運営者 Bitlet 姉妹サービス
使い方 FAQ このサイトについて | login

1952-07-28 第13回国会 参議院 人事委員会 第33号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十七年七月二十八日(月曜日)    午前十一時四十八分開会   ―――――――――――――  出席者は左の通り。    委員長     カニエ邦彦君    理事            千葉  信君    委員           池田宇右衞門君            加藤 武徳君            溝口 三郎君            三浦 辰雄君            木下 源吾君            森崎  隆君            紅露 みつ君   国務大臣    国 務 大 臣 大橋 武夫君   政府委員    警察予備隊本部    次長     江口見覚登留君    警察予備隊本部    人事局長兼長官    官房長     加藤 陽三君    警察予備隊本部   人事局人事課長  間狩 信義君   事務局側    常任委員会専門    員       川島 孝彦君    常任委員会専門    員       熊埜御堂定君   ―――――――――――――   本日の会議に付した事件 ○請願及び陳情取扱に関する件 ○派遣議員報告保安庁職員給与法案内閣提出、衆  議院送付)   ―――――――――――――
  2. カニエ邦彦

    委員長カニエ邦彦君) それでは人事委員会開会いたします。請願及び陳情取扱について御協議願います。速記を止めて下さい。    午前十一時四十九分速記中止    ―――――・―――――    午後零時十六分速記開始
  3. カニエ邦彦

    委員長カニエ邦彦君) 速記を始めて下さい。それでは休憩いたします。    午後零時十七分休憩    ―――――・―――――    午後三時八分開会
  4. カニエ邦彦

    委員長カニエ邦彦君) それでは人事委員会開会いたします。保安庁職員給与法案を議題に供します。
  5. 千葉信

    千葉信君 派遣議員報告は……。
  6. カニエ邦彦

    委員長カニエ邦彦君) 政府委員がまだお見えになつておりませんから、その間に派遣議員報告を伺いたいと思います。
  7. 加藤武徳

    加藤武徳君 去る七月の十四日に出発をいたしまして、私と平井太郎委員森崎隆委員、この三委員に、調査員の森田君、委員部の主事の有吉君、この二名の御同道を願いまして、四国の各、県の国家公務員給与に関することを、特に勤務地手当につきまして調査いたしたのでありますが、その調査の結果を申上げますが、なお現地で二班に分れまして調査をいたしました関係上、別班森崎委員から追加の報告がある。このように考えておりますので、私の担当いたしました範囲を極く掻いつまんで御報告申上げますれば、七月の十五日に高松市に到着をいたしまして、香川県庁におきまして、午後四時半から六時半に亘ります二時間余を各地区代表者かたがたと懇談をいたしまして、現地事情を十分に拝聴いたしたのであります。  で、御意見を拝聴いたしました各地区は多度津町、善通寺町、観音寺町、琴平町、豊浜町、内海町、池田町、仁尾町、香西町、平井町、仏生山町、志度町、三本松町、引田町、高松市、長尾町、善通寺町、これらの地区につきまして、いろいろ現地事情を承り、なお翌十六日は只今申上げました市町のうち、十三、四を拾いまして、つぶさに現地事情等調査をいたしております。この詳細な報告は後刻文書を以て申上げたい。  十七日には愛媛県の松山市に参りました。なお前日十六日には松山市に参ります途中、今治市に下車をいたしまして、現地事情調査いたしております。十七日には御荘町、城辺町、近永町、久万町、三瓶町、吉田町、壬生川町、川之石町、西條市、松山市、これらの都市につきまして同じくつぶさに現地調査をいたしております。これらの詳細につきましても、後刻書面に譲りたい。このように考えております。  それから翌十八日は徳島市におきまして県庁現地模様を詳細に聴取をいたしておるのでありますが、これらの都市徳島市、鳴門市、小松島市、阪西町阪東町、脇町、日和佐町、宍喰町、鞆奥町、三波田町、新野町、橘町、鷲敷町、羽浦町、松島町、国府町、石井町、市場町、貞光町、穴吹町、辻町、これらの市町についてであります。なお調査をいたしましたこれらの市町につきまして、いろいろ意見等がございますが、これ又詳細は文書に譲りたい。このように考えております。現地調査をいたしました模様を簡単にこの機会報告申上げた次第であります。
  8. 森崎隆

