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衆議院議員(
川本末治君) 現在これらの四市は、
廃止になりました後に、現在は
国家地方警察に移管されておりますが、
自治体警察としての機能は全然ないのでありまするが、その以前におきまする、
廃止当時からの実情を我々が
承知するところによりますると、いずれも小さな
警察でありまして、
自治体警察の実施後、我々が最も憂えておりましたいわゆる
地方の弱小
警察という、
自治体警察の一番弱いところをはつきりと現わしておるという、これらの四市はその実例であると思いまするが、現存いたしておりまする
自治体警察にその例をと
つて見ましても、私どもの浅い経験から見ましても、三十人や五十人の
一つの
警察を以てしましては、実際に
警察機能は発揮できないということが事実上言い得ると思うのです。
国家地方警察の場合には、その
警察が小さくても、他からの応援の問題が、
自治体相互間の問題よりも容易に行われまするし、例をと
つて申しましても、三十人くらいの
警察や、二十五人くらいの
警察でも、署長もいれば、給仕から内勤の仕事は一応百人以上の
警察とも同じ
程度のものが必要であります。従いまして実動し得る
警察官というものは僅かな数にしかならない。こういう弱い
警察を以て実際において多額な経費を使
つて、そうして今日の
警察の機能を発揮し得るや否やという問題になりますると、この問題は申上げるまでもなく、我が国
警察組織の根本的な問題に遡らなければならんのでありまして、くどく私が申上げるまでもないのでございまするが、今日の場合に僅かに、それじや抜本的にやらなければならないものを、こういうことを部分的にやるということはどうかという御
質疑も多分におありと思いますが、私どもは現在の段階におきまして、直ちに
警察全体を大巾に根本的に直し得ない現状でありまする以上、少しずつでも、こうした事実上市という形ができましても、まだ
町村と何らの実際においては変りのない所へ、そこへ折角
警察が、
住民投票で、その数がいずれの数でありましたにもせよ、一たび
自治体警察を
廃止いたしまして、
国家地方警察に移管をされた。又ここで市に
なつたから、直ぐに
自治体警察を設けなければならないということは、実際問題として、非常にその市の
理事者なり
住民なりは、迷惑こそすれ、そんなに喜ぶということはなかろうと思いますので、この場合急いでそれをしなくもいいように、便法としてかような
法案を
提出した次第でありまして、若し市の大勢の
住民が多数の意思で、やはり
自治体警察にしたほうがいいということになりますれば、
住民投票でこれはなり得るという
ふうにしてありまするので、この場合、
吉川委員の御
質疑にお答え申上げまするのには、余りにも抽象的な議論で、甚だ恐縮に存じまするが、数字等はくどく申上げまするように、現在私は持ち合せておりませんが、そういうような趣旨を以ちまして、私どもはこの際無理に法律にのみ頼
つて、そうしてその法文にのみ当てはめて、
住民の意思がどうあろうとも、何でも
自治体警察にしなければならんというほどの問題ではなかろうと、かように
考えておる次第であります。