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1952-05-31 第13回国会 参議院 地方行政委員会 第43号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十七年五月三十一日(土曜日)    午前十時五十二分開会   —————————————  出席者は左の通り。    委員長     西郷吉之助君    理事            中田 吉雄君            岩木 哲夫君    委員            石村 幸作君            岩沢 忠恭君            岡本 愛祐君            館  哲二君            若木 勝藏君            原  虎一君            吉川末次郎君            岩男 仁藏君   衆議院議員            野村專太郎君   政府委員    地方財政委員会    事務局長    荻田  保君    地方自治庁財政    課長      奧野 誠亮君   事務局側    常任委員会專門    員       武井 群嗣君   —————————————   本日の会議に付した事件 ○地方税法の一部を改正する法律案  (内職提出衆議院送付)   —————————————
  2. 西郷吉之助

    委員長西郷吉之助君) それでは委員会を開会いたします。  本日は地方税法の一部を改正する法律案に対する衆議院修正案趣旨説明を伺います。
  3. 野村專太郎

    衆議院議員野村專太郎君) 只今委員長から御紹介頂きました野村でございます。只今上程になりました地方税法の一部を改正する法律案に対する修正部分につきまして、その趣旨及び内容概略を御説明いたします。  現行地方税法に対する修正意見は、同法が法案として国会の審議に付せられた当初からすでに強く叫ばれて参つたのでありますが、遺憾ながら占領下における諸般の制約に阻まれて、その一部を除いては殆んど実現を見るに至らなかつたのであります。申すまでもなく同法はシヤウプ使節団の勧告に基き、地方財政自律性の確立を目標として、従来の地方税制度抜本的変革を加えようとしたものでありまして、その方針において、又その体系において、誠に画期的の名に値いする立派な税法であつたことは、これを認めるにやぶさかでないのであります。併しながら、我が国今日の疲弊した経済乃至国民生活の現実に対しては、やや理想的に過ぎ、そのために負担の激変を生じ、また地方団体間に甚しい税收入の不均衡を招いたような面もあつたのであり、更に一面戦時中の禁止的な高い税率が依然として温存されているために、入場税のごとく住民に不当な負担を強い、且つ事業の健全な発展を阻害し、或いは遊興飲食税のごとく税の徴收を困難にし、そのため税法の円滑な運営を妨げ、殆んど税法なきに等しい混乱に陥つている実態も生じて来ているのであります。かような事態は一刻も速かに改善されなければならないのであります。今般漸く講和條約の発効を見るに至りましたので、この機会において我々独自の立場から年来の宿望の一端を実現したいと考え各党におかれても修正案の検討を進めておられたのでありますが、衆議院地方行政委員会地方財政に関する小委員会におきまして、各党意見を調整して、只今上程になりました修正案を決定いたしたのであります。  而して本修正案は去る十七日衆議院地方行政委員会におきまして、全会一致を以て地方税法の一部を改正する法律案に対する修正案として可決すべきものと決定いたし、二十日衆議院会議で可決された次第であります。  以下その内容を簡単に御説明申上げます。  修正の第一点は入場税に関するものでありまして、その一は禁止的税率と言われる現行税率を、一齊に二分の一に引下げることとしたことであります。その第二は專ら純舞踊、純オペラ、文楽及び能楽を研究発表する会場に入場する者、いわゆるプロ野球等職業的運動競技を観覧するために競技場に入場する者、並びにアイス・スケート場を利用する学生生徒について純音楽又はアマチュア運動競技同様軽減税率百分の二十を適用することとしたことであります。第三は現行法では学生団体、P・T・A、学校社会事業団体兒童福祉施設等が主催して行う催し物については、その催し物を行うものが学生生徒などの素人である場合に限り、その純益の全部が学校社会事業兒童福祉施設等のために支出され、且つ関係者が何らの報酬をも受けないことを條件として、條例によつて入場税を免除することができるものとされているのでありますが、催し物素人の出演に限ることは余りに窮屈でありますので、主催者に一定の制限を加えた上で、職業的専門家による催し物をも行や得るように改めることとしたのであります。第四に、入場税徴税確保のために二、三の規定を追加したことであります。例えば、只今申しました第三の場合、免税條件に違反したものに対しては入場税相当額を追徴するとか、臨時の催し物主催者入場税を予納するまでは入場券等を公給しないことができる等の規定を加えたのであります。第五に、まあじやん場、玉つき場等娯楽施設の利用に対する入場税については、課税上むしろ設備の量や施設の大きさ等を基準とすることが合理的である場合もあるので、これらの外形標準によることができる途を開いたことであります。  次に修正の第二点は遊興飲食税についてであります。修正趣旨は今更御説明するまでもなく、税率を適正にすることによつて納め易く取り易い税とするためにほかならないのであります。その第一は芸妓その他これに類するものの花代を百分の七十に、料理店、貸席、バー等における遊興又は飲食料金を百分の二十に、又料金、地域その他條例で定める標準によつて定められる特殊な旅館、例えば近頃流行温泉旅館等宿泊料金も同じく百分の二十に改め、これら以外の一般宿泊飲食料金はすべて百分の十に改めることとしたことであります。第二は純粋に茶菓又はこれに類する軽飲食を提供する店で、地方財政委員会規則で定めるものにおいて飲食する場合、一人一回百円未満はすべて非課税とし、大衆的な飲食物を安価に提供させようというのであります。第三に、従来会社等の寮や、クラブで、無税で行われていた遊興飲食並びに客の持込と称して課税を免れて来たもの等をも課税対象とすることができるものとし、更に知事に対して特別徴収義務者所得税又は法人税基礎なつ売上金額に基いて遊興飲食税税額を再更正する義務を課することによつて課税厳正適確を図るなど徴收確保措置規定したことであります。  修正の第三点は、電気ガス税について非課税品目を追加したことであります。電気ガス税改正は理想としては全般的に税率を引下げるか、又は廃止する方向に向うべきものと思うのでありますが、市町村税として普遍的でもあり、而も徴収の容易、確実な税目であるので、今にわかにかような方向に改め得ない実情でありますので、今回は現に存置されている非課税品目の不均衡、不公平を是正し、且つ我が国重要基礎産業振興の上にいささか寄與すると共に、貿易の発展、物価の安定に資する趣旨を以て修正を加えることとしたのであります。追加した品目工業製品につきましては、おおむね製品原価電力料金の占める割合が五%以上のものを標準とし、且つ国策酌に重要な産業を助長育成する意味を加味して愼重に研究した結果選定したものであります。工業と相並んで農業用電力をもこれに加えましたことは食糧生産重要性から見て自然のことと存じます。ガスについては、市販のガス工業用ガスとの混同を避けるための規定を設けるととにいたしました。修正の第四点は事業税並びに特別所得税についてであります。その第一は湯屋業業務公益性から見て事業税より特別所得税対象とすることを適当と考え、第二に、理容、美容業衛生的役割において医師に類するという観点から、第二種業務となつているのを第一種業務に改めることを適当と考え、それぞれ変更したものであります。第三は、昨年来各地に発足を見ました民間放逸事業について、事業公共性の点、聴取料金を徴しない点、日本放送協会との均衡点等から事業税非課税としたことであります。第四は、新聞業についてでありますが、一昨年の修正により非課税なつたのでありますが、政令によりますと、新聞業時事報道目的を以て発行される日刊新聞製作業に限られており、昨年春漸く通達によつて送達業がこれに加えられたのでありますが、新聞課の他の一支柱たる広告取次業が除外されて来たのでありすす。この点を是正し、且つこれを法文上明確にすることとしたのがこの修正であります。  修正の第五点は固定資産税その他についてでありますが、その第一は、国鉄専売公社日本放送協会、やがて発足する日本電信電話公社等現在国、又は公共団体に準じて地方税の大部分につき非課税の扱いを受けて来たものに対して、一般民間企業と同様に課税すべきであるとする見地に立つて取りあえず直接本来の事業の用に供しない例えば発電施設鉱業施設自動車自転車荷車等にそれぞれ固定資産税自動車税自転車税及び荷車税を課することとしたことであります。  次に農業協同組合を保護助成する趣旨からその所有する倉庫について、農業用に使用するものの固定資産税非課税としたことであります。  以上が内容概略でありますが、これによつて生ずる見方税收入の異動は平年度において約百三十二億の減少となり、本年度入場税遊興飲食税及び電気ガス税改正を十月から、その他を公布の日から実施するものとして約五十億の減收が見込まれるのであります。この減收を如何に補填するかは今後の問題でありまして、我々は目下大蔵当局とも極力折衝いたしておるのでありますが、酒消費税、又は煙草消費税を創設するか、或いは止むを得ない場合は本年度平衡交付金の増額によるか、いずれにいたしても補正予算の際に実現を期したいと考えているのであります。従つて実施時期は入場税遊興飲食税、及び電気ガス税昭和二十八年三月までの間で政令で定める日よりといたし、その他の年税公布の日から施行することとしたのであります。  我々は、本修正が十分満足すべきものであると考えているのではありませんが、やがて政府においても自治制度全般に亘り諸般の改革を計画している次第でもあり、将来根本的な税法改正が予想されるのでありますから、この際は取りあえず、年来の懸案の一部を実現して国民の輿望に応えようとするものであります。  以上を以ちまして大体におきまして修正案の御説明に代えたいと思います。
  4. 西郷吉之助

