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1952-05-12 第13回国会 参議院 建設委員会 第34号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十七年五月十二日(月曜日)    午前十時五十六分開会   —————————————   委員の異動 五月九日委員小笠原二三男君辞任につ き、その補欠として三輪貞治君を議長 において指名した。   —————————————  出席者は左の通り。    委員長     廣瀬與兵衞君    理事            田中  一君            小川 久義君    委員            石川 榮一君            島津 忠彦君            門田 定藏君            松浦 定義君            東   隆君   衆議院議員            鈴木 仙八君   政府委員    建設省都市局長 石破 二朗君   事務局側    常任委員会専門    員       武井  篤君    常任委員会専門    員       菊池 璋三君   説明員    建設省住宅局建    築防災課長   村井  進君   —————————————   本日の会議に付した事件 ○耐火建築促進法案衆議院提出)   —————————————
  2. 廣瀬與兵衞

    委員長廣瀬與兵衞君) 只今から建設委員会を開会いたします。  先ず耐火建築促進法案を議題に供します。御質疑のおありのかたは順次御発言を願います。
  3. 田中一

    田中一君 前回の委員会赤木委員から質問があつたかとも考えますが、都市局長に伺いたいのですが、現在市街地における道路の基本的な考え方として、区画整理によるところの道路幅員擴げるという方向に進んでいるように考えたのですが、防火帶ができた場合には、それを緩和するという方針考えるか、或いは従来の通り市街地における五十メートル、六十メートル、或いは三十二、三メートル、二十二、三メートルというような段階で、やはり既定方針で進んで行くつもりかどうか、その点を先ず伺いたい。
  4. 石破二朗

    政府委員石破二朗君) 先日もお答えいたしました通り従来の区画整理におきまして設定しました道路幅員というものは、御承知の通り完全に防火の役に立つと言い切れんのでありまして、でき得るならば、もう少し幅員をもたせたいというように考えております所でも、いろいろ地方の事情がありまして、将来防火建築を建てるというような前提の下に止むを得ず道路幅員を狭ばめて来ておるというようなのが実情でございまして、今にわかに過去の道路幅員を狭ばめようというようなことは考えておりませんが、ただこれは一般的のことを申上げたのでありまして、個々の具体的に検討いたしまして、或いは広過ぎたというようなものは、これは考えて行かにやならんと思います。又将来も防火帶というものがどの程度に完全にできるかというような点も睨み合せまして、これと一体に考え道路幅員決定して行きたいと思います。
  5. 田中一

    田中一君 先般私ども参議院議員団鳥取大火の調査並びに慰問に参つたのですが、その際駅前の北側と言いますか、東側と言いますか、県庁にぶつかる道路を二十二メートルの幅員にし、そうして両側防火帶を設置するというようなことを、これは建設省の案として示されたのです。私はこれを見ますのに鳥取市はもうあれ以上郊外に延びる余地がありません。海のほうは山であり、砂地であり、殊に耕地を地籍変更しなければもう町が延びないんです。その際にあそこに二十二メートルの道路を取る、而も利用度の高い土地を二十二メートルの道路にして両方に防火帶を作るという考え方に対して、実際鳥取市民の生活或いは居住権というような点から見ましても甚だ地方的な一つの例とはいいますものの、ただ大火があるといけないから道路を広くするんだというような考え方で強行することは恐らくもう今日においては地元民の反撃を受けるのではないか、こういう考え方を持つております。従つて一つの例として考えます場合に、鳥取市をどこまでも二十二メートル道路で以て押通すか、その点はどう考えておられますか。
  6. 石破二朗

    政府委員石破二朗君) 鳥取市の今お話しのは若狭街道筋お話し考えますが、二十二メートルと我々が考えました理由は、防火帶ができるということを勿論前提にいたしております。両側防火建築にするということを前提にいたしております。従いましてあの二十二メートルといいますのは主として交通量からきめたつもりであります。正確な統計はありませんけれども、大体あそこは駅前から県庁に至りまして国道十八号に繋がる一つの線でありまして、現在の交通量自動車で約五百台近いものがあるんではないかと思います。でこれを二十二メートルにいたしますと車道が約十一メートルの予定であります、そうしますと自動車の台数にいたしまして千二、三百台までは交通が行くだろう、一日千二、三百台は可能であろう、将来の自動車交通量というものがどのようになるかは私もしつかりした根拠を以て判断するわけには行きませんけれども、恐らく近い将来にはさような千台以上の自動車を通行さす必要が生ずるだろう、従いまして目下のところはあれを縮小しようということは考えておりません。ただ市民の、現実土地を取上げられるかたがたは非常にお気の毒であります。而もそこには防火建築でなくちや建てちやいかんというような嚴しい制限もできます。これらにつきましては住宅金融公庫の融資問題でありますとか、その他一般融資について政府なり、県、市当局あたりで十分の配慮を加えなければいかん、かように考えております、
  7. 田中一

