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1952-07-28 第13回国会 参議院 厚生・大蔵連合委員会 第4号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十七年七月二十八日(月曜日)    午後三時九分開会   —————————————  出席者は左の通り。   厚生委員    委員長     梅津 錦一君    理事            長島 銀藏君            井上なつゑ君            深川タマヱ君    委員            大谷 瑩潤君            小杉 繁安君            中山 壽彦君            山田 佐一君            藤森 眞治君            岡田 宗司君            赤松 常子君            山下 義信君            谷口弥三郎君   大蔵委員    委員長     平沼彌太郎君    理事      大矢半次郎君    委員            岡崎 真一君            黒田 英雄君            小林 政夫君            田村 文吉君            森 八三一君            江田 三郎君            下條 恭兵君            木村禧八郎君   国務大臣    大 蔵 大 臣 池田 勇人君    労働大臣厚生大    臣       吉武 惠市君   政府委員    大蔵省主計局長 河野 一之君    厚生省医務局次    長       高田 浩運君   事務局側    常任委員会専門    員       草間 弘司君    常任委員会専門    員       多田 仁己君    常任委員会専門    員       木村常次郎君   —————————————   本日の会議に付した事件 ○国立病院特別会計所属資産譲渡  等に関する特別措置法案内閣提  出、衆議院送付)   —————————————
  2. 梅津錦一

    委員長梅津錦一君) これより大蔵厚生連合委員会を開きます。前回に引続きまして国立病院特別会計所属資産譲渡等に関する特別措置法案を議題といたします。順次御質疑を願います。
  3. 下條恭兵

    下條恭兵君 大蔵大臣に先ずお尋ねしたいと思うのですが、医療制度公共性を強く要求せられることについては、私からあえていろいろ議論する必要はないと思うのでございますが、その際政府国立病院地方移譲ようということについて、私はその理由が那辺にあるかを判断するのに苦んでおるものであります。財政的な見地から申しますならば、二十六年度の予算においては前年度の繰越は百九十何億であつたが、三十六年度から二十七年度に対しては、繰越金だけでも約七十億増加の三百六十数億になつておると思うのでございます。その国立病院に対する経費というのは比較的少いように思いますし、終戦後永い間七年間のことではありますが、逐次設備も改善されて来て、信頼度も増し、そうして私の郷里などでは、国立病院は特殊の顕微鏡とか、断層写真ようなものを持つて地方に対して非常に恩恵を与えておるという点から言いましても、私はどうして今地方移譲しなければならんか、この理由がどうしてもわからんわけであります。そこで大蔵大臣に、財政上どうしてもこれを移譲する必要があつたという、その財政上の理由一つお尋ねしたいと思います。
  4. 池田勇人

    国務大臣池田勇人君) 私は国立病院地方移譲につきまして、これをしなければ財政上どうしても立つて行かんとか何とかいう問題から出ておるのではないと思うのであります。医療政策の点から申しまして、地方々々で経営なさるほうが適当であるという医療政策上の問題から出ておると考えておるのであります。
  5. 下條恭兵

    下條恭兵君 財政上の理由は全然なくて、医療政策の上から地方移譲したほうがより効果的であるという大蔵大臣説明でありますが、それでは大蔵大臣は、現在の国立病院と、それから地方自治体経営しておる病院と、私は不幸にして地方自治体経営しておる病院のほうが非常に成績が上つておるという例を知らんのでありますけれども地方移譲したほうがよりいいという理由一つ大蔵大臣に御説明願いたいと思います。
  6. 吉武恵市

    国務大臣吉武惠市君) 今回の国立病院移譲の問題は、今大蔵大臣から申しましたよう財政上困るという意味ではございませんで、御承知ように今日の国立病院は約九十九ございます。これがどうしてできたかというと、自然に国立病院が必要に迫られてだんだんできて来たものであるならば、それは簡単に移譲するというわけには参らんと思いますが、終戦直後に従来持つておりました陸海軍病院をどうするかというので、差当りこれはそれじや国が引継いでやろうということで、暫定的に引受けて来たわけであります。従いまして国が持つにいたしましても、余りに数が多いために、実は管理の手も十分行届かない。むしろそれよりも地方々々で、地元でこれを管理して頂くならば、その点は行届くであろう、こういう点から今回九十九のうち、全部ではございません、国で管理したほうがいいであろうと思われるそれぞれ地方のセンターになるようなところは、これは国が引続いてやりまして、医療の総合的な指導をいたしますと同時に、又結核対策としての療養所に転換できるものはそのほうに向けまして、そのほかに六十余りのものは、地方々々の地元一つつて頂く、こういう趣旨でございます。
  7. 下條恭兵

    下條恭兵君 私は大蔵大臣にお尋ねしたのに対して、厚生大臣から御答弁を頂いたのでありますが、私あと大蔵大臣にお尋ねする点もありますけれども厚生大臣から御答弁があつたので、今の厚生大臣の御答弁に対して私の疑問を一、二お尋ねしたいと思います。  その一つは、この国立病院、全国に百に達しようとする国立病院が、この国立なつた歴史的ないきさつというものは、私は今問題じやないと思います。ただ国立病院が如何に現在日本医療制度において貢献しておるかどうかという点、いま一つはこれを地方移譲した場合に、そのほうが能率が上るということは、私はどうしても考えられません。そこで政府はこの医療制度に対して一体さつぱり熱がなくて、面倒くさいものは皆地方移譲して、潰れようとどうしようと、そんなことはかまわんというふうにさえ私は受取れます。もう一遍詳しく、地方移譲すればそのほうが成績が上るという理由はつきり一つ伺いたい。
  8. 吉武恵市

    国務大臣吉武惠市君) この医療制度につきまてはいろいろの考え方がございます。これはもうできるだけ国営にして、国民一般医療制度を立てたらどうかという意見もあるわけであります。私どもはいろいろ検討いたしました結果、この国民一般医療制度ということは、国立一本で行くということでなしに、国もやる、府県もやる、市町村もやる、或いは町村組合等における国民健康保険組合作つてでもやる、そういうふうな総合的なことによつて国民一般医療制度を立てるほうがよりよくはないだろうか、こういう観点に立つておるわけであります。でありまするから、国立というと如何にも国立のほうがいいというふうに考えやすいのでありまするけれども、御承知よう国立だから皆うまく行くわけでもございませんし、今日の結核療養所につきましても、すでに国立のもございます、又府県立もあれば、町村立もある。これが一体をなして、結核療養所をやつておるようなわけでありまするから、この一般医療制度にいたしましても、そういうふうに国もやれば、県もやる、市町村もやれば、部落の組合でもやるというのが私は一番日本の今日の実情にそぐうのじやないか、かよう考えます。
  9. 下條恭兵

    下條恭兵君 厚生大臣のおつしやることはよくわかりましたが、それでは私は厚生大臣に又逆にお尋ねしたいことが出て来るわけであります。それは今厚生大臣の言われたよう構想、私は医療についていろいろの構想が、我が党としては、自由党として持つておられる構想と別な構想を持つておることは、私から議論するまでもないのですけれども、私がお尋ねしたいのは、今厚生大臣の言われる構想に従いますと、現在ある国立病院は多過ぎるという見解に立つておられるかどうかという点を一つお尋ねしたい。
  10. 吉武恵市

    国務大臣吉武惠市君) 先ほど申しましたように、これは終戦直後の陸海軍病院をそのまま引受けましたから、現在では国がやるというのには多過ぎる、かように存じます。
  11. 下條恭兵

    下條恭兵君 多過ぎるということを言われるのでありますから、国がやるにしては多過ぎるということでありますから、これが財政上の見地からどうしても負担に耐えないというならば、これは国がやるにしても数が多いということは言えると思います。ところが大蔵大臣厚生大臣も、財政上の理由によつてこれの移管を考えておるのじやない、こういうふうにおつしやつた。そうして更に今は九十幾つは多過ぎるから六十払下げるという理由から移管するというのでありますから、従つて政府国立病院は三十ほど持つておればいい、こういうようなお考えように存じます。そこで三十だけあればたくさんだという理由と、それから百もある病院が全部がら空きででもあるのか、こういう点を一つお尋ねしたいと思います。
  12. 吉武恵市

    国務大臣吉武惠市君) 私は国立が多過ぎるというのは、財政上の負担に耐えんからというわけではございません。それから病院の数が多くて、病院を減らせばいいという考え方ではございません。先ほど申しましたようにその病院をどこが管理するか、国が一本で管理して行くという考え方をされる人もございます。併し私どもは先ほど申しましたように、管理というのはまあ手の届く範囲に限るべきである。かように存じまして国はその地方々々の中心に先ず国立病院を置く。例えば北再道に一つ置く。そうして府県市町村病院を総合的に指道して行く方法もとる。或いは東北にも一カ所置いたらどうかというふうに、地域々々の中心になるような所には、これは是非国立病院を残しまして総合経営をやつて行く。併しながら現在陸海軍から引受けたものを、全部国がやるということよりも、地元府県が引受けられて行くほうが手近でありますから、こういうように私は存じているのであります。
  13. 下條恭兵

    下條恭兵君 甚だ今までの答弁を伺つておりますと、医療に対して政府は熱心でないように私には受取れますけれども、その点は私どもと根本的に考え方違つてつたものだからあえて問うところではございませんが、私は今の厚生大臣の言われておりますところを聞いておりますと、元の軍病院から引継いだものは厚生大臣なんか一つも要らんよう考えられている。なぜかというと、今言つたような所に、地域的に医科大学などがありまして、実際に全体の医療中心をなしていると思います。だから今の厚生大臣論法では一つもなくてもいいという論法のほうがむしろ筋が通つて来るように思うのでありますが、私それもあえて問うところじやありませんけれども厚生大臣地方へ移せば手近で手が届くとおつしやいますが、私は冒頭に財政上の見地からそういうふうに考えましたので、先ず財政上どうしてこれを地方移譲しなくちやならんかということを一つ大臣にお尋ねするのであります。地方移譲すれば手近でそんなに手が届くということは、結局現在地方で十分の財政上の実力もあつてこそ初めて成立つ話であります。地方財政が今どんな実情にあるか。これは大蔵大臣でなくても、厚生大臣でも万般御承知だろうと思うのでありますが、果してこういう面に対してはどういうお考えであるか、一つお尋ねいたします。
  14. 吉武恵市

    国務大臣吉武惠市君) 病院は今日大体独立採算制でやつております。以前は一時国が非常に持出さなければならないときもございましたけれども、今日では大体収支が償なつているという状況でございます。併しながらこれは公企業でございまするから、これによつて収入を上げるというはずのものではないと私は思います。ですから或いは若干持出すようなことがあるかも知れませんが、大体県の財政がうんと持出さなければならないものではございません。  それから一方私のところに市町村でも府県でも、逆に自分のところで病院を建てたいから、起債を認めてくれとか補助をしてくれないかという陳情が相当ございます。一方のほうでは引受けるのはいやだ、一方のほうでは新らしく金を出して建てる。これは私は国家全体から見るならば必ずしも望ましいことではない、或いは場所その他において多少不便利或いは気に入らないところがあるかも知れませんが、今日の日本実情では一応地元であるならば、それで賄なつて行くというほうが穏当じやないか、かように存じます。
  15. 下條恭兵

    下條恭兵君 厚生大臣いろいろとその場その場で都合よく答弁をされるようでありますが、私は今先ほど厚生大臣は村でも町でも組合でも病院を作らなくてはならないと言われましたが、これは当然だと思います。なぜかというと、医療機関地域的な制約を受けますから如何に東京に日本中の病院が全部集まりましても、どんなに立派な世界一の施設ができましても、それでは間に合わないのです。そこでこういう国立病院があつてもそれでも地方起債しても作りたいというのは、さつき厚生大臣の言われたよう趣旨で、実際に地方医療施設の不足なところから来るので、これは当然だと思います。  そこで厚生大臣にお尋ねいたしますが、それでは国立病院があるにもかかわらずその国立病院が利用できる範囲の村なり町なりから、それが、どのくらい国立病院では間に合わないから、組合なり市町村自治体なりで病院を作りたいという起債申請が出ているか、一つ説明を願いたいと思います。
  16. 吉武恵市

    国務大臣吉武惠市君) 場所々々について具体的に、この場所は重なつて申請があるというような今私検討しておりません。全体的の話でありまするが、今調べたところでは、片一方に病院を設立したいとして申請が出ておりますのが約九十億程度あります。私ども市町村府県のかたとも会つて、話しているときにそういう点が多々ぶつかるのであります、実は……全部とは申しません。全部とは申しませんがそういう問題にぶつかりまして、それならばもう一遍考えて見ようかというところもあるわけでございます。御了承頂きたいと思います。
  17. 下條恭兵

