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1952-05-23 第13回国会 参議院 建設委員会 第42号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十七年五月二十三日(金曜日)    午後一時五十五分開会   —————————————  出席者は左の通り。    委員長     廣瀬與兵衞君    理事            赤木 正雄君            田中  一君            小川 久義君    委員            石川 榮一君            楠瀬 常猪君            深水 六郎君            門田 定藏君            三輪 貞治君            松浦 定義君            東   隆君   政府委員    建設省道路局長 菊池  明君   事務局側    常任委員会専門    員       菊池 璋三君    常任委員会専門    員       武井  篤君   証人    日本損害保険協    会総務部長   今井久次郎君   —————————————   本日の会議に付した事件 ○住宅金融公庫法の一部を改正する法  律案内閣送付)  (右法律案に関して証人証言あ  り) ○公聴会開会に関する件 ○連合委員会開会の件 ○証人喚問に関する件   —————————————
  2. 廣瀬與兵衞

    委員長廣瀬與兵衞君) 只今から建設委員会開会いたします。  住宅金融公庫法の一部を改正する法律案を議題に供します。  本日は本法案につきまして災害補償の点について保険協会側から証言を求めたいと思います。証人におかれましては御多忙中御出席を願いまして誠に有難うございます。本日は本法案につきまして率直に御証言を願いたいと存じます。  なお、証人につきましては議院における証人宣誓及び証言等に関する法律によりまして宣誓書を朗読させ、且つこれに署名捺印を求めることに相成つておるのでありますが、すでに委員長の手許に署名捺印願つた宣誓書が参つておりますので直ちに証言を聴取いたしたいと存じますが御異議はございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  3. 廣瀬與兵衞

    委員長廣瀬與兵衞君) 御異議な、と認めます。  御異議がないようでございますから直ちに証言を求めます。今井久次郎君。
  4. 今井久次郎

    証人今井久次郎君) 今井久次郎でございます。
  5. 田中一

    田中一君 証言を求めるのにどういう形で行くかお諮り願いたいのですが、総括的にこの法案に対する証人の考え方を述べてもらうか、或いは逐条的に質問によつて証言を受けるか、どちらかの方法をおきめ願いたいと思うわけです。
  6. 廣瀬與兵衞

    委員長廣瀬與兵衞君) 只今田中委員から如何なる方法を以て証言して頂きますかということについてお話がありましたが、前例によりまして総括的に証言を願いまして、そのあとで御質疑のある委員から御質疑を願いまして又御証言を願いたい、こう存ずる次第でございます。
  7. 今井久次郎

    証人今井久次郎君) それでは住宅金融公庫法の一部改正法案に対して損害補償制度に関連した部分について損害保険会社側意見を申述べます。  政府提案によりますと、災害融資者負担を軽減することが最大の目的であるように承わつております。ところが果してそのような目的が達せられるかどうかということは簡単に考えられない点があると存じます。即も災害補償料なるものは千分の三・五というふうに述べておりますが、融資物件に対してのみ三・五を適用するというのでありますから、事実建築がなされる場合には自己資金を一部分使いまして建物建築しております。現在の木造建築でありますと、十八坪限度においてその建設費坪二万六千円と考えて、その八掛しか許可されない。そうしますと二割というものについてはおのずから自己資金が出される。八掛に対して千分の三・五の補償料保険を済ましても、残りの部分一般保険契約しなければならんのであります。それから必ずしも二万六千円の単価建築ができるものとは限らない。三万円、二万五千円も費やす場合があります。又必ずしも十八坪の建物に限らない、三十坪、二十五坪というような建物建築される。その白日資金部分についてもやはり一般保険契約されるのでございます。で、現在はそれに対して平均三割引き保険料率を以て我々保険引き受けておるのでございます。自己負担部分についても三割五分引きを以て引受けております。それは別個の又理由があるのでございますが、今回改正されまして住宅災害補償料を以て八掛の分だけ、融資額だけに対して契約されるとしますと、保険会社白日部分については一般料率三割引きしない一般契約として保険引受けなければならんということになります。そうしますとこの数字がいろいろありますが、結局において殆んど債務者負担が軽減されない、或いは計算の取り方によりますと、却つて融資者負担が増加するというような結果を来たしております。詳細を或いは御質問あれば申上げてもよろしうございますが、そういう結果になつております。  次に政府機関が現に民間保険会社で実施しておるところ保険に競合するような保険を締結するということは民業の圧迫になるばかりでなしに自由経済の原則に悖るものであるというふうに考えます。民営がいいか、国営がいいかということは、単に保険事業ばかりの問題でなしにすべての事業に共通の問題でありますが、その長所、短所は今更ここで申上げる必要はないと思いますけれども、少くとも保険事業というものは非常な熟練を要する事業であります。殊にその保険の対象が非常に広汎に亙つておる場合にこれを取扱う機関というものには相当な経費がかかる、又損害の発生した場合に如何なる損害価額であるかということを調査することは特殊の技能を要するのでありまして、而も従来は平均一ヵ月十五件乃至二十件の損害がありますが、それが全国に亙つておりますと相当熟練者が多数いなければ速かに損害の処理ができないということになります。又一部は国営保険になり、一部は民営保険になるというと、同一物件について二つの保険が重複するというときには損害の査定の場合しじゆう食い違いができます。一部の損害に対してどの部分はどういうふうな割合で払うかというようなことについていろいろ複雑な問題が起つて参ります。更に今回の改正法案によりますと、損害の起つた部分について修繕費貸付けをするというふうに言われております。又全部滅失した場合には新たに貸付けをするということになつておりますが、その金額だけ金融公庫資金損害を蒙つた建物に流れ込むのでありまして、新らしい建築をすることについての資金がそれだけ少くなるということになります。それよりもむしろ保険保険に委せておいて、事故が起つたならばそれを保険会社から出させるということがなお合理的であると存じます。  更に現在一般的に政府におきましては、行政整理を考えておられる。従つて行政整理によつて国費節減を考えておられるのでありますが、今回の補償制度を実施することによりまして、人件費並びに物件費はそれだけ膨脹することになります。少くとも節減に支障を来すということになりますから、むしろそういう事業一般保険会社がやつておる一部面として委されるほうが適当であろうと存じます。  殊に今回の料率の千分の三五というものは極く短期間料率でありまして果してこれが長期間に亙つて妥当なものである、どうかということは、我々の経験から申しますと決して肯定できないのであります。ということはしばしば大火の危険が発生しております。それによつてそういうものを考慮するということが是非必要なわけでありまして、若し、殊に今度の案によりますと風水害をもその中に含めるということでありますが、風水害の危険はなかなか測りしれない巨額に達することがあるのでありまして、若し一挙に大損害が起つた場合如何にされるつもりでありますか。これは或いは借入金或いは財政資金の一部から支出するような御計画であるかも知れませんが、その場合全部を返済するには相当長期間を要するのでありまして、かくのごとく財政的に、財政資金の上に損を与えるような計画には賛成できないと存ずる次第であります。今回鳥取市に大火が発生いたしました。鳥取市における公庫建築保険損害は約二千万円でありまして、建設省の御計画によりますと、一年の保険料が恐らく四千五百万程度お見込になつておると思いますが、その半分に該当するとところの二千万円が鳥取一回の損害で支払われなければならないということになります。そうしますとその他の損害、或いは又今後あの程度損害が発生しないとは限らないのでありまして、それを何を以て補填をされるか、又今回承わりますると、二億の公庫資金鳥取の復興に流されるということでありますが、その鳥坂市のごときは大火の危険が非常にある土地でありまして再び同じような大火が起つたときに公庫負担というものは一億以上、或いは二億近いような損害を支払わなければならんというような結果が来ないとは限らないのでありまして、そのような危険を生むよりも、むしろ民間保険会社がほかの保険から得たところの蓄積によつて支払うというほうが適当であろうと存じます。  なおこういつた国営若しくは公営に対する事業についての反対意見といたしまして、もう一つ附加えさして頂きます。公庫が現在の融資額は比較的僅少でありますが、年々増加して行きます。その都度住宅かなり多くの部分従つて保険の見地から見ますと、住宅保険かなり多くの部分公庫補償に変ります。住宅保険というものは我々保険会社の目から見まして非常に危険の分散された優秀な保険であります。優秀な危険、我々の言葉で申しますと危険と申しますが、優秀な危険であります。従つてこれを漸次保険会社の手から持去られるということは、保険経営安定性を失うことになります。非常に金額の浮動の多い工場或いは倉庫或いはそのほかの非常に金額の変動の激しいもの、或いは危険の大きいもの、そういうものが保険会社に残るということは経営安定性を阻害するために、勢いそういつた建物料率も引上げなければなりませんし、又対外的に見まして保険会社信用を傷つける虞れがあります。現在保険会社は国際的な再保険取引をやつておりまして単にただ大口の物件ばかりでなしに、小さい三十万、五十万というような保険でもこれを集積した場合に再保険取引をやつております。外国保険会社は内地の保険会社内容をいつも注視しておりまして、危険の多いものばかりが再保険に出されるようであれば、保険取引に対して悪い条件を持出します。極端な場合には再保険引受けを拒絶する場合があります。その実例は極く最近に船体保険について現れておりまして今年の初めに海外保険取引をずる場合に、非常に悪い条件船体保険について持出されまして困つたという実例があります。又こういう公庫補償制度のようなものが漸次ほかの官庁或いは建設省においても拡張されるということになりますと、一種の国有保険が発達するということになりますが、その場合海外保険者日本保険に対して一種の不信用な、信頼の観念を失うというような結果になります。その例はフランスにおいてすでに明らかであります。又イギリスにおいては御承知のように各種の産業が国営化されておりますがこのイギリスでさえ保険事業民営に委ねられておるのであります。それらの事情をよく御覧頂きまして今回のこの改正法案に対してはそれらの点を考慮いたしますと、この改正法案に対しては反対しなければならんというふうに存ずる次第であります。  以上で一応の意見を終ります。
  8. 廣瀬與兵衞

