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菊川孝夫君
岡崎さんのお見通し誠に結構、我々はそうありたいし、そうなければならんと念願しておりまして、こんなところで戰争をや
つてもら
つては大変でありますけれども、現に基地の今
占領軍がおります
米軍の駐留地の附近を私たち二、三廻
つて見たのでありますが、夜間盛んに無気味な空襲警報といいますか、サイレンが鳴り響く、
日本人たちは
一体これは何のことかさつぱりわからない。ところが中に働いておる進駐軍の労務者の話を聞いて見ると、その際には
占領軍の兵隊さんは防空壕に待避しておる。ところが
日本の労務者の待避する場所がないし、その附近におきましては、
一体国民はどうしていいかさつぱりわからない、燈火管制せよという命令も来ない、これはどうだというのでいろいろデマも飛んでおりますが、結局総合して見ると、国籍不明機が入
つて来たらしい、こういうことで翌日は国籍不明機程度で話が終
つておる模様でありますが、これなんか、先ほど私申上げましたように、当然
日本でこういう基地があるからもうや
つて来ないのじやないかというのじやなしに、ソヴイエト側から見ると、やはり
日本を基地としてこちらに攻撃を加えて来るのじやないかというので、
向うはやはり
心配するだろうと思います。
従つて当然どういう設備を持
つておるのだろうかというので、
向うでは高室から偵察に来たり或いは写真をとりに来たりすることは、これは当然
日本軍とソヴイエト軍が黒龍江を挾んで対峙したときにもあり得たことでありますから、そういうことが軍が対峙した場合には当然起きよう、もう米ソが仮想敵国にな
つておることは誰も否定することのできない冷嚴な事実なのでございますから、あり得るのだろう、私たちはそれを危惧するのでありますが、その場合に、今の施設区域等の附近にある
日本の建造物或いは重要建造物、史蹟等の保護施設をしなければならん、これらの費用は
一体どこから出すのだ。それから将来これは今のような状態でありまして、朝鮮戰線も米ソの友好のうちに妥結して、そうして極東の平和はだんだんと明るいほうに向
つて来るというのであつたならよろしうございますが、まだ発火点がたくさんあると思う。一番
心配するのは台湾海峡を挾んでの中共と
中国との台湾の争奪戰もいつ起るかも知れない、これは発火点だと見なければならん、近くでは。これは一番近くに我々の一番恐れておる問題だと思うのですが、そう
なつた場合には、当然
国内にも何らかの
影響があり得ると見なければならんと思うのでありますが、そういう場合に防空施設その他もやらなければならんし、燈火管制の用意もしなければならん。現にもう
アメリカの本国においてさえ原子爆彈が来た場合にどうしようかというので防空の施設がされておるということは
向うの新聞にも載
つておるし、写真なんかもどんどん来てお
つて、
日本だけ安全だ、ニユーヨークやワシントンが危いというのに、この前線基地が一番安心だ、大丈夫だというような
岡崎さんのような楽観論にばかりついて行けない、曽
つて国民が
政府の
言つておる
通りについて行
つてひどい目に会つたのでありますから、今度はそうついてばかり行かれない。又あらゆる情報を
国民が得る限りに得まして、そうしてこれに対する対抗手段、防衛手段を講じなければならんと思うのでありますが、ここでお尋ねしたいのは、この防衛分担金によ
つて、そうした非常の場合に、基地附近の差当
つての防衛の用意等については、防衛分担金によ
つて支出されるものか、或いは
日本のその附近にあつた、あるところの、先ほど申上げました諸種の天然記念物並びに建造物等を保護する費用は
一体どこから出すのか、そういう予算として用意してあるかどうか、それに対する手配もできておるのかどうか、非常の事態を考えなければならん。なければ幸いでありますが、十分注意をする、なければこれに越したことはありませんから、これらのことは当然
行政協定締結に当
つても考えられたことであろうし、又
国有財産提供に当
つてもこれは議題に
なつたことだろうと思いますが、この点について
岡崎さんにお尋ねしたいと思います。