近の
表現
が
地方自治
法の
改正
であるというふうに私は見ているわけであります。
鈴木次長
以下非常に俊秀をたくさん集められまして、所管の大臣を助けながら懸命な努力をされている点は多としていますが、やはり私はなしくずしに旧
制度
の
方向
にやはり行きつつあると、そうして、こういう
委員会
の名をかりまして、そうして大きく逆転する虞れがあるので、その
委員会
を運営する際には絶えず
目的
の
条項
を旨にしながら、それを肝に銘じながらやるということは、やはり私たちは絶対必要であるというふうに
考え
る次第であります。ただ
岩木
、
高橋
、
若木
さん等が申されたように、
総合的一体性
ということに
関連
してもう少し何とかならんものかということだけは
考え
る次第であります。
基本
的な線としては私
賛成
するものであります。
岩木哲夫
19
○
岩木哲夫
君 私は
総合的一体性
を有する
云々
を何とかならんかと申しておるのじやない。かようなことは
誤解
を生ずるから全部消してしまえということを提唱しておるのです。どうしても消してしまうのが工合が悪ければ、相対的な
字句
を入れたらどうかということであ
つて
、これは直ぐ消さないというと、折角の
吉川
議員の御
趣旨
というものは活きないと私は思うのです。この辺ははつきりしておると思うのですから、反対する者は反対するで止むを得ないのだから、もう採決をと
つて
下さい。暑いのに時間がかか
つて
しようがないですよ。
吉川末次郎
20
○
吉川末次郎
君 私は
岩木
さんのおつしやることに反対はしません。結構だと思います。要するに十分に具現し、且つ総体的に
現行地方制度
を
改革
するために、これは全般的に再
検討
を加えることを
目的
とするという
岩木
さんの御
修正
の
意見
にはあえて反対はいたしません。結構だと思
つて
おります。
中田吉雄
21
○中田吉雄君 ただこの
改革
するためというのは、
若木
さんが言われましたように、私はやはりその反面解釈と言いますか、やはり
現行
制度
がよくないのだからといふうにとられる虞れが多いと思うのです。私はやはり
民主化
、地方分権という
基本
的な線を貫いて、私は現在のいろいろな非
能率
的なものはトレーニングがまだ十分できん面が非常に多いし、旧
制度
とのからみ合い等から来ているので、そういうものを排除して、そうして
現行
地方自治
法の十分な運営がきるようにするというような
意味
で、これを
改革
するためということでしたら、これでよいのじやないかと思うのですが、どうでしよう。
高橋進太郎
22
○
高橋進太郎
君 私はだんだんと
お話
を聞いておりますと、若し新
憲法
に基いて
考え
たということになるなら、むしろ各省設置法の中に皆んな書かなければいけないのじやないかと思います。要するに各省設置法自体がやつぱりその
憲法
の
基本理念
に応じてその
行政
の運用をやるというような工合にな
つて
、
従つて
それはもう今これだけについて特に書くと、こういうことはどうも私は合点が行かないのですが。
若木勝藏
23
○
若木勝藏
君 各省設置法に皆んな書かなければならないのじやないか。各省設置
法案
に皆んな入れなければならんのじやないか。
高橋進太郎
24
○
高橋進太郎
君 そういう議論ならいいのだ。
若木勝藏
25
○
若木勝藏
君 はつきりしたほうがいいのじやないかと思うのですが。
西郷吉之助
26
○
委員長
(
西郷吉之助
君) 館さん如何ですか。
館哲二
27
○館哲二君 私はどうも今のは、今更
日本国憲法
の
基本理念
なんということを言うのは一体必要があるのかと思うのですね。それよりもむしろ
委員
の構成なりその他の方面で慎重に
考え
て、国会議員がもう少し発言なり有力な地位に立つような
委員会
に構成を持
つて
行くということで、この
委員会