    委員長西郷吉之助君) 以上の御説明に対しまして、御質疑がございましたらお願いいたします。
  5. 中田吉雄

    中田吉雄君 ちよつと議事難行について……。今日地方行政委員会審査日程案を頂いたのですが、只今修正案提案理由説明を頂いたのですが、どういうふうにされるのでしようか。私としましては、たくさんの日程地方税法案には割当ててあるのですが、野村さんのいろいろ御説明を聞き、こういう改正については私は地財委等意見も聞いたほうがいいと思いますが、どういうふうに組んで……
  6. 西郷吉之助

    委員長西郷吉之助君) お答えいたしますが、月曜から地方税をやる予定でいましたが、道路交通が昨日のように参考人意見を聽取することになりましたので、繰上げて今日の午前中にこの修正点の御説明を求めることにいたしましたが、この日程は案でありまして、会期延長もきまりませんので、一応三週間延長なつた場合の案でありまして、御覧の通り二週間延長になつても全部の法案を当嵌めますことが非常に困難で、一応研究して御参考までに差上げたわけでありまするが、いずれ延長の期日がきまりましたら、これ文理事会で諮つてきめなければいかんと思いますが、一応参考のためにお配りしたわけです。今日は衆議院修正案説明を聞きまして、これに対して御質疑願つて、来週から地方税法案の総括的な質問をして頂いて、それが大体終りましたら、こちらの修正案についてまとめて行きたい、そういう予定でおります。
  7. 岩木哲夫