    田中一君 あの若狭街道というのは国道なつておりますか、それとも県道になつておりますか。
  8. 石破二朗

    政府委員石破二朗君) 国道なつております。
  9. 田中一

    田中一君 これは提案者に伺いたいんですが、第六條の防火帶建築補助対象というものは地下一階並びに地上四階まで、こういうように決められているということは、そう承知してよろしうございますね。
  10. 鈴木仙八

    衆議院議員鈴木仙八君) さようでございます。地下一階、地上四階、最大限にさように考えております。
  11. 田中一

    田中一君 今回の場合は地上の一、二、三階に補助をしよう、こういうことに了解してよろしうございますか。
  12. 鈴木仙八

    衆議院議員鈴木仙八君) 今年の予算は僅かでございますが、先ず三階までということに考えております。
  13. 田中一

    田中一君 地下一階を補助対象にしたというのはどういう観点から対象にしたものですか。
  14. 鈴木仙八

    衆議院議員鈴木仙八君) お答えいたします。それは土地合理的利用上又、これが非常に有効でありまして、火災等の場合には物品を納めるのに最も適当と考えます。それで地下一階を補助対象といたしました。
  15. 田中一

    田中一君 土地利用度を高めるということは結果において生まれることでありまして、私は耐火建築促進法立法精神はそこじやないと思うのです。若しも仮に地下一階の分までも補助をなし得るということが考えられますならば、なぜ地上五階までというような対象考えなかつたか、私は地下一階から出る火事はいざ知らず、概ね地上火事地下一階まで延燒するということは先ずまあ例外を除いてはないと思うのです。その際敢えて地下一階も補助対象にするということは、ただ土地利用度考えますならば空間のみでも利用度は高まるのです。このところは提案着のまあいわば親切な方法をとろうとしてちよつとこの立法精神から外れたという見方があるのじやないかと思うのです。私は若しも耐火建築促進法ならば、又その趣旨ならば地上五階まで補助対象にするということのほうが妥当じやないかと思うのです。この点如何ですか。
  16. 鈴木仙八

    衆議院議員鈴木仙八君) 御指摘の点でございますが、大体地上四階まで建物を建てますと、相当の基礎工事が要りますので、それで工事費等が大変なことでありまして、地下一階、更に地上三階、四階まであれば防火のためにそれで役をなすというような考えであります。三階四階に建てるには相当地下からやつて行かないと堅牢にできないと考えまして、先ず一階にいたしたのであります。
  17. 田中一

    田中一君 私は今の御説明では不満ですこの趣旨が……、無論金が足りないから防火建築はできない、だから補助するのだというこの根本的な趣旨には変りないと思うのです。ただ地下室を堅牢にしなければ地上が建たないから地下室対象にするという考え方に対しては何か根本的に立案者のほうで以て考え違いがあるのじやないかと思うのです。無論、例えば地下室を作らん場合もあります、又地下室を無理に作つて補助金をもらう場合もありますし、私は若しそうならば地下室を除いて地下室自分で作ればいいのです。地下室は除いて四階までの分をこの地下室まで持つて来る補助金を別の口に枠を擴げればいいと思うです。
  18. 鈴木仙八

    衆議院議員鈴木仙八君) お答え申上げます。建築基準法と睨み合せまして地下の構造というものは多少きまつております。地下を建てないわけには大体行かないのじやないかと思います。
  19. 田中一