    委員長廣瀬與兵衞君) 只今今井久次郎君の証言につきまして御質疑のあるかたは順次御発言を願います。
  9. 田中一

    田中一君 今今井証人の御説明なつたように、一応再保険会社側としての大体の意向はわかりました。細かい質疑に移る前に一点伺つておきたいのであります。昨年でしたか、東京都は都営火災保険をやろうということの案を都議会に提出したのであります。それがいろいろな、新聞で私は拝見するばかりですが、新聞に伝えるところによりますと、いろいろな経緯を経て、結局中止なつた。無論保険業者としては、只今今井証人からお話のあつたように、同じような反対意見でこれに対する阻止の運動をなすつたと思います。併しケースとしては今回のこの災害補償契約に含まれておるところ火災保険というものについては同じようなものと考えます。なぜ都営火災保険計画中止なつたか、あなたの知つていらつしやる範囲のことを経緯お話願えれば結構と思います。
  10. 今井久次郎

    証人今井久次郎君) これについては、昨年の初めに理由書を、意見書を各方面へ提出しておりますから、或いは御覧願つたかとも思いますが、その要点を申上げますと、都営保険は都の知事初め都庁都議会などの首脳者が発起人となりまして都の財政的な資金を投じて都の収入不足を補足するために支出する、而もその火災保険都民一般から安い料率引受けるのであるというようなことでありました。これに対して我々は反対をしたのでありますが、その理由は、地方自治体が特殊の地位を利用して民間事業と競争するような立場に立つということは肯定できない。それは都の都会或いは区会の関係者がこれに参加するということになりますと、勢い住民に対して強制的な観念を与えます。殊に消防或いは警察が取扱うというような噂も聞いたんですが、非常な強制的な観念を与える。又先ほども申上げましたようにその住宅或いは店舗というような比較的優良な平均された物件が多く都営のほうに行くということは民間事業に対して非常な圧迫になるということも一つ理由であります。それから先ほどまあ国際保険国際性のことをお話しましたが、都が引受けをした場合これを外国に再保険することができるかどうか。恐らく海外保険者公共団体と再保険取引をするということは承知しないであろうと存じます。従つて非常にたくさんの危険を如何にしてさばくか、例えば銀座一画、銀座の或る二画を曾つて調べたことがありますが、二百何十億、極く小範囲ですが、一百何千億という金額保険が極く小範囲ところに集積しておるというような例が発見されております。そういうものを如何に処置するかという問題がある。それから都営保険は都の財政収入不足を補う、特に消防施設の充実を図るために使うのであるということを言われたのでありますが、大体保険料というものはこれは保険者保険契約者から預かつた預かり金であります。決してこれは自由に使えるものではないのでありまして、損害が発生した場合には如何なる多くの資金も一度に出せるという態勢にいつも置いておかなければならん。まあ今回の例を申しますと、鳥取に対しては五億四千万ばかりのものを極く短期間の間に支払つておるのでありまして、そういう資金はいつも流動性のある形において整えておかなければならない。先ず現金預金は勿論のこと、有価証券川場性のある上場株に投資するということでなければならないのでありまして、これは消防施設のために使うとか万一損害があつた場合には恐らくどこかから借入金もしようというのでありましようが、借入金をすることによつて金融圧迫する、一般金融圧迫するのでありまして保険の社会的な使命を果すことができないのであります。又民間保険料率が非常に高いということが一つ理由であります。ところ保険会社経理内容を十分御承知のないかたがこれを言われるのでありまして、事実保険会社利益というものは収入保険料に対して昨年のごときは一分二厘、とにかく二分に達しないのであります。ということは、これは火災保険については相当利益が出ておりますが、海上保険その他について損害が多かつたためにでもありましよう。けれどもとにかく一分二厘という一分なにがし、とにかく二分以下の利益であります。ということは、収入した保険料が直ちに利益になるのではなくして、すでに保険期間の経過した部分だけが利益として計上されなければならんということであります。又利益配当を見ましても、今日多数の民間会社が三割或いは四割の配当をしておるときに、保険会社は、今年はまだきまつておりませんが、昨年の利益配当最高一副五分であります。大体一割見当の配当をしておるのが大部分であります。
  11. 田中一

    田中一君 ちよつと今井さんに申上げますが、私が伺つておるのは、端的に都営火災保険計画中止なつたという経緯を伺つておるのです。私の質問が悪かつたかも知らんのですが、反対理由は恐らく先ほど総括的にこの法案に対して理由をお述べになつ反対理由と同じと思うのです。私の伺つておるのはあれが中止なつたというのはあなたがたのほうの運動が効を奏して中止なつたのか、或いは国民市民都民が受けると不利益だから、或いはその計画が杜撰であり且つ危険だということを都の理事者が認識してそうしてあの計画中止なつたのかそういう点を伺つておるのです。それをあなたがた協会としてはどういうお考え持つておるか。御承知ならばどうして中止なつたかということを伺つておるのです。
  12. 今井久次郎

    証人今井久次郎君) それについては私のほうは存じません。その向うのお考えがどうであつたかということは存じません。聞いておりません。併し、我々がまあ今述べましたようなこと、まだほかにもありますが、都営保険計画が非常に杜撰である、我々の目から見ると、まるで素人の計画したものであるように思われる。又その実施された暁には決して目的とされておるような効果が上らないということを説明いたしまして、それによつて漸次関係者が納得されたものと存じます。それ以上は私も詳しくは聞いておりません。
  13. 田中一

    田中一君 今あなたは今度災害補償契約、この住宅金融公庫法改正伴つて災害補償契約という新らしい法律を挿入することが被保険者不利益たというような御説明がありましたが、大体数字のことですから頭に余りはつきり残りませんけれども、現在今伺つた範囲において私が考えて見ますと、八割だけの貸付住宅金融公庫がするとそうしますと二割分は自分通常保険にかけなければならん。無論全体としましては住宅金融公庫一括契約をしておるところの現在の保険契約は三割だか安くして契約しておる、一般料率よりも安くして契約しておるというようなお話でしたが、その今の二割というものは通常料金で支払わなければならん、契約しなければならんということは、現在あなたのほうでは住宅金融公庫貸付金担保というものは十八坪だけに対して契約しておるのですか。或いは先ほどお話のように、二十五坪の家をいわゆる十八坪分だけは住宅金融公庫資金を仰ぎ残余の坪数に対しては自己資金でやつておる場合、その場合には同じじやないですか。やはり同じように自己資金で現在もやつておるとするならば、ただ十入坪に対する料率が三割安いということになつておるのですか。或いは二十五坪全部を三割安い料金契約しておるのか、又動産についても同じようにその三割安いという料率、新らしい住宅金融公庫との契約した料率によつてつておるのか、その点を伺いたいと思うのです。
  14. 今井久次郎

    証人今井久次郎君) 現在は借入資金によつて建てている部分自己資金部分同一の割引した料率契約しております。動産についてはこれは別個契約でありますから、取扱いも違います。従つて割引しないところの普通の世間一般料率を使つております。
  15. 田中一

    田中一君 それでは若し最初に住宅金融公庫から借りた金によつて十八坪の家を作つたそのうちの手持金の二割に対しては無論同じ料率でやると、その保険契約者が新らしく十坪の増築をした場合、この場合には物件が同じだから同じような三割引き料金契約しておりますか、しておりませんか。
  16. 今井久次郎

    証人今井久次郎君) まあ普通の増築の場合は同一の割引した料率でやつております。契約しております。ただ棟が別である、別棟のものを作つたというような場合はこれは又別の一般料率を適用しておるわけであります。
  17. 田中一