    岩木哲夫君 野村さんにお尋ねいたしたいことは、今回衆議院で企図された修正案は十分でないけれども、先ず先ず第一段階としてこういうことを考えてやつたのだということにつきましては了承いたしますが、ちよつとお尋ねいたしたいことは、先ず第一に入場税の中で社会事業及び学校後援団体社会福祉団体等が行う入場税の免除について、アマチュア以外の専門的な職業人がやつた場合にも免税とすることは、地方條例経ずして基本的にここできめてしまおうという御意図のように了承いたしますが、そういう解釈をしてよろしいのかどうかというのが第一点。そしてこれは政令で指定しないということになると、いろいろ社会事業児童福祉施設等範囲についても非常に複雑なのでありますが、別に政令で具体的に指示する意図を以てやられたのであるかどうかということを附加えてお尋ねしたいのが一点と、それから二、三まとめてお尋ねいたしますが、その次は遊興飲食税の第二点。百円未満のものについてはこれはうどんそばとか、そういつた飲食も含んでおることだと解釈されますが、それは明確にそうされておりますかどうかをお尋ねしたい。それからちよつと今の同じく遊興飲食税旅館に百分の二十と百分の十と分けておる中に、近頃流行温泉旅館とありますが、これは熱海とか箱根とかいうああいう温泉族館の、或いは国際観光ホテルのようなものも含んだのか、具体的に東京温泉みたいな娯楽旅館を意味しているものであるか、この百分の十と百分の二十の開きの大きいことについて多少問題があるのではないかということに対する御見解内容をもう一つ掘下げて詳しく聞きたい、これは第三点であります。  それからその次に第四点は、遊興飲食税の第三項の中に、特別徴收義務者所得税又は法人税基礎なつ売上金額に基いて遊興飲食税税額の再更正云々ということでありますが、これは従来とかく問題になつてつたことで、業者から見るというと、まあこれは公式論では言えないことであろうとは思いますけれども、実際にその何%しかより納めてないというのが実情で、こういうことになると、全都帳簿を引繰り返されて根こそぎ行つてしまうということで、却つて増税の結果になるといつて非常な脅威を感じておる。即ちそれを裏から見ますと、地財委のほうでは、この制度によつて税率は低くしても却つて増税、増収を獲得し得ると、こういう見解を極秘といいますか、内々言つておるようでありますが、これはどういうこういつた問題に対するお見通しでありますか。即ち税率を安くしても実際は余計とれるというような結果を狙つてのことでありますか、この辺を承わりたいのが第四点。  それから次に電気ガス税の問題でありまして、この問題については非課税品目の不均衡、不公正を是正するということで、然も我が国軍要基礎産業振興の上に寄與せねばならんという趣旨においてその基本とされたことなんであります。特にその具体的な内容としては、電気料金の占める割合が五%以上のものを標準にしておるのでありますが、五%以上のものであつても、基礎産業或いは重要産業としての性格のあるものとないものといろいろたくさんあると思う。で、電気料金が五%以上を占めるものは基礎産業中にたくさんある。そいつを全部これに引つくるめますと大変なことになると思うのですが、我々はこのうちで例えば三〇%も占めておるようなものが御説のうちから脱落しておる。かなり重要なる部面の碎木……例えば碎木パルプであるといつたようなものが脱落しておるのであるが、それはそのときに御議論があつたのかなかつたのか。ないのなら参議院において考慮すべきであるけれども、この議論趣旨参議院が了承するならば支持すべきである。まあかよりに思うていますが、これについての御見解を承わりたい、これが第五点。  それからどの次は事業税でありますが、新聞事業送達業が加えられて、更に広告取次業が除外されておつたものを入れたということについては我々も異存がない、了承するわけであります。ところが非常に日本文化国家建設の基調をなす、社会教育上或いはいろいろそういう文教上、或いは社会のあらゆる教養に必要なるいろいろの高度の出版事業などがこれから脱落しておる点を発見するのでありますが、それはなぜそういつたものを入れなかつたか、広告取次業まで入れるのであるならば、それよりもつと上位にあるこうしたものは入れるべき筋合にあると思うのでありますが、この点を承わりたい。  それからその次は、二の修正の第五点であります。国鉄専売公社放送協会、その他電信電話公社等のこうしたもので、一般民間企業と同様に課すべき見地に立つものに課することは、これは前の税法のときにも当然言われたものであつたが、一部の修正もまかり叶わぬということで、司令部の了承を得なかつたのであります。我々はこれより更に竿頭一歩を進めて、もう少しこうした公社的、公的機関のものにもこうした一般民間企業と同様に課すことはこれはもう論ずる余地がないので、当り前のことであつて、それよりも一歩奥深く幅を拡げて或る税度まで運賃その他に、国民生活一般企業影響を及ぼさない範囲でもう少しこうした方面に課税をいたすことによつて、かなりの財源を得るのではないか。例えば百二、三十億の減收と予想されておることについても、そのうちの三分の一くらいなものは、私はこうした諸団体による今申上げまする生活或いは社会一般公共企業等影響を及ぼさない範囲内で課税することの途が十分余地がある、こう思うのでありますが、それをなぜやらなかつたのかどうか。  それから最後にお尋ねいたしたいのは、こうしたことによる減收に対処する財源の遂については、大蔵当局とも極力折衝いたしておるところがこれは衆議院者党一致全員賛成の下に修正したと言うのであります。そこでこれは平衡交付金のほうにおいて措置できるという公算が強いのか、御指摘のような酒消費税的なものを創設して、こうしたこの財源の見合せとするようなことの公算が強いのか、或いは両方併用して行こうという二との公算が強いのか、まあこういつた見通しについて一つ伺いたい。で、我々としては衆議院側修正について敬意は表しますが、必ずしも適正を得たものと私は了承しておらない。百三十二億の減收を予想される、こうした広範囲に亘ることについても異存はないのでありますが、もつと重要なものが脱落になつておる。失礼ながらさまで重要でないものが坂上げられておるといつたような憾みから、多少検討すべきことも考えられるのでありますが、併しまあ折角各党一致でやられたものに対して我々がけちをつけようとば思いませんが、とにかくまだまだ重要なものがあるのであつて、これらの重要なもので是非参議院修正いたしたいという諸点がどれほどあるか、まだ各党もそれぞれ御意見が出揃つておりませんが、恐らく衆議院側で減収を最低にされた百三十二億に対して一割やそこらのものは絶対必要なものが、或いは一割か二割くらいのものがなお追加すべき必要度の高いものがあると思われます。そういつた場合に、そうした例えば二割と言いますと、合計百五、六十億の減收になりますが、そういつた場合にもこの財源措置については十分大蔵省その他とも話合いのできる可能性をお考えになりますかどうか。これは衆議院修正責任者にお尋ねするのは筋が違つておるかと思いますが、失礼ながらもつと重要な点がかなり脱落しておる点などをこの際参議院愼重審議して、適正な税制によるべきだという観点から立つたことによる結果、財源のなお二割を要するといつた場合には、そういつたものも可能性がある……従来のいきさつとして御交渉の手応えがあるかどうか、若しそんな手応えがないのだつたら失礼ながら衆議院側修正点をこちらで又修正して、必要なものを附加えて、我々必要でないものを失礼ながら削らざるを得ない、こういうような感じを持つのでありますが、大変失礼なことをお尋ねしますが、一つ御答弁をお願いしたい。
  8. 野村專太郎