の運営がよく行くのじやないかとこう思
つて
おるわけですが。
中田吉雄
28
○中田吉雄君 館さんの言われるのは最も現実的な何ですが、こういう
目的
からおのずから
委員
の構成が規制されて、非常にやりよくなるのじやないかと思うのです。
岩木哲夫
29
○
岩木哲夫
君 もういい加減にどうです。
館哲二
30
○館哲二君
目的
を書いて置いても構成の仕方は別ですからね。
西郷吉之助
31
○
委員長
(
西郷吉之助
君) それでは
ちよ
つと最終決定を出す前に、
政府委員
側に今の構成の点についてどういうふうな
考え
を持
つて
おるか。
藤野繁雄
32
○
政府委員
(藤野繁雄君) 昨日
委員長
から
委員
の構成はどうするかということは書面によ
つて
提出するようにという御要求があ
つたの
でありますから、お手許に書面で出しておるのであります。それは
地方制度調査会
の
委員
には国会関係者、各省関係者、地方公共
団体
関係者、及び学識経験者のほぼ同数を選任する予定である。四つの
団体
がありますから、四つの
団体
からこの間も申上げましたように、四分の一ぐらいずつを選任したらどうだろうかと、こういうふうに
考え
ておるのであります。どうぞよろしくお願いします。
岩木哲夫
33
○
岩木哲夫
君 これは
地方制度調査会
委員
の選任案のことで今の前段の問題が中ぶらりんにな
つて
又議題が変つたように思いますが、先ず
修正案
のあとから決を取るものとして、今藤野政務次官が文書の
説明
をされましたが、私たちはこれに対して今賛否を申すのは早過ぎるかも知れませんが、反対であります。結局又これは国会にかけなければならんということもありますが、それは最も
調査会
の審議を、
検討
を権威あらしめ、国会通過をスムースに運ぶ上においては、国会関係者がこの全体の員数の半数ぐらいを占めるのが妥当であろうと思います。各省関係者というようなものはそんなに同数も要るわけがないのでありまして、これらが曲者であろうと思うのであります。
従つて
、国会関係者というものを大体半数乃至半数に近いくらいの程度に選任されることを我々は要求いたしたいと思いますが、如何でしようか。
政府
のほうはこれに対して何か御
意見
ありますか。
藤野繁雄
34
○
政府委員
(藤野繁雄君)
只今
申上げたのは、現在における私などの
考え
であるのでありますが、皆さんのほうで、各四つの
団体
の者を四分の一ずつやるよりも、この
法律
の運用上に将来影響することであるから、半数以上を、或いは半数ぐらいを国会議員で占めるようにしたほうがいいというような御結論であつたらば、
政府
としてもその点について善処せなくちやできないと
考え
ておるものであります。
高橋進太郎
35
○
高橋進太郎
君 私はどうも政務次官の今の御答弁は甚だ当を得ないのですがね。若し国会議員が過半数というのなら、何もこの
調査会
をわざわざ外に設ける必要がないので、国会自体において審議すりやあいいのだろうと思う。要するに国会議員というものがここで幾らか入るということは、国会の中にそういう経験者もおるし、又
論議
の際にいろいろな話も聞き、又
意見
も述べるというところに
意味
があるので、過半数を持つのなら何もこの
調査会
をわざわざ国会の外に設けて、そして国会議員で又そこでやるということは
意味
ないとこう思うのですが……。
岩木哲夫
36
○
岩木哲夫
君 私は過半数と申しておらない。半数と……。
高橋進太郎
37
○
高橋進太郎
君 いや、それは政務次官に申上げたのです。
岩木哲夫
38
○
岩木哲夫
君 ただ私は
高橋
議員の御
意見
に多少疑義があります。国会議員というものは、例えば自由党なら自由党が全部占めるのじやない。ワンマンの陣笠が全部占めるのじやない。この中には社会党の右派さんもおれば左派さんもおる。各界の練達の士が各階各層から選出されるのであるから、これは国会の全部の一致した
