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1952-06-06 第13回国会 参議院 地方行政委員会 第46号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十七年六月六日(金曜日)    午前十時五十分開会   —————————————  出席者は左の通り。    委員長     西郷吉之助君    理事            堀  末治君            中田 吉雄君            岩木 哲夫君    委員            石村 幸作君            高橋進太郎君            宮田 重文君            岡本 愛祐君            館  哲二君            若木 勝藏君            原  虎一君            吉川末次郎君            林屋亀次郎君   政府委員    国家地方警察本    部警備部長   柏村 信雄君   事務局側    常任委員会専門    員       福永與一郎君    常任委員会専門    員       武井 群嗣君   参考人    弁  護  士    (元東京交通安    全協会会長)  藤岡 長敏君    荒川区第一峡田    小学校長    村田  享君    全自動車運輸労    働組合連合会書    記長      荻原  正君    帝都自動車交通    労働組合執行委    員長      伊坪 福雄君    警視庁交通第一    課長      板山 文藏君    東京交通労働組    合副委員長   萩原 信治君   —————————————   本日の会議に付した事件 ○道路交通取締法の一部を改正する法  律案内閣提出衆議院送付)   —————————————
  2. 西郷吉之助

    委員長西郷吉之助君) それでは只今より開会いたします。  開会に当りまして参考人各位に御挨拶申上げますが、御承知のように道路交通取締法の一部を改正する法律案が本委員会に付託されまして、目下審議中でございますが、そのうちで従来いろいろ問題となりました対面交通の問題、又いわゆる第七條規定にあります無謀運転に関する罰則の問題につきまして、皆さんがたにおいでを願いまして御高見を拝聴したい。こういう考えで、わざわざ御多忙の折をおいで願いました次第でございますが、どうか各位におかれましては、短時間でございまするが、二つの問題につきまして御意見を拝聴できれば、誠に幸甚と思います。  なお各位の御発言時間は大体十五分見当にお願いしたいと思います。又議題を逸脱しないように御注意願います。これより順次御発言を願いたいと思います。では最初に藤岡長敏君。
  3. 藤岡長敏

    参考人藤岡長敏君) 対面交通の問題につきましてですか。
  4. 西郷吉之助

    委員長西郷吉之助君) 今申上げました対面交通の問題並びにいわゆる無謀運転の問題、両方一つ意見を承わりたいと思います。
  5. 藤岡長敏

    参考人藤岡長敏君) 対面交通の問題、これは理論的には正しいと思います。イギリスにおきましても一九三〇年あたりから、ロンドンでも実施されておるようであります。アメリカでも大部分の州は実施されております。理論的には正しい。然らばどういうようなふうにいい結果が期待されるかと申しますと、大体対面交通においていい結果が科学的に期待されますのは、場所的に申上げましてハイ・ウエイではないか。又時間的に申上げて夜間交通ではないかと思います。日本現状におきまして、対面交通が非常に効果を発揮するようなハイ・ウエイというものは殆どないのであります。では夜間交通でなぜ対面交通効果を発揮するかと申しますると、自動車ヘッドライトで照射されるほうは、数町離れておつても照射されておるということがわかりまするが、ヘッドライト運転手前方障害物を発見するのは余ほど接近してからでないと発見ができないのであります。でありまするから、あらかじめ非常の予知を與えるために、向い合つて交通しておるということは、夜間交通の場合にいいのではないかと思います。併し今のやり方のような、数十年来ついた左側通行の慣習を破つて右側通行を強制するといし方法で以て対面交通をするという問題につきましては、これは余ほど考慮を要する問題ではないかと思います。本当はむしろ車馬を右側通行とし、歩行者をその横の側においたほうがよりスムースに行われるのではないかと思いますが、併しその点は相当経費等の問題について考慮するべき点があるのではないかと考えるわけであります。大体対面交通に関しまする私の意見は今の通りでありますが、今対面交通を実施しておる現状を、街路を見まするのに、まるでこれが交通安全のおまじないであるかのごとく強調されておるというきらいがあるのではないかと思います。でありますから対面交通が行われれば、交通事故というようなものも全然なくなつてしまうのだというふうな印象を世間に與え、実施後それほど事故が減つておらんというので、対面交通に対する効果ということに対して、民衆の期待外れという点があるのではないかというふうに言われる点もないではない。狭い、歩、車道路区別のない道路におきましては、対面交通はナンセンスであります。と申しますのはこの場合殆ど自動車は真ん中を通るのであります。歩行者が左を通つても右を通つておりましても対面交通であります。又歩、車道区別のある道路におきましては、対面交通の必要はない。要するに対面交通が、先ほど申上げましたように必要であり且つ効果が発生するのは、欧米にありますような、あのハイ・ウエイのごとき、非常に高速の車が通りますが、歩、車道区別ができておらんというような場所において、初めて偉大なる効果を発するのではないかと思います。  それから、もう一つの問題の無謀運転に関する罰則というお話でありますが、これは私何ら予備知識を持つておりませんのでお答え申上げることができません。
  6. 西郷吉之助

    委員長西郷吉之助君) それでは、次に村田享君にお願いいたします。
  7. 村田享

    参考人村田享君) 私も対面交通についてだけきりわからないのでございますが、この対面交通につきましては、自分意見として申上げるのも大変失礼と思いますので、実は学童を通しまして母の会、或いはPTAというように呼びかけまして、そうして対面交通の当否についての無記名投票をして見たのであります。その結果を申しげながら、意見を入れて見たいと思つております。  大体二千人につきまして調査した結果、対面交通はよいというかたが約千二百六十名です。それから悪いというのが六百七十何名かありました。どちらでもよいというのが約七十名近いのであります。それではよいと思うのはどういう点がよいかというので、細かい点を更に調査したのですが、その第一番目に、九百五十名以上のかたの意見は、前から来る車の安全確認することができるというのです。結局運転手さんの運転が拙劣で、仮に下手であつても前から来る危険をそれによつてよけ得られる。或いは雨が降つた場合とか、或いは雪解けの場合、軍が横滑りする場合でも、車の安全確認で出るのであります。それから追越しをする場合がある。そういうときにハンドルを左に切つた場合、自分の目の前にあるものですから、やはりそれについて注意ができるから、先ず対面交通はよいと思うというのが大部分なんです。その次の意見は後から来る車の心配がなくなるから、安心して歩道を歩くことができるというのです。これは結局いろいろあるのですが、私は、鉄道と言つてはおかしいのですが、複線の場合に恐らく歩く人は電車が、或いは汽車が来る方向の路線を歩くと思うのです。後から来る軌道を歩く人は恐らくないと思いますが、そういう点から見て安心感がある。これは人間心理状態としても確かだと思うのです。それから今までのように、急に後から来る車を左によけようか、右によけようかと迷うことがない。だから対面交通は非常によいのだというのが約二百名以上あるのです。そのほかは別に。細かいのでありますが、事故が少くなつたというのがあります。その事故の少くなつたということは、対面交通は、右でも左でも人間が通るのをどちらかにきめておけばよい。要するに対面交通であれば……。事故が少くなつたということは、結局統計の面から見ると多いようですけれども、これは電車自動車台数、或いは自転車、荷車の台数が殖えたからであろう。比較する場合に、事故が確かに少くなつたということは実証できないのじやないかというふうな意見が多いのであります。それからよいほうで四番目は、自動車ハンドル右側についておるのでよいということですが、又そこからいろいろな問題が出ると思いますが……。それから五番目が、車と人の入り乱れがないので通行が非常にやさしく行われていいというような、大体五つの観点からよいと思う人の意見を集計して見たのですが、前にも申上げましたように、そのうちの一番は前から来る車の安全確認ということと、後から来る車の心配がないということことから、安心して歩行ができるということが大部分挙げられておるのではないかと思います。  それから悪いというのはどういうことかというと、このほうも調べて見ましたら、これは悪いという言葉は当らないのですが、とにかく五百人以上のかたは、大体習慣を破られるので困る。これだけなんです。この習慣が新しい習慣ならいいのですが、これは私の意見ですが、折角対面交通をやつても、今日から右側を歩くのだというので、急に変ることになつて、今度は左だというのでは習慣もなかなかつかないのではないかというのが多い。第二番目は、狹い道路になると混乱をする虞れがある。これが第二番目であります。第三番目はこれは悪いとかどうこうというのではないのですが、右側を実行しないということ。子供たちはよくやつておるのですが、大人はしないのが多い。なぜしないかということに疑問を持つてつたのですが、これは大人調査で、自分が実行しない人が言つておるのです。それから四番目は、これはちよつと妙な意見なんですが、車に新しい規則をつけてくれというのです。この新しい規則というのは、私はちよつと見当がつかないのですが、例えば何と言いましようか。左側を通るのだということで何かそこに御意見解釈できないのがありました。それから五番目に、どうせやるならば人の場合を全部左側通行にしてくれというのであります。それから六番目は、これはよくわかりませんが、正面衝突の危険があるというのが幾つかあつたのですが、これは実際面から出たのではなく、対面交通がそういう結果を来すのではないかということを臆測して言つたのではないかと思います。  大体今申上げましたようにいろいろな調査の結果から見ますと、対面交通は確かによいということを私も自分で事実交通の訓練などをしまして、又子供たち交通自治会などの子供の話を聞きまして、或いはPTA、母の会の会合で、子供事故の場合に、それに対するところの対策の会がありますときに、やはり母親たちは、対面交通は確かによいというような意見が多い。こういうように私思いますので、皆さんの御意見を取りまとめまして、ここに参考でありますけれども、発表した次第であります。
  8. 西郷吉之助

