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1952-06-04 第13回国会 参議院 建設委員会 第48号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十七年六月四日(水曜日)    午前十一時四分開会   —————————————  出席者は左の通り。    委員長     廣瀬與兵衞君    理事            赤木 正雄君            田中  一君    委員            石川 榮一君            深水 六郎君            徳川 宗敬君            前田  穰君            三輪 貞治君            松浦 定義君            東   隆君   政府委員    建設省管理局長 澁江 操一君   事務局側    常任委員会専門    員       菊池 璋三君    常任委員会専門    員       武井  篤君   説明員    建設省管理局建    設業課長    水野  岑君   —————————————   本日の会議に付した事件 ○伊東国際観光温泉文化都市建設法の  一部を改正する法律案衆議院送  付) ○公共工事前払金保証事業に関する  法律案内閣送付)   —————————————
  2. 廣瀬與兵衞

    委員長廣瀬與兵衞君) 只今から建設委員会開会いたします。
  3. 田中一

    田中一君 法案審議に先だつて先般当委員会から大多数の意見として人事委員会に申入れた、例の公務員法の一部改正で、進駐軍労務者に関する公務員法の一部改正法案、これについては昨日人事委員会で採決いたしまして、我々のほうの修正意見が否決されましたので御報告します。でこれに対する理由はですね、大体こちらから提案したところの修正案に同調したいのが事実です。それを進駐軍の組合が近々或る所でストライキを起すのです。それを起すために、これはあえて速記録に残すために言いたいのですが、不満足だけれども、あの身分をはつきりしてもらわんと自分のほうでストライキをやりにくい。従つてこれを不満足ながらこのまま通してもらいたいという意見が左派の木下さんから出まして、それで大多数の賛成者な以て可決せられました。我々の意見が否決せられて、原案が可決されたわけです。以上御報告します。   —————————————
  4. 廣瀬與兵衞

    委員長廣瀬與兵衞君) それでは伊東国際観光温泉文化都市建設法の一部を改正する法律案議題に供します。本案について御質疑のおありのかたは順次御発言を願います。
  5. 田中一

    田中一君 昨日国会法間違つているか、間違つていないか存じませんけれども、一応連合委員会考えて欲しいという申入を委員長まで申上げたに対して、ほかの委員会とはどういう御連絡をとられたか。
  6. 廣瀬與兵衞

    委員長廣瀬與兵衞君) 速記をとめて。    〔速記中止
  7. 廣瀬與兵衞

    委員長廣瀬與兵衞君) 速記をつけて。  それでは本件につきましては、連合委員会は今後の状況に待つて善処したい、こういうことでお願いしたいと思います。
  8. 田中一

    田中一君 更に私から提案しますけれども衆議院においては政府委員鉱山局長答弁の中に数字の大きな間違いがあつたということを聞いているのです。で、その数字訂正方建設委員長まで申出があつたけれども、私の、この社会党の右のほうに対しても同じように修正してくれぬかという申出があつたのです。これは私のほうとしては断りました。従つて衆議院委員会では満場一致で可決されたものが未だにこちらに回付されない、本会議に上程されないということは、今申した通り、本会議修正をしようというような過程にあるのじやないかと思うのです。従いまして、その結果がわかつてからこちらのほうは審議をしたい、かように考えます。よつて今日の委員会は、この伊東市の委員会一つこの程度にしておいて頂きたいと、こう考えます。
  9. 廣瀬與兵衞

    委員長廣瀬與兵衞君) 皆さんにお諮りいたしますが、田中さんの御意見でよろしうございますか。
  10. 石川榮一

    石川榮一君 一応田中さんの意見は筋が通つていると思いますが、会期もだんだん切迫して参るのと、議員提出として成るべく今国会で通したいという提案者の熱望があると思いますので、できますことでしたらば、それに触れる問題は後廻しにいたしましても、その他の問題について御質疑を続行になりまして、そうして議員立法としての提案者気持を汲み取つて頂きたいと思います。
  11. 田中一

