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1952-05-29 第13回国会 参議院 建設委員会 第46号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十七年五月二十九日(木曜日)    午後零時四分開会   —————————————  出席者は左の通り。    委員長     廣瀬與兵衞君    理事            田中  一君            小川 久義君    委員            石川 榮一君            楠瀬 常猪君            深水 六郎君            徳川 宗敬君            前田  穰君            門田 定藏君            松浦 定義君   衆議院議員            瀬戸山三男君   事務局側    常任委員会專門    員       菊池 璋三君    常任委員会專門    員       武井  篤君   説明員    国税庁税部所    得税課長    村山 達雄君    国税庁税部資   産税課評価係長  塚田 満彦君    建設省住宅局住    宅企画課長   鬼丸 勝之君   —————————————   本日の会議に付した事件 ○宅地建物取引業法案衆議院提出)   —————————————
  2. 廣瀬與兵衞

    委員長廣瀬與兵衞君) 宅地建物取引業法案を議題に供します。  本法案について御質疑のおありのかたは順次御発言を願います。只今見えておりますのは鬼丸企画課長国税庁評価係長塚田氏が来ております。
  3. 田中一

    田中一君 国税庁のかたに伺いたいのですが、現在土地建物取引を業としておる業者がたくさんございます。これに対しては徴税方法はどういう形を以てやつておりますか、一応御説明願いたいと思います。
  4. 塚田満彦

    説明員塚田満彦君) 今の御質問の趣旨は所得税をどう課税しておるかということだと思いますが、それについては私は評価のほうを……土地建物富裕税その他の評価のほうを担当しておりますので、ちよつと只今の御質問には正確なお答えはできないかと思いますので……。
  5. 田中一

    田中一君 私が伺いたかつたのは、現在のこの法律登録されようとしておる業者がですね、取引実体というものに対して無論法人その他に帳簿その他によつて基準はわかると思うのです。併しながらこの個人でやつておる業者に対してはどういう基準で、或いは認定で以てやつておるか。少くとも徴税するほうの側でその実体をつかんでおると思うのです。そういう意味でこの業者そのもの内容を一応知りたいために、法人は別です、個人の場合を伺いたいと思つたのですが、若しも御出席政府委員のほうで不適当なら、至急にそのほうのかたをお呼び願いたいと思います。
  6. 廣瀬與兵衞

    委員長廣瀬與兵衞君) 本日はどうですか。間に合いますかな。  ちよつと速記をとめて。    〔速記中止
  7. 廣瀬與兵衞

    委員長廣瀬與兵衞君) 速記を初めて下さい。
  8. 田中一

    田中一君 私はどうも提案者に前回の委員会でもいろいろお願いをしてこういう修正案ができないだろうかというお願いをしておつたのですが、従来は戰後自由営業時代には建設業というものにあらゆる面の遊び人と申しますか、無職の人間が看板を掲げまして、実際にその業をやらずして、土木建築業をやらずして、或いは博奕を打つとか、甚だしいのは法に触れるような陰の業を営む人たち、御承知のように各盛り場におるところの親分たち、そうしたものが土木建築業を営まずして、ただ看板だけを掲げて国民にとつて余り嬉しくないような行動があつた。それが建築業法が出ましてから一応の資格を定められたわけです。一応の基準がきまつたわけです。そのためにシヤツト・アウトされまして、現在ではそうしたものはGHQのああしたボス退治の方針と相待つて地下に潜つたような形であります。従つてこの人たち無職のような立場でおる人が大部分であると思うのです。この際この宅地建物取引業法のこの内容を見ますと、何ら身分上の、或いは資格上の、或いは智能的な何らの制限なしに誰でもできるのです。無論二年後は登録申請書建物取引業経歴なども入ります。この経歴がなければ、一応「直前一年の各事業年度における事業実績」ということで一応ここに関所があるわけでございます。併し現在ではそういうものは何にも條件なしに誰でも申請に応じて所定の條例できめたところの三千円以下の登録手数料を拂えば業者として登録されるわけです。無論それには例えば登録拒否條項はいろいろございます。ございますが、これ以外のものは例えば博奕打ちでも或いはたくさん犯罪もありますし、泥棒も正業だなんて思つておるような人たちも一遍看板だけもらつて商売をしておこうという、看板をとりたいためにそれをやる虞れが多分にある。こういうことは延いては健全な業者営業を育成するのじやなくて、曾つて土建業者が戰後非常に不評判を受けたと同じような宅地建物取引業者が又その汚名を着るのではなかろうかという点に何とか軽い意味関所を設けたい、それには試験制度その他のものは適当でないとするならば、法律できめまして都道府県知事が考査をするというような軽いものでもあればいいのじやないかというような考え方を持つているのです。この点についてもう再三提案者とは押問答しておりますから、衆議院ではもう無論このまま通過したと思いますので、私自身この法そのものは通したいのです、併しもう一度提案者からこの点について御考慮の余地がないか伺いたいと思うわけです。
  9. 瀬戸山三男