    下條恭兵君 厚生大臣が本当に陳情を受けた中に、どこの町なりどこの村なり、こういうのかあつたということであるなら、ここで御答弁下すつて結構と思います。あるべきだと思いますけれども、私はこの医療の問題は実に重大な問題でありまして、特に私は厚生大臣は今労働大臣を兼ねて、いろいろ思想問題についても御苦労なすつておると思うのであります。こういう題問は、如何に思想問題なんかにも重大な影響があるかということを考えたならば、もう少し私は慎重であるべきであると思うのであります。で私は、先ほどから言われますような、果してこの病院が余つておるならば、私どももそれを合理化するに異論はありませんが、排しなかなか今の、どこの国立病院でもそんなものではなくて、入院するのにも順番が来なくて大変だ、入院できないという私の知り得る限りにおいての実情だと思うのであります。こういうものを特に地方に移議して、手近だから云々、更に又先ほど大臣は、これに関しては独立採算制をとつているために地方財政負担余りないということを言つておられます。これは仮にその通りつたとしても私は議論があるのは、実費弁償なんかをして入院できる階級というよりも、現在はそうでない階級のほうがより多いことは、大臣は御承知通りでありますから、そういう考え方は私は聞違つておると思いますけれども、この点も私は議論いたしませんけれども、私は大臣にお尋ねしたいのは、現在の国立病院の、而も軍から移譲された現存問題の対象になつている病院が、非常に設備がいいとお考えになつているかどうか、立派な設備であつてもう世界の水準に達したような立派な設備であつてあと五年、十年単なる独立採算だけで行つて十分医療の目的が達せられるほど立派であるかどうか、この点一つお尋ねしたいと思います。
  18. 吉武恵市

    国務大臣吉武惠市君) この独立採算制だというお話でございますが、私ども大体それで行けると思つております。国立病院が余つておるかどうかというお話でありますが、私は余つておるとは申上げてはいないのであります。つまり今日のある病院を、国が人体原則として経営して行くほうがいいかどうかという意見もあります。又公共団体原則として経営をして行くがいいかどうかという問題もありましよう市町村が主体になつてやれという議論もあるわけであります。そこを私は、ただ一本で国が国立でやつて行くがいいという説をとりませんで、国もやり、府県もやり、市町村もやる、その総合的な経営によつて国民医療制度の拡充を図る。こういう考え方に基いている。  それから国がやる場合に、この国立病院にはそう金があつてかかつておるものばかりでないというお話でございます。私どもように思つております。併し金のない者はないで、生活保護法のほうから実は支払をして現在やつておるわけであります七ですからその点は、国が経営いたしましても、府県経営いたしましても変りはございません。大体とんとんでで行くつもりでおります。  それで今日国立病院が非常によく行つているかどうかというお話でありますが、私ども甚だ申訳ございませんが、数が多いために隅々まで徹底して万遺漏ないようにやつているかというと、必ずしもそうでない。そこで私どもは勿論努力の足りんところかも知れませんが、やはり手近に置いて行くほうが私は一般国民の側から見るならば、そのほうがよりよく面倒が見てやれる。私ども府県におりまして府県病院実情も知つております。府県でやられておる病院赤十字病院相当信頼をされて今日経営されておるわけであります。私は余り国が全部引つ抱えて、いつまでも持つて行くということよりも、地方で引受けて面倒を見てもらえれば、そのほうにお預けするということが順当ではなかろうか、かように存じております。
  19. 下條恭兵

    下條恭兵君 私の質問揚足取りように聞えると見えて、大臣返答なさらんけれども、私はそういう意味で申上げておるのではありません。私が先ほど質問いたしましたのは、現在問題になつておる国立病院が、仮に議論は別としましても、今大臣が言われましたようないろいろな施療患者的の扱いのものではなくても、その上のほうに、そういう扱いを受ける階級でない、そのちよつと上のほうなんかにいろいろ私は問題があると思うのでありますが、そんな議論は今いたしませんけれども、私が今お尋ね申上げるのは、今の病院がこれで設備が十分完備しておつて地方移譲しましても、要するに日常の運営さえ何とか行くならば十分やつて行けるというふうなほどに施設が立派になつておるというふうに厚生大臣考えなのか、それとも今ある九十幾つかの病院というものは建物にしましても、機械にしましても、設備にしましても、これからまだどんどん改善して行かんといかんよう実情にあるというふうにお考えなのか。
  20. 吉武恵市

    国務大臣吉武惠市君) その点は一点とり落しまして申訳ございませんが、現在の国立病院全部が完備しておるとは私は思つておりません。又施設につきましても若干手直しをしなければならんところもあると思います。修理を要するものをそのまま移譲してくれというわけにも参りませんから、今回の予算におきましても約六億四千万円か計上いたしまして、差当り修理を要するところは修理をして移譲をするという処置も講じておるわけでございます。
  21. 下條恭兵

    下條恭兵君 大部分が軍病院であつたので、戦時中の俄仕立建物が多いと思います。中の医療施設につきましてはその後入れたといたしましても、私の知つている範囲病院はいずれもバラック式の脆弱なもので、これは今移譲しますと数年後の地方財政に非常な負担をかける結果が起きて来ると私は思うのです。そういうことを見越して面倒を見てくれるからというのでやるならば話は別ですけれども、そういうような点を考えますと、私はなかなか簡単にそういう地方府県などが引継ぎますと言わん理由はつきりわかると思う。  そこで私はお尋ねしたいのですが、今度大蔵大臣にお尋ねしたいのですけれども、大体大蔵大臣はこれらの施設地方移譲しまして、私は数年後、むしろ今当分は私は厚生大臣答弁を信頼して、大体においてそう大して地方負担はかからんものという前提に立つてもかまいませんが、そうした場合数年後になつてこれらの建物がどんどん腐朽して来るということが起きて来て、今の地方財政の現状が改善せられないままでおるとしたならば、私は地方は非常に迷惑するし、一方では折角のここまで軌道に乗つて来て、国民から喜ばれているこの医療施設を台なしにしてしまう結果が起きて来ると思うのですけれども、今後仮にこれが移譲された場合、大蔵大臣地方財政に対してどういうような面倒を、特に国立病院移譲だけに対して私は限定してお尋ねするのですが、お考えになつておるか、お尋ねしたいと思います。
  22. 池田勇人

    国務大臣池田勇人君) 移譲後におきます病院経営は、地方団体が独自のお考えでおやりになると思います。移譲せられた病院に赤字が出たとき、特別に移譲したのだからこういう措置をとるということは考えておりません。これは市町村、或いは府県自治体全体の問題として考慮すべきことであると考えております。
  23. 下條恭兵

    下條恭兵君 それじや厚生大臣にお尋ねいたします。大蔵大臣としては多分そういう御答弁があるだろうと思つておりましたし、そうであればこそ私はこのことをいろいろしつこくお尋ね申上げるのですが、一体私は近い将来に地方へ、どこへ移譲するか知りませんが、府県市町村か知りませんけれども、私は市町村ということはあり得ないと思います。なぜかというと相当設備が大きいし、一市町村が利用していても遥かに広汎な地域で利用しておるものばかりですから、私はどうしても府県だと思いますけれども府県にこういうものを押付けて、明らかに府県財政が苦しくなれば何とかして縮小するなり、何なりということが起まて来ると思います。そういうことに対して厚生大臣親心的心配を全然持つておられないのかどうか、この点一つお伺いしたいと思います。
  24. 吉武恵市

    国務大臣吉武惠市君) 先ず先ほどの御質問のうち一点ちよつ上申上げておきますが、成るほど戦時中に急いで建てた施設がございまして、必ずしも完備したと思われない施設がございます。併しながらこれは今日の日本の事情から新らしい立派な病院だとは思いませんけれども、さてそれじや医療機関としてやれる、やれないかといえば、私はやれんこともないと思つております。そういう点は先ず立派だとは申上げかねますけれども木造建でここ暫らくやればやれると私は信じております。それから今の第二の点の、今後引受けてどうなるかということでございますが、先ほど大蔵大臣が申しましたように、これは移譲した施設であるから、国に責任があるから、あと面倒を見るぞという考えは今のところ持つておりません。ただ日本全体の医療制度としては、厚生大臣としては常に府県でありましようとも、市町村でありましようとも、全体としては私常に十分なる注意と努力を捧げるつもりでございます。
  25. 下條恭兵

    下條恭兵君 いろいろお尋ねしたのですが、私は今までお尋ねした中でまだ若干お尋ねしたい点もないではありませんけれども、私一人でそう時間をとるのも恐縮ですから、この辺で打切りにいたしたいと思いますけれども、非常に問題になる点は、先ほど厚生大臣がお答えにならなかつた地方病院を建てたいという希望起債申請とて来たところ、或いは起債申請して来ないにしましても、病院を作りたいという希望のある地域と、現在の政府が予定しておられる地方移譲ようという病院の所在地との分布状態地域的な問題を比べて見ることは非常に重大だと思いますので、一つこの点だけの詳しい資料を御提出願うことにいたしまして今日の私の質問はこれで打切ります。
  26. 山下義信

    山下義信君 厚生委員質問前回私申したように成るべく差控えておくつもりでしたが、今大蔵委員厚生大臣との間の、質疑応答を聞いておりましてちよつと正確を欠くと思われる点だけ念のためにこの席で聞いておきたい。今移譲に際していろいろ不完全な設備や傷んでおる状況等をどうするかということを尋ねたときに厚生大臣は、それは予算を六億四千万円ほどとつてあるのだ、それで修理をして渡すのだと、こういうことを言われたが、それは間違いないですか。
  27. 吉武恵市

    国務大臣吉武惠市君) 私先ほど申上げた点が若し間違つていたとすれば訂正をいたしますが、私のほうの手で修理をしてから渡すということでなしに、修理費としてつけて渡すつもりでございます。
  28. 山下義信

    山下義信君 ちよつとまだ正確を欠くが、まありこれは別の機会にして、もう一つ確かめておきたいのです。厚生大臣医療行政の最高の責任者ですからこれははつきりしておかなければならんと思う。それで国立病院のあり方について政府は如何なる方針を持つておるかと下條君が尋ねたときに、いろいろな御説明があつたが、ちよつと要領を得ん。その中でこうおつしやつたことが私の耳に残つているのです。これは国立とも限らず府県立とも限らず、国でもやり都道府県でもやり、市町村でもやる、やはりみんなでいろいろやるということがいいと思つておる。こういう御答弁なつたのですが、これが要領を得ん。それは何を意味することをおつしやつたのか私要領を得ん。それでその点を一つ厚生大臣として明確にしてもらわなければならん。それで恐らく質問者の意図は、私聞いておりまして国立病院というもののあり方について、政府は如何なる根本方針を持つておるかという意味のことを質問したんで、病院というものに如何なる種類があるか、経営主体に如何なる種類があるかという意味のことを言つたんじやないと思う。病院というもの、医療機関経営主体ということになれば、言うまでもなく国もあろう、府県もあろう、市町村もあろう、公立も私立ももろもろあるのであつて、すべての医療機関を全部国立にせよとかいうよう意味のことを質問したんではないのであつて国立病院のあり方については政府は如何なる一定の方針を持つておるかという意味のことを言つたんで、その点国立病院中心としての医療体系の一定方針は如何なる方針であるかということを明確にしてもらわなければ、承わつておる厚生委員としても不得要領のままで聞きのがすというわけにも行きませんから、その点を一つ明確にしておいて頂きたいと思います。
  29. 吉武恵市

    国務大臣吉武惠市君) 私の答弁、言葉が足りないために誤解を招きまして申訳ございません。私が申上げましたのは、いろいろこの病院について意見がございます。いろいろな意見がある。その意見の中で、医療制度というものは国立でやるべきだという意見一つあるわけであります。それは決して今の下條さんがそういう御意見であり、又あなたがそういう御意見を持つておられるという意味ではございませんが、医療というものは国立でやるべきものであるという一つ考え方がある。若しその考え方がいいとし、それをとるとするならば、現在持つている百を移譲するということは矛盾するわけであります。併しながら私ども医療制度国立でやるという方針をとらない。それは国立でもやり、府県でもやり、市町村でもやり、又部落の組合でもやる。むしろ国はその地方々々のセンターに総合病院としてそうしてその附近の医療中心となつて指導して行くのがいいのじやないか。そしてその末端に府県府県府県病院を持ち、更にその下には市町村なり、或いは部落が国民健康保険というものを持つて行く。これが一つ医療体系として打ち立てられるほうがよくはないかという観点に立つておる。従つてその点から考えるならば、今日の国が百近くの医療制度を持つというよりも、地方地方のセンターに総合病院を置きまして、そのほかは府県で引受けて頂く、或いは市町村で引受けて頂くという医療体系がよくはないだろうがという観点に立つております。こういうことで申上げたのでございまして、多少言葉が足りませんのは遺憾でございまするが、今回の移譲処置も大体その目途から出ております。併しながらそういう計画を立てましても、強制するのじやありませんから、一足飛びにそう行かないかも知れません。大体基本の考え方はそういう構想で以て進もう、かよう考えております。
  30. 山下義信