    委員長西郷吉之助君) それでは、次に荻原正君。
  9. 荻原正

    参考人荻原正君) 荻原でございます。私は主として罰則規定についていささか申上げたいと存じますが、その前に、実は私ども全国自動車運転免許証を持つて生計を立てておる者を代表しておるわけでございまして、その立場から申上げるわけでございますが、私ども交通法規については、これはもう厳格でなければならない。特に道路交通においては厳格でなければならないということを強く感じております。従いまして罰則につきましても、交通安全建前に立つて、悪質な違反については、どしどし厳罰にしてほしい。従いまして私どもはその建前から、現行法処罰そのものを全面的に変えて頂きたいと申すのではありません。法に違反をしておるからと申しましても、事情があるわけでございますので、軽微なものや、或いは日本の現在の道路事情車輌事情ども十分配慮をして頂いて、そういつた実態を無視して、何でもかんでも体制や罰金刑を科するというような現行法については、これは私ども適当でない。こういうふうに考えて、全国から数万の自動車同業者署名を添えて、実は先般罰則規定の一部改正をお願いしたような次第でございます。そこで取上げられておりまする問題は第七條に関する罰則並びに二十三條その他の罰則規定があるわけでございますが、これらは御承知のように、おしなべて三カ月以下の懲役又は五千円以下の罰金ということに相成つておるわけでございますが、私どもが、いろいろ自動車運転手としての立場から申上げますると、先ず七條について申上げて見ますと、七條の第一項の一並びに四でございますが、これは自動車操縦装置或いは操向装置に重大な故障があつた車を運転した場合の処罰でございますが、自動車の少くとも免許証を持つておる運転手が、操向装置やその他に重大な故障のある車を運転する馬鹿はないのでありまして、若し仮にこういうようなことが発見されたといたしましたならば、これは私ども想像いたしますに、日本車輌事情から来る運転中に起る軽微な、そうしたような故障ではなかろうかと思のであります。併しながらこれにいたしましても、私ども自動車そのものが古くなれば古くなつたほどに、三カ月に一遍或いは六カ月に一遍というふうに車輌検査東京の場合は警視庁で受けるわけでございますから、従いまして車輌検査合格ということは、この次の検査までは車を使つてよろしいという検査合格になるわけでございます。ところが処罰車輌を持つておる者、或いは事業を営業しておる者には関係なしに、自動車運転手にかかつて来るところに問題があり、更に又その処罰罰金刑で全部やられておるということに問題があるのでございます。  それから更にこの中に飲酒運転がございますが、これは現行法では「酒に酔い」というふうに、いわゆる泥酔と、こういう恰好になるわけでございますが、この解釈取締る者によつてまちまちなのでございます。実は酒の好きな者と嫌いな者と、従つて量を多く飲んでも酔わない者、或いは量を多く飲むと直ぐ酔つばらつて全然運転ができなくなる者とあるわけでございますけれども、現在の取締を見ておりますと、酒の匂いがするということで処罰を受けておるというような例があるわけでございます。更に速度制限でございますが、速度制限につきましても、私どもといたしましてはいろいろ問題があるわけでございます。これは先ず一般的によくある例でございまするが、交通の非常に頻繁な、例えば京浜国道のような道路でございますと、御承知のように速度制限高速度車、中速度車或いは低速度車とございますが、これらが京浜国道をその速度に従つて参りますると、片面だけで三側になつて通行することになります。これが前方に参るものと手前に来るものと、合計いたしますと六側になるわけでございます。日本道路でそのような道路はないのでございまして、従いましてどういたしましても、例えばトラックの場合ですと、その道路の状況によつて交通流れを円滑にいたすためには、どうしても多少の速度が出るわけでございます。そういたしませんと、あとから参りまする高速度車の乗用車が交通妨害をされるということになる。このようなことから、その交通流れが妨げられてスムースな交通ができないという事情があるわけでございますけれども、こういうような場合にも、やはりトラックなどは処罰を受けております。更にこのような例もあるわけでございますが、例えば、先般新宿にあつた例でございますが、道路で二百メーターほどの間隔をおいて交通取締官が二人でスピード検査を行なつております。これが二百メーターほど先から来る自動車ストップ・ウオッチを持つて検査をしておるわけでございますけれども、これが御承知のように速度が早いものですから、あそこの道路はたいがい特に指示のないものは四十キロの速度で走つておるわけでございますが、これが時速四十キロで走ります場合に、二百メーターの距離を通過するのに大体十八秒ほどかかるわけでありますが、これが一秒違いますると約時速で二キロから三キロ違います。二秒違いますと大体六キロほど違うわけでございます。従いましてその間を十八秒で走つた場合と十五秒で走つた場合、四十キロと四十五キロ乃至四十六キロの差が出て参ります。これがちよつとした瞬間、検査をやつておるときのちよつとした動きによつてきめられております。その処罰がやはり三千円なり四千円なりの罰金刑で行われておるわけであります。  更に二十三條に参りますと、二十三條の罰則も、やはり二十八條で行われておるわけでありますが、積載の問題でございます。この積載の問題については、私ども関係組合は大いに迷惑をしておるわけでありますが、例えば積載物件埼玉の所轄の警察で許可を受けて東京に持込んで参りますと、東京都でそれがストップ食つて、その荷物の運搬が停止される場合が間々あるわけでありまして、埼玉から大きな植木を持つて東京に入つて参りますと、東京ストップ食つて東京処罰されるわけです。こういう例がございます。更に積載量の問題といたしましては、トラックは大体四トン積載するわけでありますが、これがいろいろの事情で四トン以上積載する場合がございます。これもやはり摘発されて処罰を受けておりますが、これにはいろいろ事情があるわけでございます。よくある例といたしましては、得意先で五トンなり六トンなりの荷物を積まされるわけであります。これを運転手交通法規にこういうふうになつておるからということで断わりますると、その得意先からお払箱になり、そのことが会社に持込まれて、会社で私どもの中にもあるわけでございますが、その会社を首になつたということがございます。これは運転手が悪いわけではないのでございますけれども、この処罰もやはり運転手に何千円という罰金がかかつて来ておる。こういうようないろいろな例があるわけでございまして、私どもといたしましては、挙げれば例はたくさんございますが、そのような、不可抗力的な、それからいろいろな事情で、当然起つて来るようなそういうものまで、現在の法規は体刑若しくは罰金刑処罰をされておるというところに問題があるわけであります。  私どもといたしましては、トラック運転手は、大体実収が一万円から一万五千円でございますが、この中から罰金刑ということで、二千円なり三千円なり若しくは五千円なりのものをとられますと、生計に大きな影響をいたして参ります。私ども昭和十年頃、その当時の収入が一カ月八十円から百円、その当時の場合は、やはりこれと同じような性質の違反行為につきましては、五十銭から三円くらいまでの科料で済んでおりまして、そういたしますと、大体その当時の実収に比較いたしまして三%くらいでそういうものが済んでおつたわけでございますけれども、現在は三〇%から三五%、まごまごすると五〇%もの罰金をとられる。更にその罰金罰金でございますから検事局に呼び出されまして、どんなに早くても二日はつぶされるわけでございます。更に罰金ではございますけれども、本人は知らないでおりましても、戸籍面ではこれが前科ということに相成るわけでございます。さようなことにつきましては、私どもは現在の事情から、日本状態から推しましても、やはり科料という措置をとつて頂きたい、冒頭に申上げましたように、私どもはその違反行為の悪質なものにつきましては、厳罰に処して頂いて結構でございますが、そうでないものまで、その中に含めて処断するということにつきましては適当でない。このように考えておるわけであります。よろしく御判断を賜りたいと思います。
  10. 西郷吉之助

  11. 伊坪福雄

    参考人伊坪福雄君) 私は只今述べました荻原君と同じ団体の代表をやつておる関係上、道路交通取締法改正に対しては何回かの会合を開きまして、そうして署名運動を通じまして請願しておるような状態でございまして、概略は只今荻原さんが述べましたので、同じような理由で時間を割くということは申訳ないので省きたいと思います。ただこの無謀交通の中で最前荻原氏が申上げましたように、操向装置の問題とか、或いは泥酔運転取締る者のその解釈によつて、非常にいろいろな問題が起きて来るということで、泥酔運転の面でもただこの字句から言えば、確かにこういう字句になつて来ますが、お巡りさんちよつと酒の匂いを嗅いで、これは酔つばらつておるからというので、こういう処罰を受けておる。  それからもう一つ最前スピードの問題もあつたのでありますが、あの場合でも、私たちのほうで取上げた問題ですが、運転手が、その場所を通るときにスピード違反調べをやつておるのを見ておつた。それで、帰りにそのスピードを調整して来たのですが、四十五キロ出ておつたという面でやられたのです。その場合にやつた、やらないで争つたのですが、その際、丁度後から白バイがついて来ておつたのです。その白バイが仲に入つて来ました。私はあなたも知つておるように、そんなに出してやしないと言つたところが、白バイの人が確かに運転手はそんなにスピードを出していなかつた言つたので、とにかく今日は帰つてよろしいということで、帰して頂いたのですが、若しもその場合に白バイがついて来なかつたならば、ここに記載されておるようなところの罰金刑というものが、当然その運転手に科せられる。こういう例もいろいろあるわけでございます。  それからもう一つの例は取締る者の立場によつてはいろいろな解釈になることは、これは蔵前警察にあつたところの問題ですが、今年の三月です。これは交叉点において追い越して行つたわけでありますが、それには追い越すような若干の理由はあつたのでございます。それも小型が車道のほうを通つてつて、とても邪魔になつて、のろのろ走つてつたのちよつと抜いたというような面で捕つたのですが、このような場合も大したことがないというような面でお巡りさんが見たのですが、一回違反をしておつた。それはとんでもないやつだ。前科者だ。送つちまえということで蔵前警察に連れて行かれて、これは十日間の就停を課せられておる。これも前科者でなければ結局処罰されないで済んだのですが、こういうような面においても、取締りの交通巡査の感覚によつて厳重なる処断を受けておる。  こういうところの処断が半月の間に三回重なりますというと、これは就業停止が大体十日ほど参ります。その十日以内に免許証検査を受け、検査が大体八十点くらいの点数を取らないというと、免許証が取上げられてしまう。これが現実の事実なんです。こういう面もよろしく御勘案願つて、そしてこの問題をよろしく御審議願いたいと思います。
  12. 西郷吉之助