    衆議院海員野村專太郎君) 今の御質疑に対しまして、第一点の現行法学生団体、PTAとか社会事業団体、これらの催しておるものに対しまして、アマチュアに対しましては非課税でありますが、これでは余りに窮屈であるという点から、今度はいわゆる職業的のものに対してもこれを非課税にしよう、而もその営利を目的としないその内容から見て余りに行き過ぎでありますので、これを修正した。これに対しましては條例できめましてそうして免税することができるというような考え方でございます。それからこの遊興飲食税のいわゆる百円の非課税免税点ですか、これは純粋の茶菓、又はこれに類するものを提供する場所地方財政委員会規則で定める場所における一人一回百円未満飲食、こういうことになつておるわけですが、大体の狙いはまあこの喫茶のごとき、或いはこれに類する極く大衆的な飲食、こういうものが遊興飲食税とはどうもこれを常識的に見ても了承できません。まあそういう点から……併し地方税としましては、やはり入場税と一緒にこの遊興飲食税等巷相当大きな支柱をなしておるものですから、衆議院則考えとしては、各党ともできればこういつたような飲食行為に対しては、これは外してしまいたいという考え方ですが、併し遊興飲食税にもあらゆる業態を網羅いたしております。そういう点から又地方税の地位から行きまして相当の面を持つておるものですから、従来の二割を一判にいたしたわけですが、それを更にこれらの行為に対しまして、百円未満非課税にする。このことに対しては今お尋ねのように必ずしも喫茶店に限らない。そばうどんですとか、すしを売るとか、こういうものはこれに適用すべきものであると、こう考えておるわけです。それから旅館の二〇%、この狙いは当初率直に言いますると、我々各党を含みまする小委員会といたしましては、花代を含む行為に対しましては三%というものを一応考えた。併し花柳界以外におきましても、大体同じような行為をしておるものがあるのであります。そういう点から芸者の花代はまあ入場税を五〇%にするものですから、一応五〇%にも考えたのでありますが、いろいろの社会政策的なものから考慮いたしまして、これは左側減税に行きませんで、むしろ三別減税で七〇%にいたしたわけで、この場所を指定してきめる、この何は大体花柳界に近いような旅館、こういうものを指しておるのですから、これを都道府県地方財政委員会規則によつてきめてそうして行こうというので、この三〇%は実は当初は考えたのですがどれを一応二〇%、併しこの週末ですとか、いわゆる靜養を意味します温泉場におきます旅館でありますとか、或いは健全な旅館を指しておるのじやないのでして花柳界と本当に類似するそういうものに対して考えております。そういう点からそのほかの宿泊行為や何かについては、従来の二割を一割、こういうことに考えておるわけです。  それから次の更正決定の問題は、今の御指摘の御意見も御尤もであります。併しこれは強過ぎるような感じもいたすのでありますが、一応御承知の通り大蔵当局なり地財委関係等でいろいろな只今都道府県のほうからいわゆる財源措置に対する強い要望もございますので、そういう点から減税をすると同時に正確なやはり徴收ということも考えて行かなければなりません。そういう点からこういうような措置考えたのです。併しどこまでも今度の修正案は、いわゆる減税案であります。そういう点から従来の税率が非常に困難であつて、而もこれも正常に回收できないというような無理なものであります。それで今度の修正そのものも私自身として考えましても相当困難である。併しこれは成るべく現状に即するようにこれを減税して行こう、こういう考え方からいたしまして、結論から申上げますると、この修正案減税案でありますので、そういう点から従来より苛酷にこれを……今さつき質疑があつたように、地財委当局なりがむしろこの裏を行つて増徴しようというようなごときこと、およそ私らの希望してないことであります。そういう点からこの更正決定に関しては非常に愼重を期してやらねばならんと思います。この点に対しましては、皆様の委員会におきましても十分御審議を願つたらよかろう、こう考えております。そうして税法通り公正な適用をいたして行きたいと考えております。  それから次に電気ガス税の問題ですが、そのうちに最も重要であるいわゆる碎木パルプをどうして考慮しないか、これも御尤もであります。実は衆議院委員会におきましても、この問題は相当話題になつたのです。一体今度の修正案全部は、一部を除きまして大体においてはもう数年前から超党的に地方行政委員会衆議院としては考えて来た。そのものを骨子といたしておるのです。そういう点から、あとから申上げまするが、少し食い足りないいわゆる不完全なところもあるのですが、併し減税という方向に対してはあらゆる業者からの要望が強いものですから、一応自治庁なり政府が国会と同じ方向の下に努力をいたして来た基本線を大体中心にいたしまして、やつて参りたい。そこでこの電気ガス税はさつき御説明でも申上げましたように、大体においてはこれを全部課税をいたしまして、そうして税率を下げるという考え方がありまするが、一応今までの課税をしておるものと均衡のとれたようにこれを修正し、而も従来委員会考えておつた大体のものについて、通産省なりいろいろ関係方面からいろいろな資料を徴しまして、そうして一応ここに落着いたわけであります。尤もこの碎木パルプについては非常に問題になつたのですが、税源等の睨合せもありますし、それから又これによつて欠陷を生じまする自治体のほうから強い反対の陳情等もありまして、それから一番最初考えておりました当時と事情が変つて来たのですが、そういう点から遺憾ながら碎木パルプは考慮はしたのですが、衆議院側としては一応現在のような程度にきめておるわけです。そこでなおこの電気ガス税については、文教関係の教育に関する方面、いわゆる学術研究用の問題等も織込み得なかつたのです。これなどは十分やはり御検討を頂いていいと思うのですが、こういう点も衆議院が遺憾ながら財源等の睨合せからこれを盛込み得なかつたという実情を御了承願いたいと思います。  それから次に事業税においてこの広告取次業を入れて、出版関係を考慮しなかつたということはどうかということも御尤もであります。而も文化国家として新聞出版というものはこれは総体的に考えて行かなくちやならん、そういう関係から新聞関係はつとに司令部関係でも了解をされて、而も取次業を入れて完全なものになつた。それに対して文化国家として出版関係が均衡のとれない事実ということも私らのほうもよくわかつておるのですが、この点についても財源等も必ず私は自治庁が言うような税収減になるとは思つておりませんが、まあ一応減税の問題に対してはあらゆる業態が殺到しております。而もこれは一応先ほど申上げましたように、衆議院地方行政委員会としては、従来考えておつたものだけに一応行つたものですから、この点に盛込み得なかつた問題がありまして、十分この問題に対しては御質疑は御尤もでありますので、御検討を頂ければ仕合せかと思います。  それから固定資産税国鉄、放送局などに固定資産税をかける問題、この財源の問題は実は十分明確につかんで、そうしてこの修正案を用意すべきことが当然でありますが、併しこれはもう長い国会を通じて超党的にやつて来た点ですし、而も政府なり自治庁も非常に努力したことであります。そういう点で而もこの国鉄ほかこれらに対する課税の問題は他の均衡各党とも異論がないものですから、一応これだけはとることにいたして、他のほうの問題について十分つかみ得なかつたことは遺憾でありまするが、一応時期の関係もありますので、この程度にとめたわけです。  そこで最後に財政の見通しですが、私らといたしましては、例えば遊興飲食税のごときもいわゆる五割減税に近いものに一応修正いたしておりまするが、現在の徴収実情から行まますると、私は殆んどそう心配するほどの税收減にはならんじやないかと、こう考えておりまするが、まあ一応税率を下げるのですから、一応従来より下ることも考えられます。それから電気ガス税にいたしましても、電力料金も上つておりますし、相当そういつたような自然増收もあろうと思う。ただ入場税については各都市におきまする何は相当額減収になろうと思いまするが、併しこれは正常な徴税を捕捉すること、又地方によつて遊興飲食税と同じような正確に出しておらないというような嫌いがありますので、そういう点から観客人員の増加を期待されます。それから文化水準の高いこれが経営の上にもいい影響を與えまするならば、そう私は影響はあるとは思われない。そこで本年度仮に政令を実施して十月一日あたりからやるとすると、五十億ばかりの赤字が出ることになりますが、併し東京ですとか、大阪ですとか、平衡交付金になにしない所もあります。私はそう行かなくとも、国のほうにおいても相当自然増収も行くと見込まれます。入場税ですとか、遊興飲食税ですとか、その他の今度取上げた問題につきましては、非常に今までかなり無理が指摘されたのでありまして、そういう点から私は一応政府側ともいろいろ交渉を続けて参つたわけですが、平衡交付金乃至或いは附帯決議で附けておりまする酒、たばこ、こういうようなものを地方税徴収を還付して行くということが一番明確だつたのですが、併しこれも時間の関係上いずれの方向もはつきり明確にとれなかつたものですから、どちらかの方向でやつて行く、こういう考えでまあ私らのほうは関係官庁とも折衝と努力を続けながら一応やつて来たわけであります。  そこでもう一つあと御質問に対して残つてつたのがあると思いますが、もう一つ盛込めなかつたことは医療関係が残つておることであります。厚生関係を睨んで実は浴場ですとか、理容関係、美容関係を一応現在の方向に持つてつたのですが、出版関係、医療関係なり、電気ガス税の一部に御疑問がおありになる、これは財源等のいわゆる見通しから見て、私らは決して主観的には考えておらんのですが、一応都道府県の反対陳情等もありますので、一応衆議院としてはこの程度にいたしまして、参議院側の皆さんのほうで御検討をして頂きたい、こういう考えでこの案をまとめたわけです。
  9. 中田吉雄

