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1952-05-19 第13回国会 参議院 建設委員会 第38号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十七年五月十九日(月曜日)    午後一時五十七分開会   —————————————  出席者は左の通り。    委員長     廣瀬與兵衞君    理事            赤木 正雄君            田中  一君            小川 久義君    委員            石川 榮一君            徳川 宗敬君            前田  穰君            松浦 定義君            東   隆君   政府委員    建設省管理局長 澁江 操一君   事務局側    常任委員会專門    員       武井  篤君    常任委員会專門    員       菊池 璋三君   説明員    建設省管理局建    設業課長    水野  岑君   —————————————   本日の会議に付した事件 ○公共工事の前拂金保証事業に関する  法律案内閣送付) ○証人喚問に関する件   —————————————
  2. 廣瀬與兵衞

    委員長廣瀬與兵衞君) 只今から建設委員会を開会いたします。公共工事の前拂金保証事業に関する法律案を議題に供します。先ず政府より逐條御説明を願います。
  3. 澁江操一

    政府委員(澁江操一君) 提案理由につきましては、先般すでに御説明申上げたわけでありますが、各條につきまして主要な点の御説明を申上げたいと思います。  先ず第一章でございますが、第一章は総則といたしまして、法律目的と、それからこの法律の主な用語につきましての定義を掲げてございます。第一條法律目的につきましては、特に御説明を申上げる点はございません。第二條定義の点でございますが、先ず第一に第一項の「公共工事」、これにつきましては、これに掲げてございますように、国、それから国鉄、専売公社地方公共団体土木建築に関する工事を指しております。それから第二点といたしまして、その他の公共団体の発注する工事をも含めております。この「その他の公共団体」という中には、例えて申しますと、土地改良区、或いは水害予防組合、こういう公共団体府県市町村以外の公共団体発注機関になります場合の土木建築工事、これも含めておるという趣旨でございます。それから第三点といたしまして、資源開発についての重要な土木建築に関する工事というもので、建設大臣が指定するものを含めるということを明らかにいたしております。この資源開発等についての重要な土木建築工事はどういうものを指定するかという問題になりますが、一応立案しております私どもの立場で考えておりますことは、石炭、鉄鋼、更には造船、それからもう一つ電源開発民間鉄道等建設並びに私鉄の建設に関する工事等、これらがやはり国、公共団体発注工事に比較いたしまして、同様国民経済重要性を持つておるという意味合いにおきまして、将来この法律が通りましたならば、建設大臣の指定を受けたいと、かように考えておるのでございます。  次に第二項でございますが、第二項に「前拂金保証」とはどういうものであるかということを明らかにいたしております。前拂金保証定義をいたします要素といたしまして、およそ四つの條件を掲げております。先ず第一の條件は、公共工事に関して発注者前金拂をするということが一つ條件になつております。前金拂制につきましては、御承知のように現在臨時予算決算会計令規定をいたしておりますが、これを全面的に前金拂をなし得る措置をとることを、この法律と相併行いたしまして予定いたしておるのでございます。それから第二の條件といたしまして、この発注機関前金拂をいたす場合において、請負業者とここに予定しております保証事業会社との間に保証約款を締結いたしまして、その際に請負業者から保証料をこの保証事業会社が受取るということが第二の條件になつております。保証料金額等につきましては、後ほど更に御説明をいたすつもりでございます。それによりまして、次の第三の條件といたしましては、請負業者発注機関から受けました工事、即ち請負契約に基く債務を履行しないという事情が発生いたしました場合に、この発生いたします場合というのが第三の條件になつておりますが、そうした場合に第四の條件といたしまして、この前金拂をした額から当該工事既済部分に対する代価に相当する額を控除した金額支拂請負業者に代りまして発注機関保証するというのであるということが第四の條件になつて参ります。ここに前金拂全額保証するのでなくて、そのうちから当該工事既済部分代価に相当する金額を控除する建前をとりましたことは、要するに発注機関をして損害をこうむらしめないという限度において保証することを以て足れりとする考え方に立つておるのであります。