    衆議院議員瀬戸山三男君) この問題では今もお話がありましたようにたびたびお質疑があつたわけでありますが、それに対して私もその都度お答えいたしましたように、今田中委員のお説のようなことは一応尤もであるという考えを持つてつたのであります。現在でも必ずしもその御意見が不適当であると私は考えておりません。併したびたび申上げておりますように、この業界に対しては初めての立法でありますので、成るべく何と申しますか、業界に対する動揺を與えたり、又業界に対して或る程度規制を加えるという感じを與えないで一応この業法によつて業界取締と共に業者の何と言いますか、向上を図りたい、こうお答えするのに非常に漠たる気持でありますが、それに今お話のように拒否要件相当ありますし、先ほどいろいろ例に出ましたようなかたがたが拒否要件に当れば登録を許さない。仮に登録を許しまして今お話のようにただ看板を掲げてもほかの商売をするのだ、カモフフージユするようなことはありはしないかというお話なんですが、そういう場合はこの法律そのものの目的から申しますと、いわゆるその業を営んでおらないのでありますから、この法律が問題にする弊害というものはないことになると私は思います。ただこういう看板を掲げておるが、全然別個に別の業務を営むということになりますれば、この業法そのものの狙いでなくて、ほかの法で取締つてもらうより仕方がない。ただ田中さんが非常に憂慮されるのは、この業者がいわゆる看板を掲げてこういう宅地建物取引業者がこういう悪さをしておるがという別な問題であります。その点に対して業者に対して却つて不信を招くのじやないか、そういう御心配だと思いますが、その点もあると思います。併しそれは業界においては、特にこの業法ができますれば、現在でもあります各地域ごと組合であるとか、協会であるとか、又全国協会も促進したいというような御希望があるようであります。そういう点で問題は結局業界自粛ということに待たなければ、ただ法律一片業界向上せしめるというようなことは私はできないと思います。そこでこの基準の法を作つて、これに対して業界自粛もしてもらいたい。これは業界でも相当そういう強い御意見があると思います。そういう、両々相待つて一つ順次これをうまくやつて行きたい。どうしてもそれでもいかんというような事態が若しありますれば、田中委員のお説のように、或る程度の止むを得ず相当基準を設ける、こういう段階に漸次進んで行つたほうがいいのじやないか、これがまあ打明けたところの提案者気持であります。
  10. 田中一

    田中一君 事実野放しになつておりますところのこの業者を、こうした意味で一応統制して規制するという点は賛成なんです。賛成なんですが、只今お話のように業者自身自粛において云々ということは、いわゆる法律を作らんでもできるのです。法律を作らんでも、正しい業者が正しい営業をするならばあえて、法律を作らんでもいいのです。従つて法律を作る以上、結局法律でその業者の正しい営業を保護する意味でそうした條文があつて欲しいということを申上げているのです。従つてお話のように一応これを作つて見る、作つて見て悪ければ明日にでも直して行けばいいのじやないかという御説明ですが、これも一応御尤もですが、併しそれでは余り法を弄ぶものじやないかという考え方もするわけなんです。で、若しその点が了解されなければ私はこの業の実体というものを記録する考え方ですね、先ほど雑談中にも石川議員からもそういうお話がありましたが、その業の実体を、金銭は別にしまして、取引そのものを記録する。そうしますれば、今この第四條に現われた登録申請の場合にも、「直前一年の各事業年度における事業実績の概要を記載した書面」ということは、日々取引実体を記録しておけばそこまでできるのです。そういう点において多少その登録台帳的なものか何かなくちやならないということぐらいは先ほどその資格を設けると同じような、それができなければせめてそのくらいのことは御考慮になつて頂きたいと、こう考えるのです。で、衆議院審議の過程においてそういう問題が起きたかどうか、その点瀬戸山議員から一つ衆議院におけるそうした問題を御説明願えれば結構です。
  11. 瀬戸山三男

    衆議院議員瀬戸山三男君) 実は衆議院でこれの実体について審議をされるときに私旅行中で、他の提案者説明されたので、直接にその衝に当つておりませんでした。併し今政府関係の人に聞いて見ますと、衆議院のほうでは余りそういう問題は出ておらなかつたそうであります。ただ今お話のようなことはたしかに必要なことでありますので、最初そういう案もたくさんできてはおりましたが、それについては相当な異論もあつて一応今度は削除いたしております。併し前にも問題になりましたように、この第二十一條監督の地位にある都道府県知事書面帳簿その他について検査することができるという規定もありますので、現在のところではそういうものがなければ実際商売ができませんし、更に継続して更新の登録をする場合においても、事業実績添附書類で出さなければ登録を受けることができないという間接的な制約もありますので、どうしてもいわゆるまじめにこの事業によつて生活をして行こうという業者でありますれば、何か拠りどころがなければ幾ら頭のいい人でもただ胸算用だけでは一年間の業績を現わすということはできないと思います。従つてそれについては行政指導によつて指導をして、或る程度の今お話のような帳簿は実際問題として指導して行かなければならん、こういう考えを持つておるわけであります。
  12. 田中一

