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1952-05-21 第13回国会 参議院 建設委員会 第40号
公式Web版
会議録情報
0
昭和二十七年五月二十一日(水曜日) 午前十時四十四分開会
—————————————
出席者
は左の
通り
。
委員長
廣瀬與兵衞
君
理事
赤木
正雄
君
田中
一君 小川 久義君
委員
石川 榮一君 楠瀬 常猪君 徳川
宗敬
君 前田 穰君 三輪 貞治君 松浦
定義
君 東 隆君
衆議院議員
瀬戸山三男
君
政府委員
建設省大臣官房
会計課長
金子 一平君
事務局側
常任委員会専門
員 武井 篤君
常任委員会専門
員 菊池 璋三君
説明員
地方財政委員会
財務部財務課長
奧野
誠亮
君
—————————————
本日の会議に付した事件 ○
宅地建物取引業法案
(
衆議院送付
) ○河川、道路、都市及び
建築等各種事
業並びに国土その他諸計画に関する 調査の件 (
地方財政
と
建設事業
に関する件)
—————————————
廣瀬與兵衞
1
○
委員長
(
廣瀬與兵衞
君)
只今
から
建設委員会
を開会いたします。
宅地建物取引業法案
を議題に供します。先ず
発議者
から
逐條御説明
をお願いいたします。
瀬戸山三男
2
○
衆議院議員
(
瀬戸山三男
君)
只今提案
にな
つて
おります
宅地建物取引業法案
につきましては、先に
提案理由
の御
説明
を申上げてあるのでありますが、更に逐條的に
説明
をせよとのことでありますので、至極簡単に一応御
説明
を申上げます。
最初
に
提案理由
で申上げましたように、
宅地建物
の
取引業
が
相当
に行われておるのでありますが、新憲法の下では、これに対する
取締
という面が欠けておる、こういう
意味合
におきまして
本法
案を
立案
御審議を願うように
なつ
たのでありますが、大体の
目的
は第
一條
に、「この
法律
は、
宅地建物取引業
を営む者の
登録
を
実施
し、その
事業
に対し必要な
取締
を行い、も
つて
その
業務
の適正な
運営
を図ることにより、
宅地建物
の利用を促進することを
目的
とする。」、第
一條
に
本法
の
目的
を掲げておる次第であります。第
二條
は
本法
に用いておりますところの「(用語の
定義
)」を掲げておりまして、「
宅地
」
宅地
とは「
建物
の
敷地
に供せられる
土地
」、これは現在の
建物
の
敷地
に供せられておる
土地
は勿論であります。地目上
宅地
とな
つて
おるものも含むという、こういう
意味合
を持
つて
おります。
現在地目
が農地その他でありましても、事実上
建物
の
敷地
に使用せられておるという場合も含むという
意味
に案を立てておる次第であります。「
宅地建物取引業
」、これは業の
定義
でありますが、これも第
二條
の第二号に書いてあります
通り
、
宅地
若しくは
建物
(
建物
の一部を含む)ということにいたしております。その
売買
若しくは
交換
又は
宅地
若しくは
建物
の
売買
、
交換
若しくは
貸借
の
代理
のほかに
媒介
をする
行為
、これを業といたしておるもの、業ということはあえて営利を
目的
としないのでありますけれども、
社会通念
上継続的にこれを行うものを業とする、こういうような
取引
上の
定義
を掲げておるのでございます。第三号の「
依頼者
」といたしておりますのは、
宅地建物取引業
を営むものに対しまして、
宅地
又は
建物
の
売買
、
交換
又は
貸借
の
代理
又は
媒介
を
依頼
するものと、
依頼者
というものの
定義
をここに明らかにいたしておるのでございます。 第二章は、「
登録
」に関する
規定
でありますが、先ず第三條に
登録
のことを掲げております。
宅地建物取引
を営もうとするものは、この
法律
の定めるところによりまして
登録
を受けなければならない。後に出て来ますが、
従つて登録
を受けておらなければ、
宅地建物
の
取引業
を営むことができないという
趣旨
にいたしておる次第であります。この
登録
の
期限
は二カ年間有効とする、これについては、年限については
相当
問題もあるわけでありますが、現在の
経済情勢
その他の
変動等
を考慮いたしまして、一応二年間という
期限
を
切つて
、更に継続してやりたいものは第三項に掲げております
通り
に
登録
の
有効期間満了
の後引続きこの業を営もうとするものは、更に
更新
の
登録
を受けなければならない、こういうふうにいたしておる次第であります。第四條に
登録
の
申請
の
事項
を書いておりますが、第三條におきます
登録
を受けようとする者は
建設省令
の定めるところによりまして、次に掲げております第一号から第四号までの要項を
記載
いたしました
登録申請書
、それを主たる
事務所
の
所在地
を
管轄
する
都道府県知事
に提出する。更に又第二項に掲げておりまするように、その
登録申請書
には、これも
建設省令
の定めるところによりまして一号から四号までの各
証憑書類
と申しますか、そういうものを添附して出さなければならない。
従つて
その
登録
については
相当
の手数が要りますので、そういう経費も見込みまして、第三項に
登録申請書
はこれも
都道府県
の
條例
の定めるところによりまして、三千円以下の
登録手数料
を
都道府県
に納めなければならない、こういうふうに
登録
の
手続
に関して
規定
いたしておる次第であります。次に
登録
の
申請
がありまして、
登録
の
実施
については第
五條
に
規定
いたしておりますが、
都道府県知事
は、
只今
御
説明
を申上げました
登録
の
申請
があつた場合におきましては、次の第六條の
規定
によりまして
登録
を
拒否
する場合を除いて、
遅滞
なく速かに前條第一項各号に掲げる
事項
並びに
登録年月日
及び
登録番号
を
宅地建物取引業者登録簿
、これに
登録
しなければならない。第二項におきまして
都道府県知事
は、
前項
の
規定
によりまして
登録
をした場合は、直ちに
当該登録申請者
にその旨を通知して、
登録
の
実施
があつたことを明確にする、こういうふうにいたしておるのであります。第六條は、
登録申請書
に対してその取扱いについての
規定