意見
じやない。これにはやはりいろいろな
研究
家、権威者も現われて来るわけでありますから、やはり半数ぐらいを国会議員が占めるのがスムースだとこう私は申しておるのです。
館哲二
39
○館哲二君 今の
委員
の構成の問題ですか、まあ国会議員がたくさんになれば国会自身でしたほうがよい、
委員会
を設ける必要はないんじやないかという御
意見
もあるようでありますが、
委員会
は
委員会
として各
委員
が平等な立場に立ちまして、その方面に経験なり学識なりを持
つて
おられるようなかた、或いは又各派を代表されるようなやりかたもあると思いますが、それ以外に各省関係とか学識経験者とか、それから又地方公共
団体
の関係者とかいうようなものが平等な立場に立
つて
おのおのの
意見
をとらわれずに
検討
をするというところにこの
委員会
の妙味があると思うのであります。併しまあ今私が
委員
の構成について考慮を払つたほうがいいじやないかということを申上げましたのは、先に、まあ第一条に
憲法
の
精神
に従わなきやならんとは幾ら書いたところで、諮問をするのは内閣総理大臣で、諮問案はこれは
憲法
に違反するものですと言
つて
出す者は誰もないのであ
つて
、
憲法
の
精神
に副うように無論出されるに相違ないと思う。それを
検討
するのがいい。その
委員
には最も民主的なりと
考え
られる国会議員が
相当
多数入
つて
おられることが、その結論を民主的に持
つて
行かれる上に私は非常にいいのじやないかというように思うので申上げたわけです。
中田吉雄
40
○中田吉雄君
鈴木次長
にお尋ねしますが、前に何かこのような
委員会
があつたようですが、そのメンバーは大体どういう構成にな
つて
いるのですか。
鈴木俊一
41
○
政府委員
(
鈴木
俊一君)
終戦
後の昭和二十一年に
地方制度調査会
というものを同じ名前の機関を作
つて
現行
自治法
の原案についての
調査審議
をお願いしたのでありますが、その際は
相当
各方面から
委員
が出ておられまして、衆議院、貴族院合せまして三十五人でありました。それから各界の関係が十二人、婦人関係が六人、地方
団体
関係が十五人、官吏が十四人合計八十六というような
委員
数であります。
高橋進太郎
42
○
高橋進太郎
君 あれですか、今まで議員が半数も占めたといつたような
調査会
というのはあるのですか。今のあれでもまあ大体三分の一くらいにな
つて
おるようですが……。
鈴木俊一
43
○
政府委員
(
鈴木
俊一君) 半数を超えるというのはまあ最近はないと思いますが、社会
制度
審議会などは
相当
多数の構成人員にな
つて
おるようでありますが、三分の一ぐらいじやないかと思います。
若木勝藏
44
○
若木勝藏
君
政府委員
に伺いますが、今まで私文部
委員会
にお
つて
いろいろな
法案
の審議に携
つて
来たのですが、そういう場合における多くの場合はこの
委員
の任命についてこういうふうに抽象的にや
つて
おらなかつた場合が多いのです。今内容をどこそこの推薦
団体
によるもの何名というように具体的に現わしておるというのが多かつたと思うので、これは
余り
に簡単で抽 象的で、そういう点を明瞭にすることが必要ではないかと思います。
鈴木俊一
45
○
政府委員
(
鈴木
俊一君) 普通の方式から申しますと、むしろ総理府に設置いたしまするこういう調査機関、審議機関でございますと、総理府設置法の別表の中に、例えば選挙
制度
調査会
、こういう項を
一つ
置きまして、内閣総理大臣の諮問に応じて国会議員の選挙及び地方公共
団体
における選挙
制度
について調査するということだけを限りまして、あとは政令その他で組織をきめておるというのが普通の場合でありますが、これはそういうのに比較しまして
相当
詳しく書いてあります。
若木勝藏
46
○
若木勝藏