    田中一君 その被保険者住宅金融公庫は無論貸付担保物件ですから、いわゆる二万六千円の貸付をするならば、二万六千円に対する保険をかけたものと考えます。併しながら先ほどあなたも言われたように又私どももそう考えておるような一坪二万六千円の貸付けを受けても、事実自分の今作つた家は三万円或いは三万五千円、四万円もかかるような場合には、あなたのほうでは住宅金融公庫との特定なる料率によつて契約されたもののほかにその被保険者が事実上自分建築物に対するところ投資金というものはもつと大きいのだという場合には、その住宅金融公庫できめられたもの以外の、何といいますか超過保険と言いますか、住宅金融公庫に言わせれば超過保険というでしようけれども、実際に自分の家を持ち自分の家を建てたものは事実上三万五千円或いは四万円かかつた場合には、それをかけたいと思うのです。強いて言えば住宅金融公庫のほうは二万六千円だけのものをかければそれで一向差支えないのです。併しながら家を持つておるものは三万円、四万円事実かかつたのだから、それだけのものを契約したいという場合には、同じような料率契約しておりますか。又それは超過保険として拒否しておりますか。その点を伺いたいと思います。
  18. 今井久次郎

    証人今井久次郎君) それはよほど、まあ金額が大きい場合は別ですが、ということは単価が非常にまあ特殊な場合は別ですが、すべて公庫料率即ち割引した料率契約をしております。二万六千円、仮に三万五千円かかつた場合、一万円或いはその一万円以上の金額についても二万六千円と同じ取扱いをしております。
  19. 田中一

    田中一君 私どもにこの政府から提出されている資料があるのです。それを見ますと、相当数のたしか六百二十一万円の支払いを、これは二十六年の二月から二十七年の一月までの間に六百二十一万円の保険料を払つております。でこれに対してあなたのほうでは今言う住宅金融公庫のほうから見ますと超過保険、併し実際の家の所有者建築をした人間から見ますと当然な保険契約と言いまして二万六千円のほかに別に三万円乃至四万円の保険料を払い込みその契約をしておつたという実例はございますか。
  20. 今井久次郎

    証人今井久次郎君) それはもう非常にむしろそのほうが多いのでありまして、二万六千円、つまり融資金額だけしか契約していないというのはむしろ少いのです。二万六千円の最高十八坪でありますが、事実平均契約高というものはとにかく非常に融資額だけに限つておるという契約は非常に少いのです。むしろ自己負担部分についても保険をかけております。
  21. 田中一

    田中一君 その際、大体今までのこの損害に対して支払つたものは標準として、大体坪当りどのくらいという保険高になつておりますか。
  22. 今井久次郎

    証人今井久次郎君) 保険料ですか。
  23. 田中一

    田中一君 保険契約ですね。私の質問がはつきりしないと困るのですが、住宅金融公庫は二万六千円、併し実際自分の建てたものはそれからあと四千円なり五千円なりかけたいという実際に契約しておるものですね。この住宅金融公庫と約束した特定料率によつてかけておるもの、個人がかけておる金額ですね、これを伺つておるのです。大体二万六千円でやつておるものが多いのか、或いは三万円とか三万五千円とかでやつておるものが多いのか。
  24. 今井久次郎

    証人今井久次郎君) そうですね。この坪数が我々にどうも関係がないものですから、そういう統計はとつておりませんが、契約される坪数は我々のほうでとつておりませんから、従つて坪当り平均幾らということはまあ出せないことになります。或いは若干の例を引抜いて見れば大体の傾向はわかると思いますが。
  25. 廣瀬與兵衞

    委員長廣瀬與兵衞君) 今井証人に申上げますが、この会議の秩序を保つために、証言をなさるとき委員長の許可を受けてやつて頂きたいと思います。
  26. 今井久次郎

    証人今井久次郎君) ああそうですが。どうもなれませんものですから……。
  27. 田中一

    田中一君 私はあなたが先ほど現在の料率においても住宅金融公庫が今度やろうという災害保険契約料率よりも現在の料率保険会社契約したほうが個人のほうが利益だと、契約者のほうが利益だということをお話になつておりましたが、その算定の仕方はどういう形で算定しておるんですか。
  28. 今井久次郎

    証人今井久次郎君) これはその基礎的なことを申しますと、料率の点では、一方現在の大体公庫平均料率が五円七十一銭というような数字が出ております。最近の保険料率、そのまあ三割見当高いものが一般料率というわけです。これはまあ料率というものは非常に御承知でしようが、複雑なものでありまして、すべてがすべて三割というわけでもないのでありますが、まあ平均したところでございます。それで従つて新らしく改正案が通りました補償料というものは、千円について三円五十銭で計算される。それでいろいろな場合が考えられるんでありますが、仮に十八坪の建物に、坪当り二万六千円の融資を受けた人が、八割の融資を受けるのでありますから、二割の部分についての五円七十一銭の料率を適用するということにします。そうすると漸次融資金額が返済される従つて自己負担部分建築の価格が変らないとすれば、自己負担部分が漸次増加して行きます。十八年経過しますと、結局全部が自己の危険にあるということになりまして、先ほどの五円七十一銭というのは間違いでございました。八割については公庫の三円五十銭で契約いたしますが、二割については現在大体八円五十銭ぐらいの見当でありますが、平均……。そのくらいの料率で二割の保険契約されるということになりますが、その二割が年数が経つに従つて漸次割合いが増加いたしまして、最後においては全部八円五十銭の料率を適用されるということになつて、結局現在のまま保険会社が三割引でやるならば、全部の契約について三割引いた五円七十一銭で契約をする、最初の第一年から十八年まで同じ料率で五円七十一銭で契約するということになりますと、その差額が計算してありますが、千六百六十六円だけ被融資者不利益となる。被融資者負担がそれだけ増加することになります。もつと償却しなければならんということがありますが、現在のような状態で、漸次建物の値段が上るときの状態においては余り償却を考えて保険付けておられないように思うのであります。去年の建物が今年どうなる、或いは場合によつては増加して契約されておる実情であります、十八年先はわかりませんが、一応差引償却せずに計算するとそういうことになります。それからそれは十八坪の場合でありますが、仮に二十五坪の建物を建てるということになりますと、十八坪の二万六千円の八掛の融資額しかありませんから、自己負担部分というものが非常に多くなります。そうするとその差がますます多くなります。その場合は融資者、被融資者においては九千六百円の負担増加になります。そういうようないろいろな場合があるのでございます。
  29. 田中一

    田中一君 どうも今の計算、なかなか頭に入らないのですが、若し委員長からその計算の基準は若し協会のほうから印刷物で廻わしてくれるならば非常に幸いと思います。これは委員長からお諮り願いたいと思います。  それからこの災害補償契約先ほどあなたが御指摘になつたように、火災のみならず風水害の場合にも補償しようということになるようでございますが、現在の損害保険協会ではそうした自然災に対する保険を考えたことがあるかどうか、又現在研究しておられるかどうか、又はこれはあなたがたが専門家ですから伺うのですが、外国においてはそのような自然災に対する保険契約というものが実施されたところがあるかどうか伺いたいと思います。
  30. 今井久次郎

    証人今井久次郎君) 自然災については遥か以前から研究もされ、或いは実施してはどうかという意見も一部に出たことがありますが、何分にも非常に統計資料が不足しておるということと、一つ損害に非常な変動がある。一挙に巨額の損害が起るというようなことで、今日まで実施されずに来ておるのでありますが、経済状態が今日のような有様でありますと、自然災に対する保険の希望が相当現われて来ておりますので、経営ができるかできないかということを更に資料を集めて研究するということになりまして、最近各方面の資料を集め、研究を続けております。只今までのところではまだ結論には達しませんが、理論的には民営保険として経営できないことはない、成り立たないことはない。併し現在の保険会社の財政的基礎が非常に薄弱である。これだけの大きな危険を負担するには非常に薄弱である。又一件の損害が非常に多く且つ頻繁であるということのために、これを民間保険会社で全部負担する。我々の専門言葉で言いますと保険を消化するということはできない、現在はできない状態であります。そこで政府が再保険引受ける、或いはそのほかの方法で援助をしてくれるということであるならば、民間会社は必ずしも不可能だとは言えない、再保険のことにつきましては現に船舶保険について政府は再保険引受ける、民間保険政府は再保険しております。必ずしもこの点も不可能ではないと思います。以上であります。
  31. 廣瀬與兵衞

    委員長廣瀬與兵衞君) 田中委員から今井証人に対して先ほど今井証人の御説明に対する資料を届けて頂きたいという要求でありますがお願いいたします。
  32. 今井久次郎

