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1952-06-20 第13回国会 参議院 地方行政委員会 第57号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十七年六月二十日(金曜日)    午後二時二十七分開会   —————————————  出席者は左の通り。    委員長     西郷吉之助君    理事            堀  末治君            中田 吉雄君    委員            岩沢 忠恭君            石村 幸作君            宮田 重文君            岡本 愛祐君            館  哲二君            若木 勝藏君            原  虎一君            吉川末次郎君            林屋亀次郎君            岩木 哲夫君           深川榮左エ門君   国務大臣    国 務 大 臣 岡野 清豪君   政府委員    法務府法制意見    長官      佐藤 達夫君    地方自治庁次長 鈴木 俊一君   事務局側    常任委員会専門    員       福永与一郎君    常任委員会専門    員       武井 群嗣君   —————————————   本日の会議に付した事件 ○地方自治法の一部を改正する法律案  (内閣提出衆議院送付)   —————————————
  2. 西郷吉之助

    委員長西郷吉之助君) それでは只今より委員会を開会いたします。
  3. 吉川末次郎

    吉川末次郎君 議事進行について。会期が非常に切迫して来たのでありますが、委員長議事の取扱について、議事進行をいろいろと御苦心下さいますことは大変感謝しているのでありますが、議案のうちで大体において各委員ともそれほど意見相違のないと見なされるもの、或いは又非常に実施期日との関係上急を要するものというようなものにつきましては、我々のほうでもそれに即応した考えを以て臨むようにいたしたいと思うのでありますが、ただ著しくこの法案の内容についての考え方において、政治的な立場からの意見相違を来し意見対立を来しておりまするようなものにつきましては、特に慎重なる考慮委員長が払われたいと思うのであります。で、実質的に我々参議院の持つておりまするところの法律上の権限が政治的に衆議院よりも弱いということのために、一つ法案につきまして我々が決定いたしましたことが、衆議院議決と反したようなことになりましたときには、憲法上、衆議院の三分の二の多数を以てそれが覆えされて我々の決定したところの意思が国会議決にならないということは、もとより委員長承知のごとくであります。従つて政治的な見地からいたしますると、そうしたやり方を我々がとるということにつきましてはいろいろ議論の余地はあるかと思いまするけれども、現実的に我々が衆議院議決と反対の政治的意見に終始しよう、又それが国家のために正しいことであるというところの信念の上に立つて我々が臨みますときには、その憲法の規定に準拠いたしまして、それから生れて来る国会内の政治戦術、と言うと甚だ語弊がありますが、やり方として審議未了ということをも考えて、実際上の我々の国家に対する正しいと思う意見の貫徹を期さなければならない場合もあると思うのであります。ただそういう点をお考えになりまするならば重大な政治意見対立を来たしておりまするところの議案につきまして、委員長はもとより、議長として至公至平の立場に立つて議案処理に臨まれるのが委員長の私は当然の職務であると考えるのでありまするから、ただいたずらに今日上げようとか明日上げようとかいうような政府意見に迎合して、そうしていたずらに討論の過程に入ること、質問の打切りを策すること、そうして早急に採決の過程に入ろうというようなことを急がれるということは、これは委員長の公平であるべき見地からして、この際重大なる御考慮をその点につきましては煩わしたいと思うのであります。今当面いたしておりまするところの幾多の法案の中には、明らかに今日重大なる政治性を持つて国民の間に意見対立を来たしておりまするところの法案があるのでありますから、どうぞ右のようなことを十分御考慮下さいまして委員長は公平なる立場においての議案審議に臨まれんことを希望いたしておきます。
  4. 西郷吉之助

    委員長西郷吉之助君) 只今吉川さんの御意見には御尤もな点もございまするが、御発言中に委員長が何か政府と呼応して運営上非常に独善的なことをやつているように私は聞きとりましたが、私は御承知通り常に重要な運営につきましては各議員諸君にお諮りしてやつておりますので、独断でやつたことは自分ではないと思つておりまするから、そういう点は御了承願いたいと思います。
  5. 吉川末次郎

    吉川末次郎君 再度発言を要求いたしますが、かような委員長個人態度について私は特定的にそうしたことを私の胸中において申述べたつもりではないのであります。若しそのように委員長がおとりになるような私の表現がありましたならば、それは決して私の本意でないということをどうぞ御了解が願いたいと思います。くれぐれも委員長は以上申しましたようなことに則りまして、飽くまでも意見対立をいたしておると思われるところの法案処理については、特に公平なる態度において慎重の処理をせられることをば重ねて希望いたしておきます。
  6. 中田吉雄

