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1952-02-19 第13回国会 参議院 建設委員会 第7号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十七年二月十九日(火曜日)    午前十時三十九分開会   ―――――――――――――  出席者は左の通り。    委員長     廣瀬與兵衞君    理事            赤木 正雄君            田中  一君            小川 久義君    委員            石川 榮一君            深水 六郎君            徳川 宗敬君            前田  穰君            三輪 貞治君            三木 治朗君   政府委員    建設省管理局長 澁江 操一君   事務局側    常任委員会專門    員       武井  篤君    常任委員会專門    員       菊地 璋三君   説明員    建設省管理局営    繕部長     木村 惠一君    建設省河川局利    水課長     山本 三郎君    建設省道路局道    路企画課長   佐藤 寛政君    建設省建築研究    所長      藤田金一郎君   ―――――――――――――   本日の会議に付した事件 ○河川道路都市及び建築等各種事  業並びに国土その他諸計画に関する  調査の件  (昭和二十七年度建設省管理局関係  予算に関する件)  (土木研究所並びに建築研究所の予  算に関する件)   ―――――――――――――
  2. 廣瀬與兵衞

    委員長廣瀬與兵衞君) それではこれより建設委員会を開会いたします。先ず第一にこの前の続きの営繕部長から営繕部予算につきまして最初に御説明を願います。
  3. 木村惠一

    説明員木村惠一君) 二十七年度の営繕予算官庁営繕予算につきまして御説明を申上げます。官庁営繕費総額要求額が十二億六千四百七十六万九千円でございます。前年度は十四億八千七百六十一万五千円で二億二千二百八十四万六千円の減額になつております。この内容を簡單に御説明申上げます。項目は四十項目ございます。一番最初国家地方警察管区及び県本部庁舎その他新営費、それからずつと行きまして一番最後日本学術会議書庫営費ほか三十三日となつております。これの作業をいたしました官庁営繕法によりまする作業を御説明申上げたいと思います。官庁営繕法の第九條の規定に基きまして各省から送付を受けました営繕計画書に関しまして審査いたしました結果大体次のごとき意見書をまとめまして関係各省庁並びに大蔵大臣に対して送付いたしました。昭和二十七年度官庁営繕費に属しまする予算要求額警察予備隊費を含めまして、件数にして三千百十件、総額は八百三十四億九千八百万円余りでございます。これを審査の結果補正いたしました結果、総額が七百五十九億七十六万円余りになります。その作成に当りましては極力実態調査を、実態を把握するための現況調査を行いました。その現況調査をどういう趣旨でやつたか、その理由を申上げますと第一に腐朽のため、又は構造上危険なもの、それから都市計画に引つかかるもの、そういう立地條件から不便であるもの、それから執務面積が狭いもの、それから現在借り上げておる、借用の返還に追られておるもの、それから衛生條件防火その他の十項目要求を分析いたしまして、その要求工事が必要であるかどうかということを技術的な側面から検討することにいたしました。要求工事内容につきまして、面積構造設備並びに單価の点から分析審査しまして、あらかじめ定めておきました基準によりまして、工事の均一な適正化図つたのでございます。面積につきましては基準面積によつて補正をいたしました。中央官庁現状は現在最高一人〇・九八坪、最低のものが〇・六五坪程度となつております。これはアメリカの現状に比べますと、非常に下廻つておることは注目すべきことだろうと思います。前述のような逼迫した執務面積現状では、面積を増加することが先ず第一に必要なことではございまするが、又一方木造バラツク火災頻発を考えますときは、不燃化の促進につきましても一段の考慮が必要だと思います。なお各省庁の建物維持管理はこれは良好とは言いがたく、建物維持管理を更に厳重ならしめると共に営繕費の増額も必要ではないかと考えます。次に設備費につきましてはこれも細部の基準というものを作りまして審査に当りましたが、特に暖房設備につきましてはストーブ暖房の不衛生、事務能率の悪い点、又防災上の観点からも成るべく速かに蒸気暖房スチーム暖房を設置する必要があると思います。最後官庁営繕法趣旨に則りまして各省庁の工事要求を元としまして中央並びに地方における合同庁舎というものを試案にして作成をいたしました大体の概況は、その通りでございます。
  4. 廣瀬與兵衞

    委員長廣瀬與兵衞君) 質問ございませんか。
  5. 田中一

    田中一君 私は先ず第一に局長に伺いたいと思うのでありますが、昨年第十国会で通過いたしました官庁営繕法、これによつてすべての審査といいますか、審査会が答申し且つそれを九條によりますと、建設省における取りまとめ、そういう点が完全に行われていたかどうか。審査会状況と当時の建設省取りまとめ建設省意見がどこまで行われておるかということについて総括的な御答弁を願いたいと思います。
  6. 澁江操一