    委員長西郷吉之助君) 次に板山文蔵君。
  13. 板山文藏

    参考人板山文藏君) 警視庁交通第一課長でございます。いろいろ御意見かあるようでありますが、私は実際警視庁警察でどういう方針でどんなようにやつているかということを申上げて、それによつて判断を頂きたいと思います。この罰則の問題でありますか、第七條無謀操縦のことにつきましては、これが二十八條へ行きまして、只今まで御説明があつたように罰金並びに懲役と、罰金以上の刑になるわけでありますが、こういう点についても少し申上げてみたいと思うのでありますが、この主として七條違反関係でありますが、その七條をよく研究してみますというと、構造装置ただ故障があつたのでは無謀操縦にならないのであります。特に「重大な故障」というところに意味があります。「運転の資格を持たない」第二号であります。これは無免許運転でありますが、このことについては、もう申上げるまでもないと思います。「酒に酔い」でありますが、酒に酔つただけではないの でありまして、「正常な運転ができない虞がある」こういうところに意味があるのであります。「たずな、ハンドル」第四号の問題でありますが、これも「安全操縦に必要な操作を怠つて」ただ離したというだけじやなしに、その上に安全操縦に必要な操作を怠つた。  第五号の「最高速度の制限を超え」の点と、「交通に対し不当に迷惑を及ぼすような方法で」諸車を運転した。こういうことをよく考えて見ますというと、これはいずれも現実には一般通行者に危害が生じない、事故が起らないかも知れませんが、こういう状態は必ず人の、一般通行者、或いは諸車の生命、身体、財産に危害が切迫しておる状況である。こういう状況のときに、無謀操縦として扱つておるのであります。それが正しい解釈だと思うのであります。  そのほかのことにつきましても、只今荷物積載のことがありましたが、この二十八條によつて罰金以上の刑に処せられるのは、いずれも現実の危害、その後直ちに生ずるであろう危害を防ぐためにと、こういうことに実は重点があるのであります。これは警察官吏が諸車の乗車、積載又はけん引について危険防止のために特に必要があると認めたときは、その運転を一時停止し、この積載やけん引或いは乗車については、すでに許可があり、或いはない場合も、ある無しにかかわらず、つけ方、乗り方、引き方、これが特に危険がある。こういうことで、現実の行為としてその車を停めて、そして必要な処置をする。今後続けて運転を継続するために必要な処置を命ずる。その停止に従わなかつた。こういうことでありましたら、これはその後直ちに重大な危害が予想される。許可、不許可の問題では実はないのであります。そのほかのことも、いずれもそういうようになつておりまして、二十八條の処分については、この行為の内容から考えても、当然その罰金以上の刑に値する。こういうように考えられるのでございます。従つて罰金以上の刑に値するだけの本質的なこの事故、同様の或いは類似の交通違反交通事故を扱う警察といたしましては、非常にこれは慎重に考えまして、決して酔つていたから、息を嗅いでみたら酒臭かつたから、これが泥酔運転だ。こういうようなことはないのであります。その結果、更に正常な運転ができないというように認められるときに、初めてこの酩酊運転ということで、国警本部のほうからも調査が出ておりますが、これを御覧になりましてもおわかりになると思いますが、酩酊運転、酩酊して息を嗅いで見、酒臭かつたということでありますならば、千八百十人昨年はあつたのでありますが、それが本当に酩酊運転として警察で取扱つたのは五百十三人、こういう数字でありまして、決して酔つぱらつたらみんな無謀操縦だということではない。これは警察の取扱いが、そのことについては罰金以上である、その行為の本質の罰金以上であるということについて、慎重な取扱いの方針で臨んでおります。その結果、決して今申上げたような一つ二つの或いは指摘されたようなことがあつたら、これはいわゆる間違いでありまして、こういう間違いは直すのにやぶさかでないのであります。併し本質的に皆そうであるということを考えるのは、これは私どもからすると、非常に心外なのであります。併し又誤りがあることはよろしく私は自覚自省いたしますが、さように考えております。その点は刑の本質から取扱いを兼ねて申上げましたのであります。又このことについて構造装置なんかについては非常に警察で制動装置、警音器、操向装置その他の構造装置については、莫大な街頭の車体検査等を行いまして取扱いはするのでありますが、それをいわゆる構造装置上の無謀操縦に値するということで検察庁に送致する数は、非常にこれは少いのであります。こういう点を御覧頂きましても、決してこの取扱いとして、何でもかんでもこう字句にあるというので、全部やつておるということではないのであります。  それから、こういう意味におきまして、この罰金以上の問題として、実は私はもうこれでいい。このほうが、実は警察も慎重になるとか、一般の自動車運転する人も、このほうがよろしい。こう考える点。それは一面においては、その行為が罰金以上の刑であるということで、非常に自戒いたします。善良な人ならば人ほど自戒いたします。そういう面で、この違反を防ぎ、交通事故を防ぎ、円滑なる交通の実現を期するということができます。若し仮にこれに科料が加わつたといたしましても、最初に申上げましたように、懲役罰金科料ということになれば、この事犯はやはりこういう非常に重大な事犯でありますから、これは罰金に値する。従つてそれ以下の、今までは相当説諭や戒告やいろいろなことで、再び間違いをしないようにということにおいて、違反のないように努めてきましたことが、こう軽い科料になるということで、或いはこれも、検察庁に送るというようなことになりますというと、結局科料だけ多く、勿論今までの罰金の中にも、検察庁で認め、裁判官が見て科料になるものがあると思いますが、又今まで出さなかつた者の中にも、若干の罰金になる者もある。結局は科料だけが余計に処分されるようなことになりはしないか。というのは、この取扱件数について送致件数が非常に少い。こういうところから、私は実は恐れるのであります。そうしてこのことが両面からして、私はよろしいのじやないか。こういうように感じておるのであります。  以上であります。
  14. 西郷吉之助

    委員長西郷吉之助君) 次に萩原信治君。
  15. 萩原信治

    参考人(萩原信治君) 交通局の都バスの立場から、委員長さんが言われたところの対面交通に対する運転者としての考え方を述べた、と思います  対面交通が実施されてから、どういうことが運転手にとつて対面交通はいいのだということになつたかということは、従来、ともすれば歩行者運転者というものは、対等の取締関係におかれなくて、運転手に対しては、見る、聞く、鳴らすというようなことが常に取締法規によつて強制されているにもかかわらず、歩行者に対しては、その点は案外道路取締ということに緩慢であつた。併しながら終戦後におきましては、歩行者に対しても、違反すれば相当の処罰をするのだというような法律ができましたが、ここにありまするような統計を見ましても、歩行者違反件数というものは、実際はもつと多いんだけれども、ここに取上げられておるものは、歩行者がほんの僅かである。如何に運転者と歩行者を対等的に取締る方法ができたとしても、実際の運用はこの統計に出ている通り歩行者に軽く、運転者に重いということが現実であります。そうしたような点から行きましても、この対面交通が実施されて、見る、聞く、鳴らすという、運転手にのみ課せられた問題が、歩行者自身に対しても、前面から車が来ることによつて、大きな注意を喚起することができるし、そうした点で運転者の立場としては、事故防止上、対面交通は尊重すべきであるという意見であります。そして対面交通が実施される過程において、運転手の望むところは、この、折角対面交通というようないい制度が歩行者に作られた。事故防止上、作られたんだから、この訓練というものをよくやつてもらいたい。如何に対面交通がいいということになつたとしても、ひと頃、非常に歩行者訓練に努力を払つたのだが、最近では少しもその歩行訓練というものが、対面交通に対して訓練が努力されていない。これはむしろ努力してどんどん中年者以上の人に対しても、これを実施するようにさしてもらいたいということが、対面交通に対しまするところの運転者の意見であり、又対面交通はよろしいという理由であります。  それから第七條無謀運転につきましては、今までそれぞれトラックその他の立場から申上げておりまするが、我々交通局の立場におきますると、今日道路運送車輌法という法律ができまして、従来、ともすれば免許証を持つているという立場において、一方的に運転手にのみ事故その他操縦上の取締りについては、司法処分乃至は行政処分が科せられたものでありまするが、車輌法によりますると、整備管理者というものができて、そうして整備上の問題につきましては整備管理者自身が一万円以下の、整備を怠つたというような問題については整備管理者自身が、罰金を科せられるという制度ができたということは、我々自身考えますると、非常に自動車事故に対して、又運転手の責任範囲に対して、いい法律ができたということを率直にこの点は申上げたいと思います。従つてこの第七條の第一項にありまするところの、「構造及び装置における重大な故障その他の事由により安全操縦できない車馬又は軌道車を操縦すること。」、これに違反した場合には、二十八條によつて懲役三箇月以下乃至は五千円以下の罰金がある。この第七條の第一項は車輌法のたしか四十七條だかに、運転手として仕業、点検しなければならないということが十六項目かに亘つてあります。この仕業、点検については、当局等におきましては運転者が運行を開始する前に、それぞれ適否というものを、仮りにハンドル装置が適当であるか、否であるかというようなことは、運転者自身がそれにチエツクして、それを運輸省のほうに、陸運局のほうに出させる。そういうふうにして構造上の不備というものを事故防止上の見地から、補つて行くのだということに更にしております。そういうようなことが現実に行われているとするならば、この第七條の第一項というものは、決して仕業、点検が完全に行われているとするならば、そうした重大な故障を持つている車であるとか、全安に操縦できない車というものを持出すという根拠はなくなるものであります。若し仮りにあるとするならば、それは出る場合には、仕業、点検して完全であつたのだけれども、材質の、目に見えない材質の不良等によつて、途中において車輪が抜けるとか、シヤフトが壊れるとかがあり得ましよう。併しそうした場合に、この第一項が適用されることは我々から申せば非常に理不尽なことであると思うし、従つて今日車輌法の第四十七條によつて、十六項目により仕業、点検して運転手が出るということになりますれば、よろしくこの第七條の第一項については、むしろ私自身としては、削除してもよろしいのじやないかということを申上げるものであります。併しながら、これは交通局のバスというような場合には、今言いましたように整備営理者その他検査制度等々というものが比較的完備いたしておりますから、そういうことが言えるのでありますが、小さい業者につきましては、なかなか今日そこまで整備営理制度というものが完備しているとは、私もちよつと考えられません。従つてこの労務管理の建前から行きまして、弱小経営体におきましては、運転者自身に対しまして非常に構造上不備のある事車を強制して使わせるようなことがあるのじやないかというようなことも想像されます。又運転者自身といたしましても、車を運行しておりますことによりまして生計を立てております者ですから、そうした若干の故障等につきましては、経営者が使えと言われて場合には、自己の生計を立てる建前から言つても出る場合もあり得ると思うのであります。そうしたような弱小経営体におきまして、そういうことが現実に行われざるを得ないような現在の過程にある場合においては、やはりこの第七條の第一項は、我々の立場からすれば廃止すべきと思うのでありますか、せめてこれを第二十九條のいわゆる「三千円以下の罰金又は科料」というほうへ、過程処置として、経過処置としては変えることが望ましい問題ではないかというふうに考えるものであります。  それと最後にこの処罰という問題につきましては、今日司法処罰と行政処罰、この二つが運転者にはあらゆる罰則として科せられて参りますが、それ以外に交通局等におきましては、局内処罰というものがあります。或いは一つ事故等によりまして、運転手が、職務として運転手をやつておる者が、昇給が停止になる。それから減給されるとかということが職務上における局内処罰になつております。従つて一つ事故件数等によりまして、内容は、事故の内容はいろいろあるにいたしましても、司法、行政、職務処罰と、三重の処罰が来るのであります。従つてこの点は非常に、運転を業として生計を立てている我々にとつては大きな痛手なのであります。従つてそうした面から見まするならば、全面的にこの罰則という問題については、軽減してもらいたいということを総括的に申上げるわけであります。この場合は、あえて我々交通局の人間ばかりでなく全国的の運転業者は、それぞれそうした経営者、会社処罰であるとかというものは、必らずこの一つ事故によつて負荷されると思います。従つてこの三重の処罰の問題については、これはあえて交通局ばかりでなく、全日本運転手にこの問題が全部かかつつて来ている問題ではないか。そういうように考えられまするならば、この私が申しますところのこの総括的に、この罰則というものを軽減して生活を確保するようにしてもらいたいということを総括的に申上げるわけであります。  以上ございます。
  16. 西郷吉之助