    証人今井久次郎君) 承知いたしました。
  33. 廣瀬與兵衞

    委員長廣瀬與兵衞君) それでは成るべく早くお届け願いたい。
  34. 田中一

    田中一君 各委員のかたに、委員会にお届け願いたいのです。部数を御注文なすつて頂きたいと思うのです。
  35. 廣瀬與兵衞

    委員長廣瀬與兵衞君) 三十部ほどで結構でございます。
  36. 今井久次郎

    証人今井久次郎君) 承知いたしました。
  37. 田中一

    田中一君 今質問申上げたうち外国では自然災に対してどういう手をお打ちになつているか伺つたのですが……。
  38. 今井久次郎

    証人今井久次郎君) 外国では大体において地震は引受けております。これはアメリカの西海岸のようなところは拒絶しておるようでありますが、アメリカでも大体はまあ引受けておるようであります。これは会社によつて違いまして、全部がやつておるわけではありません。それから風害はこれは大抵やつておるようです。それから水害については洪水ですね、洪水についてはこれはアメリカでは引受をやつておらんですね。これはまあ非常に詳しく調べれば或いはあるかも知れませんが、余りやつていない。最近の連続してアメリカでも水害があるものですから、これを実施したらどうかというので、大統領からサゼツセシヨンが出ておりましたけれども、どうも民間会社では余り賛成してないように伝えられております。
  39. 田中一

    田中一君 外国でもその場合でも再保険はやつておりますか、そうした自然災に対する各国ことの再保険です。
  40. 今井久次郎

    証人今井久次郎君) まあ恐らくやつているんだろうと思います。よくわかりません。
  41. 田中一

    田中一君 仮に災害補償契約が、この改正案が若しもこの法案から削除された場合、協会としてはどういう工合に考えておりますか。当然これは先ほどあなたが縷々御説明なつたように、民業の圧迫であるとか、いろいろあなたがたの立場からの反対意見を伺いましたが、この災害補償という問題が自家保険がなくなつた場合には、あなたはどういう工合に協力としては考えていられますか。
  42. 今井久次郎

    証人今井久次郎君) もう一度ちよつとお伺いしますが、災害補償制度が今否定されてなくなつた場合……。
  43. 田中一

    田中一君 住宅金融公庫の自家保険、いわゆる自家保険というものはしない場合ですね。何か対案を考えておるのですか。しない場合の……。若し実施する場合はどういうことを考えていらつしやるのですか。協会としての対策です。これは無論十幾つの会社が同じような利害の関係にあるのですから、若し政府の提案通りこれが実施されるという場合にはどういうような対策を考えていらつしやるかというのです。例えば料率をうんと引下げて政府のこの案に対抗して行くとか何とか、その対案はお持ちと思います。ただあなたがたの業者の力でこれがあなたがたの持つている考え方が、各立法者が認識しておやりになるか或いはこのまま進んで実施されるか、実施された場合にはどういうような対案をお持もなんですか。対策を……。
  44. 今井久次郎

    証人今井久次郎君) それは只今考えておりませんが、特別にそれに対して処置をとるということはまあやつても効果はなし又方法も、今、只今としては考えられないと思うのです。ということは料率の点においてそれ以下にできるということは我々のほうでは考えられません。
  45. 田中一

    田中一君 もう一つ伺いますが三割引にしたということは、無論これは監督官庁の許可を受けてきめられたものですか、三割引にした根拠を御説明願いたいと思います。
  46. 今井久次郎

    証人今井久次郎君) それは公庫の従来の融資、保険は事務が非常に簡単に取扱うことができる。銀行が窓口で契約者の代理として保険会社に申込みをしておる。一々契約者の自宅を尋ねて契約をするところ一般契約に比較して非常に経費が節約するということが一つ理由であります。最も大きな理由であります。ほかに御承知のように金額が大小の差が少い、非常に平均されておるということが非常に危険の平均化をするのでありまして、公庫物件はその点が大変よろしい。それから建築についても厳重な監督が行われておりまして、建築基準法によく合つた建物ができておる。又建坪率についても規定がありまして、相当な空地を与えられておるということのために類焼の危険が少い、そういつた理由のために料率を割引いておるわけであります。
  47. 三輪貞治

    ○三輪貞治君 先はどの御証言の中で、住宅についての危険というのですか、これはあなたがたの専門的な立場から見られて非常に優秀な危険であるために、その一部を取去られるということは他に対する料金の引上ともなり、又国際上の信用も失する、こういう御証言がございましたね。あなたがたの物件の対象になつておりまする種類別に専門的には何というのですか、危険の発生率というのですか、そういうものについての若し数字がありましたらお知らせ願いたいと思います。非常に優秀左危険であるという御証言がありましたが、その他についての危険の発生ですか、そういうものはどういうふうになつていますか。
  48. 今井久次郎

    証人今井久次郎君) これは実に細かい統計を取つてつております。今日別にここへは持つてつておりませんが、それを御覧願うと……、まあ非常に厖大な統計を取つておりますので……。
  49. 三輪貞治

    ○三輪貞治君 結論だけで結構です。
  50. 今井久次郎

    証人今井久次郎君) そうですな……、その料率算出の基礎を申上げるのでございますか。
  51. 三輪貞治

    ○三輪貞治君 そういうことですね。まあ今若し数字の御用意がなければ、先ほど要求された資料と共に、後日頂いても結構です。
  52. 今井久次郎

    証人今井久次郎君) この統計は、勿論非常に詳細な統計を取つておりますが、例えば単に住宅物件だからどうというのでなく、住宅物件のうちに、火災保険で言いますと、火災保険を倉庫或いは工場、又普通物件といいますか、普通物件の中にも住宅物件或いは店舗とか、それから各都市、都市の中にも又一部分の細かい区分けをしておる。それから職業によつての統計というものが、各種の職業について統計ができているのでありまして、それの更に料率で言えば割増し、その危険率に応じた割増しがあるということになつておりまして、それぞれについて統計と、それから技術的の研究、一面において類焼危険とか、或いは例えば発火しやすいものとかいうような各種の建築様式、まあ各種の技術的な面と統計と併せて料率を作つておりますが、その契約の……まああるのです。あるのですが、これは厖大なるものでございますがね。
  53. 三輪貞治

    ○三輪貞治君 まあ実は先ほどの御証言の中で建物のうちでも特に住宅の危険というものは優秀であるという御発言がありましたが、これは勿論発生率や何か固定しておるとか、いろいろなことだろうと思うのです。そこで普通の住宅以外の建物とか船舶と比べてどういうことでそういうことが言えるのか、そういう簡単な数字でいいわけかんです。専門的な料率算定の基準になつている厖大なものをここに要求するわけじやない。
  54. 今井久次郎

    証人今井久次郎君) それならば損害率というものがありますから、これは後ほどお届けしてもよろしうございます。
  55. 三輪貞治

    ○三輪貞治君 お願いします。  それから行政整理によつて国費節減を図つておる政府が、このような法律改正することは逆行するのではないかというような御発言がございましたが、専門的な立場からこの損害補償を実施して最小限度で一体どれくらい人員を要するとお考えになりますか、手の点をお伺いしたいと思います。
  56. 今井久次郎

    証人今井久次郎君) それについては我々のほうではわかりかねるのでありますが、建設省でお作りになつた案にたしか出ておつたように思います。経費の割合が出ておりますが、人数は出ておらないのであつて、まあこれはちよつと取扱い方法によつても違いますし、保険会社と同じような取扱をされるのかどうかによつて相当違うと思いますので、私のほうからちよつと申上げかねるのでございますが……。
  57. 石川榮一

    ○石川榮一君 御説明のうちに三割の料率を引下げて公庫に対しては協会は特別の保険料を実施して行くというお話でありましたが、いろいろお話伺いますと大変御努力をなすつていらつしやるような御誠意も認められるのでありますが、この五円七十一銭という全額は純保険料に比較しましてどの程度のものであるか、又この公庫に対する附加保険料をどのくらいと見て営業保険を認めておられますか、だから五円七十一銭というものは純保険料に対してどのくらい附加してあるものか、若しそうでなくそこに純保険料に近いものであるかどうかという点を概括的にお伺いしてみたい。
  58. 今井久次郎

    証人今井久次郎君) それについては只今資料がありませんが、大体過去の成績をごらん願えば見当がつくかと思います。幸いにも過去ここ昭和二十四年、五年、六年という年は非常に火災の少い年でありました。過去一年七カ月の住宅公庫契約を考えますと、損害の割合は一割六分くらいの見当になります。併しこれは保険料収入保険料だけの問題でありまして、それが全部利益なつた勘定じやなくて、その未経過部分、未経過の部分を差引きますと、二割七、八分くらいの見当になります。経過した保険料に対する損害というものは……。
  59. 石川榮一

    ○石川榮一君 大体伺いまして、未経過を含めまして約二割八分ということでありますが、そうなりますと今政府がこの原案として出しておるものに対する対抗処置としましては政府が考えておる三円五十銭の割合、この割合は過去三年の経過から見ますれば必ずしも保険会社は損をしないで済む、まあ十分の営業費は見られませんが少くとも純保険料を割らないということはわかるのですが、そうだつたらばこういうふうなものはもう政府の予想する案にしか……。五円七十一銭をもつと引下げて対抗なすつて、民業の圧迫を排除するような手段をおとりなすつたらどうかとこう思うのですが、御所見はどうですか。
  60. 今井久次郎

