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1952-03-26 第13回国会 参議院 大蔵委員会 第30号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十七年三月二十六日(水曜日)    午前十一時十九分開会   —————————————  出席者は左の通り。    委員長     平沼彌太郎君    理事            大矢半次郎君            伊藤 保平君            木内 四郎君    委員            岡崎 真一君            溝淵 春次君            小宮山常吉君            小林 政夫君            田村 文吉君            森 八三一君            大野 幸一君            下條 恭兵君            油井賢太郎君            木村禧八郎君   衆議院議員            川端 佳夫君   政府委員    大蔵政務次官  西村 直己君    大蔵省主税局税    制課長     泉 美之松君    建設省道路局長 菊池  明君   事務局側    常任委員会專門    員       木村常次郎君    常任委員会專門    員       小田 正義君   —————————————   本日の会議に付した事件 ○国家公務員共済組合法の一部を改正  する法律案内閣送付) ○当せん金附証票法の一部を改正する  法律案内閣送付) ○砂糖消費税法の一部を改正する法律  案(内閣提出衆議院送付) ○物品税法の一部を改正する法律案  (衆議院提出) ○漁船保險特別会計法の一部を改正  する法律案内閣提出衆議院送  付) ○漁船保險特別会計における漁船再  保險事業について生じた損失を補て  んするための一般会計からする繰入  金に関する法律案内閣提出、衆議  院送付) ○特定道路整備事業特別会計法案(内  閣送付)   —————————————
  2. 平沼彌太郎

    委員長平沼彌太郎君) 第二九回の大蔵委員会を開催いたします。  国家公務員共済組合法の一部を改正する法律案、(予備審査当せん金附証票法の一部を改正する法律案、右二案について提案理由説明を聽取いたします。
  3. 西村直己

    政府委員西村直己君) 只今議題となりました国家公務員共済組合法の一部を改正する法律案につきましてその提案理由を御説明申上げます。  この法律案は、国家公務員共済組合法につきまして、その運営の実情に鑑みまして、所要改正を加えようとするものでありまして、その内容の概略を申上げますと、先ず国家公務員共済組合保健給付について、その支拂の適正化を図るため、療養費現金佛組合が必要と認めた場合に限り行うことといたしますと共に、組合員の診療について医療機関から不当な請求がなされることを防止いたしますため、医療機関に対する報告徴収及び検査に関する規定を設けることといたしました。  次にほ育手当金及び埋葬料最低額につきましては、現在の経済状態に応じまして、その金額をそれぞれ四百円及び六千円に増額することといたし、又傷病手当金につきましては療養給付期間の経過後におきましてはその支給を打切るという改正を行うというものでございます。  このほか組合員組合に対しまして返済すべき金額は俸給その他の給與から差引くことができるというように改正をいたし、なお且つその他所要規定整備を図りましたのが国家公務員共済組合法の一部を改正する法律案趣旨内容でございます。  次に議題になりました当せん金附証票法の一部を改正する法律案にりきまして、その提案理由を御説明いたします。  この法律案は、政府及び地方公共団体発売する宝くじについて、その発売に関する予算上の修理を簡明にし、併せて政府発売する宝くじについて、発売目的社会福祉増進のために限定し、且つその発売限度を明定する等の措置を講ずることを目的としたものであります。  この法律案内容について御説明いたしますと、第一は、発売主体宝くじに関する予算上の経理方法を変更したことであります。従来、宝くじに関する予算上の経理方法は、売上金歳入とし、当ぜん金その他の経費を歳出として、それぞれ予算に計上しているのでありますが、改正案におきましては、事務簡素化を図ると共に、予算上の経理を明確にするため、経理方法を変更し、純収入となるべき金額だけを歳入に計上する純計予算によることとしております。  第二に、政府発売する宝くじについて、発売目的を限定したことであります。従来、地方公共団体発売する宝くじは、公共事業費用財源に充てることとなつているのに対し、政府宝くじについては、その資金の使途に制限が附されておらなかつたのでありますが、発売趣旨を一層明確にするため、政府宝くじは、社会福祉増進のために要する費用財源に充てるため必要がある場合に限り発売し得ることとしたのであります。  第三に、政府発売する宝くじについて、年度間の発売限度を明定したことであります。従来、政府は、国会が宝くじ発売に関する予算を議決した後、その議決された金額範囲内で発売して参つたのでありますが。只今申上げました通り発売予算に関する経理方法を変更いたしましたことに伴い、今後は毎会計年度間の発売限度法律規定することとし、その発売限度の額は、現在の発売額を勘案して三十五億円といたしました。  以上本法律案につきまして、その提案理由及び内容の概要を御説明いたしました。何とぞ御審議の上、速かに御賛成あらんことを御願い申上げます。
  4. 平沼彌太郎

    委員長平沼彌太郎君) 次に物品税法の一部を改正する法律案砂糖消費税法の一部を改正する法律案、この二案について質疑を行います。ただ砂糖消費税のほうはまだ政府委員が見えておりませんから、物品税法の一部を改正する法律案を主題として一つ質疑をお願いいたします。
  5. 大野幸一

    大野幸一君 この法案に対する物品税廃止ということは二、三年前からもう農家方面から特に叫ばれていたんですが、この法案に続いてこの物品税をだんだんと廃止して行くべきだと考えるのだが、その点についてこの立案者はその先鞭をなすものがこれである、こういうふうに考えられてこれは出されたものかどうか、お聞きしたいと思います。
  6. 川端佳夫

    衆議院議員川端佳夫君) 私たちはこの物品税法の一部改正提案するに当りましては、全く農村対策という面から、特に物品税の中でこの水飴関係のものを扱いたい、こういうふうな意見で提案をいたしたわけでありまして、もとより私たち物品税というものも、私は自由党でありまするが、私たち物品税はできるだけ早く全面的になくなつたほうがいいんだというような考え方は持つております。併し財政の都合等もございましようけれども、取りあえずこの物品税法の中の水飴に関する限りは緊急の問題であるからという意味で以て、今回提案をいたしまして御審議を願うことになつたわけでございます。
  7. 大野幸一

    大野幸一君 これは二年前からすでに世論となつて出ていたんですが、四月一日以前の物品税に対しても、今までいろいろ起きている問題もその趣旨従つて行政的に処置するということを自由党方面でも希望されていると思うのだが、その点はどうですか。
  8. 川端佳夫

    衆議院議員川端佳夫君) 全く党のほうにおいても、できるだけ早く物品税撤廃いたして行きたい、こういう考え方に立つておることは御承知通りでございます。
  9. 油井賢太郎

    油井賢太郎君 この提案された物品税法に関してですが、全然撤廃されますと、生産というようなものに対するところの計画ということの資料ですね、そういつたようなものはどういう点からお取りになるつもりですか。
  10. 川端佳夫

    衆議院議員川端佳夫君) むしろこの問題は農林当局に聞いて頂きたいと思うのでありまするが、私たちは達観的に見ましてこれによつて生産を助長して行くというまでもないかもわかりませんけれども、現在平年作物から転換をいたしましたこのいも作を持続さして行く、そうして或いは適当な時期には作の転換の時期も来ようかと思いますけれども、差当つていも作が非常に窮地に陷る、いも作農家が非常に何と言いますか、困つて来るというようなことを救いたい、こういうような考え方でおるわけであります。
  11. 油井賢太郎