    委員長西郷吉之助君) 以上によりまして、参考人意見の発表を終りましたが、御質疑がありましたらお願いしたいと思います。
  17. 若木勝藏

    ○若木勝藏君 板山さんにちよつと伺いたいのですが、この第七條のいわゆる無謀操縦に対して、罰金以上の刑が必要である。こういうふうなお説であつたようでありますが、その際の御説明に、この科料という場合を挿入すれば、或いは注意で以て終つたものが科料に処せられる場合があるのではないか。こういうようなお話があつたのでありますが、私はこれは非常に実際面白いお考えであると思うのであります。そこで同時に、この場合に罰金以上ということになりますと、違反として指摘した場合には、何とかそこに処理しなければならないということから、科科で済むような程度のものも、罰金の中に入れられてしまうというようら半面も又私は考えられるのじやないか。ここが非常に、先ほどから実際に交通事業に携つておる方面と、あなたの方面との食い違いがそこにあるのじやないかと思う。私は、あなたとしては罰金以上とした場合には、刑を科するときには慎重にやると、取締者の立場としてはしなければならんというお考えはよくわかるのでありますけれども、ところが実際に交通の係りの巡査になりますと、一旦掴んだ以上は、何とかとなきやならんという意識が自然に働いて来て、注意で終るところのものが罰金以上に科せられる場合が却つて多くなるのじやないか。こういうことも私は考えられるのでありますが、その点からいたしまして従来も取締令には、科科を入れておつたものをこれを省くようになつたところの最大の理由はどこにあるか。こういうふうな点について伺いたいと思います。
  18. 板山文藏

    参考人板山文藏君) 今の御質問、お話でありますが、省くようになつた理由ということについては、実はこれは立法当時私はおりませんでしたし、その理由としては今申上げることはできないのでありますが、今の御心配の点でありますが、掴んだ以上はどうしても、まあ悪く言えば物にすると。こういうお話でございますが、これは実は罰金だけにそれができない。ここに私は非常に良さがあると思うのです。が、軽ければというようなことも考え、それじやいけないのでしようが、やはり罰金だ。而もその上に、検察庁がこれは非常に慎重に行う。こういう狙いで、私は実はここに全体の統計を持合せがないのでありますが、一つの署でこの間全体を、交通違反を送つたその検察庁のこれについてまとめたものを、報告を受けたのでありますが、それによりますというと、無謀操縦ですね。それと一般の関係とを比べて、無謀操縦のほうが、送つた数についてはいわゆる起訴率が高いのですね。一般のほうが起訴率が低い。こういうことは非常に警察が慎重を期しておる。従つてこちらのほうでやつたものは、それに該当するものが多い。こういうことではないかという結論に達するのではないかと思うのです。これは向うでやることですから、私どものほうとしてはその理由は聞きませんが、警察がこれだけにこのことについては慎重にやつたのだということを私はその全体の数から見て、非常に喜んでおります。それだけに慎重にはやつております。従つてこれは送つたものは全部科刑されるということではありません。勿論不起訴そのほか起訴猶予とかいろいろの処分がございます。それについては、こちらのほうでは異存はないのでありますが、そういうことで警察は捕えたら物にするという心配は、これだからない。だから最初に申上げたように、罰金以上であるがために、一般のその自動車運転する人、その他車馬を操縦する人についても、このことについては特に慎重でありたい。警察のほうも、それだけにそのことについては慎重を期する。この両面が行つて、非常に私はこういう方面からも結構なことである。  まあそれから最初に申上げたように、この率から言つても、現在の危険、いずれもこれを見てみますというと、この先交通を、運転して行つたとしたら自動車について言えばどこで事故を起すかわからん。こういうことが想像される場合が強い状態でございますので、いずれもそれを拾い上げて見ましても、そういうことでこの率の面からも、両面から言つて、これで科料になつたら全体が下るが、却つてそれこそまあいわゆる悪い意味の物にするということになれば、そういうことになつてはいけませんが、物にしいいという状態になるのではないか。こう思いまして最初に返つて、操徒者のほうに不利益が生ずるのではないかというようなことを、私の今の感じでは杞憂をしておるわけであります。  以上であります。
  19. 西郷吉之助

    委員長西郷吉之助君) 他に御質疑ございませんか。
  20. 原虎一

    ○原虎一君 これは板山さんにお聞きしますが、どうせあなたのほうは、警視庁として取締立場におられますし、又運転手諸君のほうでは取締られる立場におられますから、先ず板山さんに先にお聞きしますが、関連して運転手側のかたも、御意見を御発表願いたいと思います。  問題は、第七條罰金刑と体刑だけになつていることは、余りに重過ぎるということなんです。これは正直我々もそういう点を考えましたので、立場の異るかたがたの御意見を聞いて、十分に判断の資料にしようというわけであります。一番、私は現行警察制度において心配なのは、自動車運転手諸君が違反をした。そこで交通取締の警官に調べられて、これが検察当局に送られるということになりますね。そうすると、その場合におけるところの調書というものは、警察官が作るのです。そうして今度は検察当局へ行つて自動車運転手がそのときの実情を立証すべきものが通り得るか。警察官の調書に対して、それは間違いだ。こうだいう実証をする材料というものはなかなか持てないのですね。ここに僕は問題があると思うのです。一つには。  で、もう一つの片一方は、運転手は一日幾らで働いておる労働者ですから、正当に裁判で争いたいと思つても、一回やられると一日休みそれだけ給料が入らない。而も警察官の調書に対して抗議しても、それに反撥するだけの材料を持つていない。その材料を集めに行けば二度も休む。こういうことが起きて来るんですね。でありますから、まあそんなに休むよりか罰金なら納めたほうがいいと、で、事実相当に裁判で争う者は、背景に会社の援助があるとか何という者でなければ、運転手個人では僕は争い得ないと思います。こういうことを考えなしに、あなたのほうが今第七条の解釈法規通りにされていることが無理があると思うのです。立証のし易い方法は、従つてですね、運転手側が警官に対して、それは違うという立証のし易い方法が交通違反に対してあり得るとか。例えば第七條の一項のごときはどうか知りませんがこの速度違反になつて来れば、もうできないですね。警察官の認定が物を言うわけですから、科学的な実証すべきものがないんです。そういうあやふやな法律の根拠に基いて、あなたが言われるように、体刑と罰金だけが正しいか。体刑と罰金だけか正しいということになれば……。我々はそうは考えられないですね。  その点に対してあなたのお考えをお聞きしたいのです。
  21. 板山文藏

    参考人板山文藏君) この反証の問題でございますが、これは取締つた警察官が全部書類を作るのではございません。これは違反報告書を作りまして、これは一般警察は、司法巡査でありますから作ります。そうしてこれを署へ行つて交通の専務、或いは主任、こういう司法警察吏のほうで訊問調書なり、調書を作ります。そうしてそれを本人に聞いたものをそのまま書きまして、読聞かせて、そうして署名捺印をしてもらうということで、その現認巡査一人のもので検察庁へ送られるという事実はございません。全部これはほのか警察官が、もう一回調べ直すということになつております。それを立証するということになれば、その線で行つてもよいかと思いますが、併しそういうように、こちらのほうでは一人で何でも認めた通りにやつてしまうということではないことを申上げておきます。
  22. 原虎一

    ○原虎一君 そこで実際取締られておる側の運転手諸君の実情をお聞きしたいのです。もう一つは、私板山さんにお聞きしたいのですが、この第七條の一番問題点は、先ほど萩原信治証人が言われたように、七條第一項の問題が一番多く、参議院の運転手さんなんかでも、ときたま呼ばれて罰金を取られておるのがおるんですが、要するにスピード造反ですよ。これは一番むずかしいですね。警視庁の件数を見ましても、速度制限超過というやつが一万六千三百二十二、送致件数が九千二百十、検挙、送致の比率は五六・四%になります。相当なものなんですよ。ですから今あなたが言われるように、交通巡査が現場で違反者を捕えて報告書を作つたもので、それぞれ係りの上級の警官が調書を作ると言いますけれども、僕らの背の経験から言うと、それはその通り現場の警官が調べたものが、そのまま認められて行くということが九分九厘なんですね。余ほど乱暴な警官でなければ、警官のやり方が悪くなければ、上級の取締官がその警官の言うことを否認するようなことはないんです。ですからあなたのお考え方から言うと、僕らの考えに対しても、どうもその通りに行けるんだというお考え方ですが、もう少し実情と違う点をお考えになつて然るべきじやないかという気がするんですが、この点は、現実に取締を受ける側の運転手諸君の陳述を、十年も十五年も昔はともかく、今日はそうでもないかも知れませんから、その点は運転手諸君の意見を聞きたいと思います。
  23. 萩原信治

    参考人(萩原信治君) 私は先生のおつしやる通りだと思います。例として白バイというやつがあるわけです。白バイはバスより早いでしよう。一定の運行区門がきまつておるバスでさえ白バイにつけられた。そうしてスピード違反だと言われた。このときは板山さんが言われた通りですよ。白バイに乗つておる警察官は一人です。この一人の警察官の認定によつて、お前はスピード違反したのだという認定によつて書類を出される。こうした場合に、今板山さんが言われたように、その一人の白バイ警察官がこれはスピード違反だと認定して出した書類を、事務屋であるか上司か知らんが、これは間違つておるのだということは、恐らく言い得ない。まあ白バイ警察官の認定したスピード違反が間違つておるということを証明するのも何も上司であり、又、事務官としてはないのだから、そうした場合に、当然今日でも行われておる白バイ警察官一人の認定によつて罰金刑に行せられるということは、これは現実の問題なんです。これは私のところに現実あつたのです。  そうした場合に、板山さんが言われたような方法、手続をとつて間違いないのだということは、常識的にも私としては考えられないのです、その点は……。
  24. 萩原信治