を掲げておりまして、
登録
の
拒否
という題目にいたしておるわけでありますが、
都道府県知事
は
登録申請者
が本條の第一号から第四号に掲げてありますこの
事項
に該当するとき、それから
登録申請書
若しくは先ほど御
説明
申上げました
添附書類
の中に重要な
事項
について虚偽の
記載
があつたとか、又は重要な事実の
記載
が欠けておる、こういうときは
登録申請者
について事実を調査した後に、その
登録
を
拒否
しなければならない。これは
登録
を
拒否
する場合の
規定
であります。
只今
申上げました第一号から第四号まではこれに書いてある
通り
でありまして、これは一々申上げるまでもないと思いますが、 〔
委員長退席
、
理事赤木正雄右委員長席
に着く〕 通常用いられますところの
破産者
で復権を得ない者、それから第二号は
本法
に基く
取締規定
に違反して
登録
が
取消
され、その日からまだ二カ年間を経過しない者、こういうものについての
規定
であります。第三号は
営業
に関しまして
成年者
と
同一
の
能力
を有しない
未成年者
又は
禁治産者
で、その
法定代理人
が第一号又は第二号に該当する場合、第四号は、
法人
がこの
営業主体
であります場合に、その
役員
の中にやはり第一号第二号に該当する者があるもの、こういうふうにいたしておる次第であります。更に又第二項におきましては、第一項は当然これを
拒否
する
規定
にいたしておりますが、これは成る程度の
自由裁量
を
都道府県知事
に与えて
登録
を
拒否
することができる、こういう
規定
を設けておる次第であります。それは第一号から第三号に関する要件の場合でありますが、第一号は「禁こ以上の刑に処せられ、又はこの
法律
の
規定
に違反して罰金の刑に処せられた者でその刑の
執行
を終り、又は刑の
執行
を受けることがなく
なつ
な日から二年を経過しない者」、これは第一項におきまして
登録
の
拒否
をいたしておりますが、第二項はこういう場合においては
情状
によ
つて
は必ずしも
登録
を
拒否
する必要がない場合がある、それは
都道府県知事
の
良識
に
従つて
判断する。そうして
登録
するか若しくは
登録
の
拒否
をするかという区別をする、こういう
規定
にいたしております。第二号は、「
営業
に関し
成年者
と
同一
の
能力
を有しない未成千石又は
禁治産者
でその
法定代理人
が前号に該当する者」、第三号は「
法人
でその
役員
のうちに第一号に該当する者のあるもの」こういう場合は必ずしも
拒否
を強制するものではなくして、
慎重考慮
の上でその適否を判断する、こういうことにいたしておるのであります。第三項におきましては
都道府県知事
が
只今
御
説明
をいたしました一項、二項の
規定
によりまして
登録
を
拒否
する場合には、
遅滞
なくその
理由
を
記載
した文書をも
つて
、その旨を
当該登録申請者
に通知するということにな
つて
おります。その処置を明確にするという
趣旨
にいたしておる次第であります。それから第
七條
には
登録簿等
の写の
送付
、こういうことにいたしておりますが、主たる
営業所
の
所在地
に
登録
をいたしますが、
事務所
の支店、
出張所等
が他の
都道府県
にまたがる場合がありますので、そういう場合においては、その他の
関係都道府県
に
登録簿
及びその
書類
の写を
当該都道府県知事
に
送付
して、かような
業者
の
実態
を知らしめる、こういう
規定
を設けておる次第であります。第
八條
は、
変更
の
届出
であります。先ほど申上げました
規定
によりまして、
登録
を受けてこの
業務
を行いますものが、
登録
に関する
事項
について
変更
があつたとき、これはその
変更
があつたとき以後二週間以内にやはりその旨を主たる
事務所
の存在する
管轄
の
都道府県知事
に
変更
の
届出
をしなければならん。
従つて変更
の
届出
をいたしましたときは、第
五條
第一項の
規定
は、
前項
の
規定
による
変更
の
届出
があつた場合に準用する、こういうふうにいたしておる次第であります。第九條は
廃業等
の
届出
であります。
登録制度
でありますので、
廃業
をした場合にはやはりこれを明確にする
意味合
におきまして、第一号から第五号に
掲ぐる事由
が発生いたしましたときは、それぞれ各号に書いてあります旨の
届出
を、やはり主たる
事務所
の存在する
管轄
の
都道府県知事
に
届出
なければならない、その
期限
三十日以内に限る、こういうふうにいたしておる次第であります。それから次は
登録
のまつ消についてでありますが、第十條におきまして一号から二号、この場合におきましては
都道府県知事
は、
当該宅地建物取引業
のまつ消をしなければならない。これは第九條の
規定
によ
つて廃業
の
届出
があつた場合、それから第二号は
登録
の
有効期間
の
満了
の際に
更新
の
申請
がなかつた場合、こういう場合は
登録簿
から
登録
をまつ消するこういう
規定
であります。第二項は
只今
の
規定
によりまして
登録
のまつ消をした場合は
登録
のまつ消を受けた者が他の
都道府県
の区域内に
事務所
を有していたときは、やはりこれも
遅滞
なくその旨を
当該都道府県
の
知事
に通知しなければならない。これは
登録
をしたときもやはり
連絡
することにな
つて
おりますので、
従つて登録
をまつ消いたしたときも、これを
連絡
して事を明らかにする、こういう
規定
にいたしておる次第であります。それから第十
一條
は、
登録簿
の閲覧に関する
規定
でありまして、
登録制度
の
趣旨
から申しまして、その
業者
に関する
登録
は公にこれを閲覧せしめる必要がある、その
規定
をここに設けておる次第であります。第十
二條
は、先ほど
最初
に申上げました
通り登録営業
にな
つて
おりますので、「
登録
を受けない者は、この
宅地建物取引業
を営んではならない。」、無
登録営業
の
禁止
をいたしておる次第であります。 第三章は、
業務
に関する
規定
を設けておるのでありますが、第十三條は、これはまあ当然のことを
規定
いたしておるのでありますが、
法律技術
上からいうと不要だという議論もあるかも知れませんけれども、
本法
の
根本