    油井賢太郎君 私が心配するのは、物品税がありますと、いわゆる政府においてどれだけの水飴或いは葡萄糖などが生産されているかということがはつきりとわかるのですね。従つて翌年の生産体系というものは計画的にわかつて来るわけです。ところがこれをもう物品税もないということになりますと、それに対する生産計画とか或いはその品質の面においてのいわゆる計画というようなものが全然なくなりやしないか、そうしますと無制限にいわゆる自由放任経済主義に従つて生産されると、あなたがたがこの物品税をゼロにして、こういうものの生産を向上させるという趣旨と正反対のような結果が出るのですね。そういう点は御懸念はないのですか。
  12. 川端佳夫

    衆議院議員川端佳夫君) 私たちは、これはお説でございますけれども、むしろ逆の考え方、まあいいほうに考えているわけなんです。これで物品税撤廃され、品質のよいものを競つて作る、こういうふうに私はなつて行くのだろうと、こういうふうに今のお説とやや反対のようないい意味考え方を持つているわけであります。
  13. 油井賢太郎

    油井賢太郎君 提案理由で以て約十五億円見当砂糖消費税引上げバランスをとるというようなことになつておりますけれども、まあ砂糖消費税引上げ法律が今度出ていますが、十分その点の補いがつくことは確信できますか。
  14. 川端佳夫

    衆議院議員川端佳夫君) これは御承知のように、衆議院大蔵委員会では修正案が可決されております。そうしてこれは衆議院で可決されたわけでありますが、この砂糖消費税の修正によつてこれは十分見返り財源は得られるものだという考えでいるわけであります。
  15. 油井賢太郎

    油井賢太郎君 この場合ですね、物品税をなくすということは結局消費をまあ増大させるという意味相当含まれると思うのです。簡単に言えば砂糖消費を抑制するという意味相当に加味された御提案だと思うのですが、そうしますと一方において物品税がなくなつた、水飴或いは葡萄糖によつて砂糖消費が抑制されるということになつて、御計画のように十五億の財源減つた砂糖で以てカバーされるかどうかということが疑念なんですね。そういうことは御検討になつて出しになつたのですか。
  16. 川端佳夫

    衆議院議員川端佳夫君) 私たちはこの物品税改正法案提案理由の中に、砂糖消費税を上げることによつて見返り財源考えているのだというようなことを申上げているわけは、これと同時に年度内に入つて来て課税対象になるだろうと思われる砂糖輸入量も、大蔵省考え課税対象になつている量よりも多く入るんじやないか、まあこういうことも考えておるわけであります。むしろ砂糖は御承知のように非常に生産状況関係諸国がよくなつています。従つて勢い日本の国へも入つて来る量は多くなつて行くのじやないか、決して国内消費税程度ではまだまだその大勢を動かすところまでは行かない、物品税によつて水飴を救う程度、我々はそのくらいな懸念さえも持つているわけでございます。
  17. 田村文吉

    田村文吉君 この問題は砂糖消費税と関連しているようですが、来ていられますか、政府委員
  18. 平沼彌太郎

    委員長平沼彌太郎君) まだ見えていないのでございます。御質問がおありですか。
  19. 田村文吉

    田村文吉君 これはあれですか、砂糖消費税改正のあれは議員提出ですか。
  20. 平沼彌太郎

    委員長平沼彌太郎君) 砂糖消費税政府提案だそうです。物品税法議員提出。ちよつと速記をとめて。    〔速記中止
  21. 平沼彌太郎

    委員長平沼彌太郎君) 速記を始めて。
  22. 田村文吉

    田村文吉君 水飴物品税廃止ということ自体は私は悪いことじやないと思うが、そのために砂糖消費税を上げなければならんということについて、政府はそういう点お差支えないとお考えになつての御提案と思うのですが、初めに御計画なつ消費税を二百五十円お上げになることはただ財源がないからいものほうの水飴関係上どうしても上げなければならんということでお上げになるということなんですか。実は第二に伺いたいことは、物品税やめて欲しいのがまだたくさんある。これは輿論になつて随分たくさんある。そういうことで砂糖消費税を上げればどんどんできるのだということならばそういう問題が始終これからも議員立法として出るだろう。そこでお伺いするのですが、そもそも初めお出しなつ砂糖消費税という額は、まだこれは安過ぎるというお考えで御提出になつたのですか。
  23. 泉美之松

    政府委員泉美之松君) 今度の砂糖消費税のうち分蜜糖税率政府提案の百斤当り千七百円の税率から千九百五十円に引上げるということは、衆議院のほうの御提案でありまして、政府といたしましてそういうふうにするのがいいというふうに別段考えておるわけではないのであります。ただそういうふうになりましてもまあさほど弊害はない、まあ問題は砂糖消費税引上げによる国民生活に及ぼす影響程度でございますが、当初政府原案の千七百円でございますと、小売業者販売価格、これは今度統制価格が外れますから幾らになりますか、予測範囲を出ませんがおよそ八十円程度考えられるのでございますが、これが八十二円五十銭と二円五十銭ほど値上げになることになろうと思います。その点でそれだけ国民生活に及ぼす影響があるわけでございますが、まあこの程度税率負担でございますと、最初政府が千七百円に上げようといたしました当時におきましては、戰前の砂糖小売価格に対する砂糖消費税及び関税を含めました負担税率がおおむね三〇%程度であります。それに対しますと、今度上げましてもそれほどの負担になりませんので、まあこの程度のことであれば妥当なのではないかというふうに考えておるのでございます。勿論田村委員の御指摘のように、物品税につきましては、水飴ほかにいろいろ改正の要望があるのでございますが、政府といたしましては、この際は物品税には手を触れないという方針で参りたい、かように考えまして政府からは改正案提案いたさなかつたような次第でございます。併しそれだからといつて砂糖消費税を、幾らでも税率を上げて行けば財源が出て来るから、これによつて物品税改正を図ろうという考えが出て来ますならば、それは砂糖消費税引上げには限度がございますから、我々といたしましてはこの程度ならばまあまあと見ておりますが、更に引上げるということになりますと、国民生活に及ぼす影響等考えなければなりませんし、適当であるとは言いかねる場合も起きようかと考えております。
  24. 田村文吉

    田村文吉君 繰返して申上げますが、水飴自体物品税をおやめになること自体に私はちつとも異議はないのだが、その代り財源砂糖消費税のほうに持つて行つた、そういうことでそう政府考えられておられる数字というものが、産業政策万般から言つてそう始終変えられるようなことになつているなら、そういういろいろな議論は出て来るが、それをお伺いしたのですが、なお聞くところによりますと、相当外国から菓子が入つているということを聞くのですが、一体大よそどのくらいの菓子が入つているのですか。その菓子値段というものは国内菓子に比べると原価が安いということを聞いておるのですが、砂糖消費税をこの際二百五十円お上げになるのはいいが、そのために国内菓子製造というものを種々圧迫される状況に置いたのではこれはいかん、こういう心配をするので、場合によれば相当砂糖輸入量が多くなるということであれば、消費税は上げなくても大体そのくらいの収入は入るじやないか、こういうようなことを一説として聞いちやいるのですが、それについて政府はどういうふうにお考えになつていますか。
  25. 泉美之松