    山下義信君 これは非常に大事な問題ですから、まあ又これは厚生委員会のほうでも一つ研究さして頂きますが、私は絞つて言えば、国立病院地方移譲する方針はそれならいつ決定されたか、如何なる理由に基いて決定されたか、理由ということは何か。そういうふうに方針を、政策を御決定なされた根拠が何かあるかどうか。例えば医療審議会のどの答申案を採用したとか、何々審議会の何の勧告によつたとか、或いは省議でこう決定したとか、その政策の御決定については何か公式に厚生省のほうで、政府のほうで確たる内外に示して少しも恥ずるところのない政策決定の理由がどこかにあつたかということを聞かなければならない。実はこれを聞かなければならない理由は、国立病院を特別会計に移すときに、第五国会において、政府国立病院を将来これを廃止する、或いは縮少するとか、移譲するとかいうことはいたしませんということを答弁しておる。速記録に明確なんです。厚生省の政府委員が明らかに答弁しておる。それは何年の何月の何日の委員会で答弁しておるということでも必要があれば申上げる。それで従来、国立病院を減少する、特別会計をやつた結果或いは経営がどうとかこうとかいうことであつてそれを理由にしてやめることはないかというよう質問をしたときにそういうことはしません、そういうことばしません、国立病院の数を減少したり、成績がこれでは引合わんからやめるとか縮少するとかいうことはいたしません、今ある国立病院の数だけは維持しますということを政府がこの国会の席上で公言をしておる。それをこのたびこういうふうに移譲するという政策の変更は如何なるところから来たか。厚生大臣の着想か、大蔵大臣のこれは構想か、或いは何らか権威ある意見をとつたかというようなことも、これは一つ国会ですから、隠さずにはつきりよつて来たる淵源を明白化にしておかれるほうが厚生大臣の個人的な巧みな答弁を以てなされるよりは私らはもつと権威のある意見として傾聴いたしますから、そのよつて来たる、政策を御決定なされたのはどういうわけでこういうふうに変更されたかということを私明白になさる必要があるのじやないかと思う。
  31. 吉武恵市

    国務大臣吉武惠市君) この点は実は医療制度審議会におきましても問題にされまして、将来今田が差当り引受けておるところの個々の国立病院はそれぞれ必要な範囲移譲するほうがよかろうという答申を得ております。ただその時期をどうしようかということで今日までに延びておつたのでありますが、先般本年度の予算を決定する際、昨年暮でございましたか、閣議でそういうふうにしようということで予算的な処置も講じまして取上げたわけでございます。正式の移譲という方針をはつきりと確定いたしましたのは、今年の春閣議で決定しておるようなわけであります。決してこの問題は突如として出た問題ではございませんで、今までも十分検討して、その時期をいつ頃からやろうかということで準備をいたしておつた次第であります。
  32. 山下義信

    山下義信君 私はそれで納得行つたのです。多分そうだろうと思う。これが歴史的な淵源から来て、その病院を引受けたからどうこうとか、設備がどうとか、要らないからどうとか、古道具を払下げるとかいうことでなくして、やはり確たる、研究せられた結果がこういうふうにせざるを得ないという結論が出て来て、そうしてなされたことであろうと思う。そうでなければ国家の政策が思い付きや、いい加減な根拠で無定見に漠然とやられてはたまつたものじやない。そこで恐らく医療審議会か、或いは社会保障制度の審議会等のごとく医療制度機関、権威あるそういつた審議会で審議せられて……、だからこれは幼稚な質問をすれば、そういう審議会にかけたかと問いかけてみて説明をいろいろ聞かなければならん。そんなことはお互い面倒でやめますが、そういうことはなされたのだろうと思います。ここには医療審議会の委員を兼ねておる人もいる。社会保障制度審議会の委員を兼ねておる人もいる。だから恐らく御承知であろうと思いますが、そういうことに基いて政府は採用せられた、大いにそれを参考にせられて政府の政策がここに至つたと、こうおつしやる。そこで私お尋ねしたいのは、それらのもろもろの医療審議会、或いは医療整備機関の中央審議会、或いは社会保障制度の審議会等が答申し勧告したるそれらの内容と、今回おとりになつたところの地方移譲の政策とが、果して合致しておるかどうかということを明確にして頂きたい。
  33. 吉武恵市

    国務大臣吉武惠市君) 私も詳しい細かい点は存じませんが、この問題を取上げるときに調べました点では、この細かい移譲の個所……具体的に意見の答申はございませんで、抽象的にそういうふうにしたほうがよかろうという大方針が答申されていたようであります。従いまして、それに基きまして私どもは大体地方々々で国立病院として残すところはどういう地域、どういう所にすべきものであるか、どことどこは結核療養所として残すべきであろうかという点を検討しておるわけであります。併しこれも先ほど申しましたように、強制移譲ということであればプラン通りに行きますけれども、強制移譲でありませんからプラン通りには行きませんが、できるだけその線に沿つて努力したいと思います。
  34. 山下義信

    山下義信君 私はこれだけの大問題が、言い換えるというと国民医療における大政策ですが、これだけの大政策が根拠なくして出されるはずはないと思う。そこで今そういうよう医療審議会その他の厚生省の特に持たれておるところの関係の審議会の答申等を参考にせられたということでありますが、そうだろうと思う。それで結構なんです。ところがですね。それらの答申案には垣大なことがあるのです。国立病院地方移譲するについては、ただ単に安売りさえすればいい、五割引、三割引さえすればいいという、そういう答申は一つもないのです。そういう答申になつておるのなら私は又何をか言わんやです。併しながらこの国立病院地方移譲し、都道府県病院経営主力を置かせるようにするとか、大いに都道府県経営の主体の病院を置くという答申をしておる。諸々の答申には十分そうさせる諸般の事項があるのです。それが今度は一つも考慮されておらない。それを考慮されていないし、そういうことは全然触れずに置いて、ただ病院地方移譲だけが示されるから、我々難色を示してそこを明らかにしてもらいたいということを言うておるのです。ですから国の病院の中枢機関ともいうべきしつかりした病院を都道府にやらせるというなら、これに関連してこうせなけりやならんということを言つておるのです。それから今度は移譲した後にこうせなければならんということまで言つておるはずなんです。それを御承知ないとすれば、恐らく御承知ないことばないと思うのです、若し御承知ないとすれば、それは事務当局が伝えていないのです。そういう点を問題にしているのです。ここにはその審議会の委員がおる。そういう答申をしておきながら、そういう答申に副わないよう移譲法が通つてつて、それを私は黙視せられるはずがないと思う。ですから、移護法実施後には政府で補助しなければならんということも言つておる。又都道府県立病院に、これを地方移譲するならば、その他の例えば各種の社会保険も経営中心府県に移せということを言うのです。いろいろな問題が附随しておる。そういうことをちつとも考慮しないで、こういうふうな漠然としたことをやられては困るということを言つておる。そういうことは一つ厚生委員会で勉強さしてもらいますが、もう一つ私は大事なことを、気持を尋ねて厚生大臣のお答えの中で聞きそこねたかわかりませんが、国立病院の性格や任務は見方によつていろいろあるでしよう。又はないでしよう。でありますが、その中で少くとも現段階におきましては、いろいろ各種の社会保険関係の患者やら或いは医療扶助患者が多いことは、これは事実。少くとも生活保護法医療扶助患者は、何でもあなたのほうから出ておる統計によりますと、三割以上三三%という患者を占めておる。これが地方移譲して影響があるかないか。即ち地方移譲した都道府県病院がこれら生活の保護法の医療扶助の患者を好むか好まないか、或いはこれらに何らかの影響があるかないかという、こういうことについての厚生大臣のお見通しはどう持つておるか。これは非常に重大です。国立病院の今日ある性格の上からこれに影響があつたら由々しき大事でありますから、これが都道府県に移されることによつて生活保護患者が忌避されるという事態が来たら一大事でありますから、病院建物が古い、安いのことじやない。これは国の一つの大きな問題でありますから、これに対しての厚生大臣の責任あるお見通しがなくちやならん。これを地方移譲することによつて医療扶助患者に悪影響を来し、そのことを都道府県が或いは忌避する、拒むということがあつてはならんということが非常に杞憂せられるのですが、それがどう考えられるか、どう見通しをされるか、そういう影響がないというならばどういうわけでそういう影響がないというか、その点を一つ厚生大臣として、一つ病院一つ生活保護法、両方あなたの手なんです、ですからそれを一つ、あなたのお見通しはどういう見通しを持つておられるか、若し変更ないというならば、変更ないその理由をお示し願いたい。
  35. 吉武恵市

    国務大臣吉武惠市君) その点は私は変更がない、又あつてならないものであると信じております。その点は、御承知よう生活保護法の対象になりまするものにつきましては政府から金が出ておる。又従つて、それで地方公共団体が無料で引受けるというはずのものでもございませんし、又一方府県にしましても市町村にしましても、病院経営につきましてはただ一般の民間の病院経営よう考え方経営されるはずはございませんで、一般の庶民の医療機関として経営され、現にされておるものもございますので、それが国から府県に変つたからといつて病院経営の性格が変るとは考えておりません。移譲につきましても十分その点は注意をいたしまして移譲をするつもりでおります。
  36. 山下義信

    山下義信君 これはですね。御答弁は一応御尤もでありますが、私どもとしてはそういう御答弁では納得しがたいのです。それは移譲後についてその経営に注意をするとおつしやつてもそれはあなたに干渉権はない。で、それはお心持はそうであつても、それは、それを以て私どもは安心するわけには行かない。確証とするわけには行きませんが……。今変りがないということについての理由はおつしやらん。それは多分都道府県経営に変つたからといつてもその病院の性格が変るはずがない。同じく公立なるが故にということのそういう漠然たることでは私どもは納得しがたい。私どもは心配する理由がある。心配する理由がある。じや、申上げなければならん。でありますから、私は厚生大臣として、専門の厚生大臣としてはそういうことを漠然と言つてもらつちや困る。生活保護法は諸々の、あなたよく御承知通り、いろいろ国が出しおる諸々の生活扶助は、各種の扶助をして来ました、八割、今度は五割にしたらどうかということをこの前の、今年の春の国会で大蔵大臣がおつしやつて私はびつくりしたのですけれども、生活扶助の諸々の扶助は国が八割、今の現行法は……。あとの二割はどこが持つておるか。あとの二割は今までは府県が一割で市町村が一割だつたのですよ。それが全部今度は府県が二割、これを負担しなければならんことになつて来ておる。でありますから府県負担率が非常に増加したことによりまして困つて来る患者が発生するのですが、私はそういう意味でこれが府県営になると医療扶助の患者を入れるとすると府県負担が多くなる。従つてそれが三分の一強を占めておるということになると、府県当局におきましてはそういうことについていろいろ好ましからざるところの考え方をお持ちになるというと、医療扶助の、生活保護を受ける医療扶助患者はこれから一体どこへ行つたらいいのです。どこにそれらを歓迎する病院があるのです。その点、私ども心配するところを、そういう心配はないという確証を一つ出して我々を安心させて頂かなければ我々厚生委員が安心するわけがない、それを伺つているのです。
  37. 吉武恵市

    国務大臣吉武惠市君) 私はこの府県市町村にいたしましてもそういう困つたかたがたの医療制度に関心を持たれないとは信じないわけでありまして、今日の府県、どこの府県知事を見ましても、そういうことについてはわりかた御熱心である。でありまするから、そういう庶民の困つたかたがたの面倒は国だけが面倒を見て府県は見るべきでないという建前であるとするならばこれは非常な心配であります。併しながら今日の府県はねかのほうの結核療養の問題をとつて見ましても国立病院もございます。ございますが、そういう問題、結核療養所にしても……実は貧しくて思うような治療のできないかたを収容してやつておるのでありますが、これとても市町村府県等で自分のところはこれだけベッドを殖やしたいから何とかしてくれないかといつて非常に熱心です。そういう点から考えますれば、私はそういう庶民の病院については、府県につきましても国と同様な考え方で御面倒を見て頂けるのじやないか、かように存じておる次第であります。
  38. 木村禧八郎