    政府委員澁江操一君) 先ず第一点のお尋ねでございます官庁営繕法実施に関連しまして、九條の運用を図りますためにどういう方法をとり、従つて営繕計画書提出その審査についてどの程度の徹底さを図つたかという問題でございますが、官庁営繕法の制定後先ず第一に着手いたしました点は、この官庁営繕審議会の構成を取り急ぎまして、それから差当つてこの二十七年度の予算提出時期が差追つておりました関係もございまして、この審議会幹事会中心として招集いたしまして、これに只今お話の出ました営繕計画書様式等を諮りまして、これによりまして、各省の二十七年度に計画いたしております営繕計画の全貌についての調書を要求したわけでございます。これは幸いにいたしまして、各省の協力を得まして、営繕計画書は殆んど各省全部に亘りまして出て参つたと存じております。それから問題として心配しておりました警察予備隊学校関係についても全部この計画書提出を見たわけでございます。そこでこれに対します私ども審査は大蔵省の二十七年度予算査定の際に盛込まるべき意見ということで相当愼重審議をいたしまして、只今営繕部長から申上げたような各種條件をそれぞれ分析いたしまして、その基準を作り、これを基といたしまして意見を立てたわけでございます。その結果は二十七年度予算のこのお手許に配付してあります予算の中に相当程度反映しておることと私どもは信じております。即ち例えて申しますならば、この法務府の裁判所関係等につきましては、相当先ほど申上げました規模均一化という点から私ども意見を強力に立てたわけでございますが、それが予算査定の上においても如実に反映いたしておりまして、従来に比較いたしまして、相当私どもの考えておりました営繕規模均一化という線に近付いて参つた、こういうふうに考えております。大体以上のようなことで九條関係運用については、二十七年度予算の編成を中心といたしまして、運用を進めて行く、こういうことでございます。
  7. 田中一

    田中一君 官庁営繕法によりまして、大体において不燃化施設にしたいということが謳つてありますけれども、この計上されますところの査定をされました二百三十八億、これはこの不燃化建造物木造との比率はどうなつておりますか。
  8. 木村惠一

    説明員木村惠一君) 査定いたしました二百三十何億につきましての木造不燃構造との割合はちよつと調がまだつきませんので、官庁営繕費として上がつておりました分についてお答えいたしたいと思います。この十二億幾らの官庁営繕費につきましては、不燃構造面積が一万六千二百坪余りであります。木造の分が九千二百坪、合計いたしまして二万五千四百坪の新営でございます。割合を申しますと、不燃化で六四%くらいになつております。
  9. 田中一

    田中一君 そうしますと、この修繕を除いた新営の分が六四%不燃構造となつておるというわけですか。
  10. 木村惠一

    説明員木村惠一君) そうでございます。
  11. 田中一

    田中一君 この項目亘つて、大体抜いて御質問いたしますが、国家地方警察関係のものは、大体において不燃化の線を行つておりますか、それとも木造の線を行つておりますか。
  12. 木村惠一

    説明員木村惠一君) 国警関係におきましては、大体におきまして、防火構造が大部分でございます。
  13. 田中一

    田中一君 どのくらいの比率になつておりますか。そうしてどういうものが不燃化であり、どういうものが木造なんですか。
  14. 木村惠一

    説明員木村惠一君) 県本部庁舎不燃化百坪で、防火構造が九百五十坪余りであります。一対九の大体割合になつております。それから地区署は、これは大体防火構造でございます。全部防火構造でございます。それから学校、これも防火構造でございます。以上でございます。
  15. 田中一