仮に前金梯全額保証するという建前考え方も成り立つわけでございますが、そうすることによりまして、却つて既済部分に対する工事額というものは、発注機関の不当の利得になり、或いはそれを清算することによつて却つて手続を複雑にするという関係もございますので、それを控除する建前にいたしまして、その限度において保証をするという方法をとつておるのでございます。  次に第三項は、この前拂金保証事業は、只今申上げました前拂金保証をすることを目的とする事業という建前にいたしておるのでございます。この点は明らかであろうと存じます。  次に第四項は、こういう事業を営む保証事業会社定義を掲げまして、保証事業会社建設大臣登録を受けました場合に限るというふうな規定のいたし方をいたしたのであります。以上が第一章でございます。  次に第二章でございますが、第二章は登録のことを規定いたしております。この保証事業会社は、重要な国、公共団体前金拂保証をする事業を営む会社でございますが故に、極めて公共的な重要性をもつておるものと考えられますので、これを單なる商法上の一般会社といたしませんで、これを登録させることに建前とつたのでございます。登録につきましては、なおこれを免許制にするという考え方もございますが、この立案におきましては免許制をとりませんで、登録主義を採用することにいたしております。第四條、第五條登録手続様式を定めたものでございます。それから第六條、ここに登録拒否條件というものをきめております。登録は如何かる場合でも無條件登録を許すという建前にいたしておりませんで、第六條に掲げてございますような條件に該当する場合においては、登録を受入れられないということによりまして、やや免許主義に近い登録制であるということを御配慮願いたいのでございます。如何なる場合に登録拒否されるかということになりますが、そこに掲げてございますように、第一項の第一号、第二号、これが重要な意味を持つていると思いますが、第一号は、資本金が三千万円以上の株式会社ということを條件といたしております。それに該当しない場合には登録拒否される。資本金を三千万円以上に限つたということは、要するに信用保証会社信用力というものを相当強力なものにして置く必要があるという建前から三千万円以上のものでなければならぬ。それ以下の微弱な信用力のある会社であつては、これは適正な保証というものを確保することは困難であるという建前に立ちまして、三千万円以下のものは登録を受付けない。こういう建前にいたしました。それから次は、株式会社組織であつて欲しいということでございます。要するにこういう信用保証事業でございますので、これはできるだけ広くこの信用を構成するものが各方面に亙ることを必要とする。特定の限定せられたものだけがこの資本力を構成いたしまして、この信用保証を独占化するという建前をむしろ排除することを考慮いたしまして、株式会社組織であつて欲しいという建前にいたしております。それに該当しない場合には拒否される。次に第二号でございますが、定款或いは事業方法書、或いは事業計画書内容法令に違反し、或いは事業の適正な運営を確保するのに十分でない場合には拒否されるという建前になつております。第一号、二号以外の各号は、およそこの條項に該当するかどうかということは、一つも裁量の入らない客観的な條件によつて規制されると存じますが、二号がややその点につきまして、規定内容が抽象的になつております。そこでこの内容を若干御説明申上げたいと存じますが、この内容法令に違反しておることは、これは説明を要しないと存じます。次に事業の適正な運営を確保するのに十分でないという規定がございますが、これはこの保証事業会社建設業者の適正な運営を阻害する、或いはそれによりまして発注者又は請負業者利便を不当に阻害するというようなことを大体考えておるのでございますが、然らば具体的にどういう場合が考えられるであろうかということになつて参ります。先ず第一に考えられますことは、この保証限度が適正でないという場合が考えられるのでございます。で、これはなお後ほど御説明をいたしますが、この保証債務限度保証すべき債務残高というものに対しまして、この保証事業会社がそれに手当すべき手許資金、即ち自己資本、或いは保証基金、或いは保証料収入等で持つております手許資金との割合が二十対一の程度であつて欲しいということを実は考えております。