    参考人(萩原信治君) 私からも一つ補足したいと思うのですが、先ほど原先生から御質問がありましたので、関連がありますが、実は只今警視庁の第一課長が申されましたが、これはちよつと余談にまりますが、私ども実は取締の問題につきましては、私どものほうの組織では、東京は勿論、警視庁、国警のかたがたと、それから大阪、或いは名古屋、神戸、それぞれ懇談会などを持つて、いろいろ話合いをしておりますが、その場合に、只今交通課長さんのように非常に話がよくおわかり下さるわけですけれども、実際に取締立場に下がりますというと、これは全然違うわけであります。そこに問題があるわけでして、警視庁などでも言つておりますが、交通警察官は、これはもう大体検挙した回数、これが点数制になつておるのが実情のようであります。従いましてこれに摘発されまして、書類を本庁なら本庁へ送られますと、大体これは処罰が来るということを運転手は覚悟しておるわけです。ただこの統計を見ますると、検挙回数と送致件数が違うようになりますけれども、今までそれを送られて、警視庁でそれが何と申しますか、検察庁のほうへ廻されず、警視庁だけで済んで見逃してもらつたという例は、私ども聞いておりません。先だつて京橋区でこういう例があるわけであります。これは私どもの組合員でございますが、京橋管内でやはり摘発されまして、これが書類が警視庁のほうへ送られました。ところが、こういうときどうかと思いますが、丁度その運転手の知つているかたが、或る署の部長さんをやつておられますので、それに頼み込んで、京橋のほうへそれではということで、本庁からすぐ電話して頂いたのですが、そのときには、すでに書類ができてしまつたあとで、どうにもならなかつた。こういう例があるわけであります。いろいろ例がたくさんあるわけでありますが、ともあれ、もう警察官に捕つて書数を送られれば、それは必ず来るということを言つても過言ではないと思います。  それから私、ここで申上げておきたいのは、警察官が交通法規をよく御存じないという事例がたくさんあります。それから非常にまちまちだという事例もあるわけであります。大森管内で、昨年でございますがありましたのは、トラツクが道路の傍へ交番の警察官の許可を得て駐車をしておいたところが、たまたまそこを通り合せた交通警察官から、これについて処罰を受けておるわけです。これは同じ警視庁の管下の警察官でありながら、交番の警察官の許可を得て駐車をしておいたものを、交通警察官に言われて処罰を受けておる。こういうような甚だしい例があるわけです。そういうように、実際には非常に私どもは無理なものまでも罰金でやられております。それを警察官のかたは、そういうことを言つても、交通法規がこうなつておるではないかということ。それからもう一つは、これは非常に昔からあるわけでありますけれども、そういうような行為について、たとえ一言でも二言でも言葉を交しますると、これは悪質だということで、却つて逆に重い処罰を受けておるような例が間々あるわけであります。ですから、非常に上司のかたは私どもの話をよくわかつて下さるわけでありますけれども、なかなかそうは現実には行つていない。こういうことであります。
  25. 板山文藏

    参考人板山文藏君) ちよつと、その場合の認定の問題でありますが、これは考えてみますと、白バイにはみんなスピードメーターがついております。併しこれによつてやるのと共に、前の車も車輌構造によつてスピードメーターがあることは当然でありますから、一人の認定と言いましても、このただ一人の認定というようなことでなく、各方面から制約されているということを一言御了解を得たいと思うのであります。  それから検挙と送致につきましては、これはこの数字に現われた通りであります。これは嘘でも偽りでもございません。私も送致しないそのままの書類を決裁しておることでもございますから、この点を一つ、どうか御了承頂きたいと思います。それから法規を知らない。まちまち。これは管下の警察官は数が多いのでありますから、絶対にないとは申上げられません。あることも想像されます。そういう意味において、教養等には十分注意しておるのでございます。そうして順次その成果も挙つておるように考えておるのでありますが、まだ十分ではない。こういうことで若しそういう点がございましたら遠慮なしに一つ、本人でなくても署長なり、或いは交通課長さんでも、電話でも何でもよろしうございますから、お知らせ頂きたい。こういうことを一言御了解を得たいと思います。
  26. 岡本愛祐

    ○岡本愛祐君 一、二お尋ねしますが、便宜、今無謀運転のお話が出ておりますから、それからお尋ねしたいと思います。  板山さんにお尋ねしたいのですが、私どもは立法の立場にありまして、第七條の立法のしかたが悪いのではないかと思つております。というのは、今お話の出ておるように「酒に酔い」とありますね。「酒に酔いその他正常な運転ができない虞」つまり酒に酔いというのは、正常な運転ができない一つの場合になつているんですね。ところが酒に酔いという言葉が非常に不正確なんです。つまり酒気を帯び、それから酒に酔い、泥酔し、三段階になるわけですね。その泥酔と酒に酔いとの間ぐらいから取締るべきじやなかろうか。どういう言葉がいいか、それはまだ私ども考えがつかないんですが、そこで酒に酔いというと、その正常な運転ができないことはない。でスポーツに例をとれば例えば、テニスをやつてつて、少し酒を飲んで、酒気を帯びるぐらいでなくて酒に酔つていても、非常にうまく行く場合がある。泥酔したら、勿論テニスはできません。だから酒に酔いという言葉がいけないのである。「酒に酔いその他正常な運転ができない虞」。であるから、正常な運転ができないぐらいの酒の酔い方でなければいけない。ところが取締法では、「酒に酔い」とあるので、酒気を帯びた。或いは少しのものも、これはいけないというので、引張つて行く傾向があると思う。そこで引張つて行きますけれども、これは送致するほどのものではないのですから、この通り酩酊運転で千八百件も検挙されながら、送致せられたのが五百十何人ということになるんですね。そこでこれがなぜ科料がついていないかというお話があつたけれども、それは科料にしないで、そんなものは、やつばりこの場合は考えていないんだ。これは重いんですからね。その正常な運転ができないと認めないことは……。安全装置がないとかそういうような非常に重いやつなんですから、だから科料は別に考えていない。そこで要するにそれぞれの書き方が悪いんじやないかというのが、私の御意見を聞きたいと思つたところです。  で、それは一例ですが、又五の最高速度の制限ですね。これなんかも、実害が起らなければ大目に見るということにしないと、例えば神宮参道のあそこは、環状線の交叉点で、非常にやかましかつた。私ども国会の自動車に乗つて毎朝あそこを過つて、しようちゆう捕えられた。あそこの廻り角は、運転手はどうしても少し急ぐ傾向にあると思います。早く曲つてしまおう。信号機がついていますから、そのうちにぱつと廻つてしまおうとして、速力を急ぐ傾向がある。そうするとすぐやつて来で、速力の今違反だ。こう来るのです。併しそのときは、ちつとも実害はなかつた。そういう実害のないものは、成るべく取締らないほうがいいと思います。それは今言うように泥酔をしておつたり、それから安全装置をすべきものを全然欠いておつたというようなものは、実害が起らなくても取締らなければならない。なんどき実害が起るかも知れませんから。併し、そういう人心の機微のある場合、少し速力を出しすぎた。そうしてそれが実害は何らないというような場合は、実害はないということから推して、この七條にあてないというぐらいの心構えが警察官には欲しいと思います。又法律についても、そういうふうに規定すべきだと思つております。どうですかこの点については。
  27. 板山文藏

    参考人板山文藏君) 只今泥酔の問題なんかにつきましては、只今のお話の通りであると私も思つておりますが、そういう意味において、この法が泥酔をして、正常な運転ができないようなふうに泥酔した。こういうときに、一つの問題として取上げておるということで、それは更に、今のお話のようにはつきりして来れば、一層幸いなことになると思います。速度の問題につきましては、実は実害の問題ですが、これはいろいろ考えかたや見方の問題が私はあると思うのでありますが、非常にその交通事故の大きな事故が起るところは、閑散なそうして割合に車の早く走る所で起れば大きいのであります。例えば銀座の真中では、なかなかよつばらいでもしなければ、なかなかそう大きな事故は起さない。併し小さい事故はしじゆうある。こういうようなことで、やはりその事故を防ぐ。こういうような見地からも、一応の考えを、やはりスピードについても持つべきではないかというような感じがいたすのであります。これもやはり実害がないという面も考えて行くべき問題だと思いますが、それのみではどうかというような意見を考えておるわけであります。
  28. 岡本愛祐

    ○岡本愛祐君 この駐留区域以外の場所においては、アメリカの軍人その他も、日本交通規則道路交通取締法に縛られることになるんですね。そうして今までの最高速度の制限をやつたら、皆違反になるのですね。
  29. 板山文藏

    参考人板山文藏君) それはそうでございます。この点については、非常に駐留軍は、日本交通法規を全面的に守るということについて、非常に実は熱意を示しております。この例は警視庁のほうにも、東京警備司令部や横田の基地から来て、法規一つみんなに知らせたいが、よくわかるようなものを一つつてくれないかというようなことで、私どものほうへ来たので、これは望むところですから、非常に苦労して一週間ばかりかかつて一つの問題を捉えて、横から縦から検討して、一つのところへ集めた特別なものを作つてつたのであります、英訳して……。非常に富んで幾たびかお礼を言われるような法規を、実はやつたんです。そうして向うは全面的に法規に従う傾向にあります。  実は近く緊急自動車指定の問題についても、国警から、いずれ全般的に通達が行くと思いますが、警視庁のほうに紹介が来ましたので、補給本部とも御相談いたしまして、これはもら指定をする。そうして皆にその許可証を持たせる。緊急自動車については消防自動車とか病院車とか、それから工作車とか、警察軍だとか、こういうものを日本の法律と規則の同じものを日本警視庁の指定証を全部持たせる。そうして場合によつては、検査をしたときにそれをちやんと示させるというところまで行つておる状況であるから、速度についても、勿論これは違反違反であります。ただこの取締の問題については、違反があつた場合はいわゆる駐留軍軍属家族についての刑事裁判権の問題になるのであります。これは又別になりますが、取締としては、一応そういうことでできるわけであります。
  30. 岡本愛祐

    ○岡本愛祐君 そこで、その今まで占領治下にあつたときですね。向うの自動車は非常な速力で走つておる。それで事故もあつたでしよう。あつたが、まあ向うのほうは日本の法律では縛れんから、えらい速力を出している。日本の車だけは縛つている。それからバイヤーなんかも便乗して、三万台とかえらい速力で走つている。そうして日本運転手がやつているのだけは、ちよつと速力を出しても取締る。これは非常に私は間違いであつたと思うんです。そこでまあ馬鹿に向うの車に遠慮して、速力なんかでもまちまちに制限してあつたのじやないかと思うんですが、今度は日本の法令によつて外国人も縛るということであれば、或いは速力の制限を少し変えなければならんと思いますが、事実上どうなりますか。日本のような車の遅いのは、まあない。アメリカのニューヨークとかフィラデルフイアとか、そういう大都会の車が非常に多い所は、ああいうえらい速力でやつていても、それほどの交通量がないのだから、今までの車の速力が、外国は非常に早く無制限、こちらは又不当に速力が弱いというようなことになつてつたのじやないかと思いますが、実際問題として向うも縛らうとしているときに、今までの場所々々の最高スピード制限、それをもつと上げるというようなことになるんですかどうですか、この点をお伺いしたいと思います。
  31. 板山文藏