    田中一君 文部省関係の分、これは文部省がじかに営繕部でやつておる分でございますね。
  16. 木村惠一

    説明員木村惠一君) そうでございます。
  17. 田中一

    田中一君 各省の、営繕部で主管しておりますほかの中央官庁、並びにこれの支所といいますか、そうしたものの建物はどうなつておりますか。
  18. 木村惠一

    説明員木村惠一君) ちよつともう一度……。
  19. 田中一

    田中一君 各省中央官庁の分、もう一つ出先のものですね。建設省以外の各省の分、この構造はどうなつております。
  20. 木村惠一

    説明員木村惠一君) それは我々のほうではまだ掴んでございません。
  21. 田中一

    田中一君 まだわからんとおつしやるのですか。
  22. 木村惠一

    説明員木村惠一君) 調査中でございます。
  23. 田中一

    田中一君 今御答弁のあつた不燃化構造が六四%、木造が三六%、これは無論修繕する分を抜いたものですね。新営分だけですね。
  24. 木村惠一

    説明員木村惠一君) そうでございます。
  25. 田中一

    田中一君 この木造の分の三六%につきまして、この項にあるどれがその木造の分に当りましようか。
  26. 木村惠一

    説明員木村惠一君) 大体国警は先ほど申しました。それから次に項目で行きますと、上から順々に申上げますが、法務関係は、法務府庁舎、これが不燃構造でございます。それから法務局庁舎、これが防火構造になつております。それから財務局庁舎、これが不燃構造でございます。それから税関庁舎、これが不燃構造になつております。それから税関庁舎補修、これは補修費でございます。それから国立遺伝学研究所施設、これが不燃構造でございます。それから海港検疫、これは修繕でございます。それから国立精神衛生研究所、これは木造に入つております。輸出品検査所庁舎、これが防火構造に入つております。それから馬鈴薯原原種施設、これは全部木造でございます。それから動植物検疫所、これが防火構造に入つております。肥料検査所、これが防火構造でございます。農業試験所整備費、これが不燃構造になつております。家畜衛生試験場、これが防火構造蚕糸試験場整備費、これは内部設備費でございます。それから食糧研究所穀物貯蔵試験庫、これが不燃構造になつております。それから農業技術研究所実験室、これも内部設備になつております。その次の種馬牧場は、これは防火構造、一部木造になつております。
  27. 田中一

    田中一君 今の御説明のうち新営工事で大きな金額の、千万円以上の項目で結構ですから……。
  28. 木村惠一

    説明員木村惠一君) ああそうですが。そういたしますと、工業技術試験所、これは不燃構造、一部防火構造になつております。これは四カ所に分れております。気象台庁舎、下から二番目の気象台庁舎、これは不燃構造、一部木造になつております。その次一番最後労働基準局庁舎、これは全部防火構造でございます。それから裏に行きまして、職業安定所、これも全部防火でございます。地方建設局機械修理工場、これは防火構造でございます。中央官庁合同庁舎、これは不燃構造でございます。以上でございます。
  29. 田中一

    田中一君 防火構造というのは、結局モルタル仕上げのことを言つているのですか、どうですか。
  30. 木村惠一

    説明員木村惠一君) そうでございます。
  31. 田中一

    田中一君 じや、抜いて一つ伺いたいのですが、例えば労働基準局庁舎は、これは何カ所になつておりますか。
  32. 木村惠一

    説明員木村惠一君) 十三カ所でございます。
  33. 田中一

    田中一君 大体基準局庁舎としては、市中、町の中におおむねあるのじやないかと考えるのですが、この一つの例を一つ東京なら東京の例を挙げて頂きたいのですが、十三カ所のうち一カ所、この立地條件、どこに建つてつてどういう周囲環境にあるかという点を御説明願いたいのです。
  34. 木村惠一

    説明員木村惠一君) 御質問によりまして、十三カ所のうち東京関係といたしましては、大森、王子が来年度入つております。それでこの地区は現在準防火地帶に入つておると思います。それで面積が大体四十坪でございますので、これは防火構造でよろしいのではないかと、そういうふうに考えております。
  35. 田中一

    田中一君 環境はどうです。この四十坪のものを何坪の敷地にとつておるのか、それからその御計画位置は、例えば隣地との間にそうしたものを一応建築基準法によるところのものでやつておるのだという御答弁だと思いますが、環境を伺いたいのです。こういうことを伺うのは、現在住宅局のほうから本国会に……、防火地帯補助費も出るような状況であり、殊に防火帶といいますか、そうしたものに対する助成をするというような建設省政府の気構えでありますし、それに関連してたとえ四十坪のものでもそれが周囲木造びつしりした所にあつた場合に、これは防火といいながらモルタル仕上げのものは大した効果はないのです。これは私が言うよりもあなたよく御存じの通りです。従つて特別に空地があり、何かがあつて、自分の……国の財産でも燃やしちや困りますが、財産だけでも延焼されないものは別ですが、別というのはいいとしても、王子地区のどういうところにあつて周囲環境がどうであつて隣地との関係が、單に建築基準法によるところの規定を守つておるのだ、無論官庁営繕ですから建築基準法の制約を受けるでしようけれども、それに準拠してやつておるのだというだけの説明では足りないと思う。従つて王子の例を挙げて、どういうことになつておるか、モルタル仕上げにしてもどういう仕上げにしても内部からの延焼は絶対避ける、隣に二階建、三階建の木造があるかないかというような点を伺いたいと思うのです。
  36. 木村惠一

    説明員木村惠一君) 今の点につきまして御説明申上げます。北区王子町千二百四十五番地を想定しております。これは用途地域住居地域になつております。防火地域は準防火地域になつております。それで比較的まあ環境がゆつたりしておる地域の中にございますので、面積もそう大きくもないので、準防火建築でいいのではないか、一応そう考えまして準防火建築にいたしたのでございます。
  37. 田中一