    森崎隆君 加藤委員から今報告がありましたので、私高知県につきまして二、三付加えさせて頂きたい。私加藤委員別班になりまして、十六日の夕刻高知に着きまして、十七日午後四時までの間県庁会議を開きました。高知県下の各市町村の代表者が集りまして、いろいろ陳情を受けまた。それから高岡郡の高岡町の方面に参りまして、あちらの現地視察等をいたしまして、それから高知市を経由いたしまして、野市方面のほうに参りまして、その方面を同郡赤岡町の、この地区のほうを更に見まして、御免から「徳島のほうから帰つたのでございます。その晩は徳島県の池田町に一泊いたしましたが、丁度池田町を中心にいたしまする各地区かたがたが、そこで会議をしまて、いろいろ陳情を受けまして、その明日の朝徳島市に参りまして、加藤委員と合流いたしました。それ以後の問題は加藤委員が申された通りでございます。高知県全体につきまして後ほど報告書を出しまして、それによりまして報告を詳しくいたしたいと思います。以上付加えさして頂きます。
  9. カニエ邦彦

    委員長カニエ邦彦君) それでは木下委員からの御報告願います。
  10. 木下源吾

    木下源吾君 それではちよつと御報告申上げます。十四日に立ちまして、十五日兵庫県の柏原町をきつかけに七月二十一日の山口徳山市を最終として、その間京都府の一部、鳥取の全部、島根、そういうように調査をして参りました。今回の調査で著しく感じたことは、従来この地方は非常に地域給に関する限り一般の関心がですね、低くかつた。こういうようにまあ感ぜられました。そして大体私どもも非常に驚いたことは、民度が非常に高い。民度と言うていいか、開けておる。古い歴史がある。そうして物価等についても、何ら中央と変らない。生活必需物資の大部分は、むしろ中央よりも高い。従つてですね、公務員生活は非常に窮乏しておる。従つて公務員地域給の、地域として又支給率引上げに関しては、命がけの要望をしておる。こういうのは各地で見られたし、又我々の周辺に集まつて来ます町の理事者並びに直接受給者の人々の熱心な陳情は、曾て我々が経験したことのないほど熱心であつた。こういうことを先ず申上げまして、以下その地方状況を逐次申上げます。  先ず兵庫県の柏原町に参りました。ここは一般には余り知られておらない所のようでありますが、大阪から福知山に行くあの線での有力な町で、そうして隣接にはすぐ大阪府があります。大阪府はすでに御承知通り、府内各町村殆んど全部が地域指定地になつておる。殊に大阪府の市は、大部分最高の五級地になつてつて隣接している池田とか、そういうような所も五級地になつておる。又附近の篠山町、これもすでに二級地になつておる。然るにそれよりももつと公務員生活条件が悪い。柏原町、これはまだ一級地であるということは、隣接の比較の上からも妥当ではないのみならず、物価の点においても、環境の点においても、そういうように考えられる所でありました。この所では而も非常に謙虚で、二級地是非一つ引上げてくれと、こういう要望でした。次に福知山でありますが、ここでは参議院の修正が行われたのだが、とにかく舞鶴市と同等にしてもらいたい。これはまああの辺の中心都市でありまして、京都との関係その他から、要望は妥当であると我我は考えたのですが、福知山から綾部、舞鶴に参りまして、一層その感を深くしたわけであります。そこでいわゆる丹後の有名な夫の橋立のある宮津町でありましたが、ここへ最後に泊りましたけれども、ここでいろいろの附近事情を聞くことができまして、曾てはこの附近が古い歴史を持つており、そうして今日まで余り強い、こういう要望のなかつたということは、環境が非常に不便だ。中央方面政治情勢成り行き等には、非常に敏感に反映しないというような傾きがあつた。与謝郡の宮津町、由良、吉津、加悦、岩滝、神崎、府中町、栗田等々の理事者も皆集まりまして、ここでは少くとも最低の線でもよろしいから、この機会に是非一つ地域指定をしてもらいたいという切な要望でありました。中郡の峯山町、大宮町、吉原村、竹野郡の網野町、それから間人町、それから熊野郡の久美浜鉄道沿線で大体の状況が見られましたが、汽車の中にこれらの理事者や又受給者の代表が汽車に乗つて具さに説明を聞くことができたのであります。而も京都との経済交流は密接でありまして、そうして今日での生活状態は、物価等京都と何ら変りがない。殊に網野町だとか或いは久美浜というのは、機業関係がいわゆる丹後ちりめんの優秀な生産地であるというような関係で、公務員給与は非常に不均衡であります。民間給与との不均衡、これを是非地域給によつて何とか一つ救済してもらいたいという切なる願いでありました。この地方京都府に関するところとそれからその次の豊岡市にも下りましたが、豊岡市は兵庫県であります。ここも我々が想像以上な市でありまして、やはりこれもいわゆる裏日本と言いますか、そういう関係上、一般には余り知られておらんようでありますが、ここらも相当要望がありますし、我々も又今日の状態は不均衡だということを考えさせられたわけであります。このところまでは委員長も非公式に同行せられまして、いろいろ委員長京都出身でありますので、便宜も図つて頂きました。調査上の便宜並びにその附近模様等調査に非常に便を期するところがあつたことを併せて御報告しておきます。  なお福知山の周辺でありますが、北桑田郡の周山、それから船井郡の園部、八木町、何鹿郡と言いますか、何と言う字を書いて鹿、豊里村、佐賀村、中郡の峰山町、竹野郡、それから下六人部村、これは例の芦田さんの出身の村だそうであります。