    中田吉雄君 野村さんを中心に衆議院側におかれまして、かねて問題になつていました現行地方税法に対してここまでおまとめなされたことに対しましては、深くその努力に対して敬意を表するものでありますが、いろいろ問題があると思いますので、先ず最初にお尋ねいたしますが、昭和二十七年度地方財政計画はたしか七千五億数千万、約七千六億だと思うわけであります。而もその七千六億と踏んだのは、地方財政にかなり窮屈な査定をされて私はそういうふうに踏まれていると思うわけであります。ところがこういうふうに本年度におきましては、只今のような政府改正案に対して再修正されることによつて、本年十月以降から実施するにしても五十億の減收が見込まれるということになりましたならば、私は平衡交付金、酒、たばこ等の只今御指摘のような措置ができないということになると、かなり大衆課税によつてその歳入欠陷を埋めようとするのではないかというふうに考えるわけでありますが、そういうことはないでしようか。例えばかなり私も政府が本年度組んでいる二千九百七十億ですか、それよりかもたくさんとれると思います。併し御存じのように政府が七千六億と財政計画を立つておりますのは、百四十万に及ぶところの地方公務員の五%の首を切る、なかなかこれは実際首を切ることができないので、それが明らかに財政膨脹の圧迫を加えます。更に地方公務員は給與單価が高いという点から、教職員、警察職員、役場、県庁等のそれぞれ地方公務員は国家公務員並に下げるというので、かなり首が切られる人件費が査定されております。それからこの單価増というものが極めて低く見積られておる、そういう点から言つて七千六億よりかも遥かに実際地方財政の規模は大きいと思う。そういう点から只今野村さんが指摘されたように自然増收があるとしても、この五十億というものの歳入欠陥が十分な、国会その他の要望があるにもかかわらず、大蔵省その他の関係から財源措置ができんと、私はこれがいろいろな方面で大衆課税を強化することによつて歳入欠陷が補填されるのではないかという点を、最も全体的なものからして概観して心配するわけであります。その一つのいい例は、例えば事業税をこの第七百四十八條に「所得金額が二万五千円に満たない場合においては、事業税を課することができない。」こういうことになつておるのです。ところが「但し、財政上その他特別の必要がある場合においては、所得金額が二万五千円に満たないときであつても、事業税を課することができる。」こういうことになつて、知事が必要と認めた場合には、これは基礎控除二万五千円ということになつていません建前からして、だんだん二万五千円以上にずつとかけて、たださえ経営難に喘いでいるこの中小企業というものに……、私はあとでも御質問いたしますが、非課税品目に追加された業種というものはかなりの事業収益を挙げている。そういうものが、免税されたものが、中小企業の二万五千円以下の免税点以下のものにはね返る虞れが非常に大である。私各県の状態を見ましても、特に農業県におきましては農業に課税することができないし、そういう点から、何とかして歳入確保をしようというので、二万五千円以下の、これが免税点になつて、但し必要があるときにはかけてもいいということになつているのを奇貨として、そういうふうに圧迫が来ているのです。私はこういう点を最も概観的に見て心配するわけですが、一応予算が成立した現在におきましては、只今指摘されたような方法で財源を確保する以外にはない、これは妥当な措置だと思うのですが、若しこれが十分な措置ができませんときには、私はそううふうに転嫁されて行くのではないかという点を先ず心配するのですが、そういう虞れはないとお考えでありますか。私はそういうふうにするなら、やはり事業税なんかも二万五千円を基礎控除にしてしまう、これにはかけられないというふうにすると、私はそういうふうに転嫁される虞れがないのじやないかというふうに考えるのですが、この点先ずお伺いしたい。
  10. 野村專太郎

    衆議院議員野村專太郎君) 只今の御質疑は御尤もでございますので、実は私、今度の修正案は、明確に財源を確保して、そうして修正案を提案をすべきだつたのですが、先ほど御説明申上げたような事情で、今日以上遷延できませんものですから、この修正案を可として出したのでありますが、併しこの修正案が仮に本院におきましても御了承頂いて実施するということになりましても、財源措置は明確にやはり確保いたしまして、これは実施すべきであります。年間税のごときは、これは直ちに法律公布の日から行きますが、他の遊興飲食税とか入場税とか、そういうものにつきましては、次の国会において補正予算を明確にいたしまして、そうしていわゆる地方自治体の財政に穴のあかないようにこれをやることにいたしまして、そういう点から実は実施をすることにいたしまして実施時期は次の年度までの間に政令で時期をきめる。非常にすつきりしませんが、今の御質疑のような心配があるものですから、そういうことにいたしたわけであります。従つてこれを他のほうに転嫁するようなことはないと思います。それから事業によつて、まだそのほかに外さなければならんというものもあると思いますが、これも私らもこれを肯定いたしますが、併しこの遊興飲食税のごとき、而もこの大衆の飲食行為のごときは、これは特別徴収義務者として業者がやつておるので、これはお客から取れない実情等も勘案いたしながら、これは業者の納める税金ではない、お客の納める税金を代つてつておるわけですから、そういう点から、実際実情に即し得るような観点から、こういうような大衆的な飲食行為に対してやつたわけでありまして、併し他の業態なり、いろいろな業態に対しても御指摘のようなことは十分私も同感でございます。  それから事業税免税点二万五千円は、今回の政府改正案で基礎控除は三万八千円となつておるようであります。
  11. 中田吉雄