    田中一君 ほかの十二カ所の分で私が今申上げたようなことに該当するような危険のある地点はございますか。
  38. 木村惠一

    説明員木村惠一君) 現在のところ、全部調べましたところ、そういうものに該当をするところはございません。
  39. 田中一

    田中一君 法務局庁舎その他の新営費、これは何カ所になつておりますか。
  40. 木村惠一

    説明員木村惠一君) 法務局庁舎法務局が九カ所、支局が十七カ所、出張所が三カ所になつております。
  41. 田中一

    田中一君 ちよつともう一つ伺いたいのですが、木造とこのまあ不燃建物とそれから準防火地区というような区別がありますがですね。これは基準法できめられたところの防火構造と、こうおつしやるのですね。
  42. 木村惠一

    説明員木村惠一君) そうです。
  43. 田中一

    田中一君 最後中央官衙合同庁舎、これは無論霞ケ関の角にあるあれを指しているわけだと考えますが、曾つて政府は何ら法律的な裏付なくして民間の新営工事を抑制しております。これは恐らく省内でも相当議論があつたと思います。殊に閣議決定で三人委員会とかいうものがあつて、すべてのものを、そうした三階以上のものはいかんとか、何坪以上のものはいかんとか抑制しております。これは仕上げとは言いながら、あえて五億五千万の予算を取つて完成すると、併しながら一方この木造建物を造つておるというような点については、この審議会並びに省内ではどういう御意見でそこまで御決定されたのか、その経緯を御説明願いたいと思います。
  44. 澁江操一

    政府委員澁江操一君) 合同庁舎予算に関連しまして、一方建築抑制の処置がとられておることと関連いたしまして、それとの関係において果してこの予算的措置に対してどういうふうな、というお尋ねでございますが、御承知のように建築抑制につきましては対外的な関係等からいたしまして、只今のような措置がとられておるわけでございますが、そこでその取扱内容といたしましても、一応着工いたしております建築物につきましては、適用上につきましてはこれを着工の事実を尊重いたしまして、その建設について抑制措置の対象としないような取扱にいたしておるかと存じております。従いまして合同庁舎につきましてもすでに御覧のごとく着々建設中でございますので、民間一般的取扱との抵触ということはないように存じておりますが、併しながら一面民間建築物についての抑制措置が強力にとられている際に、官庁庁舎が何ら臆面もなく建設されて行くということについては、これはよほど注意しなければならんというふうに考えておるのでございます。そこでこの予算を編成するにつきましては、私どもいろいろ苦慮いたしまして、この建築抑制措置からあれを放置すべきものであるか、或いは若干の施設を作りまして、或る程度やはり建設された建物の利用を、この際活用を図るというような措置にすべきか、その点をいろいろ苦慮したのでございますが、とにかくあすごまで建でたものでありますから、これについてはやはり国の財政上の措置の上からも、それから又国の財産といたしましてもできるだけこれを活用するような方向に考えて行くのが至当であろうということによりまして、五億円の予算を計上して頂いたわけでございますが、これによります結果は全部の仕上げは勿論参りませんで、あの一部だけが活用できる格好になるかと存じます。併しその程度で以て先ず差当りは満足すべきものである。而も多年あの建築物をただ野ざらしにするということではなくして、できるだけ狭隘な執務面積に追い詰められておる各官庁現状を若干でも緩和すべきである。こう考えまして予算措置といたしましてはここに計上をされたような結果になつたのであります。
  45. 田中一

    田中一君 今あのままで予算を計上されない場合、国はどれくらい損害になりますか。1
  46. 澁江操一

    政府委員澁江操一君) 只今まであの合同庁舎建築費に投入いたしました予算は五億円になつておるわけであります。それからなおこの五億五千万円の予算によりまして、仕上り面積は大体三階までが完成する、而も袖の一部は全然手が着けられない。こういう程度で満足するよりほか仕方がないというふうに考えておるのであります。
  47. 田中一

    田中一君 これは私が申上げるまでもなく、一つ建築計画が立つと、もう現場に行くまでに三割ぐらいの建設費が支出されておるというのが常識です。従つて民間のものは抑制する、官庁のものはあえて三階ということを打ち出しておるから、三階まで仕上げるのだという考え方は余り国民の損害はおれは知らない、国の損害は困るのだという、これは公務員であるなら当然の措置かも知れませんが、これは建築抑制をするという国家的見地から見て民心に與える影響は相当大きいと思うのです。省内或いは閣議ではどういう決定があつたか、無論政治をやつておるのですから、民心に與えるところの影響その他を考えて、多少少しの損害で守れるものなら国はこれを放置しても構わないと思う。この点については中田次官もあれを強行したのは失敗だつたということを現に言つております。従つてこれは本年度の予算には計上されないものというふうに考えておりました。あえてこうなつたところが、今あなたの御説明は、無論あの建築制限の問題は閣議決定で来ておるように聞いておりますが、閣議でどう考えておつたか、あなたがたにどういう工合にそれが反映して来たか、それを率直にお聞きしたい。
  48. 澁江操一