すぐ福知山隣接であります大江町、加佐郡の大江町、加悦町、岩滝町、吉津村、栗田村、こういうようなところは、いわゆるその都市周辺という一つ條件に、やはり條件上他においては、大体地域給指定され、或いは又その中心の大都市に比較して相応の支給率を蒙つておるのでありますが、この辺は非常に等閑に附されておるという傾きが顕著でありました。  次は鳥取でありますが、鳥取県は六月の十六、七、八日の三日間に亘つて調査をしました。元来私どもは、鳥取県というところは海岸線が非常に直線で、何か砂浜で非常に荒廃しておるように感じておつたのですが、行つて見ますと、なかなかそういうところではないのです。やはり天下の風光明媚のようなところがたくさんある。ただ行く途中には、豊岡から鳥取までの間に大小トンネルが二十幾つもあるというようなところで、そこの私の予想は全く裏切られた。従つてこの海岸線も非常にいいところです。こういうようなまあ第一に見た感じから、古くから開けておるだけあつて、開けた相当なところだと、こういう感じを持ちました。鳥取市でありますが、例の大火によつて非常な損害を受けたのですが、非常に皆努力して復興しております。併しながら外見はそうであつても、やはり公務員の一人々々について見れば、この大火が公務員に及ぼした影響は甚大のようであります。従つて今日の給与においての苦しみは予想以上であつて、ここでの要望は熾烈なものであります。とにかくにも従来あのくらいの都市一級地よりも支給を受けておらないということそれ自体が、もう根本的に私どもの責任だというように痛感しました。行きましたのは鳥取市を調査し、次に八頭郡、それから郡家町と行きました。それから若桜町、郡家は何々郡の郡、家は家です。あの辺の町村は、今の間人と書いて、間人と読んだり、これはもう非常にむずかしい。それから智頭町、これらは非常に不便なとこもであります。鳥取市から十里もいわゆる山のほうへ入り、そうして大体郡役所ですね、郡家町などは、地方事務所所在地であります。智頭町もそうであります。で、これはもう概して皆そうでありますが、こういうところは、特にこの県職員人事行政に非常な支障がある。何とも有能な人を進んで積極的にやつてもらおうというようなことは考えられない。こういうような状態で若桜町というのは、中田参議院議員のところです。よくも今までこんなことになつておつたかと思うほどで、大体この辺は山の奥なもんですから、非常に淳朴なんですね。こういう関係があつて、進んでこういうことを要求するというような傾向はないのですね。それなりに見捨てておるというような状態で、我々全体の均衡の上から、こういうところこそ第一番に私どもは注意をしなければいけんじやないかというふうに考えさせられました。いずれもこのような町は町としても古いし、整備もされておりますし、そうして経済状態も他の都市とちつとも変りません。物価も相当に高いような状況であります。  それから第二日目には気高郡浜村町というところに参りました。ここには温泉がございます。そして観光関係職員も相当おります。これはあの附近で当然地域給指定をしてもらわなければならんところです。次に上井町というのがありますが、これはその奥に倉吉町というところがありますが、これは例の三朝温泉というのがすぐ脇にある。これは有名な温泉だそうです。この倉吉町はすでに一級指定を受けております。従つて上井町も受けておる。ところがこの倉吉上井というのは、殆んどくつ付いておるのです。市と同じなんです。そこでこの辺で、先ず田圃も大分いいようだから米の値段を聞いたら、驚くなかれ百五十円やはりするのです。ですから、ここは一つ率引上げてもらいたい。こういう要望です。概括して一級になつておるところの要望は、鳥取県の状態などは、全体として私は引上げてくれというのは内輪の要求で、特に一級を二級にしてくれという一つの有力ななには、こういうところです。鉄道職員ですね、鉄道職員が、鉄道つまり給与体系が独自の体系であるのですが、一級では、この鉄道職員指定を受けたところでも、支給を受けられないのですね。鉄道は頭で五分を、つまり低くなつておるのです。公務員は最高二割五分、国鉄は最高二割となつている。上のほうから削つて支給しないのならいいけれども、五分と指定されても、それは無給になつてしまうのです。こういうわけで、国鉄は勿論団交権があるのであるけれども、大体そういうむずかしいことは地方ではわかりません。ただいきなり公務員で、国鉄はそれに準じておつて、学校の先生も、役場の吏員も、皆月給取りが五分ずつもらつておるのに我々は一銭もあたらんと、こういうわけです。これは概してあの地方一級地のところにおる人たちの声であります。そこで、大体今の一級地を二級地にしてくれというふうに、それだけではありませんが、当然倉吉町のごときは、上井町と一緒の、一つのような町で、相当都市的な様相を呈しており、従つて要望は妥当であると私どもは考えております。  次は米子であります。これは又従来一級地でした。これなどは、私は間違つておつたというよりほかに答弁のしようがないじやないかというように考えます。最近あの米子の郊外に、日本パルプの大工場ができて何千という労働者が昨年来から入つておる。今暫くで完成するというようなところでありますが、これらの労働者給与、それからそういう急激に勃興して参りましたので、非常にこの方面に対する生活上の圧迫が来ておる。公務員のベースでは非常に困る。これはもう当然考えられることでありまして、ここでは国家公務員地方公務員、又公共企業体職員が六千人近くの人がある。