君 そこでそれでは学識経験者の内容ですね、これは一般、殊に
地方制度
のことになると税金であるとか、或いは公務員の賃金とか、そういうものと関係して来るのでありますが、この学識経験者の内容には市民とか、労働組合の組合員とか、そういうようなものを含んでおりますか。
鈴木俊一
47
○
政府委員
(
鈴木
俊一君) 無論この
表現
といたしましては、今御指摘になりました方面を代表しておるものも入り得るようにな
つて
おります。
岩木哲夫
48
○
岩木哲夫
君 これはやはり
政府
の案というものは我々は反対であります。それでこの際当
委員会
としてはどういう点を希望するかということをおまとめ願
つて
、それに対して
政府
のほうが反対ならなかなかこれは事態の楽観を許さん、こういうことになるわけです、(笑声)でありますので、先ずその辺から固めて頂きたい。で、丁度食いさしみたいに、
吉川委員
の
修正案
をもう
ちよ
つと先にきめてから、そうしてこれを
一つ
本式に態度をきめてもらいたいとこう思うのです。(「
賛成
」と呼ぶ者あり)
西郷吉之助
49
○
委員長
(
西郷吉之助
君) どうですか、古川君の原案に対しまして、
岩木
委員
より総体的にという文句を入れるか、或いは総体的
一体性
を有するという文句を削るというような御
意見
が出ましたが、
提案者
の
吉川
さんはその
岩木
さんの御
意見
には
賛成
だと言
つて
いらつしやいましたが、自由党の御
意見
は如何でございましようか。
高橋進太郎
50
○
高橋進太郎
君 我々のほうは先ほど申上げた
通り
、これはもう必要ないと、こういうふうに思います。
若木勝藏
51
○
若木勝藏
君 今の
高橋
さんあたりのお
考え
、或いは館さんあたりのお
考え
、これを緩和するようにするためには、こういうふうにするのも
一つ
の方法じやないかと思うのですが、これは
吉川
さんは消極的だと言
つて
不満があるかも知れませんが、この
法律
は、
日本国憲法
に則る
地方自治制度
の
基本理念
を具現するため
現行地方制度
に全般的な再
検討
を加えることを
目的
とする、こうならば、それなら穏やかかじやないかと思います。
西郷吉之助
52
○
委員長
(
西郷吉之助
君)
高橋
さんに伺いますが、これは
提案者
の御
趣旨
もありますから、できるだけ
修正
する場合には共同でやつたらいいかと思いますが、あなたがた何かその文章をこう直したら自分のほうでは合点が行くというふうなことがございましたら、御
意見
を願いたいのですが……。
高橋進太郎
53
○
高橋進太郎
君 これはもう大体こういう
調査会
なり各省設置法なり、そういうものに一々
日本国憲法
を付けてや
つて
行くということになると、全部の
法案
に私は
日本国憲法
ということを掲げなければならないと思うのです。
原虎一
54
○原虎一君 随分入
つて
おる法がありますよ。今の
警察法
のように……、無難だから
一つ
入れておいて下さい。
高橋進太郎
55
○
高橋進太郎
君
警察法
とか
地方自治
法は、そういう
基本法
についてその
法律
の
基本理念
を書くという
意味
ならこれは又
意味
あると思うのです。要するにこれは
地方制度調査会
というものの運営が新
憲法
に則るように運営すべきだという、それを
吉川
さんはお書きになろうと、こういう
意味
だろうと思う。併しそういう
意味
なら私は先ほど申上げた
通り
各省設置法なり、或いはあらゆる
調査会
についても書くべきじやないかと思う。何か特殊な事項であ
つて
、労働審議会とか何かそういう
目的
があ
つて
、これが又こういうものだということなら
意味
があると思うのですが、今言う新
憲法
ということになればこれは皆新
憲法
を書かなければならない、こういうことで我々はどうもその新
憲法
会々を書くのは必要ないと思います。
原虎一
56
○原虎一君