    政府委員澁江操一君) 建築抑制措置の問題につきましては、これは住宅局等において所管いたしておりますので、又別途この運用につきましては住宅局等よりお聞き取り願いたいと思いますが、私が間接に聞いておるところを申上げますと、只今田中委員からお話がありましたように、着工と申しましてもこれは現に杭打ちをしておるということを以て着工というふうには必ずしも考えておらないのであつて、その事前に最良の手当といつたようなことを勘案しつつ、恐らく着工の事実ありや否やということを検討しつつ、できるだけ民間側施行者の実損害を少くするという考慮は拂つておられるのではないかというふうに承知いたしております。この建築抑制措置に関連いたしまして、合同庁舎のごとき官庁建物建築抑制措置に触れるような問題につきましては、只今申上げました通り着工いたしておつて、而も相当進んでおるものにつきましては、これは民間との振り合いを考えまして、或る程度一面は活用を図る、それから民間側措置余りアンバランスにならないような程度建設は勿論考える、こういうことで考慮されておるというふうに私どもは承知いたしておるのでございます。
  49. 田中一

    田中一君 大体においてこうした官庁営繕法に則つて一般的にパーセンテイジが高いということは了承いたしますが、建設省所管外のものについての今申上げたような、質問したような内容について内訳をお取揃えになつてこ委員会に御提出願いたいと思うのです。  次に警察予備隊に八十六億九千万円の査定額になつておりますが、これは大体において計画書というものは法律によりまして建設省のほうに来ていると思います。この計画のうちどの地点にどれが八十六億に計上されておるか、或いはそれが無論宿舎もあると思いますから、今日住宅局のやつておるところの公務員住宅、或いは公営住宅というものと照し合せまして、規模構造その他のものがどういうふうになつているか、これはあなたのほうでおわかりになると思いますが、そういう点も成るべく詳しく書類として御提出願いたいと思うのです。  次に安全保障諸費のうち施設費として四百億計上されております。これも大体営繕計画書提出ということで以てお手許のほうに来ておると思いますが、この内容の大綱だけをお示し願いたい。
  50. 澁江操一

    政府委員澁江操一君) 只今お尋ね安全保障諸費のうちの施設費四百億の内訳については、まだ私どもに実は来ておりませんので、承知いたしておりません。
  51. 田中一

    田中一君 それでは警察予備隊の分ですね、これは八十六億九千万円の内訳のうち、木造或いは防火建築といいますか、不燃化、こういうものの内訳もお出し願いたいと思います。このほかにまだありますけれども、どなたか……。
  52. 赤木正雄

    赤木正雄君 講和になりますと、当然進駐軍の一部は現在の位置から撤退すると思います。そういうことをお考えの上にこの官庁営繕の工作は進まれていますか、或いは現在進駐軍の進駐しておる部分は全然考えないで新らしく計画されておりますか、それはどうなんですか。
  53. 澁江操一

    政府委員澁江操一君) その点につきましては、実は官庁営繕法実施後、審議会で問題を取上げております措置といたしまして、中央官衛地区計画を実は取上げております。これは現在審議会の一小委員会といたしまして審議を重ねておるわけでございますが、その計画一つ條件といたしましては、只今お説のように進駐軍の接收されております庁舎等接收解除、そういつたようなことを勘案しつつ計画を立てて、おるようなわけでございます。
  54. 赤木正雄

    赤木正雄君 今の御説明によりますと、現在進駐軍が接收していて、それが当然官庁営繕物に該当するものである、やはりそういうものは講和後には返つて来るもの、こういう予想の下にそれに類するものは新らしく計上されている、こういうふうに解釈して差支えありません。
  55. 澁江操一

    政府委員澁江操一君) お説の通りであります。
  56. 赤木正雄

    赤木正雄君 次に防火構造のものも大分あるようでありますが、この前の大腰に鑑みましてあの東京その他の都市に非常に大火がありましたが、あの爆撃による大火の状況をよく考究の上に、防火構造をお考えになつていますか、或いはそういうことは全然考えなしに防火構造を考えておられますか。
  57. 木村惠一

    説明員木村惠一君) 御説明申上げます。大体来年度できまする防火構造は、そう大きな規模のものは割合に少いのでございまして、財政上鉄筋になりかねない分もあつたのではないかと思います。
  58. 赤木正雄