非常に給与が安く、そしてよそに比較して勤務地手当支給率の低いことを歎いております。今米子のすぐ川一本を隔てて日本パルプ工場ができておる。その附近は、米子と何ら変らない経済状態で、むしろ今言うように日パの工場は、十何億の工場です。それがために極度に公務員生活が圧迫されておるという村が五つとか六つあります。それはあとで申上げます。そこで次にはその奥の根雨町、ここは米子から山奥に六理か七里あります。これは岡山の方へも行くのですが、勿論地方事務所があるところです。ここのところに行つて見ました。ここでの皆さん級地要望は、言語に絶するくらいで、未だ曾つてそういうことに調査にも来てくれたことはなし、そうして又このことによつて、現在の公務員が幾分でも救われるという、この恩恵に浴したいという熱望は、私が行つたときに米子でも大体そうでしたが、根雨ではあの町で五百人くらい集つて、この調査に行くことを聞いて皆集つて来ておりました。それほど熱心に要望しております。なおその隣に黒坂町というのがあります。これも根雨と同一な地区でありまして、ここでも切実な要望がありました。その次にはこれは又一驚したのですが米子の港湾になつておるのですが、それが砂浜が幅員四キロぐらいですが、長さがあれは二十キロもありますかな、そういうところなんです。丁度いわゆる半島、その半島大篠津、元の飛行場があるところですが、これは日本一の人口の密度、私はそういうことをちよつと聞いたのですけれども、実際行つて見るまでには想像つかなかつた。殆んどいわゆる幅四キロ、長さ二十キロくらいのところが人家の密集です。そこで村々に分れております。むしろ私は、米子に競合するかしないかのところだと思います。ここには有名な元の海軍の飛行場で、今は基地になつております。いわゆるパンパン、これはパンパンとは言いませんね。あちらではおかいこさん、これは大体そういうふうに呼称しておりますが、この人たちのいわゆる朝鮮動乱による経済つまり変動も、非常なそうです。この一番突端はいわゆる島根県の大半島の腹部へ刺さるようになつております。この突端が貿易港、これはいわゆる裏日本舞鶴といつたような、つまり貿易港のうちの指折りに数えられる境港、これは大貿易港の様相を呈して、漁船と汽船、附近を通う船が密集しております。従つてこの附近は、いわゆる海運による、又一方においては駐留軍関係飛行場関係のこの大篠津指定になりまして一級か何かになつたのですが、これは何ら米子と区別をつけるところではない、全く砂丘地帯だというような所ですが、この所には、綿が値打ちがあるときには綿を全部栽培をするとか、或いは何がいい、とにかく生活力が相当旺勢なようでありますが、最近の状況は、今申上げたような特殊的な経済の変動、経済状況又港等関係で、一見して公務員生活は圧迫されておるということが明かにわかりました。  以上のようでありますが、この砂丘の半島には村が、いわゆる西伯郡の弓浜地区というのです。ここでは先般来境、中浜、大篠津というのは、一級指定になりましたけれども、その他の村々は無級、何もついてはおりません。境或いは米子は、先ほど申上げたように一級地でありますが、これは何としたつて当然引上げられるべきで、これは全国の枢要な所と比較して当然引上ぐべきだ。そうすればこの米子と同一或いはそれ以上であると、この弓浜地帯はこういうふうに私どもは見て参りました。このここらの弓浜地区の村を具体的に今言いますと、夜見村、富益村、和田村、余子村、上道、それから大篠津、中浜、外の江、渡、境、これがいわゆる弓浜地区の町村です。だがこのうちで、先ほども言いますように大篠津、中浜、上道等が、一級に辛うじて指定されたようなわけでありますが、これらも含めて、これは全部米子と何ら遜色ない、変るところがない。こういうように私は見て参つたわけであります。なおこの鳥取県の屈指の漁港町であるところの東伯郡の赤崎町、これらも当然均衡のとれた地域給をつけてやらなければならんところと考えました。私は鳥取県を先ず見まして、只今申上げたような所を取上げても、なお隣接京都にも及ばない。なお京都大阪に及ばない。こういうような状況ではないか。殊に兵庫県の奥地、福知山附近並びに兵庫県の日本海に面した方面、これは殆んど顧みられておらないと言うても過言ではないというふうに考えたわけであります。  次に島根県でありますが、先ず鳥取県から県境を越えまして、いきなり例の有名な安来節の産地、安来町というのがあります。これは経済圏は、米子とわずか二十分です。二十分のところで全部がその向い側に細長く見える弓浜地区関係があります。こちらには米子と二十分であり、そうしてそこには大きな工場が相当あります。又非常に水郷とでもいいますか、水の景色のいいところで、その町並からいつて実に立派な街でありますが、然るにその安来町は地域給がついておらない。私は汽車通つたのでありますが、ここの理事者ですか、数名の人がどこで聞いたか、私の汽車へ飛び乗つて参りまして、一々汽車から指呼して説明をし、経済状況等を話されましたが、工場がたくさんあるために、野菜は海の向い側弓浜地区からというようなことで、又その附近には米もとれません。非常に経済的には物の高い、こういう所で、これは今まで地域給指定がないというのは、何としても間違いだという感じを私は持つたわけであります。そうしてこの安来の奥に、ここは相当木材衆が……鳥取もそうでありますが、木材の産地であります広瀬という町がありますが、これも安来に劣らない状況の所だということを県に参りましたところが説明があり、広瀬町の理事者も又出て参りまして何しておりましたが、安来、広瀬というのは、これは是非とも地域給指定をしてもらいたいという願いでありました。