    田中一君 どうも私がこういう業界の知識がないのかも知れませんが、口先だけで商売ができる実体のように考えるのですが、無論企業的な大きな組織はこれは別ですがね。私は一面口先だけで商売をやつておるような人たちも、若し仮にまじめにやつておるものならばそれを救いたい。従つて全体のこういう枠を外して誰でも来いということには一応賛成するのです。例えばくどく申しますけれども、未亡人とか、引揚者とか、営々として口先一つでお世話をして多少のお礼をもらつて相当生活をしている人もおるのです。枠を外すことは賛成ですが、枠の外し方が余りに野放しではないかというのです。
  13. 瀬戸山三男

    衆議院議員瀬戸山三男君) その点はたびたび質疑もあるし、お答えもいたすわけでありますが、今業界全国業態がわからないから、一応これで法律を作りますればどういう業者があるかということははつきりいたすわけであります。それから業界向上も図りたいし、取締るべきところは取締ればこの法の欠陷も出て来やしないか、こういう考えでおりまするので、将来を期したいというのが本当のところであります。
  14. 田中一

    田中一君 戦前にあつた古い取締規則、これには私の言つた事務的な面は資格の問題と……私の今問題にしますのは、資格という言葉が適当かどうか知りませんが、それと、帳簿備え付けるというような言葉はありませんか。
  15. 鬼丸勝之

    説明員鬼丸勝之君) 戦前取締は御承知のように地方條例警察命令として出しておつたのですが、その中でも資格資産要件を規定いたしております。大体警視庁令によりますと、二千円以上の不動産を所有するもので且つ営業上適当と認めるものというようなことになつております。帳簿備え付けの義務はそれにはなかつたと思います。監督上当然そういう帳簿調査する権限が與えられておつたと思います。
  16. 田中一

    田中一君 曾つて私が土木建築事業に対する取締規則が確かに警視庁か或いは東京都の何課であつたかにあつたと思いますが、この場合には必ず請負台帳というものは備え付けなければならないというような規則があつた。従つて非常に旧法から見ると解放された民主的な法案で結構と思いますけれども、せめてそのくらいを持つことが本当業者を寄ることになるのではなかろうかという点なんですが、どうもこれは何遍押問題しても瀬戸山君にも済まんと思うのすが、その点については再三やつておりますから、御答弁頂かなくても結構です。
  17. 石川榮一

    石川榮一君 今田中さんの御質問も妥当な質問と思いますが、衆議院を通つておることであるし、第四章の雑則の二十一條帳簿書類を中心にして業務上の検査をすることができるというのでありますから、この裏を返しますれば、帳簿書類を持たなければならんということにも読めると思います。第二十一條、こういうようなもので一応その帳簿検査或いは書類検査等検査をするということでありますれば、なければならんということに裏返しをすればなると思います。そういう含みで一つ運営を図つて行くということで田中さんの御了解を願つたらどうですか。
  18. 田中一

    田中一君 今国税庁のかたを呼んでいらつしやるのですが、その人に聞きまして、それを一遍質疑をいたしまして、これで私の質疑を打切ります。
  19. 廣瀬與兵衞

    委員長廣瀬與兵衞君) ほかに御質問ございませんか。
  20. 石川榮一

    石川榮一君 一応伺いたいのは一体三千円ときめた根拠はどこにあるのですか。
  21. 瀬戸山三男

    衆議院議員瀬戸山三男君) これはきめた基準というのは別に特別な基準というのはありませんが、建設業法上の登録その他について大体そういう基準立法例があるわけであります。併しこれは三千円と限定することは各地方によつて必ずしも妥当でない。最高額をきめまして、地方業者の数であるとか、業態であるとか、登録者の数であるとか、事務の繁閑を考えて、それで各地方都道府県に適宜にきめてもらうほうが一番妥当だ。最高限をきのましたのであります。
  22. 石川榮一

    石川榮一君 一応わかりますが、そうしますと、この三千円というのは篩にかけて三千円の金を納めてまでやろうという熱意があるという業者を一応見通してのお話と思いますが、恐らくこの三千円の以下となりますが、どの県でも非常に財政が困難しておりますので、恐らく最高限まで持つて行けんと私は思います。そうなりますと、先ほど来お話もありましたように、引揚者等で非常に苦労しておる人たちがやろうといたしましても、その金がはつきり見通しがつかないで将来も不安なのでなかなか登録しないのではないか。従つてめぐりができやしないかという点の心配があるのですが、御見解はどうでしようか。
  23. 瀬戸山三男

    衆議院議員瀬戸山三男君) 現在の貨幣価値でありますから、少くとも不動産取引業をするくらいの人ならば、最高限三千円にきめるかどうかは各都道府県條例によつてきめますけれども、三千円以下のものでも用意ができないという人ではちよつと不動産を任せるというわけには行かないと私は思いますので、そこまでは讓渡する必要はないのじやないかと考えております。
  24. 前田穰

