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1952-04-14 第13回国会 参議院 大蔵委員会 第39号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十七年四月十四日(月曜日)    午後一時四十九分開会   —————————————  出席者は左の通り。    委員長     平沼彌太郎君    理事            大矢半次郎君            木内 四郎君    委員            黒田 英雄君            西川甚五郎君            溝淵 春次君            小宮山常吉君            小林 政夫君            田村 文吉君            森 八三一君            大野 幸一君            波多野 鼎君            菊田 七平君   政府委員    大蔵政務次官  西村 直己君    日本専売公社監    理官      久米 武文君    大蔵省主税局長 平田敬一郎君    大蔵省主税局税    制課長     泉 美之松君    大蔵省主税局税    関部長     北島 武雄君   事務局側    常任委員会専門    員       木村常次郎君    常任委員会専門    員       小田 正義君   —————————————   本日の会議に付した事件 ○日本国アメリカ合衆国との間の安  全保障条約第三条に基く行政協定の  実施に伴うたばこ専売法等臨時特  例に関する法律案内閣送付) ○日本国アメリカ合衆国との間の安  全保障条約第三条に基く行政協定の  実施に伴う所得税法等臨時特例に  関する法律案内閣送付) ○日本国アメリカ合衆国との間の安  全保障条約第三条に基く行政協定の  実施に伴う国税犯則取締法等臨時  特例に関する法律案内閣送付) ○日本国アメリカ合衆国との間の安  全保障条約第三条に基く行政協定の  実施に伴う関税法等臨時特例に関  する法律案内閣送付) ○連合委員会開会の件   —————————————
  2. 平沼彌太郎

    委員長平沼彌太郎君) それでは第三十八回の大蔵委員会を開催いたします。  日本国アメリカ合衆国との間の安全保障条約第三条に基く行政協定実施に伴うたばこ専売法等臨時特例に関する法律案予備審査、これについての提案理由説明を聽取いたします。
  3. 西村直己

    政府委員西村直己君) 只今議題となりました日本国アメリカ合衆国との間の安全保障条約第三条に基く行政協定実施に伴うたばこ専売法等臨時特例に関する法律案につきまして、その提案理由を御説明申上げます。  この法律案日米行政協定の締結に伴い、協定の円滑な運営を図るためたばこ専売法塩専売法等特例を設けることを目的としたものであります。  その内容の概略を申しますと、先ず製造たばこ製造たばこ用巻紙又は塩の輸入特例を設けたことであります。即ち、製造たばこ製造たばこ用巻紙又は塩につきましては、現行専売法規によれば、日本専売公社以外の者が輸入するときには、公社委託又は許可を受けなければならないこととなつておりますが、合衆国軍隊がその用に供するために輸入する場合、軍人用販売機関等販売用輸入する場合、合衆国軍人軍属、その家族等一定量以内の製造たばこ又は相当量の塩を携帯して輸入する場合及びこれらの者に合衆国軍事郵便局を通じて一定量以内の製造たばこ郵送される場合には、公社委託又は許可を受けないでも輸入できることといたしたのであります。  次に譲渡等制限特例を設けたことであります。即ち、現行専売法規におきましては、公社の売り渡さない製造たばこ製造たばこ用巻紙又は塩の譲り渡し及び譲り受けは一般に禁止されておりますが、只今述べました特例により輸入されました製造たばこ製造たばこ用巻紙又は塩ば、合衆国軍隊軍人軍属、その家族等相互の間で譲り渡し、又は譲り受けることができることといたしたのであります。  以上がこの法律案提案理由であります。何とぞ御審議の上、速かに御賛成下さいますようお願い申上げます。以上でございます。
  4. 波多野鼎

    波多野鼎君 問題は第三条だと思うのですが、第三条の一号、二号は「合衆国軍隊の権限ある官憲により証明された場合」となつておりますが、三号、四号にはそれが全然ないのですが、そうすると無制限にこれは入るようになると思うのですが、その点どうなのですか。
  5. 久米武文

    政府委員久米武文君) 第三条の第三号及び第四号は、合衆国軍隊構成員軍属或いはその家族契約者等という一定資格特定された資格を持つた人が、その私用のために携帯輸入する場合、これが三号でございます。その場合は数量的な制限をつけてございます。それから第四号は軍事郵便郵送される場合でございまして、この場合におきましても、一回に郵送されるその数量についても同じく数量的な制限がついておるわけでございまして、こういう場合にはその送られて来るたばこ性質というものは、特別に「合衆国軍隊の権限ある官憲により証明された場合」というふうな文句を書かなくても、事柄の性質上当然に確認できると考えておる次第でございます。
  6. 波多野鼎

    波多野鼎君 数量制限されておるのですけれども、これが一カ月についてか、一日についてか、一年についてかきまつていないのですが……。
  7. 久米武文

    政府委員久米武文君) 携帯輸入の場合には、その携帯輸入一回について、それから郵送の場合には郵送される郵便物一箇につき、そういう意味に御了承願います。
  8. 波多野鼎

    波多野鼎君 そうすると郵便物では一カ月のうちに何度送つて来てもいいのですか。
  9. 久米武文

    政府委員久米武文君) この条文上は、例えば一カ月のうち五回送つても十回送つても妨げないということになつております。
  10. 波多野鼎

    波多野鼎君 いや、そこが問題なんですね。従来だつて銀座あたり向うインクなどがたくさん出ている。それをいつだつた予算委員会質問したときに、あれは皆家族その他の者が私用に供するために無為替の輸入を認めた分だというのです。そんなのが銀座あたりに氾濫するはずがないのですから、インクを一年に何オンス使うのか知らんが、結局そういう名目でああいうところに氾濫するのですよ。この四号のやつはどうして抑えようと思つているのですか。
  11. 久米武文

    政府委員久米武文君) この法律行政協定に基くものでございまするから、行政協定趣旨に従いまして濫用お互いに防ぐように、日米両国とも協力するという根本的な心がまえ上に運用されるものであることは間違いないと思つております。この軍事郵便局を通じて郵送されます場合、これはどういう必要があるかと根本的に考えて参りますと、これは司令部と申しますか、アメリカ側との折衝でもいろいろと問題になつた点でございますが、本のP・Xにおきましては、たばこにつきまして、アメリカで普通に売つているようなあらゆる品種を網羅しているわけではございませんで、アメリカ製造される製造たばこのうち極く一部分だけが日本のP・Xに出て来る。然るにたばこ嗜好品でございまするので、或る人が特定の例えば外国たばこを欲しい、或いは特定製造たばこを欲しいという場合には、その人が必要とする適当の量はその供給を確保するというふうに考えて行きたいというわけでございます。一回に送りまする軍事郵便物内容として、紙巻であれば二百本、その他の製造たばこでありますれば二百グラムというのが適当であると考えます。又その回数につきましては、これはお互いに健全なる良識で濫用は防止するということだと思います。
  12. 波多野鼎

    波多野鼎君 行政協定はこれはあなた方も御承知と思うけれども国会にはかけておらんのです。で行政協定に基くこれは法律なんだが、行政協定について我々は国会は関知しないのですよ。そこで我々としては、政府言つている通り行政協定に基く法律なりそれから予算なりについてしか審議しておらんのです。そこで我々は行政協定のことは知らないのだ、この法律だけを見ているのです。いいですか、この法律を見ていると、今第三号も問題があると思うのですけれども、特に第四号については法律上非常な不備があると思う。これだけ見て御覧なさい。毎日だつてつて来られますよ、そこをどうやつて阻止しようとしているかというのです。
  13. 久米武文

    政府委員久米武文君) 恐らくお尋ねの趣旨は、この第三条の第四号によつて日本に例えば闇たばこが氾濫する源がここに起つて来るのじやないかというふうな御懸念かと思うのでございますが、実際問題といたしましては、普通PXで売つておりまするところのアメリカ製造されたたばこというのは税抜きの安い価格でございます。それから軍事郵便で送つて参りますものは、それはアメリカ側との話では、これは税がついて高いものである、それでありまするから特別の嗜好によつて特定のものを是非取寄せなくてはならんという人が軍事郵便を使うであろう、又クリスマスであるとか、或る人の誕生日であるとか、特別な厚意を示すというふうな場合には軍事郵便が使われるであろうけれども、普通の場合に、例えば悪用しようというふうな人が軍事郵便を使うということは、それは想像し得ない、こういうふうな話合いに今なつておるのでございます。
  14. 田村文吉

    田村文吉君 今のに関連して伺いますが、アメリカの何ですか、税金払つたたばこというものは、こちらへ持つて参りまして値打はどんなふうになつておるのですか。
  15. 久米武文

    政府委員久米武文君) 中味は同じものでございますが、アメリカの例えば軍の構成員或いはその家族という者が、そのたばこにどれだけの値打があるかということを考える場合は、P・Xで売つておりまするものと同じものであれば同じ値打ということに相成るのでございます。
  16. 田村文吉

    田村文吉君 例えばラツキー・ストライク、そういうふうなものが税金払つた場合に、日本ピースなんかとどういう値段の割合になるわけですか。
  17. 久米武文

    政府委員久米武文君) 税金を払つて輸入されました例えばラツキー・ストライクとかチエスター・フイールドというふうなものは、これは日本ピースよりは高いということになつていると思いますが……。
  18. 平田敬一郎

    政府委員平田敬一郎君) 申上げますが、これは私専門でございませんので、そのつもりでおき聞願いたいと思うのでございますが、アメリカの国内におきましては、大体売つておりまするのが一箱二十セント前後で、大体二十セントから二十セントよりちよつと高い二十二、三セントで売つているのが多いと見受けました。大体二十セントでございます。今年になつてたばこが少し値上げになりましたので、それよりもちよつと高目になつているかと思います。それは併し一セントかニセント高くなつている程度でございます。仮に二十セントとしますと、三百六十円を乗じますと二十本人で七十二円でございますから、従いまして七十円から八十円ぐらい、二十本入……。従いまして光よりちよつと高いが、ピースよりはちよつと安い、大体ピース値段と余り変らないのではないかと、かように見ております。
  19. 田村文吉