現在島根県では松江市、出雲市、今市、それから浜田、美濃郡の益田、那賀郡の江津、これは現行一級に辛うじてなつているのですが、松江の県庁所在地一級、これは甚だもう不自然なものです。これはなんのために一体どこから割出して、あそこが一級なのか、米産地でもないのです。やはり米はここでも聞いたら、やはり百五十円くらいです。そうして今市、浜田も私は下りて調べました。他のところであるならば、これらの都市は優に三級地だろうというように考えられました。それから美濃郡の益田町は、私は一泊いたしましたが、ここは町でありますけれども附近隣接村を合併して来て、もうすぐ市になる。こういうように言つておりましたが、江津町もいずれもこれらは当然よそと比較いたしまして、一級地に据えて置くということは、不均衡も甚だしいということを皆が言つておりましたし、私もそういうように感じました。この県においての要望は、大原郡の大東町、飯石郡の掛合町、それから同じく三刀屋町、仁多郡の横田町、八束郡の美保関町、それから宍道、その他八東郡の宍道町、簸川郡の平田、これらの町は、せめて一級地指定してもらいたいという要望であります。まだそのほかに大原郡の木次町、安濃郡の大田町、邑智郡の川本町、鹿足郡津和田町、簸川郡大社町、それから周吉郡西郷町、仁田郡の三成町、こういう町は一級地をせめて要望しておるというようなわけであります。  次は山口県でありますが、山口県は御承知通り、下関市が五級地であります。然るに、四級地はありません。宇部、小野田が三級地であります。山口徳山、岩国、防府、下松、厚狭郡、小郡、富田町、福川町、こういつたものが三級地になつておりますが、先ず宇部、小野田皆さん承知通りであります。山口市と徳山市、宇部と小野田は四級を要望しております。山口徳山は少くも三級にしてもらいたい。特に山口市は、下関が五級の関係もあり、県庁所在地でもあり、小郡を加えてこれは何としても県庁所在地の体面といいますか、正そういう関係もあり、山口はこの際無理を言わず三級だけは何とかしてくれ。こういう要望です。そこで厚狭郡の厚狭町というところでありますが、これは日本火薬が、日本火薬工場の町と言つても過言ではない。民間給与はすでに日本火薬というのがあつて公務員給与とはいつでも比較がわかるわけでありますが、工業都市であつて、これは三級であります。小郡は先ほど申上げた山口ともう同じでありまして、これは三級、厚狭郡、山口徳山、岩国、防府は是非三級にしてもらいたい。こういう要望であります。  光市と萩でありますが、それから柳井町、大内村、船木町、このうちでこれは全郡一級でありますが、下関を五級とし、只今申上げたような均衡をして行けば当然光市、萩市、柳井、大内、船木という町村は二級にしてもらわなければならない。萩市はもうすでに御承知通り、伊藤博文公を初め、日本の名士の出ておるところです。現在では閣僚も出ており、いろいろ古い町、市であります。何せ現在一級より受取らないので、三級を要望すると言つても無理であろうから、この際は均衡上不満足であるが、一級だけ上げてくれ。こういう要望であります。  なおそのほかのところで、山口県では先般内日村というのが、これは下関のすぐくつついたところで、而も下関の水道の貯水池であります。水源地であります。経済的には何も下関とは変らん。ただ村という行政区域が変つたというだけで、先般これは一級指定が認められたわけでありますが、なおこれとくつついて、下関とくつついておる村に菊川村というのと豊東村というのがある。これはどうしても、この山村は下関と同一の取扱いをしてもらわなければ生活実態において困る。こういう要望であります。併しながら今日までの関係上ー挙にそういうわけにも行かない事情であります。何らかの事情があるならば、せめて豊東、菊川村、生雲村と同じに一級にこの際直ちにして頂きたい。そうでないと、いろいろ人事交流から、その他の面で非常な支障があるということを切実に要望されておりました。阿武郡の生雲村、吉敷郡の大道村、同じく鋳銭司村、厚狭郡の玉喜村、豊浦郡の豊田前村、大津郡の通村、厚狭郡の二俣瀬村、玖珂郡の鳴門村、熊毛郡の佐賀村、阿武郡の江崎町、阿武郡の須佐町、豊浦郡の同じく川棚村、同じく豊西村、玖珂郡の神代村、これらの町村はせめて一級指定を希望する、要請するということであります。鳥取県は、あの狭隘な地域に人口六十万、そして実際を見ると耕地がその一割五分乃至二割ぐらいしかありません。あとは山又山。島根県はそれよりは若干大きいのでありますが、なお人口が百数十万、百万以上ですね。山口県に至つてはあの狭隘な地域に、人口百六十万という密度であります。でありますから、村、町というようなことを只今申しましたけれども、実際に言つて山岳地帯を除いたいわゆる平地の部分と海岸線状態を見れば、工場工場、殆んど連権の状況でありまして、山口県のごときは鳥取県の場合と同じぐ相当他との比較において考えなければならんのじやないかと、こういうふうに見て参つた次第であります。  私は以上御報告申上げまして、詳細は文書ということを省きます。只今申上げました速記を直ちに一つ報告にそのままして頂きたい。以上を以て私の十四日から三十二日までの報告を終りますが、最後にこれら関係県当局並びにその他の町村で絶大な協力をしてくれた人々に深甚の謝意を表する。こういうように申上げて報告を終る次第であります。   ―――――――――――――
  11. カニエ邦彦