の
精神
がやはりこれにあるという
意味合い
におきまして、「
宅地建物取引業者
は、
依頼者
その他
取引
の
関係者
に対し、信義を旨とし、誠実にその
業務
を行わなければならない。」、これは第三章、
業務
の
規定
の冒頭に本業の
根本
の
精神
をここに現
わし
ておるいわば
精神規定
ということに相成
つて
おるわけであります。それから第十四條は、この
業者
が第十三條の
精神
に基いてやらなければならないということを具体的に現
わし
まして、
取引業者
は「その
業務
に関してなすべき
宅地
若しくは
建物
の登記若しくは引渡又は
取引
に係る対価の支払を不当に遅延する
行為
をしてはならない。」、これはよく
弊害
があるのはこういう部面でありますので、それを第十三條の
精神
に基きましてこの
取締
の
規定
を置き、これについてはのちに
罰則
が伴
つて
おりますが、こういう特別な
弊害
を除くために、この
規定
を設けておる次第でございます。第十
五條
、これも同じ
精神
のものでありますが、
契約書
の
送付
、この
業者
がその
業務
に関しまして、
依頼者
から委託を受けて
契約
を締結したときは、これもやはり
遅滞
なくその
契約書
を
依頼者
に
送付
しなければならない。
契約
の
実体
を
依頼者
に速やかに明確にする
意味合い
におきまして、
契約
を締結したときはその
契約書
を
依頼
、者に
送付
しなければならない。 それから第十六條は
秘密
を守ること、
各種
のこういう
他人
から
依頼
を受けた
業務
については、
秘密
を守る義務が課されておるわけでありますが、本
法律案
におきましても正当な
理由
がある場合でなければ、その
業務
上取扱つたことについて知り得た
秘密
を他に漏らしてはならない。又仮に
宅地取引業
をやめたのちであ
つて
も、特に財産その他については複雑な内部の
事情
、家庭の
事情等
ということがありますので、そういう
他人
の
秘密
を正当な
理由
がなくてこれを漏らしてはならない、こういう
規定
を設けておる次第であります。それから第十
七條
は
報酬
に関する
規定
でありますが、御
承知
の
通り
に現在こういういわゆる
宅地建物
の
取引
を業といたしておる場合に、必ずしも
報酬
が一定いたしていない。勿論これを一定せしめるという
趣旨
ではありませんけれども、多くの
社会
各階層におきましては、この
報酬
についての知識がない。そういう場合に不当に多額の
報酬
を強請されるとか又強請されなくてもそれを取られておる。こういう
相当
の
弊害
がありますので、第十
七條
におきましては、
宅地建物取引業者
が、その
営業
をいたしたときの
報酬
の額は、
都道府県知事
の定めるところによる。
従つて
又そういう
業者
はその定めた額を超えて
報酬
を受けてはならない。これは各
地方
によ
つて
必ずしも、一定すべきものではありませんので、
地方
の
実情
に応じて又
取引
の
額等
に応じて適切なる
報酬
の額をきめなければならない。併しこれを如何なる方法できめるかということについては、
相当
の問題があるとは思いますけれども、これは
都道府県知事
の
良識
に
従つて
これを決定してもらう、こういう案にいたしておる次第であります。 それから次は
業務
に関する
禁止事項
であります。第十
八條
には
本法
に基く
業者
は、次に掲げております第一号の「重要な
事項
について、
故意
に事実を告げず、又は不実なことを告げる
行為
」をしてはならない。二には「不当に高額の
報酬
を要求する
行為
」をしてはならない、こういうふうにな
つて
おります。これもやはり実際問題といたしまして、こういう
本法
を作らなくちやならないという
相当
の
理由
も、こういうふうな業を営んでおられるかたがたが、
故意
にその
実体
を告げなかつた。若しくは進んで真実と
違つた
事実を告げて、これによ
つて依頼者等
に対して、不測の損害を与えておるという
実情
もありますので、当然のことといたしましてそういうことはしてはならない。又第十
七條
には
報酬
の額も定めることにな
つて
おりますので、不当の高額の
報酬
を要求する
行為
もしてはならない。これは当然の
規定
だと考えておる次第であります。それから第十九條は
標識
の掲示をやるようにいたしておりますが、これは
登録業者
といたしましては、これを誰でも見やすい所に、
登録
をいたして正式に
営業
いたしておる者だという
標識
を掲げる、その
標識
の形式については、これを
建設省令
で定めよう、こういうふうにいたしておる次第であります。それから次は、
業務
の
停止
と
登録
の
取消
に関する
規定
でありますが、第二十條において、第一項の一号から三号までのように、不正の手段によ
つて登録
を受けたとき、それから先ほど申上げました
登録拒否
の
條件
、第六條の第一項第一号第三号第四号に当ります
登録拒否
の
條件
、それから第九條の
規定
による
廃業
の
届出
でありますが、そういうものがなくても、それが
廃業
いたしておるという事実が判明いたしたとき、こういう場合におきましては、
都道府県知事
はその職権によ
つて登録
を
取消
さなければならない。第二項は第一号から第五号までのような
事項
がありましたときには、その
業者
に対しまして六ヵ月以内の
期限
を定めてその
業務
の全部又は一部の
停止
を命ずる、又は
登録
を
取消
すことができる、前のは
登録
を当然
取消
すということにな
つて
おりますが、第二項の場合には
情状
によ
つて
全部若しくは一部の
業務
を
停止
又は全部の
登録
を
取消
すことができるという
規定
を設けておるのであります。第三項におきましては、第二項による
規定
によりまして
登録
を
取消
したり、又は
業務
の
停止
を命じようとする場合におきましては、突然そういうことをや
つて
は
営業
に対して
相当
甚大な影響がありますので、そういう場合にはその旨をあらかじめその
業者
に
連絡
をいたしまして、それからそういう
人たち
の
意見
を、
都道府県知事
の指定する
職員
に
聴聞
させまして、
事情
をよく聴取し、取調べてからその処理をしなければならない。勿論そういう
連絡
をいたしましても、それに出頭しない、