    田村文吉君 今私の伺つているのはそこなんで、波多野さんの心配されているのもそこにあると思うんですけれども、例えば有税でこつちに入つて来ておるものであると、非常に好奇心が強いものですから、みんな外国たばこを喫むことを喜ぶということのために、そういうものが非常に市場に現在でも氾濫しているんですが、氾濫する虞れがありはしないかということを非常に心配するから、それでどうかと、こういう意味なんです。それで一体値段の釣合はどういうふうになつておるかということをお伺いしたんです。そうするとピースよりは少し安いという程度にお考えになつているんですか。
  20. 平田敬一郎

    政府委員平田敬一郎君) まあピースよりは安い場合と、ピースと大体同じくらいと、ピースよりやや高い場合もあると思います。御承知通り専売品じやございませんので、アメリカ小売価格は州により又は店によつて違つているようですが、大体二十セントから二十二、三セントだと思います。そうすると一本当りピースよりも安いか、或いはちよつと高い程度になるのでございまして、或いはちよつと安目な場合が大衆の店舗で買う場合に今まであつたかと思います。今年になつてからたばこもちよつと一セントでしたか二セントでしたか引上げたかと思いますが、その程度を考慮に入れますと、大体ピースと同じくらいになつておるのじやないかと思います。今の点は日本において有税品としまして外国たばこが売られる場合には、これは日本消費税がかかるわけでございますが、この場合はちよつと高くなるかと思います。
  21. 波多野鼎

    波多野鼎君 今の日本消費税のかかる外国たばこ、例えばラツキー・ストライク幾らになつておりますか。
  22. 久米武文

    政府委員久米武文君) 現在専売公社が証紙を貼りまして販売しておるラツキー・ストライクチエスター・フイールド等は百三十円でございます。
  23. 波多野鼎

    波多野鼎君 今話が出たようにピースと大体同じくらいと、値段が。それから或いは安い場合もあり、多少高い場合もあると思うんだが、それからラツキー・ストライク専売公社で売つている場合は百三十円と、郵便で来れば八十円と、これは随分開きがありますね、同じ品物を。で私はそれを心配するからこの四という途を開けておけば幾らでも入つて来ると思う。今まで開けておかなくても幾らでも入つて来たのであるから、こんな途を開けておけば止め度がないということになるのです。ただそれを向う司会官か誰か知らんけれども、それと紳士協定というのか紳士協約、まあ日本専売品を圧迫しないようにするのだというような話では、我々国会議員としては安心できないと思うのです。若し法律の上で何か出て来なければならん、何か出して来なければならん……その必要なしに、而もあなたがたの手で完全に、押えようという自信があるのか、どういう方法で押えるのかお聞きしたいと思います。
  24. 久米武文

    政府委員久米武文君) 闇たばことの関連におきましては、最もその問題になります点は、合衆国軍隊構成員であるどか或いは家族というところから日本人に流れ出る、或いはそのルートにおきましては、軍人用販売機関等から軍の構成員或いは家族、それが主たるルートでございます。そこから流れ出やしないか、そこから流れ出るものをどう押えて行くかということは、これは政府としても専売公社としても非常に研究いたして行かなければならん、これは従来からある問題でありまするし、今後も又大いに努力し研究しなければならん問題だと思います。郵送の分はその問題に比べますれば比較的には小さな問題であるという感じでございます。
  25. 波多野鼎

    波多野鼎君 それは今あなたが言われたのは第一号、二号あたりに関する問題であつて、非常にこれは、今まで専売公社の発表でも、こんな途がなくても年に何十億本というものを発表しておつたと思うのですけれども、何十億本も入つて来てはどうにもならないのです、そうでしよう。それは別の問題としていいのだけれども、第四号だけについて見ましても、合衆国軍隊構成員でしよう、黒人もいますよ、それから軍属至つてはどんな者が出て来るかわからない、更に契約者軍事基地を作るためにアメリカ駐留軍と契約して日本にいるアメリカ人のことです、何人来ますか、こんなのについて一人当り一週間おきに、一週間ずつでもいい、入つて来たらどうですか。而も多少小遣い稼ぎにやれるのだから、八十円で送つて来て百三十円で売れるのですよ。そういう途が開けてあるのです。何人ぐらい出て来るのですか。日本に駐留する契約者とか何とか含めて大変な数ですよ、これは。
  26. 久米武文

    政府委員久米武文君) 問題を少し元に遡りますけれども合衆国軍隊構成員軍属、その家族或いは契約者等々というものの定義はこの第二条に掲げておる通りでございまして、定義につきましては例えば関税法臨時特例の場合の定義と全然同じです。それからなお実際問題として従来の私どもの経験では、この郵送の場合が濫用されるということはそう考えられないのでございまして、現在実際に専売公社が証票を貼りまして販売しておりまするところの輸入たばこ、例えばラツキーストライクは百三十円というもの、これを街の闇市場で買つた幾らするかというと、大体百三十円より遥かに下廻つております。大体一個にいたしますれば九十円前後という実情でございます。若し悪いことをしようということを考えたならば、こういうふうな郵送というふうな途ではなしに、ほかに事実問題としてもつと大きな途があるわけでございます。この法案の御審議の面から見れば、この第三条第四号の点は、実際問題としてさほど弊害は起らないということを私どもは考えておるのであります。
  27. 田村文吉

    田村文吉君 単に今のは第三条第四号だけの問題ではなくて、非常に闇たばことかそういうものが氾濫して、日本財政収入に影響するようなことに、現在でも非常になつておるのだから、今後又行政協定ができて、なおそれが多くなつちや困るじやないかということが皆さんの心配なんであります。そこで私は、むしろ専売公社としてはもつと強くこれが入らないような厳重なる一つ取締方法法律できめる手がないのかということを我々は考えるわけであります。専売公社の味方になつて、もう少しこれは取締つてもらわねば困るのじやないかということを考える意味で言うのでありますからして……。
  28. 久米武文

    政府委員久米武文君) このたばこ専売法等臨時特例は、法制の技術的な面でこういうふうな条文の体裁になつておりまして、第三条におきましては輸入特例ということを規定いたしておりまして、一定資格を持つた人一定の場合に一定のものを輸入できるということを規定しておるわけであります。これは現在の専売法におきまして、たばこの場合は、製造たばこにつきましてはたばこ専売法第二十八条におきまして、普通の人が勝手に輸入することを禁止しております。又塩の場合には塩専売法第二十二条におきまして、普通の人が勝手に塩を輸入することを禁止しておる。その禁止に対する特例としてここに穴を明けておるわけでございます。それから譲渡等制限特例、今後の法律案の第四条でございまするが、ここの所はこういうふうなことに相成つております。即ちたばこについて申しますと、現在のたばこ専売法第六十六条では、何人も、このたばこ専売法規定により認められた場合を除くほか、公社の売り渡さない製造たばこを売り渡したり、所持したり、譲り渡したり、譲り受けたりしてはならないという一般的な禁止規定がございまして、この禁止規定違反すると三年以下の懲役、三十万円以下の罰金という罰則が現行法上あるわけでございます。今度平和条約が発効いたしますると、例えば合衆国軍隊構成員であるとか、或いはその家族等が若し日本人に譲り渡したらば、直ちに現行たばこ専売法第六十六条の違反になるわけでございます。その禁止違反になるわけです。そこで以て現行法上直ちに取締りができるわけでございます。そういうふうな仕組になつておるわけでございまして、只今いろいろ御親切に御注意頂きました取締の点は、この現行たばこ専売法第六十六条の運用について遺憾のないように十分専売公社或いは大蔵省としてその励行を図るように努力しろというふうな御注意として、有難く拝聴する次第でございます。
  29. 田村文吉

    田村文吉君 この間もお話があつたのですが、つまり今までは売つた人には罪がかからなかつたと、今度は売つた人も罰せられると、こういうことになつたという御説明でしたね。
  30. 久米武文

    政府委員久米武文君) 譲り渡しもいかんし譲り受けもいかん、双方ともいかん。
  31. 田村文吉

    田村文吉君 譲り受けは今までもいけなかつたのですが……、それからたばこの紙ですね。これは何のためにこんなものを入れる必要があるのですか。
  32. 久米武文

    政府委員久米武文君) 紙巻たばこでありますれば特に製造たばこ用巻紙ということは書かなくてもいいのでありまするが、普通の場合書かなくてもいいのでありまするが、向う製品のうちに、例えば中味だけを刻んで罐に入つておる、ライスペーパーは別に添附してあるというふうな製品が若干あるように認められまするので、そういう場合にライスペーパーということも謳つて置かんと困るという趣旨でございます。
  33. 田村文吉

    田村文吉君 ライスペーパーが一番濫売される虞れがあるので、過去の専売局の配慮も、ライスペーパーを入手に入れると大変万事が便宜だというようなことでございますから、やはり外国から紙をどんどん自由にしますと、中に悪いものを包んで、それで外国たばこのまねをするというようなことも起り得るのでありますので、どうもこんな非常にレーア・ケースで、減多にないようなシガレツト・ペーパーまで一体そんな中に入れておくのはおかしいと、こう考えるのですが、相当に例があるものなら別ですけれども、極めてレーア・ケースですからそう思うのですが、如何でしようか。
  34. 久米武文

    政府委員久米武文君) 製造たばこ用巻紙は第三条の各号のうちで一号と二号、この二つだけに限定しております。つまり合衆国軍隊軍用貨物で以て一括して持つて来るという中にライスペーパーが入つておる場合、それから軍用販売機関等輸入するもののうちにそういうふうな特殊な製品がある場合ということを考えております。
  35. 木内四郎