これはやはり現在の中小企業信用保証の場合、それからもう一つ銀行或いは会社社債発行限度自己資本との釣合い、そういつたような現在の企業運営に関します一般のレートを参酌いたしまして、おおむね二十対一の程度であることが信用保持上望ましいという観点に立ちまして、そういう一応の適正な保証限度というものを考えていますが、その保証限度が今申上げました点と著しく懸け離れている、つまり手許資金に対しまして極めて高率な、保証し切れない程度の高い保証債務残高を持ち得るような虞れがありますときにおきましては、極めてその保証限度が不堅実と言わざるを得ませんので、そういつたような点につきましては拒否しなければならないという考え方に立つております。もう一つは、保証する工事範囲の問題でございます。保証する工事範囲はできるだけ広くあつて欲しいということに考えておりますが、これが例えば五百万円以上の工事だけしか保証しないということが仮にありますといたしますと、それ以下の工事については、全然この保証事業会社保証適用範囲外になつて来るということになりまして、工事の額によりまして取扱いの公正が期せられないということも考えられます。そういう場合におきましても、この事業が適正であるかどうかということについての疑問が生じ、又そういう場合につきましては、これは拒否される事由になるのではないかというふうに考えておるのであります。それから又保証事業会社保証拒否いたします條件に関しましても、これが非常に不適正な場合が予想されるというふうに考えますので、保証拒否する條件につきましてもやはり公正であるかどうかという点が一つ拒否されるかどうかという問題点になつて来るのじやないかというふうに考えます。そうした点を第二号は一応予定いたしまして、十分審査の上におきまして、そういう点についての不適正な点がないかどうかということによつて登録拒否する拒否しないかということがきまる次第でございます。第七條、第八條、第九條、十條、十一條までは問題ございません。  そこで次に第三章の「前拂金保証事業」の章につきまして御説明申上げます。第一は、第十二條規定いたしております保証約款で、この保証事業会社保証契約を締結する場合には、あらかじめ建設大臣の承認を受けました前拂金保証約款という約款に基きまして、請負業者契約を締結するという建前になつております。その保証約款内容に盛らるべきものは、第二項の一号から五号に掲げてございます。第一は保証料料率でございます。「保証料料率及び支拂に関する事項」であります。保証料率をどの程度に考えるかということは、これは專ら前拂金保証事業会社のもくろみによつてきまつて参ると思いますが、私どもは、この現在の国、公共団体、ここにこの法律で予定いたしております公共事業の範疇に属すべき工事量から、それに三割以内の前拂金というものが一応出し得るという一定の推算を立てまして考えておりますところでは、おおむね保証料率として考えておりますのは日歩一銭、期間としましては四カ月、最大五カ月以内日歩一銭という程度のものが考えられるというふうに、只今のところ試算をいたしてみました結果として考えておるのであります。それから支拂に関する事項は、この保証約款で予定しております請負業者の責に帰すべき事由によりまして解約されました時から、解約通知を受けました時からおおむね一カ月以内、十三條に規定しております。十三條の第三項、保証事業会社は、請負契約解約の書面を受理した日から三十日以内に保証金支拂わなければならないと、こうしました。それから次は、「保証金の額の決定及び支拂に関する事項、」保証金の額は、先ほど申上げましたように、前拂の金額から既済部分に相当する金額を控除した金額ということにいたしておりますが、なお既済部分金額工事金額をどういうふうに判定するかということは、一定評価制度を、評価人制度等をとりますし、或いはその紛争の場合におきまして、調停人制度等保証約款の中に謳いまして、適正な額の決定をいたすように考えておるのでございます。次に第五号の「その他建設省令で定める事項、」この中には、私どもが予定いたしておりますのは、この保証事業会社一定の場合には免責されるということが予想されるのでありますが、その免責事項、或いは発注者通知義務、或いは保証約款についての紛争が起きた場合の裁判管轄、それから先ほど申上げました調停人制度、こういつたような事項保証約款の中に織込むことを予定いたしまして、それらは建設省令で定めるということにいたしております。  第十三條の保証金支拂につきましては、先ほど御説明を申上げました。なおこの第十三條につきましては、第一項におきまして、「保証契約に係る公共工事発注者は、保証契約の締結を條件として前金拂をした場合においては、当該保証契約利益を享受する旨の意思表示があつたものとみなす」という規定がございますが、この保証契約は、法律的に申しますと民法の五百三十七條規定しております。第三者のためにする契約というふうに考えておりますので、特にこの民法の五百三十七條特例といたしまして、一定意思表示をこの第三者たる発注者がしないでも、この保証契約が締結された場合においては、それによりまして前金拂をした場合においては、当然この第三者のためにする契約利益を享受するという意思表示があつたものとみなすと。