    政府委員泉美之松君) 水飴物品税の問題に関連して起つたわけでございますが、水飴物品税撤廃して、その財源としまして砂糖消費税税率引上げるということは、單に財源調達という意味合いだけでなしに、国内産の水飴価格とそれから砂糖価格との競争関係も考慮して、水飴物品税撤廃した程度ではまだ競争関係上不十分であるから、更に砂糖のほうも税率引上げて、それによつてバランスを図ろうという見地が織込まれておるのでございまして、単純に十五億なり或いは十七億の財源を調達するというだけの意味ではないものと政府考えておるのでございます。その意味合いにおきまして代り財源として砂糖消費税税率引上げることは適当であろうというふうに考えておるのでございます。これを他のものについて適用するということは適当じやないと思います。  それからもう一つ外国から相当菓子が入つて来ているというようなお話がございました。この点はまあ御承知PXなどを通じまして入つて来るのもございます。それからそれ以外に入つて来るのもあるようでございます。只今正確な数字は持つておりませんが、そういう点でいろいろ問題がありますのですでに提案いたしております。関税定率法におきまして菓子に対する関税定率引上げ輸入抑止の役目を果させようということを、この砂糖消費税税率引上げと関連いたしまして、やはり考慮いたしましてそういう点は図つておるような次第であります。ただPXなどを通じまして闇に流れるものにつきましては、遺憾ながら取締の万全を期し得ない憾みはございます。
  26. 田村文吉

    田村文吉君 ただ私心配しますのは、それがために内地の菓子工業を圧迫するということになるのだと非常に由々しい問題になるから、そこで水飴のそれは至極結構だと思う、思うが水飴砂糖というものは必ずしも競争的な立場にあるものでもない。そういうふうに競争的な立場にあるものであるという御解釈ならば政府は初めから砂糖消費税をもつと高くするがいいし、水飴物品税は初めからおやめになるがいい。ところがそうでなくて議員提出として水飴撤廃をするということになるなら、どうも財源がないから、仕方がないから砂糖行つたと、こういうことにまあ我々は常識的に考えざるを得ないのです。そのために一般菓子工業を圧迫する虞れがないか、それでなくても国内菓子というものは非常に原価が高いということを聞いておりますのですが、その点についての大蔵当局としては御心配はないとお考えになつているのですか。
  27. 泉美之松

    政府委員泉美之松君) その点につきましては、統制撤廃価格がどういうふうになるか、先ほど申しましたように予測範囲を出ないのでございますが、従来業務用砂糖値段は、御承知のように家庭配給のものに比べて高かつたわけでございまして、一斤小売価格が百十二円いたしておつたのでございますが、そうして家庭配給のほうは六十八円であつたわけでございますが、これが今後統制撤廃後になりますと先ほど申上げましたように政府原案でありますと八十円、それから改正法によりますと八二円五十銭という程度になりますので、それによつて日本菓子工業を圧迫するということはないものと考えておるのでございます。
  28. 田村文吉

    田村文吉君 それから今のお話で何ですか、菓子輸入に対しては定率法をお変えになるとかいう御意図をお持ちになつている、こういう意味ですか。
  29. 泉美之松

    政府委員泉美之松君) これは関税定率法改正案提案いたしておるはずでございます。
  30. 田村文吉

    田村文吉君 その中に入つておるのですか。
  31. 泉美之松

    政府委員泉美之松君) 入つております。
  32. 田村文吉

    田村文吉君 どのくらいになるわけですか。
  33. 泉美之松

    政府委員泉美之松君) 四〇%でございます。
  34. 田村文吉

    田村文吉君 四〇%上るのですか。
  35. 泉美之松

    政府委員泉美之松君) いや、現行三五%を四〇にするのでございます。
  36. 田村文吉

    田村文吉君 五だけ上るのですね。
  37. 泉美之松

    政府委員泉美之松君) はい。
  38. 森八三一

    ○森八三一君 只今大蔵当局の御説明砂糖統制廃止になると、おおむね小売価格が八十円くらいになるので、その程度であれば統制中における一般砂糖配給価格に対比いたしまして、国民生活を圧迫するとか、国内における砂糖原料とする各種の工業に重大な影響を與えないであろうというような前提に立たれまして、統制廃止後における海外砂糖市況と対比して関税定率法を一部改正いたしまして、一〇%なり一五%の関税を高めて行くというような施策、更に砂糖消費税一千円を一千七百円にするということによつて、そういう結果が大体生まれるであろう、今度の衆議院の修正されましたものによると、二百五十円上る程度であるから大して影響はないというように御答弁があつたのでありまするが、最近における新聞の報道によりまする海外砂糖市況は、国際的に非常な増産でありまして、政府がこの原案をお作りになつた当時は大体百五十ドルから七十ドル見当取引つたものが、最近では百十七ドル見当に低落をして来ております。更にこれが今後、申上げまするような国際的な大増産ということを受けまして更に低下をして行くであろうということに我々は想像をいたしておるのでありまするが、そういうことになりますると、政府原案による関税定率法改正砂糖消費税の七百円アツプということだけでこれをとどめるといたしますれば、恐らく国内における砂糖小売価格は、業務用に例をとりますれば、統制中の価格に対比いたしまして半分にも下つちまうという現象が起きるのではないか。今度の二百五十円上げるという修正案が実施されるということに相成りましても、恐らく現在の趨勢で行きますれば、統制中における一般家庭配給最低価格でありました一片六十八円をも更に下廻つて行くというような情勢が生まれて来るのでわないかということに我々は非常に心配を持つております。勿論国民生活を豊かにして承りまする点から、消費資材である砂糖が安くなるということは非常に結構でありまして、これを拒否するわけではありませんが、それによつて関連的な立場に立つております国内生産甘味料である水飴が非常に圧迫をされるということになり、及んでいも類生産に非常に大きな影響がある。昨年は御承知のようにいもが一貫匁が四十円前後で取引をされたのでありまして、これは我々は生産者立場に立つて考えて見ましても不当であつて昭和十一年の基本年次の対米比価から考えまして、この提案理由にも出ておりまするように、いも類価格は大体三十円を中心として取引をされるというような段階を作ることが望ましいと思うのです。そうでなければやはりこれは国民生活に非常に重要な影響があるわけでありまして、殊にいも消費醸造方面にも相当に使われているわけでありまして、そういうようなことを考えまするというと、不当な高値で取引されるということはよく知らないが、三十円程度は対米比価から考えましても妥当であろうと考えております。その三十円を維持いたしまするためには、恐らくこの施策を以ていたしましても、到底これをカバーすることはできない。勿論いも価格水飴だけを以て律するわけには参りません。この提案理由にも出ておりまするように、全国の生産量約二十億貫の半数が飴に処理され、残りの五〇%中の二五%が醸造原料になり、更に二五%が澱粉になつているということでありますが、水飴だけの関係においていも価格をここに規制をして論議をするというわけには参りません。でございますが、仮に澱粉だけでこれを推進して参りますると、今度の諸般の改正が全部実施されたといたしましても、逆算をいたしますればいも価格は九円を前後するというような価格になつていも生産は全く壊滅に瀕する状態になると思うのでございます。現在の国内食糧事情から申しますれば、いも類生産は何といたしましても現在程度のものは確保して置かなければ、国民生活の上から申しましても非常に重大な結果が予測せられるわけでありまして、何といたしましても維持しなければならんと思いますが、そう考えて参りますると、政府当局としてはこの改正程度でそういう目的を達し得るとお考えになるのか。私はこの程度のことでは到底いも類生産を確保いたしまして、若し万が一の場合に終戰前後を通じていも類が果しましたような国民の生命を維持して行くというような重大な役割を負わせるということのためには、非常に遺憾な結果が生まれるのではないかということを心配しているのでございますが。どうお考えになりますか。これは農林当局から伺うことで、大蔵当局には非常に無理なことかも知れませんが、この辺お話がございましたように、関税定率法提案理由説明を見ましても、国内価格に急激な変化を與えないように、而もそれによつて国内状況を維持育成して行くという見地から、関税改正考え砂糖消費税の値上げを考えた、こうおつしやつておりますが、そのほかに前段申上げましたような現実の諸情勢からいたしまして、この程度改正ではその御趣旨を達することは困難だというように思いますがどうお考えになりますか。
  39. 泉美之松