    木内四郎君 今の政府委員の御答弁でよくわからないのだけれども、常識的に簡単に説明してもらいたいのですが、第二条の九項に、「製造たばこ用巻紙」とは製造たばこさや紙用製造された紙だというので、長く巻いたあれでなくて、小さく切つた巻紙のことを言うのじやないですか、その点ちよつと聞いておきたいのです。
  36. 久米武文

    政府委員久米武文君) ライスペーパーという用語が或いは妥当でなかつたかと思いますが、製造たばご用巻紙といいますのは、たばこ専売法において定義されておるとの同じ意味でございまして、さや紙製造された一つ一つに区切つてある、そういう意味でございます。
  37. 木内四郎

    木内四郎君 何かライスペーパー言つて、あの長く巻いたものでなしに、第二条の九項に定義しておる意味ライスペーパーでしよう。その点はつきりしてもらえば誤解は解けると思います。
  38. 久米武文

    政府委員久米武文君) さようでございます。
  39. 平沼彌太郎

    委員長平沼彌太郎君) ちよつとお諮りしますが、実は提案理由説明を聞いて、あと内容説明を伺おうと思つた質問に入つてしまつたのですが、どうしますか。質問を続行しましようか、内容説明を伺いましようか。    〔「簡単だから」と呼ぶ者あり〕
  40. 平沼彌太郎

    委員長平沼彌太郎君) それでは質問を続行します。
  41. 田村文吉

    田村文吉君 無論私もシガレツト・ペーパーを小さく切つて来たものを意味しておると、こう考えておるのですが、そういうものは非常に稀にしか入らない、使わないものなんで、そういうものは市場に流れると一番困るのは、内容の悪いたばこをその紙に包んで売る、こういうことが非常に多い、その意味においてこんなシガレツト・ペーパー輸入定義される、こういうような輸入を許すというようなことはやめたらいいじやないかというふうに考えたから、一体そんな例は多いのですかということを伺つたのです。
  42. 久米武文

    政府委員久米武文君) 数量酌にはそう大した量ではないと考えておりますが、更にそういうふうな特殊な例があるように見受けられますので、その極く少いところの特殊な場合に備えただけの規定でございます。
  43. 波多野鼎

    波多野鼎君 これは根本問題ですけれども、いつであつたか、この前の予算委員会であつたか、臨時国会予算委員会でこのこと、このことと言いますのは、密輸入品市場に氾濫して、日本中小企業を圧迫しつつある現状をどう見るか、一体どこからこれは入つて来ておるのかということを大蔵省当局に聞いて、答弁がなかつたのですよ。大体まあ日本におる人たち本国使つた香水が使いたい、本国使つたカミソリが使いたい、本国使つたインキが使いたいという、まあそういう希望があるので、そういうカミソリだのインクだのを入れてやつているのだと、大目に見ているのだというお話があつた。それに対して私は、そういうことをやつておる国が一体どこにある、世界中に日本だけじやないか、日本工業技術も随分発達しておるし、日本におるなら又日本の物を使つてくれるのが当然であつて、何も自分の郷里で使つておる物をどうしても使わなければならんという、そういう阿呆なことは言わなくてもいいと私は思つておるのです、今までも。そういう見地からいうと、特に目ざわりなのは第四号なんです。そういう趣味を、特殊の趣味、たばこについての特殊の趣味を持つている人を生かすために、これだけのサービスを法律でしなければならんのか、独立国になつてもなおしなければならんのか、ここが問題なんですよ。基本的には一体大蔵省はどういうふうに考えておられるのですか。そんなにしてまでもサービスしなければならんのか、特殊の嗜好ですよ、特殊の嗜好の人だけに備える規定をなぜ作らなければならんか……。
  44. 平田敬一郎

    政府委員平田敬一郎君) 大 分一般的のお尋ねでございますので、私からお答え申上げたいと思いますが、御承知通りこの終戦後実は関税、物品税等に対しましては、外国人の使用に供する物に対しまして大幅に特例を実際上認めておりまして、まあ課税しないで販売することを認めておりました関係上、それが相当大量に横流しになつたような例がありますことは、今波多野さんのお話通りでございまして、まあ私どもも一刻もこういう特別措置は早くやめたいという考え方で実は進んで参つたわけでございますが、段階といたしましては、先ず物品税だけをかけるというのはたしか昭和二十五年頃からいたし、それから関税法の全面改正に伴いまして、一般の外人の使う物につきましては関税も課税される、そういうようなことにいたしまして、御承知通り特殊のシヨツプ等の制度をやめるということにいたしまして、現在に実は至つたわけでございます。今年の一月からは特にそういうような特別な店鋪等も全部やめまして、全部一般の外人に対しましては日本人と同様なものにする。関税、消費税等も全部課税したもので消費してもらう。ただ実際問題としまして、これも程度の差でございますが、やはり関税、消費税はかかりましても、或る程度外貨の割当をしまして、そういうものを輸入しまして、買えるようにしておかなければ、これはやはりどうも面白くないだろうというので、少い外貨の中から現在も或る程度外国品に対しまして為替の割当をやりまして輸入を認めております。そういうものにつきましては関税、物品税がかかりましたもので一般外人が消費しておる、これが現在の状況でございます。まあ更に一層それを、むしろ日本の品物を使つてもらいたいという意味で、外貨の割当等も厳重に縛られるかどうか、そこまで行きますのはなお今の段階において如何であろうかと私感じておるのでございまして、先ず今といたしましてはその辺でなかろうかと思います。それが一般の外人に対する取扱いでございます。  それから問題は軍人さんのほうになるのでございますが、軍人さんを一般の外人と同じようにしたらいいじやないか、こういう議論も確かに一つの議論かと思いますが、これはアメリカの国内におきましても、或る程度軍人に対しましては必需品的な物に対しましてはやはり課税の特例を認めまして、安い物の消費を認めておる、こういうまあ事実もございますので、やはり日本に来て消費する場合におきまして、関税、物品税を本国から持つて来た物に対しまして課税する。それで専売品等につきましても日本の高い価格そのままで消費させるというのは、これはやはりどうも少し軍人軍属日本に駐留する、勤務するような立場から考えまして、どうもやはり行き過ぎではないか、こういう事情で実は輸入品につきましては特例措置を設けておる次第であります。勿論これは私ども横流し等につきましては厳重な措置を必要とするのでありまして、これは従来よりもより以上に努めたいと思つておる次第でございますが、先ほどからもお話が出ましたように、関税の免除されたものにつきましては、今度はそれを承認を受けないで処分しました場合には、関税につきましては、今まで何ら規定はなかつたのでありますが、今度ははつきり規定を設けまして、譲渡人も無免許犯として処分することができる、つまり輸入したものとみなしておりますので、手続を経ないでやりました場合は、一種の密輸と同じような、まあ特別な罰則の適用を受けるということにいたしておるのでございまして、これは極力私ども励行を図りたいと思いますが、そういう法令上の整備もできております。たばこのほうにつきましては今までから規定はあつたのでございますが、軍人軍属に対しましては実際上日本法律が適用にならない。そういうことに対しましては、そういう関係で占領下におきましては、適用ができなかつたのが、今度はやはり専売法規定をそのまま適用いたしまして、譲渡した、有償で販売した場合は、これは一定の制裁を加える、こういう規定を適用することができる。それぞれできるようになつております。そういうことになりますと、そういうことをよく私どもとしても注意をいたしまして、運営上に遺憾なきを期しますれば、今までよりはよほど横流しは少くなり得るのじやないか、又是非し得るように努めなければならないと、こいうふうに考えておるう次第でございます。
  45. 波多野鼎

    波多野鼎君 今、あなたの言われたのはまあ軍人軍属などを一般人並よりも多少優遇して行きたいというその気持はわかるのですが、それはいいと思うのですが、それなら第三条の一、二で済むのです。一、二があればいいのです。三、四というやつは余計なんです。特に一、二についても言えることだけれども、三、四についても契約者というもの、これは普通の商人じやないか、そんな者にまでなぜ特権を与える。そんな必要はないじやないか。軍人軍属なら、家族向うの軍隊構成からいつて家族まではしようがないと思うのですが……家族についてでも僕は問題があると思うのです。いわんや契約者至つてはこんな者にまでなぜ特権を与える必要があるか。私はどうしてもその意味がよくわからない。あなたの言われるのは一、二で十分で、三、四は要らないんじやないか。
  46. 平田敬一郎