これは、只今申上げました民法の五百三十七條との関係において明瞭にいたす考えといたしまして規定をいたしたのであります。專ら法律的な関係から規定いたしました條項でございます。  それから第十四條でございますが、この保証料拂いもどしに関する條項規定いたしております。保証料率は、先ほど申上げましたように、おおむね現在の資産の程度におきましては日歩一銭、最大五カ月以内というものを以てこの收支相償い得るというふうな建前に立ちまして考えておりますが、何と申しましてもこの保証事業会社運営は初めてのことでもございますし、保証料率はかなり大事をとる結果になるかと存じます。そうした場合におきまして、三事業年度範囲内におきまして、或いは保証料率の取過ぎという事態がないとも考えられませんので、そうした場合におきましては、一部の拂いもどしはなし得るということを規定をいたしたのでございます。保証料率の取過ぎという点を考慮いたしまして、この拂いもどし制を一面において考えるということでございます。それから第二項は、これを税法上の取扱といたしまして総損金に算入するという、專ら税法関係における一つ取扱を明瞭にいたした規定でございます。  それから第十五條でありますが、責任準備金の計上、この信用保証事業は一面におきましては保険会社を共通する要素が多分にございます。そこで未経過事業年度末においてまだ経過していない保証契約がある場合におきまして、その保証期間に対応する保証料の総額に該当する金額を、これを責任準備金として計上いたしまして、いわゆる未経過保証料取扱をいたしまして、保証を確保するという建前にいたしておるのでございます。これも保証事業会社信用をできるだけ強固なものにして行くという趣意からいたしまして、この規定を置いておるのであります。而も第二項におきまして、責任準備金は、所得の計算上はそれを総損金に算入するという建前にいたしております。  それから第十六條の支拂備金、前の責任準備金は未経過保証料取扱でございますが、第十六條は、これはすでにこの保証債務の確定したものにつきまして、未だ支拂が済んでいないという事態が発生する場合がございます。それに対する手当金支拂準備金ということにして積立をする義務保証会社に認めたものでございます。  それから第十七條保証基金積立でございますが、先ほど申上げましたように、保証事業会社資本力会社出資金とそれから保証料の収支というものだけが一応考えられるわけでございますが、なおこの制度におきましては、そのほかに保証基金制度を設けまして、これを積立てることによりまして、信用力を更に強固にするという建前とつたのでございます。この保証基金は、ここに書いてございますように、保証約款で一応きめてございまして、保証契約相手方、つまり請負業者から保証料率として徴収するものを積立てる制度でございます。で、保証料率はここに書いてございますように、保証基金料は大体保証料率と同額を徴収するということに予定いたしております。で、この保証基金は大体請負業者から徴収いたしますが、基金そのもの請負業者預り金という取扱にいたしておるのでございます。保証基金は、先ほど申上げましたように信用方を強化するという建前でございますので、漸次この積立金が充実いたしまして、所期の予定しました金額積立金が達しまして、先ほど申上げました保証債務残高に対する手許金割合が二十対一の程度に達する程度に、他の自己資本と合せまして充実いたしました場合におきましては、これは先ほど申上げました預り金の性格を持つておるものでございますから、逐次その徴収いたしました相手方である業者拂いもとして行くという建前に考えておるのでございます。  次には第十九條でございます。以上申上げましたような保証事業会社は、極めて適正、公正な運営を図る必要がございますので、兼業を制限いたしまして、一定事業以外の兼業はこれは営んではならないという建前にいたしております。その兼業の許される範囲と申しますのは、第一号に掲げてございますように、公共工事請負者金融機関から資金の貸付を受ける場合その債務保証する事業、それから第二号といたしまして、「前拂金保証事業に附随する事業」、もつぱら広告をいたしますとか、或いは出版をいたしますとか、そういつたような附随する事業、そういうもの以外のものは兼業を制限するという規定です。  それから三十條は、常務役員専業主義ということを規定いたしてございます。保証事業会社のこれもやはり適正な運営を確保するために、常務役員建設大臣の認可を受けなければ他の会社常務に従事することはできないという建前にしてございます。  第四章は監督規定でございます。