    木村禧八郎君 私この前の連合委員会のときに質問いたしましたが、途中で質問が中断しまして、十分、非常に重大な問題があるから質疑できませんでしたが、この前の質問いたしました要旨は、要するにこの今問題になつているこの法律案は単なる国有財産の移譲というだけの問題ではなく、只今山下議員からも、或いは前に下條委員からも御質問つたように、これは社会保障及び公的医療機関の整備拡充、こういう大きな点と、もう一つ財政面において一般会計、或いは特別会計等と社会保障費等の関係、或いは又いわゆる防衛費圏係との関係、そういうものとの均衡との関係、こういうものから、この二つの点からこの問題は検討しなければならない。こういう趣旨から私は先ず最初の、この社会保障及び公的医療関係の整備拡充方針、こういう点についてまあ半分質問いたしまして、まだ残つておる。この問題を掘り下げて検討するためにはまだ十分各方面の意見を聞いたり、十分視察をしたり、衆議院では公聴会を開いたそうですが、まだ公聴会も開いておりませんが、そういうことをいろいろこれを検討する予備的作業と申しますか、そういうものもなされておりませんので、実はその資料として相当まあ他の委員からも要求されておりました。私もその前にどうしても只今の山下議員と厚生大臣との質疑応答を聞いておりますと、水掛論みたいなところが相当あるのでありまして、例えば府県病院が決して困つた患者の医療についてこれを怠つているわけじやない。非常に熱心である。こういうようなことを言われておりますが、そういうことを判断する資料として、下條委員も要求されたと思うのです。併し私も先ずその資料を出して頂きませんと水掛論になりますから、ここに資料を要求いたしまして、ここで御答弁願えるものは御答弁して頂き、御答弁できないものは資料として提出して頂いて、それを十分検討した後において水掛論でないような形において私は質問いたしたいと思うのです。  そこで先ず資料の要求をいたしたいと思うのです。これは他の委員も要求されたかも知れません。或いは重複している分もあるかも知れませんが、何ら、今日は私途中で来まして、見ましても一つも資料が提出されておりませんので、要求いたしたいと思います。  その第一は、この六億四千万円の整備予算、これは六十の移譲する対象病院にどのように算出されて出されたのか。これが第一であります。その詳細なる基礎を伺いたい。  それから第二には、公的医療機関として運営するのに一応支障のない程度に整備を行えばどのくらいの予算を必要とするか。この二つ、これは国立病院施設整備拡充等についてどうしてもこの資料は必要でございますから、先ずこの点資料を要求しておきます。御答弁できればここで御答弁つてもよろしいのであります。  それから次に、各都道府県の公立病院の入院、外来患者の費用負担程度はどのようになつているか。これを聞きませんと水掛論になつて来ますから、又国立病院との差異があれば、違いがあれば具体的にこれを示して頂きたい。それから次に、各都道府県の持つている公立病院の数と、それから病床、ベッドです、ベッド対人口の比率、パーセンテージ。  それから次に各都道府県別各種の保険、それから未加入者の調査、これは未加入者と言えば、日雇とか失業者とか生活保護適用者等ちなみにまあ厚生大臣に、これはおわかりと思いますので、失業者、戦争犠牲者などの生活困窮者は全国でどのくらいになつているか。そのうち生活保護法その他の保護法の適用を受けているのはどのくらいの数に達しますか。こういう資料を頂きたいのであります。  更に二十六年度の都道府県別総予算に対する保健衛生費及び保健衛生費中病院経営費はどのくらいになつているか。都道府県立病院の整備費はどういう収入によつて賄われているか。それから医療機関として支障のない程度に整備費を計上いたしますとすれば、どのくらい必要であるか。又現在までに予算化されている額はどのくらいであるか。こういう資料をお出し願いたいと思います。それから更に各都道府県別公立病院収支の実態調査、これはやはり細かく出して頂きたいと思います。具体的に検討するために日赤、農業会、済生会、大学病院、それから県、市、町村立別に出して頂きたい。更に公立病院医療法適用基準に合致するもの、或いは合致しないもの、こういうものはどういうことになつておるか。  次に公的医療機関の都道府県別整備拡充計画、これをまあ伺いたい。更にこれと関連しまして、これと移譲対象病院及びそれ以外の国立病院との関連を施設別にこれを示して頂きたい。最後に公共団体等の有する自家診療機関、例えば国鉄、逓信、保険組合等この自家診療機関を医療機関の整備拡充方針のうちでどのようにこれは関連されておりますか。医療体系、先ほど厚生大臣が言われました医療体系ということを言われましたが、自家診療機関を医療機関の整備拡充方針の中にどのように関連さしているか。  まあ大体今申上げました九つ、この程度の資料は最低限私は必要であろうと思う。今後日本医療制度をどういうふうに将来運営して行くか。先ほど厚生大臣国立病院を頂点として、あと府県営とか、そういうものを衛星的にこれをやつて行く、こういう体系を考えていると言われましたが、問題は体系自体の問題ではなくて、それによつてどうして日本のこの医療内容が向上するか、国民の社会保障的な問題がどうしてよく改善されて行くか、そこにあるのであつて、形は二の次ぎである。そこで厚生大臣は先ほどの厚生大臣構想されているよう医療体系のほうがよろしいというよう考えておられるようですが、併し我々は逆に考えて、実際にいろいろ輿論調査、或いは非常な反対論もあります。具体的に調査して行けば行くほど、政府の言つておることと逆なんです。池田大蔵大臣は今度の選挙スローガンで、聞くところによると貧困者を楽にすると書かれておるのですが、この国立病院移譲は波多野君が本会議で言われたように、貧乏人を楽に死なせるような政策の具体的な例になつておるのじやないかと私は思う。全く逆であつて、楽にするというなら、少くとも今私が要求しました資料、この程度についてはもう厚生省にちやんと資料ができておるはずだと思う。この程度のものができなくては怠慢と言わざるを得ないのでありまして、今要求しました資料のうち、ここで御説明できるのは説明して頂き、ここですぐ御提出願えないのは次回までにこれを御提出願いたいと思います。先ずこの点について、資料をいつ頃までに出せるか。又ここで答弁できるものについては御答弁願いたいと思います。
  39. 梅津錦一

    委員長梅津錦一君) 厚生大臣の御答弁を要求ですか。政府委員でよろしゆうございますか。
  40. 木村禧八郎

    木村禧八郎君 厚生大臣はこれに関連して今九つ要求しましたが、これは厚生大臣の言われる日本医療体系をどういうふうに持つて行くか、そういうものの裏付になるわけです。そういうものに対して厚生大臣意見があつたら一応伺つておきたいと思います。私は政府国立病院地方移譲は、政府の厚生的な、或いは社会保障的な考えと逆であるということを言つておるのですから、厚生大臣何ら御答弁なければそういうふうに私は了承し、政府もそういうふうに考えておる、逆であると考えておるというふうに私了承いたしますから、厚生大臣、何か御意見ありましたら先ず一般的に御答弁願えればよいと思います。なくても結構です。
  41. 吉武恵市

    国務大臣吉武惠市君) 折角のお話でございますが、私どもは只今考えております考え方に副うことが社会保障制度を実現するゆえんであると存じております。と申しますのは、それは単なる医療病院ばかりでなく、その他の社会保護、社会保障の制度から、或いは結核の療養の問題、すべて今日ただ一本に国立でやつておりません。府県市町村とそれぞれ総合的に協力をいたしまして、万遺憾なきを期しておるわけでございますから、私どもは遺憾ながらあなたのお考えとは違つておるということを申上げておきたい。他の資料の点につきましては係からお答え申上げます。
  42. 山下義信

    山下義信君 議事進行について。私はたびたび申上げますが、今日は連合委員会ですから、大蔵委員の諸君の十分な御質疑を、而も詳細に且つ慎重に願いたいために発言を控えたいと思うのですが、ときどき厚生委員として聞きのがすことのできないことだけは、ここで確かめさして頂きたいために発言を求めるのであります。今木村委員質問に対して厚生大臣は非常に重大なる私は御答弁をなさつたと思う。今回の国立病院地方移譲は我が国の社会保障制度、これを推進強化するための地方移譲である、こういうことをおつしやつた。十分その趣旨に副い得るのだと、こうおつしやつたのである。これは私は非常に重大なことなので初めて聞くのです。この連合委員会で今のお話は初めて聞くのです。連合委員会でなく、私は厚生委員会を通じて、随分欠席しないで、私は出席いたしておるつもりでありますが、初めて聞く。而も今回この法案の提案理由の中にはないのです。提案理由説明書の中には何もない。法案に付記せられたる提案理由もない。これは新たなる本案提出の理由にされるのかどうかということを私は明確にしておいて頂きたいと思います。
  43. 吉武恵市

    国務大臣吉武惠市君) 私どもが今回国立病院移譲をいたしまするのに、移譲をすれば今日の社会保障制度が悪く逆行するという建前をとるならばいたしません。そうではない。移譲することが内容を充実するゆえんである。国が全部持つて管理するよりも、手近なところで管理されるほうがより行届くであろうという確信の下に提案いたしておるのでありまするから、先ほど木村さんが若しお前がそういうふうなことをやれば逆行すると俺たちは思うが、というお話でございましたから、さよう考えではないということをお答えしたのであります。
  44. 山下義信

    山下義信君 それは随分近来の聞き物の大論争だろうと思う。一方はこういうことをするというと、社会保障制度のために阻害すると言い、一方は、政府のほうは阻害どころじやない、非常にこれは増進すると言う。この論争の証拠は、私は木村委員の要求したあの資料というものを検討しなければ、これは判断、決断がつかんと思う。従つて委員長は、これは政府のこれから説明するであろうこの資料を、今木村委員の要求する資料をどう取扱うかということについて一応事務当局がどこまで説明するか、どこまで資料を出すかということを見極めた上で委員長は善処されんことを私はここで申上げておきます。
  45. 木村禧八郎

    木村禧八郎君 今厚生大臣日本の社会保障制度を推進するに役立つという御答弁があつたのですが、これは具体的に抽象論で論じてもしようがないのですから、具体的にこういうことをやればむしろ逆効果を来たすという具体的な事実を示さなければならないと思う。そこで私は資料を聞く前に一つつておきたいのです。これが逆行するか、逆行しないかの一つの例証としてこの本法案の第五条について伺いたいのです。「地方公共団体は、第二条の規定により譲渡を受けた同条第一号及び第二号に掲げる資産の対価を政令で定めるところにより、その発行する地方債の証券をもつて納付することができる。」それから第六条にこれが支払うことが困難であると認めたときは、延納を認める、利息を附して十年以内の延納の特約をすることができるということになつております。これは地方財政が非常に困難なことを認識の上に立つておることと思うのです。それで地方府県府県営の病院を建てようとして起債を要求すればこれは許さない。全部許さないわけではありませんが、非常に制限がある。ところが国立病院は払下をすると地方起債でよろしい。ただ強制ではない、強制ではないと言われますが、実質的には強制になる。新らしく建てようと思つて地方債を起債すればこれで制限してしまう。併しこの国立病院を払下げれば、地方債を発行してこれで払つてよろしい。それでも払えなければ十年の延期をしてもいい。こんなに困難な地方財政の下で払下げたら、山下委員の言われたように、これは貧困者がますますその病院に収容されることが困難になる。どこへ行つていいかわからない。こういうことが実際のあれにも出ておるのですが、この点については厚生大臣はどういうふうにお考えですか。これは地方公共団体が非常に困窮しておるという前提に立つておるのですが、医療体系でただてつぺんに国があつてあとに衛星的に公的病院があつて、そういう姿を描くだけでは意味がないのであつて、今の地方財政というものをどういうふうに認識しておるか、これは大蔵大臣よく御承知だと思う。今の実情から考えて、地方債というものを無視して、そうしてこういうことを考えることが全く逆行ですよ。厚生大臣地方財政を知らないのではないかと思うのです。知らないと言えば厚生大臣非常に怒られるかも知れない。厚生大臣は実によくそういうほうは研究され、勉強されておる人だと思うのですが、それにもかかわらず、これが推進するというのはまるで詭弁だと思うのですが、この点五条、六条については今この推進するか、或いは逆行するか、これは私は境目だと思う。五条、六条に経済的にも出ておると思う。その点ちよつと伺つておきたい。
  46. 吉武恵市

    国務大臣吉武惠市君) 今日の地方財政は決して楽ではありません。楽ではございませんから、起債の便宜の措置も講ずれば、延納の便宜の措置も講ずる。それでは地方財政が困難であるから、今日の府県市町村医療については関心を持たない、又その計画もないかというと、私どものところには各府県市町村から病院を建てたいからという申入れはたくさんあります。先ほど申しましたように九十億に余る申請さえあるわけであります。成るほど財政は決して豊かじやありませんが、今日の府県市町村はやはりこういう一般の庶民の病院というものの必要性も考えられておる。従つて我々としてはできるだけの便宜を図つて移譲のできるものはする。これも決して強制する考えはございません。
  47. 木村禧八郎