    政府委員平田敬一郎君) 私は三と四は今久米政府委員からお話がありましたように、それほど実は余り大きな抜穴になるような規定ではないと見ておりますが、その辺がこれは非常に悪用される余地がある、悪用されるということになると、今波多野さんのような御心配が出て来ると考えるのでありますが、三号のほうは、例えばアメリカのほうから日本に入つて来る、そういう場合におきまして、いろいろな荷物の中にたばこを二十本入り一カツトでございますね、それだけ持つて来る。それはまあ輸入も自由にできるし、関税もかけないというのがまあ三号、それから四号はまあ郵便を使いまして、ときどき誰かから送つて来るか或いは取寄せる。これは非常にこれをたびたびやりまして、何か悪用するということでありますが、やはり輸送量とか日本における卸値、闇たばこの卸値と申しますか、そういうものと比べまして、余りこれを利用しまして大々的に活用して儲けるというような余地は先ず私どもそれほどないのではないかと見ておりますが、そうだとしますれば、三号、四号はそう重きをなさないと御判断を願つてもいいのじやないか。問題はお話通り二号でございまして、二号は本当に軍隊が必要とする通常のたばこは免税になる、或いは輸入につきましても免許が要らない。併し二号については、P・Xで販売される場合はやはり配給制みたいになつておるらしい、一週間に幾らというように割当て販売をされるという事実もございまするので、まあその辺が一番問題かと思いますが、大体は一号、二号が実際は大部分の問題に関係して来るわけでありまして、三号、四号は建前といたしましても、附足りのものだと実は考えておる次第でございます。それが一つの問題であります。  それから契約者という言葉を使つておりますが、これは特に定義にも掲げてありますように、アメリカ本国から特殊な工事を請負わせるために連れて来る人のことを指しておるのでございます。法律では余り厳密に皆書けないで一般的になつておりますが、私どもいろいろ契約者につきましては先方と話合つたときの話によりますと、日本においてちよつと調達が困難なもの、例えば電波装置といつたようなものを整備するには日本の技術者、会社ではよう引受けられないので、そういうものにつきましてはこれはやはりアメリカ本国から一定の者を連れて来て、そうして仕事をさせるのでなければ目的を達成しがたい、そういう非常に特殊な仕事をやるために契約者、或いは技術者、或いはそのむずかしい仕事をやる労務者、或いは管理者、こういう人々をやはり或る程度日本に連れて来たい。それにつきまして、やはり軍属によほど実質は近いらしいのでございますが、軍属に準じまして扱いを同じにしてもらいたいというような趣旨でございまして、この契約者という字句が相当あつちこつちに出て来ておりまして、私どもその点非常に誤解を招いておりますのは遺憾でございますが、私どもが先方からいろいろ聞きました話によりますと、今申上げましたように、実際問題としましては相当特殊な工事を請負う特殊の人々、はつきり人数はわかりませんですけれども、恐らく数百人、多くてもその以内、従業員を含めましてそれくらいのものではないかと見ております。勿論数は少し増減あるかも知れませんが、一般的に日本でいろいろな仕事をやります場合におきましては、これはやはり日本において普通の競争入札の方法によりまして日本の請負業者、或いはもともと日本におりまする、日本におりましていろいろな仕事を請負つております者、そういう者に対しまして平等の条件で参加させるということになつて来ておるのでございまして、これは極く最近作業班でいろいろ打合せておりますが、その話の途中におきましてもその点においては変りないようでございます。私ども契約者に対しまして特別措置を認めるについては、特にその点たびたび確めておるのでございますが、趣旨は大体私今申上げましたようなものに限られるということで、実は所得税法の特例その他の特例も認めることにいたしましたことを御了承願いたいと思うのでございます。
  47. 波多野鼎

    波多野鼎君 実際第三條一号、二号で大体の場合を覆うておるのです。カバーできると思うんだ。三の二百本以内云々というのは、これは税関行政の慣例としてこれは認めておつたんでしよう、今までだつてずつと……。特にこんな所に出すものだから目障りになる、非常に屈辱的のような法律になつてしまうんだ、出すものだから……。慣例上認めておることなんでしよう、それをわざわざこんな所にれいれいしく出す必要があるのかということなんです。私に言わせれば、三号に関する限りは……。四号だつてこれはちよつと抑えられんな、とても抑えられないと思う。僕は、だからできれば三号と四号だけは抜いたほうがいいと思う。そういう気持はないですか。実際上そう不便はないでしよう、三号、四号は抜いたつて……。
  48. 平田敬一郎

    政府委員平田敬一郎君) 確かにお話のような疑問も出て来ると思いますが、関税法は実はたばこだけではございませんので、包括的に書いておりまして、相当量の家庭用品とか衣類とかいう言葉を使つておりますが、たばこにつきましては併しやはり専売品であります関係上、少し細かく書き出しましてそれを明らかにして、却つてぎらついておかしいじやないかというお考えもございましようし、併し相当頻々にあるものでございますので、はつきりしたほうがいいという見方もございましようし、この法律案は折角特例法としまして出すにつきましては、やはりこういう場合も検討いたしまして、細かく指定した、そういうことに御了承願いたいと思います。
  49. 大野幸一

    ○大野幸一君 併しこれは三号、四号を削除したつて関税で行政的措置でできることは間違いないでしよう。今まで長年の間、何十年間やつて来たことで、二百グラムという範囲内においてはこれは差支えないでしよう。折角出したからというのではなくて、三、四を削つても効果は同じだろうと思うのです。折角出したといつも政府は言うんだが……。
  50. 北島武雄

    政府委員(北島武雄君) 只今お話ございましたように現在旅客の携帯品として相当程度のものは免税で、無税で入れております。ただこの運用につきましては、その人の社会的地位とか環境、職業などによつて多少税関によつてその具体的な、個人により取扱いが違うこともございますが、今回こういうふうに法律で以て三号のようにはつきり、「成年者一人につき二百本以内の紙巻たばこ若しくは二百グラム以内のその他の製造たばこ」となりますと、これによりまして今までの慣習的でやりましたのが、法的に具体的に制限されるということになると思います。従つて軍人軍属家族契約者等が、従来であつたならば場合によつて一カツト以上携帯品としてたばこは認められるかも知れませんが、この法律規定によりまして明らかにこれ以上になりますといかんということになるわけであります。書き方を挙げましたためにちよつと目につくような感じがいたしますが、具体的に実際は今までよりもはつきり明定して範囲を限つたという点に意義があるのじやないかと思うのであります。  四号につきましてはこれは現在の関税定率では処置し得ない点でございます。
  51. 大野幸一

    ○大野幸一君 先ほど政府説明に上りますると、嗜好品だから国もとのたばこが喫いたいということは、これは止むを得ない、いいことだと思うのだが、それならそれで税金を支払つて嗜好品ぐらいのものは税金を支払うという大国の雅量というものがあると思うのであります。そうでなくてこの行政協定は、心ある人はアメリカにおいても、少し余り明細し過ぎて、何か独立の待遇を日本に与えない印象を受けるのじやないかと憂えているアメリカの人もあるのです。そういうときに何か独立を機会に、本当に日本も自主独立の税制が行われるようになつたということを示すほうが、アメリカの全世界に対する信用を博するのだろうと思うのであります。そういう意味でもう少し税金一般に亘つて、こういう嗜好品ぐらいのものに対してはアメリカ側が、かけたつてそう別に強く反対するわけはないと思う。その点は行政協定の経過を聞いてあなた方がやられたのでしよう、行政協定の経過を聞かずしてあなた方はこんなものをこしらえるということはない。行政協定によつて法律ですから……、その点はどうなんです。
  52. 平田敬一郎

    政府委員平田敬一郎君) 課税につきましては、本当に駐留軍が日本において駐留するために、目的を達成し得るために必要なというようなことを、私ども協定に際しましては相当考えましていろいろ折衝いたしていたわけでございます。私はその原則は大体守られている、特に直接税等の場合におきましても、いずれも軍人又その家族の軍務を務めるため、或いは日本におるために必要なもの、こういうもの、或いはそれから生じまする所得には免税いたしておるのでございますが、その他の場合におきましては軍人軍属といえどもいずれも課税するということにいたしております。内国消費税の場合におきましても今までのように軍人なるが故に免税するということはやめまして、すべて課税する。私用のほうは課税するということにいたしたわけであります。その点原則は私は相当今までよりもはつきりいたしまして、守られていると考えているのでございますが、只今御指摘の軍人私用に供するもののうち、本国から持つて来るものと申しますか、本国から取寄せるようなもの、こういうようなものにつきましては、本国におきましても向う消費税を課税して供給せられている例もあるようでございまするし、これは私は余りむずかしく、課税するということは常識を欠くのではないか、勿論これが相当大量に輸入されたり或いは大量に持つて来まして濫用するというようなことになりますると、これはなかなか弊害があると思うのでございますが、そういう点につきましては、その処分する際の厳重な規定等を設けることによりまして防ぐということによりまして、先ず常識的な運営ができるのではないかと思つております。たばこでも同様でございますが、日本で関税をかけましたたばこと申しますと、今申しましたように相当高くなるわけでありまして、日本にいる軍人さんにそれを喫えというのは少し行過きじやないかと思います。それまでは行過ぎというほどの問題で、それにつきましては我々としましても法規の運営その他につきましても十分努力を尽したいと、このように考えている次第でございます。
  53. 大野幸一

    ○大野幸一君 今波多野委員が発言されているように、一、二で向うの便宜が幾らかでも図れるのじやないか、何ら個人にこういう権利を与えるわけがないのじやないか。それはやはり政府機関を通じて配給されればいいので、何か特定アメリカ人に対しては特権を与えるというのはいい印象を与えないのじやないか、一、二でそれは賄えるのじやないか。
  54. 平田敬一郎

    政府委員平田敬一郎君) 大体私どもも本来の目的は一、二が大部分でありまして、三、四はどつちかというとむしろ附け足しと考えております。附け足しでありますが、今も話がありましたように、細かく問題にすればやはりこういう問題をはつきりしておいたほうがいいが、法文にあるからこれが幾らでも利用できるというようなものでもあるまい、三、四を使いまして悪用するという余地は先ず実際問題としましてそれほどの問題ではあるまい、こういう考え方に立つている次第でございます。
  55. 大野幸一

    ○大野幸一君 それからこれはこの全部の条文の立て方についてですが、何々の用に供するために輸入すること、或いは又私用に供するために輸入する場合、こういうふうに書いてあるのです。そうすると最初は私用に供するためであつたけれども輸入された後にほかに利用目的が変更された場合に、この面接の条文には違反しない、こういう立て方をするよりは、もつと明らかに輸入することができる、但しそれらの者の用に供するものに限る、このものに限定するというような立て方をしないと……、最初は他人の用に、日本人の用に供するために輸入したのじやないからということは誰でも言うことでしよう、そうするとこの直接の目的には反しなくてその他の罰則で罰しなければならんということになるのですがこの文章の現わし方、それがまあ第一点と、それから用語は「二百本以内の紙巻たばこ又は二百グラム以内その他の製造たばこ」、これは文章が続いていないのです、何のことか、日本文としては続いていない、ちよつと読んでみて下さい、印刷文字を。
  56. 久米武文