    証人今井久次郎君) それについてちよつと今の私の申上げたことに附加えて置きますが、過去においてはもう少し現在の平均五円七十一銭よりも料率が高かつたのであります。六円九十銭くらいであつたのです。その高い料率部分も今申上げた数字の中に入つておりますから、現在の五円七十一銭見当の数字で計算しますともう少しその損害率の割合は多いことになります。  それから料率の経過は、昭和二十三年頃非常に損害が多かつたために一時引上げましたが、その後数回に亙つてこれは実に頻繁に料率の引下げをやりまして、只今のような料率が出ておるのでございますが、何しろ保険料率というものは単に一年、二年の統計で出すことは非常に無理があります。併し明らかに高いというふうに考えられます場合は、これは差引かなければならんというので、比較的短期間の統計ではありましたが、最近ここ二年半ほどの間に数回割引をしたわけであります。今回も公庫料率についてそういう御批判を頂きましたのですが、多少考慮すべきではないかと考えております。
  61. 石川榮一

    ○石川榮一君 私どもは殊更に政府がこういう案を出さなくてはならないとは考えておらないのでありまして、でき得る限り民間保険会社をして十分に機能を発揮して頂きたいということを念願するのでありますが、そういう観点からですから一つ誤解のないようにお願いしますが、現在火災保険料率というものは順次引下げられつつあります。それは戦争後におけるあの社会不安から起つたところのいろいろな危険と、それからインフレが甚だしく昂進して参つた当時協定されたような、いわゆる恐怖時代における保険料であるということを私どもは認めるのでありますが、そうでなければ逐次料金を引下げるということが我々には納得が行かない。そこでこの公庫は三円五十銭ということをきめてかかつておるが、これは算定の基礎があると思うのですが、先ほど三年間で約二八%、二割八分程度の未経過を含んでの損害率で済んだ。勿論それは六円幾らというものから引上げますればもつと殖えましようが、それにしても三円伍十銭というものが出た以上は、これに近く協会のほうでは料金を引下げる工夫をして頂いて強力にあなたがたの主張をなすつたらどうかと、こう思うのですが、あの三円五十銭対五円七十一銭という大きな開きでは、失礼ですが、我々はこの政府案に対して或る程度まで考慮をして検討をしなくてはならんと思うのです。要するに営業会社でありますから、利潤を挙げるのは当然でありますが、現在の保険料率は大体におきまして附加保険料、いわゆる営業保険料の中にどのくらい純保険料を引いたところの附加保険料が含まれておりますかどうかを伺いたい。そのパーセンテージです。
  62. 今井久次郎

    証人今井久次郎君) これは大体公庫の場合ですか、一般的の御要求でございましようか。公庫の場合ですか。
  63. 石川榮一

    ○石川榮一君 公庫の場合だけでも結構でございます。一般のも序でにお話下されば参考になると思います。
  64. 今井久次郎

    証人今井久次郎君) 大体において先ず保険料に対する四割五分から王割が最も多かろうと思います。これは会社によりまして会社の経営方針によつて非常に違うのでありまして、又取扱う物件によつて非常に違うのであります。例えば小さい保険々掻き集めておるというようなところは、或いはその率が今申上げた割合以上であることもあります。又大口の契約を非常にたくさん扱つておる会社はそれ以下である場合もあろうと思います。但し今の割合のうち代理店手数料が従来は一割五分、普通一割五分、まあ控除等は一割程度ですが、代理店手数料の一割五分というものが含まれておりますから、実際保険会社の経費というものはそれから一割五分引いた割合であります。公庫の場合は代理店手数料を支払つておりません。ただ公庫の場合は取扱物件が非常に小さい。それから保険料率先ほど申上げましたように安くなつておるために経費率はおのずから高くなるということはあります、代理店手数料の一割五分がないことと、それから取扱いがまとまつておる銀行で坂扱いができるという点において比較的経費は安いというふうに考えていいと思います。ただ公庫だけの計算ということは分離して経費率は出しにくいものですから、正確な数字が幾らということは申上げられないのでございます。
  65. 石川榮一

    ○石川榮一君 大体わかりました。わかりましたが希望として申上げておきたいのですが、できる限り公庫のようなもの、社会政策的に立てるようなものに対してはもう一奮発なされまして、公庫が担つております災害補償料に余り差のないような勉強値段をおきめなすつて、そうして若しこの法案が通りましたら、むしろ民間業者に契約を取結びたいというような傾向になすつてはどうか。自然そうなりますれば、この法案のようなものはいずれ骨抜きになるのではないか思うのです。これは私の希望でありますが、申上げさして質問か終ります。
  66. 今井久次郎

    証人今井久次郎君) ちよつと今の問題について、誠に結構な指示を与えて頂きまして、我々もその点は考慮しなければならんと考えております。多少そういう用意をなしつつあるのであります。ちよつと二言お答え申上げておきます。
  67. 田中一

    田中一君 二、三点だけ伺いますが現在保険の支払いの準備金は幾らお持ちですか。
  68. 今井久次郎

    証人今井久次郎君) 支払準備金と言いますと、資産を申上げるんでしようか、大体実はその責任準備金とか、或いは積立金というようなものは決算期毎に一括して計算しますが、丁度三月に各保険会社と本締切つて只今ところ計算最中で六月の初め頃にならないと出来上らない状態でありますから、責任準備金の計算は全数字を申上げられませんが、保険会社の資産というものはその都度わかりますので、その狂うならば只今申上げられると思います。
  69. 田中一

    田中一君 二十六年度のあなたのほうの決算期の準備金はどのくらいになつておりますか。
  70. 今井久次郎

    証人今井久次郎君) 二十六年度は三月締切で只今まだ出揃つておりませんが……。
  71. 田中一

    田中一君 それでは一番最近のものを一つ……。
  72. 今井久次郎

    証人今井久次郎君) それは何ですか営業の収支ということですかそれと財産の状態ということでしようか。
  73. 田中一

    田中一君 わからないようですが、結局支払準備金というようなものですね、何といいますか、保険料でいいますと罹災者側に……。
  74. 今井久次郎

    証人今井久次郎君) 只今その数字は準備しておりませんが、大体の見当申しますと、三百六、七十億の責任準備金があるものと思います。若しお大要であれば後ほどお届けいたしますが、資産はまあ責任準備金に見合うわけでございます。大体見合うわけでありますけれどもこれは同じとは言えません責任準備金と全然別個のものですから…。資産は合計で、これが二月現在ですね、二十七年の二月末で三百六十三億ございまして、そのうち不確定なものが七十六億あります。不確定と言いますといろいろな末収入のものと、或いは再保険取引のもの、これは明らかに債権でありますが、まだはつきりその会社に入つていないものです。
  75. 田中一

    田中一君 あなたのほうではいろいろの産業に融資をしておりますが、この資産又は責任準備金のうちからどこにどれくらい融資をしておるんです。その融資は大体期間はどれくらいで切つておるのですか、長期か短期か、そういう点をちよつと御説明願いたいと思います。
  76. 今井久次郎

    証人今井久次郎君) 保険会社の資産は先ほども申上げましたように非常に流動性を保たなければならん。そういうことのために監督官庁においても厳重な監督をしており、保険業法で一定の割合をきめられております。それで投資の一例を申しますと、只今保険会社全体といたしまして貸付金が四十億余りございます。それから不動産には三十五億投資されており有価証券に約百億のものが投資されております。ただどの会社にどういうふうに投資されておるかということは各保険会社それぞれの調査をやらないとわからんのですが、大体において船舶の融資、それから紡績会社とか、或いは鉄鋼業とか、そのほか重要産業に相当多くの融資若しくは投資が行われておるということは申上げられると思います。ということはそういつた方面に投資することによつて一面又保険契約もできる、それから流動性を与えるためにも余り新設会社というようなものに投資しますと回収がむずかしいものですから、比較的古い会社まあ株式の投資の場合には、上場されておる株式というものに投資しておるということでございます。
  77. 田中一

    田中一君 住宅又は建築物の投資はありませんか。
  78. 今井久次郎

    証人今井久次郎君) 只今私が聞いておる範囲においては、自分の事務所、自分の会社の事務所、或いは社宅に対しての投資は相当ありますが、建築物を作つてこれを貸す、或いはそれを販売するというような事業に対する投資は恐らくないと思います。
  79. 田中一

    田中一君 こうした各重要産業に対する投資というものは無論監督官庁の許可を受けてやつておるわけですね。
  80. 今井久次郎

    証人今井久次郎君) これはその投資が、どこにどういう投資をするかという点までは一々許可を得るとか届けを出すというような必要はないのでありますが、先ず保険業法及び保険業法の施行規則がありまして、それに例えば不動産は総資産の十分の一より投資してはいけない、或いは同一の会社同一の相手先に対しては資産の二十分の一より投資若しくは貸付けてはいけないというような細まかい規定がございます。それに従つて投資資金を運用しなければならん。大蔵省の銀行局の検査部が銀行の検査と同じような或いはそれよりも厳重なほどの検査をときどきいたしましてそれに合致しているかどうか、又たとえその規則に合致しておつても、これが不健全な投資である、割合は合致しておつて貸付先なり、投資先なりというものが不健全であるというようなときには、一々指摘いたしまして訂正を勧告するというような方法がとられております。
  81. 田中一