    政府委員泉美之松君) この点につきましてはいろいろ御意見がおありかと思うのでございますが、我々といたしましては、先ほどもお話がございましたが、甘藷の生産高のうち水飴に使用される部分は全体の一五%でございます。従いましてその一五%についての物品税撤廃する、或いはまあ競争関係にある場合というような御意見もございましたが、やはり水飴砂糖とは相当競争関係にあると思いますが、その競争関係にある砂糖について税率引上げるというようなことによつて、甘藷自体価格の維持或いは生産の増加というものを図つて行こうとするにはいささか無理である、税の問題だけで片付けることは困難であるというふうに考えております。ただそれでは食糧増産全体の見地から、甘藷の価格なり生産数量をどう持つて行くかということにつきましては、これは一つ農林省にお伺いして頂きたいと思いますが、私どもとしましては、税の見地等からばかりでは無理な点があるというふうに考えております。
  40. 油井賢太郎

    油井賢太郎君 政府の、大蔵省当局の説明提案者の提案理由で大分違つている数字があるのですが、今のお話によると、大体水飴に使う量というものは生いもの一五%というお話でしたが、提案理由を見て行くと大体四〇%になるのですね。その点はどうしてそういうふうに……提案理由はこう書いてあるのですよ、生産量の過半が販売され、販売量の半ばが澱粉に加工され、そうしてその澱粉の八〇%が水飴原料に使われる。こういうことになつていると、先ず四〇%ですね、それから今の政府のほうでは一五%、まあ大変にそこに相違があるのですね。
  41. 川端佳夫

    衆議院議員川端佳夫君) 今のお話でございますが、嚴密に計算いたして見ますと、二〇%ちよつとくらいになるわけでございます。ところが御承知のようにいもが食糧として、非常に食糧操作の安全弁に使われて来た時代から、だんだん主食米麦関係も御承知のようにゆとりができ、そのほか食糧関係にかなりゆとりができて参りました関係から、いもが主食の中に含められて扱われる傾向というものはだんだん挾められて行つてるという見通しであります、大蔵当局数字は、曾つての実績のお話もございましようけれども、我々は将来を見通しての考え方で緊急の要件であるという意味からこの改正提案いたした次第でございます。
  42. 油井賢太郎

    油井賢太郎君 今の私が四〇%と言つたのは二〇%の誤りでありまして、今の説明で大体の見当がつきましたが、次に提案者にお伺いしたいのですが、この水飴葡萄糖の手持品が相当あると思うのですね、各業者等に。その手持品についてはどういう措置をなされておりますか、あとから問題が出ないのですか。
  43. 川端佳夫

    衆議院議員川端佳夫君) 四月一日から施行されまするから、それ以後のものはかかりません。
  44. 油井賢太郎

    油井賢太郎君 それは物品税の建前として、製造業者から販売業者に渡されるとき課税されていますね、結局販売業者の手持品にすでにかかつた税金はそのままでも差支ないのですか。あとから問題は出ないのですか。
  45. 川端佳夫

    衆議院議員川端佳夫君) それはいたし方ないのじやないかと思います。
  46. 油井賢太郎

    油井賢太郎君 それじやあとから問題は出ませんね。
  47. 川端佳夫

    衆議院議員川端佳夫君) これは出てもいたし方ないのじやないかと思います。
  48. 油井賢太郎

    油井賢太郎君 それだけはつきりしておけばいいのです。
  49. 森八三一

    ○森八三一君 今の大蔵御当局の説明でありますが、私の申上げましたのは、いも生産を税の問題だけから考えるということは、これは私もよく不可能であることを了承いたしております。又用途が非常に多岐に亙つておりますので、ひとり砂糖との関連のみにおいていもをどうするこうするというようなことを極論いたしますことは、これは僅かに二〇%しか使つておらんことでありますから、これもよくわかりますのでありますが、最初にお考えなつた現在の経済情勢に即応して、統制中においては、一般の家庭消費砂糖価格が六十八円、業務用が百十円前後しておつた、それをです、八十円程度にいたしますることが妥当であろうというふうに御考慮になつて諸般の政府原案というものが作成されておる。これは御説明通りでありますが、そこで現在の国際情勢なり、砂糖市況等から参りますれば、政府原案の上に衆議院修正案を附加いたしましても、なお且つ砂糖価格はもつと安くなるのじやないか、安くなることは我々の生活が楽になりますので、それをきらうというわけじやない、それを拒否するというわけではございませんが、それによつて国内産業が更に影響を受けて困難になるという事態が考えられるので、砂糖を八十円程度にすることが妥当であるとするならば、もつと税の問題で考える余地があるのじやないかというように、衆議院の修正よりももつと考えてもいいのじやないかという意見がここに立つて来ると思うのです。八十円が妥当でないというならば別だが、八十円程度菓子工業その他の点から考えても、免税の点から考えても妥当だというので関税定率法改正砂糖消費税のあれを定めるということになれば、その後の国際情勢なり、砂糖市況は非常に順調だし、日本を目がけて相当売物が出ておるので、もつと下つて行く。衆議院の修正だけではカバーし切れないで、僕の計算では恐らく六十八円という価格よりもつと下りやせんか、下ることを拒否するわけじやありません、安くなることは、民生の向上の上に寄與しますから、そのことを拒否するわけじやありませんが、それによつて及ぼす国内産業への影響というものを考えると、八十円程度が妥当であるとするならば、税の面でも考えて然るべき余地があるのじやないかと思いますが、それをどうお考えになるか。
  50. 泉美之松

    政府委員泉美之松君) お話のように、砂糖価格というものは国際市場の影響を受けまして非常に変動し易いものでございます。ニューヨークの市場相場も、お話のように昨年の六、七月頃、一時一ポンド当り八セントくらいまで上つたものが、その後非常に増産になりました影響を受けまして、最近の相場でございますと、四セント四十という程度に下つて来ております。従いましてどういうふうに価格がなるかということは、国際相場の影響の点を見通すことは非常にむずかしいだろうと思います。先ほど申上げましたような八十円になるかどうかという数字は、ニューヨークの相場を一ポンド当り五セントと抑えて計算したものでございますので、その後その相場が狂いますと、成るほどお話のような下落の予想があるということも考えられるのでございますが、四セントからさほど下がるものとはどうも考えられないのであります。従いまして当初政府が計算しております八十円という数字から若干下がるにいたしましても、さほど下がることはないだろうと考えております。それから又一面には、砂糖消費税は従価税率でございませんで、従量税率にしておりますので、価格が下がつて参りますと、その税負担はそれだけ重くなつて参るのでございます。自然負担が重くなつて参りますので、価格が下がれば、むしろ増税するという、実際問題は増税したと同じ結果になつておるのでございまして、更にそれを、輸入税率を高くするというのは、むしろ酷ではないかとすら考えられるのでございまして、従いまして将来の価格の予想はなかなか困難でございますけれども、さほど国内産業を圧迫する事態が起るとは考えておらないのであります。
  51. 油井賢太郎