    委員長カニエ邦彦君) それでは派遣議員報告を終りまして、保安庁職員給与法を議題といたします。先ず逐條説明から願いたいと思います。警察予備隊本部加藤君、これは人事局長であります。
  12. 加藤陽三

    政府委員加藤陽三君) 保安庁職員給与法案につきましては、先般提案理由の説明をいたされたのでありますが、この法案はその際も御説明になりましたごとく、現在の警察予備隊と現在の海上警備隊の職員給与制度を原則として踏襲して制定せられております。この現在の警察予備隊と海上警備隊の職員給与制度は勤務の性質上若干の点におきまして変つた規定を設けておりまするけれども、実質的にはそれぞれ該当する一般職の国家公務員との均衡ということを考慮されておるのでございます。  以下法案の内容につきまして、お手許にお配りしてございます要綱を基といたしまして御説明して参りたいと思います。  要綱の第一に書いてございますごとく、保安庁の次長、官房長、局長、課長又は部員には現在の警察予備隊本部の次長、官房長、局長、課長又は部員と同様な俸給及び扶養手当及び勤務地手当支給することにいたしてあるのでございます。新らしく設けられまする予定の保安庁は、警察予備隊本部のみならず海上保安庁の海上警備隊の仕事をも扱うことになるのでありますけれども給与体系として考えました際には、警察予備隊のこれらの該当する職員給与制度を踏襲することを適当と認めたのでございます。この点は法案の第四條、第五條、第十二條、第十三條、第十四條において該当の規定を設けております。  第二に、保安官又は警備官には、それぞれ現在の警察予備隊の警察官又は海上警備官と同様な俸給、扶養手当、営外手当、乗船手当、航海手当及び食事を支給し、被服等を支給又は貸与するものといたします。但し現在の保安官と警備官との俸給表その他の給与につつきましては、これを共通のり制度とすることを建前といたしまして、現在の両俸給表の間に存在しておりまする若干の差異を調整するものといたしたのでございます。これは法案の第十六條、第十七條、第十八條、第二十條、第二十一條等に該当する規定を設けております。  それから第三に、保安庁の事務官、技官、雇傭人等には、現在の警察予備隊の事務官、技官、雇傭人等と同様な俸給、扶養手当、勤務地手当、超過勤務手当、休日給及び夜勤手当を支給するものといたしました。  第四は、官房長、局長、課長、部員、事務官、技官、雇傭人等及び保安官又は警備官の昇給、昇任、降任等の場合の取扱い及び俸給等の支給については、現在の警察予備隊及び海上警備隊の職員の例に倣つて規定しておるのでございまして、これは法案の第六條から第十一條までに必要な規定を設けております。  第五は、特殊勤務手当で、ございまして、法案の第十五條に特殊の勤務に従事いたしました職員には、政令の定めるところによりまして、特殊勤務手当を支給することにいたしておるのでございます。  第六は、休職者の給与でございまして、これにつきましても、現在の警察予備隊及び海上警備隊の職員の例に倣つて規定いたしましたが、ただ停職中の職員が、特に勤務することを命ぜられましたときには、その勤務した期間に対しまして、俸給及び諸手当を支給し得るものといたしました。これは法案の第二十三條及び第二十四條に、その規定を置いてございます。  第七は、保安庁法案のほうにおぎまして、新たに保安大学校という機関を設けることにいたしております。この保安大学校は、将来保安庁の幹部警察官及び幹部警備官になるべきものを教養し訓練する機関でございます。この学生に対する給与をきめたのでありまして、即ちこの学生に対しましては制服を貸与し、食事を支給するほか、月額二千五百円の学生手当を支給するものといたしておるのでございます。これは法案の第二十五條に規定してございます。  第八は、職員の公務上の災害に対しましては、国家公務員災害補償法の規定を準用することにいたしました。ただこの場合平均給与額の算定につきましては、一等保安士補以下の保安官及び一等警備士補以下の警備官は食事を支給する建前からいたしまして、食事代に相当する金額が、他の国家公務員給与と比べますると、給与の計算から除外されておりますので、この平均給与額のこれらのものの算定に当りましては、食事代に相当する金額を加算するものといたしたのでございます。これは法案の第二十七條に規定を設けております。  第九は、職員についての国家公務員共済組合法の適用の特例でございまして、これは職員を単位として総理府に一組合を設けることにいたしました。