    田中一君 先ほど石川委員の御質問にあなたは料率の低減、住宅保険に対する低減を協会としても考えている、こういう御説明がありましたが、そういうことは一方的に協会料率をきめれば、監督官庁はそのままそれを承認するとお考えになつているのですか。
  82. 今井久次郎

    証人今井久次郎君) 只今申上げましたのはまあ誤解がないようにと思つてなんですが、この一般料率というのでなしに、公庫料率でございますね。それから料率の引下げについては監督官庁の認可が要ります。只今料率算定会というものが別にできております。これは独禁法を排除する新らしい料率算出団体法というものができまして、それに基いて公平な料率を出すというこれはやかましい規則があるのでございますが、そこで算出したものを大蔵省の認可を得てそうして実施する、又それに加入しておる保険会社はその算出料率を守らなければならないというようなことになつております。
  83. 田中一

    田中一君 先ほど質問の最初に申上げましたように、都営住宅問題が起き、住宅金融公庫災害補償事業などをやるというような思想も起き、殊に又今までにも農業関係、或いは工業関係の協同組合なんかでいわゆる自家保険的な有業をやつてつたものも聞いております。これは要するに料金が局い保険会社は余分な利益を得ておるのではないかという社会通念から発するものです。従つてこの法律が通る通らないにかかわらず、今石川委員が指摘したように相当協会としてはお考えになつているという御説明がありましたので、今後住宅金融公庫関係のものの料率を下げた場合に、ほかに類似の団体が同じような自家保険的な事業を営もうとした場合、協会はどこまでも料率を下げてそれに迎合するつもりですか、又社会通念からして今日国民生活が非常に不安定な時代にあります。従つてあなたはさつきから民営圧迫とかあなたの立場から御説明がありました通り、そういう思想が国民の中にぼつぼつ起きているという事実をお認めになれば、今言う各種の団体がそのようなことをした場合には、どこまでも後のほうへ引下げてそれに合つたような料率をきめて行くというようなお考えですか、それとも現在あなたがたがとつていらつしやるところ料率は、これは正しいのだというような考えでおられるのか、その点二つの感じ方を御説明願います。
  84. 今井久次郎

    証人今井久次郎君) 先ず住宅公庫建物に対する保険料率の点ですが、これはただ建設百からの案が出たために引下げるというのではなくて、勿論それによつて刺激されたということはあるかも知れませんが、過去の成績が非常によろしい、又取扱いについてのまあ経費の節減もできるということを確認いたしまして、それで多少考慮をする余地があるのではないかと考えておるわけでありまして、これは常識的に考えてもわかりますように、公庫建物一般住宅よりも先ほど申しましたようにいろいろな点において危険が少なくなるようにできておるのであります。その点をなおよく認めた上で、実質的になお引下げの余地があるのではないかと考えておるわけであります。まだこれは決定的ではありませんから、引下げることに決定したのではありませんから、その点は御承知を願いたいと思います。  それから一般的に料率を下げてはどうかというような御意見のようでありますが、これについては算定会で詳細な資料を集めて検討しております。検討の結果が漸次現われて来たのでありまして、最近昨年の十月にも一般物件の引下げをやつております。最近、昨年の十月……十一月でございます。なお又その結果を見て非常に成績がいいということになると、或いは下げなければならんというようなことがあるかも知れませんが、やはり或る程度の資料が整わないというと、実行がそれはできないことであります。又料率算定会なるものは一応資料を保険会社からとりますが、保険会社機関ではかいのであります。特別法でできておる団体でありますから、契約者利益も同時に考えて、料率の決定をやつております。又公聴会もやる、資料も公開する、なおその上に大蔵省も一般の公衆の利益を考えて認可する、監督するというような方法をとつておりますから、今までに過去においてはこれはいろいろな事情によつて料率は高かつた先ほど石川先生のお話なつたような理由によつて高かつたことはありますが、漸次公正なものになりつつあるのであります。その点よく御了承頂きたいと存じます。
  85. 田中一

    田中一君 最後に付いたいのは、鳥取市が今度相当の被害を受けております。これに約二億円の住宅金融公庫の融資をしようということは御承知の通りでありますが、これは私も現地へ行つて参りましたが、大体一本の道だけを耐火建築でやりたい、ほかはおおむね木造建築が多いのです。これも無論密集しております。その際この鳥取の二億の融資に対しても協会は、現在の料率又は今後改訂される料率で、低減される料率でやはり契約をする意思があるかどうか、伺いたいと思います。
  86. 今井久次郎

    証人今井久次郎君) 鳥取火災保険料率只今再検討中であります。これは近いうちに担当の者が現地へ出まして調査することになつております。その結果或いは料率の引上げがあるかも知れんと思いますが、通常普通の場合、火災のあつたあとというものは、バラック建の非常に燃焼しやすい、屋根も瓦を載せないような非常に危険の多い建物が続出する、又そのほかの火気の取扱いについても、非常に狭いところ、狭い場所で火を取扱うというようなことも考えられがちでありますから、そういう事情を考慮して或いは引上げられるりではないかと思います。これは過去の経験から言つてそういうことがあるのです。ただ公庫料率というものは別個にきめております。大体においてその一般料率が上ればまあ比較的上るというふうに考えなければならんと思いますが、基本が変らなければ変らずにあるものと思います。
  87. 田中一

    田中一君 私が伺つておるのは、バラックか何かが鳥取にもたくさんできるでしよう。できるでしようが、先ほどあなたが言つておるように、住宅金融公庫建物というものは、一応の基準を持つております。従つて瓦がないうちは恐らく貸付対象にならんと思います。従つてそのほかにはたくさんバラツクも、自己資金で建てる者にはバラックも建つでしようが、住宅金融公庫建物はあなたがさつき言つたような、ほかのものよりも火災が少いというように言つております。従つてあなたのような考え方は建物に対する考えでなくて、地域に対する考えとか、或いは環境に対する考えというもので以て料率を上げようか、下げようかと今お考えになつておると思いますが、その点二億円の融資に対する保険契約は仮にこの法案が通らんとしてこの法律が成立しないとして、現行通りの料率で、或いは現行以上の低率で住宅金融公庫貸付対象に対して保険契約をするかどうか、或いは地域的に鳥取というものはお話のようにバラツクもある、何もある、三軒隣にあるということによつてその鳥取だけは保険料率を高くするかという点を伺つておるのであります。
  88. 今井久次郎

    証人今井久次郎君) 保険料率の算定にはその土地の状態によるものと、例えば土地の風、或いは湿度、或いは土地柄というような、その他いろいろありますが、或いは消防施設というようなものによつて料率、全般的な料率と、個々の地域或いは個々の建物によつて料率、これが組合されておるのでありまして、なおまあ職業というようなものも入りますが、そういつたようなものを総合して一つ料率が出るのでありまして、鳥取の場合、これは建物は成るほどよそにできた建物と同じような質のいい建物公庫の融資によつて建つものもありましよう。併し附近に非常に不健全な建物ができる、又先ほど申し落しましたが、消防施設も、例えば水道とか或いは消防機関というものも、すぐに復興しないというような状態を勘案いたしますと、公庫住宅なるが故に、焼ける大火の以前と同じものでやらなければならんというふうには考えられないのであります。
  89. 田中一

    田中一君 そうしますと、鳥取市の復興の場合、二億円だけは住宅金融公庫から融資される、こういうように決定しております。それに対して環境、立地条件が悪いから、仮に現在の住宅金融公庫に対する三割低率の保険料契約しておるけれども鳥取市だけはその二万戸に対する融資だけは、無論不燃化建築は別でしようが、木造の場合にはこれと同じ料率では契約しないということの公算が大きいというように解釈してよろしうございますか。
  90. 今井久次郎

    証人今井久次郎君) 保険料率は非常に個々に違うのでございます。これは先ほども再々五円七十銭というような料率を申上げておりますがこれは平均料率でございまして、過去何カ月間の平均、而もその個々のものには或いは三円くらいのものもあり、或るものは十円近いものもある、そういうような種々雑多のものがありまして、最近に現われた平均が五円七十銭でありますが、これは月によつても違うわけであります。契約の状況によつて違うわけであります。それと同じことで、鳥取契約というものは、基本料率が上れば……基本料率というのは、公庫以外の普通一般建物に対する料率が上れば、それと見合つて、バランスをとるように上るものと考えられます。若しこれが上らないとすれば、大体同じ料率引受けられるものと思います。
  91. 田中一

