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政府委員(
瀧本忠男君)
衆議院の
人事委員会におきまして人事
委員側からもう現在の
地域給制度というものの持つ意義等についていろいろ御
質問がございましたことに対しまして、
只今の
衆議院人事委員長から本
会議のほうへ御
報告になりました
内容のようなことを
お答え申上げた次第であります。現在の
地域給のやり方というものは、これは
地域差が現存するということが前提でございまして、そういう場合におきまして、なるべく人事交流等にも支障を生せしめないということになりますれば、やはり段階をわけまして現在のようにやるということがよろしいというふうに
考えるのでございます。現在の
方法が過去の
地域給の
方法に比べましていいものである。又追加的に
補正勧告をいたしたわけでありますが、こういうことによりまして一層よくなるというふうに我々は思
つております。これは
程度の問題でございまして、やはり現在の
地域給が持
つております
一つの性格の現れました結果といたしまして、やはり人事交流等が困難であるという事実は認めざるを得ないのであります。
従つて成るべくそういうような副作用の悪い点は除去してしまう必要があるということは申すまでもございません。従いまして
人事院といたしましては、成るべく近い將来に現在そういう
地域給の持
つております欠陥を除去いたしたいということに変りはないのでございまするが、ただこういう
地域給の今後の
改訂をいたしますのに、抜本的な
改訂をいたすということにつきまして、その前提といたしましては、やはり何と申しますか、東京或いは大阪とい
つたような大都会における生計費と田舎における生計費とが餘り違わなくなるということが前提でなくちやこれはできないというふうに思います。何でもかんでもとにかく一律にしてしまうというわけにはこれは参らんと思います。又
地域給をやめるということにいたしましても、東京の現在ついております
地域給をひつぱがしまして、それを町村のほうへ持
つて参りまして、そうして
平均をとるというわけにもこれまた参らんということになりますので、従いましてこれを是正するということになりますれば、どうしても田舎を上げて行くという
方法しかないと思うのであります。そういうことをいたす前提といたしまして、この都市、それから農村間の
地域差というものが漸減するということが前提でございます。従いましてそういう前提がある場合におきましては、これをなるべく除去したい。現在それでは一体どういうふうにな
つているかということにつきましては、我々やはり
研究を進めているわけでございますが、それの
見通しといたしましては、
地域間の
地域差というものは漸減して行く方向にあるというふうに現在の統計
資料から観察し得るのであります。そういうことがございますので、
人事院といたしましては、將来成るべく近い機会に、即ち
給與ベースの
勧告というような時期をとらえまして、この
地域給を段階を減らすというようなことを大いにや
つて行きたいということを
考えている次第であります。目下そういうための
資料等も蒐集いたしております。で、具体的にその
内容を話せということでございまするが、併しまだ現在の段階におきましては、そういう方針でいろいろこの基礎になりますデータの検討をいたし、合せて
資料等も蒐集しておるという段階でございますから、でき得ればこの
地域差というものを縮めまして、そうして成るべく実態に即応いたしまして、勿論現在でもそういう
考えでや
つて、おるわけでございまするが、
地域給というものを合理化して行きたい。現在は或る
程度の考慮が加えられまして、承る
地域におきましては、一様に、同じパーセントをつけるというような考慮を部分的にや
つております。そういう方針をずつと擴げまして、そして成るべく人事交流等に支障のないような
方法でや
つて参りたい。ということで目下
研究を進めておる次第でございます。