聴聞
をすることができないというようなときには
聴聞
をしなくても
当該処分
をすることができる、こういう道を開いておるわけであります。それから第四項は、
只今
御
説明
申上げましたように、
登録
の
取消
又は第二項の
規定
によ
つて登録
を
取消
した場合には、勿論その
登録
をまつ消する、
従つて
その
登録
を
取消
された者に対して、その通知をしなければならない、こういう
手続
の
規定
を書いておる次第であります。第
五條
は、
登録
のまつ消についての
準用規定
をここに掲げておる次第であります。 第四章は雑則にな
つて
おりますが、これは
登録営業
に関する
取締
の
規定
が
相当
にありますので、それについての報告をまとめたり、或いは場合によ
つて
はその場所、
営業所
に
立入つて帳簿
の検査その他をすることができる
規定
を設けておりまして、多くの
立法例
にあります
通り
に、そういうときにはその
職員
に対してはその身分を示す証票を携帯さして、
関係人
の請求のあつたときにはそれを示して、明確な態度でその措置をしなければならないということを
規定
いたしておる次第であります。念のために、第三項にはこの
立入
の
権限
は何も
犯罪捜査
その他のために認められておるものでないから、そういう
弊害
が伴わないように、これはただ
営業
が適正に行われておるかどうかということのみに、そういう
権限
がこの本項によ
つて
与えられておるのだということを明確にいたした次第であります。第二十
二條
は、
本法
による
各種
の
処分
につきまして、不服のある者は
建設大臣
に
訴願
をすることができる、その
訴願
は勿論
訴願法
の
規定
に従いましてこれをやる、こういうふうにいたしておる次第であります。それから第二十三條には、
本法
の
適用
から除くものの
規定
を設けておるのでありますが、国及び
地方公共団体
は勿論これを除く、それから
信託会社
及び
信託業務
を兼営する
銀行
には
本法
を
適用
しない、御
承知
の
通り信託会社
も
本法
に言う
宅地建物
の
取引業
を業としておるのであります。又
信託業務
を兼営する
銀行
においてもや
つて
おりますが、これは御
承知
の
通り信託業法
、
銀行法等
によりまして国の厳重なる監督を受けておりまして、
従つて
更に
本法
の
適用
を受けるという二重の煩を避ける、そういう
意味
におきましてこれらのものに対しては
本法
を
適用
しないということで、ここに除外の
規定
を設けておる次第であります。 第五章は
罰則
を
規定
いたしておりますが、これは一つずつ御
説明
を申上げることを省きます。先ほど申上げましたようにそれぞれの
禁止規定
や
取締規定
がありますので、それに違反したものについては、それぞれここに列挙してありますような
罰則
を
適用
して、
本法
に基く
営業
の適正を図りたい、こういう
意味
にいたしている次第であります。 それから附則に行きまして、この
法律
の
施行期日
は、公布の日から起算して九十日をこえない
期間
内において、その
施行期日
は政令で別に定める、九十日ということにいたしましたのは、その間に直ちにこの
登録
を
実施
するということは、事務的その他の
関係
でできませんので、
相当
の
期間
を置いてこの
登録
の
実施
をなさしめる。こういう
意味
で九十日という
期間
を設けておる次第であります。更に又第二項におきましては、
経過規定
といたしまして、この
法律
の
施行
の際に、現に
宅地建物取引業
を営んでおる
人たち
は、先ほど御
説明
申上げました第
五條
第一項の
規定
により、
登録
を受けないでも、その
施行
の日から起算して六十日を
限り本法
に基き
宅地建物取引業
を富むことができる
宅地建物取引業者
とみなす、こういう
規定
を設けておる次第であります。それと第一項の場合に、御
説明
申上げましたように、直ちにこれを
登録
を
実施
するということは困難でありますので、こういう余裕の
期間
をここに与える、こういう次第であります。勿論その者がその
期間
内に
登録
を
申請
した場合において、その
期間
を経過したときは、その
申請
に対する
処分
のある日まで又同じように取扱う、こういう
規定
を設けておる次第であります。第三項は、
本法
が
建設省
の所管に関するという
意味合
におきまして、
建設省設置法
の一部の改正を同じくいたした、こういう次第であります。極めて簡単でありましたが逐條の御
説明
を終ります。
赤木正雄
3
○
理事
(
赤木正雄
君) これから御質問願います。
田中一
4
○
田中一
君 この逐條質疑をする前に
提案者
に伺いたいのですが、この
法律
は、
取締法
としての
精神
が主であるのか、又は第
一條
に書いてあります
通り業務
の適正なる
運営
を図る、いわゆる
助成法
というような
精神
のものか、或いはこれを併用しておるものか、先ずそれを第一に伺いたいのと、現在
全国
でこの
法律
を
適用
される
業者
と目されるものは、
法人
で何件ぐらいありますか、それから
個人
では何件ぐらいあるかという点について御答弁願いたいと思います。
瀬戸山三男
5
○
衆議院議員
(
瀬戸山三男
君)
本法
を制定した
趣旨
が
取締
にあるか、又は
業者
の育成と申しますか、それにあるか、場合によ
つて
はその両方併せたものか、こういう御質問でありますが、私共の考えといたしましては、最後の両者を合した
趣旨
であります。勿論これを一方的に
取締
るというだけではなくて、
登録
をさせまして、
業者
の何と言いますか
向上
を図りたい。この狙いがあるのでありますが、一面においては
登録
いたさないとそれをやることもできない。こういうふうに考えて両方含めた
意味
で立法いたしておる。こういうわけであります。 それから
只今全国
でどのくらいの
業者
があるか、これも実のところは
最初
に申上げましたように、現在こういうものの
登録
その他の
制度
がございませんので、
従つて実態
を明確に捉えるということは現在のところは事実上不可能な状態であります。そこで
法人
がいくら、
個人
がいくらということを今お答することができませんが、大体の推定といたしましては、
全国
に約三万の