    参考人板山文藏君) その点は実は上げる上げないはわからないのでありますが、あの自動車のほうの最高速度の制限として公安委員会で種々制約しているというのは、その場所状況、いろいろのことを勘案しての制限であります。要するにこれは安全運転事故のない安全運転ということが一面と、一面はこれは自動車でありますから、早く走らなければその価値がないという面も勿論考えてでありましようが、こういうことを考えての措置であると思うのであります。そういうことを考えたときに、これはまあ先ほどのお話にございましたように、実害という問題から考えたときに、日本の車であつても、交通事故の状況を見るというと、運転の不注意や又そのスピードを出した場合のブレーキのきくきかないというようなことが、非常に大きな問題になるのであります。こういうときにこの実害のほうから考えたときに、同じスピードの問題であつても、ブレーキがよくきく事となかなかそうではない古い車とは、取締において幾らか考えなければならない面もあるのじやないか、そういう点をアメリカの車についても、まあ一応私はそういうことは考えなかつたのですが、全面的にこれは従うというつもりで考えておつたのですが、やはりこれは一つ考えるべきものじやないかということも考えております。
  32. 岡本愛祐

    ○岡本愛祐君 私の御質問するのはつまり最高制限を余ら抑えられておくと、その違反車が多くなる。外国人も違反し、日本人もこの上それに加えて違反が多くなる。だから最高制限というものは、余ほど考えてもらわなければいかん、危険が非常に起るようになるその制限をして、なるたけ遅くすれば危険が絶対にないからというような消極的な制限じや、不注意が却つて多くなるのではないかというようなことです。  それからもう一つは、第五号にありますような人に迷惑を及ぼすような方法ということがありますね、これは最高制限の問題ではありませんけれども、余り遅ければ、却つて不当に人に迷惑を及ぼすようなことにもなりはしないか。その点ですが、これは法律の範囲内でありませんから、あなたがたのほうでそういうことを考えて頂かなければならんと思つております。  それから次に、対面交通の点についてお尋ねして見たいのですが、藤岡さんから理論的にいいお話を承わりましたが、私も実は偶然ですが、同じようなことを考えておつたのですが、アメリカのハイ・ウエイなら対面交通は是非とも必要だ。あの通りに五十マイル、六十マイルというスピードでぶつ飛ばして来るのですから、後から来られたらとても危い。だから対面交通をさせなければならん。こういうふうに思うのです。夜間の場合も同様です。ところが日本道路は、車道と人道の区別のあるところは別ですが、区別のないところは大抵狹いのです。それで自動車にどうしても中央を與える。又対面交通をやつて正面から来られちやうと右側を歩けないのです。左に寄つてしまう。我々は我々の住いの近所を視察して、こういうふうに思うのです。この点は運転のほうに関係しておられる荻原さんとか伊坪さんは、どういうふうにお考えになりますか。どうも狹いところでは、非常に無理じやないかと考えるのですが……。
  33. 伊坪福雄

    参考人伊坪福雄君) この問題は、私たち旅客のほうから見ますというと、歩行者対面交通を完全に実施していない。特に雨が降つた日には、ライトで以て照らそうとすると、道路の狹いところに歩行者が真ん中を歩いて来ておる。そうするとライトに照らされて、そこですくんでしまう。非常に運転に支障を来す、こういうような面がありますので、この対面交通というものを、今後においてどうしても実施して行くとなつたならば、先ず歩行者から訓練して行かなければならん。その当局者というものはただ交通安全週間とかいうものを設けて、その週間だけは、鳴物入りでやつておるが、それ以外には絶対にやつていないということがはつきり言えると思う。それは交通巡査のかたが、交叉点においては自分の指示に従わしておりますが、事一たび署に帰る途中においては、対面交通をやつていないところの、全然右側交通していない者がおつても、何ら注意しようとはいたしておりません。これは我々日常目撃するところであります。こういう面で以て置くならば、対面交通というものは効果のないものであつて、却つて弊害があるものじやないかと、かように私は思つております。
  34. 岡本愛祐

    ○岡本愛祐君 この法律が出てからすでに五年近く、四年以上も対面交通をやつて来た。ところが今申しますように、今お話があつたように、徹底しないのですね。しよつ中安全週間とか、それから模範道路というのは私のほうにもありますが、やつておるのですけれども、模範道路でやつておるときから崩れてしまう。そこには非常に無理があるのだろうと思います。長い間の習慣ということもあるかも知れませんが、対面交通というものが、狹い人道、車道区別のない通行路においては、どうしてもそこにそういう無理がある。実はこの法律を我々が審議をし作つたのでありますが、そのときにすでにもうそういう問題があつた。今度政府から出しておる改正点の一つである交叉点では直近を早廻りする。そのほうがいいのじやないかということを我々も言つたのです。それから又対面交通は無理だ、日本では……。なぜそういうことをする必要があるかということも議論したのであります。併しまあそのときの情勢で、是非ともこれでと、総司令部でも言つておるからということできめてしまつたのであります。やはりそれはうまく行かない。そこで問題にして皆様がたのおいでを頂いたのでありますが、これで当局者が、藤岡さんなんかは安全協会のほうの協会長で、たしか交通安全協会の協会長をなさつておられるのでありますが、今まで以上に対面交通について民衆を指導と申しますか、それをしてうまく行けるでしようか。この二、三年のうちにうまく対面交通を守つて、元の左側通行でやつていた時代のように整然とやつて行ける御自信があるかどうか。それを承わつておきたいと思います。
  35. 藤岡長敏

    参考人藤岡長敏君) ちよつと先ほど申しました対面交通効果について、世間は余りに大きな期待をかけ過ぎておるのじやないか。それほどの大きな期待は実はさせるべきじやないのじやないかしら。従つて大騒ぎして交通訓練なんかで、対面交通をまるで何んとかの一つ覚えのようにやらなくてもいいじやないかという気持さえするのであります。
  36. 萩原信治

    参考人(萩原信治君) 先ほども言いましたように、折角四年八ヵ月に且つて、負けたお蔭というか何か知らんが、対面交通という制度ができて、今日新制学校の校長さんがおつしやるように、児童なんかについては、警察官が指導するのでなくて、将来の日本というような立場から、先生がたが営々として指導なさつておる。このことは今日だんだん逆コースというように社会情勢がなつて行く過程の中で、こういつた比較的単純な、訓練によつては必ずなる。今民主主義だとか何んとか言つても、なかなか中等以上の人に民主主義の何たるかが、如何に滲透しようとしても、なかなかその通りならないということは、では、ならないから民主主義というものは、日本の国からやめてしまうということには恐らくならないと思う。この点ばかりは……。従つてそういう例と同じように、対面交通も、事故防止から言つたら、交通局の運転手は全部がやるべきだと言つておる。事故防止の観点から言つて。  もう一つは、歩行者についても、やはり事故防止観念を植付けるためには、やはり対面交通でやつたほうが、歩行者自身の自覚が生れて来る。それともう一つは、今日の歩行者が、法規がどうあろうと、一例で歩かないで三例、四例で歩いておるのであります。こうした場合に、前方から銃が来ることによつて三例のものが一例になつて避けるという気持が歩行者みずから生れて来るのじやないか。こういうことも併せ考えると、運転手としては、事故防止という建前から言つて、何としても対面交通といういい制度は……。それから警察官の訓練というものは、訓練はなつておらん。率直に言うと。巡査自身が、署の帰りがけには対面交通をやつていないという現実がある。このことは是非とも学校の先生がたも、将来の子供ばかりを対面交通を訓練させるのでなくて、やはり法律が施行されてある以上、やはり民主主義を今後将来とも残すと同じように、対面交通という、事故防止といういい制度を訓練することによつて、必ずや将来成果があると思うのです。今藤岡さんが言われるように、そのことは日本の国民性、昔からの習慣からなかなかできないと言うけれども、せめていいと思う対面交通については、運転手の声としてはやるべきだ。そうして又今日、日本道路状態も、それぞれ区画整理によつて、将来とも小さい道路ばかりを残して行かなければならんという理窟はない。必ず大きな道路になつて行くということも考え合せなければならないと思います。そういうことを考えれば、将来の進展に連れて、対面交通は残すべきであるということを強調したいと思います。
  37. 村田享

    参考人村田享君) 私も対面交通を実施したい一人であります。  実際この対面交通の指導をし得ない人、或いはその場に直面していない人は、いろいろな意見があると思うのです。この終戦後殆んど日曜は全部街頭に出て、そうして子供交通訓練に力を尽して来たわけでありますが、それが結局子供がそういつたような危害があつたために、一人でも交通事故をなくしたいという考えから、一月一日も抜かずにやつておりますが、学校においても結局廊下を歩くのでも、対面交通をやつておる。これは私、北海道の学校に参りまして、実は私の学校教育は健康教育……話が外れて大変失礼ですけれども、終戦後日本人は不潔である。何とか清潔な生活、心も体も清潔にしたいという観点から、健康教育ということを標榜したわけであります。これは言うまでもなく心身の健康は保健と安全教育、更に精神衛生から見たところの不良化防止である。この安全教育の観点として、交通安全というものを私は力説したわけであります。その意味から札幌に参りましたときには、廊下の真ん中に白線が引いてあつて子供が右左、いわゆる街頭で対面交通右側交通をやるから是非学校でも教育してほしいという父兄の切なる響きから、右側交通をやつておるという話を聞きまして、率先して、帰りましてから東京へ来まして始めたわけであります。それから子供右側を通ることにおいて、何とか子供交通班はないかということで、このたび警視庁から黄色い四角の交通班の標識が出たのでありますが、あれよりも早く私は交通クラブというものを真似た赤のストツプの信号を作つた。信号を作ることは規則違反かも知れないけれども、とにかく子供の信号としないで、ただ標識の気持で、子供は手を出して、停まれ、或いは進めという気持で、そういうものを作れば、これは自動車運転する人に対しても、できるだけそういう事故も少くなるし、お互いが協力して本当に明るい交通が建設されるのじやないかというような気持から、大体私もやつておるつもりであります。  これをやりました結果、対面交通が非常によいということは、実施しないというのは、言つておる人がしない。事実やらない人がかなりある。私が通つておりますのは、千住高砂町でありますが、千住新橋を通りまして、ああいう橋の上を歩くときに、対面交通がどのくらい立派であるかということをいつまでも考えるのです。若しあの橋の上を今までのように左側交通をしておつたら、自動車の警笛によつて、どのくらい驚くかわからない。雨が降つておる日でも、雪の日でも、ああした橋梁の上の交通を見ても実証される点があると思います。これは折角、子供なりその父兄なりの大多数の人々によつて訓練すればできる場合もあるのだから、今後一年や二年で対面交通云々は非常にむずかしいと思います。私はちよつと考えたのですが、対面交通は廃止されるのか、或いは対面交通を変えるのかと、いろいろ考えた。それにはいろいろ自動車や何かの機構も変えなければならん。バスの出入り口も改良しなければならん。いろいろな点から習慣云々と叫んでいながら、而もこれに絡み合せて機構改革の上において、何かの誰か野心を持つておるのじやないかと私は考えておるのであります。現在の状態であれば、対面交通が必要である。対面交通が必要であるとすれば、人間右側交通しなければならんということは、あらゆる機構の基準から見てもわかることであつて、できれば、これはどこまでもこれをやつて頂きたい。このために事故が非常に減つておる。  これに序に申上げたいのは、いろいろな事故の起るもとは、これは今日は道路交通取締法というのですが、大体道路取締の面から見て、繁雑しておるところの十字路に、家屋の建築をするときに、見通しのきかない建築を平気で許可しておる。ああいう十字路に少くともかどを削つて、多少見通しのきくようなもう少し考えは、家を作るときの方法はないか。いま一つは看板をやたらに許可して、街頭に立看板がある。あの街路樹のそばに出ておる。或いは道路使用も非常に緩慢であつて、これをもつと徹底さしたならば、対面交通と相待つてこの成果は十分上る。対面交通が悪いために事故が起るのでなくて、道路にいろいろなものを放置してあつたり、或いは看板を見通しのきかないところに許可しておるというために、交通事故が防げないのじやないかということを私は考えております。  この点は、前にもお話がありましたように、対面交通を実施してほしいということをお願いするわけであります。
  38. 岡本愛祐