    田中一君 私の伺つておるのは、あなたさつき住宅金融公庫貸付対象に対する契約というものは手数料なんか、その他の雑費が軽減されるから、三割くらいの低率でやつておるのだというお話です。無論個々の物件に対する料率が違うかも知れませんが、少くとも三割程度の手数料を軽減するという原則は、鳥取の場合にも適用するかしないかを伺つておる。
  92. 今井久次郎

    証人今井久次郎君) それは恐らく今決定するしないということは、それぞれの機関にかけなければ確答はできませんが、恐らく特別の取扱いはしないはずであります。
  93. 田中一

    田中一君 大体結構です。わかりました。
  94. 石川榮一

    ○石川榮一君 今鳥取の話が出ましたが、鳥取の視察に参りましたときに、約九億の契約があつた先ほど五億四千万円をお支払いになつたということですが、私どもは現地で七億支払つたということですから、現実に鳥取の火災にあいました契約の総高は幾らであり、それに対して幾らお支払いになつたか、おわかりになつておりましようか。大体で結構です。簡単に申しますと、お支払いになつた数が先ほど五億四千万円でございました、七千万円でございましたか……。それは迅速にお支払い下すつて有難うございましたが、私どもが現地で聞いたのは、九億の契約があつた。そうするとその間に約三億の開きがある。開きということは超過保険と見て切つたものであるか、或いは個人々々で妥協してそうきめたのであるか、総額であるか、ここを伺いたい。
  95. 今井久次郎

    証人今井久次郎君) これは保険会社がまあ個々に契約者と折衝しておるのですが、明らかな損害についてはこれはもう私どももお払いしておると思います。ただ半焼でありますとかというような場合に、金額にいろいろ意見の相違があるという点はあります。それからいま一つは、契約が果して成立しておつたのかどうかということについて疑問のあるようなものが中に出て来るのでございます。ということはまあ我我のほうでアフター・ロスと言いますが、損害があつてから、火事が発生してから契約をしておるような疑いがあるものが中にはある。これは確証がなければこういうことは言えないわけでありますが、疑いがある場合にはいろいろ調査をしなければならんというようなものも中にはあります。併し概して鳥取のかたがたは非常に土地が醇朴であると申しますか、そういういかがわしいものは非常にほかに比して少なかつた。熱海の場合はそういうものが非常に多かつたのですが、非常に少なかつたということは、調査に行つた者から聞いておりますから、余り争われておるような問題はそうないと思うのでございますが、勿論多少あるでしようが、そうないと思います。
  96. 石川榮一

    ○石川榮一君 ただ私どもが心配しますのは、ややもするとああいう大きな火事になりますと、帳簿は焼失しておる、或いは罹災者は証券を焼いてしまつた、それを証拠として闘うことができないで、一方的に泣き寝入りになつて支払いをされないというものも起りやすいのじやないかと思います。恐らくそういうことはなかつたと思いますが、私どもがあそこで聞きましたのは大体九億の契約があるという話だつたその中に七億支払つたということを言つておる。今日伺いますと、それが五億七千万円ということになりますと、何だかその間に三億以上も開きがあるということは、保険会社がややもすると大被害におののいておる、被害に対して自分損害を軽減するための工作をしたのではないかという疑心を抱かざるを得ない、こう思うのです。これは要するに保険会社に対する誠意を測る一番いい機会じやないかと思いますので、お伺いしたわけでありますが、今お話を伺いますと、その後私どもも、保険契約に対して非常に開きがあるということは聞いておりません。余りに差額が多いものですから、今申上げた主剤以上も、三億円も違うということは、超過保険が多かつたのか、或いはどうしたのか、わかりませんが、私どもが市役所で聞きましたのでは、大体九億、それを五億七千万円支払いが済んだ、あと三億というものは……、そういうことでその点が解せんものですから……。
  97. 今井久次郎

    証人今井久次郎君) 今のちよつと簡単に……。それはいつでも金額は多く見積られるのであります。というのは、いろいろ理由がありましようが、現地で契約しておる保険と、本社で契約しておる保険がある。それから現地の契約を本社で集めたところへ現地から又来ると、その区別が短期間に重複しておる。本社の帳簿と、そうして現地からの報告とが重複しておる場合がある。それを一々差引く余裕がないものですから、合計して報告するというようなこともあります。それからやはり或る程度最初は契約高幾らということで一定の地域ごとに報告するわけであります。ところが或る一定の地域の中でも一部焼残つておる、或いは中には半焼のものも出て来る、詳細に調べますと、そういうものが出て来る。漸次それが訂正されて減つて来るということで、非常に大きな開きが出て参ります。
  98. 石川榮一

    ○石川榮一君 わかりました。
  99. 廣瀬與兵衞

    委員長廣瀬與兵衞君) それじや私からちよつと質問したいのですが、住宅建設に投資する意向があるかどうかということを簡単にお答え願いたいのですが……。
  100. 今井久次郎

    証人今井久次郎君) これについては最近これは決して公庫の問題が出てからの問題じやありませんが、過去一、二年来ときどきそういつた意見が出ました。一面においてそういう声が世間の声も相当やかましくなつて参りました。保険会社としてもそういう点を考慮しなければいかんのじやないかというような意見が漸次多くなつて参りました。只今その点は考慮しようという意見が大勢であります。ただその場合にどういう方法をとるかということが、先ほどのような余り固定できない資金でありますから、万一の場合に資金化できるような形であつてもらわなければなりませんし、又そのほかのいろいろな條件が揃わないと、程度は申上げられないと思います。
  101. 門田定藏

    ○門田定藏君 只今の半焼とかいうような、火災があると出て来るということをお話になりましたが、鳥取の火災に当つては半焼とか何とかいうような家が相当あるのですね。
  102. 今井久次郎

    証人今井久次郎君) 今日資料を持つて来る予定だつたのですが、実は忘れましたのであれですが……。
  103. 門田定藏

    ○門田定藏君 今、大体でいいのですが、はつきりしたことはわからんでしようから……。どのくらいあるかという、大体で結構です。
  104. 今井久次郎

    証人今井久次郎君) 普通は、そうでございますね、ちよつと今数字を覚えませんが、要するに焼残つた周辺には必ず半焼というものがあると見なければなりません。
  105. 門田定藏

    ○門田定藏君 焼残つた周辺にはそういうのがあるかも知れませんが、五千戸なら五千戸残つておる、その中に、契約しておる保険契約者の中に大体半焼とか何とかいうような部類の家がどのくらいあるかということを大体において……はつきりしたことがわからねば大体で結構ですから……。
  106. 廣瀬與兵衞

    委員長廣瀬與兵衞君) 門田委員に山下上げますが、ほかの資料も頂戴することになりておりますから、如何ですか、資料を頂戴しましたら……。
  107. 門田定藏

    ○門田定藏君 資料もあれですが、今日ざつと……。
  108. 今井久次郎

    証人今井久次郎君) ありますが、今持つて、いないのです。これをあとで……。
  109. 門田定藏

    ○門田定藏君 大体私は最近帰りたいと思つております。それから契約が、只今おつしやつた火災が起つてから契約を何とかした、こういうような疑いのあるというようなこともちよつと私は聞いておるのですが、そういうようなことも大体契約者の中に、今度火災にあつたというのが相当あるようですか。八日までに契約せずにおつて、それを火災が起つてからちよつとやつたというような、そういうような文句のあるようなのがあるでしようか。
  110. 今井久次郎

    証人今井久次郎君) それも一度調べて差上げてもよろしうございます。
  111. 門田定藏

    ○門田定藏君 それでは只今私がお尋ねしました半焼とかというのと、それから火災後或いは不正な、つまり火災が起つてから契約したのではないかというような疑いのあるような、そういう文句のあるような契約者の数を一つそれじや……。
  112. 廣瀬與兵衞

    委員長廣瀬與兵衞君) 成るべく早く一つお届け願います。  それじや証人のかたがた今日は長時間に亙つて有難うございました。これで証言を終ります。   —————————————
  113. 廣瀬與兵衞

    委員長廣瀬與兵衞君) それから委員のかたがたに御相談申上げます。先ほど午後一時に電源開発について、経済安定と通産と建設の委員長の打合会を開きました。その結果公聴会は二十八日、二十九日、午前午後に亙つていたすことにいたしました。その公述人については、経済安定委員会としては十乃至十二人程度にしてほしいというので、そのメンバーといたしまして、産業団体からは藤山愛一郎君、それから金融団体として川北禎一君、報道関係で朝日新聞の土星清君、電力経常のほらから中部電力の社長の井上五郎君、電産の代表、これは未定ですが、農民組合からの代表、これも未定であります。主婦連合の代表、これも未定、一般公募のほらから貝島義之君、卓識経験者として稲葉秀三君、それから通産委員会のほうからは大内兵衛君をという希望でございます。それから大蔵委員会からは石橋湛山君を希望しておられます。それから建設委員会といたしましてはどういう人を希望したらいいか、一つ委員諸君が御指名を願いたい、これを明二十四日の午前中にとりまとめたい、こういうことでございます。なお公聴会における質疑のあるかたは事前に通告して頂きたい、それから公聴会が終つて後にもう一回連合委員会を開きたい、それから次回の連合会は二十六日の午後にお願いしたい、午前中は国土開発の連合会がございます。こつちの建設委員会といたしましては、二十九日にいわゆる六十日の道路整備法が期限がございますので、二十七日の午後には絶体絶命やつて頂きたい、こういうことを委員長から希望いたします。
  114. 田中一