    前田穰君 この前の田中委員質問に直接私これから質問しようという点に触れておられたのでありますが、まだよくわかりませんので重ねてお伺いしたいのですが、それは現在のこの業界実情がどの程度にこういう法案を必要とするのか。無論現在の業界状況は抽象的におぼろげには我々も想像できるのでありますが、具体的にどの程度取締を必要とするような事情なのかということを何かお調べになつておる範囲内で明瞭に御説明が願えれば非常に結構だと思うのですが、その実情の如何によつてこの法案取締程度ということがおのずから反射的に出て来ることになるのではないかと、こう思いまするが、できれば一つ具体的に現在の業界取締を要する、又指導向上せしめることを要する程度と言いますか、そういうことに関して何か御説明を願えれば非常に結構であります。
  25. 鬼丸勝之

    説明員鬼丸勝之君) 現在の業態がそういう法律によりまして取締を受けなければならない、まあ必要性と言いますか、その点についてのお尋ねだと思いますが、そのことは言い換えますと、現在野放しになつておりまする業界が、国民の多くの人にどういう迷惑を及ぼしておるかという点が根本的な点だろうと思います。この実体につきましては、業界の全体につきまして細かくまとめて把握することが非常に困難でございます。実は建設省といたしましては、昨年の夏東京とそれから横浜市の業者組合に入つておる業者のかたに調査票を交付いたしまして申告による調査を実施いたしたのでございます。その調査の結果の一部につきまして今の業界被害を及ぼしておる点の一端を申上げますと、大体この被害は二通りに分れると思います。それはまあ何と言つても多いのは詐欺、或いは詐欺に近い詐欺類似行為一つであります。それから横領乃至横領に近い行為、この二通りの害と申しますか、不正行為が多いのであります。その他或いは二重売買でありますとか、或いは登記、引渡し等を故意に引遅らせまして、その間に不正な利得を挙げるとか、或いはまあ平たく申しますと、嘘をついた、区画整理なんかにつきましての問題もあるようでございます。或いは土地の境界であるとか、面積の問題につきまして真実が述べられなかつたというような、こういうようないろいろな例もございまするが、先ほど申しましたような被害件数につきまして調査した結果の数字を申上げますと、回答を得ましたこの四百七十一人の業者のかたのうち、被害のあつたという報告を出しておりますのが百六十七人、まあ被害がなかつたという報告が二百三十四人おります。その被害のあつたという業者のうちに詐欺に類するもの、これが二百六十六件、全体の被害の四七%、横領に類するものが百五十二件、それは全体の約二七%、その他の被害が百四十八件、こういうような状況でございます。これは勿論組合に入つておられる業者は非常に健実な、健全な業者が多いのでありまして、組合員外業者を調べますとこういう被害は倍加するのではないかと考えられております。その他警察等いろいろ相談関係の資料を見ましても、土地建物関係紛争が非常に多いのであります。又裁判所関係訴訟件数につきましても、相当件数があります。これらの土地建物紛争も、訴訟件数のうちに業者がどの程度介入いたしておりますかという点は、遺憾ながらはつきりつかめておりませんので、このような大都市におきまして業者が戦後続出しておりまする状態から考えますると、これらの訴訟紛争件数については、相当介入しているのではないかと判断される次第でございます。
  26. 前田穰

    前田穰君 私は、先刻来田中委員の御質問に対するお答え——一応こういう登録制度によつて網張つて、そうして漸次向上させて行くのだ、こういう提案者のお考え方は一応わかるのでありますが、今後向上をさせて行くということに関する具体的の方法と言いますか、結局悪いことをすれば取消して行くということは、まあ一つのやり方だと思うのでありますが、そのほかにどらいつた具体的の考えを持つておられるのか。或いは又組合員つて、昔と違つてそう強制的に組合を作らせるわけにも行かないのでありまするが、何か具体的の方法をお持ちなんでございましようか、只今伺いますと、被害相当激しいように思うのであります。従来こういつた登録制度が新らしい立法として三つ四つできたのでありますが、それらの実情等を比べて見まして、被害相当大きいように思うのでありますが、それをよくして行くことの具体的な何か方法をお考えになつているのかどうかということを伺いたい。
  27. 瀬戸山三男

    衆議院議員瀬戸山三男君) 今前田委員の御質問でありますが、法律の建前から申しますれば、一応この立法をいたしまして業者登録してもらう。登録要件については御覧通りでありますが、その登録要件によつて登録をされて、業者について営業上の不始末がある、各項目に出ておりますが、そういう不始末があれば、登録の取消しをしたり、それから場合によつて営業の全部又は一部を停止させる。そういういわゆる取締の方面で業者向上を図つて行くという一面があるわけであります。その他に、先ほど来問題になつておりますように、相当の自覚を與える意味において試験その他の規制を加える必要がありはしないか。これはたびたび立案当時から問題になつたところでありますが、只今のところでは先ほどお答えいたしました通りに、時機を見状況を見てからという考えをいたしております。その他に具体的にどうこうするという考えは持つておりませんが、これは要するに業者の各位の自粛と申しますか、組合その他協会というものを結成される気運もあります。お互いの組合内において業界向上を図りたい、そういう面は行政指導に関係する問題だろうと思います。    〔委員長退席理事小川久義委員長席に着く〕 只今のところではそういう程度のものであります。
  28. 鬼丸勝之