    田中一君 石川委員のお説御尤もで、私もその線でこの審議を早くして、早く結論を出しまして、伊東市のかたがたを安心させようという考え方にほかならないのであります。ただ徒らに、衆議院結論を修正しようという意見に現在あるのに、私が昨日提案したように、四つの委員会で揉み合つても、却つて審議の時間をとるばかりであります。一応衆議院では相当慎重に審議したと思いますが、その結論が出てから衆議院の本会議でこれが可決されましてからやつたほうが、今石川委員のおつしやるような会期も迫つておりますから、法案を成るべく早く上げるということの趣旨に副うわけなんであります。従いまして、今も懇談のうちに提案者に対しても私の考え方を申上げまして、御了承を得ておりますかち、全く石川委員のお説に副うように、延期したらどうかという考え方なんであります。
  12. 石川榮一

    石川榮一君 田中委員のお気持よくわかります。お話を伺いますと、この審議を促進するための方法として、衆議院修正等も予想されるという状況下に立つているから、その結論衆議院から出ましたら直ちにこの法案の促進を図り、そうして成るべく本国会提案者の希望するようなふうにやつて頂くという御方針であるならば、私は賛成であります。
  13. 廣瀬與兵衞

    委員長廣瀬與兵衞君) それでは御異議ないようでありますから、さよう決定をいたします。
  14. 石川榮一

    石川榮一君 有難うございました。   —————————————
  15. 廣瀬與兵衞

    委員長廣瀬與兵衞君) 次に公共工事前払金保証事業に関する法律案議題に供します。この法案について御質疑のおありのかたは順次御発言を願います。なお、建設省から水野建設業課長が見えております。
  16. 田中一

    田中一君 ちよつと、この委員会関係する法案が本会議に上程されておりますから、五分間ばかり休憩して頂けませんか。
  17. 廣瀬與兵衞

    委員長廣瀬與兵衞君) 田中君の御発言如何ですか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  18. 廣瀬與兵衞

    委員長廣瀬與兵衞君) それじや十分間休憩いたします。    午前十一時十九分休憩    ——————————    午前十一時四十三分開会
  19. 廣瀬與兵衞

    委員長廣瀬與兵衞君) それではこれから開会いたします。
  20. 田中一

    田中一君 管理局長に伺いたいのでありますが、先般ここで証人を、関係者お呼び願つていろいろ話を伺つたので、大体わかつたような気がするのでありますが、この法律を出さなければならないということと、それから予算決算及び会計令臨時特例でこの法律を出さなくても済むような考え方はとれなかつたものでしようか。
  21. 澁江操一

    政府委員澁江操一君) お話の点は結局前渡金というものの出し方につきまして、無条件に出すかどうかということと、こういうふうな保証を前提として出す途を講ずるかという問題になつて来ると思うのでございますが、当時大蔵省といろいろ協議をいたしておりましたのでございますが、やはり前渡金制度については発注官側の危険というものを何としてもこれは保証する建前をとりませんと、国の予算的な支出をするという部面におきましても、やはりそこに若干の不安があるということでございまして、それらの利点を参酌いたしまして、まあこういう保証制度の下に前渡金を出す。それによりましても、現状からいたしますれば、相当の改善であるという観点に立ちまして、この制度を取入れることにいたしたのであります。
  22. 田中一

    田中一君 現在この予算決算及び会計令臨時特例によつて建設省が出しているものは、三の項の災害復旧費という項と、それから四の重要資源開発条項とありますが、これは三、四の条項に該当するもので、昨年中に前払いした例がございますか。
  23. 澁江操一

    政府委員澁江操一君) 只今予算決算及び会計令臨時特例の適用によつて出している前渡金の額は、おおむね国の発注いたします工事量の大体一割というふうにきめているわけであります。
  24. 田中一