    赤木正雄君 そういたしますと、戰争当時に起つた大火、ああいうふうな大火に対しては今計画されている耐火構造は全然意味をなさない、こういうふうに解釈して差支えありませんか。
  59. 木村惠一

    説明員木村惠一君) 爆撃を受けますと、木造でございますからかなりの被害をこうむると思いますが、これは建築学界のほうでは、火災に対しましては防火構造にして置けば、かなり食い止めができる、そういうふうに基準法にも規定されており、一応の火事に対してはかなり安全性があるというふうに考えております。
  60. 赤木正雄

    赤木正雄君 次にこの費用の中には、無論修繕の費用も含んでおると思いますが、さように解釈していいですか、修繕或いは改造のものですか。
  61. 木村惠一

    説明員木村惠一君) 小さな個所の修繕官庁営繕費には挙つておりませんが、大修繕はこのうちに含んでおります。
  62. 赤木正雄

    赤木正雄君 この施設をなさる場合には、無論大蔵省と折衝のあつたことと思いますが、その場合には一々どういう仕事をするのだということを大蔵省と折衝なさつた結果でこれは認められている、そういうふうに解釈していいですか。大蔵省とどういう関係になつておりますか。
  63. 木村惠一

    説明員木村惠一君) 今のおつしやいました通り仕事の内容を一々大蔵省と打合せいたしまして決定いたしましたものでございます。
  64. 赤木正雄

    赤木正雄君 これは小さなものか知りませんが、実は参議院の議員会館、これは御承知の通りに今は暖房装置に電力を以てしています。これがためにいつ何時火事が起るかわからん。これは我々参議院議員は非常に心配しているところであります。それがためにこれを完全な暖房装置に切替える、こういうことを大蔵省に参議院といたしまして要求いたしました。これに対してあなたのほうはどの程度までお骨折り下さつたのですか。
  65. 木村惠一

    説明員木村惠一君) その問題につきまして先ほど営繕計画書の概要で御説明申上げました通り、できるだけ早くスチーム暖房にするように大蔵省のほうへ交渉はいたしました。それも財政上できなくなつたのだろうと思つております。
  66. 赤木正雄

    赤木正雄君 もう一つ、戰争ということを申すのは余り好ましくありませんが、やはり戰争のことも多少考えて、この不燃化構造物は建築されるでありましようか、戰争のことを全然考えなしにただ不燃化、その点はつまり言い換えれば、爆弾に対してどの程度まで耐え得るか、そういう爆撃に対する構造のこともお考えなさつておるのでしようか。
  67. 木村惠一

    説明員木村惠一君) 今の御質問の点につきましては、これは一つ都市の区画といたしまして、防火帶不燃構造にいたしまして、そういう線で防ぐのが至当ではないかと考えております。
  68. 赤木正雄

    赤木正雄君 防火帶という恰好を考えてあるので、構造物そのものに対しては別にお考えになつていないのですね。
  69. 木村惠一

    説明員木村惠一君) 防火構造と申しましても、木造でございますから、爆撃を受けますればこれは焼失すると……。
  70. 赤木正雄

    赤木正雄君 私の聞いておるのは、防火構造の問題ではありません、不燃化構造の問題であります。例えば大きなビル、ビルに相当するようなものをお建てになる、例えば合同庁舎、ああいうものに対してどの程度の爆弾が落ちても対抗できるか、そういう問題を聞いておるのであります。
  71. 木村惠一

    説明員木村惠一君) 只今の御質問の点につきましては、これは学界のほうで非常に討議されておる問題でございますが、この前の第二次大戰のときに、大体中央官衙は百キロの爆弾に耐える耐弾層を屋上に造つたのでありますが、現在はもうすでに二百五十キロ、五百キロという爆弾を考えなくちやならん。そういたしますと、建物としては非常に不経済な耐弾層を造らねばならん。而もそれが高層の場合には、屋根だけ耐弾層にしても意味がない、側から入つて来る。それでそういうものに大きな爆弾が命中した場合には、上のほうが壊れるのは止むを得ないのじやないか。経費の点では、とてもそれだけの費用が賄い切れない。それでできれば地下に比較的安全な部屋をとるほうが経済上有利じやないかというような結論に達しておるのじやないかと思つております。
  72. 赤木正雄

    赤木正雄君 では、百キロ爆弾ということを大体構想として、それ以上のものに対しては地下に安全地帯を造る、そういう傾向にこの合同庁舎その他の官庁修繕物は今後計画されて行くのですか。
  73. 木村惠一