    中田吉雄君 地方税法はどうなつておるのでしようか。参議院におきましては非常に徴税上急ぐからというので、急速送付されました議案につきまして、六月十日に委員会を開き翌十一日に本会議にかけまして決定して衆議院に送付しているわけであります。我我といたしましては二院制度立場からして衆議院がどのように採決されようが、それについては何ら容喙するものではないわけであります。衆議院のほうでは地方自治法を非常にお急ぎのようでありますが、実際徴税上の影響からいたしますと、税法の非常に早い実施が必要でありますので、衆議院のほうで大分あつためてあるのを見ると、そうこれはお急ぎになるのではないというようなこともあるのですが、一体どうなるのでしようか。我々としては一つその関係と睨合せての審議も必要だと思いまするし、一体どういうふうになつておるのでしようか。非常にこの点で御努力を頂いている委員長にたびたびで恐縮ですが一つお伺いいたしたいと思います。
  7. 西郷吉之助

    委員長西郷吉之助君) 本日も昨日に引続きまして、午前中相当長い時間政府当局とこの問題について論議いたしましたが、大体きまつたようでございましたがまだはつきりいたしませんのでその回答を待つているような次第でございます。ところが岡野国務大臣がやはり向うとの協議に加わつておられまして、大体只今結論が出たようでございまするが、更にそれをいつの国会に上程するか、こういうふうなことを再度今問合せておりますのでもうじきその回答があるのではないかと思つております。
  8. 岡野清豪

    国務大臣岡野清豪君) 私から申上げます。もうすべてのことが完了いたしまして、ただ一点だけ了解をさしておかなければならん筋がございましてそれも今党の役員とも会うことになつております。それさえできればもう三十分ほど、出先が大分遠い所でございますから帰つて来るのを待つているわけであります。それで話合いができますれば、段取りといたしましては、明日は大したことはございませんから、衆議院の本会議にのせるということに段取りまでついている次第でございます。ただ一点だけ残つております点がもう二、三十分経たなければすべての子続が完了いたしませんので、実は遅れておるわけでございます。
  9. 中田吉雄

    中田吉雄君 委員長並び岡野さんは非常に御努力して頂いているのに恐縮ですが、自治法を施行します裏付税法でありますので、これが私はもつとはつきりしてからのほうが、もやもやしたうちで審議してもなかなか心理的にはつきりしないものがありまして、地方自治法を施行する裏付税法であつて税法はつきりしてその完璧が期せられると思うので、それがはつきりするまでちよつとお待ち願つたらどんなものでしようか。
  10. 岩木哲夫

    岩木哲夫君 私も中田君の意見に賛成ですが、今朝来政府及び与党態度が二つにも三つにも分れてあつちの与党幹部はこれを呑むと言う、こちらの与党幹部は呑まぬと言うて、而も具体的に言えば自由党水田政調会長各党役員室を訪問して、僕のほうは呑まないようにするのだから賛成してくれ、と野党のほうに陳情して廻つていると言う、こちらのほうの大臣は呑むことにきまつたのだからどうぞ御安心下さい、だんだん煎じ詰めて行くともう少し待つてくれと言う。結局これをほかの破防法、警察法というものに対して自治法というものを駈引に最後まで使おうとして、呑むとか呑まぬとか、呑んだり吐き出したりしつつ最後まで持つて行くということが作戦だからというこの三つの話が衆議院参議院の中に展開されておるというような実情であります。本来ならば、この法律案与党各位のかたの修正案が強く出され、又各党とも一致してそれぞれ出しておる。而も衆議院の代表の野村專太郎修正対策委員長了解、事実上両院協議会になるべきを西郷委員長が折衝して両院協議会経ずし参議院修正案を呑みます、了承いたしますという約束の下に本会議に上程されて決定されたような形であつて、それを衆議院修正は総額百三十億、参議院は二、三十億であるが、参議院の二、三十億は生意気だ、それだけの財源がないではないかという侮蔑的な態度でこの法案をあの手この手の道具に使おうというような駈引の段階が現在の状態であります。今岡野大臣が非常に御苦心なされてかれこれ折衝されておるようでありますけれども、やはりもう三十分くらいで返答があるのだつたら一遍休憩でも願つてその返答を聞いてから審議して頂くというふうに、先日来からのいきさつから見て、成るべく早く結論を上げたいという状態から見て、委員会のとるべき正しき態度だと私はこう思うのですが、折角とてもお急ぎ吉川委員の御請求の資料その他も立派に揃つておりますので、無駄の時間を費したくありませんが、やはりこれは挙げて当参議院或いは当委員会の重大な政治的責任のある問題でありますから、一応そのもとをはつきりつけてから審議して頂くというふうにすべきがいいのではないかと思いますが、どうでしようか。
  11. 中田吉雄