    木村禧八郎君 私は地方医療設施について無関心であるとか、怠慢であるとか言つておるのじやないのですよ。非常に要求しておる。それと国立病院の払下とは全然又問題が別です。それでは国立病院の払下を熱烈に要求しておる、例えば今非常に問題になつておる姫路の問題には市会で非常な問題になつておる。前は只で国立病院を払下げてくれたが、これがあとになつてだんだん検討してみたらこれが大変なことだというので、大きな問題になつておるのです。実情がわかればわかるほど成るほどそれは大変だ。それは政府が片一方で府県病院の建設をしようとする場合に、新規起債を認めないから国立病院の払下という形において追込まれて行く。これはむしろ政府医療政策、この怠慢の結果なんですよ。私はまあそう思うのです。これは議論になりますから先ず資料の要求をさつきいたしましたから、それで御答弁できるものは今御答弁願いたい。
  48. 高田浩運

    政府委員(高田浩運君) 木村委員からこの前六月の中旬であつたと思いますが、資料の要求がございまして、それは各国立病院の取入と支出の状況を知らしてくれということで、これは早速出しておきました。本日非学に多岐に亘つてお話がありましたので、ここで全部申上げ得る事柄ばかりではないと思いますが、差当り気付きましたところを申上げさして頂きたいと思います。第一の六億四千万円の問題でございますが、これは国立病院につきまして差当つて病院として運営をして行くについて、緊急必要と認められますそういつた費用を概算をいたしまして算出いたしたのでございます。従いまして現在木造であるのを一挙に鉄筋コンクリートにしてしまう、それには一体如何ほど金がかかるかという、まあいわば整備の問題の程度もいろいろあると思いますが、差当つてはこの六億四千万円で病院として運営して行けるものと考えておるのでございます。根本的に立派な、見た眼も立派な病院にするには如何ほど金がかかるかということにつきましては、これはお答えする材料を持合わしておりません。
  49. 木村禧八郎

    木村禧八郎君 途中ですが、私の質問を正確に把握しておらないと思います。私は見た眼に立派な程度の整備ということを要求しておりません。公的医療機関として一応運営して行き得る程度というので、見た眼に立派なというふうな、そういうような要求はしておりませんから、正確に質問を聞いて頂きたいのです。
  50. 高田浩運

    政府委員(高田浩運君) 差当つては六億四千万円でやつて行けると思います。それからその次に、地方公共団体立の病院がどの程度あるかということでございますが、これは結核病院、精神病院等含めまして、病院数にいたしまして五百九十ということになつております。そして病床数が約四万九千、それから一日当りの入院患者数が約三万五千、それから一日当りの外来患者数が約六万五千、手許にあります数字はさようつております。それから生活保護を受けておりますのは全国で約三百万とちよつとでありますが、そのうち医療扶助を受けておりますのが約四〇%というふうになつております。それから二十六年度におきまする府県の総予算に対する衛生費或いは病院費というものにつきましては、材料を持合わしておりません。なおその具体的な病院の整備に要する費用等につきましても、従いまして材料を持合わしておりません。それから各府県の公立病院の収入の実態ということでございますが、これは全面的に調べたやつはございませんので、一、二の例を御参考に申上げておきたいと思います。二十五年のやつでちよつと古いのでありますが、県立の大分病院につきましては、収入が約三千五百万円、それから支出炭が約二千七百万円、そういうことになつております。それから県立の宮崎病院につきましては、収入が約三千五百万円、支出が約三千八百万円、これは多少数字が古いのでございます。その後保険の点数不備の改訂等がありましたから収支の関係はもつとよくなつておると思います。それから公立病院のうち医療法の適用基準に合致しておるものの有無ということでございますが、これは現在病院として運営されておるものはすべて医療法の基準に合致しております。それから都道府県の整備拡充計画につきましては、これは全般的なものは持合わしておりませんが、先ほど大臣からも申されましたように二十七年度において病院設立のための起債の要求が約九十億、それから二十六年度におきましては、同じく起横の要求が約四十億ということになつております。これで御推察を願いたいと思います。それからなおお話つたと思いますが、費用別の負担の割合でございますが、病院の入院患者、これについて見ますと、生活保護によつて入院したりしておりますのが約三〇%、それから保険の関係が約五五%ということになつております。あとは自費でございます。それから各種の団体なり或いは官庁等のいわゆる自家診療機関につきましては、整備の計画に入れておりません。これは別個の、いわゆる私のほうで考えております一般病院医療体系の外で考えております。以上お答えを申上げます。
  51. 木村禧八郎

    木村禧八郎君 只今の御説明、非常に概略的なものでありまして、これでは先ほどこの実質的にこの国立病院地方移譲をやつた場合にこれが社会保障的な政策を推進することになるか、逆コースになるかの判定の資料としては非常に不満足であります。先ほど私が述べた通りに、質問いたしました通りに、計数に亘つてもう少し詳細に御提出を願いたい。何を好んで早くこんな重大な問題をこんな十分に資料が出てない、検討も十分されてないままに、厚生委員のほうではされたか知れませんけれども、併し我々大蔵委員としては、やはり予算との関連、社会保障費との関連、これは勿論予算全般とも関連あるのでありまして、こんな不十分な検討のままでは到底これは我々は容認できないと思うのですから、六億四千万円の整備の計画については、六十対象病院についてどのようにして算出されたかということを聞いておるのであります。  更に公立病院の入院と外来患者の費用負担別、これも非常に漠然たる数字だけでありますが、これと国立病院との差異を具体的に示してもらいたいということを要求しておるわけです。それから各都道府県によりまして国立病院の数と病床、即ちベッドと人日比、これはまあ大体この程度の答弁でいいのですが、各都道府県別にこれが出してもらえれば非常にいいのですが、それからこの二十六年度の都道府県別総予算に対する保健衛生費及び保健衛生費中病院経費、これも出してもらいたいのです。それから先ほど日赤やそれから済生会、大学病院、県、市、町村立別に病院の収支実態を調査要求しましたが、先ほど大分と宮崎だけの例を示されたのですが、これだけではやはり不十分だと思うのです。そういう先ほど私申上げたことが速記に出ておると思います。又ここに私は自分で質問事項を書出してありますから、若し事務当局で御必要ならば具体的に私のほうから後ほど申上げますから、具体的な資料を何も急がないで、十分にこれを検討する意味で御提出願いたい。これを私は先ず見てから、いろいろ質問があるのですから、見てから、私は更にその資料に基いて質問いたしたいと思いますが、委員長においてどうぞその点この処理について、この取扱について一つ御考慮を願いたいと思うのであります。
  52. 山下義信

    山下義信君 議事進行について。木村君の質問に関連して。しばしば私厚生委員として発言するのは恐縮なんですが、今高田次長は木村君の質問に対して、国立病院医療法の基準に合致しておるということを答弁されたのです。私念のために聞いておきます。又厚生大臣もそこで聞いておられる。この答弁厚生大臣はお認めになるか。高田君にもう一度私はそれに間違いないかということを確かめておきます。
  53. 高田浩運

    政府委員(高田浩運君) 間違いありません。
  54. 山下義信

    山下義信君 若しそれなら結構であります。ですから私も資料で十分研究をさして頂きますが、例えば患者に附添いをいたしまする看護婦の定員、これは医療法の基準に定められてある通りの看護婦等も十分充足されてありますか、どうですか。その点も伺つておきます。
  55. 高田浩運

    政府委員(高田浩運君) 御推察のように、国立療養所につきましては、病院に比べますというと充足率が多少劣つております。併しこれは看護婦の定員と言いますか、患者別の、患者に対する割合を落して考えておりますので、さよう承知を願いたいと思います。なお国立病院自体につきましても臨時的にまあ欠員等の関係等において例外的に一時欠けるということも勿論ございますが、今日において、全般としては相当な充足率を示しておりますし、又医療法の規定に抵触することにはなつてないと、かよう考えておるような次第であります。
  56. 木村禧八郎

    木村禧八郎君 私の質問は、つまり私は国立病院に対して言つておるのではない。公立病院において医療法の基準に合致しておるものはどのくらいで、合致していないものはどのくらいだ。それでなければ、この医療法実施以来地方においては合致するために起債をうんと要求しておるのです、そうでなければそういう必要はないのです、全部適用されておるならば。先ほどの御答弁では全部医療法の基準が適用されている。私は国立を聞いておるのではない。公営の医療機関について聞いておるのですから、その点それでよろしいのですか、どうですか。
  57. 高田浩運

    政府委員(高田浩運君) 今木村委員のお考えは、起債がたくさん出て来ているのは、医療法に定める標準に引上げるために相当金が要るのじやないかというふうな御疑問があるのじやないかと思いますが、起債の大部分というものは、新たに設立する場合、或いはベッドを殖やす場合が主でありまして、なお医療法の規定に抵触するものにつきましては医療監視をいたしまして開いておくことを原則として許さないわけでありますから、現在開いております以上は、医療法の規定に積極的に抵触しておるというふうには考えていないわけであります。
  58. 木村禧八郎

    木村禧八郎君 私は昨年だと思うのです。昨年地方財政の調査に予算委員として行まして、ほうぼう廻りましたが、これは北海道で具体的に聞いたのです。この医療法実施以来地方府県では医療法に適合するために非常に困つておるのであつて、二十四時間以上ですか、患者を置いてはいけないという規定やなんかあつて非常に困つたと、それでまあそういう愚痴をこぼしたのです。まあ厚生委員のかたには相済みませんけれども一体厚生委員のかたはどうしてこういう医療法というものを、予算措置予算の裏付がなくして、どうしてこういうものを通されたか、そうじやなくて通してしまつたのだから実際地方府県としては非常に困つておるのだ。その実態を我々聞かされておるのです。実態を我々聞かされておるのですから単に我々素人だと思つて、そういうふうに先ほどの御答弁にすれば、知らないからそうかと……、まさかそうじやないと思いますけれども、そこで私は資料を要求したのです。合致したものはどれだけあるか、合致しないものはどれだけあるか。これは私は公的医療機関医療、公営病院医療法適用基準、職員と設備内容について、これを私は資料として出して頂きたい。そうすれば検討すれば出て来るのでありますから、全部これが適用されているならば公立病院中の医療法適用基準、これは職員と設備内容等について合致するものとしないもの、資料を出して頂きたい。全部合致するならば全部合致するというように資料が出て来ると思います。我々のほうで判定しますから、公立病院について一つこれを出して頂きたい。先ほどの御答弁は依然として基準は、これは違反していない、適用基準に全部合致しているという御答弁ですから、取消されなかつたのでありますから、我々のほうで検討しまして、若し間違つていたらあなたのほうで父考え直して頂かなければならん。そういうような、実情と違つたような御答弁じや私は困るのです。本当のことを我々聞きたい。その点先ほどの御答弁でそのままよろしいのか、若しかよろしいのならその資料を出して頂きたい、公立病院について。
  59. 江田三郎

    ○江田三郎君 ちよつと議事進行について。ちよつと私遅れて来たのですが、先ほどから木村委員のほうでいろいろ資料を要求しておられるわけですが、今の木村委員の言われたことも、ただ単に答弁だけでは済まんだろうと思うのですが、この問題を審議されるのには、当然厚生委員会のほうではそういうような資料を御覧になつて今日までやつておられるのじやないかと思いますが、我々のほうは全くそういうような資料を持たないのでして、少くとも今要求されるような点がはつきりしないと、これはなかなかちよつと簡単に意見がきまらないと思うので、そういう点、厚生委員会のほうで今日までそういう資料が出ておれば、それを委員長のほうで一つお配り願いたいと思いますし、又出ていないということなら、もつと今木村委員のほうが挙げている資料がはつきり出てからお尋ねしたり、又意見を言わなければ、ただ先ほどの答弁だけ聞いておりましたのでは、余り簡単過ぎてつかまえどころがないと思うのです。例えば病院経営の実態なんかにつきましても、昭和二十五年の大分県と宮崎県とはあの数字では赤字になつておる、その後好転しておると思いますということでは、これは何をつかまえて審議していいかわからんということになりますから、先ずその資料をどうするかということを委員長のほうではつきりきめて頂きたいと思います。
  60. 高田浩運

    政府委員(高田浩運君) 木村委員から御質問がありましたので、念のために申上げておきます。おつしやつたように、いわゆる診療所には四十八時間を超えて患者を置いてはいけないという規定が医療法にあつたわけであります。これは猶予期間がありまして、猶予期間の切れ目にたるに従つてお話よう地方としては非常にやかましい問題になつたわけであります。その辺につきましては、いろいろ地方公共団体側におきましても、或いは一般の私立の病院におきましても、これがために整理云々の問題が出たことも、我々は十分承知いたしております。この点は改正になりまして、当分の間四十八時間を超えて患者を収容してはならないという規定は適用しないということになつておりますので、さよう御了承願います。
  61. 木村禧八郎