    田中一君 三階の建物を建てるために地下室を作らなければならないという基準法根拠ちよつと御説明願います。
  20. 村井進

    説明員村井進君) 私のほうからその点立案者のほうへ御意見を申上げましてやつたものですから、私のほうから御説明申上げますが、基準法地階定義は、天井高の三分の一以上床が地盤面から下つていると地階ということ、要するに三分の三は上にあつても三分の一が下にある場合には地階、これで以て私ども常に困つておると申しますか、矛盾を感じておりますのは、神戸とか横浜とか、ああいう港町におきまする地盤認定地階定義の問題であります。こういう場合に半地下と申しますか、一面こちらのほうから申しますと一階であり、こちらへ参りますと地階になる。そういつたようなことで、基準法のほうから申しますと、只今指摘がざざいましたような、三階以上のものは地下室を作れというような規定一つもございませんが、認定の場合に多少補助するということがなければ大したことはございませんが、補助するといつたような場合には実除に矛盾を感じておるような場合もあります、と言つて基準法といたしましては、定義をいたしまする場合に何かの線を切らなければならん、こういつたようなことでございますので、そういつた点の場合、地階と見るには余りに気の毒な地階、むしろ一階と見たほうがいいのじやないかといつたような場合もございますので、そういつた場合に多少とも斟酌の余地がありますような点も考え、同時に今お話になりましたような場合、即ち地階と申しますのは大体物置その他に使われるのでおりますが、普通建築で、特に防火建築耐火建築の場合などに作られますのは木造の物置のようなものが非常に作られております。こういうものをできるだけ地下のほうにまとめて入れてやることがむしろ防火上からもいいし、又防火建築帶に直接ひどいバラツクのようなものがないということにもなりますので、そういつた点を合せまして、一応補助範囲といたしましては地下一階というものを入れて頂きたい、こういうことを申上げましてこの点をお願いした次第であります。
  21. 田中一

    田中一君 今の防災課長お話を聞きますと、結局建築基準法を改正すればその問題は解決すると思うのです。結局この耐火建築促進法趣旨と今の建築基準法の欠陥ですね。今耐火建築法を立案する上においてこの矛盾と申しますか、こういうものは是正すればいいのです。私は三分の二地上に出ても地下室だというならば、その本法建築基準法のほうの認定を法制化すればいいと思うのです。ただ全部まるまる十分の十地下に潜つておるものも補助対象にするということに対しては納得がいかんのです。若しそういう金があるならば、もう少し防火帶の、限られた予算でやるのですから、防火帶を余分に作ればいいのです。地下室分だけ他の方面に補助すればいい、こう考えるのです。先ず一石二鳥というような考え方考えておりますが、まあ一石一鳥の形で以て、初めての試みなんですから、たくさんな地域に、たくさんな面積に防火帶を作るという考え方をするのが妥当ではないかと思うのです。予算が限られておりますのですから、私はこの点については不満なんです。修正したいくらいな気持を持つております。  若し、本年度地上一階から三階までときめられておりますが、来年において防火地帯に指定したところで以て四階にしたい場合には、予算の許す限り貸付けるのですか、それとも要求があれば貸付けるという考え方ですか。
  22. 鈴木仙八

    衆議院議員鈴木仙八君) それは予算の許す範囲内で、地下よりも四階に重点を置きまして、対象にしたいと考えております。
  23. 田中一

    田中一君 これは私專門家でないから詳しくわかりませんが、若し地下室を作り四階までの計画でする計算と、地上一階から三階までを建てる計算と、技術的にやはりおのずから違うと思うのです。その場合四階まで貸すのだから、今の防火課長言つた説明のように、有効に土地利用するために四階までのあれで以てやつた場合、いつになつたらその問題は解決するのです。
  24. 村井進

    説明員村井進君) 技術的な問題ですから私から御説明申上げます。四階を作つた場合、地上四階を作る場合と、地下一階を作つて地上三階を作つた場合とどちらが経済かというのは、地盤が非常に悪いという場合には、むしろ地下室を作つたほうが建築費は安かろうと思います。それから地盤がいい場合には上に伸ばしたほうが助かるわけだと、かように考えます。その場合々々によつてちよつと違うのじやないか、地盤との関係で違うのじやないかと思つております。
  25. 田中一

    田中一君 将来地上四階を建てようというつもりでおつて計画して、一応今補助対象が三階までだから三階に止めておく、四階に対して補助が来る場合にはすぐ付け足そうということも考えられるわけですね。今のところは、本年度は三階までにする、併しいずれ、法律では四階までいいというのだから四階をいずれ増築するという計画であつたと、こういう場合にはどうなんです。予算範囲でしようから、全国的な一応の整備ができなければこの四階には補助をせられるのかしないのですか。
  26. 村井進

    説明員村井進君) 来年の予算によりますが、できるだけ原則的には三階でずつとできるようにいたしまして、なお予算に残が生じるというような見込みがつきますれば四階をやつて行く、原則としては私ども気持といたしましては、少くとも三階くらいのものをできるだけ早くやつて参りたい、かような考え方でございます。
  27. 田中一