又保安官、警備官又は保安大学校の学生が、公務にようないで負傷し、又は疾病にかかつたときは、国が共済組合法の例により、療養の給付又は療養費の支給を行うものとし、この場合には共済組合法による療養の給付又は療養費の支給は行わないことにいたしました。これは保安大学校の学生を除きましては、現在の警察予備隊の警察官に対するのと同様な措置でございます。この規定は法案第二十九條に設けております。  その次は、退職手当でございまして、退職手当については、本法案第二十八條におおむね次のごとく規定せられております。先ず昭和二十五年の十二月に警察予備隊の一等警察士補以下の警察官に任用された者につきましては、本年の十月十五日からこれらの者は保安庁法の附則の規定によりまして、保安官になるのでございますが、保安官となりました後におきましても、その二年の任期の満了までは、現在の警察予備隊の警察官として支給することになつておりまする退職手当をそのまま支給するということにいたしております。附則の第八項に、この規定は設けております。  退職手当の第二点は、昭和二十七年度中に、新たに二等警査及び二等保査として採用される者、又は現在の警査長以下の警察予備隊の警察官で、一旦任期の満了した者のうち、昭和二十七年度中に引続いて保査長以下の保安官として任用される者で、保査長以下として二年の期間を勤務した者には、俸給日額の百日分の退職手当を支給することといたしておるのでございます。  これに関連いたしまして、これらの者がその二年の期間内に公務により死亡し、又は公務傷病のため退職いたしましたときには、その勤続期間一月につき俸給日額の四日分の割合で計算した額の退職手当を支給するものとし、この場合死亡については六十日分、退職については三十日分を最低保障額として規定しております。  その四は、昭和二十七年度において警査長以下の警備官、海上警備隊のほうの関係の警備官に任用された者についても同様に規定しております。  その次は、保安庁法の第三十三條第二項の規定によりますると、保査長、  一等保査、二等保査の職員は、二年を期間として任用せられるのでありますけれども、特に保安隊に出動を命ぜられておる場合、その他の必要のあります場合におきましては、二年の期間が六カ月を限つて延長することが認められております。この規定によりまして、任用期間が延長せられた者につきまし  ても、その延長期間一月につき、俸給日額の四日分の割合の退職手当を支給することにいたしました。  その次は、昭和二十七年度において一等警察士補、二等警察士補及び三等警察士補、これは二十七年の十月十五日以降は、一等保安士補、二等保安士補、三等保安士補となる者でございますが、これらの者として再任用された者で二年の期間を士補として勤務して退職した者については、俸給日額の五十日分を退職手当として支給することといたしております。  以上の規定による退職手当の支給を受けた者につきましては、その退職手当の計算の基礎となつておりまする期間は、これを退職手当の臨時措置法の第七條の勤続期間から除算することといたしております。  以上の措置は、いずれもこれらの職員が二年を期間として任用されるものであるということから考えまして、一般の退職手当の規定にようず、特別の例外の規定を設けた次第でございます。  その次は法案の第三十條に規定せられておるのでございますが、保安庁法の第六十一條乃至大十四條の規定によりまして、保安隊、警備隊が出動を金ぜられたというようなことがあるのでございますが、その出動を金ぜられた場合の職員給与、災害補償等につきまして必要な措置はなお別途研究の上法律で定めるということになつております。以上が本案の本則の規定でございまして、要綱の十二以下は、附則中に規定してある事柄であります。即ちごの法律は、昭和二十七年七月一日から施行するものとなつております。但し、警察予備隊の警察官については、昭和二十七年十月十五日から適用することとなつておるのでございます。次に警察予備隊及び海上警備隊の職員で保安庁の職員となる者の給与は、その者が一従前受けていた給与に対応するものとし、その従前の規定に基いてなされた給与上の決定及び手続は、すべてこの法律の相当規定に基いてなされたものとみなすことにいたしております。これは附則中の第五項、第六項、第七項に規定しております。  最後に以上の規定に伴いまして恩給法、国家公務員に対する寒冷地手当及び石炭手当の支給に関する法律、地方税法等について必要となる一部の改正を附則の第十一項から十五項に規定をしているのでございます一。  以上が法案の内容でございます。
  13. カニエ邦彦