    政府委員久米武文君) 事柄が簡単でありますから四号のほうから先にお答えいたします。四号は「合衆国軍隊構成員軍属若しくはこれらの者の家族又は契約者等私用に供するために」、要するにここでは特定の者の私用に供するためにという目的だけを限定したわけでございます。それから目的を限定して、次に物を限定いたしたのであります。「二百本以内の紙巻たばこ又は二百グラム以内」。
  57. 大野幸一

    ○大野幸一君 「の」の字が……。
  58. 久米武文

    政府委員久米武文君) 失礼しました。「二百グラム以内のその他の製造たばこ」これは正誤で「の」の字が落ちておりますね。
  59. 大野幸一

    ○大野幸一君 どうも文章がおかしいと思つた
  60. 久米武文

    政府委員久米武文君) なおもう一つ正誤でここに申上げておきますけれども、第三頁の一行目「ピーエツクス」と、この「ピー」の下に、真中へ「・」を入れます。「ピー・エックス」と、これも正誤で訂正いたします。  それから第三条のこの目的の文章の現わし方のことでございまするが、この第三条で輸入特例を設けるという主たる場合は、先ほどから申上げておりまする通り、大部分主たる場合は、一号、二号の場合でございます。三号と四号とは例外的な極く稀な場合でございます。その例外的な稀な場合には「私用に供するため」という目的の制限がございまして、私用に供するためにこの三号又は四号で輸入されたものは、こういうふうな輸入の何と申しますか、その私用に供する主体になる特定の身分を持つた人、つまり軍隊の要員、軍属家族契約者には譲渡すことができるけれども、その他の者には譲渡すことができないというのがこの条文でございます。なぜ譲渡すことができないかということは、これは現行たばこ専売法の六十六条の原則で譲渡禁止がある、又所有の禁止があるということに相成つております。  それから第三条の一号と二号、一号は「軍隊がその用に供する」、これは軍用というふうな意味に御了解願つていいと思いますし、それから「ピー・エツクス」は、これは二号の「軍人用販売機関等」でありますが、これはその次に列挙してある人の用に供するためということで、法文としてはこれで私はいいのではないかと考えておりますが、この第三条の頭のほうにおきましても「左に掲げる場合」、或る人が何々を何する場合とその場合を押えまして、第三条の頭の所には「左に掲げる場合には、日本専売公社委託又は許可を受けないで、製造たばこ製造たばこ用巻紙又は塩を輸入することができる。」、一般的な輸入禁止に対する特例だけをここで規定しておるわけであります。そういうふうに御了承願いたいと思います。
  61. 波多野鼎

    波多野鼎君 それに関連して聞こうと思つたのは、輸入するとき、軍用の場合、軍用に供するために輸入する、してみたところが余つちやつた、又長く保存すれば変質する虞れがある、それでこれを払下げるといつた場合がいろいろたくさんあると思う。罐詰にしろたばこにしろたくさんあると思う。その払下げる場合は税金を課けるのですか。輸入する場合はあれですよ、軍用に供するために輸入しておるんですよ。
  62. 久米武文

    政府委員久米武文君) ここで軍隊がその用に供するために輸入した、そのたばこが、只今の御質問趣旨は、例えば余つたらどうするかというふうな場合、若し製品として完全なものが余つたというふうな場合には、恐らく実際問題としてはこういうことは殆んど起らないと思いますけれども、実際はこの軍人用販売機関等における需要は相当たくさんあります。それから軍隊から軍人用販売機関等に廻すというふうなのが普通の場合じやないかと思います。
  63. 波多野鼎

    波多野鼎君 いやそれを聞くのは、今まで罐詰とか何とか一ぱい出て来たからなんですよ。相当のストツクを持ていなければ、軍隊というものは人員が異動するんですから、コンスタントじやないんですから、それで或る一定数を見込んで輸入しておる、一カ月或いは一年、半年の消費量はこれだけだと見て輸入しておると、人員が減つた、長く保存しておけば変質する、これを何とか早く処分しなければならないという場合は、しよつちう起きておつた、今まであつた、何度も起きておつたのです。そういうことが起きた場合にはこれをどうするか。
  64. 北島武雄

    政府委員(北島武雄君) お尋ねの点につきましては、今回の行政協定実施に伴う関税法等臨時特例に関する法律の第十二条におきまして、「当該譲受を輸入とみなし」まして譲受人から税金をとることになります。
  65. 波多野鼎

    波多野鼎君 買つた人から税金をとる、買つた人から関税をとる……。
  66. 北島武雄

    政府委員(北島武雄君) 買つた人からとることになります。
  67. 大野幸一

    ○大野幸一君 それは関税ですか。
  68. 北島武雄

    政府委員(北島武雄君) 関税です。
  69. 田村文吉

    田村文吉君 この法案だけでない。この六つの法案全部に関連しているのですが、今の「契約者」という言葉ですね、これは今ちよつと御説明がございましたが、でまあこれはみずからをいやしめるわけじやないけれども日本のいわゆる戦争当時におけるあれは殆んど軍の契約者だと言い得るような資格で、形で皆外国へ行つた。でありますから非常に疑りますと、いわゆるその軍の契約者という名前でいろいろな人が持つて来るものは皆不正で入つたり、税金は何されたりというようなことで、まあ日本の関税収入やその他にも非常な影響を及ぼしやせんか。こういうような実は心配をするのですが、そこでその今のその「契約者」という用語については、行政協定の上で特に何かはつきりした限界をお示しになつているか。前刻のお話だとまあ数等も僅かなものでございましようというお話であつたが、実際はそれが何千人、何万人になつたのでは実際の金高が非常に大きなものになつてもこれはチエツクする方法がない。そこでそういう点について非常に心配しているのですが、何か行政協定を結ばれたときにその点について特別の申合せがあつたかどうか、なかつたとすればどの限界を日本政府としてはとるかということを、これは六つの法案に全部共通した問題なんですよ。私ども軍人や或いはその家族の今のたばこの問題等は小さなこととして見逃してもいいと思うのですが、契約者というものが濫用されて来たら非常に大きな費用になるとこう思うのでありますが、平田さんどうですか。
  70. 平田敬一郎

    政府委員平田敬一郎君) その点は非常にごもつともな御疑問でありまして、実は私どももその契約者の扱いにつきましては、今のお話のような問題をたびたび向うにも出しまして話合を進めたのでございます。それでそのいろいろ話合いました結果、明らかになりましたことを先ほど申上げたのでございますが、よほどやはり日本におきまして調達のむずかしいような特別な工事を請負わせるためには、どうしても本国から一定の人を連れて来なければならない。それでいい例がさつき申しましたように、電波関係の例えば施設でございますとか、会社の名前等も聞いたこともございますが、そういうものにつきましてはどうしても日本ではできない。そういう場合には私ども向うがいやだと言つて向うから連れて来て一定の工事を監督さしたり、或いは技術者としまして仕事をさしたり、或いは或る程度の高等の労務をやらせなくちやならん。まあそういうようなことにつきましては、どうもやはり軍としまして目的を達成する上においてそのことが特に必要であるので、日本に来ないというようなことになつちや工合悪いので、この点についてはどうしてもやはり軍属の一種として考えてもらいたい。まあこういうことでありまして、私どもはいろいろ話合いました結果、大体まあ常識的には今申上げましたようなラインにとどまるということでございますので、まあそれならばやはりそういうものにつきましては軍属に準じた、全面的には準じておりませんが、或る程度軍属に準じました扱いをしたほうが妥当ではないか、まあこういうことでこういうような取扱をすることに賛成をいたしたような次第でございます。若しもこれが更に一層発展しまして、御懸念のようなところまで非常に拡大されるようなことになりますれば、これは私どもとしましてはこの問題につきましては再検討するということにつきましても実は向うにも話しておるような工合でございまして、まあ大体併し私が今申上げたような、或いは先方で考えておりますような程度にとどめまする点におきましては、先ずこの程度を見込むのが妥当ではないか、まあこういう趣旨で参つておりますことを御了承願つておきたいと思うのであります。
  71. 田村文吉

    田村文吉君 今局長の考えておられます気持はよくわかるのですがね。わかるのですが、これは私は当然に単に電波関係の仕事とか、こういう非常に面倒なことに対してだけ予期するというようなことではなくて、これはややもするとどんな者が契約者というような名前でボスが相当つて来るのじやないか、そういうものが全部みな税金は免除されるわ、又こういう輸入品に対しては免税されるわというようなことをされると、非常にいわゆる対米的にも悪い感情を残すことになるのでありますので、これは私は或る程度やはり行政協定ではつきりとどの限度ということがあるべきだと思うのです。然らざればそういうものには一体特権を与えない、今たばこについての波多野さんのお話もございましたが、一体特権を与えなければ問題は何でもないのです。ないのですが、こういう特権を与えるならば何かもう少しはつきりした解釈をつけておいてもらわないと困るのじやないか。こう思うのでありますが、ただあなたのは非常に善意に解して、まあいわゆる軍属でやむを得ざる人だけが入るだろう、「だろう」というお話なんでありますけれども、実際問題はなかなかそうは行かんだろうと思います。これはもう日本がいわゆる太平洋戦争のときに飛び出したと同じことでありまして、何かのときになると何でもかんで出て来る。すると今の日本の関税収入なんというものは、戦争の前の昭和十年に比べると八十何倍かにしか倍数がなつておらん。然るに我々の所得税は千九百倍の税金を払つておる。そういうような非常に関税収入なんというものはうんととらなけりやならんと思つておる矢先に、何だかんだと言つてそういうところで逃げられたのじや実は困ると、こういう気がするのです。
  72. 平田敬一郎