    中田吉雄君 まあその点は別にいたしまして、次にお尋ねいたしますのは、こういう所で申上げるのは甚だ心苦しく思うのですが、併し新聞に出ていたわけですからお尋ねいたしますが、電気ガス税非課税にすることによつて、極く僅かなこの追加された業種は、莫大な電気ガス税免税の恩典に浴すると、非常にこういう赤字が出るにも拘らず、歳入欠陷が出るにも拘らず、この法案が通つたのは金品の授受があつたということが出ているので、私は高邁な、清廉潔白な野村さんにこういうことを言うのは非常に心苦しいのですが、新聞に出ていますので読んでみますと、五月十四日の東京日日新聞のトツプ記事でこういうことが出ているわけであります。原安三郎さんですか、これは吉田総理のプレーン・トラストの一人であつて日本化学工業協会の会長であつてそれが莫大な金を贈つて、実弾射撃が見事奏功して易々とこのような法案衆議院を通つた。こういうことがトップ記事に載つている。甚だこれは申上げがたいのですが、火のない所に煙も立たんというような諺もありますし、我々といたしましては、産業に重圧を加える電気税については適当な措置をしたほうがいいということを考えていますので、考慮もいたさなくてはならんと思うのですが、こういうことのために参議院が易々と実弾射撃が見事奏功して通つたというようなことになつてもこれは困りますので、この点ははつきり私はこの地方税政府が出された改正法案に対する再修正というものは、全く公平な立場から出されたのであるというふうにすることが必要だと思いますが、この記事を見られたでしようか。そしてこれに対してどういうふうにお考えでありますか。こういうことを質問しては大変恐縮ですが、一つお答えを願いたいと思います。
  12. 野村專太郎

    衆議院議員野村專太郎君) 只今のお尋ねの新聞記事は私も拝見いたしました。私は誠に足りませんが、公正な見解各党とも話合つてこの修正案をまとめたのでしてこの化学工業協会の会長ですか、原さんは。これは一、二年前に電気ガス税のことに関して、請願のときにお目にかかつたことがあります。この電気ガス税非課税範囲をきめる枠ということに対しては、私らとしては慎重に扱つたのです。今のような、実は私らも素人でありますので、いろいろたくさんあります工場で、一つ一つの工場の本質ということについて十分、完全な批判は困難である。そこでこれは通産省ともいろいろ……、衆議院としては従来やつて来たそのものだけを中心にしてこれをきめて、そうしてさつき岩木さんのお話のあつたパルプのごときも、最近は事情は大分変つて来たようですが、これは入れなかつたところはそこにあるのであつて、私らとしては十分一つ一つについて博学な見識を持つていればいいのですが、それは我々としては完全な認識がされてない。そういう点から、従来から課題になつておりました製品の工場に対しまして、これは産業振興、貿易伸張のためにこれをやつたので、むしろ我々個人としては全体的にこれをかけて、むしろ税率そのものは若し撤廃ができなければ下げるべきほうがいいとむしろ思つてつたのですが、ただ一応今までの凸凹はこれによつて直すことが妥当である、こういう見解からこれをきめたのです。誠に融通性もありませんし、ただそのまま従来対象になつておりましたものを各党とも話合つてそのまま行つておる。岩木さんの御指摘のようなものも盛込んだのはそこにある。その新聞記事は拝見いたしましたが、私は別に何らそれ以上に出ておりません。別に関心以上のものを持つておりません。併しそういうことがあるとしたならば、これはもういかんことであつて、又私としては誠心誠意、この問題に対しましては我々足らざる見解各党ども無理のないように話合つてきめたというのが今までの経緯であります。
  13. 中田吉雄

    中田吉雄君 まあそういうことはないと思いますが、先般保険料金の、健康保険ですか、料率の値上げの問題がありまして、各党とも一生懸命にやつたのですが、その当時政治資金規正法によつて届出をされたものを見ますと、やはり医師会からその当時自由党に二百万近くの献金がされた。これは明らかに政治資金規定法で出て行つたものですが、そういうことがあつたりいたしますので、どうもこれは私ははつきりして、それはまあ偶然の一致だつたのでしようが、ああいうことが非常に問題になつて、この前の国会であの単価を引上げて行つた、丁度そのときそれと符合を合せて、その後新聞などに出たのでは、やはり百何十万ちやんと届出がしてあつたというようなことと絡み合いますので、これはなかなか面白くないと思うのですが、この点は一つ今日だけでないと思いますので、私は本来なら原さんに来てもらつてこの事態をはつきりして、そういう疑いを拭つて、そうして公平な見地から電気ガス税をどうするかということをやつたほうがいいと思いますが、それは私見になりなりますので打切りまして、私はそういうふうな業種別の生産コストに占める電気料金割合からああいう措置をすると同時に、この電力が再分割されまして、地域差ができて行くことによつて非常に多くの矛盾ができているのですが、この点については衆議院では問題にならなかつたでしようか、お伺いいたしますが、それはこの地方税法の第四百八十六條には、電気ガス税は電気又はガスに対して、料金課税標準とするということになつて電気料金課税標準になつておるわけであります。そうして四百九十條には、電気及びガス税の税率は百分の十とする、こういうことになつて百分の十に、電気料金になつているのですが、実はシヤウプがこの勧告をしましたときには、電力は全国一社でありまして、電気の料金の地域差がなかつたわけであります。ところがこの地方税法が通るときにすでに九つに九分割されて、非常に地域差ができたわけなんです。そうして地域差ができて、電気料金が高くて困つているのに、更にそれが百分の十の同じ高い割合の電気税がかかることによつて、非常に地域差の高いところは困つているのです。例えばこのたび中国、九州、四国等を例にとつて見ますると、全国二割八分の引上げですが、三割三分近くに引上つている。それに又、電気ガス税も電気税も同じことです。それに比例して電気料金が高くて中小企業その他が困つていますのに、それと同じ料率の電気税がかかつて、又重圧を加えるということになるので、私はこれをキロワットか何かを、量を基準にしたら、そういう地域差の矛盾が是正されるのではないかということを考えるのですが、その点は問題にならなかつたでしようか、お伺いいたしたいと思います。
  14. 野村專太郎