    説明員鬼丸勝之君) 今の瀬戸山さんのお答えに関連して、建設省としての考え一端を申上げます。この法律運用並びに取引業の適正を図りますためには、相当行政的な措置を必要とすると考えております。従いまして先ほど来前田委員、又田中委員からの御質問の点に関連するのでございまするが、この法律が成立し施行されましたならば、建設省といたしましては、この法律運用、又業者業務あり方等につきまして、早速具体的な研究を進め、その成果を普及させたい。そのための必要な講習会等を是非催して参りたいと考えております。又一面只今瀬戸山さんからお話のごとく、組合協会、殊に全国的な協会等が結成される形勢にございますので、これも仄聞いたしますれば公益法人として建設大臣の許可を受ける団体にしたい。こういうような協会のほうの動きもございます。そうなりますと、こういう全国的な協会をできるだけ育成いたしましてこういう協会と相携えて業界向上を図つて参りたい。かように考えております。
  29. 田中一

    田中一君 鬼丸君にちよつと伺いたいのですが、紹介業取締規則警視庁令)の第四項を見ますと、ちよつと今の御説明に思い違いがあるかと思いますが、ちよつと御訂正願いたいと思います。
  30. 鬼丸勝之

    説明員鬼丸勝之君) 先ほどの書類備え付けの点は明記してとございますから、どうぞ……。
  31. 田中一

    田中一君 国税庁のかたに伺いたいのですが、宅地建物取引業法を一応法文を御覧を願いたいと思うのです。実は現在野放しになつておりまするところの宅地建物取引業者がおります。この業者は大体納税申告青色申告を大体やつておりますか。個人の場合を伺うのですが……。
  32. 村山達雄

    説明員村山達雄君) お答えいたします。特に建設業者青色申告をやつているかどうかということは私今不明でございますが、普通並みにやつているのではなかろうかという推定でございます。と申しますのは、現在営業者業青色申告をやつております数が大体十九万くらいございます。ですから建設業者のほうでも中にはやつておられるかたもあるのじやないかというふうに考えております。
  33. 田中一

    田中一君 私の申上げておるのは、法案をよく見てもらいたいと初めから申上げておるのですが、建設業者じやないのです。宅地建物取引業者を伺つておるのです。
  34. 村山達雄

    説明員村山達雄君) 取引業者についても大体同じような状況であると思います。
  35. 田中一

    田中一君 この法案には取引台帳的な業態をそのまま包含というか、記録するところの帳簿備え付けるということを規定していないのです。ただ第四章の雑則の立入検査ができる証票を必要とするということがあるわけなんです。私は皆さんも御承知のように土地建物取引業者というものは、口先一つでも商売ができるのです。又口先一つ商売をしておる零細な業者もおるわけなんです。これを対象にしているわけなんですから、そういう帳簿がない場合には、大体徴税方法青色申告をしない場合にどういう方法で徴税をやつておりますか。
  36. 村山達雄

    説明員村山達雄君) これは宅地建物取引業者のみならず、一般に帳簿の不完全の業者が多いのでございましてこの点については特に業種ごとに特別の取扱をしておるということはございません。大体の見方といたしましては、我々の言葉で申します間接資料を收集いたします。先ずそこの取引先は一体どこか、そして取引先の帳簿につきまして売買いその他の資料を集めます。そこの台帳となるべき例えばブローカーならブローカー、その他の業者でありまするならば、その他の業者の店舗に臨みまして、それらに合う記録があるかないか、それからその取引はその人の申立の中の取引の中に含まれているかどうか、含まれているといたしますと、相当この人は信憑性が強いということになります。若し相手方から得ました資料が問題になつておる納税者の記録乃至申立の中に含まれていないといたしますと、その人の申立は一般に信憑性が薄いということになつて参ります。そうなりますと、一般的に経済資料であるとか、或いは個々にどういう取引がある、そういうところをどんどん追及しているわけなんです。こういうふうにいたしまして大体の売上げが推定される。売上げが推定いたされますと業種ごとに或る程度の利益率というものがわかつて来るのでございます。標準的な利益率を立てまして利益を算定する、こういう方式をとつております。
  37. 田中一

    田中一君 この法律は、第十七條に報酬規定があるのです。都道府県知事がきめたところの報酬の額をきめる。併しながらこれは單に報酬の額と言いますか、恐らくパーセンテージが出ると思います。併しながら実体はあなたのほうがよく御承知だと思うのですが、土地の売買をやる場合に、土地の時価というもので以て無論取引するものですが、併しながら帳簿の価格というものがあるわけです。無論契約の一つの標準価格はあるわけです。これで取引される実体はないのです。併し一応あなたの言つているそれを立証する資料というものは、お互いに取引の相手方も、依頼者も、依頼者同士がお互いの時価というものは隠すのが通例なのです。当り前のことなんです。これを恐らく徴税の係のかたがたも一応これは或る程度までは認められておるものだと考えております。その際私は何もあなたのほうに、国税庁に税金をたくさん取つて欲しいということを言つているのではないのです。ただ取引実体を立証するのに、取引実体をあなたがたが認定する場合に何かの根拠がなければならない。御承知のように一応仲介業者が中に入つて双方の取引が行われますけれども、勝手に買手と売手が契約を結ぶこともあり、この取引業者の手を経なければ土地建物取引ができないという法律でもないから、従つて口先一つで相手と相手に取引さして自分は何も知らん顔をして帳簿も何も要らない、契約書も要らない、その間に立つてお礼をもらえばよい。これはこの法律で幾らこれを規定しても駄目なんです。従つて看板を上げないだつてできる。従つて看板を上げないでやつている場合に、あなたがたがその人間が何もしないでぶらぶらしていて実際正業がない、これは課税の対象にはならないで、失業しているのでございますという場合に、今度看板をいよいよ上げた場合にあなたのほうでそれをどう取扱うのですか。
  38. 村山達雄