    田中一君 今の御答弁ならば、なぜここにあえて地上四階まで補助対象にするということを明記しなければならない理由があるのですか。
  28. 村井進

    説明員村井進君) ここに書きますものは要するに最高限範囲、要する補助ができるという最高限範囲を示すものでございます。まあ予算テクニツク等もございますが、とにかくできるだけ速かにこの法律目的なつておりますもの、即ち防火の問題とか或いは地上土地利用の増進といつたようなものをできるだけ広範囲に早くやつて参りたいということで、これはこれ以上のものはやらないという意味のものでございまして、これ以下のものには予算範囲内でやる、予算運用につきましては只今説明申上げましたようなことで参りたいと、かように考えております。
  29. 田中一

    田中一君 建築基準法ではいわゆる一階ですね、一階の高さは何メートルになつておりますか。
  30. 村井進

    説明員村井進君) 一階の高さを幾らという規定はございません。但し天井高が換算しまして七尺以上にすべしという規定がございます。ただ現実の問題といたしまして七尺というのは最低限でございまして、庶民住宅等につきましても大体八尺程度のものはとつております。それから最上階につきましては熱の遮断の問題がございますので、九尺以上はとつております。
  31. 田中一

    田中一君 十一メートルというものに制限してありますが、十一メートルであつて建築基準法の許す範囲で何階とれますか。
  32. 村井進

    説明員村井進君) 建築基準法の許す範囲で十一メートルで三階はやつととれます。
  33. 田中一

    田中一君 四階はとれませんか。
  34. 村井進

    説明員村井進君) 四階はちよつと無理でございます。
  35. 田中一

    田中一君 地方公共団体がみずから建築する場合ですね、この場合公共団体の投資或いはその財産上の問題ですね、家賃と言いますか、無論これはこののちの條文にあるように優先的に土地使用者又は地上権者借地権者或いは借家権者ですね、建物賃借権者が優先的に入れるという規定がありますが、この際の家賃の算定の仕方というものは政令できめるのですか、それともどういうことでその限界を示すのですか。
  36. 村井進

    説明員村井進君) この、ここに当該公共団体がみずからこれを建築する場合とございますが、この場合は必ずしもこの十二條以下に書き上げてありますような場合に限りません。小学校を作り或いは市役所を作るという場合も当然含めております。  それから御指摘のございました十二條の運用によりまして貸します場合の賃貸価格又は讓渡価格というものにつきましては、三十一頁の二十五條の第三項におきまして「当該耐火建築物建築した時における総建築費基準として算出したもの以下のものでなければならない。」ということで超えてはならんということを意味した点であります。
  37. 田中一

    田中一君 これは無論償却を見なければならんでしようが、何年の償却予定なんです。
  38. 村井進

    説明員村井進君) この償却につきましては普通の耐火建築償却、それも庶民住宅償却のようなわけには参らんと思いますが、普通経済でやつておりますような償却程度は場合によると見なければならんかと思いますが、その場合は大体四十年くらいではないかと、かように考えております。
  39. 田中一

    田中一君 四十年済んだときにはそれはどうなります、それは公共団体財産になるのですか、それとも償却がすつかり済んだからお前たちに上げましようと言つて居住者に上げるのですか。
  40. 村井進

    説明員村井進君) その点は公共団体の自由であろうかと思います。その前に売却してしまう場合もございましようし或いはそこへ入つていたということで、その償却を終りました場合或いは償却の過程におきましてお互いに協議の上で以て売却してしまうということも起るのではないか、かように考えておりますが、その場合々々の、公共団体で自由に行うべきものじやないかと思います。
  41. 田中一

    田中一君 それはそういう細かいその賃貸契約などは何できめるのです、この法律じや何にも明示してないのですが……。
  42. 村井進

    説明員村井進君) 賃貸いたします場合は賃貸料というものは一応この法律の二十五條の第三項によつて算出せられましてきめられるものでございまして、そしてこの法律の補償としてもらいます場合の賃貸料收用委員会が裁決において決定するのであります。
  43. 田中一

    田中一君 第七條の第二項の「非常災害に因り多数の建築物が滅失した市町村」、これは鳥取市の場合には適用されますか、されませんか。
  44. 村井進

    説明員村井進君) 鳥取の場合は適用されるものと認めます。
  45. 田中一

    田中一君 この場合には「同項中四分の一」とありますが三分の一と見て差支えありませんか。
  46. 村井進

    説明員村井進君) さようでございます。
  47. 田中一

    田中一君 第八條の一項の三号ですが、正当な理由がなくて三月以内に着工されない場合、完了が遅れる場合、これに対しては猶予期間は持つものですか、持たないものですか、ここには何も書いてありませんけれども……。
  48. 村井進