    木村禧八郎君 その点は、当時それで各市町村が非常に慌てたのですよ、これは改正になつたか知りませんが……。そこで今の御答弁は、公立病院医療適用基準に皆合致していると、それだから合致しているというのですか。
  62. 高田浩運

    政府委員(高田浩運君) 医療法の規定に抵触いたします病院をそのまま病院として運営するということは、これは法律的に言つて困ることでございまして、そのために医療監視等を行いまして、そういつた困る病院は場合によつては閉鎖をする、或いは停止をするという措置を講じておるわけでございまして、それにつきましては、私たちが中央から出向いて一々廻るわけには行きませんので、府県の協力を得てやつておるわけでありますが、その府県の責任者として十分その辺のところは視察をしまして、現在開いて、即ち病院として運営をいたしておるというその現状については、これは府県のそういつた状況というものを信頼するよりほか私らとしてはないわけでありますので、従いまして、現在開いております病院につきましては、医療法の規定に合致をしておると、かよう考えておるわけであります。
  63. 梅津錦一

    委員長梅津錦一君) 只今の木村委員並びに江田委員から資料要求がございましたので、その件に関しましては、厚生当局において早急に資料を取りまとめて、大蔵、厚生委母全員に御配付願いたいと思います。以上要求しておきます。
  64. 岡田宗司

    ○岡田宗司君 大蔵大臣がお見えになつておりますので、一点だけ大蔵大臣にお伺いして、あと厚生委員会において吉武厚生大臣にお伺いすることにいたしますが、この法律案が本議会において成立をいたしたといたしましても、今までのいろいろな関係から見ますというと、政府の予想しておりましたように六十五の病院地方移譲されるとは思いません。恐らく本年度内において実現されるものは蓼々たるものであろうと思う。そういう場合に、一体二十七年度予算として九ヵ月間お組みになつて、これがその本年の予算として組みました通りに行かなくなると、その際に大蔵大臣はこの予算についてどういうふうにお考えになるか。その後の予算につきましては、補正予算等をお出しになるつもりなのか。又、同じような場合でございますが、この法律案が成立しない、こういう場合が考えられるのでありますが、そういたしました場合に、その予算措置はやはり補正予算等で講じられるのかどうか、その点だけを一点お伺いしておきたい。
  65. 池田勇人

    国務大臣池田勇人君) 皆仮定の問題でございまするから、そういうことが起つたときに適当な措置をとりたいと思います。具体的に申上げますると、九十九の中で六十が本年中に売払いできると、こう考えてはいないのであります。又、本案が今国会で不成立になるとも考えておらない。いろいろなその場合が起きたときに善処いたしたいと考えております。
  66. 岡田宗司

    ○岡田宗司君 今の大蔵大臣お話ですと、六十は予定しておるけれども、それが全部本年中に片付くとは思わないと、それでは一体幾つ片付くというふうに予算上お考えになつておるか、それを一つ伺いたい。
  67. 池田勇人

    国務大臣池田勇人君) 私は幾つとは初めから想像しておりません。売れるだけ売ると、こういう考えでございます。強制をいたさないのでございますから、なんぼなんぼと予定をするわけには行きません。従いまして、問題は、今国立病院におりまする職員のかたがたの給与、それから六億四千万円の整理の分け方の問題だと思います。この点につきましては、主計局長からお答えいたします。
  68. 河野一之

    政府委員(河野一之君) 国立病院の今年度の予算につきましては、御折摘の通り九ヵ月の予算を組んでおります。当時の考え方といたしましては、九十幾つのうち、大体先ほど厚生大臣が言われましたように、センターとして残すべきものを除いて、希望その他を入れまして、大体六十程度のものが売払いになるのではないかと、こう予定いたしたわけであります。勿論、これは強いたすものではございませんから、現実に当りまして予算とは違つた事態が起つて来るかも知れません。六十以上になる場合があるかも知れませんし、或いは以下になる場合もあるかも知れません。その場合におきましては、大蔵大臣が言われましたように、その事態の如何によりまして適当に善処しなければならんと存じております。
  69. 岡田宗司

    ○岡田宗司君 誠に要領を得ないお答えでございます。先ほど厚生省の計画では、とにかく六十売るという目安だと、そうすればその目安の上に予算を組まれておるので、不特定な数の上に予算を組まれておるのではないと思います。少くとも予算が組まれる場合におきましては、これは一応或る数を仮定いたしまして、人体において実行できるという、そういう仮定をして、その上で組まれたものだと思います。ところが、大蔵大臣のお答えですというと、さつぱりはつきりしておりません。何のためにそれでは数を出して予算をお組みになつたのか、これは重大な問題だと思うのでございまするが、そういたしますと、これは吉武厚生大臣にお伺いしなければならん。一体吉武厚生大臣がこの計画を立てて、そうしてこれを実行しようというには、それに相当する予算というものを大蔵省に御要求になつて、その上で大蔵省と話合いの上できめられたものだと思う。それでは、厚生省から大蔵省にその予算の問題についてお出しになつたときに、一体どういう態度をおとりになつてつたか、それを厚生大臣にお伺いしたい。
  70. 吉武恵市

    国務大臣吉武惠市君) これは先ほども申しましたごとく、厚生省といたしましては国立病院のうちセンターとして残すべきもの、及び結核療養所として残すべきものを除きまして、六十を一応予定して移譲の計画を立てておるのであります。ただ併しこれは強制をいたしませんから、或いは六十まるまる行かないかも知れません。そのときにはどういう処置を講ずるかということは、先ほど大蔵大臣が答えた通りでございます。
  71. 岡田宗司

    ○岡田宗司君 そういたしますと、もう一点吉武厚生大臣にお伺いいたしたい。当初予算を組まれるときには大体六十を予定した、併し六十まるまる行かんかも知れんということも想像されておつた。その予算がきまりましたのは三月の末であります。今日は七月の末で四ヵ月です。その間における推移からいたしまして厚生大臣は本年度中に幾つ移管ができるかということについての人体の見通しというものが持たれたのか、この四ヵ月間において一体この六十の移管はできるものかできないものか、或いはどの程度できるものか、現地における厚生大臣の見通しについてお伺いしたい。
  72. 吉武恵市

    国務大臣吉武惠市君) 私ども当初予算を立てまするときは六十までは行くものと予定をいたしておりました。その後大分ほうぼうに反対の意向もございまして、この調子では六十まるまる行く見通しはなかなかむずかしうございましよう。併しながら相当今後の努力によつて私は実現をするであろう。ただどの程度まで実現をするかということはちよつと私どもには今のところ見通しがつきかねます。
  73. 岡田宗司

    ○岡田宗司君 少しも強制しない。こう答えておいて、今度は六十まるまる行きそうもないからこれから努力をする、努力とは一体どういうことを意味するのか。これは強制を意味するのかどうか、一つお伺いしたい。
  74. 吉武恵市

    国務大臣吉武惠市君) 強制はいたしません。趣旨をよく説明するつもりでおります。
  75. 岡田宗司

    ○岡田宗司君 趣旨をよく説明されてどの程度まで納得させられるか、まさかこの四ヵ月間の間、ただ反対だけ聞いて、到底行きそうもないということではなくて、或いは内々に府県に御努力なつたものと私は想像しておる。その御努力なつた結果の大体の見通しというものをお聞かせ願いたい。若しその間に今言われた意味の御努力をなされておらなかつたとしたならば、あなたはこの法案の立案に対してさつぱり忠実でないということになるのでありますから、この四ヵ月間におけるあなたの御努力がどの程度の見通しを持てるようなつたか。これは大臣としてやはり政治上責任のある問題としてお答え願いたい。
  76. 吉武恵市

    国務大臣吉武惠市君) 当初大分誤解があつたようであります。どういう方面から反対の運動がなされたか存じませんが、相当反対の向きがありましたが、そういうかたがたによくこの趣旨説明いたしますと、それじやもう一度考えて見ようと言われるところも相当ございます。目下のところ幾つ幾つとまでは言えませんが、相当譲つてもらおうという意向を述べられるところもございます。六十まるまるは私は困難だと思いますが、相当の数には行くと思います。ただこの法案がここにかかつてずつと審議されておりまするので、はつきりした条件がわからない。そのために地方におきましてもどうなるのだろうかという気迷いの気運もございますので、できるだけ一つ早く御審議を頂きまして努力をいたしたいと思います。
  77. 岡田宗司

    ○岡田宗司君 今のお話ですと、まあ御努力をされたようですが、その御努力の結果、反対論も納得をした、そうして譲受けてもいいというものが出て来たと、こういうお話であります。そういたしますと、大体或る程度の話はあなたのほうでおわかりになつておる。私どももこの法案を審議して行きます上に六十まるまる行くと思わない。それでは一体政府はどれくらいそれを今年中に実現しようとしておるのか、又我々としてもどことどことどこがそういう意向を持つておるかということをやはり知つておかなければこの審議はできない。そこまであなたが御努力されて或る程度意向を確かめられたならば、それはどことどことどこであるかということを、大体これはほかに関係がありましたら速記をとめてよろしうございます、どうか一つお答えを願いたい。具体的にどことどことどこということをお答えを願いたい。
  78. 吉武恵市

    国務大臣吉武惠市君) まだ法案が決定いたしておりませんので、どことどこは引受けるといつてきまつたところはございません。ただ引受けようという意向を漏らしておられる向きが相当あるという程度でございます。
  79. 岡田宗司

    ○岡田宗司君 その引受けようという意向を漏らしておられるところも私どもとして法案審議の参考にしなければたらない。あなたのほうでもこれを医療行政上の参考にされるように、我々も法律案審議の参考にしなければならんのであります。その点を一つお明かし願いたいと思います。
  80. 吉武恵市

    国務大臣吉武惠市君) まだどこと確定のところまで行つておりませんので、折衝中でありまするから、ちよつとどことどこということは申上げかねます。
  81. 岡田宗司

    ○岡田宗司君 先ほどのお話と大分違うようです。先ほどのお話では、大体引受けるように意向を漏らしたというようお話なんです。今は、折衝中であつてどことどこと申上げられません。これでは私どもは先ほど厚生大臣の言われたことを基礎として、相当この法案が、この医療国立病院の移管というものが実現性があるんだなということの推定さえ困難です。ですから、この点をもう少し明らかにして頂かなければ、我々はこれに対しましてどうも審議上非常に不便を感じます。あなたのほうで審議を急いでくれと言われるけれども、審議を急ぐに必要な材料をあなたのほうで御提供にならないで、ただ急げ急げと言われたつてどものほうでは困る。具体的にどことどこが折衝中で、どの程度の折衝が行われておるかということを一つ御発表願いたい。
  82. 吉武恵市

    国務大臣吉武惠市君) まだ実は具体的に申上げまするというと、いろいろ問題がある点がございまするのでちよつと差控えて頂きたい。と申しまするのは、県が引受けたり市が引受けたいというように、いろいろ競争になつているところもございますので、今どことどことなかなか言い切れないところがございます。ただ私ども先ほど申上げましたのは、見込として相当出て来るであろうということでございます。
  83. 岡田宗司

    ○岡田宗司君 県が引受けたい、市が引受けたい、或いはA県が引受けたい、A県の中におけるB市が引受けたいという場合には、恐らくA県が引受けたいということをB市が知らんわけでもないし、又B市が引受けたいという場合にA県の当局者が知らんわけはない、そういたしますと、どことどことどこの県、どことどことどこの市が引受けたい、こういう意向があるので今折衝中であるというくらいは、これははつきりさしたところで別に差支えはないだろうと思います。これは恐らく地元においては知れておることだから、まさかこれが極祕裡に折衝されておるのではないと思いますので、その点を一つ明らかにしておいて頂きたいと思います。
  84. 吉武恵市

    国務大臣吉武惠市君) その点は向うさんのいろいろな事情がございまして、私どもといたしましてはちよつとまだ今のところは発表いたしかねます。
  85. 岡田宗司

    ○岡田宗司君 向うさんの事情と言うけれども政府にそういう話をする知事か或いは県の当局者、市長或いは市の当局者が、これは議会で以て発表してもらつちや困るというようなことを言つでおるとは私どもは思えないのであります。今までほかのいろいろな払下の問題を見るというと、みんな大つぴらに運動しております。これから見て、病院だけこそこそどこにも知られないようなそんな折衝をしておるはずはないと思う。ですからあなたのほうでもつとこういう点についてはざつくばらんに話さなければ僕らのほうもどうもざつくばらんに話を進めることができない。そういうことになりますから、その点はもう少しざつくはらんに一覧表でもお作りになつて、この市からこういうような話があるけれども、この点が問題になつて引つかかつておるのだということを、これは委員会のほうでは十分我々に納得の行くようお話しになつて然るべきだと思うのですがその点はどうですか。
  86. 吉武恵市