監督規定の中で重要だと思われますのは二十一條、それから二十二條保証事業会社監督建設大臣が所掌することにいたしてございますが、先ほど申上げましたように、発注者請負業者利便を不当に阻害するがごとき事態が起りました場合においては、事前においてはすでに登録拒否ということが問題になりますけれども、すでに発足いたしました保証事業会社事業運営発注者或いは請負業者利便を阻害するという事案が発生いたしました場合におきましては、二十一條規定してございますように、中央建設業審議会の意見を聴取した上で、建設大臣事業改善命令を出すことができるということに規定をいたしてございます。  それから更に二十二條におきましては、役員におきまして法令に違反した措置が行われた場合においては、これに対しまして必要な措置をとるべきことを建設大臣がこれ又命令することを認めております。    〔委員長退席理事赤木正雄委員長席に着く〕  次は第五章の雑則に入ります。雑則の中の第一の問題は、二十五條規定いたしてございます審査請求権の問題でございます。保証事業会社運営は飽くまで各業態、各建設業者に公正な取扱い方をすることを期待されるわけでございますが、仮に万一特定業者或いは一部の業者、こういうものに対しまして利便を不当に阻害している事実があるというような場合におきましては、その被害を受けております当該業者から建設大臣にその事実を示して審査請求をし、それによつてこの不当な措置の是正を求める方法を講ずる必要がございます。そういつた意味合いにおきまして、二十五條審査請求権を、これはもつぱら業者のほうに対しまして認める建前とつたのでございます。  それから二十六條、二十六條はこれはこの法律によります処分、監督事項、これにつきまして重要なるものについては、あらかじめ大蔵大臣との協議によることにいたしております。保証事業内容につきましては、かなりこれは大蔵省関係関係するところも多いのでございまして、そういつたようなことにつきまして、大蔵大臣との協議をすることを規定いたしてございます。  それから第二十七條、前拂金使途監査、本来前拂金が支出される目的とする工事に使用されることが当然でございますが、ともいたしますと、この前拂金支拂を受けた業者がこれを他の使途に流用いたしましたりしまして、前佛金趣旨を極めて不明朗なことにする虞れがございますので、そういう事態に備えまして、この保証事業会社に対しましては、前拂金使途監査をする権限を認めまして前拂金保証事業と合せましてこの使途監査を行う、それによりまして保証事業運営が飽くまで阻害される不適正な結果にならないようにということを考慮いたしましてこの規定を設けたのでございます。  次は第六章の罰則でございます。罰則の中の特に御注意を頂きます点は第二十九條でございますが、この保証事業会社信用保証を受けるかどうかということは建設業者にとつても極めて重要な問題でございますので、そういう重要な信用保証をするこの保証事業会社役員が、ときによりましてその贈賄、賄賂を収受し、或いはこの要求、約束するといつたようなことがございます。かかることをいたした場合におきましては、これは現在銀行その他の役員につきましても同様の罰則規定がございますが、それと同様の意味合いにおきまして、このいわゆる職に関する規定適用されるということを明らかにいたしまして、運営の適正を期することにいたしたのでございます。  それから附則の三項を御説明いたします。只今申上げましたような保証事業会社事業者団体法との関係でございますが、これは特に立案の過程におきましても、果して事業者団体法適用を受けるかどうか、で事業者団体法適用を受ける結果になりますれば、これは経済活動ができないということが現在の事業者団体法建前でありますので、その特例としまして、今回のこの前拂金保証事業会社事業者団体法適用を受けないということを特に規定をいたしたのでございます。  以上がこの條文につきまして御注意願います主要点でございますが、なおこの法律は、飽くまで保証事業会社の設立されることを慮つてこの規定をいたしたのでございますが、然らばこの保証会社の設立の状況はどうかということでございますが、これは現在この法案の立案後におきまして、建設業界等を中心といたしまして、信用保証事業会社の設立が企図せられております。私どもが聞いておりますところでは東京関東に一社、それから関西方面に一社ということで、設立が企図せられておるというふうに聞いておるわけでございますが、なおその資本の構成におきましても、業界方面からの出資、更にそれに附加えまして一部の金融機関等からの出資ももくろまれて、その計画が一面進められておるというふうに聞いておるのでございます。これらはこの法律の成立によりまして、初めて現在企図しておりますものが、果して二社だけにとどまりますか、或いはそのほかに更に例えばブロック別に数社設立されることになりますか、これらにつきましては、專ら業界方面の企画にまつて行われるというふうに考えておるのでございます。以上で大体の御説明を終ります。
  4. 田中一