    ○岡本愛祐君 板山さんにもう一度お尋ねしますが、対面交通によつて事故が殖えたという例は、警視庁にはございませんか。
  39. 板山文藏

    参考人板山文藏君) 別に、対面交通をして事故が殖えたという具体的な現われは、実はございません。
  40. 岡本愛祐

    ○岡本愛祐君 そういう統計がありますか。
  41. 板山文藏

    参考人板山文藏君) これは、ですから具体的の、対面交通のときとそうでないときを比べて見て、対面交通になつたがために事故が殖えたということは現われて来ないのであります。事故はございます。  それから昨年は、対面交通をしなかつたがために事故が起きた例が、いわゆる右側通行しなかつたがために、第一原因になつて事故を起した歩行者がある。そういうような事例があります。
  42. 村田享

    参考人村田享君) 今のに附加えますが、実は千住で泥酔運転手がひき殺したという事件は、私はあの節非常に関心を持ちまして、紙芝居のようなものを作りまして、そうして街頭を歩いたのですが、あれは右側を通らないで、左側を通つた。そうすると後ろからひいて行つたのは、皆左側を歩いていた人だつたということを参考に申上げます。
  43. 西郷吉之助

    委員長西郷吉之助君) ほかに御意見ございませんか。  それでは参考人の御意見は……
  44. 萩原信治

    参考人(萩原信治君) ちよつと…。
  45. 西郷吉之助

    委員長西郷吉之助君) それでは簡単に願います。
  46. 萩原信治

    参考人(萩原信治君) 簡単にやりますから……。先ほどもそう言つたのですけれども、第七條の第一号については、今日車輌の整備法というものができて一年を経過しております。従つて第一号にある構造、装置等について、運転手が仕業前に点検すべき箇所というものは、十六の項目によつて定められております。従つて車両法の四十七條による十六項目の運転手がしなくちやならないところの仕業、点検というものが、完全に行われておる現在において、この第一号というものはむしろ削除したほうがよいのじやないか、又削除しないまでも、第一号に該当するような、仮に事故があつたとすれば、あるとすれば、それはその運転手が仕業、点検十六項目を完全にやつておるとすれば、運転手の過失とは言い得ないと思います。この場合は。むしろこれは、こうしたような過失が起きた場合には、先ほどもちよつと言いましたように、運転手が点検することの不可能な場所によつて、こうした一号に該当するようなことが起きたのであつて、この場合は、運転手が一号に該当する処罰を受けるいうことは不当と考えております。従つて、時間もありませんから詳しいことは申上げませんが、どうか車両法の四十七條運転手の仕業、点検と睨み合せて、よろしく御審議を願うようにお願いしたいと思います。
  47. 西郷吉之助

    委員長西郷吉之助君) それでは、これにて参考人の御意見の御発表は終ります。終りに臨みまして、参考人各位に対しまして委員会を代表いたしまして、本日はこの法案に対しまして貴重な御意見を聴取できましたことに対して厚くお礼申上げます。  それでは午前中はこの程度にして休憩いたします。    午後零時三十六分休憩    —————・—————    午後二時二十分開会
  48. 西郷吉之助

    委員長西郷吉之助君) それでは、只今より委員会を続行いたします。本日は先般に引続きまして、道路交通取締法の一部を改正する法律案につきまして、質疑を続行いたします。
  49. 原虎一

    ○原虎一君 質疑ですけれども討論的に修正意見を申上げなければならんかと思いますが、よろしうございますか。
  50. 西郷吉之助

    委員長西郷吉之助君) その点一つ、原委員の修正のお考えをお述べ願いまして、それについて一つ皆さん意見を聞きましよう。
  51. 原虎一

    ○原虎一君 そういたしますと、この午前の委員会におきまして、参考人六名から聞きました点から考えましても、第七條違反したものが悉く第二十八條で三ヵ月以下の懲役、五千円以下の罰金に処せられると。まあ午前中の参考人の陳述、参考人との間の質疑等においても、まあ警視庁当局からの参考人の説明を聞きましても、例えば第七條の第五項にあります速度制限違反しても、これは三ヵ月以下の懲役、五千円以下の罰金であります。  ところが速度制限は大事なことでありますけれども時に応じて臨機の処置として、当然既定制限の速度よりか幾分それを超過したほうが郵合のいい場合におきましても、そこを取締つておる警官の知識、警官の素質にもよりますが、その警官の認定で速度違反には間違いないのですね。併しすべてのそこの情勢から見れば、そのほうがよい結果を得る速度制限違反であつても、これは罰せられる。罰せられる場合におきましては、当然罰金並びに懲役いずれかを適用される。これはあまりに法が機械的過ざるのであつて、こういう点については、やはりむしろ罰せられない、勿論検察当局の裁判上の、裁判を受けるのでありますが、裁判を受ける場合におきましては、こういう問題に対する反証を挙げて、被告人なる運転手が原省側の警官の起訴状というものに十分反駁するだけの反証を持つていなわけなんです。機械の故障とか何かになりますれば、これは事実が証明しますが、速度違反ということになりましてこれはなかなか反証を挙げて裁判官の正しい判決を受けるということは、事実上不可能であります。でこれは、むじかしい法律じやないか。そこで注意を喚起するという程度のものでありますならば、注意の喚起又は科料でいいわけであります。その点から言いますれば、この法律のできた当時の日本の社会、政治的情勢から、こういうふうになつていることも考えられるのでありますから、ここに私は、即ち第三十八條罰則の中に、科料をも加えるということが正しいと信じます。そうすることによつて違反行為を容易に運転手がやるというふうな考えも持つかも知れませんが、恐らく私はその逆であろうということが考えられますので、そういう点について、取締当局の見通しと言ひますか。考え等をもう一度伺つて置きたいと思います。
  52. 柏村信雄

    政府委員(柏村信雄君) 只今委員のお述べになりましたことについてお答えを申上げたいと存じますが、この第七條の無謀操従の規定交通事故防止上極めて重要な規定であると考えておるのであります。午前中に本委員会においてお呼び出しになりました参考人意見等に徴しましても、重要な規定であるだけに又罰則現行法罰金以上の刑になつておるというようなことからいたしまして、これが取扱いにつきましては、極めて慎重に処置をいたしているように考えられるのであります。  只今お話のありました速度制限超過の問題にいたしましても、東京警視庁の管内におきまする二十六年中の表をお手許に差上げてございますが、検挙件数に対しまして送致件数五六・四%ということになつております。これらの点からみましても、恐らく第一線におきましては、この罰則等と睨み合せまして、只今お述べに相成りましたような情状上許しがたきものというものでない限りにおきましては、これを送致するに至らないで、警告その他によつて処置をいたしておるように思うのであります。例えば無免許運転等につきましても、二八七%という送致率でございますが、これなどは恐らく練習しておる者がひよつとして道路に出たというような場合におきまして、これを直ちに罰するということは、如何にも気の毒であるというようなものに対して、その事情によつて、これを送致せずに注意を與える程度にいたしておるのではないかと思うのであります。  構造、装置の点につきましては、御覧のごとく総計において〇・二%の送致率ということに相成つておるわけでありまして、これらの点につきましては午前中にいろいろ実際のかたのお話も伺つたのでありますが、例えば現行法の二十三條の二におきまして、「道路通行する諸車又は軌道車は、命令の定めるところにより、法令で定められた危険防止及びその他の交通安全のために必要な構造及び装置を備えていなければならず、且つ、これらは、調整されていなければならない。」、更に第三項に参りまして、「当該警察官又は警察吏員は、第七條第二項各号の一に該当し、又は第一項の規定違反する車馬又は軌道車の操従者に対し、交通安全のために必要と認める応急の措置を指示し、並びにこれらの使用主又は操従者に対し、命令で定める様式により、必要な構造若しくは装置を備え、又は必要な調整をすべき旨の警告書を交付することができる。」というような規定もございまして、ただ単に、違反事項があつたということで、直ちにこれを送致いたしまして罪に問うというようなことをいたすべきではなくて、十分にこれに対する警告措置等を講じておるようなわけでございます。  更に先ほど参考人も申しましたように、こういうことは好ましいことではございませんが、現在罰金以上の刑ということに一定せられておりまするし、それによりまして相当重いもの、情状酌量できないようなものを送致するという建前にしておりまするところが、更にこれに科料というものが附せられる場合におきまして、先ほどからお話のありますような速度制限超過であるとか、或いは私先に申しました無免許運転というようなものについて、軽々しく科料というようなものを適用して行くというようなことも、むしろ交通安全という面からみて、必ずしも策の得たものではないのではないかというふうにも考えられるわけでありまして、やはりこの第七條規定違反につきましては、現行法通りにしておいて頂きまして、例外的に起りまする警察官の不用意なる取締りとか教養の不足という点につきましては、今後とも十分第一線の係官というものの教養に努め、そうした不当な処置の起らないように万全の策を講じて行きたいと。こういうふうに考えておるわけでございます。  以上お答えいたします。
  53. 原虎一