業者
がある、かように考えておりますが、併し表面に現われないで
相当
の仕事をしておられる面もあると想像されますので、その数も必ずしも明確ではない、そういうこともありますので、ここに
登録
をさして業態を明確にし、
取締
と同時に
業者
の
向上
も図りたい、こういう
趣旨
のものであります。
田中一
6
○
田中一
君 私どもの党のほうにも、この
法律
を制定してくれという希望の者、それから約一千か千五、六百の会員を持
つて
おる
業者
の
任意団体
がございますが、そのらち、これを制定しないでくれというような
意見
の
陳情
が参
つて
おります。これについては無論
提案者
は十分に双方の
意見
も聞き、
立案
、提案されたものと考えますが、現在そういう二つの
業者自身
の考え方があるについて、それに対する調整をなされたかどうか。或いは一方、三万と推定なさるうちの、これを通してくれという
陳情者
をどのくらいあなたがたのほうに把握していらつしやるか、同時に又これに反対するという
業者
は、
陳情
する
業者
はどのくらいと考えておられるか。
従つて
、或いは現在の段階においては、その反対したいという
業者
もこの
法律
の制定の
精神
をよく知
つて
同調しているか。なぜこういうことを申上げるかと申上げますと、先般賛成したいという側の大会がございましたが、これに私も党から出て参りまして、その時にその旨もお伝えしたわけであります。そういう点は、今現在
提案者
としてはどういう工合な認識を以てこの
法案
を提案なすつたか、その現状を伺いたいと思います。
瀬戸山三男
7
○
衆議院議員
(
瀬戸山三男
君) 御尤もな御質問でありますが、
最初
に、いわゆるこういう
法律
を制定してくれというのは殆んど
全国
的の動きでありまして、それからその点は、
田中
先生も私もその大会にお伺いいたしたわけでございますが、そのほかに、法の制定に対する反対の大会も別な場所で開かれ、その当時は、御
承知
の
通り
に
立案
ができましたのは少くとも十数次案でありまして、
最初
には
相当
厳重な
各種
の
條件
を……、まあ試案が出ております。それについて賛成反対の議論が
相当
あつたわけでありまして、その中心となりましたものは、現在提案いたしております
法律
には出ておりませんが、試験
制度
をするとか若しくは営
業者
に対する
相当
の資産の
條件
を加えるとか、或いは担保を供せしめるとか、いろいろな、現在この業を営んでおられる各位が、その
條件
に当てはまらんのじやないかというような、非常な誤解を受けて、
従つて
各位の
意見
を調整いたしまして、それと同時に新らしい憲法の
精神
を取入れる
意味合
におきまして、そういうような成る一定の線を引くような
規定
を殆んど削除してしまつた。そういう
実情
で、私の知
つて
おる範囲では、現在はこの
法律
の個々の問題については成る程度の御
意見
があると思いますが、全体の
精神
については
只今
のところは私は反対の
意見
を聞いておらない
実情
にありますが、最近に至
つて
多少
罰則
の問題について
意見
がありますけれども、それも現在衆議院の
委員
会において或いは一部修正がなされるかも知れませんが、そのほかに法そのものについては異論を聞かない、私はそういうふうに
承知
をいたしております。
田中一
8
○
田中一
君 賛成反対の
陳情
のかたがたのお話を聞きましても、今
提案者
のお話のように、
條件
の問題或いは資産状態或いは試験
制度
という点でも
つて
難点があつたように聞いております。今伺
つて
も、その点も
相当
に納得されてその條項を削除したというような御
説明
でございましたが、その育成をするならば、或いは
取締
をするならば、少くとも財産上の問題はこれはなかなか判定が困難です。併しながら試験
制度
の問題或いは資格の問題についてはもう少し考慮をなさる点がなくちやならんじやないかと思うのです。野放しの状態において現在の
業者
をそのまま全部拾い上げるというためにこの
法律
を作つただけでは、実際の
取締
或いは育成というものはなし得ないのじやないかと思います。
従つて
、軽微なと言いますか、一応登記
手続
とか事務上の扱い方の問題について、試験
制度
と言いますか、そうした点をお考えにならなかつたかどうか。これは総論的に申上げるわけですが、この條文にございませんから伺うわけですが、そういうものを、一応この可能なる範囲ですが、
相当
な学問或いは勉強しなけりやできないというものじやなくて、常識としても要るという程度の試験
制度
、そういう点のことを全然削除したという
理由
ですね、こういう点についてもう少し御
説明
願いたいと思うのです。
瀬戸山三男
9
○
衆議院議員
(
瀬戸山三男
君) 御尤もな御説でありまして、その点は第何次案かまでは試験
制度
を考慮いたしておつたのでありまして、ところが現在のまあ全部の
業者
の資産状態を知ることは、先ほど申上げましたように不可能でありますけれども、
本法
の主たる
目的
は、先ほど申上げましたように、勿論育成と
取締
二面でありますけれども、現在の業態を見ておりますと、必ずしも試験に合格したから公正な
取引業
を営むということも考えられないと同時に、試験
制度
といたしますれば、最近
各種
の試験が御
承知
の
通り
あります、床屋の試験だとか或いは料理人の試験だとか、殆んどその試験の
実体
が形式に流れて、ただ煩瑣に過ぎるという
実情
も一応考えられる。
従つて
この際は、将来これを改正して或る一定の線を引くということも考えられると思いますけれども、
最初
の立法といたしましては、これで
登録
をしてもら
つて
、そこで二年間という
登録
期限
を切つたのでありますが、その間において
業者
としての適正を欠くものはふるいにかけて行こう、この
取締
の
各種
の
規定
に違反した人は、
登録
の
取消
であるとか、
営業
の
停止
であるとかいう、或る程度の制裁がありますので、試験ということで必ずしもこれが直ちによくなるということを考えられなかつたので、試験
制度
そのものを
規定
したものではありませんけれども、当初の案としてこれでや
つて
みようこういう気持ちでおるわけであります。
田中一
10
○
田中一
君
取締法
であるならば、無論
業務
に対する
取締