    説明員木村惠一君) 只今も御説明申上げましたように、現在百キロ以上二百五十キロくらいの爆弾が想定されておるのでございますので、百キロの爆弾の耐弾層を屋上に造つても大した効果がない。それで屋上の耐弾層というものは今工事をしていない。地下に比較的安全な部屋を造つたほうがと、そういうふうな意味でございます。
  74. 赤木正雄

    赤木正雄君 では重ねて申しますが、二百五十キロくらいの爆弾に対しては地下に安全地帶を造る、そういう構想の下にできておりますか。
  75. 木村惠一

    説明員木村惠一君) 一応それが直撃を受けなければ安全だと、そういうふうなことを考えております。
  76. 赤木正雄

    赤木正雄君 もう一遍、くどくどしく申上げますが、直撃を受けない場合にはそういう安全地帶でもいいというような計画の下に今構想されておるのですか。
  77. 木村惠一

    説明員木村惠一君) さようでございます。
  78. 田中一

    田中一君 今言い落したのですが、建設省でやらない所管外の分ですね、これは今質問したような要旨の分を書き込んだやつをお出し願いたいと思うのです。  次に建設機械整備費ごの項と、機械整備並びに貸付事務に必要な経費、これを建設機械貸付規則というものとここにありますところの建設機械整備費の中の河川及び道路の事業費で支弁するものを除く大型機械の購入、こういうものとの関連はどういうことになつておるのですか。
  79. 澁江操一

    政府委員澁江操一君) 建設機械の予算の大要は御承知かと存じますが、若干敷衍して申上げますと、一つ建設機械整備費という項目でここに挙げてございますように、十八億の予算が計上されておるわけでございますがごれは御承知のように、国で直轄工事をいたしておりますその工事に必要な大型機械の購入費というふうに御承知を願いたいわけでございます。それからそれに関連いたしまして、現在国で保有いたしております建設機械は、余力がございます場合にはこれは地方公共団体の工事の施行の際に余力のある場合に限りまして貸付をいたしております。これは従来戰災復興院当時から保有いたしておりました機械、殊に進駐軍から拂下を受けました機械乃至はそれ以前から或る程度保有しておりました機械を、地方公共団体に、只今申上げたような事情で、余力があればできるだけこれを貸付けるという建前をいたしておりますので、その費用が若干計上されておるのです。内容は、その事務に必要な人件費、旅費等が計上されておるわけでございます。勿論この貸付は、地方公共団体に貸付けられますと同時に、一定の貸與料を取りまして、国庫の收入として上つておるわけでございます。  それから本年度としまして新らしく出ました問題は、先般委員会でも御説明申上げましたように、道路機械の整備ごれは従来の道路維持補修に関連いたしまして、事業費の補助を逐次機械費の補助に切替えると、地方公共団体の管理いたします道路の補修修理の整備を図るこういう関係補助費を計上いたしておるのでございます。
  80. 田中一

    田中一君 この河川及び道路の事業費で支弁するというのはこれは購入するという意味ですか。
  81. 澁江操一

    政府委員澁江操一君) この予算説明に載つております河川道路の事業費で支弁するものを除く大型機械の購入ということになつておりますがこの点は現在の直営工事の機械の整備に当りまして、大型機械は中央で一括購入をして整備をいたします。それからなおそのほかに河川工事費乃至は道路工事費自体の中で機械を購入しておるものがございます。これはむしろここに挙げてございます大型機械でなくて地方のそれぞれの直営の現場で購入を適当とする程度の機械の整備これはそれぞれの工事費によつて支弁をし購入するとこういう建前にいたしております。即ち、中央で一括購入して整備します機械、それから各工事現場の工事費で以て支弁いたしまして購入する機械こういう両建になつておりましてこれが現在の直轄工事の機械施行の母体になつておる、こういうふうに御承知願いたいと思います。
  82. 田中一

    田中一君 そういうものは結局国の財産という形で以て登録されておるのですか、それとも全然事業費として消えて行つてしまつておるものですか、どういうふうになつておりますか。
  83. 澁江操一

    政府委員澁江操一君) これはいずれも機械としては国の財産として登録をいたしてございます。ただこの運営をできるだけ一括いたしまして、一元的に機動的に運営するということが重要な問題でございましてこれは現在研究いたしておりまして即ち工事現場が購入いたします機械がその工事費で購入するが故にその現場に定着するという虞れがないではないのでございまして、機械運営の本来の機能を発揮する建前からいたしますれば、できるだけ機動的な運用を図つて行くという方向に努力いたさなければならないのでございますが、その点については今後研究いたしまして、できるだけ機械運営の機動性とそれから一元的な運営という方向に持つて行きたいとこういうふうな実は考慮を今拂いつつあるわけでございます。
  84. 田中一