    説明員村山達雄君) 別に看板を上げないという理由だけで課税の対象にならないということはございません。看板を上げなくても所得がありますれば課税の対象になります。現在調査しておりますのは、繁華街は勿論でございますけれども、全部調査しております。従つて一見しもたやのような感じがいたしましても、これは如何なる方法によつて生計の途を立てているのであろうか、家族の状況はどれくらいであろうか、生計費はどれくらいかかるものであろうか、その点について疑念がありますれば徹底的に追及しているわけであります。若干関連いたしますが、土地建物の価格その他は税務署におきまして予備調査をしてございます。この農地は一反五万円のところもありますし、八万円のところもあります。中には特別の取引として反三十万円程度で以て取引される実例もございます。手数料はどれくらいかということは年々歳々調べてございます。ですから、そうでないという申立をしたときに、その申立が真実であるかどうかということがむしろ調査の対象になるのでありまして、取引がありますれば、通常の所得というものはおよそ推定できるような仕組で年々歳々基本的な調査を進めております。
  39. 田中一

    田中一君 非常に正しいお言葉で結構でございます。併しながら私の伺つているのは、この法律では何も取引実体を記載していないでもいいことになつておる。若しそういう取引実体が、売り方と買い方の間で取引があつたということの記載された仮に帳簿があれば、あなたのほうはあなたのほうでそこまで裏へ廻つて調査しないでも取引実体は把握できますね。それがない場合には、あなたがたの認定で多額の税率をかけるのではなかろうかと心配しているのです。そこでこの法律帳簿くらいはあつたほうがいい、置くべきだ、置かなければならないというような規定を作りたい、こう思うためにわざわざあなたに来て頂いたのです。私はあなたがたが認定で以て帳簿が何もないからといつて、いろいろな国の費用をかけて調査をして、そうしてやつと実体はつかまえたが、なかなかどれはあなたは今立派におつしやいますが、なかなか実体はつかまれるものではない。そうするよりも、こういう法によつて看板を上げた立派な業者ができるならば、そうしたものが取引台帳みたいなものがあつて取引実体、この法律は報酬の場合でも幾らを超えてはならないとありますが、例えば両方から仲介業者は報酬をもらうのですが、実際の場合において一割を三分に負けて下さいと言われて三分に負けたいというような場合に、この法律は超えてはならないというのですから、それをあなたがたが今まで相当お調べになつて実体が把握されない場合には、認定でやられる。あなたたちはいろいろな手を使つて調べた上で認定をする。その場合苛酷なことがあつてはならないと思つて実は伺つている。今お話のようなことはあなたのおつしやる通りですが、今の徴税官としては正しい行き方でありますが、帳簿がないために認定されて、今言う通り最初一割ときめたから一割取つたろう、いや三分しかもらいません、いや一割取つたに違いない……こう言われても、あなたがそういう認定をする場合には、止むを得ず、なかなか税務署のかたは怖いですから、(笑声)どうしても一割取られてしまうような虞れがある。そういう虞れがあつては、折角一生懸命商売をしているにかかわらず、税務署にいじめられては困るというので、そういう規定を設けたらどうかということを請願者も請願している実情です。くどく説明しないでも……法案をお読みでないでしようからここまで申上げたのですが、幸いあなたのほうでそういう帳面でもあれば一応正しいと、その実体があつたということはお認めになりますね。
  40. 村山達雄

    説明員村山達雄君) 帳簿が作られた場合にその帳簿が正しいかどうかということはやはり監査の対象になります。
  41. 田中一

    田中一君 取引実体だけはわかるわけですね。
  42. 村山達雄

    説明員村山達雄君) それが非常にむずかしいのでございまして、取引のうち脱漏している部分があるかないか、或いは取引金額がそのまま記載されているかどうか、手数料がそのまま記載されているかどうか、経費が過大に記載されている傾向がないか、或いは悪意でなくて税法上私生活に属する部分の支出を営業費の、営業の経費として使つている事実があるかないか。これらの点がいずれも監査の対象になるのでございまして、帳簿がありますと先ず第一にそうなります。長年経験いたしますと決定的に調べて参つて毎年々々幾ら調べてもこの人の帳簿が正しいということになりますとそこに一つの信用鑑定が出まして、大体この人の作るものは間違いないということになります。疑つてかかるわけではありませんが、事務的に一応書類だけは全部監査の対象にしております。
  43. 田中一