と考えられるわけです。
従つて
例えば登記
手続
などが全然わからないで、これは従来我々が通念として持
つて
おりますところの、口先一つで或いはこの業を認めるかもわからないのです、その場合に登記する方法もどういうものをどうすればいいか、その種類の扱い方を知らないでお
つて
、野放しの状態に身分をきめておいて、そうして
取締
の形で以て打
つて
出るということは甚だ当を得たものじやないと思うのです。
従つて
試験
制度
、試験
制度
と言いますけれども、試験
制度
そのものは高度の専門的な知識云々じやなくて、常識的なものくらいは教育する
意味
においても、そういう点で教え込んでおかんと、却
つて
この
取締
の面が強く浮び出して来るというような点を考えねばならんわけなんですが、ただこの
法律
を通すために誰にも彼にもに
承知
さして、この
法律
を通すためにあえて試験
制度
と言いますか、軽微な試験
制度
までも抹殺したということに対しては、甚だ
取締
の面だけが強くなりまして、
業務
の案態というものを明かにしていないのじやないかと思うのです。これは衆議院でも
相当
御審議なすつたと思うのですが、その点についてはこれは
提案者
の
個人
のお考えとしてもう一遍伺いたいのです。
瀬戸山三男
11
○
衆議院議員
(
瀬戸山三男
君) その点が
田中
先生のお説と
相当
議論があると思います。私どももその点を
立案
については一番悩んでおつたのです。併し先ほど申上げましたような
事情
で、この際はまあ試験はいわゆる形式的の試験に流れる虞れがありますのでやめて、将来を期待いたしたい。同時に今まで非常に個々ばらばらにこういう
業務
が行われておつたわけですが、今度こういう
法律
が成立いたしまして正式に
登録
いたすということになりますれば、
業者
の
実態
が明らかになるわけであります。
従つて
業者
間の組合と申しますか、協会と申しますか、そういうものがこれは実際問題としてできる機運にな
つて
おる。そうなりますれば協会なら協会といたしまして、業界の育成と申しますか、適正な
業者
を育成する、こういう機運がかなり出て来る。又そういう
意味合
におきまして
関係
行政当局は指導すべきものである。かように考えますので、まあそういう
関係
からも今の御
趣旨
のようなことを計
つて
行きたいということも含まれておる次第でございます。この際、試験
制度
は
相当
問題になりましたが一応省いておる、こういう
実情
であります。
田中一
12
○
田中一
君 今の御
説明
でもまだ満足しません。併し第三章の
業務
規定
において
登録
とか、何か
業務
の一つの
取引
といいますか、
取引
をするために
法律
的などういう
手続
をしなければならないか、
手続
ぐらいは
業務
の中に織込んでこれを知らなければならない、一応こういうものを知らなければならないという
規定
を設けなければ、これは誰も彼もできることになるのです。千円の金さえあれば、そういう今の身分上の問題がきれいならば誰もできるのです。この点は、私は反対の
陳情者
もそういう点について心配しておつたんでしようが、併しながら常識的な扱い方の問題ぐらいは試験
制度
というか、
規定
して頂きたい、こういう考えを特
つて
おるのです。それを全然何も野放しで以てそれで
罰則
、
取締
ということは、これは法制上の
精神
から言
つて
も甚だ片手落の問題じやないか、片方は野放し、何をしていいかわからん、その何をしていいかわからん者もこの
業務
を営めるのです。或いは反対者の
陳情
もありますが、この点だけは常識的な、事務的な扱い方、この点だけでも
業務
規定
の中に入れて頂きたい、そう考えますがこの点は如何でございますか。
瀬戸山三男
13
○
衆議院議員
(
瀬戸山三男
君) お説は御尤もなんですが、今のような、先ほどから御
説明
申上げておりますような
事情
でまあ試験
制度
を……
最初
非常に試験
制度
を問題にいたしたのでありますが、
各種
の試験
制度
を見ましても、これは余談になりますが、料理人の試験でカロリーか何か間違えておつたけれども、それでも試験に通つたという実例もあります。こういうことで将来の問題は別といたしまして、初めての立法でありますので、これをや
つて
更に試験をしなければならんという
実情
が出て来ますればその際に考えたい。このくらいの程度で現在や
つて
おります。
田中一
14
○
田中一
君 そうしますと一応この
法律
を通しまして、脱落者をたくさん出して、それがいけないということで改めて又法の改正もしよう、こういう考えでありますか。
瀬戸山三男
15
○
衆議院議員
(
瀬戸山三男
君) 脱落者を出してというのじやありません。勿論この
規定
によ
つて
この
精神
に反した
業務
をや
つて
従つて
これから脱落する、これは仕方ないと思うのですけれども、あえて脱落者を作
つて
それで行くという
意味
じやないのです。
田中一
16
○
田中一
君 それじや今私の申上げたことは政令で以て出すというような意思はありませんか。政令で織込むという意思もありませんか。
瀬戸山三男
17
○
衆議院議員
(
瀬戸山三男
君) そういう試験
制度
その他について政令で設けるということは
法律
の建前からはいけないと思いますが、まあ行政措置としては
各種
の指導をする、こういうことは当然にこれは
関係
行政機関としてはやるべきものだとかように考えております。
赤木正雄
18
○
理事
(
赤木正雄
君) ちよつとお諮りいたします。今日は日程に
地方財政
と
建設事業
について聞くことにな
つて
います。この
法案
の審議はまだ
相当
時間がかかりますので、先に申したことはそう時間がかかりませんから、これを一時おいて、
地方財政
と
建設事業
について聞いて行く、こういうふうにお願いしたら如何でしようか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
赤木正雄
19
○
理事
(
赤木正雄
君) ではさよういたして、この
法案
の審議は本日はこれで打切ります。
—————————————
赤木正雄
20
○
理事
(
赤木正雄
君)
地方財政委員会
の奥野財政課長、
建設省
の金子
会計課長
お二人見えております。
田中一
21
○
田中一
君 私がこの