    政府委員平田敬一郎君) いや、その点はこれは田村さんからもう御注意を受けるまでもなく、私どもも実はその点は大分問題にした点でありまして、私もほかの問題は大体こつちからいろいろ案を出しまして、税制課長、その他税関部長等も行つて話がついた問題も多いのでございますが、この問題については問題が多いというので、私も向うに行きまして直接責任者と会いまして話したのでございまして、その結果が今申上げましたように、決してこの契約者というものは今お話のように濫用されるようなふうに取られる、誤解を招く虞れが多分にあると向うもそう言つておりました。併し事柄は今申上げましたように、よほど特殊なものであるということを実ははつきり言明を得たのです。  それからもう一つは、従いまして向うに住んでいる者を連れて来るというのを条件にいたしております。それから日本において軍の仕事だけしかしない、ほかの仕事をしたらもうこれに該当しない、こういう制限もつけております。それから所得税の免税等は合衆国におきまして結んだ契約に基くものだけを免税する、まあこういうようなことにいたしておる次第でございまして、この点まあ御疑問は尤もでございますが、いろいろ話合いました結果先ずそういう向うの話のようなところにとどまるとするならば、まあこういう待遇を与えてもいいのじやないかということになつたわけであります。で今後従いまして私どもは、やはりこの合同委員会等でそういう問題は始終問題になるかと思いますので、殊に調達の方針等に関連いたしましても問題になるかと思いますが、まあそういう際にもよく立案の趣旨を私ども頭に入れておきまして、そういう範囲を逸脱することがないように運用上におきましてもお互いに努め合うということで話を進めて参りたい。でその話次第では或いは又考え直さなくちやならん点があるかと思いますが、まあ今までのところだけでは私はそのように了解いたしておりまして、そういうことでありますれば先ずこの程度の特別扱いをしていいじのやないか、こういう考え方でおる次第でございます。今後におきましても勿論よく御注意の点は注意いたしまして善処する考えでございます。
  73. 田村文吉

    田村文吉君 まあ一応わかりました。
  74. 大野幸一

    ○大野幸一君 とにかく法律をこしらえるときにはやはりこのくぐり道はどこにあるかということを一つ考えておくことは、日本人アメリカ人も同じで、アメリカ人は皆神様のように思つていると大間違いで、むしろ何でしよう、ドルの国で非常に金儲けのためには相当なこともやる、まあ占領もだんだん効果がなくなつて来て、独立の近い今日といえども相当アメリカの人達も悪いことをして帰つたことも多々あるので、そういう軍人といえども又私慾に立つてこれを濫用するということは十分に警戒するときにしなきやならんと思うのだ。こういうときに今交渉があつた政府として交渉に余りに弱腰であるような人がですね、そのときに又できるかどうかということは疑問なんだから、そこでまあ国会がそれを強く出るよりほかないだろうと思つて、諸君をヘルプするようなつもりでやつているのだから、その意味においては諸君も協力してもらいたい。
  75. 平田敬一郎

    政府委員平田敬一郎君) 御趣旨は誠に御尤もでございまして私どもも甚だ恐縮ですけれども、いろいろ折衝しておりますときに相当いろいろ議論しておりますけれども、常に国会から鞭撻を受けるからということで話をまとめた例も多数ございます。それから今の契約者の場合におきましても、少し神経を細かく使つておりまして、例えば軍隊の使用に供する施設及び区域の建設維持、又は運営、その中でも特に例えばP・Xなどの施設を作る場合、或いは映画館等の娯楽施設を作るような場合、そういうために来るのは除くというような字句まで法文では特に入れまして注意を払つておる次第でございますが、まあ法文よりもこの点は今後の運営が更に重大だと思うのでありますが、よく御趣旨の点は注意いたしまして遺憾なきを期したいと思います次第でございます。
  76. 田村文吉

    田村文吉君 細かい問題になりますが、今の契約者の使用人は皆入るわけですね。そこの契約者の使用人の中に嘱託だとか一時的に頼まれて来たというような人も必ず入つて来るだろう。そこいらに非常にデリケートな問題もたくさん出て来るのでありましてね。で過去の僅かな貿易状態でありましてさえも、今のこのブローカーが入つたりしてですね、そしてまあ飛んでもないことを起しているというようなことがありがちです。この間の紙の例も一つのこれはとんでもないことで、実際見たのですがそういうようなこともあるのでありまして、何かこれは一本釘をちやんと打つておいてもらわないと困るということじやないかと思うのですが、まあいずれなお一つ法案をまとめます際に、我々は一つ検討いたしまして意見を述べたいと存じます。
  77. 平沼彌太郎

    委員長平沼彌太郎君) 本案に対する質疑は本日はこの程度にいたします。   —————————————
  78. 平沼彌太郎

    委員長平沼彌太郎君) 次に日本国アメリカ合衆国との間の安全保障条約第三条に基く行政協定実施に伴う所得税法等臨時特例に関する法律案予備審査)、同国税犯則取締法等臨時特例に関する法律案、同関税法等臨時特例に関する法律案、この三案について審議を行います。
  79. 波多野鼎

    波多野鼎君 立案者のほうに聞きますが、今問題になつている契約者というのは、法律のどれとどれにあるのですか、幾つもあると思うのですけれども、関係法律ちよつと教えて頂きたい。
  80. 平田敬一郎

    政府委員平田敬一郎君) これは各法律全部にございまして、これは軍属とほぼ同様な待遇を与えることになつております。ただ軍属と全く同じでない場合も若干あるようでありますが、所得税の場合におきましては所得税の特例にもございますし、それから関税法特例にもございます。それから国税犯則取締特例のほうには事柄の性質上別段設けておりません。税法の関係ではその三つにございます。それからたばこのほうも今申上げましたように、関税法と同じような特例が認められております。
  81. 小林政夫

    ○小林政夫君 第七条の通行税法の特例ですが、航空機の場合はこれは特に除いておるのですが、通行税法には汽車等と航空機とは別にしてありますね。所得税の問題です、「(通行税法の特例)」の。
  82. 平田敬一郎

    政府委員平田敬一郎君) これは通行税法に、九条で汽車等の中にその他のものとして確か入れて規定してあると思います。
  83. 小林政夫

    ○小林政夫君 航空機は別ですよ。
  84. 平田敬一郎

    政府委員平田敬一郎君) 航空機も当然入る思います。
  85. 小林政夫

    ○小林政夫君 いや、汽車等には入つていない。
  86. 平田敬一郎

    政府委員平田敬一郎君) 通行税法はその後改正をいたしましたので、新らしいのには入つていると思います。
  87. 小林政夫

    ○小林政夫君 これには入つていない。
  88. 平田敬一郎

    政府委員平田敬一郎君) それはどうも恐縮いたしました。その後改正して入れることになつております。  なお先ほどの契約者等の身分の表示の問題でございますが、この点につきましては行政協定に明らかにいたしておりまして、旅券に向うの官庁のはつきりしたその旨の証明、契約者及びその使用者はその身分の者であることがもう入つて来るときから旅券に記載されていなければならず、その到着、出発及び日本国にある間の居所は合衆国軍隊日本国の当局に随時通知しなければならない、ということになつておりますので、どうも余り少し疑わしいような感じがあるものにつきましては十分調査いたしまして、適当な措置をとる余地があるのではないかと考えております。
  89. 小林政夫

    ○小林政夫君 更にこの附則のほうで「物品税法の一部を次のように改正する」というのですが、特にこの安全保障条約行政協定実施に伴うこれと直接関係はないのに、どうしてこういう附則でやられるのかということが一点と、それから改正の中に出て来るこの「既二物品税ヲ課セラレタル又ハ課セラルベキモノナルトキハ」というこの「課セラルベキモノナルトキハ」ということの扱い方がこの条文によつては不明で私にはよくわからないのですが、一つ御説明願いたいと思います。
  90. 平田敬一郎

    政府委員平田敬一郎君) この物品税の改正の趣旨は、先般ちよつと申上げたと思いますが、実は今まで軍人の使用に供すると認めるものは全部内国消費税を免税しておりましたが、今度は免税しないことにいたしたのであります。これは非常に大きな今度の改正の一つの点であります。今までと違つてただやはり日本の品物も相当つてもらつてそれを外国に持つてつてもらう、つまり輸出につきましては、それは大いに私どもとしましてはやはり奨励といいますか、当然そういうふうにすべきじやないかというふうに考えましたので、今まではCPOが買いますればそれだけを免税いたしていたわけでございます。軍人の用に供する……。併し今回のはCPOで買つただけでは免税しない。それは外国に輸出しました場合に免税する。ところで今の物品税法そのままの輸出免税手続に行きますと、その辺がなかなかスムースに行きません場合が出て来るので、ここで課税手続を簡素化いたしまして輸出免税を認めよう、こういう趣旨でその物品税法の現在の施行令を簡素化とする共に、このような改正規定を設けまして円滑に参りたい。で手続といたしましては一応P・X等も指定しておきまして、そこが引取る場合においては未納税で引取ることを認める。而もそこで軍人さんが買いまして外国に送る。これは例えば軍事郵便局で発送したという証明がありますれば税関の検査はしないでこれは輸出免税の扱いをしたい。それからまあ同じようにすぐ外国に持つて行くような場合におきましては、一定の証明がありますればそれは免税するようにいたしたい。そういう点は今までの免税されたものが課税になります際におきまして特に考慮する必要があると考えられましたので、実はこの附則で設けることにいたしたのであります。なおそのほかにこの附則では、一般の商社にも一つそういう扱いを認めることにいたしたい。でひとりP・Xに限らないで、例えば東京銀座等の専門店も指定いたしておきまして、そこに製造所から持つて来るときは未納税で持つて来て、そこに軍人さん或いは一般の外人のお客さん等が来まして買つて外国に持ち出す場合、この場合は比較的簡単な手続で輸出免税に浴するようにいたしたい、そういう点をこの際特に考慮する必要があると考えられましたので、実はこの附則でこの措置をとることにいたした次第でございます。まあ法制的には非常な緊密な関係があるとは言いにくいのでございますが、実際上は相当関係がございますのでそのように勘案いたした次第でございます。  それから「課セラレタル又ハ課セラスベキモノ」と書いておりますが、「課セラレタル」というのはすでに課税いたしまして……。
  91. 小林政夫