    油井賢太郎君 私は砂糖の点でもう少しお伺いしたいのですが、まあ大体我が国の経済状態から言つて砂糖に対しては、もつと消費税を上げていいのじやないかという私は多年の持論ですが、今度の値上げ等についても、これでは先ほど森さんからお話があつたように、各方面から検討して足りないと思つておる。併し政府はこの程度というようなお話があるのですが、又先ほど従量税だから値段が下つても、それはパーセントから言うと上つてつて、何か課税上においては重圧を加えるような形であるというお話があるし、一面から申しますというと、やはり海外砂糖原価とのものが下つて来れば従量税だからやはり税金そのものは変りがないということで、値下りには影響ないのですね。やはり下つて来るのですね。そういうことをスライドする方法政府がとるということも一策ではないかと思うのですが、そういうことは検討されたことがありますか。例えば塩やなんかの専売と同様、砂糖政府の專売物にして、海外幾ら安くなつても、その安くなつた差益というものは政府の收入として行く、そういつたようなことを検討せられたことがありますか。
  52. 泉美之松

    政府委員泉美之松君) 砂糖につきまして、専売制度をとるかどうかということにつきましては、技術的にはいろいろ検討すべき余地があろうかと思いますが、政府といたしましては、差当りさような考えは持つておらないのでございます。
  53. 油井賢太郎

    油井賢太郎君 それでは物品税のほうに戻りまして提案者にお伺いしたいのですが、物品税がなくなつて海外価格が下れば、先ほど政府委員説明では、これ以下に下るまいというようなお話ですが、併し国際商品の相場の下落というものは、我々想像したようなものではなくて、とんでもない値に下るときもあるのです。そういうことを計算しますというと、提案理由にも書いてありますが、僅か半年の間に三千円から二千二百円に下つたような状況です。而もその中には百斤で五百円という税金が含まれておるのです。そういう点から見ましても、砂糖消費税というものをもつと高いとろへ上げておかなければ、目的に副うことは困難じやないかと思うのです。例えば二千二、三百円に今日下つているとして、物品税の五百円というものとの比較をしますと、すでに昨秋の三千円から今日二千二、三百円に八百円も下つておる。物品税のほうは大体五百円、そういう点から見ても、如何に海外とのバランスをとる商品というものは日本の経済に大きな影響を及ぼすかということがはつきりするのです。それに対する御見解はどうですか
  54. 川端佳夫

    衆議院議員川端佳夫君) 全く私たちも同感の気持を持つておるわけであります。今のお説私たちは御尤もだと思つておりますし、そういう感を深ういたしておるために緊急の提茶をいたしたわけであります。
  55. 油井賢太郎

    油井賢太郎君 それでこの砂糖消費税の修正讓、衆議院のかたがたが千七百円から千九百五十円に上げられたということは、單なる税のバランスだけで上げたようにしか我々には聞えないのですね、大きな見地からいたしますと、これはもつと思い切つて値上げしておいてもよかつたのじやないかと思うのです。
  56. 川端佳夫

    衆議院議員川端佳夫君) 全くその通りだと思うのです。そういうふうに考えまするが、又私たちもいろいろ税関係の学者とか、或いはこういうことに関連のある業者の意見等も率直に聞いて見ました。例えば個人の名前を挙げてはおかしうございますけれども、河合良成さんのごときはこの砂糖消費税というものはもう少し上げるべきだ、この砂糖消費税の検討というものは今後にも問題が残るものだ、こういうような意見も我々は聞かされたわけであります。そういう各方面の意見も大体今のお説のような線であるし、私たちも全くそういうふうには考えておりましたけれども、各種の事情を勘案いたしまして、二百五十円アップ、こういうようなことになつたわけであります。
  57. 平沼彌太郎

    委員長平沼彌太郎君) 他に御発言もないようでありますが、質疑は終了したものと認めて御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  58. 平沼彌太郎

    委員長平沼彌太郎君) 御異議ないと認めます。それではこれより砂糖消費税法の一部を改正する法律案議題といたしまして、討論に入ります。御意見のおありのかたは賛否を明らかにしてお述べを願います。
  59. 森八三一

    ○森八三一君 砂糖国民生活の上に非常に重大な関係を持つております消費財でありますので、これが安くなりますことは非常に結構ではありまするが、一面国内関連産業を保護育成して参りますことも重要な問題であり、それが更に食糧問題に繋がりを持つておるということでありますれば、更にそういう点を深く考えて対処をしなければならん重要な問題であると思います。我々の承知いたしておりますところでは、戰削におきましては砂糖価格のうちに占めておる各種の税の合計が三〇%前後に相成つてつたと承わるのでありまするが、今度の政府原案並びに衆議院修正案を加えましても、非常に戦前のそれに比べましてなお且つ低位にあるというように思われますわけでありますが、今後砂糖の各種の税につきましては、更に国内産業を十分育成しつつ民生の点をも考えて十分に御検討を願いまして、希望といたしましては更に増加することも考え得られるのじやないかというようにも思われますので、そういう希望を附けまして原案並びに修正案に賛成をいたしまして意見といたします。
  60. 油井賢太郎

    油井賢太郎君 私は今回提案された砂糖消費税の一部改正案に賛成をいたします。  併しながら今回の消費税の値上げ程度ではまだまだ不安であるという考えを持つておるのであります。提案理由のうちに砂穂消費の嗜好性を考慮してというような文句も政府では謳つてあるのでありますけれども、これは他の煙草或いは酒というようなものから見ますと、この程度税率では極めて低率過ぎるというふうにさえ考えられるのであります。やはり或る程度バランスをとつた税率が好ましい。嗜好性を持つている以上には、それに適応するような税率も当然であるというふうに考えられるのであります。ただ生産費というようなものに対しましては、別に低率なる税金を課すということも考えられるのでありますが、次回の適当な機会におきましては、砂糖消費税をもつと大幅に値上げをいたしまして、海外において相当砂糖原価が安くなつても、それに対応して国内砂糖価格というものに余りに波瀾を来たさないようなことも考慮されることが然るべきだと思います。さような見地から、将来においてなお一層政府においても考慮せられんことを要望して賛成いたしておきます。
  61. 大野幸一

    大野幸一君 私も日本社会党を代表しまして、賛成の意思を表示するものでありまするが、前討論者の申されました趣旨とはいささか趣きを異にいたしております。  砂糖についての本質はこれは若干の嗜好性あることを考慮してとこういう意味であつて砂糖は必需品か嗜好品かということに対して、政府委員もこれは若干の嗜好性あることを考慮する、必需品とのみ言われない、こういう点を考慮してという御説明があつた砂糖消費国民生活の水準を表示するものである。砂糖消費の少い地方においては、国民生活が向上していない。こういう点を考えると、砂糖消費というものは文化の程度を表わすものである。然らば必需品たる程度の性質を十分持つておるものであり、消費税は我々の党としては好ましからざる止むを得ないところの緊急の税だと考えておる。そういう点で、今後これを引上げられるというようなことは一般大衆に対する間接税を課することになつて、我々は好まないところでありまするから、そういう点のないように考慮し、国際価格の変動は、これは世界人類の共通に受けるべきものである。国際価格の下落することは我が国においても好ましくあることであつて、こういう点から国際価格云々にかかわらず、今後この消費税については余り引上げられないことを希望しつつ本法案に賛成するものであります。
  62. 平沼彌太郎