    田中一君 二十九日でしよう。
  115. 廣瀬與兵衞

    委員長廣瀬與兵衞君) 二十七日で本会議が終らないと六十日になつてしまいますから、二十七日にどうしても通して頂かんと……。どうか一つ何分御協力お願いいたします。道路法も同時に……。
  116. 赤木正雄

    ○赤木正雄君 この委員会としてはどういう人を公述人に呼ぶかという御質問なんですね。
  117. 廣瀬與兵衞

    委員長廣瀬與兵衞君) さようでございます。
  118. 赤木正雄

    ○赤木正雄君 私は差支えなければ東北大学の中谷教授を呼んだらどうですか。むろん先生のほうに差支えがあれば無理にとは言いませんが……。
  119. 廣瀬與兵衞

    委員長廣瀬與兵衞君) そのほか御希望のかたございますか。
  120. 田中一

    田中一君 中谷さんで私異議ないです。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  121. 門田定藏

    ○門田定藏君 それ二十四日までに決定するというわけですか。
  122. 廣瀬與兵衞

    委員長廣瀬與兵衞君) 二十四日の午前中に人選をして……。
  123. 赤木正雄

    ○赤木正雄君 それから若しも中谷さんに差支えがあれば石井さんなんかどうです。
  124. 廣瀬與兵衞

    委員長廣瀬與兵衞君) 石井頴一郎さんですね。   —————————————
  125. 廣瀬與兵衞

    委員長廣瀬與兵衞君) 次に公共工事の前払金保証事業に関する法律案につきまして先に委員会で証人として出頭を求めることに決定いたしました都の副知事の岡安彦三郎君が病気のために出席できないというので診断書を附けてお断りしたいというので、その代りに部の財務局長の中井喜代太君の出頭を求められたい、こういうことでございますが如何でしよう。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  126. 廣瀬與兵衞

    委員長廣瀬與兵衞君) それではさよう決定いたします。   —————————————
  127. 廣瀬與兵衞

    委員長廣瀬與兵衞君) それからもう一つ建設省設置法案について内閣委員会に申入れの御意見のおありのかたがあるのですが如何取計らいましようか。
  128. 田中一

    田中一君 それは委員会の結論を出して出すんですか、いわゆる委員会の有志が出すんですか委員長のお考えは……。
  129. 廣瀬與兵衞

    委員長廣瀬與兵衞君) この内閣委員会ですか……。これはこつちが合同審査を申込む時間がないと思うのですがね。
  130. 田中一

    田中一君 ですからね、この委員会で結論を持つて向うに行くのか、代表で行くのか、それとも有志として個人の資格で行くのか伺つているんです。どういう取りまとめをするかという……。
  131. 赤木正雄

    ○赤木正雄君 今の問題ですが、委員長のほうで合同審議の時期がないとおつしやるならば、この委員会として早く結論を出して、委員会としての結果を持つて行かんと意義ないと私は思うのです。
  132. 廣瀬與兵衞

    委員長廣瀬與兵衞君) それでは赤木さんの御意見のように委員会の決議を持つてこちらから……。
  133. 赤木正雄

    ○赤木正雄君 そのときに委員長なり或いは二人でも三人でも適任の人が行くとか、そういうふうにして一応きめて委員会の決議として私は行つて欲しい。
  134. 田中一

    田中一君 今の建設省の設置法の一部改正と同じように特調の設置法の一部改正の問題を同時にこつちで審議して委員会の議をきめて頂きたいのです。
  135. 廣瀬與兵衞

    委員長廣瀬與兵衞君) ちよつと速記とめて下さい。    〔速記中止
  136. 廣瀬與兵衞

    委員長廣瀬與兵衞君) 速記つけて。
  137. 田中一

    田中一君 それから先日人事委員会と連合委員会をやりました、行政協定によるところの……あれも委員会の議としてまとめるのか個人で行くのか、それも一つおきめ願いたいのです。ただ問題は委員長が俺がそのとき行くんだということでなくてどの方向に向うかということが委員長のお考え方……
  138. 石川榮一

    ○石川榮一君 只今田中君の御意見ですが、これは一応結論が出れば結構ですが、一応意見を吐露して頂きまして、その必要があればそういたしたい、それがまとまらなければこれは個人でということにしたらどうですか。ただそれを伺つて、ただそれをまとめるということだけでもちよつとわかりません。
  139. 田中一

    田中一君 それで結構です。  地方平衡交付金法の一部を改正する法律案これに対しては先般ここで一応説明を聞きましたが、これも如何に取計らうのか、或いはここで委員会の意見をきめて持つて行くか、或いは個人で持つて行くかこの問題が残つておりますからお忘れないように願います。
  140. 廣瀬與兵衞

    委員長廣瀬與兵衞君) 如何いたしますか、
  141. 赤木正雄

    ○赤木正雄君 今の問題は田中委員のおつしやつた通りで、実はこの委員会として成るべくおまとめ願つて、この委員会の意見として発言したい問題があるのです。併しこの委員会としてまとまらなければやむを得ません。これは個人として向うの委員外発言するなり何なりするなり、できれば委員会の意向として持つて行くほうがもつとよい、委員会としての決定事項のほうが意義があると思います。
  142. 田中一

    田中一君 先ほどいろいろ委員会の日程をおきめになつたんですが、この問題についてこれは各委員の御意向を伺わなければならんのですが、今申上げた地方財政平衡交付金法の一部を改正する法律案建設省設置法の一部を改正する法律案、特別調達庁設置法の一部を改正する法律案、これと人事委員会の連合の、日本国と連合国との平和条約の効力の……長いやつですね、これと一緒に明日土曜日ですが、時間をとつて短い時間に協議をしたいと黒いますがどうでしようか。
  143. 赤木正雄

    ○赤木正雄君 若しも皆さんが差支えなければ、内閣委員会も早く審議する関係がありますから、早くこの委員会の意向を私はまとめて欲しいのです。
  144. 田中一

    田中一君 明日土曜日ですが、明日土曜日の午前中に……。
  145. 赤木正雄

    ○赤木正雄君 私は賛成です。
  146. 廣瀬與兵衞

    委員長廣瀬與兵衞君) ほかのかたがた如何ですか。
  147. 田中一

    田中一君 これは問題が問題だけに、各党とも委員会の意思とすれば、余りに意見の食い違いがないと思うのです。ただあるのは自由党が一審意見の食い違いがあると思うのです。これは政府提案であり、自由党は与党ですからその意味で自由党のほうの先ず党のまとめをして頂いて、そうして欠席したから知らんぞというのでは困るのであつて、各党に出席かたを十分徹底するようにして頂きたいと思う。自由党のほうが早く案をおきめにならないと、政府に対する申し入れですからその音意味で……。
  148. 赤木正雄

    ○赤木正雄君 東先生が明日いらつしやるそうですから私は簡単に申しますが、昨日でしたか委員会でちよつと申した通りに、内閣の各省設置法案に対して技官制はむろん置かねばならん、ただし今のような技官では意義がないんだ、でできれば副技官も置くんだ。そうして技官の正副をはつきりする、そうして技術会議がありましたね、あんなものなんかあつてもなくてもいいんです。それからもう一つは技官制々はつきりする代りといたしまして、最長は適任者があれば技術者でもよろい、適任者がなければ事務官で結構です。そういう技官の向上を図る、そういう意味です。  もう一つはこの前の院を建設省にしたときに、その当時のこの委員会の前身の国土総合委員会におきまして農林省の砂防をこつちに持つて来て、これをその建設省に持つて来る、それを冬件とするということになつて建設院が建設省なつたんです。それを今更頬被りすることはないのです。そのことを私は皆さんに御了解願いたい。
  149. 田中一

    田中一君 まだ少し五時まで時間があるので、若しよければこのまま委員会を継続しまして、明日出席できない委員の発言を聞いておいてもいいと思うのです。それとも社会党の右派に委せてくれれば懇談して……。
  150. 東隆

    ○東隆君 いや私は先ほどの赤木さんの意見に賛成をいたしておりますから、明日出席しなければ次回に何を願います。
  151. 石川榮一

    ○石川榮一君 それじや私も明白意見を発表します。
  152. 廣瀬與兵衞

    委員長廣瀬與兵衞君) それでは明日午前十時から開会いたします。本日はこれで散会いたします。    午後四時十八分散会