    田中一君 私は今の三の条項、四の条項について建設省が出しているものがあるかどうかを伺つているわけでありますが、四の項について若し建設省がなければ私は取消しますが、建設省が出しているものはどのくらいございますか今まで、二十六年度ですね。
  25. 水野岑

    説明員水野岑君) 私からお答え申上げます。建設省におきましても、重要資源開発工事につきましては、ダム工事につきまして、若干前渡金を支出いたしております。ただそれがどのくらいそれが昨年度つた、具体的に申しまして支出しておりますかどうかということは、只今資料を持ち合せておりませんので、後刻調べまして、又御返事を申上げたいと思います。  なお、先ほども管理局長から申上げました通り、昨年度におきまして国、公共団体のいわゆる公共工事の全体の工事重は約千六百億と推定されますが、そのうち前払金が支出されておりますものは約一割でございまして、その出されました前渡金の総額は約四十億円見当じやないかというふうに考えているわけであります。
  26. 田中一

    田中一君 建設省が出しましたところの前払金で、実態保証会社を置かれないものでも、保証したものは銀行保証して出したのか、或いは全くそうでなくてまるつきり互いの契約で出したのか、その実態はどうなのですか。
  27. 澁江操一

    政府委員澁江操一君) その場合におきましては、保証人制度を利用しまして、保証人保証の下に出しているというふうになつております。
  28. 田中一

    田中一君 この予算決算及び会計令臨時特例には保証人をつけなければならないという規定があるのでございますか。
  29. 澁江操一

    政府委員澁江操一君) 会計令建前からすれば、そういう条件はございませんが、ただ運用上そういう保証人制度をつけまして、危険負担のないようにするという運用の問題として考えられるということでございます。
  30. 田中一

    田中一君 その場合、実際はどういう経過になつたか、と申しますのは、或いは前払払つたのにかかわらす、前払金払つたという効果が上らん場合があつたか、或いはまあ変な言葉ですが、尻を割つてあなたの建設省のほうに、政府のほうに損害をかけた事例があるか。そういう実態一つ説明願いたいと思うのであります。
  31. 澁江操一

    政府委員澁江操一君) 私どもが二十五年度工事状況について調べましたところでは、これは国の場合でございますと、建設省の発注いたしたもの並びに国鉄の発注いたしたものにそれぞれ工事放棄がございます。そのほかにも地方公共団体に非常にたくさんの工事放棄の例が出ているのであります。
  32. 田中一

    田中一君 その場合には全部地方公共団体においても保証人を何人かつけてやつてつたわけですか。
  33. 澁江操一

    政府委員澁江操一君) おおむねやはり保証人をつけておつたと大体想像いたしております。
  34. 田中一

    田中一君 第二条の規定のうちですが、出来高払金工程のうちの、いわゆる全工程を三分わけいたします、仮に三分わけをいたしまして、出来高払をするのは、前渡金を三割払うならば、三割以上になつた分に対する出来高払をするのですか。それとも三割どいう前払金はそのままにしておいて、これは最後に決済するという形か、或いは三分の二を経過したときに決済する形か。無論最初前払金を三割やるということは、建築には余りその工程によつて資材なり何なりを消化して行きますから、いいのですが、例えば土木工事などの場合には架設相当かかります。かかつた場合にこれを架設にかかるものというのは全工程が完成して初めてペイできるのですね、これが……長期土木の場合には前払金ということは全体を通じてのバランスにおいて出来高から引いて行くのか、或いは三分の一経過するとまあ三割というくらいの工程ができ上ると、それで前払金でそれをペイするのか。この前払金そのもの最後まで残るのか、どういう形で運営するか、伺いたいのであります。
  35. 水野岑