    国務大臣吉武惠市君) まだ法律によつて条件がはつきりいたしませんので申上げかねます。
  87. 岡田宗司

    ○岡田宗司君 それでは具体的に我々が審議することができない。ただ法律の文面だけ審議しろ、こういうことでその実態はお前のほうに教えない、勝手に審議しろと、こういうことでございますか。
  88. 吉武恵市

    国務大臣吉武惠市君) 今回の国立病院移管はあらかじめ具体的に決定して法律を提案しておるわけではございません。方針を決定いたしまして、法律が通過いたしますれば、それに基いて移譲をするという建前に立つております。
  89. 岡田宗司

    ○岡田宗司君 それならば折衝などあるはずはない。ところがちやんと折衝して努力しておる。大体こういうところはすでに引受けてくれそうだということももうわかつておるというお話があつたから私は聞くので、そうでなければそういうことを聞かない。あなたのほうでそういうことをおつしやるから聞くので、そうすればあなたのはうでお答えにならなければならない責任があると思う。この法律の最も主眼をなす点をぼやかして何を審議しろとおつしやるのですか。
  90. 吉武恵市

    国務大臣吉武惠市君) 法律が決定いたしません前でありまするから、正式に折衝いたしたのではございません。大体聞きに来られますから説明をしておる程度であります。
  91. 岡田宗司

    ○岡田宗司君 そういたしますと、折衝ではなくてただ聞きに来られたから説明した。随分大臣も格が下つたもんで、これじやまるで一事務官、一係長程度のお答えとしか私どもには思えません。少くともこの医療国策としてこれを御遂行になるというさつきの木村委員に対するお答えから見ますと、甚だ頼りないお答えとしか私には聞えないのでありますが、大臣はその程度しか向うとの御折衝をなさつておらんのですか。もう一遍重ねてお答え願います。
  92. 吉武恵市

    国務大臣吉武惠市君) 法律が通過いたしません前のことでございますから、その程度しかいたしておりません。
  93. 岡田宗司

    ○岡田宗司君 大分先ほどのお答えと違うようになつて参りました。それでただ何でもかんでもお答えにならないということのようでございますので、私は今はここでとめておきますが、なお厚生委員会におきまして十分にその点についてお問い質しをいたしたいと思います。
  94. 山下義信

    山下義信君 議事進行について。私は成るべく言うまいと思うのですが、これは一つ確かめておかなければならん。今岡田君と厚生大臣質疑応答で、どれだけ希望者があるかということを知りたい、こういうことですが、それでいろいろ希望者があるように、これはこの前の連合委員会でも同じことを繰返されたのですが、景気のよさそうなことを言うかと思うと、余り希望者のないようなことを言われるし、希望者がないのかというと景気のいいようなことを言つてわからんものですから、その点いろいろ質疑応答があつたのですが、今日もやはり同じことで、これはこういうことでなしに、何も秘密事項じやないのですから内緒にして伏せておかなければならんということじやない。これは内緒にして極秘のうちにしなければ非常に弊害のあるということでもないし、オープンのことですから……それで売ることの割当のことがちやんときまつておる。こういうものが何か利権がついておつて秘密にせなければならんと言うのならこれはしようがない、丁度選挙の前ですから。(笑声)こういう何か言うに言われぬ事情があるのなら……恐らくそんなことはないでしようし、余り具体的な名前を挙げると、これは若し間違つ売れそうだと言つて、とうとう話がおじやんになつても工合が悪いというのであれば、誠にそれは稚気愛すべきもので、それなら話は別ですけれども、併しながらどの程度の希望者があるか、一ヵ月前のお話では、これは大蔵委員に紹介しておくのですが、今厚生委員会ではどうだつたということですからそのときには、正確には移譲はつきりしているのは二、三の府県である、それはどこかということは、これは周知のことです、こういうことであつた。ところがそれではこの節では済まんじやないか。この節では大分希望者が出て来て、移譲を願いたいという向きがだんだん現われて来たということを言つておる。ですから今のところ六十府県を予定の移譲が、およそどの程度くらいの今の段階では希望者が現われておるかというような大体の趨勢も言えないのかということです。だから一つ一つ言えと言つたらそれは言えんが、大体押えてみて十五ヵ所ぐらいは今話がある、或いは二十カ所ぐらいあるのかという、そういう程度まで行かないのかということははつきりしておかなければならん。ここで一言一句絶対に言えないというような秘密主義のように見えるのですが、大蔵委員諸君と厚生委員諸君との間にそういうふうに聞き方が違うといけないから、或る程度の大勢くらいは法案の審議上、それをとつてえらい揚足を取つたりはしませんから、どの程度の状況か、そういうことも言えるかどうかということを念を押しておきます。余り硬くならずに言つたらどうかと思います。
  95. 吉武恵市

    国務大臣吉武惠市君) 私は硬くなるわけではございませんので、まだ法律が通過しない前のことでして、正式に切り出していない。従つて大体どれだけという余り無責任な言葉を言いたくないので、多少硬いかも知れません。併し山下さんが大体御想像になつてお述べになつように私ども考えておりますけれども、これとても大体そういう今のところは空気だというところであつて、大体見込としてその点ははつきりしておるという意味で申上げかねまするので、その点は一つ御勘弁を願います。
  96. 山下義信

    山下義信君 だからやはり厚生大臣はちやんと知つておるのです。知らんのじやないが、余り秘密にしようというわけでもなかつた。やはり大蔵委員会の諸君に私はここで言つておかなければそれは不親切です。先般の小委員会においては、厚生省当局は大体二十ヵ所ぐらい今移譲ができそうだ、そういうような話がある、見込のある所が二十カ所ぐらいあると言つてつた厚生委員会の小委員会ではそういうことを言つて連合委員会で今質疑がその点てついてなかなか熱心な質疑があるのに、そういう程度まで全然明かさんというのでは、これは大蔵委員諸君に済まんと思う。厚生委員長もそこでぼんやり傍観していないで、そういう点をすぐ指摘して、我々が聞いたところを大蔵委員諸君に言わないと親切に欠けると思う。だから二十ヵ所ぐらいは今のところほぼ話があるということでありますから、大蔵委員諸君においてそれの内容をお聞きになりたければ一応参考に申上げておきります。
  97. 岡田宗司

    ○岡田宗司君 今山下君のほうから、三十カ所ぐらいあつた、こういうふうにお話が発表されたらしい。その点は事実ですか。その二十カ所というのは先ほど言うように、ただ聞きに来たものか、或いは相当折衝らしい折衝に入つたものか、その点、その程度のところを一つお漏らしを願いたい。
  98. 高田浩運

    政府委員(高田浩運君) 厚生委員会の話が出ましたので私からお答え申上げたいと思います。先日の厚生委員会の小委員会でございましたが、その節今までお話しのような推移をお答えをいたしたのでございますが、それにつきましては私どものほうで申上げましたのでございますが、所によりましてすでに府県会で、これは我々のほうから申込んだわけでも何でもありませんが、実質的に府県会等で決議をして希望を申入れておる所もありますし、それから自分のほうで引受けたいというので大がかりに活溌にやつておられる所もありますが、私どものほうとしましては、先ほど大臣から申上げましたように、何しろ条件がきまらなければ、これは正式に話をするわけにも行きませんし、それには法律できめてあるわけでございますので、それが審議中に私どものほうから府県に対してとやかく話合いを進めるということは、これは少し時期尚早である、かよう考えに立ちまして、向うからそういう話がありました場合にも、私どものほうとしてはわざと話を進めないような恰好でやつておるような、そういうふうに慎重にやつておるような状況でございます。併しまあいろいろあちこちから話なり何なりに漏れるところ、その他私たちのいろいろこの関係の事務をやつておりますこの仕事に関係した経験を持つております者の推測といたしまていろいろ見当をつけておるわけでございます。そういうことでまあざつと申上げたのでございまして、従いましてこれは決してその県の相当な人が申しておる意見はありますけれども、決してそれが最終的に県の意思を代表しておるとは私たちのほうでも考えていないわけでございますので、従いましてこういういわば角張つた席上で申上げるのは却つて軽卒であるというふうな考え方に基きましていわば少し硬くなつてつた次第でございます。そういう意味一つ御判断を頂きたいと思います。
  99. 岡田宗司

    ○岡田宗司君 とにかくこの法律案が通るか通らんかわからん、そうしてまだ内容も確定しておらん、そこでまあ具体的な話がまだできておらんので、いろいろ県会で決議したところもあるようだけれども、併し積極的には話が進んでおらん、こういうふうに伺つたわけであります。併しとにかくこれはたとえ政府のほうでは任意である、これは強制するものではないと言つても、すでに政府のはうでは六十カ所という大体個所をきめ、その上に予算の面におきましても、本来ならば、こういう法案が確定するまでは今まで通り予算を組んでおいてそうしてその間においてこの法律が通つて要らなくなつたならばあと予算は不要にする、こういうのが本当だろうと思うのでありますが、併しそうしないで以て九ヵ月分の予算しか組まなかつたというところが、これは大体六十がやれるという意味つたように思うのであります。そうして見ますと、それらのことから考えて見ると、政府の思惑と大分違つて来ておるというのがこの形勢であるし、今の二十というような話もまだ確定しておらん、これが法律案が通つたにいたしましてもなおまだその上で折衝して行くということになりますと、事実上九ヵ月予算ではどうにもならんという問題が起つて来る。これは先ほど仮定上の問題だから補正問題は答えられない、或いは又それはそのときになつたら考えるというような両大臣の御意見であつたけれども、そういうことが具体的にならなければやはり補正予算考えるより仕方がなくなるということは論理的に帰納できることだと思う。そういたしますと、政府としてはそういう場合においてそういうことをやらざるを得なくなるものとお考えになつておると、こう了承していいかどうか、両大臣どちらでも結構でございますから、今の点についてお答えを願いたい。
  100. 池田勇人

    国務大臣池田勇人君) 予算の組み方でいろいろの御意見でございます。予算は年分をとつておいてそうして法案を出して法案が通つたときに不要額を立てる、こういうふうな考え方は今までどの政府でもやつておりません。法案と予算というのは大体一体として第五十九部行くように、税法と予算との関係におきましてもそうなんでございます。いろいろな施策におきましては考え方予算に盛る、その考え方を法律案で出す、こういうのでございまするから、お話ではございまするけれども、今までと同様に私は考え方をきめ予算をきめて行く、こういうことが今後も続けられることと考えております。而して然らば予算を組んだ通りに法律案が発効しなつた、いろいろな点がありますときには、先ず第一予備金その他でそれをやる。情勢によりまして、ほかにもいろいろな点が出て来て予備金ではいかんという場合におきましては、補正予算考える。それは情勢の変化を見極めた後でないと軽々しく言えん問題であるのであります。幸い今年は従来にも増して予備金は三十億円とつております。前々年の六倍、前年の三倍もとつておりますので、私はこういう点をずつと考えまして事態に応じて善処いたしたいと思うのであります。
  101. 長島銀藏

    ○長島銀藏君 大分いろいろな御質問もございましたが、実はこの法案につきましては昨日の日曜もつぶしていろいろ研究しておりまするし、なお専門家が厚生委員会の中にも相当おられますことでございますから、大蔵委員会との合同委員会はこの程度で打切つて頂きましてあと厚生委員会のほうで一つ御審議を願うようにさせて頂きたいという動議を提出いたします。
  102. 木村禧八郎