    ○原虎一君 その取締当局の側の主張を私が理解できないのは、今の御説明を聞いても科料というものを、罰金と体刑以外に科料というものを第二十八條に加えることが、別に刑を全部を軽くするという意味にならないのであります。要するに体刑、罰金科料と、この三つでありまして、科料という問題に処する価値のないものは、それ以上のものに……、科料ではならんというものに対しては、皆罰金及び体刑になるのでありますから、ただ私は、科料というものが加わることによつて運転手、業務者の心理的に来る影響を心配するだけであつて、現在において取締が正しければ、取締それ自体が正しいものでありますならば、決して科料なんかと言つて、私はそれではどこに取締上禍いが出て来るのかわからない。私はたださつきから言つておるように心理上に、科料で済むのだから、このくらいのことはやつてもいいという心理上に影響があるということを考えるだけであつて、それは取締法規の上から言つて何ら矛盾もなければ、取締の上から言つて不便が一つも起るわけではないわけであります。この点を私は申上げているのです。いわんや先ほど言つたようなスピード違反なんというものは、これは罰金にされた場合において反証ができないのですから、事実上において……。それからスピード違反を裁判所へ廻わされた場合において、大体に裁判所に第一回に呼び出されて調べられる。これに事実が違うという陳述をすれば、その証拠を何か持つて来いとか、或いはその場合における証人があれば呼んで来いということになれば、第二回目の裁判にかかる。そうして今度は、判決の場合に呼び出されるというと三日間、少くとも三日間は潰れるわけです。そうすると六百円なり七百円なりの収入が三日間というと二千円ばかりが潰れてしまうのです。日曜や夜間に裁判所へ呼び出されることはないのですから……。そういうことも考えれば、当然これは科料があつて然るべきじやないかというわけなんであつて、どうも当局の陳述は、私が「又は科料」という四字を入れることによつて、非常に罪が軽くなつて来て、それじや取締が困難だと言わんばかりの御説明ですけれども、それは私は納得できない。ただ私の心配するのは、そういう科料だからというので、科料ができたということで、運転手に軽卒な行為をできるような心理上の影響を與えてはならんというだけのことでつあつて、それを申上げておるわけであります。
  54. 柏村信雄

    政府委員(柏村信雄君) 私の答弁が、非常にまずかつたために誤解を招いたかと思いますが、私も科料を入れることによつて一般的に罪が軽くなるということを申上げたのではないのでありまして、むしろ今まで罰金以上の刑にしておつたというために、他の犯罪等とも比較いたしまして、罰金以上の刑に相当すると認められるようなものについてのみ送致をいたしておつた。従つて科料程度のものについてはむしろ警告を與えて爾後を戒めるというような措置をとつてつたものが、今度科料が入ることによつて今までの罰金以上の刑にあつたものが科料になるというのでなしに、むしろ科料の分だけが罰則として殖えるような結果になりはしないかという点を申上げたわけであります。  なお只今委員の仰せになりましたような運転者についての心理的な影響ということも、やはり当然考慮しなければならない問題かと考えております。
  55. 原虎一

    ○原虎一君 この点は、今第一に言われた点は、午前中の運転手、即ち業務員の陳述でもわかりますように、逆なんですね。あなたが今言われたように、軽いものが今度は科料ということになれば、却つて運転手気の毒じやないかというよりか、科料で済むようなものを罰金にされるために、三日も裁判所へ呼び出されてたまらん。この心理が陳述されているわけですね。あなたの言われるように、現場の警官がそういうあなたの言われるような扱いをされておればこの法律もよろしいし、それから運転手から、午前中のような陳述はないわけですね。  それで午前中の陳述にもありましたように、生活費の比率としても、罰金ということになりますというと、現在の罰金は給料の二五%乃至三〇%とられる。昔は二%或いは多くても三%、そういう点から言つても重過ざる。厳罰主義だと。こう言つているわけです。ですから問題は、取締る側と取締られる側の問題でありますけれども、現実が、警視庁の上のほうの諸君が考えるように行われておりますれば、こういうことはないと思います。この法律もやかましくいうことはないかも知れませんが、そこに問題があるのですから、現実にはまる法律に直して行つたほうがいいのじやないかということを申上げるわけなんです。これ以上は議論が重なりますから、大体このくらいにしたいと思います。
  56. 西郷吉之助

    委員長西郷吉之助君) それでは、ちよつと速記をとめて下さい。    午後三時四十一分速記中止    午後三時二分速記開始
  57. 西郷吉之助

    委員長西郷吉之助君) それでは、速記を始めて頂きます。  他に御質疑ございませんか……、では質疑は尽きたものと認めて御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者めり〕
  58. 西郷吉之助

    委員長西郷吉之助君) 御異議ないものと認めます。  それではこれより討論に入ります。御意見のおありのかたは、それぞれ賛否を明らかにしてお述べを願います。なお修正意見がございました場合は、この討論中にお述べを願います。
  59. 原虎一

    ○原虎一君 私はこの第二十八條中「懲役又は五千円以下の罰金」を、「懲役、五千円以下の罰金又は科料」に改めることを提案いたしますと同時に、その他の部分につきましては、賛成の意を表するものであります。
  60. 西郷吉之助

    委員長西郷吉之助君) 他に御意見ございませんか。
  61. 若木勝藏

    ○若木勝藏君 私は原さんの今の提案に対しまして、賛成するものであります。従来におきましても、速度違反であるとか或いは構造、装置違反であるとか或いは故障運転違反については、これは科料の程度で罰せられておるということが多かつたのです。それをとにかくそれらを含んだものを懲役又は罰金と、こういうふうな方面に強く科することは、私は現在の運転手のいわゆる業務上から見まして、非常に過酷であるように思うのであります。この際現行法科料の部面を入れて、これを緩和するということにつきましては賛成するものであります。
  62. 西郷吉之助

    委員長西郷吉之助君) 他に御発言ございませんか。
  63. 岩木哲夫

    ○岩木哲夫君 原君の提案の趣旨に賛成します。ただ一つ附け加えておきたいことは、この法案の審議過程においても、又この法律案の通過を見る後においての、問題の右側通行の問題については、関係指導方面において、極めて適切な熱意と手段を欠いておる点が少くない。若し、なおざりではありますまいけれども、熱意の欠いたままで、中途半端のままでこの右側通行が将来励行されるということについては、却つて道路上の危険というものは、統計が示しておるごとく増大一途であつて、必ずしも減少はしない。で、どうしても右側通行をこのまま続行するということであるならば、もつと取締り指導、嚮導方面に、官民一致の運動を展開せねばならん。で、実際国民性なり多年の因襲、習慣によつて、実行が行われないという見通しの場合には、我々は適切なときに又左側通行に戻つてもよいのではないかという意見を持つております。であるから、只今この法律案の通過に対しましては、現状のままを是認いたしますけれども、今申上げたような状態で、中途半端のままであるならば、むしろ左側通行に戻すべきが妥当であるという意見を附して、適切なときに、その措置に又改廃をするということはあるべき考えを附け加えまして、私は本法案に賛成の意を表します。
  64. 岡本愛祐

    ○岡本愛祐君 私は原君の修正の御意見に賛成いたし、又残りの本法案に賛成をいたします。只今岩木委員からも御発言がございましたように、左側通行に返るべきでないかという問題につきまして、私も多大の疑念を持つておるのであります。現在の車馬と人と一緒に通行いたします道路の有様を見ますと、殆んど対面交通の原則が守られていないのであります。むしろ車馬は中央を通り人は左側通行するという状況であります。法律にきめられてあるところと、甚だ違つておる。当局もこれを是正する努力をしておられるようでありますが、やはりなおりません。で、このままの状態で数年辛抱してみましても、それがうまく行かないということであれば、今岩木君のおつしやいましたように、私ども左側通行に返つたほうがいいと、こういうふうに思うのであります。なお原君の御修正によりまして第七條等の違反科料を加えるということになりましたときにおきまして、私どもは今まで罰金に値しておつたそれ以下のものを科料にしようという意味ではありません。第七條の例をとつてみますと、この條章によつて罰金をとられておつたものが、それでは余りひど適ぎる。科料でいいのだという例が多いと思うのであります。今まで罰金に処せられておつたものを科料程度で処罰することに政めろという意味でありますから、今まで崎金では処罰できないから、事件を処理する意味において科料で罰せよという意味ではございません。その点を明らかにして賛成する次第であります。
  65. 西郷吉之助

    委員長西郷吉之助君) 他に御発言ございませんか。……それでは討論は終つたものと認めて御異議ございませんか……。それではこれより採決に入ります道路交通取締法の一部を改正する法律案について採決をいたします。先ず只今討論中にありました原君の修正案を議題に供します。  原君の修正案は道路交通取締法中篇三十八條の「徴役又は五千円以下の罰金」を改めまして、「徴役五千円以下の罰金又は科料」に改めるものでございますが、その原君の修正案を議題に供します。原君提出の修正案に賛成のかたの挙手をお願いいたします。    〔賛成者挙手〕
  66. 西郷吉之助

    委員長西郷吉之助君) 全会一致と認めます。よつて原君提出の修正案は可決せられました。  次に只今採決されました原君の修正にかかる部分を除きまして、内閣提出にかかる本法案全部を問題に供します。修正部分を除いた原案に賛成の諸君の挙をお願いいたします。    〔賛成者挙手〕
  67. 西郷吉之助

    委員長西郷吉之助君) 全会一致であります。よつて道路交通取締法の一部を改正する法律案は、全会一致を以て修正可決されました。  なお本会議における委員長の口頭報告の内容は、本院規則第百四條によりましてあらかじめ多数意見者の承認を経なければならないことになつておりまするが、これは委員長におきまして、本法案の内容、本委員会における質疑応答の要旨、討論の要旨及び表決の結果を報告することとして御承認願うことに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  68. 西郷吉之助

    委員長西郷吉之助君) 御異議なしと認めます。  それから本院規則第七十二條によりまして、委員長が議院に提出する報告書につき多数意見者の署名を附することになつておりますから、本法案を可せられましたかたは、順次御署名を願います。  多数意見署名     堀  末治  石村 幸作     林屋亀次郎  宮田 重文     原  虎一  中田 吉雄     若木 勝藏  岩木 哲夫     館  哲二  岡本 愛祐
  69. 西郷吉之助

    委員長西郷吉之助君) 御署名洩れはございませんか、……ないものと認めます。   —————————————
  70. 西郷吉之助

    委員長西郷吉之助君) それではこの次に小委員会を開きますから、小委員のかたはお残りをお願いしたいと思います。  本日はこれにて散会いたします。    午後三時十二分散会