    説明員水野岑君) 只今の御質問の前金払出来高払関係でございまするが、前金払を仮に三割工期の当初におきまして支出いたしますと、出来高払は大体毎月一回やるということが通例になつておりまして、その際の出来高払をいたします場合に、前金払をいたしました額につきましては、第一回の出来高払のときにその前金払額全額を返却せしめるという方法をとりませんで、前金払をいたしました額は工期に比例して出来高払の都度償却せしめるというのが通例でございます。従いまして、前金払をした額は工期一杯まで、工期の終了するまでその若干は残つているということになるわけでございます。もつと具体的に申しますと、例えば三割を前金払をいたしまして、第一回の出来高払の際には、仮に工期が四カ月といたしますと、この三十万円に工期が四カ月で、第一回の出来高払で四分の一という出来高があつたという場合におきましては、三十万円の前金払の額で百万円の工事として、三割三十万円を前金払といたしますと、三十万円掛ける四分の一、この金額を第一回の出来高払から償却せしめる。こういう方法であります。
  36. 田中一

    田中一君 今四カ月という工程で言つておりますが、例えば猿ヵ石の堰堤としますと、少くとも三年四年かかるのでございます。無論一年間であれが大体受入れになりまして、二億ぐらいは消化できるのじやないかと思うのです。その場合は一年間分の一億というものを契約してそれでやつてしまう。短いときはいいのですが、殊に継続事業、五年、六年かかる仕事が多いのです。その場合に政府方針としては一年、或いは部分的に工事を切つて行く。一年間二億の契約だけれども、これを先ず最初に五千万円契約する、次に六千万円契約する、あとに一億何千万契約するとかというふうに分けてやれば、実際にそういうような運営をすれば、なかなか前払金制度のよさというものは出て来ないと思うのです。やはり二億円使うという工事の場合には、或いは継続事業猿ヵ石のように三年、五年かかる場合、三年、五年を一括して契約してこそ初めて前払金制度の価値が出るのであります。勿論御承知のように相当架設に時間がかかるわけです。機械の設備に時間がかかる、そういう場合に細かく区割りして契約したのでは、全体を完成するための前払金のいい特徴が現われんと思うのです。実際において運営予算関係とかいろいろなことがあるのですが、実際のほうの運営はどういうことをしてやるか、三月、四月の短期のものは論外です。いわゆる二年、三年、五年かかるような大工事ですね、これにこそ前払金の必要を感ずるわけであります。これはどういう工合に運営すると考えておられますか。立案者考え方としては……
  37. 澁江操一

    政府委員澁江操一君) この長期に亙る建設工事でございまして、而も巨額に亙るものにつきまして、お説の通り発注方法といたしましては、一括いたしましてこれを請負いに付する方法が、これが経済的に行けばむしろ望ましいと私ども考えております。ただ現在の予算的な関係からいたしまして単年度々々々に区切るという予算措置をつけられている以上は、これは止むを得ない。予算的な制約の上から、契約を単年度ことに区切らざるを得ない。幸いにいたしまして本年度予算の上からいたしまして継続制度が認められたわけでありますから、できるだけそういう発注方法をとることを私ども考えて行きたいというふうに思うわけであります。ただ工事の性質上、これは分離すべきものであるというものにおきましては、これは分離契約をすることもこれは止むを得ないというふうに考えますが、この前渡金の趣意を貫くために、むしろそういう方法をとるほうがいいというふうに考えられる場合におきましては、お説のような発注方法契約方法考えて行くのが至当であるというふうに考えておるのであります。
  38. 田中一