    田中一君 もう一遍伺いますが、それではこの新らしく出る法律にそういう帳簿を置かなければならない。取引実体を記載した帳簿を置かなければならないと思いますか、ないほうがよいと思いますか。
  44. 村山達雄

    説明員村山達雄君) 如何なる場合でも帳簿はあつたほうが、我々の立場では結構でございます。
  45. 田中一

    田中一君 非常に我が意を得た御答弁であります。(笑声)これで国税庁に対する質問は終ります。
  46. 門田定藏

    ○門田定藏君 今田中委員からお尋ねがありましたけれども、私は帳簿の問題ではなくしてブローカーの問題について伺いますが、我々はこの終戦後聞いたり見たりしているのですけれども、何もしないでブローカーをやつている人、例えば一つの会社を、三億円の会社を周旋した、その世話が成立つて報酬を何百万円かもらつた。そうして我々の聞いているところではその妾に三百万円の家を買つてやつた。こういうことやいろいろのことを聞くのでありますが、大体こういう種類のものに対しては国税庁あたりはどういう措置をやつておられるのですか。
  47. 村山達雄

    説明員村山達雄君) そういう種類の人があるとわかりますれば勿論課税するわけでございますが、どういう端緒でわかるかということが問題でございます。これは所得というものはなかなか隠しがたいものでありまして、結局資産を形成いたしますから、消費に使いますか、或いは資産の形で預金するか、又は株が殖えるか何かの形で殖えて来るわけでございます。それらの端緒が出ますと、これは如何なる原因に基いたのであろうか、或いは隠匿した所得の一つの氷山の現われではなかろうがという疑いを持つわけでございまして、その点が追及の対象になるわけであります。私生活が派手になるとか、噂が立つとか、店舗を拡張したとか、使用人が殖えたとか、いろいろございます。なかなか箪笥預金をやつて噂が立たないということになりますと、場合によりますと、まあ普通並みの課税しか行われないことも間々ございますが、併しいつかは所得というものは現われるわけでございましてこの所得を現わさないで一生過ごすということは、なかなかこれは目的にも反するわけでございます。そこで現われたときに原因を追及して参りまして、若し過去の脱税でありますと、追徴税、加算税の問題になつて来るわけでございます。
  48. 門田定藏

    ○門田定藏君 よくわかりましたが、株を買うたりいろいろ自分が所得したつまり費用を使えばわかるのですが、使わずにおつても多分国税庁あたりではよくわかることであると思つておりますが、我々が見ておるのでは、これは噂では金のある者が何百万円の家を建てておると、これはどうしたかというと、或る政治家から建ててもらつたとか、これはどうだと聞くと、どこの会社の周旋したために幾らもらつたと、こういうことでいろいろ我々の耳に入つておる。これを税務署あたりの人間は知らないわけがないと思うのです。然るに一般のサラリーマンや、こまい所得者は隠すことができない、税を取られるが、そんな何千万円もらつた人に限つて税を拂つてないのです。これを何とかしてもらわんと、小さいものが浮ばれんです。こういう者を一体どういうふうに考えておられるか。表面上はあなたのおつしやることはよくわかるけれども、一般の人はよく見ている。税務署は一体ああいう人をどう課税するのかと見ておるんです。小さいものじやない。今の政府はこまつい「めだか」を掬つて、ああいう大きい奴を逃しておる。これを一つ国税庁はもつと大きな目を開いて、何とかやつてもらいたいと思うのですが、これに対して一体どうお考えですか。
  49. 村山達雄

    説明員村山達雄君) そういう人がございましたら、全く我々といたしましては、御質問の趣旨と同様の考えを持つております。まあ具体的に若し名前を挙げて頂きますれば、どんな課税状況になつておるかということを調べますが、一般的に見て終戦後そういう傾向はまだあるかも知れませんけれども、非常に減つて来ておるという感じを持つております。第三者通報制その他もございまして、これも賞金と言いますか、相当多いために、これによりまして端緒を得ることも多いのでございます。又人の口に戸を立てられないと申しますが、とかく噂になりやすいので、これが調査の端緒になる例も非常に多いわけでございます。今でもそういう人がございましたら一つできるだけお知らせを願いたいと思います。
  50. 門田定藏

    ○門田定藏君 只今大変いいことを聞きましたが、我々は随分警察に投書されたりして、訳もないことに引つ張つて行かれて迷惑しますが、若しそういうことで例えば門田なら門田が或る会社の周旋をして、二千万円もらつたとか、こういう話がある、二号に三百万円入れてやつたという話がある、こういうまあ、若しあなたのところにそういう投書でも入つた場合ですね、そういう場合には一体どういう方法をとられるのですか。
  51. 村山達雄

    説明員村山達雄君) 仮定の話でありますが、大体こういう場合は、国税庁の場合ですが、直ちに徴税のほうに調査命令が出るわけです。恐らくその場合には会社の帳簿を先ず調べるわけでございます。若し周旋料を出しておれば、経費が出ておるわけです。それから若し二号さんのお話がありますれば、そのほうが先ず調査の対象になりまして、それらの資料を持つて本人の家に伺うということになるだろうと思います。
  52. 門田定藏