高橋
さんが言われる点も理窟はやはりあると思うのです。併し入れたからとい
つて
別に御反対じやない、ただそういうほかの
法律
にも入れなければならんと言われますけれども、我々が強く主張するのは、例えばこの
委員
を然らば元のパージに
なつ
た者は入れないということを書くとか、或いは総理大臣の任命したものを一々議会の承認を得るようにしますとか、そういうことにまであなたが思いを入れて御反対ならば我々わかりますけれども、では
委員
の問題は総理大臣の任命をそれではどうするというお
考え
か。併しそこまで
考え
なければ、例えば最近参議院の選挙
制度
に関係しまして、参議院に関する選挙法、全国区を廃するとか、或いは標準的なものを作るようなことを、総理が任命されました諮問機関的な
委員会
でありますけれども、ああいう選挙
制度
調査会
でですね、
憲法
までも
改正
をするような
意見
を発表するのですね。そういうことから我々は
考え
てもやはりこの
委員会
を、
調査会
を置いたという
目的
は、国会が
法律
を審議するときにはこういうことなんだということを、これを入れるということは別に禍いはないと思う。むしろあなたが言われるように
委員会
の
委員
を厳選するならば、これは総理大臣の任命ではいかんと言
つて
おる、それならば又我々はそういうふうに
考え
直す方法はある。
従つて
抽象的に入れる以上
目的
ぐらいは入れておくことは、あなたもその
精神
には御反対にならないはずと思うのです。具体的に館さんの言われるように、そこに元戦犯者は入れてはならんとどこにも入れておるわけでなく、或いは追放解除の元の追放者を入れてはならんということも入れてありません。総理大臣の任命を一々五十人なら五十人、国会の承認を得なければならんと言うわけでもない、こういうことを併せ
考え
て
調査会
の
目的
はこうなんだ、
憲法
を
改正
するようなことまで簡単にや
つて
もら
つて
は困るということをここで言いたいのです。ですから別にそう強く反対されんでもいいじやないですか。
中田吉雄
57
○中田吉雄君
高橋
君は何もそんなことをせんでも民主的な
精神
が滲み込んでおるからと言われるが、この度出された
地方自治
法の
改正
法を見ても、先ず区長の任命制、そうしてこれはやがて
府県
知事の公選制の廃止、更に地方議会は隔月ごとにあるのを一年一回の常会にするとか、議員の数を少くする、部局を増加するには内閣総理大臣と協議しなければならんというようなことに
なつ
たが、これは幸い自由党を含くめた根本的な大
修正
がなされまして、危く難を逃れたわけですが、あれがあのまま通
つて
おつたら、前の
府県制
制度
といささかも変りないことになる。それを非常に恐れる。原さんの言われるように
委員
のほうはあなたのほうから出ております大臣に広範な権限を委ねておるのですから、それを若干規制するようなことは
一つ
人自由党として御考慮願
つて
もいいじやないかと思います。
西郷吉之助
58
○
委員長
(
西郷吉之助
君)
ちよ
つと速記をとめて下さい。 〔速記中止〕
西郷吉之助
59
○
委員長
(
西郷吉之助
君) それでは速記を始めて下さい。
岩木哲夫
60
○
岩木哲夫
君 又話が戻りますが、この
委員会
の
委員
の振当数についての点について我々は今
鈴木次長
が過去における
地方制度調査会
の
委員
の振合いから見ても、三分の一以上国会議員が入
つて
おるようであります、そういう先例もあることでありますから、三分の一以上或いは半数程度のところまで国会議員を、これは国会関係者とありますが、国会議員のことだと思いますが、国会議員を入れるような振合いに
政府
側として御考慮はできますかどうか。
西郷吉之助
61
○
委員長
(
西郷吉之助
君)
岩木
さん、
ちよ
つと今の御質問ですが、本日は大臣が御
出席
にな
つて