    田中一君 その御趣旨は何らかの方法で、地方公共団体又は公共事業を発注する側には徹底するお積りですか。
  39. 澁江操一

    政府委員澁江操一君) 是非この前払金制度保証事業法に関連いたしまして、そういう趣旨を徹底するようにいたしたいと考えております。
  40. 田中一

    田中一君 これは運営上に非常に大きな利害関係がありまして、今ここではつきりと管理局長言明されましたので、安心でしたのでありますが。それでなければ本当に法を作つても、短期のものは大体において手持資金でやつているのです。小さなものは……長期に亙る厖大工事は無論そのほうで行かなければならないと思うのであります。例えば円山にしましても、或いは全部含めますと二十五億から三十億になるのです。無論その中から土木関係工事機械関係工事と分離されますけれども、少くともそういうものに関する架設というものは厖大なものです。勿論御承知と思うけれども、その場合に一括契約というものが建前になれば、これは巧妙に法律の裏を公共団体がかきまして、一億円のものを一千万円十回に出すなら、これは仕事ができなくなつて来る、実際上、御承知のように……。今の管理局長の御説明を聞いて安心しました。  大体この法律においては資本金の二十倍というところに保証限度があるように伺つておりますが、保証期間平均しまして何ヵ月で以て終るというお考えを持つておりますか、保証期間総体の貸付の前渡金払に対する平均の、私の言い方が悪いのですが日歩計算ですね、日歩計算は何カ月と押えているのですか。
  41. 澁江操一

    政府委員澁江操一君) 保証料の基礎になります日歩計算上とるべき期間ということが問題であろうと思います。これは大体平均四ヵ月というふうに考えております。
  42. 田中一

    田中一君 そうしますと、全工程の中にそれの出来高によつて、全部の出来高払いの回数によつて保証という義務が減つて来るわけなんですね、この場合にどういう形でやるのか、運営はどういう形で行くのですか、運営実態は……。借りたものはそのままにしておいて、あとの問題は保証会社自分計算して請求するという形なのか、銀行が金利を計算して黙つて出すと同じようなことに持つて行くのか、どういう形で、初め契約約款というものがあつて契約約款に全部そういうことが細かく折込んであるのですか。
  43. 澁江操一

    政府委員澁江操一君) これは専ら保証事業会社の責任において建てられる事業方法書などに明らかにされる。従つてそれによる保証約款の上に現われて来ることと思いますが、私ども考えでは只今指摘になりましたような、出来高が進行するに従つて前払金保証してもらう額と申しますか、損害が仮に起きたとしましても、予想される発注者側負担というものは軽減されて行くわけでありますから、そういう観点において、工期の長短、そういつたようなことを勘案しつつ、保証料軽減措置というものを保証約款等におきましてきめまして、保証料のとり方を考えて行くということが適当であろうというふうに考えておるのでございます。ただ私どもは、今平均四ヵ月と申上げましたのは、これは試算の上の平均一つの目途でございまして、具体的な工事条件によりまして軽減方法は勿論考えるというふうに思つております。
  44. 田中一

    田中一君 保証約款の案が、無論できているのじやないかと思いますが、あるならば一つお示し願いたいと思うのです。  次に、若しもその工事が遅れるような場合にはどういうことになるのですか、遅れるような場合はただやはり同じように日歩一銭々々、何と言うのですか、保証料と、保証金でずね、一銭々々というものでそのまま行くのか、或いは契約の相手方の何らかによつて解消されるのか、その措置はどういうことになるのですか、不可抗力によつて工期が延びる場合、それから本人の損害によつて延びる場合、これに対しては同じように一銭々々でいいのかどうか、保証料保証金の問題ですね。
  45. 水野岑

    説明員水野岑君) 工期延長いたしました場合におきましては、保証期間もそれに伴いまして延長をして行くという建前にいたしたいと思いますが、それが若干その際に保証料を追加してとるべきか否かということについて只今研究中でございます。業者にとりまして止むを得ない事由によりまして工期が延びるという場合におきましては、それに伴います保証期間延長の場合には、保証料は増徴いたしません。これはもうはつきりしておりますが、業者の怠慢によつて延びるという場合におきましては、若干保証料を増徴して行くということになるのではなかろうかというふうに考えておりまするが、只今鋭意研究中でございます。
  46. 田中一