    ○小林政夫君 それはわかるのです。その「課セラルベキ」……。
  92. 平田敬一郎

    政府委員平田敬一郎君) 「課セラルベキ」というのは課せらるべきであるがまだ納付していない、納税していないと申しますか、そういう場合におきまして、両方ともやはり同じようにする必要があるという考え方で、両方の言葉を使つていたと思います。
  93. 小林政夫

    ○小林政夫君 「課セラルベキモノナルトキハ」、まだ未納税でしよう。それに対して控除するとか或いは還付するとか、当該金額に相当する金額を交付するということはおかしいじやないですか。
  94. 平田敬一郎

    政府委員平田敬一郎君) これは勿論還付、控除、交付につきまして実益がある、必要があるというふうに考えております。
  95. 小林政夫

    ○小林政夫君 いやちよつと関連して、「課セラルベキモノナルトキハ」だからまだ課していないのだから、或いはまあ控除するということもいいのですかね、そういう考え方で。すでに納めたものならば別だけれどもこれから取ろうという、当然納めるべきもの、そうすると物品税のかかるものは全部そういうことになるわけですね。
  96. 平田敬一郎

    政府委員平田敬一郎君) そういう手続をする必要があるかと私は思う次第でございます。まあどつちかと申しますと、非常に例外的な場合の規定であることは御承知通りであります。
  97. 田村文吉

    田村文吉君 あの何ですか、ほかの法案にも使つてあるようですが、所得税の第三條の三号の通常合衆国に居住する個人という意味はどうなんですか。通常という意味は。
  98. 平田敬一郎

    政府委員平田敬一郎君) まあこれは通常ということはよく使うのでございますけれども、まあ主たると申しますか、向うへ主として居住していると申しますか、まあ勿論日本に一時滞在すると、或いはほかの国にもよく滞在して、短期間仕事をするような場合もあり得るかと思いますが、まあ通常の居所がアメリカにあると、こういう意味でございまして、別段それ以上の特別な意味はございません。
  99. 田村文吉

    田村文吉君 合衆国に居住するということだけとはどこが違うのですか。
  100. 平田敬一郎

    政府委員平田敬一郎君) 合衆国に居住するという場合ですと日本にも居住し、合衆国にも居住するというような場合もあり得ると思うのでありますが、まあ住はちよつと問題ですが、居所を有するような場合、これは数カ所にまたがつて居所を有する場合があるかと思います。そういう場合は、主として通常合衆国に居住しておる人、こういう意味でございます。従いまして、もともと日本にも来おりまして、日本でいろいろな仕事をしておる、前から日本にずつと来ておる人、こういう人は該当しない。向うから向うにいる人をこちらに連れて来て仕事をさせる場合、そういう意味の考え方であります。
  101. 田村文吉

    田村文吉君 実際問題とすると日本にまあ居住、居所が法律的にあるかないかは別問題として、滞在を長くしておるというような人があるでありましようが、そういう人は絶対この範囲には入れないのですか。
  102. 平田敬一郎

    政府委員平田敬一郎君) 通常日本国に居住する場合でありますれば、合衆国にたとえ居所がありましても、これは該当しないということにいたしておりますか。
  103. 田村文吉

    田村文吉君 そういう意味ですね。
  104. 大野幸一

    ○大野幸一君 それは政府説明でわかりますけれども日本では住所、居所、現住所と三つに分つており、住所というのは主たる生活の根拠、こういうことになつておるのだが、まあそういう意味で、この通常合衆国におるというように解釈をして、いわゆる日本の民法の住所に相当するというように解釈してよろしいか、それとは違うのですか。
  105. 平田敬一郎

    政府委員平田敬一郎君) まあ厳密な法律上の用語で同じようになるかどうかちよつと問題でございますが、大体はそのようなふうに御解釈を願つてもいいと思うのであります。
  106. 大野幸一

    ○大野幸一君 それからもう一つ。国税犯則取締法については、「二十一才未満の子」ということになつて、これがどうも未成年の子のように解釈される。そこで今度先ほどのたばこ専売法特例のほうでは年令を限つていない、成年者一人につき二百本以内云々となつておるのであります。この成年者のこの準拠はどこにおくのですか。日本法律による成年者か、アメリカの成年者か、この成年者というのは、アメリカは二十一才未満を未成年者としているのです。
  107. 久米武文

    政府委員久米武文君) たばこ専売法等臨時特例の第三条第三号の成年者というのは、日本法律による成年者というふうに解釈しております。
  108. 田村文吉

    田村文吉君 それから同じくこの先の所得税法の第三条の第三号の個人契約者の「当該契約(合衆国において締結されたものに限る。)」となつておりますが、一体個人契約の契約者合衆国内の契約に限つた場合を総括的に言うのですか。そうではなくてこの条項だけに対しては合衆国で締結されたものに対して免税するとこういう意味なんですか。いわゆる契約者ということは合衆国で契約をした人を言うのでしようか。
  109. 平田敬一郎

    政府委員平田敬一郎君) 所得税の点は、特にその点は問題になる場合が多いので、特にはつきりいたしておる次第でございます。これはやはり合衆国で契約した契約に基く所得だけを所得税を免除する、こういう考え方であります。
  110. 田村文吉

    田村文吉君 実際問題から考えるというと、我々想像すると、合衆国で契約をしてこちらへ来て仕事をしておる、そのうちに追加の契約があるだろう、そういう場合があつた場合等が考えられるのですが、そういうものは一切入れないということになりますか。
  111. 平田敬一郎

    政府委員平田敬一郎君) その辺は少し問題でございまして、初め向うで契約をしましてこちらにやつて来た、こちらにいる間に又同じようなものについて引続いて契約をして仕事をする、こういう場合はまあ私のほうで厳密に行きますと、やはりそういう契約も本人の代理人か誰かが本国にいるだろうから、本国で結んだ契約に基くようなものだけを免税するということでいいじやないかと考えておりますが、ただ併しそういう非常な擬制を使わなくても、結局において本国において結んだと同じようなことであるならば、認めるか認めないか、その辺は実際問題として問題はあるかと思います。併しこの法文は文字通り合衆国におきまして締結した契約ということにいたしておりますので、その法を逸脱しない範囲内で私ども扱いをきめたいと考えております。
  112. 大矢半次郎

    大矢半次郎君 先ほどからの契約者というのが大分問題になつているのですが、これは行政協定のほうには別に明文がないようでありますが。
  113. 平田敬一郎

    政府委員平田敬一郎君) この点は実は行政協定にも例文がございまして、十四条が契約者につきまして包括的な一種の特別扱いを認める規定になつております。行政協定の中では各条項ごとに入れないで、特に契約者は別途に一条を設けましてそれに対しましてはそれぞれ行政協定の中のどういう事項につきまして軍人軍属と同じ扱いをするか、特別に列挙いたしまして規定いたしておる次第でございます。
  114. 大矢半次郎

    大矢半次郎君 私よく検討しておりませんが、各条項に契約者条文が出ているのは、今お話行政協定の第十四条ですか、これの実施規定と、こう考えてよろしいのですか。
  115. 平田敬一郎

    政府委員平田敬一郎君) その通りでございまして、十四条を実施するためにこの各条項の中で、それぞれ問題がはつきりして来ますので、契約者に当る場合におきましてはそれぞれ軍人軍属にならいまして認めておる次第でございます。
  116. 大矢半次郎

    大矢半次郎君 いろいろ御説明を伺つてもどうもその範囲を非常に政府のほうでも限定しようとしておられるようでありますけれども、法文を見て的確にそれが現われて来ない。今後の運用がどうなるかということは非常に懸念されておるようでありますが、その点について何か明確な線を引くというような方法はないのですか。
  117. 平田敬一郎

    政府委員平田敬一郎君) 先ほどもありましたように、通常合衆国に居住する者でなければならない、例えばアメリカ人といえども日本に通常居住するアメリカ人に対しましてはこの扱いは認めない、これは日本の請負業者と同じ資格で恐らく競争入札等に参加する人もあるだろうと思いますが、そういう人は認めない。それからもう一つは軍隊の一定の施設を請負うために、例えばそれだけで日本で仕事をする、それ以外の仕事は日本においては一切しない、若し併せてほかの日本の仕事をやるというようなことになりますと、この資格は得られない。この二点が実は非常に大きな制限になつております。それと所得税におきましては免税の範囲を更に一層明らかにするために、免税になる部分は飽くまでも合衆国において締結しましたもの、こういうものに基くものということを明らかにいたしておりますので、法律の建前としてはそれしか言えないのじやないかと思います。どうも日本において通常調達することの困難な工事を請負う者に限るといつたようなことは、法文といたしましてはどうも少し私ども適当ではない、その辺は結局運用の問題として双方がよく話合つてつて行けばそういう点はいいのではないか。どうしても弊害があつてうまく行かないような場合におきましては、或いはこういう特典を与えるかどうかということを考え直すということにむしろなるべきでありまして、法文といたしましてはやはりどうもこういう程度制限と申しますか、限定しかやはり考えられないのではないかと考えております。
  118. 波多野鼎

    波多野鼎君 今の通常合衆国に居住するのは法人も含んでおるのですか。
  119. 平田敬一郎

    政府委員平田敬一郎君) 法人のほうは合衆国法律に基きまして組織された法人ということに相成ります。
  120. 波多野鼎

    波多野鼎君 合衆国法律に基いて組織された法人の代理者というか、代表者というのが日本にずつとおつて、そうして軍の契約を一手に引受けてやるというために日本に代理人がちやんとおるという場合はどうなんですか。
  121. 平田敬一郎

    政府委員平田敬一郎君) その場合はその法人の被用者と申しますか、使われておる人がやはり通常合衆国に住んでおりましてそうしてこちらに来る、そういう場合に限定されるということであります。
  122. 波多野鼎