    ○田中一君 私はこの法律を審議する前に、非常に重大な法案でありますので、先ずこの法律ができまして、この法律適用を受ける、いわゆる前拂金を受けるほうの側のもの、それからこの法律ができまして、前拂金をしなきやならないほうの側、こういう側の公述人をお呼び願うことを提案したいのです。
  5. 赤木正雄

    理事赤木正雄君) それは公聴会を開くという意味ではないでしようね。
  6. 田中一

    ○田中一君 どういう形でやりますか、公聴会でも、或いはこの法案に対する証言と言いますか、何と言いますか、利害関係者の考え方を一遍聞きたいと思うのです。ということはですね、この法律ができまして、この前拂金保証会社保証によつて受取ることができるということと、それから或いは支拂わなければならないというような二つの問題があると思うのです。この法律では義務づけられておりません、支拂いのほうは。前拂金支拂うことができるというようになつておるのです。併しながら法の精神は前拂金を早く三割程度支拂いをさしてやろうということに盡きると思うのです。従つてその点について利害関係者を……、恐らくつずめれば両方に利益があるでしようけれども、この法律そのものは。それをお呼び願いたいと思います。
  7. 赤木正雄

    理事赤木正雄君) お諮りいたします。田中委員から、この法案に関する利害関係者の意見を聞いてみよう、こういう提案がありますが、適当な人をはかりまして、意見を聞くことに御異議ないでしようか。或いはその必要がないとお考えでございましようか、如何でしようか。
  8. 松浦定義

    ○松浦定義君 衆議院のほうではそういうような会合を持たれたかどうかを参考までにお伺いしたいと思います。
  9. 田中一

    ○田中一君 衆議院ではそういう会合を持ちません。非常に短い時間で審議を終つたように聞いております。
  10. 赤木正雄

    理事赤木正雄君) 今田中委員の御説明の通りであります。
  11. 松浦定義

    ○松浦定義君 今田中委員のお話を聞きますと、非常に短期間でこれを通過されたというふうなお話をされておりますが、それは衆議院のほうでは與党が多いのですから、この法案ばかりでなく、そういうことが再々繰返されている、こういうふうに考えられますので、多数の賛成があつて、これができれば公聴会を開かれることには賛成したいと思います。
  12. 赤木正雄

    理事赤木正雄君) お諮りいたします。今公聴会という御意見がありましたが、公聴会にするか、公聴会にしないで二、三の人の意見を参考にする、こういうふうで差支えありませんでしようか。
  13. 松浦定義

    ○松浦定義君 それは決定された通りでよろしいと思います。
  14. 田中一

    ○田中一君 私は地方公共団体は、いわゆる平衡交付金の改正等、いろいろ今国会で審議をしておりますが、事実財政上非常に苦しい立場にあると思うのです。従つて工事が発注する場合に、手許にそういう資金を持つている場合と持つていない場合とあると思う。持つていない場合にこの法律ができまして、これは無論保証会社保証しても、契約相手方、いわゆる業者がこの前拂金の請求権を持ちません。持ちませんけれども、併しこの法律が通りますれば、成るべく前拂金を拂わしてやろうという精神でありますから、その小さい都市の発注者側と大きな都市の発注者側、それからこの法律によつて利益を受けると考えられますところの大業者或いは中小業者、このせめて四つの利害関係者ぐらいは是非お呼び願いたいと思うのです。
  15. 赤木正雄

    理事赤木正雄君) お諮りいたします。公聴会と言いますと、議運のほうの手続その他ありますから、今田中委員のおつしやつた程度の人を証人として聞く、そういうふうにしてよろしうございますか。
  16. 田中一

    ○田中一君 はあ。
  17. 赤木正雄

    理事赤木正雄君) それでよければ適当な人をはかつて、そうして成るべくこの国会中に審議すべきが我々の勤めですから、それを見計らつて証人として聞くことに御異議ございませんか。
  18. 石川榮一

    ○石川榮一君 一応伺つておきますが、会期もだんだん切迫しておりますのと、この法律を作らんとしている構想等もまだ伺つておりませんから、一回質疑を戰かわせまして、その間において今のような手続きをとつて頂くことが適当だと思います。直ちに公聴会を開かないで、一応提案者に対しまして或る程度の論議を戦わせまして、それによつて人選を決めるとか何とかいうふうにしたら如何でしようか。
  19. 赤木正雄