    田中一君 大体第四条にあるところの定款とか事業方法書、或いは保証約款、そうしたものの案が無論出て来ると思いますが、その案を一つお示しを願いたいと思うのです。今なければ今でなくても結構ですが、委員会に御提出願いたいと思います。
  47. 澁江操一

    政府委員澁江操一君) 必ずしも全部の案はまだできておりませんが、現在併し保証約款その他、私どもの手許で考えておりまして、試案の程度でございますが、できておるものにつきましては御覧に入れたいと存じます。
  48. 田中一

    田中一君 資本金の二十倍というところに保証限度をもつた理由はどういう理由ですか。
  49. 澁江操一

    政府委員澁江操一君) この保証事業会社信用力と申しますか、これは何と申しましても公共工事、殊に国、公共団体資金を出すわけでございますから、この信用力というものを相当確実なものにしておかなければならないということが当然考えられる。そこでこの自己資本と、これもこの法案に出てございますように、保証基金の徴収によります金額と合せましたものと、この保証債務額比率というものを二十対一というのが運用上この保証会社信用を確保する上に必要であるというふうに私ども考えておりますが、これはもつぱら現在の保険会社等運営等をも参酌いたしまして、大蔵省方面とも協議いたしまして、この程度にやはり信用力を確保することが必要であるという建前から押えたわけでございます。
  50. 田中一

    田中一君 第六条の株式会社でなければならないということですね、結局。余談になりますが、登録拒否の場合に、これはこの会社公共性のものを持つておりますが、営利法人ということになるわけであります。そこでこういう構想のほかに御承知のように日本には各県に建設業者団体があります。こういう団体を主体にしたほうが資本金が、義務と権利が各業界の事業そのものに対して均霑されると思うのです。なぜ株式会社ということにしたのか、その理由を伺いたいのです。
  51. 澁江操一

    政府委員澁江操一君) 御指摘の点は私ども考え方としては、株式会社制度を採用いたしましたのは、おおむね二つ理由があつたわけです。その一つはこの少数株主によつてこの資金が壟断されるという結果、保証事業会社の経営が壟断される結果といたしまして、保証事業会社の適正な運営が確保できないということを心配いたしました点が一つ。それからなお株式会社組織によらざる一つの、今御指摘になりましたように、建設業者一つ団体というものを活用するという点につきましては、これはもつばら事業者団体法との関係がございまして、事未者団体法によりますと、業者団体がこういつたような信用保証事業のごときものを営むことはこれに牴触することになりますので、その点を慮りまして株式会社制度をとつたのであります。なお株式会社制度をとりますことの一つ利点といたしましては、この方法によりますと、建設業者資本参加も勿論でございますが、他の業種、殊に金融機関保険会社方面資本参加の途も開かれ得るわけでありまして、そういつた利害、長所をそれぞれ勘案いたしまして、株式会社制度を採用することにいたした次第であります。
  52. 田中一

    田中一君 無論株式会社でも運営さえよければその目的は達せられると思いますけれども、三千万円或いは一億円の金では実際に末端までこの会社のいいところが徹底するかどうか、組織が局限されるというような点についてはどうお考になつていますか。例えば大阪にできる会社が鹿児島の業者保証までするということになりますと、経費が非常にかかると思うのです。でこれは無論御答弁ではそれは会社がやるのだから、自分のほうは一向わからんとおつしやるか知らんけれども、そういう点は二つ以上の会社が無論できるでしようから、幾つできてもいいのですが、大臣がこれを承認しなければ全然これは登録の申請があつても拒否されるわけです。そういう点はどういう構想でおりますか。
  53. 澁江操一