    委員長カニエ邦彦君) それでは只今の逐條説明に対して順次御質疑のあるかたはお願いしたいと思います。
  14. 千葉信

    千葉信君 質問はたくさんあるのですけれども先ほどから委員長のお手許へ申出てあるように、今日四時四十分までしか時間がございませんので、今ここで質問を申上げても、尻切れとんぼの恰好になつて、却つて法案の審議には役立たないのではないかと思うので、その点委員長のほうで、適当に取計つてもらいたいと思います。
  15. カニエ邦彦

    委員長カニエ邦彦君) 只今の千葉君の申入れは、委員長としては聞いております。そこで千葉君の質疑を留保いたしまして、他の委員の御質疑があれば、逐次やりたいと思います。
  16. 三浦辰雄

    ○三浦辰雄君 質問と言えば質問、質一問にならぬかも知れませんが、この間の保安庁の設置法案によつて、自然変つてくる部分、これに対する一つの、恐らくこれは必然的な一つの考えなければならぬ点が出てきていると思うのですが、それらについて、便宜上成るべく早い機会に私は専門員のかたから、それらについての一応御説明を願う機会一つ得たいとこういうように思います。    〔「賛成」と呼ぶ者あり〕
  17. カニエ邦彦

    委員長カニエ邦彦君) かしこまりました。今の三浦君の御発言の点は、一川島専門員のほうにはお調べがありませんか。大した点ではないと思うので、この際御説明があればいいと思います。
  18. 川島孝彦

    ○専門員(川島孝彦君) 今お尋ねのありました点につきましては、実は保安庁法案の一部修正につきまして、的確な資料をまだ頂いておりませんが、大体から申しますと、公安局が保安庁から離れて別個のものになる。その施行が別に法律を以て定めるときまで延期された関係上、この原案では保安庁の職員になるべきものが海上保安庁の職員として暫らく残されているという状況が出るのであります。従つて細かい種々の点につきまして、調節を要する点があると思います。具体的なことは、まだちよつとそこまで調べておりません。
  19. カニエ邦彦

    委員長カニエ邦彦君) それでは、只今の三浦君の質問については、明日までに一つ専門室のほうでよくお調べ願つて、でき得る限りの範囲において説明願いたいと、かように思います。  それでは本日はこれにて散会いたしますが、会期の関係もありますので、努めて一つ御勉強を願いたいと思います。  それでは本日はこれにて散会いたします。    午後四時四十二分散会