    理事赤木正雄君) ちよつとお諮りいたします。時期も余りありませんから、今田中委員初め、証言を開こうというのと、それから又一方においては、相当審議してから証人を呼ぼう、こういう御意見でありますが、成るべく早く計らうというふうにして、先ず以て証人の意見を聞いて、それから審議したほうが処理が早いと思いますが、如何でしようか。
  20. 田中一

    ○田中一君 今提案された政府のほうでは、現にもう関西、関東において、業者はこの法律が通るものとして、相当計画をしているというお話を伺つているのです。従つてもう我々は、政府のほうはどういう形で以てそれを業者に慫慂したか知れませんが、併しながら先ほど補足の説明では、もうこの法律が通るものとして準備しているといつておりますから、先ずそのほうを先に伺いたいと思うのです。
  21. 赤木正雄

    理事赤木正雄君) 如何でしようか。
  22. 石川榮一

    ○石川榮一君 同意しました。
  23. 赤木正雄

    理事赤木正雄君) では適宜の人を成るべく早く証人として聞く。その証言を聞いてから、或いは又それに並行して審議をする、こういうふうに取計つて御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  24. 赤木正雄

    理事赤木正雄君) ではそういうふうにいたします。
  25. 小川久義

    ○小川久義君 田中委員の話は、相当手広く呼んだらというふうにもとれるのですが、僕はそう手広く、小さい都市、大きい都市、この段階、この階級ということでなくて、大体発注者にしても地方公共団体が主になつてやるが、それに対してはやはり政府のお考えも聞くでしようし、これは市なり都道府県は大抵これを早く公布してもらいたいということを渇望しておるようにも聞いておるし、成るべく多くじやなくて、発案者の田中委員の御意見も参考にされまして委員長に一任したいと思う、成るべく多くない……
  26. 赤木正雄

    理事赤木正雄君) 委員長といたしましては、どういう範囲の人を聞くか、大体あすのこの委員会に諮りまして、そうしてそのときにこういう範囲を証人として呼びたいということを皆さんに御相談したいと思います。それで御異議ありませんか……ではそういうふうにいたします。じや、今日は法案の審議はこれでよろしうございますか。  ちよつとお諮りいたします。これにミスプリントがありますから御訂正を願います。
  27. 水野岑

    説明員(水野岑君) 全く印刷の間違いでありまして、只今正式に手続を進あております。その直して頂く点を申上げたいと思います。  先ず第二條でございますが、第二條の第二項に「請負者から保証料を受け取り、当該請負者債務を履行しないために、」というところに「、」がございますが、この「、」を取つて頂きます。それから同じく第二項の四行目でございますが、「(……その金額を加えた額。)」、その「額」の下に「。」が打つてありますが、この「。」を取つて頂きます。それから第七條をお開き願います。第七條の二項に但書がございます。この但書の中に「事業方法書及び事業計画書」という字句がございますが、この「及び事業計画書」これを削除して頂きます。それから第十三條をお開き願います。その二項に「ために、」というところに「、」がございます、この「、」をとつて頂きます。それから第二十二條の四項を開いて頂きます。四項の終りのほうでございますが、「登録拒否することができる」とあるのは「処分することができる」と読み替えるものとする。」と最後にございますが、この「「登録拒否することができる」」というところの「」」の上の所に「。」を挿入して頂きます。「「処分することができる」」この「「」の上、「る」の下に「。」を挿入して頂きます。それから二十五條をお開き願います。二十五條の第三項でございます。三行目に「同條第二項及び第四項中」というのがございます、それを削除して頂きます。それから二十九條をお開き願います。二十九條の一行目に「賄賂」という字を漢字で書いてございますが、これを平がなの「ろ」にして「ろ」の横に「、」を打つて頂きます。二項も同様でございます。「賄賂」の「賂」を平がなの「ろ」として「、」を打つて頂きます。三項も「第一項の賄賂」の「賂」を平がなの「ろ」にして横に点を打つ。それから三十一條をお開き願います。第三十一條の四号に「第十九條の規定に違反して同條各号の一に掲げる」と、こうございますが、「各号の一」の「の」と「一」を削除して頂きます。以上でございます。
  28. 赤木正雄

    理事赤木正雄君) 今日の委員会はこれで終りまして、あとで明日の日程を御相談申したいと思います。委員会はこれでよろしうございますね……。  では委員会はこれを以て閉会といたします。    午後二時五十七分散会