    政府委員澁江操一君) 保証事業会社といたしましては、できるだけこの支店、出張所等のごときものを地方にそれぞれブランチとして設けるということが一応必要であるというふうに考えております。そうすることによつて指摘になりましたように、各業界方面の需要というものに十分備え得るようなことにいたしたいというふうに考えておるのでございますが、なおそうすることによりまして、いわゆるこの会社の一般管理費と申しますか、そういうものが非常に嵩むことも予想されますので、そういつた点につきましては、できるだけ簡素な支店、出張所の機構を考える必要があると存じます。なおこの支店、出張所の事務所等は現在の只今お話にも出ましたような建設事業協会の各県の支部というものがございますので、そういう方面と連絡をいたしまして、そこに事務所を配置する、或いは緊密な連絡をとるという方法によつてできるだけ経費を節約し、ラフな方法で実があがるようにいたしたらばどうかというふうに考えます。
  54. 田中一

    田中一君 それはもう少し詳しく聞きますと、会社がやるのだから自分のほうはわからんということになるので、これ以上は聞きませんが、この契約の相手方、いわゆる発注者と業者というこの両者の喫約というものは、若しも非常なダンピングされた契約があつたと仮にする場合には、この会社はそれに対して拒否はできるのですか、できないのですか。
  55. 澁江操一

    政府委員澁江操一君) ダンピング等の場合におきましては、これは事業方法書にこの拒否の一つ条件というものを明示することを要求しておりますが、勿論そういう場合によつては拒否ができるという建前をとつて行くべきだというふうに思います。
  56. 田中一

    田中一君 そのダンピングであるかダンピングでないかということは、どういう機関でそれを査定するのですか。
  57. 澁江操一

    政府委員澁江操一君) 勿論責任は保証事業会社の手によつてダンピングであるかないかということを調査して決定して行くわけでありますが、その際にこれは発注機関側、それから他の業界側の意見というものをそれぞれ聴取いたしまして、そういう点を参酌しつつダンピングに該当するかどうかということをきめて行く方法をとつてつたら如何かというふうに考えております。
  58. 廣瀬與兵衞

    委員長廣瀬與兵衞君) ちよつと速記をとてめ下さい。    〔速記中止
  59. 廣瀬與兵衞

    委員長廣瀬與兵衞君) 速記を始めて。
  60. 田中一

    田中一君 私は認定、その他の問題が非常にその費用も時間もかかると思うのです。そうすると結局これがですね、仮に清水組というのは随分大きな組ですが、そのダンピングそのものの実態をつかんで拒否するのか、或いは相手の信用度において仮に清水建設という会社が大体予算が仮に一億円とする、世間では大体九千万円でできるだろうというものを、五千万円で請けても清水建設という会社は恐らくそれをちやんと九千万円乃至一億円の仕事をすると思うのです。その際工事の完成に対する保証はこれにはありませんが、これもやはりダンピングなんです。ダンピングで或いは三割の前渡金が欲しいからそういうことをやる場合もあるでしよう、その場合に保証の拒否とか何とかの認定がなかなか困難になつて来ると思うのです。いわゆる工事工期そのものの完成を見て安全感を持つか持たないかという点は、或いは清水建設ならば年に二百億以上の仕事をやつておるのですから、一億円ぐらい損してもざらにそういうことはあるでしようから、これは無論完成します。その場合に契約が安かつたという場合にどつちにウエイトを置いて認定するのですか。工事の完成にウエイトを置くのか、或いは信用度に置くのか、どつちですか。
  61. 水野岑

