○
国務大臣(
野田卯一君)
十勝沖の
地震災害の
対策については、私御
承知のように
現地へ行
つて参りまして三月九日の日に帰京いたしたのであります。それでその次の
閣議でありますが、
閣議は十一日の
閣議に諮りまして、
北海道開発庁を中心とし、
各省の
関係官を以て組織する
十勝沖地震災害復旧対策協議会というものを設置をきめて頂きまして、早速それに取掛りました。別途
現地のほうにおきましては、
北海道知事その他がそれの
資料をまとめられまして、先週の木曜日の晩にこちらへ着かれて金曜の日に、私その
説明を聞いたわけなんです。それからこの
協議会を組織いたしまして、昨日第一回の会合を催しました。その際には
北海道知事が最近もたらした
復旧対策等の問題を織込みまして相当詳細なものでありますが、詳細なる
復旧対策の
内容、こういう
復旧対策をやりたいという詳細なものを作りまして付議したわけです。それで
協議会は大体
各省の
局長級を以て構成されておりまして私が会長なんです。
委員長なんです。それで話をいたしまして勿論即決はできません、
十分各省で研究する、
各省も非常に
協力的に
意見を述べておりました。それからなお昨日の午後
次官会議がありましたので、
北海道開発庁の
岡田次長がその
次官会議に出まして、やはりその
復旧対策案を詳しく
説明して、至急考えてもらいたいということを申出ました。今朝
閣議に私がその
復旧対策案を
閣議で披露いたしまして、至急解決するように考慮してもらいたいということを強調しておきました。その
復旧対策は結局
恒久対策もありますが、
差詰めのところは一番重点を置いておるのは
繋ぎ資金の問題なんです。
繋ぎ資金を、
資金運用部から
繋ぎ資金として二十数億円ぐらい出してもらいたいというのが主たるものであります。そのほかに別途に
金融機関から一般の
生業資金をこれこれ出してもらいたいとか、或いは
農業関係におきましては農林中金から考慮してもらいたいとか、いろいろな
内容を相当詳細含んだものなんです。それを今
各省で、昨日
岡田次長は
次官会議で話した、昨日の午前は
協議会で担当の
局課長に話してある。こういうわけで大体
各省にその問題が徹底して行くと思います。そこで
各省の中で至急研究に取掛
つておられるのでありますが、それと我々のほうと
協力いたしまして具体化したい。私は本日の
閣議では、できればこの次の
閣議即ち二十一日が休みになりますので二十日に繰上げ
閣議になると思いますが、そこで一応の目鼻がつくように是非とも
大蔵大臣に考慮を願いたいということを強く要請しておきます。私の考え方といたしましては、本年、この
昭和二十六年にはもう
予算はありません。ありませんのでどうしても
昭和二十七年の
予算を使わなければならない。
法律上も、
法律といつても
予算上も二十七年の
災害は、二十七年度
予算で出す形に
なつておる。従いまして、今回の
十勝沖震災の
災害復旧費というものは、二十七年度
予算から出すのが、これが筋に
なつておるわけなんです。ところが
予算が取れましても、
災害の
状況等が、
関係各庁の間で以てぴちつと一致した
調査ができませんと、金が出ません。それが
ために
調査に時間がかかります。
調査に時間がかかりますのと、もう
一つは、
調査いたしましても、現在の情勢ではまだ雪が
北海道では相当積
つておるわけなのです。
従つて徹底した
調査が今できない。やはり雪解けを待たなければ、
本当のところはわからん。こういうようなことになりますので、私はそれだけに
繋ぎ資金が極めて緊要である、こう思うのです。なお
特殊事情といたしましては、この
震災が三月の初めに起つたということは、不幸中の幸いであります。と申しますのは、
北海道の二十七年度の
経済活動というものは、大体四月の下旬から五月の初めに開始される。
従つて今速かなる手を打てば、二十七年度の
経済活動にも
支障が極めて少くなる、
震災は受けたけれども、二十七年度の
経済活動は余り
支障なくやれる。こういうことに相成りますので、どうしても今度の
復旧を急がなければならない。それが
ためには、まあ
調査の完璧が期せられないから、
繋ぎ資金で以てこれをカバーして行かなければならないというわけで、今回の
繋ぎ資金は従来における
繋ぎ資金と異
なつて極めて重要なるものがあるということも、併せて
閣僚諸君に私から強調して、速かなる御善処を要望したいと、こういうような
事情に
なつております。