    衆議院議員野村專太郎君) 今の御質疑の点までは掘り下げて行くまでには論議は行つておりません。併し将来電気ガス税相当又検討する時期もあろうと、こう考えておりますから、先ほど繰返して申上げるような慎重な態度で、我々としては何の幅を持たずにやつて来たというのが今までの経過でございます。
  15. 中田吉雄

    中田吉雄君 それから頂きました説明書の喫茶又はこれに類する軽飲食を提供する店で、地方財政委員会規則で定めるものにおいてはということで岩木委員から質問されたことで、野村さんの気持もわかつたのですが、私はこれははつきり、例えばうどんそばというようなもの、これはむしろ家庭の延長ですらあつて、むしろ茶菓なんかよりもはつきりそれを打出したほうがいいじやないか。むしろ今うどんそばとかいうようなものは殆んど家庭の延長で、全く遊興飲食というような関係でなしにやつている事情が多いと思うのですが、これがやはり地方財政に歳入欠陥をしてはならないという財政委員会の慮りからうまく行かなんだときに困ると思うのですが、ごたごたが起きると思うのです。これははつきりしたほうが、うどんそばのようなものはいいと思うのですが、どうでしようか。只今の岩木さんののではよかつたのですが、この点を一つ……。
  16. 野村專太郎

    衆議院議員野村專太郎君) 只今の御質疑は、先ほど岩木さんの御質疑に答えておきましたが、私はそう思つております。今の御質疑、これは明確にすべしということは御尤もであます。これは地方財政委員会規則で明確に、その実施の問題に対しまして明確に行くと思うのですが、大体自治庁と今までなにいたしました過程においては、そばうどん、外食券食堂というようなもの、すしとか、こういうようなものはこれに入ると考えてこの修正案を用意しておるわけであります。併しこの地方財政委員会規則のときになお御質疑のなにが明確に行くようにやるべきである。こう考えております。
  17. 中田吉雄

    中田吉雄君 それからそのページなんですが、これも先に質問が出たんですが、更に知事に対しては、特別徴收義務者所得税又は法人税基礎なつた売上げ金額に基いて云々というのですが、この点について、この税率を下げただけのパーセントに比例しては私も遊興飲食税は減らないと思うのですが、それは一体税率を下げることによつて脱税したものも網の中に入れることによつて割合に余計取れると思うのですが、その税率が下る率と、網の中に入れて脱税したものも徴收できるという交叉点ほどの点で踏んでおられるのですか。例えば遊興飲食税百分の四十であつたものを百分の二十にすれば百分の二十、それだけしか取れんということはない、もつとたくさんとれると思うのですが、その税率を下げるのと、取れる歳入欠陷との関係は、これはどういうふうに睨んでおられるでしようか。
  18. 野村專太郎

    衆議院議員野村專太郎君) これは先ほど申上げましたように、私らの修正案減税案ですから、少くともこれを運用して従来より逆にこれを増徴しようということは、我々の修正趣旨とはおそらく背馳するものであります。従つて五割減税に近いものが修正案で仮に通過をいたしましても、それだけ下るということはまあ困難だろうと思いますが、少くとも御心配のような従来より増徴されるということは、減税案である限りは私らの採らないところである。併しこの法規通りに行きますると、正確にこれを、更正決定なり、正確にこれをこうしまするとそういう御心配も出て来はせんか、そういう点から行きますると、もつと実情に合うような実施のできるように、更にもう少し徹底した修正案のほうが、例えば標準一割とか、均等一割とか、そういうふうなほうがもつと実際に合うと思いますが、併しこれは地方の財政としては遊興飲食税も重要な一つの支柱になつておるものですから、関係業界にもよく協力をしてもらつて、一応この程度でまあやつて行きたいということでまとめて来たのでして、そういう点について地方の自治体の財政ということも我々議員としては考えねばなりませんので、そういう点から減税案を出すと同時に、これに対する徴税というものが公正に行われるような方途を講じないというと無責任なそしりを免れないので、こういうようなことを考えたのでありまして、この点に対しても十分に一つ御検討を願えるところだろうと、かように考えております。
  19. 中田吉雄

    中田吉雄君 この固定資産税で、農業協同組合の農業倉庫に対する非課税は私全く同感で、最労政府は農家から買上げて消費者も渡すまでの中間経費をできるだけ節約するという面は、一切保管料にしわ寄せする傾向が非常に強い。それて最近農業倉庫は政府から金を借りて建てまして、年利七分ですか、建つて政府の保管料では採算が合わないのです。前でありますれば一月おいても一年の保管料をくれていたものが、限月制度に切つてしまつて非常に採算が合わないので、殆んど中間経費の節約を農業倉庫に全部しわ寄せしている。そういう面て免税措置を御考慮になつたのは、国家の代行機関としての農業倉庫ですから非常に適当と思うのですが、これはやはり農業倉庫を実際運営していますところの農業協同組合にも非課税にすべきではないか、殆んど国家的な農業政策の代行機関のような形をとつていると思いますので、そういうふうに考えますが如何でしようか。特に政府におきましてはそういうことを認めまして、協同組合が戦後非常に赤字をたくさん持つたというのを、農業協同組合再建整備法というもので五カ年間国家保証で再建するという建前から、国策の代行機関であるという立場を強く打出して来ておるのですが、この固定資産の農業倉庫だけでなしに、営業用に供しますところの事務所も範囲に入れることが妥当ではないかというふうに考えますが、この問題は出なかつたのですか、お尋ねいたします。
  20. 野村專太郎

    衆議院議員野村專太郎君) 御尤もであります。財政が許しまするならばそこらまで行きたいのですが、地方の財政の困難ということも考えながら、その片鱗の一部としてこの農業倉庫だけを考えたわけです。なおこれは他の協同組合との均衡等も考慮し、地方の財政ということを考えながら、いろいろ今の御指摘のような議論はあつたのです、あつたのですが、そういうようなことで一応この際は最小限度でまとめて行こう、こういうことになつたのです。
  21. 若木勝藏