    委員長平沼彌太郎君) 他に御発言もないようですが、討論は終局したものと認めて御異議ありませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  63. 平沼彌太郎

    委員長平沼彌太郎君) 御異議ないと認めます。それではこれより採決に入ります。砂糖消費税法の一部を改正する法律案衆議院送付通り可決することに御賛成のかたの御挙手をお願いいたします。    〔賛成者挙手〕
  64. 平沼彌太郎

    委員長平沼彌太郎君) 全会一致であります。よつて本案は衆議院送付通り可決すべきものと決定いたしました。  なお諸般の手続は前例により委員長に御一任願います。それから多数意見者の御署名をお願いいたします。   多数意見者署名     下條 恭兵  岡崎 真一     森 八三一  大野 幸一     小宮山常吉  油井賢太郎     小林 政夫  田村 文吉     伊藤 保平  大矢半次郎   —————————————
  65. 平沼彌太郎

    委員長平沼彌太郎君) 次に物品税法の一部を改正する法律案、これを議題といたします。他に御発言もないようですが、質疑は終了したものと認めて御異議ありませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  66. 平沼彌太郎

    委員長平沼彌太郎君) 御異議ないと認めます。それではこれより討論に入ります。御意見のあるかたは賛否を明らかにしてお述べを願います。
  67. 大野幸一

    大野幸一君 日本社会党を代表しまして、本案に対して賛成の意を表します。  従来、ここ数年前から我々はこれを主張して来たのであります。農産物に課税するということは不合理なことであるという一点だけからしても我々はこういうことを主張して来たのでありますが、幸いに議員提出なつたことは誠に喜ばしいことだと思います。前可決されました砂糖消費税に関してこの法案提出されておるようでありまするけれども、現在のところ止むを得ないお考えといたしましても、農産物価格には、これを奨励するために、保護するためには、我々は従来農産物は国家補償による維持の主張をして来ておるのでありまするから、その点におきまして、若しこの物品税廃止をして足らない場合には、国家補償によつて農産物価格を維持するということを主張している我が党といたしましては、本法案に絶対に関係を持つていると、双手を挙げて賛成する次第であります。
  68. 油井賢太郎

    油井賢太郎君 私は民主クラブを代表いたしまして今回の物品税法改正に絶対に賛成するものであります。前委員も申しましたが、農産物に対する課税というのは全くこれは不合理であります。そういう観点から今回議員提出されてこれを貫徹されたということの点については心から賛意を表する次第であります。而もその財源の軽減というものに対する補給を海外から輸入される砂糖に持つて行つたということもこれも非常に適切な措置であると考えておるのであります。よつて我々は心からこの撤廃に対して賛意を表するのであります。
  69. 平沼彌太郎

    委員長平沼彌太郎君) 他に御発言もないようてありますが、討論は終局したものと認あて御異議ありませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  70. 平沼彌太郎

    委員長平沼彌太郎君) 御異議ないと認めます。それではこれより採決に入ります。物品税法の一部を改正する法律案原案通り可決することに御賛成のかたの御挙手をお願いいたします。    〔賛成者挙手〕
  71. 平沼彌太郎

    委員長平沼彌太郎君) 全会三致であります。よつて本案は原案通り可決すべきものと決定いたしました。  なお諸般の手続は前例により委員長に御一任願います。それから多数意見者の御署名を願います。   多数意見者署名    下條 恭兵  岡崎 真一    森 八三一  大野 幸一    小宮山常吉  油井賢太郎    小林 政夫  田村 文吉    伊藤 保平  大矢半次郎   —————————————
  72. 平沼彌太郎

    委員長平沼彌太郎君) 速記をとめて。    〔速記中止
  73. 平沼彌太郎

    委員長平沼彌太郎君) 速記を始めて。漁船保險特別会計法の一部を改正する法律案漁船保險特別会計における漁船保險事業について生じた損失を補てんするための一般会計からする繰入金に関する法律案、それでは只今の一案を一括して議題といたします。別に御発言もないようでありますが、質疑は終了したものと認めて御異議ありませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  74. 平沼彌太郎

    委員長平沼彌太郎君) 御異議ないと認めます。それではこれより討論に入ります。御意見のあるかたは賛否を明らかにしてお述べ願います。別に御発言もないようですが、討論は終局したものと認めて異議ありませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  75. 平沼彌太郎

    委員長平沼彌太郎君) 御異議ないと認めます。それではこれより採決に入ります。漁船保險特別会計法の一部を改正する法律案漁船保險特別会計における漁船保險事業について生じた損失を補てんするための一般会計からする繰入金に関する法律案、これを原案通り可決することに賛成のかたの御挙手を願います。    〔賛成者挙手〕
  76. 平沼彌太郎

    委員長平沼彌太郎君) 全会一致であります。よつて三案は原案通り可決すべきものと決定しました。  なお諸般の手続は前例により委員長に一任を願います。それから多数意見者の御署名を願います。   多数意見者署名     森 八三一  油井賢太郎     小宮山常吉  大野 幸一     小林 政夫  岡崎 真一     大矢半次郎  伊藤 保平     田村 文吉   —————————————
  77. 平沼彌太郎

    委員長平沼彌太郎君) 速記をとめて。    〔速記中止
  78. 平沼彌太郎

    委員長平沼彌太郎君) 速記を始めて。次に特定道路整備事業特別会計法案予備審査)について内容の御説明を聽取いたします。
  79. 菊池明

    政府委員(菊池明君) 只今議題になつておりまする特定道路整備事業特別会計法案と一体となつておりまする道路整備特別措置法案につきまして、制定の理由並びにその趣旨を簡單に御説明申上げます。  現下の国並びに地方公共団体の財政事情に鑑みまして、道路の整備を促進いたし、交通の利便を増進しますために、一定の要件を備えた道路を新設いたし、又これを改築をして、その道路から通行料金を徴收することができる途を開きまして、これによつてその建設費を償還するというのが本法の趣旨であります。その主な点は次の通りであります。  第一点としまして、有料道路を新設し、又は改築することができる者は、建設大臣それから都道府県知事及び市長とするということであります。  第二の点は、有料道路とすることができる道路は、通行者がその通行によつて著しく利益を受ける道路であること、原則としまして他に道路の通行の方法があつて、その通行が余儀なくされるものでないとすること等一定の要件を備えたものに限るという点であります。  第三点は料金徴收の対象となるものは原則として諸車及び無軌條電車、トロリーバスとか、無軌條電車としまして、緊急自動車その他政令で定めまする車輛については徴收しないものとします。渡船場或いは道路用のエレベーター等の施設につきましては、人からも徴收することができるものとするという点であります。  第四点としまして料金の額は道路の通行者が通常受ける利益の限度内ということを基準にしまして、政令で定めることにいたしております。  第五点は建設大臣は大蔵大臣と協議の上、都道府県又は市に対しまして有料道路の建設の費用の全部又は一部を貸付けることができるという点であります。  以上がその要点でありますが、有料制によりまする道路の整備は、我が国といたしましては初めての試みでありまするので、この運用につきましては十分愼重を期して万全を盡したいと念じておる次第であります。
  80. 小林政夫