おりませんから、今の
岩木
さんの御質問に対しては明日の
委員会
に国務大臣の御
出席
を求めて御回答をするということにしては如何ですか。
岩木哲夫
62
○
岩木哲夫
君 結構です。質問を持
つて
帰
つて
明日大臣に御答弁を願いたい。
西郷吉之助
63
○
委員長
(
西郷吉之助
君) それでは政務次官に申上げますが、今お聞きの
通り
の御質問がございますので、本日それを大臣にお伝え下さ
つて
、明日
委員会
を開きました際、
政府
当局
のお
考え
をお述べを願いたいと思います。
中田吉雄
64
○中田吉雄君 選挙法の一部
改正
法につきまして、次官や局長並びに知事等の立候補をどうするかという問題は世上非常に大きな
論議
の的になりまして、当
地方行政委員会
に対する最大な関心が寄せられているわけであります。そこでこの
委員会
といたしまして、何らかの結論を以て世論に応えるということが必要なので、それには十分な資料に基いてやはり判断することが何よりも必要だと思うわけである。そこで
西郷委員長
を通じて先般私は昭和二十五年に知事選挙が行われた際に、それから前半年の間に知事がどれだけの追加補正をしたか、そしてそれと全然関係のない前年度の同じ半年の間にどれだけ追加補正をしているかという資料を
一つ
出して頂くようにお願いしているんですが、
一つ
促進してもらいたいと思うわけである。私は昭和二十五年度と二十四年度の半年の追加補正を見れば、知事が大体どれだけ選挙運動に使
つて
いるかということを判断することが簡単にできると思うわけであります。例えば群馬県の知事選挙が行われておるのでありますが、すでにこれは莫大な県費が使われておりまして、それを青年団の人がもら
つて
おいて二十万近く隠しておいた。それがわかつたために相手はもら
つて
隠しておるということで、どうもならんというので、饗応をや
つて
おりましたところが逮捕されておる。これは全く氷山の一角であると思うわけであります。例えば私が四国の昨年の知事選挙で、或る県の知事の名も知
つて
おりますが、青年団に数百万の金を出しまして、会計課長が風呂敷に金を包んで行
つて
、そうして各村に乗込んで行
つて
、大体どれだけの応援をしてくれるというので、その応援の熱度に
従つて
二万円なり三万円ずつそこでちやんと渡しておるという事実をはつきりつかんでおるわけであります。そういう
意味
から言えば、昭和二十五年の選挙のときに各局長、次官等が半年の間に出張をどれだけやつたかということを調べてもらえばいいわけですが、これは要求しないことにいたしますが、
一つ
是非、或いはそういう大規模な全国的なものができんでしたら、最近知事の立候補の問題について世話人会というものがあ
つて
、代表の県知事の人が東京に来ておるようですが、その世話人の知事の所だけで結構だと思います。必ず選挙があるときに遺族援護会に数百万補助をする、或いは開拓連盟に数百万、生活協同組合に数百万というような起債や補助の裏付のない単独県費を非常に使われておる。私はこの額は大体全国で百億近いものが使われておると思
つて
おる。是非この資料を
一つ
委員長
にお願いしますが、これができんと選挙
制度
の
改正
の審議に入れんと思うので、
一つ
是非……、
自治庁
や地財委ではそんなものを出すとぼろが出るから出せんと言うかも知れませんが、是非
一つ
お願いいたします。
西郷吉之助
65
○
委員長
(
西郷吉之助
君) 中田
委員
の御希望は私も御尤もだと思いますので、今せかしておりまして、今印刷中でございますから、明日は届けるそうでございますから、御了承願います。
岩木哲夫
66
○
岩木哲夫
君 それに知事の交際費、或いは交際費に類するような金額と見られるものを附加えて御報告願いたいと思います。
西郷吉之助
67
○
委員長
(
西郷吉之助
君) それでは本日はこれにて散会いたします。 午後四時二十八分散会