    波多野鼎君 そうすると二重限定を受けるのですね。法人が合衆国法律によつて設立されておるということと、代理人或いは被用人が通常合衆国に住居するものというもので、例えば一年なり一年半なり今日本に来てやつておる者はこの法律の適用を受けるわけですか。
  123. 平田敬一郎

    政府委員平田敬一郎君) 大体そういうことでございます。例えばこの所得税法の特例の第三条の第四号にその趣旨が明らかになつておりますが、「合衆国法律に基いて設立され、若しくは組織された法人で建設等契約に基き日本国において当該契約に係る建設、維持又は運営のみの事業をなすもの(以下「法人契約者という。)」と称しておりますが、被用者、括弧して通常合衆国に居住するものに限る以下同じ、こういうことを法文で明らかにいたしております。
  124. 波多野鼎

    波多野鼎君 その代理人或いは被用者というものが一年なり二年なり日本におつてもいいでしようね、それは。
  125. 平田敬一郎

    政府委員平田敬一郎君) これは期間の問題でございますが、大体アメリカの所得税法によりますと給与所得は一年半以上アメリカ本国を離れまして外国で居住いたしましてそこで給料等をもらつておる場合、これはアメリカの所得税がかからないことになつております。それ以内の場合におきましてはすべてアメリカの所得税がかかるということになつておるのでございますが、従いまして非常に長くなりまして両方かからないということはこれは不公平でございまして、どちらかはかけるということにいたしておる次第でございます。実際問題としましては一年半以上になる場合は殆んどないのではないかと思いますけれども、その辺は実際問題としてはあるかも知れません。
  126. 波多野鼎

    波多野鼎君 そういう国際的な何か協定といつたものは、又新らしい法律案が出て来るのですか、そういう問題についてはこの中にありますか。
  127. 平田敬一郎

    政府委員平田敬一郎君) 今の第三条の二項に規定を設けておりまして二項では、軍人軍属も同様でございますが、個人契約者又は法人契約者の被用者が日本国に居所を有することにより合衆国の所得税を課せられない場合には、当該所得については免税の規定を適用しないという規定を入れておりまして、少くともどちらかでかけることにいたしております。
  128. 波多野鼎

    波多野鼎君 日本に居所があるというのはどういうふうにして判定するのですか。
  129. 平田敬一郎

    政府委員平田敬一郎君) 居所は日本に居住しておればいいということであります。所得のほうは当然普通日本におればいいのであります。日本の所得のほうは一年以上居住がございますれば無制限納税義務者になります。一年未満の者は制限納税義務者といたしまして、やはりたつた一カ月、二カ月居所があるものにつきましても日本において課税します。
  130. 波多野鼎

    波多野鼎君 そうするとたばこもあれも同じことですか。
  131. 平田敬一郎

    政府委員平田敬一郎君) この問題は特に継続的に問題になりますのは、この所得税の場合に特に問題が出まするので、こまかにいたしておるのでありまするが、たばこや関税等の場合は最初輸入したり、或いは外国から持つて来る場合の状態できめて、あとはやはりそれを他に処分した場合には課税する、処分しない以上その資格がなくなつたからすぐ課税するというところまでしなくてもいいのじやないか。従いまして法文といたしましてもあつたものという字句を使つております。例えば軍人であつた人が免税を受けた品物をあとで処分したら関税がかかる。こういうことでございますが、本人がずつとこつちにおりまして引続き使つておる間は、例えば資格がなくなりましてもその際に課税するのは少し行過ぎであろう、他に処分した際に課税するということにいたしております。
  132. 小林政夫

    ○小林政夫君 今の分ですが、合衆国で所得税をかけられておるかかけられておらないかというのはどういうふうにしてわかりますか。
  133. 平田敬一郎

    政府委員平田敬一郎君) 先ほど申上げましたように給与所得につきましては、アメリカの税法は、大体一年半以上外国に勤めましてそこで仕事をして給与所得があるという場合におきましては、仮にまだ住所がアメリカにあるという認定が受けられるような場合におきましては課税しないというアメリカの所得税法になつております。従いましてそういうふうに該当する場合におきましてはこれはやはりこの免税の特典は認めないことにして、こちらで課税する、こういうことに相成ろうかと思います。
  134. 小林政夫

    ○小林政夫君 そういう原則が確立しておつても当該人が一年半以上日本におるかどうかということは、何万人という人についてあなたのほうでお調べになつてわかつていないだろうと思いますが。
  135. 平田敬一郎

    政府委員平田敬一郎君) 何万人というお話でございましたが、私ども契約者及び被用者はそんなに多いとは考えていないのでございますが、勿論これにつきましては相当まとまつた所得のある人等につきましては勿論事実を明らかにいたしまして、法律を適用すべき場合におきましては適用することにいたしたい。それと今後は二重課税の防止に関する協定アメリカとの間に結ぶつもりでございますが、この協定の中には課税上の協助義務に関する規定お互いに設けたい。それによりまして相互に資料の通報等を行う考えでございます。そういう際におきましてよく注意いたしまして遺憾なきを期するという考えでおるのでございます。
  136. 泉美之松

    政府委員(泉美之松君) ちよつと局長の御説明に追加して申上げておきますが、行政協定の十四条の三項によりましてこの契約者及び被用者につきましては、日本政府にその氏名及び到着年月日、それから日本に滞在期間中の居所、それから日本を出発する場合の出発等につきまして通報を受けることになつております。
  137. 田村文吉

    田村文吉君 支店はどうなんですか、若し契約者日本に支店を置くというような場合。
  138. 平田敬一郎

    政府委員平田敬一郎君) 支店を設置しましてその支店でもつばら合衆国において契約しました契約を履行するためだけに従事する人が来てやつておる、こういう場合におきましては勿論これに該当するかと思いますが、併し事柄の性質上特に支店を設けるというような問題は出て来ないのではないかと思います。この免税条件に該当するような契約者の場合におきましては。併しそういう人が更に日本の他の仕事でもやりたいということになりますと、これはもう資格がなくなるということになりますので、必ずしも支店を設置するというところまで行く場合はないのじやないか。むしろそういうことをやめて今度は日本で仕事を始めよう、こういう工合になるかと思いますが、そういう場合には資格がなくなりまして普通のアメリカ人の請負業者としまして日本の仕事をするということに相成ろうかと思います。
  139. 田村文吉

    田村文吉君 私支店と言いましたけれども出張所とか、そういう意味でやつて行くという場合に日本に在来いた人のほうが大変都合がいいから、あなた一つ出張所の所長になつてつてくれということはあり得ると思いますが。
  140. 平田敬一郎

    政府委員平田敬一郎君) 通常アメリカに居所を有する人でございませんと該当いたしませんが、そういう人を使うというような場合にはちよつと各税法とも該当ないのじやないかと思います。
  141. 小林政夫

    ○小林政夫君 そういう場合にはそういう出張所の主任を在来日本におつた人を使うというようなことがあつてもこの税法上の特典は得られないのですね。
  142. 平田敬一郎

    政府委員平田敬一郎君) その通りでございます。
  143. 小林政夫

    ○小林政夫君 今の第二項ですが、この個人契約者又は法人契約者の被用者はこれは万という数字じやないと思いますが、必ずしもそうではない、軍隊の構成員軍属、或いはそれらの家族というのも入るのでしよう、第二項は。それから契約者等の被用者についてはわかりますが、今の課長の話で課長の言われるような方法をとればわかるのですが、軍隊の構成員軍属或いはそれらの家族というのはなかなかわかりにくいのじやないかと思います。
  144. 平田敬一郎

    政府委員平田敬一郎君) これは軍隊の構成員軍属又はその家族日本で所得税を課税する場合、これは今申上げましたことのほかに、例えばPX等におきまして従来から日本に居住しておるアメリカ人たる軍人さんの家族が勤めておる。そういう場合におきましてはやはり一年半以上になるとアメリカの所得税はかからなくなつて来る。そういう場合には日本の所得税をかける。お互いにポケツトを作らないように少くともどちらかの所得税をかける。こういう趣旨でございます。軍人さん自体の場合は問題ないと思いますが、家族の場合はあり得ると思います。どうして調べるかという問題でございますが、これはやはり源泉徴収の場合が多いかと思います。よくPX等におきまして日本人に課税します際に資料を集めて調べるということになろうと思います。
  145. 平沼彌太郎

    委員長平沼彌太郎君) それでは只今の法案に対する質疑は本日はこの程度にいたします。   —————————————
  146. 平沼彌太郎

    委員長平沼彌太郎君) 一つお諮りいたします。本日通商産業委員会より貴金属管理法の一部を改正する法律案について連合委員会開催の申入れがありました。本件について通商産業委員会の申入れ通り連合委員会を開くことに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  147. 平沼彌太郎

    委員長平沼彌太郎君) 御異議ないものと認めまして、さよう決定いたします。なお時日等は委員長に御一任願います。
  148. 小林政夫

    ○小林政夫君 こちらのほうから連合審査を申入れてもらいたいと私思つておるのがあるのですが、これは経済安定委員会において今審議中の外資に関する法律の一部を改正する法律案、これはいわゆる外資の関係でありますから我々としても審議したいと思いますので、お諮り願いたい。
  149. 平沼彌太郎

    委員長平沼彌太郎君) ちよつと速記をとめて下さい。    〔速記中止〕
  150. 平沼彌太郎

    委員長平沼彌太郎君) 速記を始めて下さい。只今小林委員から御発言の外資に関する法律の一部を改正する法律案について、経済安定委員会に対して連合委員会を申入れることに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  151. 平沼彌太郎

    委員長平沼彌太郎君) 御異議ないと認めます。  それではさように決定いたします。
  152. 小林政夫

    ○小林政夫君 その前に、連合審査を開くことにきまればこれに関する恐らく新旧対照表とか、資料が出ていると思います。これをもらつておいて頂きたい。
  153. 平沼彌太郎

    委員長平沼彌太郎君) それでは本日の委員会はこれを以て終了いたします。    午後三時四十一分散会