    説明員水野岑君) 只今の御質問は非常に重要な点だろうと思いますが、入札ダンピングの場合は御承知通りに事故を起す可能性が非常に強いわけでございまして、どうしても入札ダンピングであるかどうかということを慎重に調査いたしまして、そういう場合は保証の拒否をして行く、こういうことはとらざるを得ないと思いますが、その際に御指摘のように業者信用が十分であればたとえ入札ダンピングでありましても、これは業者信用に重点を置きまして、保証を与えて行く、こういう方法も確かに考えられます。又入札ダンピングというのはそういうふうに事故の重要な原因となるものでございますから、入札ダンピングを防止するという建前からいたしますと、工事ごとにダンピングかどうかということを調査して、たとえ信用のある業者におきましてもダンピングがありますれば、その工事については保証をお断りする、そういうふうにはつきりとした線を引いて行く、こういうことが中小業者に対します関係から申しましてもいいことではないか。何かその信用度に非常に重要点を置いて行きますと、大事業者は入札ダンピングをしてもこれは保証が与えられる。中小業者になりますと、入札ダンピングの場合は勿論これは大体信用度が薄いと一般に考えられますから、保証が拒否されるというふうなことになりまして、中小業者のほうからはいろいろな非難の声と申しますか、いろいろな問題も起つて来る。そういうことも考えられるところでございまして、どういう方法をとつたらいいかという点につきまして、これは実は非常に重要な問題でございまして、私どもとして只今結論を出しておりません。なお会社当局のかたともよく御相談をいたしまして、いい適切な方法一つ研究してみたいというふうに考えております。
  62. 田中一

    田中一君 今の問題については早急に結論を出さんと、結局これは大事業者が全部、大工場が出ると全部前渡金をさらつてしまうのです。そうするとやはり中小企業には行かないということになつてしまう。こういう点を非常に懸念するわけです。中小企業に行かないで大きな工事が矢継ぎ早に出れば全部保証額の限度というものをさらつてつてしまうんです。そういうことが考えられますから、これは予備審査ですが、成るべくならばこの審査中に一応結論だけでも出して頂くことが望ましい。私は大業者の救済のためにこの法案考えているのではないんです。中小企業者の救済のためにどうしても必要だからやりたい、こう考えておるので、大業者は無論銀行から相当の枠をもらつて、融資の点は困る人は土木のほうでは非常に困る人もあるけれども、大体においてやつて行けると思うのです。そういう点は若し審議期間中に一応の結論を出して頂ければ非常に幸いです。  今の問題に関連しまして非常に困難な点があり、殊に三千万円以上程度会社では恐らく末端におけるところの村、或いは町の工事まであなたのほうの調査は行届かんと思うのです。そういう点を非常に考えませんと、こういう会社自分の管理費でこいつは食つちやいます。そうすると日歩を上げなければならんとか、或いは保証金と言いますか、保証基金と言いますか、こうものも食つちやうということになりますので、そういうことも何らかの形で適正な方法をとらないと、この会社の目的は達せられないと思うのです。
  63. 澁江操一

    政府委員澁江操一君) ダンピングの取扱につきましては勿論お説にありましたように、この会社一つの狙いはやはり健全な中小業者をこれによつて育成して行くということが一つ 狙いでなければならんと考えておりますので、そういう方向においてできるだけ研究をして行くというふうに考えておるのであります。  なお、支店、出張所等の設置と関連いたしまして管理費の嵩む点につきましては、これは御承知のように非常に心配になる点でございますので、それが従つてこの保証料の料金の上にも響いて来るということでございますが、ただこの保証限度資本金との関係はやはりどの程度資本金が集まるかどうかということがまだはつきりいたしておりませんので、それによつて非常に保証限度との関係が出て来ると思いますが、幸いにいたしまして、各方面から非常な御支持を頂いておりますので、こに対するその他資本金の高というものもかなり当初予定していたよりは参加される額が多くなるのではないかというふうに想像もいたしております。従いまして、そういつたような点から保証限度関係においでは余り御心配になる点はないのではないかというふうに考えております。ただ管理費そのものが非常に嵩むことは十分に注意しなければなりませんので、先ほど申上げましたように、これは発注機関側とも連絡をとり、それから業界側の各地方の団体等との連絡もとる、そういつたようなことによつてできるだけ余分な経費を節約し得るような方法を是非講じて行きたいと思います。
  64. 田中一

    田中一君 今日はこの辺で……。
  65. 廣瀬與兵衞

    委員長廣瀬與兵衞君) それでは本日はこの程度にいたしまして、散会いたします。    午後零時二十八分散会