    説明員村井進君) この第三号の「正当な理由がなくて」と申しますのは、本当に正当な理由がなくて猶予期間があるかないかということでありますが、この八條の場合はそれができるということでございまして、その場合につきましては地方公共団体の長が判断してやるものだと思います。ただその補助金を取消すといつたような場合におきましては、この同條の第三項におきまして「補助金の交付の取消若し、くは停止又は交付した補助金の返還を命じようとする場合においては、あらかじめ当該地方公共団体の長又は建築主に対し、釈明のため意見を述べ、及び自己のため有利な証拠を提出する機会を與えなければならない。」ということになつておるのでありまして、自分がこういう事由でどうしてもやれなかつたのだ、暫く待つてくれということは申出る機会を與えておるのであります。
  49. 田中一

    田中一君 この「三月以内」というのはいつから三月以内というのですか。
  50. 村井進

    説明員村井進君) 補助金を交付するという通知のあつた日から三月以内です。
  51. 田中一

    田中一君 大体この補助金補助対象に対する決定ですね、決定というものは、申入れてから何月くらいでもつてこれが認可、許可と相成りましようか、そういうものが来るとお考えなつておりますか。
  52. 村井進

    説明員村井進君) これは事務手続の問題でございますが、予算の残の問題と睨み合す必要がなければ大体受取りましてから一月以内くらいには是非にも出すようにしておるのですが、私もさようにいたしておりますし、地方のほうもさようにいたしたい。
  53. 田中一

    田中一君 共同建築をする場合これが決定をしたらば話を進めて行く、決定をするまで待つているという場合ですね、その場合は共同建築の話合いをした組合なら組合人間たちが話が纏まらないで延びた場合に、正当な理由と認めていいのですか。
  54. 村井進

    説明員村井進君) 共同建築は私共としましてどうしても奬励いたしたいと考えておるのであります。それが纏まればやるということになつておる場合に、纏まるまで待つて上げるというのがいいじやないか、むしろ待つて上げるというより積極的に進んで纏めて上げるというくらいの抱負でやるべき性質のものである、かように考えます。
  55. 田中一

    田中一君 第十一條の防火建築帶として指定されてない地域、これも必要と認めた場合には「補助金を交付することができる」と書いてございますが、これも直ちに防火帶に指定すればいいのじやないですか。我々都市中枢地完全不燃都市を願つておるのです。従つてそういう当然防火帶に指定しなければならない、補助金を交付しなければならない地域があれば、それを直ちに指定すればいいと思う。私は完全防火都市が望ましいのです。むろんこの法の精神も将来はそこまで飛躍すべきものと考えておりますが、この点はどうでございますか。
  56. 鈴木仙八

    衆議院議員鈴木仙八君) 目的にも掲げてございます通り広く耐火建築促進をするのが本法目的でありますが、国の施策として先ず急速に防火地帶を取上げたものでありまして、地方公共団体がこの趣旨に副つて財政等の許す限り助成促進することができるものとして設けたものであります。なおこれに関しましては国は何ら地方自治を侵すものではないと考えております。
  57. 田中一

    田中一君 これは指定しないというのですか、指定しないけれども補助はしてやるという規定なんですね。指定はしないけれども補助してやるのですか、それとも……。
  58. 鈴木仙八

    衆議院議員鈴木仙八君) いや地方公共団体がこの趣旨に副つてやることはいいと考えております。補助は国としては考えていないのであります。
  59. 田中一

    田中一君 そうすると、これは、国は補助ぜんけれども地方公共団体で勝手におやりなさいという意味ですか。  地上権者借地権者が……この表がございましたね、取得する表がありましたね、そういう点と、それから、今度は、地上権者借地権者、それから建物賃借権者ですね。この三つのものが同じ有利なものを要求した場合には、誰がこれを裁定するのですか。又順位として、順位がきめられるものですか。それとも抽籤でやるものですか。どういう考え方を持つておるのですか。
  60. 村井進