    ○若木勝藏君 私最初に野村さんにお尋ねした点で、もうちよつと御回答願わにやならん重要な点を忘れておつたのですが、それは今ほど来中田君がいろいろお尋ねいたしておる点、私がずつと数点に挙げてお尋ねいたしました点によると、その財源というものかないから最小限度で、それも議題になつたが入れるとはできなんだ。即ち今回衆議院側修正された結果による減收分の財源というものは百二十二億でありますか、百二十二億だけは確保できたんだという解釈にとれておるのでありますが、だからその百三十二億の財源酒消費税、たばこ消費税のような工合に、還付税による制度の方法か、平衡交付金の方法による方法かどちらか、或いはそれを合併したようなことで財源措置考えられておるのか、それは大蔵省及び地財委当局などは、この財源までのところはもう両方話合いができておるのかどうか、これ以上の財源はできないという衆議院側のお見通しであつたというのかどうか、この点を承わりたいのです。即ちあれもしたい、これもしたいと思うのだが、財源がこれ以上許されんから、それは考慮ができなかつた、序列に入らなかつたという御意見でありますが、従つてこれだけのものは見返り財源は了承ができたのだ、裏から見ればこういう解釈がとれるのですが、それはそう解釈してよいのかどうか、これ以上の見通しは、衆議院側の努力としてはこれが精一ばいで、これ以上はとれないというならば、参議院側がどれほど努力して窮河打開の方法がとれますかどうかは今後に属しておりますが、万が一とれないという場合には、百二十二億に相当する範囲内で遺憾ながら衆議院側から出された修正案内容を再検討する、例えば今中田君が御指摘のような電気ガス税の取扱についても慎重な取扱を特にせにやならんというようなことからして、残念ながらこれは修正の余儀なきに至る、だから財源がまだこれこれ何とか都合のつく見通しがあるという解釈ならば、折角修正されたものを我々はもうそんな要らんことをさわる必要はない。更に参議院側の希望点をこれにプラスしたいと、こう考えるわけでありますが、こうした点を一つお見通しを伺いたいと思います。
  22. 野村專太郎

    衆議院議員野村專太郎君) 少し消極的な地味な御答弁を申上げたと思うのですが、私らといたしましては大蔵省なり、地財委当局なりいろいろなお今日でも努力いたしておるわけですが、決してこれだけの財源をとつたからこの修正案をやるというものではないのでして、ただ一応現在国会に提案になつております地方税法の一部改正に関する附加価値税ほかいわゆる広告税とか、職業野球だけやるとか、そういうことであつてはならない。これは党派を超越して一応均衡の取れた修正案は最小限度やらなきやいかん、こういう見解に立つてこの修正案をまとめた。従つて財政当局にこれだけの財源までの了解を得たからどうというような観点でやつたのではない。従来懸案になつておるものを大体根幹にしてやつたというのでして、むしろ平衡交付金にいたしましても、酒たばこの消費税等仮に考えて見まするならば、まだまだ私は相当余裕があると、こう考えております。衆議院側といたしましては、そういう観点からこの修正案をまとめたのでしてそういう点からは多少……ただ地方の財政というもののいろいろの陳情等もありますので、そういう点から考慮しながらこれはやつて来たのでして、我々委員会といたしましては以上の見解でこれをまとめたものであります。
  23. 西郷吉之助

    委員長西郷吉之助君) 他に御質疑はございませんか。
  24. 岡本愛祐

    ○岡本愛祐君 各修正につきましていろいろ質問があるのですが、もう時間もありませんからちよつとお尋ねして置くのですが、一番わかりやすい入場税の減額ですが、どういう御方針でこういう純舞踊、純オペラ、文楽、能楽それからプロ野球等の職業運動というものを十割から急に二割と思い切つて下げられたのか、ほかに残つている雅楽とかそういうほうとの関係はどうなるのか、歌舞伎なども問題になりはせんか。純オペラというような言葉はどういうことを意味しているのか、純音楽というのは私が使つた言葉で、オペラとか踊りを伴つていないものを言う、而も俗なものではない、芸術的なもであるという意味で使つたのですが、そういうことを十分御説明願いたい。
  25. 野村專太郎

    衆議院議員野村專太郎君) 大体衆議院側のほうの考え方といたしましては、入場税に対する太い筋としてはやはり五割減税というのが大体の狙いつたものですから、前回の入場税に対しまして参議院さんのほうで、いわゆる純音楽に対する減税を四〇%ですか、これと大体舞踊ですとか、オペラですとか、能楽、文楽等は大体これと相対的のものである。大体これと同じものであるというのが第一の考え、それを入場税を五割減税にいたしたものであるから一応こういう点が出た。併し今の御質疑のあるような、いわゆる純古典演劇と言いますか、歌舞伎のごときものは、これは映画と比較しますると少し苛酷のように思います。併しこれもいろいろな観点から一応現在のようなことが出たのです。それからこの純、純というのは非常に出ておりますが、これも先に本院におきまして純音楽というものが取上げられたものですから、いろいろそういつたような均衛と言いまするか、いろいろないわゆるその実態の感じから行きましても、同じ舞踊にいたしましても、純オペラというもの、これも実は衆議院側のほうでもその意見が出たのですが、一応純音楽とまあ相対的にこれらを一応こういうことで考えて、それから今の雅楽のごときはこの能楽、或いは能楽以上のものであり、むしろこれなどは課税するのがどうかと思うくらいなものだろう、こう考えております。以上のような見解で十分その点に対しましては御検討を頂きたいと、かように考えております。
  26. 岡本愛祐

    ○岡本愛祐君 相撲も入りますか、プロ野球のみならず相撲も二割の中に入つておりますか。
  27. 野村專太郎

    衆議院議員野村專太郎君) 相撲ですとか、そういつたようなものはやはり減税に入るわけに相成るわけです。
  28. 岡本愛祐

    ○岡本愛祐君 細かいことはあとでお尋ねすることにして、学生のやる本当の、本当のといいますか、スポーツ、興行でないスポーツ、それを興行であるスポーツと同じ税にするということは少しおかしいと思う。これだけの思い切つたことをやられるならば、学生生徒のやる運動、競技、スポーツは入場料を取つて入場税免税するくらいのところに行かなければならないという感じがするのです。もう時間がありませんからこの次に……。
  29. 吉川末次郎

    吉川末次郎君 ちよつと議事の進行について、この問題じやないので速記をやめて懇談的な形でお話させて頂ければ大変結構だと思います。
  30. 西郷吉之助

    委員長西郷吉之助君) それでは本日はこれで散会いたします。    午後零時十六分散会