    ○小林政夫君 建設省に道路整備の十五カ年計画があるですね。で、第一次の五カ年計画というものを作つておられる、十五カ年計画の第一次五カ年計画というのがあるでしよう。それでこの特定道路をこういう方法でやろうということは、その計画の一環であるかどうかということについても知りたいわけで、予算委員会においてその資料を要求しておるのですが、未だに出ておりませんから十五カ年計画の全貌と、それから特にその中で第一次五カ年計画はどうなるかということ、それとこれとの関係はどうなるかを一つ資料によつて説明願いたい。
  81. 菊池明

    政府委員(菊池明君) 五カ年計画説明書の提出はしたと思つておりまするが、まだお手許に行つておりませんですか。
  82. 小林政夫

    ○小林政夫君 ええ。
  83. 菊池明

    政府委員(菊池明君) そうでございますか、それじやもう一遍差上げます。ただこの際、この有料道路との関係について御説明申上げます。勿論この有料道路に取上げられますものは、この十五カ年計画なり五カ年計画には入つておるものと思いまするので、この有料道路の制度で取上げられますれば、五カ年計画というものは我々のほうで改めなきやならぬと思います。尤もこの五カ年計画或いは十五カ年計画と申しまするものは、勿論この予算の裏付けがちやんと決定しておるわけではございませんので、ただ何と申しますか、我々のほうで今後改良いたし、或いは改良予定をいたしまする大綱を長期に亘つて予定しておこうというので作つておりまする計画でありまして、裏付けになる予算はその年度々々でやつておりまするので、改訂にはそう困難はないと思います。
  84. 油井賢太郎

    油井賢太郎君 この趣旨は、何ですか、特別会計の趣旨は……。收入によつて順々に回収して行つて、回收された曉は無料になるという趣旨ですか。
  85. 菊池明

    政府委員(菊池明君) さようでございます。
  86. 油井賢太郎

    油井賢太郎君 それではこの第一の関門道路あたりの点を見ましても、距離は僅かに三キロ半程度なんですが、相当高い料金を取るわけですが、実はこれも私は視察に行つて見て、その際いろいろ当局者の話を聞いたのですが、相当の高い料金を取つて還して行くのだというので、これは国家的見地から言つて成るべく安い料金でやるのが当然じやないかというような意見の対立があつたのですが、何も急いで高い料金で特別会計を早く零にするという必要はないと思うのですが、そういう点の趣旨はどういうふうになるのです。
  87. 菊池明

    政府委員(菊池明君) 大変簡單にさようでございますとお答え申上げましたが、実はこの関門トンネルにつきましては、これは又後日何らかの措置をとらなければならんと思いまするが、関門トンネルは完成の曉も非常に維持管理費がかかります。特に排水それからエレベーター等の運転、常時の維持に経費を要しまするので、これは完成いたしましてもやはり或る程度の、低額ではありましようが、或る程度の賃金は徴收してずつと行かなければ、これはオペレートできないと思いまするので、他のものとは少し意味が違いまするので、そういうふうに御了承願いたいと思います。
  88. 大野幸一

    大野幸一君 この有料道路を作ることによつて国有道路とか、そういう公有の道路を修理或いはそれの徹底することが遅れるようなことはないのでしようか。それが等閑に附せられるというようなことはないのでしようか。
  89. 菊池明

    政府委員(菊池明君) 有料道路を別にやるために一般公共事業費支弁をやつておりまする関係のものが遅れやしないかというお尋ねでありますが……。
  90. 大野幸一

    大野幸一君 そういうものがおのずから等閑に附せられることはないかというのです。
  91. 菊池明

    政府委員(菊池明君) これを考えましたのは、大変道路が遅れている、これをよくいたして参りまするのに、現在の程度公共事業費では到底賄い切れないであろう、で、特に現在残つておりまする大きな工事、主要幹線におきましても、大きな工事があちらこちらに残つておりますので、それを急速にやるには公共事業費を待つてつたのでは一つの場所が十年もかかるとか、関門トンネルのごときはこのままで行けば或いは十年以上もかかるということを考えまして、別途の特別措置としてこういうことを考えたわけでありまして、他のものが、公共事業でありまする仕事のほうがこのために遅れるということはない。むしろこれに振り向けらるべき公共事業費をこちらのほうに向けられまするから遅れることはないと思います。
  92. 大野幸一

    大野幸一君 これは国家財政が許すようになれば、これを買収するようなことも予定されているわけですか、将来は……。
  93. 菊池明

    政府委員(菊池明君) これは皆国道、府県道でありまして、買収する必要はないのであります。このままでやはり国なり都道府県が管理して行けばよい普通の道路であります。
  94. 大野幸一

    大野幸一君 それは私の考えとちよつと食い違いがあるかもわかりませんが、料金を取るのに、国家でこれを買收すれば無料になるわけですね。そういう方法も将来国家財政が許せばできることになるかどうかということです。今国家財政が許さないからそれができないが、国家財政が豊かになればこういう料金を取らない方法において、国家においてこれを回収してしまうことができるかどうか。
  95. 菊池明

    政府委員(菊池明君) 勿論道路の公共性に鑑みまして、料金を取つてやるというような道路は作りたくないわけでありまして、勿論豊かになりまして公共事業費、特に国の道路事業費が増額せられて参りますれば、こういう措置はとる必要はないと思います。
  96. 田村文吉

    田村文吉君 今の有料道路にするものと、それから普通の一般公共事業費でやるものとの区別ですね、どういう線路は公共事業費でやる、どういう線路は有料道路にする、こういう目安とか尺度とかあるのですか。
  97. 菊池明

    政府委員(菊池明君) 大体その目安は持つておりまするが、国道であるからとか、府県道であるからとかいうのでは区別いたしませんが、非常に一カ所に集中的に多額の経費を要するというようなものが先ず選ばれると思います。それから有料でやりやすい所、それから料金で早く元利の償還ができやすい所を選ばなければ、これは成立つて行かないと思いまするので、路線では区別はいたしておりません。まあ第一非常に多額に一カ所に費用をかけなければならんというような所が選ばれると思います。
  98. 田村文吉

    田村文吉君 その点が何か、ただ繁昌して早く償還ができそうな所だけ選んだということでは、どうもちよつとおかしいので、過去においてすでにできておる道路があるのでありまするから、そういう道路は無料であるし、今度できる道路は有料である、そこに非常に分別しがたい点が出て来るのですが、そういう点の何か目安がおありなさらんのですか。
  99. 菊池明

    政府委員(菊池明君) 我々が一番これに適当だと思いまするのは、大きな橋梁とか、大きなトンネルとかでありまして、普通の道路では余り今後ないのじやないかと思うのでありますが、普通の道路ですと、その点が御説のように紛らわしくなると思いますが、それによつて非常にそこの輸送が円滑に行き、通るものの利便が大きい。特に通る者の利益が大きいという所を選ぶわけなのでございまして、この路線あの路線という区別はちよつといたしかねるのでありますが、非常に隘路になつておりまして、ちよつとやればと言いますか、大工事ではあるがそれを拔けば、遠距離を廻つておる、或いは勾配の急だつたものが簡単に通れるようになつて、大量の物資が早く運べるというような所を選ぶわけであります。
  100. 田村文吉