    説明員村井進君) この法律の体系から考えますと、現実に今使つている人、その人が一番優先されるのであります。従いまして、同じところを要求いたしました場合には、現実に使つている人が一番優先されて、最後の直ぐ使える権利を持つわけであります。ただ、現実に今使つております人の今までの契約存続期間か非常に短いというような場合には、これは又別段な扱いを受けるかも知れません。普通の場合には、現実に今使つている人が、要するに、現実に今耐火建築ができる前にあつた形をできるだけそのままな形を中へ入れて行きたい、こういう趣旨ででき上つております。で、それを決定いたしますのは、ここにございますように、收用委員会決定いたすことになつております。
  61. 田中一

    田中一君 おおむねこの賃借権というものは、通念から言つて、一年とか、三年とか、短いものでやつているのが普通通例なんです。こういう永久的なものができるから、それは約束したところの、一年なら一年で以てやらなければいかんというようなトラブルが起きやすいと思うのです。その際、これは無論裁判できめるようになるかもわかりません。その際、そういうものに対する土地の所有者とか、借地権者とか或いは建物賃借権者とかというものに対して、不利な判決とか、不利な立場になつた場合、それに対する補償の要求というものはなし得るのですか、なし得ないのですか、又その補償の要求のあつた場合、計が支拂うのですか。その点明らかにして頂きたいと思います。
  62. 村井進

    説明員村井進君) 不利な採決が行われまして、要するに、裁決に従い得ないという場合には、当然行政処分でございますので、行政事件訴え訟特例法によりまして、民事裁判を仰ぐことになります。不利ではないが、それに丁度自分がこの法律規定通りにやられておつて、そうして自分が不満であるという場合には、審理の過程におきまして何遍でも意見を申出て、それを直してもらうようにという要求が今度の收用法ではできております。その点は慎重に扱われるものと考えております。
  63. 田中一

    田中一君 土地を收用する場合に、地上権者はその使用権を地方公共団体に提供するのですか、土地そのものを提供するのですか、その二つあると思うのですが、その際使用権を提供する場合には、その使用料というものを地方公共団体に支拂わなければならん、その際にそれは家賃に入るべきものであるか、それから今度は土地そのものを收用して買收してしまう場合、その場合には無論この価格というものは家賃に算入されると思うのです。従つてそういう場合には條件が同じような、右と左に建てられた場合に、片方は家賃が高い、片方は安いというような点が間々あるのではないかと思う。そういう点はどういう工合に調整し、又当然そういう差異があつて差支えないのだというようにお考えですか、その点どうですか。
  64. 村井進

    説明員村井進君) 裁決の場合のやり方だと思うのでありますが、大体は差異がないように見える、要するに土地の使用料を決定いたします場合には、附近類似の土地の使用料と勘案いたしまして、土地の使用料は月に幾らというように決定せらるべきものであります。それは結局その建物ができまして貸します場合には、当然家賃の中に入つて来ると思います。それから土地を逆收用、要するに請求によりまして逆收用いたしましてやりました、場合の土地代につきましては、私個人といたしましては、その土地代は全部建築費に加算すべき性質のものじやないか、その土地は飽くまでも公共団体土地でありますから、それを全部償却してしまうというのは、むしろその価額から当然必要といたしまする金利に相当するもの、要するに地代に相当するものが家賃の中に加えられて行くべきものと、かように考えます。
  65. 田中一

    田中一君 今防災課長自分意見だと言いますが、それは法文に明確に規定してないのですか。
  66. 村井進

    説明員村井進君) それは裁決の内容でございまして、附近類似の価格と  一緒にしてみるというように考えております。それから土地を所有しておりまして、その土地から家賃との関係につきましては、今までの法文的な考え方としましては、地代家賃統制令の考え方、あの考え方が正しい考え方ではないか、かように考えております。即ち地代の土地というものの価格は依然としてある。要するに土地を人に使用させるということは土地の所有権の中から收益権だけを取得するということは、収益権だけを持つておるということでありまして、要は飽くまで收益の益を認めるというだけであつていいのじやないか、土地償却する必要はないじやないか、かように考えております。
  67. 田中一

    田中一君 どこの例を言いましても、非常に市も県も財政上疲弊しております。従つてそういうものも優先的にこれは今日主計局長はいませんけれども、優先的に起債の枠を出そうということは折衝済みですか。折衝済みでないですか。逆收用の場合ですよ。私の言つているのは。
  68. 村井進