    ○門田定藏君 只今会社のほうと言われましたが、私は会社などのことでないので、我々聞いておるのは、政治家が大きな金を儲けておる、こういうことがあるのです。そういう会社なども帳簿を持たずして、そういう会社の周旋をしたことはわかつておるけれども、会社に行つて聞いて見るというと、うちのほうからは周旋料は出しておらんと言う、ところが調べて見るというと、今言いますように妾を持つておる、妾に三百万円の家を建ててやつたと、こういうことが現われる、そうして今度の選挙にはそういう人が一千万円も使つて出て来ると、こういう話は、これはこの間の新聞にも発表されておりましたが、これは一つ国税庁あたりが真劍にやつてもらいたいと思うのですよ。それでそういうものに対して、例えば私のところに来て、お前はどこの会社の周旋をして、一千万円もらつたという話があるが、会社に行つて聞いて見ると違うと言う、併しそういうことをやつて、つまり政治を腐敗させる政治家がたくさんおるのですよ。そいつを一つあんたらの手で何とかやつてもらいたい、そういう場合には一体どういうふうに認定されるのか。
  53. 石川榮一

    石川榮一君 大分時間もたつておるのですが、本問題と大分離れておりますから、一応採決してからゆつくりやつてもらいたいと思います。
  54. 小川久義

    理事小川久義君) 別に御発言もないようですから質疑は盡きたものと認めて御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  55. 小川久義

    理事小川久義君) 御異議ないと認めましてそれではこれより討論に入りたいと思いますが、討論もすでに質疑中に盡きたようでございますので……。
  56. 田中一

    田中一君 討論あります。
  57. 小川久義

    理事小川久義君) それではこれより討論に入ります。御意見のおありのかたは賛否を明らかにしてお述べを願います。
  58. 田中一

    田中一君 私はこの法案につきましては、今まで野放しにされておつた業者法律の裏付を以て、義務と権利を與えるという点には原則として賛成でございます。ただ一、二点、若しも提案者が御同意ならば、修正して頂きたい点がございます。併しながらその点も、もう会期も間近でありますし、提案者からいろいろ縷々詳しい御説明がありましたので、一応了承しておきます。併しながら意見だけは記録に残したい、こういうように考えるのであります。  第一の点は、何らかの業者資格と申しますか、誰でも自由にこの法律が施行されたと同時に入れるというような形でなく、一応取引業者としての一応の資格を備えた者がこの業者として登録される用意が欲しい、これが第一点でございます。第二点は、先ほど国税庁の所得税課長からも話がありましたように、やはり業者を守る意味において、取引台帳的なものがあつたほうがいいような御意見も伺いましたので、私御同感でございます。これも、若しもできればそういうものを近い将来に置くような措置をとつて頂きたい。そういうことについても提案者からの御了承があつたので、その点を希望條件として、この業者実体運営をよく見極めまして、近い将来その点を改正して欲しいという希望をつけまして賛成をいたします。
  59. 小川久義

    理事小川久義君) ほかに御意見ありましたら……別に御意見もないようでありますから、討論は盡きたものと認めて御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  60. 小川久義

    理事小川久義君) それではこれより採決に入ります。  宅地建物取引業法案を原案通り可決することに賛成のかたの挙手を願います。    〔賛成者挙手〕
  61. 小川久義

    理事小川久義君) よつて本案は原案通り可決すべきものと決定いたしました。なお本会議における委員長の口頭報告内容等爾後の手続は、慣例によりまして委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  62. 小川久義

    理事小川久義君) 御異議ないと認めます。  次に本案を可決されましたかたは成規の手続によりまして順次御署名を願います。   多数意見者署名     田中  一 石川 榮一     楠瀬 常猪 深水 六郎     前田  穰 門田 定藏     松浦 定義
  63. 瀬戸山三男

    衆議院議員瀬戸山三男君) 宅地建物取引業法案につきましては極めて御熱心に慎重に審議して頂きましたが、委員会の御可決を得ましたことを提案者の一人としまして衷心より感謝いたします。審議中にいろいろ将来についての御意見なり御希望があつたわけでありますが、提案者といたしましても内心御尤もである点が多々あるわけであります。そこで御承知通り宅地建物取引業者自体の全国的な実体が明確になつておりませんので、本法の施行によりまして当然それが具体的に明確になつて来る次第であります。そこで行政監督の地位にあります建設省、又は都道府県知事が将来その実体をつかむことがありますので、その際にはどの点に改正すべき点があるか、又どういうふうに指導しなければならないかということも明らかになつて来ると思います。なお帳簿の点については本法施行後行政的の指導によつてできるだけ御期待に副うように努力して参りたいということと、将来の改正については実体を把握しまして後に、お互いの意見を承わりながら成るべくよい法律にいたしたいと、こういうお礼の言葉と同時に将来に対する気持を申上げます。
  64. 小川久義

    理事小川久義君) 発議者の瀬戸山君に対しまして労を多とし、感謝いたします。只今お述べのようなお気持で将来とも善処されんことをお願いいたします。  本日はこれを以て散会いたします。    午後一時十二分散会