    田村文吉君 この中に橋梁等が出ておりますね、ここの橋梁も有料の意味でお作りになるのですか。
  101. 菊池明

    政府委員(菊池明君) さようでございます。
  102. 田村文吉

    田村文吉君 そういたしますと、例えば橋の両側の道路はできていると、ただ橋だけが不完全だというような場合にも、これが適用されるのですか。
  103. 菊池明

    政府委員(菊池明君) それが非常に金がかかりますというような場合には、適用してよろしいと思います。
  104. 田村文吉

    田村文吉君 今ここに列挙してございます3の項目の特定道路整備事業貸付金の中に橋梁がずつと書いてございますね、そういうようなものはそういう意味のものなんですか。
  105. 菊池明

    政府委員(菊池明君) さようでございます。
  106. 田村文吉

    田村文吉君 この総額が、ちよつと数字がわからんのですが、総額はどの欄で拝見したらよろしいのですか。総体が幾らで、今年度年度割は幾らになつておりますか。
  107. 菊池明

    政府委員(菊池明君) この左から七欄目の総事業費というのがございます。それをずつと下へ行きまして合計という所に九十六億六千四百五万八千円とございます。これが総事業費でございまして、それから四欄目の所に二十七年度Iとありまするその下の合計の十五億というのが、来年度に要求されておるのでございます。
  108. 田村文吉

    田村文吉君 二十七年のIIというのは何ですか。IとIIとありますね。
  109. 菊池明

    政府委員(菊池明君) 実はこの表は、この際の表としては不適当かと思います。実は二十七年度にその次のIIの十億を合計しました二十五億を要求いたしたかつたのでありますが、それが十五億に削減されまして、機会でもあれば十五億を更にという意味で特にここに掲げたわけであります。実は二十五億円来年度あると非常に都合がいいという数字が出ておりますが、只今の段階におきましては、このIの十五億が問題になるわけであります。
  110. 田村文吉

    田村文吉君 なお、これには今後とも毎年追加されて、こういう継続事業でやろうという構想でいらつしやるのですか。
  111. 菊池明

    政府委員(菊池明君) 我々はそのつもりでおりますが、この貸付のほうは三年間ということになつておりますので、余り長くはこれはやりたくないのであります。
  112. 田村文吉

    田村文吉君 それはそうですが、毎年こういう計画の下に有料道路、有料橋梁というものをやつて行く、こういう構想を立てていらつしやるのですか、こういうことを伺つておるのです。今年終えたら又来年九十六億六千四百万円以外に、又来年増加しておやりになろう、こういう御方針ですか。一応はこれで打切りなさろうという御方針ですか。
  113. 菊池明

    政府委員(菊池明君) これで打切りとは思つておりません。そう増すこともないと思いまするが、やはり必要なものは相当あるようでございますから、その成績によりまして、どうも有料の料金の徴収等について各方面に懸念があるようでありますので、そう拡げて行くことはよほど條件のいいものでないとむずかしくなると思いますので、そう拡げて行くことはないと思いますが、我々のすぐに取上げられる程度のものはまだこのほかにあるのでございます。それを打切りましたから、その程度のものは追加されるだろうと思います。
  114. 小林政夫

    ○小林政夫君 今の田村委員の質問と関連して……。取上げる坂上げないということは、何か建設大臣の専断ですか、専断と言うか、一人できめるのですか。
  115. 菊池明

    政府委員(菊池明君) 管理者の意見を徴しまして建設大臣がこれを決定するという、これは国道の場合であります。それからその管理者は地方公共団体の議会に諮問いたしまして、それによつて大臣のほうに意見を出す、その上できめる。
  116. 油井賢太郎

    油井賢太郎君 この表の中で融資を受ける金額が総事業費より多いのは、その差額は何か金利でも現わしておるんですか。
  117. 菊池明

    政府委員(菊池明君) 国が直轄でやりますものの金利が入つておるのです。
  118. 岡崎真一

    ○岡崎真一君 ちよつと話がなにしますが、料金をきめられた要素ですね、これは償還の要素をどこかにきめることによつてこれだけ利益を得るということを勿論推定はなすつておるんでしようけれども、それから類推しまして、例えば先ほどトンネルの問題が高いとか安いとかいう議論がありましたが、あすこの料金とこれと睨み合せて、どういうふうなお考えがあつたわけでございますか。
  119. 菊池明

    政府委員(菊池明君) 料金の例などが書いてございますが、これは一応平均みたようなものを挙げてございまして、これの実施に際しましては、もう少し検討を要する点がございます。関門の場合だと存じまするが、この場合はこういうふうに細かく分けてございますが、これは現在のトラックを渡しておりますそれよりは安くなつております。例えば大型千円と書いてございますが、只今千五百円ぐらいになつておるようでございますから、安くなつております。
  120. 岡崎真一

    ○岡崎真一君 そうすると、細かいことを伺いますけれども、例えば推定交通量というやつがあるんですが、その中に一年に二百台、三百台を切るようなのがありますが、こういうのは一体料金を取るということにしても、その目的自身が達せられるのですか、一日ですか、これは年と書いてある、これは間違いですか。
  121. 菊池明

    政府委員(菊池明君) 誠に申訳ないですが、関門の分が年でありまして、それからあとは一日であります。
  122. 岡崎真一

    ○岡崎真一君 それでなければおかしいと思うんです。わかりました。
  123. 油井賢太郎

    油井賢太郎君 一点だけ伺いたいのですが、こういうものは国庫では全然金を出さないという結論になるわけですね、使用者が全部負担して。同じ橋であつても国庫でちやんと架けて只で通してくれる橋と、それからそこを通る者は皆受益者負担であるというのでは、ちよつとおかしいと思うんですね。半分ぐらいは国庫で出してもいいんじやないかというふうに考えられますがね、そういうふうな点のお考えはどうなんですか。
  124. 菊池明

    政府委員(菊池明君) 公共事業費から幾分でも負担せいという御意見だと思いますが、まあ端的に申しまして、公共事業費が非常に窮屈でありまして、こういう大きなものはなかなか処理できないというので、まあ考えたのであります。尤もこれは国の公共事業費のみならず、地方の負担金も合せてこれを行えばいいという説もございまして、希望の府県或いは都市によりましては、これに地方負担金を加えまして早期に完成して、そうして料金を早く取つて返したいというふうな希望のものもございますので、そういう場合には、自然ほかの公共事業費的なものも入ると思います。只今国の公共事業費をこれに入れようということを考えずにやつておるんですが、その辺ややアンバランスの点はございますが、何しろ先ほど申しましたように、非常に公共事業費が窮屈なものでございますから、本当に道路の公共性から考えまして、健全な恰好ではないかも知れませんが、一時こういうことでもやつて切り拔けて、早く道路を整備したいという熱意からやつたわけでございます。
  125. 油井賢太郎

    油井賢太郎君 それならすでに建設されている橋であるとか道路というもの、そういうものに低廉な料金をかけて、こういうものをカバーするということも一案かと思うのですが、そういうことは検討されたんですか。
  126. 菊池明

    政府委員(菊池明君) そういうことも考えられまするが、なかなか只今まで無料だつた所で料金を取るということはむずかしいと思いまして、今回は考えておりません。
  127. 平沼彌太郎

    委員長平沼彌太郎君) 本田はこの程度にして委員会を終了いたします。    午後零時五十七分散会