    説明員村井進君) この土地の問題は耐火建築の助成の問題、更に一般の都市計画或いは復興事業につきまして、御指摘のように、鳥取県、鳥取市は非常に貧弱でございます。これにつきましては、政府といたしましても何かの財政援助もしなければならん、結局起債に求められると思いますが、地方財政委員会とも二、三回私のほうといたしましても打合せをいたしておりますし、それから地方財政委員会からも各省に対しまして補助金を、できるだけ補助率を上げて起債を原則的に減してもらいたい。併しながら必要な起債につきましてはどうしても考えざるを得ないというので向うも相当好意的に協力的に考えております。まだいくらを認めるという率までは決定いたしておりませんが、その点につきましては協議中でございます。
  69. 田中一

    田中一君 十五條の四行に「收用委員会は、その要求が相当である」、相当というのはどういう認定のし方をするのですか。
  70. 村井進

    説明員村井進君) この法文の中には相当という言葉が相当たくさん出ておりまして、これは土地收用法にもそういう物事で書いてございますが、要するに彼我勘案いたしまして、そうしてやるということであると思います。この十五條におきまする「相当である」と申しますのは、土地を使用したり又は收用されたりということの代償といたしまして、土地建物の一部の賃貸権を、所有権をよこせという要求でございますが、その要求が相当である、要するに無法な要求ではないということでございまして、むしろこの成案されました意味を何度いたしますと、無法でないというようなふうに解するのが適当じやないかと思うのでございますが、原則的には普通の場合は相当に認められるのじやないかと、ただ非常に小さな敷地を持つておる、例えば一坪にも満たないような土地、それを以て、例えば耐火建築の中でほんの僅かの建物をくれと、要するに非常ないやがらせだというような場合には、或いは拒否されるかも知れませんが、それ以外の場合には、すべて大体相当の要求であるというふうに解すべきじやないかと、かように考えております。
  71. 田中一

    田中一君 寡小宅地の問題は、基準法の改正はどういう工合に改正するようになつていますか。
  72. 村井進

    説明員村井進君) 寡小宅地の取扱いにきましては、非常に問題であることは承知いたしておりますが、これにつきましては、都市計画法でむしろ都市計画的な意味からやつて行くべきじやないかというふうに考えておりまして、現在の都市計画、特別都市計画法の中にも寡小宅地を整理するような規定もございますが、これらの是非につきましては、もう少し進捗を見まして、都市計画法又は建築基準法におきまして考えるような処置を講じて行きたいと存じます。只今のところ、問題が非常にむずかしいのでございますので、まだ考慮中ということでございます。
  73. 田中一

    田中一君 都市局長に御答弁願います。寡小宅地の問題に対して、今防災課長説明を聞きますと、都市計画のほうで規制しなけりやならないんじやないかということを言つていますが、その点、話合いが十分ついておるのですか。それとも又、寡小宅地の解決について何か方法を考えているのですか、どうですか。
  74. 石破二朗

    政府委員石破二朗君) 正直に申上げまして、私まだ十分研究いたしておりませんけれども、寡小宅地の問題を、これを如何に整理し、土地を有効に使うかという点につきましては、実は今度の国会には提案できない見込でありますけれども土地整理法というようなものを作ります際には十分考えて行きたいと、かように考えております。
  75. 田中一

    田中一君 補償の代りに使用権をその建物に認められた場合、これは税関係はどうなりますか。それは利益として金銭に換算して課税されるものですか。或いはそのまま、補償ですから慰藉料的なものとして課税の対象にならないのかどうか、そういう点は国税庁のほうとはどういう打合せになつておりますか。
  76. 村井進

    説明員村井進君) 国税庁とその点につきましては要するに不動産取得税の問題、国税庁のほうとの話合いがまだ完全につきませんのが残念でございますが、私のほうといたしましては、御承知の通り損失補償というものに対しては取得税はかけたくないというような取扱いをいたしております。それと同じようなものでございますので、できるだけそういうような行き方に考えて行きたいというふうにして、その方向で折衝を続けております。必ずしもうまく行かないものではないのじやないかとかように考えております。ただ土地收用法におきます替地の問題がございます。あの問題と大体同様な取扱いになるのじやないか、要するにこの土地を取られ、その補償に相当しましてほかの土地を貰うという規定がございます。その場合と大体同様な取扱いを受ける、かように考えております。
  77. 田中一