    木村禧八郎君 只今妙な動議が厚生委員のほうから出されたが、私二回目なんです。一番最初質問したときに途中で打切りになりまして、それで二回目。資料が今日もう出ておればそれでいいのです。下條委員も前に資料を要求しておりました。併しこの資料が出て来ないでどうして審議できるか。それから只今厚生委員会には専門家がいるんだから大蔵委員はもうそれでいいじやないか、こういう御意見ようであります。併しながらこの問題は成るほど厚生という面と重大な関係がありまして、厚生委員の方の専門的な御検討を経なきやなりませんが、同時にこれは単なる国営の医療機関移譲するという問題じやなく、社会保障との関連がありまして、社会保障との関連ではやはり予算的な、或いは資金的な、資金といえば地方債というもの、金融的な、そういうものと密接な関係があるわけです。ですからこれはどうしても二つの面から検討しなければならんと思います。やはり厚生委員のかたがたの御専門的な点、それと社会保障費或いはそれに関連するいろいろ金融的措置地方財政、こういう面との二面からこれは検討して行かなければならんのであつて、単なる技術的、厚生施設的面のみからこれは検討すべきじやないと思うのです。そういう意味で両々相待つてこれは完璧な審議になると、私はそう思います。決して我々は厚生委員の方の御専門的知識を軽視するわけじやないのです。我々も十分その御審議は傾聴いたすのでございますが、そのほうは又我々御一任してもよろしいのであります。併しながらどうしてもこれは両面からこれは検討して行かなければならんのです。その財政面のほうの審議が不十分であります。これはどうしても資料を出して頂きまして、そうして財政面から見た或いは予算面から見たそれは日本の社会保障というのは世界的水準から比べたらお話にならないのです。実に低調を極めておると思うのです、全体的の施策から。それは多少予算が殖えたといつても、国際的な面から見るとお話にならないくらいなんです。そういうやはり予算的裏付がなければ、如何に技術的に厚生的な或いは社会医療的な制度とか施設どか構想がまとまつても私は意味がないと思う。そういう意味でどうしても資料を出して頂いて、そうしてこれはそんなに急がなければならん問題でもないようです、只今。厚生大臣のお考えを伺いましても、六十のうち最初は二つか三つくらいであつてあと二十ぐらいは最近では希望というよりむしろ話を聞きに来る程度だ、こんな重大な問題について。或いは趣旨を徹底すれば賛成したのが逆に反対に廻るかも知れません、本当の真意がわかれば。我々もこれはその趣旨を徹底するよう努力します。厚生大臣努力しましようが、我々も本当はこういうところにある。厚生大臣厚生大臣の立場から又お話するでしよう。我々は社会保障的なものを政府が節約して行くんだ、こういう形で、そうしてそういう余剰を不生産的な支出のほうに向けようとしておる一環であるということをよく筋道を立てて徹底しなければならん、そういう義務がある。そういう面からも、或いは予算面からも、或いは大蔵委員としてもそういう義務がございますので、どうぞこの審議を早く打切らないよう厚生委員のかたがたに一つお願いしたいと思うのです。なぜそんなに早くやらなければならんかというどうしても積極的な根拠は私はないと思うのです。で、どうしてもこれを検討して成るほどそうであるということになれば我々も決して賛成するにやぶさかではないのです。又賛成するかしないかについて審議が私は決して十分であると言えないと思います。そこでどうぞ只今の動議はございましたけれども、私はまだもう少し資料を出して頂いて検討して、その後において打切られるならば決して私は異存はございません。委員長においてはそういう措置を是非とつて頂きたいと思います。又厚生委員のがたがたにもこの点御了承を得たいと思うのです。
  103. 江田三郎

    ○江田三郎君 今木村委員が言われた通りでして、例えば先ほど私もちよつと申しましたが、地方の公立病院の収支の実態調査が昭和二十五年の分で大分県と宮崎県と二つだけ出されて、それは赤字になつておる、その後はうまく行つているだろうと思いますというような、そういうことでこれを根本をきめられたら、その後必ず又赤字が出て、赤字が出るか何が出るか知らんが、すぐ地方財政へ出て来るか、或いは国の費用へ出て来るか、何か問題が出て来るわけなんですよ、そういう点の見通しなしにあつさりやるということは、これはちよつと乱暴だと思うのでして、現に地方の公立病院の整備についてもいろいろ起債の問題が出ておるわけです。そういうことも先ほどの御答弁だけではどの程度整備をするのに金が要るかということもわからないんです。そういうようなことが或いは国の予算へ出て来たり、起債へ現われて来なければ、社会保障の制度の低下になつて、勤労大衆に対する大きな負担の増加になつて現われて来るわけなんですから、そういう点が木村さんの言われるように、もつとはつきりとした資料が出て来ないと、先ほどの政府委員答弁だけでは審議のしようがないと思うのですよ。厚生委員の人は専門家がお揃いですけれども、ただ厚生のほうの専門家だけではちよつと困るのでして、すぐにこれは地方財政へ出て来るかどこかへ出て来るか、しわ寄せがすぐ財政面へ出て来るのです。そういう点はもつと慎重にやつて行きたいと思います。少くとも先ほど委員長が言われました資料の作成を政府委員のほうへ命じておるわけですから、これが出て来て、それだけは一遍見せて頂かないと我々としても意見の言い方がないと思いますから、そういう工合に一つお願いしたいと思います。
  104. 山田佐一

    ○山田佐一君 誠に大蔵委員のおつしやることも御尤もと思いまするけれども、会期も何回も延長されましてもはや終期も近付いて来ておる際でありまするから、大体当局も早く資料を出して頂きたいと思います。そうして厚生委員といたしましては厚生委員に付託された責任がありまするから、成るべくこの会期中に法案をいずれにいたしましても決定いたしたいと思います。大体合同審議を申込まれたのは大蔵のほうからだと思いまするが、大蔵委員長も御欠席になつておるようであります。この辺も大体御審査を御請求になつたおかたのほうからも是非早くこれを上げて頂きたいということと、当局も資料はいつ出ますか、大体これが出なきや合同審査が打切ができなければ、余り厚生委員会だけで決定するということもどうかと思いまするので、その辺の見通しを承わつて成るべく審議を進めて頂きたいと思います。当局の見通しを承わりたいと思います。(「資料が明日出れば明後日やりますよ」と呼ぶ者あり)それからまだ私ちよつと何でしたが、今承わりますと、今日きまらないと明日は六十日で法案が衆議院の決定通りになるのではないか、その辺のところもよく御審議を願いたいと思います。(「そんなことはない」と呼ぶ者あり)
  105. 高田浩運

    政府委員(高田浩運君) 資料につきましては、先ほど卒然として非常に広汎な資料の要求がございまして、私のほうで手許にないやつもありますのですが、手許にあります分につきましては明朝までに提出をいたしたいと思います。
  106. 山下義信

    山下義信君 議事進行について。今長島君から御意見もあり、山田君からも御意見があつたのですが、これは先刻木村委員から御発言があつて、そして資料の要求があつて、そしてその資料が提出されてそれによつて自分は質疑をする、ということの権利を保留せられて、委員長において善処せられたいということが述べられた。そうして委員長はそのことを政府にその席で通告をせられた。そのことに関してはここに出席した委員は何びとも異議を唱えなかつたということは、木村委員の発言が承認せられたということ、これは議事のルールです。議事のこれはもう当然なルールですよ。若しそのときに異議があるならば、そういうことをしておれば時間がどうとかこうとかと審議上意見があるならばそのときに発言すべきであつて、資料の提出を待つて本員は質疑をするんだと言つてその質疑権を保留せられた。満場誰も異議がなくてそのことが取計らわれた以上は、これは議事のルールで決定せられたことである。いやしくも議員の質疑権、而も資料の提出を政府に要求することはこれは当然の国会の権利として承認せられておることなんです。それを蹂躙して、資料の提出を待たないでこれを打切るというようなことはできませんし、木村君の質疑が留保せられたその権利を無視するということは、もう本委員会においてあの発言が承認せられて何びともそのときに異議がなくて、その後地の議事が進行しておるんでありますから、私どもは議事の当然のルールとして木村君の質問の提出を待つて、ですからこれは委員長において善処せられて、率直に言えば与党のほうでもそういう御希望があるなら、その資料等についてどう取計らうか、これは委員会以外に又御折衝に相成つて、一応当面としてはあの木村君の発言をそのまま異議なくて承認しておいてここへ至つてそれを無視するということはできないことは極めて明白でありますから、委員長善処せられたい。
  107. 江田三郎

    ○江田三郎君 議事進行について。今こういうお話が出たのですけれども、これは山田さんは、そうはおつしやつていない。山田さんのほうは、政府当局のほうも早く出せ、こう言つておるのですから、政府当局のほうも揃えるものは明日でも出すというのですから、明日出してもらつて、それを我々に一遍見さしてもらいたいと思うのです。揃わんものもあるというのだけれども、少くとも木村さんが言われた大事なものだけは揃うはずなんでして、大事な資料がないというようなことはこれは当局としてあり得ないことなんですから、基本的なものは揃うと思うのです。それだけやはり見せてもらわんと我々もどうも意見の言いようがないのです。山田さん、一つそういう工合に議事進行の神様頼みますよ。
  108. 山田佐一

    ○山田佐一君 暫時休憩して懇談いたしたいと思いますが、(「散会願いたい」と呼ぶ者あり)散会後でなしに、今のこの話を、むずかしく言つておるというとできませんから、速記をとめておいて胸襟を開いて懇談をいたして見たいと思います。(「それでいいじやないか」と呼ぶ者あり)じや速記だけとめて下さい。
  109. 梅津錦一

    委員長梅津錦一君) 速記をとめて下さい。    午後四時二十九分速記中止    —————・—————    午後四時四十六分速記開始
  110. 梅津錦一

    委員長梅津錦一君) 速記を始めて。本日はこれにて連合委員会を散会いたしたいと思いますが、御異議ございませんか。
  111. 山田佐一

    ○山田佐一君 合同審査打切りですか。それでは委員長に承わりますが、大蔵委員長から厚生委員長に対して打切つてくれというような工合に申入れたというように聞いておりますが、その辺の事情をもう一遍委員長からおつしやつて頂きたい。
  112. 梅津錦一

    委員長梅津錦一君) 大蔵委員長と私との関係は、この席上で申上げる必要もないと思つておりますが、重ねて大蔵委員長に念のために先ほど申入れたことは、今日の委員会の結果を報告いたしまして、お聞きして態度を決定したいと思います。こういうふうに運びたいと考えております。
  113. 山田佐一

    ○山田佐一君 私の聞いたのは、大蔵委員長は大蔵委員長として厚生委員長に申入れたように承わつておりまするが、御両者の内緒話であつたのでありますか、どうですか。その辺一遍承わりたいと思います。
  114. 梅津錦一

    委員長梅津錦一君) 私は本日の委員会が、事情が非常に異なつて、最初に考えておつたのと異なつておりますので、そのことをよく大蔵委員長に伝えて、なお且つ大蔵委員長が御主張なさるなら、大蔵委員長の意見を私は入れたいと、こう考えております。
  115. 山田佐一

    ○山田佐一君 御主張ということは何の主張ですか。大蔵委員長の主張したことを一遍おつしやつて頂きたい。
  116. 木村禧八郎

    木村禧八郎君 私午前中大蔵委員会があつたのです。委員長が今日は午後一時から連合委員会があるから、是非今日は出席されたいと、こういうので委員長は今日は打切るということは、何ら委員に諮つておりません、大蔵委員会におきましても……。ですから若し大蔵委員長から何らかお話があるとすれば、全然個人的な御意見であると思うので、大蔵委員会としては何ら今日諮つておりませんから、その点一つ御了承願いたいと思います。
  117. 江田三郎

    ○江田三郎君 関連してですね。仮に大蔵委員長がどういうようなことを今おつしやられたかも知りませんが、少くとも六億四千万円の概算の基礎が説明できんというようなことを聞かれたら、大蔵委員全員と大蔵委員長を含めてこれでは困るということに必ずなりますよ。そういうことで山田さん、ちよつとこちらがだらしがないから大分事情が変つて来ますよ。
  118. 山田佐一

    ○山田佐一君 そのだらしがないとか何とかいうことは大蔵当局でないかということを先刻私が申上げたので、だらしがないということを私は慫慂しているわけではない。ただ円満に行きたいということと、成るべくそうしたいというつもりで私は申上げているので、私の聞いた範囲内では大蔵委員長は当該主管委員長たる厚生委員長に申入れたというように聞いておつたから、厚生委員長に承わりました。ところがそれは大蔵委員長ではなしに、ただ個人の平沼君からのお話であつたのだというふうにおつしやつてみえるし、当該の平沼君がおらんのですから私は喧嘩になりません。私知つておりませんから……。ただそれを承わつただけで、若し公的にそういうことであつたらやはり公平に何とかして頂きたい、これだけであります。
  119. 梅津錦一

    委員長梅津錦一君) 山田さんの只今おつしやつたことだけで私は御答弁申上げられないわけでありますから、大蔵委員長に確かめてそうして重ねて御相談申上げる、こういうふうに考えております。
  120. 岡田宗司

    ○岡田宗司君 只今山田さんからお話もありまして、これは大蔵委員長がいない以上、それは今の山田さんのお話も私どもはつきりわかりません。従つて明朝これは梅津委員長と平沼大蔵委員長とお会いになつた上でそこで話合いの上又大蔵委員の諸君のほうからもまだ質疑が残つているようですから、極めて早くその質疑がすめるような方法をお計らいになつて頂くようにして頂きたい、そういうことを我々は申上げて今日は散会したいと、こう思います。
  121. 梅津錦一

    委員長梅津錦一君) 岡田さんのおつしやる通り可及的速かに解決するよう万全の努力をいたしたいと、こう考えております。本日はこれにて散会いたします。    午後四時五十二分散会