    中田吉雄君 只今岩木委員の言われたことをみて私はますますその必要を痛感したわけなんです。こういうことで、蛇の生殺しのようなことで審議の駈引に使われましたらこれこそ私は非常に重大な影響を受ける。むしろここで一両日でも休んで頂いて、我々の案を呑んでとは言いませんが、衆議院独自性もあるわけですから、はつきり結末をつけてもらつて、一瀉千里であとは全部委員長立場十分了としてやりたいと思うのですが、一つそのようにお諮り願いたいと思います。
  12. 西郷吉之助

    委員長西郷吉之助君) 私も同感でございまして、実は今朝岩木さんと一緒に長時間折衝いたしましたがどうもまだいささかはつきりしないところもございますので、これは先日来の理事会でも各党も強く要望しておりますので、これはどうも政府においてもう少しはつきり早く確定しないとこれがどうしてもこの審議影響いたしますので、今の御要求に対しましては私は全く同感でございます。今さよつと大臣が何か発言を求められておりますから……。
  13. 岡野清豪

    国務大臣岡野清豪君) 岩木さんのお言葉の中から水田政調会長の名前が出ましたから私一応釈明いたします。時間は一時三十五分ちよつと過ぎでございました。党の三役全部に会いまして、そうして私が先ほど申上げましたような方向に来ておるということをはつきりはつかんで来ております。でございまから、或いはいろいろおうわさをお聞きになつて何か誤解があるのではないかと思いますが、水田政調会長を含めた三役と私は話をして来ておりますからこれは御了承願いたいと存じます。
  14. 岩木哲夫

    岩木哲夫君 私は何にも知らんのに、衆議院の我が改進党の国会対策委員長ちよつと君えらいことだから来てくれということでそこであわてて行くというと、今自由党政調会長が来たぞ、僕は今廊下で行きちつた。改進党の部屋から出かけた水田政調会長衆議院自由党では、参議院地方制度修正案は呑まないことにしたいと思うので君のほうも同調してくれんかという申入れだつた。そこで君はそれは正式かと言うと、正式だと言う。それは重大だというので私も一応椎熊君と相談して早くやらなければならん。私は呼ばれた。そこで大変だというので直ちに緊急議員総会を今から三十分ほど前に開いて、実は自由党からはこういう申入があつたからどうするかということを言つたらばかも休み休みに言えとこういうことで一笑に附しておる。何で自由党がそんなことを言えた義理かと一笑に附しておるような次第であります。そこで実はこういういきさつがあつたからますます奇々快々になる。先ほど私が申したように自由党がこれを他の法律案審議或いは可決の上に道具に使おうという情報にまさに行当ると、これは私は水田政調会長の話は正しいので、私どもの椎熊君でも川崎君でも証人に喚問しまして聞いてもらいたい。更に私は委員長佐藤郵政大臣と控室で話しておつたときにも自由党政調会理事の何とかいう人がわざわざやつて来て、そして政調会ではこれを呑まないことにしたのだ、併しそれだけを私は西郷委員長の前で言うて、あと佐藤郵政大臣と耳打をして話しておつたのは、呑むとか呑まんとか道具に使うとかいう趣旨のことを何したことはもう一二〇%わかつておる。これはもう各方面のうわさが専ら今朝来出ておるそれの正に裏付の歴然たる証拠であつて、これは水田政調会長がそういう御相談をしたということは事実であるから、早速一つ川崎君と椎熊君を証人一つ私はお願いしたいと思います
  15. 中田吉雄

    中田吉雄君 私は内村さんから聞いて、この参議院修正の赤字の財源補填大蔵大臣の確約をとつておくことが今後必要だからその手順だというので、非常に了としてそれなら余りごたごた言つてはいけないということだつたのですが、岩木君の発言を聞いてまさに海千山千の自由党衆議院の人のやりそうなこれは手だと思うのです。それは実際私も聞いているのです。それは一番困るのが芸者花代の百分の百を百分の七十に参議院で下げた。これを何とか元に返したいというのをそれをやることが困難だ、だからここで固定資産固定資産言つてそこで又芸者花代を百分の百に直す。国鉄その他の固定資産税を復活して行くというのが考えられている政略だそうです。一つこれは塚田君が私のところの勝間田君に話をしたはつきりしておる問題なんです。
  16. 西郷吉之助

    委員長西郷吉之助君) 只今先ほど来いろいろ地方税法衆議院の取扱い方について御発言もございますけれども、連日私も向うと交渉しておりますので、今の御発言もございましたら御質疑がなければこの程度で散会いたしまして、連日私が単独で、今日は岩木さんとも御一緒に午前中も交渉しておりまするが、今いろいろ御発言がありましたように、あれやこれやのことが向うではそのままであるので一応ここでは報告もできませんので、一つ理事各位に御同行をお願いしたいと思います。本日はこれにて散会いたします。    午後二時四十五分散会