    田中一君 まあその点も国税庁からはつきりと伺いたいのです。この法律が出ますと、もうあつちでもこつちでも始めるのです。その場合に、そういうトラブルがあつちでもこつちでも起きたのでは困るのです。そうすると結局この促進法が遅延法になつちやうんです。ちつともはかばかしく行かない場合が多いのです。それは何かと言うと、税の問題やいろいろ問題がからんで来るのです。伺いたいのですが、どうも採決を急いでいられるようですから、まあこの辺にしておきますが、一つ希望するのは、非常に個人の権利を侵害し或いは個人の利害が非常にこの法律に密接にからんで来るわけです。それともう一つは、今の税法の問題とか、融資の問題、起債の問題、そうした面がこの法律の裏付にならなければ、ただ二億円の補助金をやればこれが完成するのだというものではないことをよく提案者は御承知と思うのです。従つてこの法律は、ただ二億円の補助金を出せばできるものだというものじやなくて、それがあるためにどのくらい個人の権利を侵害され、又地方公共団体自分地方財政の面においてたくさんの困難を凌いで努力してなさなければ到底なし得ないものです。従つてこの関係官庁とも十分連絡を密にして頂いて、一つ一日でも早い完成を願いたいと思うんです。私の質疑はこれでやめます。
  78. 小川久義

    ○小川久義君 田中委員の貴重な御意見、又御質問を長時間お聞きしましたが、勉強したつもりであります。この辺で質疑を打切りまして、討論も殆んどないと思いますが、討論採決をお願いしたいと思います。
  79. 鈴木仙八

    衆議院議員鈴木仙八君) この機会に、先日赤木委員から御質問のありました点について申上げておきたいことがありますが、それは第十二條の関係につきまして緊急に防火帶を造成する必要がある区域と申しますのは、赤木委員の御指摘になりましたような広い空地を持つ邸宅等のあります場合には、これを緊急に防火帶を造成する必要はないものと考えております。それよりも、現実に周囲の建築物の密集の状況等によりどうしても必要であると認められ、都市計画審議会においても同様な意見を持つような、現実に切実な場合に限るものと考えていますから、この際特に申上げておきたいと思います
  80. 廣瀬與兵衞

    委員長廣瀬與兵衞君) ほかに御質疑ございませんか……。それでは御質疑は盡きたものと認めます。  これより討論に入ります。御意見のおありのかたは、それぞれ賛否を明らかにしてお述べを願います。
  81. 田中一

    田中一君 今審議中にも申上げたように、この法律ができれば必ず防火帶ができるものときまらないのです。これに附随するところの地方財政の健全さ、起債の許される範囲、地元民の協力、こうしたものが集積されなければこの実現は不可能なんです。徒らに紛糾を増すのみと考えるのです。従つて建設省としては十分にこの法の施行に当つて関係官庁とこの目的達成のために緊密なる連絡をとつて、今のこの完成するための難点をことごとくこの法の実施前に解決しておく、そうしてまあ局長通達でもかまいませんから、そうした面で各所にそうしたトラブルのないように市民の利益を図り、無論公共性あるものでございますから、権利者の擁護というところに重点をおきまして、完全なこの防火帶の完成を早くして頂きたい、と同時に次の機会、補正予算が要求される場合には大巾なものを提案者、自由党の鈴木議員も十分に政府を鞭撻して、大巾な予算を獲得するように、我々の希望とするところは全くの不燃都市なんであります。不燃都市が希望なんでありますが、初めて出た法案でありますから、その点の希望を付けまして賛成いたします。
  82. 小川久義

    ○小川久義君 田中君の御意見をそのまま私も取入れて賛成をいたします。
  83. 門田定藏

    ○門田定藏君 私も田中君の意見に賛成いたします。
  84. 廣瀬與兵衞

    委員長廣瀬與兵衞君) ほかに御発言はございませんか。ほかに御意見もないようでございますから討論は終局したものと認めます。  それではこれより採決に入ります。耐火建築促進法案を原案通り可決することに御賛成のかたは挙手を願います。    〔賛成者挙手〕
  85. 廣瀬與兵衞

    委員長廣瀬與兵衞君) 全会一致と認めます。本案は原案通り可決すべきものと決定いたしました。  なお本会議における委員長の口頭報告の内容につきましては、先例に従いまして委員長に御一任を願うことに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  86. 廣瀬與兵衞

    委員長廣瀬與兵衞君) 御異議ないものと認めます。  それから成規の手続に従いまして本案を可とせられるかたは順次御署名を願います。   多数意見者署名     石川 榮一  小川 久義     田中  一  松浦 定義     門田 定藏  東   隆     島津 忠彦
  87. 廣瀬與兵衞

    委員長廣瀬與兵衞君) 本日はこれを以つて散会いたします。    午前十一時五十三分散会