地方財政
平衡交付金の一部を改正する
法律案
に関連しまして、今日の調査をいたしたいという提案をいたしましたのは、我々
建設省
の仕事を扱
つて
おりますところの
建設委員会
としましても、
地方
団体に対しまして、政府が
法律
に基いて算定基準を規則できめておつたように
承知
しておりますが、今度はそれが全部
法律
でそれをきめるということにな
つて
おるように了解しておりますが、この際
都道府県
又は市町村に交付されましたところの平衡交付金のうち、土木費、戦災復興費、この二つのものにつきまして算定の基準を明かにして頂きたい。我々としましては、
地方財政
が非常な貧困な状態に陥
つて
いる事実を、
地方
などに調査に出張しましてよく
承知
しております。従いまして道路費、河川費、港湾費その他の土木費につきまして、測定単位と単位費用のこの
法律
に現われましたところのものに対する内容の御
説明
を先ず第一に伺いたいと思います。
金子一平
22
○
政府委員
(金子一平君)
只今
田中
先生からお尋ねのございました平衡交付金の配付の基準になる公共土木費
関係
の測定単位なり、単位費用の算定基準につきましては、これは
地方財政委員会
のほうで詳細な計算をいたしておりまするので、
地方財政委員会
の奥野課長から答弁頂いたほうが或いは適当かと思いますので、奥野課長にお答え願います。
赤木正雄
23
○
理事
(
赤木正雄
君) 奥野課長が見えるまでちよつと懇談をいたしたいと思います。 速記を止めて下さい。 〔速記中止〕
赤木正雄
24
○
理事
(
赤木正雄
君) 速記を始めて。 では引続き奥野課長から御
説明
を願います。
奧野誠亮
25
○
説明員
(奧野
誠亮
君) 道府県分の道路費につきましては、道路の維持修繕費と道路の新設改良費、これを一平方米どれだけになるかというふうなことから十二円四銭という数字を出しておるわけでありまして、標準的な施設を備えた団体におきまして、その施設を維持して行きますためにどれだけの経費がかかるかというふうなことを計算するわけであります。それに対しまして国から支出金がございますし、又使用料や手数料等の収入もございますので、これらを控除いたしまして、一般財源としてどれだけ経費がかかるかというふうなことを測定するわけであります。その経費を標準的な団体の施設の数で割りまして単位費用というものを算定いたして参
つて
おるわけであります。で道路の維持修繕費を測定するに当りましては、大体六キロメーター当り一人の修路工手が必要であろうというふうなことがその基礎をなしているものであります。又道路の改良費につきましては、現在の道路をアスフアルト、コンクリート道路にして行くためには、どの程度の財源を必要とするか、それを大体過去の実績から考えて参りまして、二百年間で完了するとすれば、一年当りどれだけの財源があればよろしいかというふうなことから算定したわけでありまして、今申上げました単位費用のうちで、新設改良費に当るものが二円二十銭であり、それから維持修繕費に当るものが九円八十四銭でありまして、合算して十二円四銭という数字を出しているわけであります。以下大体同じようなやり方でや
つて
いるわけでありますが、橋梁費につきましては、木橋であります物合は、五年に一回補修をする、又鋼橋であります場合は七年に一回の塗装をする、又木橋につきましては二十年に一回の架け換えを必要とするというふうなことから算定いたしておるわけでございまして、単位費用の基礎をなしておりまするもので補修費に当りまするものが六十四円八銭、塗装費に当りまするものが十四円六十六銭、架け換え費に当りますものが四十三円七十四銭で、合計いたしまして百二十二円四十八銭というふうな数字を出しておるわけであります。又河川費につきましては、この内訳は河川の維持修繕費がどれだけであるか、河川調査費、水防費防災対策費、災害土木助成費、河川改良費という六つの項目を拾
つて
いろいろ計算をいたしました合計金額の単位費用が十九円四十三銭ということにな
つて
いるわけであります。その次の港湾における費用は、その経費の中には港湾事務費といたしましては、港務所の費用と港湾費用と港湾
運営
費がございます。それと港湾施設費、これらを合計いたしまして六円二十銭という単位費用を出しておるわけであります。又都市計画費の中では、都市計画事務費と街路
事業
費と都市水利施設整備
事業
費、これらを見ているわけであります。更にその他の土木費の中では、都市計画の
関係
では都市計画審議会費、都市計画
職員
費……都市計画の中では都市計画審議会費と都市計画
職員
費、都市計画
事業
費、風致地区
取締
費、屋外広告物
取締
費、それから土木行政
関係
費用として建設業
登録
費、それから建築行政費といたしまして建築基準法
施行
費、住宅対策事務費、公営住宅法
施行
費、それから土木共通
職員
費でありますとか、土木出張所共通費でありますとか、それから砂防費のうちには、砂防維持修繕費、砂防調査費、砂防施設費というようなものを見ておるわけであります。それから市町村の場におきましては、その他の土木費においては土木共通
職員
費と河川
関係
の水防費でありますか、余りございませんけれども、こういうふうなものを見ておるわけであります。こういうふうなものをここに計算をいたしまして、特定財源を控除して単位費用を出しておるわけであります。なお戦災復興費は、これは戦災
関係
の
事業
費も、
連絡
がございました場合には、所在の道路の面積によりまして、道路費を測定されるわけでありますが、単にそうしたいわゆる都市計画的な
事業
費だけじやございませんで、庁舎が焼けておりますとか、学校の校舎が焼けておりますとか、そういうようなことで、その団体の財政費用が非常に大きいわけでございまして、そういうものを全体として或る程度援助して行くというふうな考え方から戦災復興費という項目を設けておるわけでございます。その単位費用を出しました基礎は、戦災復興の国の計画からいたしまして、
地方
団体はどれだけ負担しなければならないか、その負担しなければならない額を被災地の面積で除しまして単位費用を測定しましたわけでありまして、大体戦災
関係
の国の計画に基きまする
事業
費の
地方
負担額は全額この基準財政需要額で大体測定して行くというふうなやり方をいたしておるわけであります。
田中一
26
○
田中一
君 道府県において七の公債費、或いは市町村におけるところの八の公債費、これはどうな
つて
おるのでありますか。
奧野誠亮
27
○
説明員
(奧野
誠亮
君) 災害を蒙りました場合には、国からかなり高率な負担が支出されるわけでありますけれども、その残りの
地方
負担分につきましては、大体公債で賄
つて
行く、それについては元利償還費が必要とな
つて
参りますので、それらの元利償還費を大体全額に近いものをこの公債で測定して行くというふうなやり方をや
つて
おるのであります。
田中一
28
○
田中一
君 災害復旧
事業
費はわかります。防空
関係
事業
費というのはどういうものですか。
奧野誠亮
29
○
説明員
(奧野
誠亮
君) 防空
関係
は
地方
団体が昔かなり負担をいたしまして公債で賄
つて
来ておるわけでございますけれども、こういうことも一種の災害と言いますか、それに類するものでございますし、又客観的に明確に測定できますので、災害と同じ扱いをいたして参
つて
おるわけであります。現在としては併し金額としては僅かなものにな
つて
おります。
赤木正雄
30
○
理事
(
赤木正雄
君) ちよつと私質問したいのですが、これ何かミスプリントがあるのじやありませんか、と申しますと、林野行政費の民有林野の面積一町歩につき五百六十円とありますが、土木
関係
のその他の土木費のことで、先に砂防とおつしやいましたが、砂防のほうには林野面積が当然あるのですが、それがないのはどういうわけでありますか。
奧野誠亮
31
○
説明員
(奧野
誠亮
君) 河川砂防の経費はその他の土木費で算定いたしまして、山林砂防の
関係
における経費は林野行政費で見て行きたいというふうに思
つて
おります。
赤木正雄
32
○
理事
(
赤木正雄
君) あなたは砂防を御
承知
ないからそういうことをおつしやるので、林野砂防とおつしやいますけれども、やはり河川砂防とい
つて
もやはり或る程度の港湾、林野の面積があるのであります。それが民有林の面積に対して計上しておらないのはどういうわけですか。
奧野誠亮
33
○
説明員
(奧野
誠亮
君) ちよつと御質問の
趣旨
を取り違えておるかも知れませんけれども、砂防
関係
の経費も測定して行きたいというふうなことから、その他の土木費の中では測定単位を人口だけでいたしませんで、面積を使
つて
おるのでございます。その際に
宅地
でありますとか、田畑とか、その他というふうなことで若干ウエイトをつけまして、それぞれの測定しようとする費目に合わせようとする努力をいたしておるわけであります。又林野行政費の中では民有林地の面積の中で、要造林地の面積でありますとか、或いは崩壊地の面積でありますとかいうふうなことで区分をいたしましてウエイトをつけながら、それぞれつかまえようといたしておりまする経費の額に合せようという努力をいたしておるわけであります。
赤木正雄
34
○
理事
(
赤木正雄
君) もう一度重ねてお尋ねいたしますが、今崩壊地の面積とおつしやいましたが、崩壊地の面積はひとり林野行政のみでありませんで、これはその土木費の中に入
つて
おる、その土木費の中に入
つて
いながら、なぜここには計上なさらんかというのです。砂防ということを御
承知
にならないからそういうふうな大きなミスがありはせんかというのです。
奧野誠亮
35
○
説明員
(奧野
誠亮
君) 素人のせいか少し
意見
が……。
赤木正雄
36
○
理事
(
赤木正雄
君) では私今日重ねて質問しても時間を取るばかりでございますからして、それをよく
建設省
或いは
会計課長
等と御相談なさ
つて
、もう一度よくおわかりになるまで……この次お尋ねいたします。
田中一
37
○
田中一
君 前年度はどういう単位費用にな
つて
おりましたか、資料をお持ちでしたら……。
奧野誠亮
38
○
説明員
(奧野
誠亮
君) 道路の単位費用は十円六十二銭、橋梁費は百十三円、河川費は十八円八十二銭、港湾費は五円四十八銭、その他の土木費のなかで人口を測定単位といたしますものが十二円六十四銭、面積を測定単位といたしますものが三万八千四百六円、それから戦災復興費は二円九十銭、市町村分では道路費が三円六十六銭、橋梁費が五十四円、港湾費が五円四十八銭、都市計画費が十五円九十六銭、その他の土木費が人口を測定単位といたしますものが五円三十七銭、面積を測定単位といたしますものが三万九千七百六十二円、戦災復興費が七円七銭、であります。
田中一
39
○
田中一
君 前年度と本年度の違いは、物価指数とか或いは労銀の指数とかから割出したものですか、それとも別の根拠のものですか。
奧野誠亮
40
○
説明員
(奧野
誠亮
君) 先ほどちよつと御
説明
申上げましたように、単位費用を出しますときには何人の
職員
が必要であるか、或いはどういう物資をどの程度必要であるかというふうなものがあるわけでございます。ところが
職員
費でありますと、その後に給与改訂が行われる。旅費でありますとか、運賃の改訂等から若干増加するようにな
つて
来る。そういうふうな基礎の変化からそれぞれ
只今
のような単位費用の増加にな
つて
おるわけであります。
田中一
41
○
田中一
君 道路費を一つ取上げまして、この道路というのは、無論府県道う含まれておるのでありますね。国道並びに府県道も含まれておるのでありますか。
奧野誠亮
42
○
説明員
(奧野
誠亮
君) その
通り
であります。
田中一
43
○
田中一
君 市町村の場合に、これらの市町村道又は全部を含まれておるのですね。橋梁もすべて……。
奧野誠亮
44
○
説明員
(奧野
誠亮
君) 市町村は道路費と橋梁費とやはり分けておるわけであります。
田中一
45
○
田中一
君 これは全部市町村の範囲にあるものは含まれておるわけでありますか。
奧野誠亮
46
○
説明員
(奧野
誠亮
君) 市町村同時に見ておるわけであります。
赤木正雄
47
○
理事
(
赤木正雄
君) 本日はこれを以て取りやめて御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
田中一
48
○
田中一
君 まだ質問を継続してこの調査をや
つて
行きたいと思います。
赤木正雄
49
○
理事
(
赤木正雄
君) では本日はこれを以て閉会いたします。 午前十一時五十九分散会