    田中一君 御説明結構と思いますが、事業費でやつたものは結局消えてしまうという虞れが、減損と言いますか、帳面から落すというようなものが何パーセントくらいありますか。おおむね直営工事でやる場合にそれが多いのじやないかと思うのですが、そういう場合に一遍買つたシヤべル或いはつるを一挺買つたというようなものも工事の終る頃までにもうなくなつてしまうというようなことが多いのじやないかと思うのです。従つてその現場で購入する、事業費で購入する資材、そういうものはどのくらい登録されるか、又どこに登録されるか、それを維持管理するものは現場か或いは本庁であるか、どういう形になつておりますか。
  85. 澁江操一

    政府委員澁江操一君) 管理の主体といたしましては、現場で購入いたしました機械は一応は現場で工事に使います関係上その該当事務所が管理をいたしておりますが、登録その他につきましてはこれは地方建設局單位に恐らく登録されておると存じます。なお地方建設局にはそういう機械の運営を監督指導して参ります機械課というものがございますのでこれがその担当に当つておると思います。そこでどの程度の年数を以てこれを償却して行くかという問題になりますがごれは使う上で当然出て来る問題でございまして、中央の購入いたしました機械についてはおおむね七年乃至五年、機械の種類によつていろいろ違つておりますが、そういう耐用年数というものを一応考えております。その程度の耐用年数を経過いたしたものはこれは押下げるなりすることになるわけでございますが、現在併し現場で使つております機械は相当耐用年数を経過しても、機械力が必ずしも十分とは申せませんので、例えて申しますれば機関華のごときものにいたしましても相当の正規の耐用年数を経過してもなお且つ使つておるといつたような状況がございます。
  86. 三木治朗

    ○三木治朗君 この国会図書館の営繕費といいますか、設備費は今度の予算には入つていないように聞いておりましたがごの要求額の中には国会図書館の何か要求額が入つておるのでしようか。
  87. 木村惠一

    説明員木村惠一君) 国会図書館の建設につきましては、一般会計の中の特別扱いになつておりますので、その勘定へ……営繕費の中には入つておりません。
  88. 三木治朗

    ○三木治朗君 国会図書館は今御承知の通り東宮御所の跡を使用しておりますが、甚だ不向きで不便で、又講和が成立いたしますると国として非常に必要な建物であるので、是非使わなければならないことになることは明らかになつているのですがこの国会図書館も建設政府としても計画はしておりまするが、一向に捗らずにおるのであります。実は国会の運営の上から言つても行政の面から言つても、正確な統計やいろいろな資料がなければいい法律もできないし、いい政治も行われないので、基礎的に非常に重要な図書館というものの存在価値があるのでありますが、これに対して一向に国会図書館の建設の予定はあつても捗らない状態になつているのですが、これはまあ内閣のほうの方針かも知れませんがこ営繕を担当する建設省として、やはり国に必要なものはあなたのほうでこれを認めて大蔵省なり何なり要求することになるのでしようが、そういうことはしないで、ただ各庁から来たものだけを取扱つているということになるのでしようか、その点ちよつと……。
  89. 木村惠一

    説明員木村惠一君) 只今の御質問の点、建設省建築を担当するものといたしましても協力をして御援助申上げたい、そう思つております。
  90. 三木治朗

    ○三木治朗君 そういたしますると、今年度は殆んど問題になつておらんようでありますけれども建設省としてその必要を認め、是非やらなければならんという考えであれば、来年なり近き将来において強く主張して頂くことができるのでしようか、その点……。
  91. 木村惠一

    説明員木村惠一君) 現在我々のほうで作業をいたしております議事堂、この国会中心にいたしました中央官衙地区の設定におきまして、国会図書館というものを大きく取上げまして考究いたしておるわけであります。予算措置につきましては国会図書館のほうから十分な要求を、必要性を強調して頂きまして……大蔵省に協力をして予算が通るように要求いたしたいと思つております。
  92. 三輪貞治

    ○三輪貞治君 今年の春から夏にかけて予備隊の施設本部に管理局の営繕部から相当数の職員が転換になるということを聞いておりますが、その計画についてお知らせを願います。
  93. 澁江操一

    政府委員澁江操一君) その点は実は……この御質問の趣意は、営繕部から警察予備隊施設本部に転換になるかという御質問でございますが、まだはつきりとはいたしておりません。これはやはり先ほども質問がございましたように、警察予備隊自体の施設費内容というものがまだ十分明らかになつておらない関係もございます。ただ現在政府で考えておられます予備隊機構の整備という問題が早晩出て参ると思うのでありますが、そういう際に施設関係の担当すべき機構がどうなつて参りますか、それによりまして政府部内で現在施設関係を担当いたしております関係部局の人として営繕部の要員を御利用になるか、或いはそのほかの営繕関係の要員を利用されるかごれは今後の問題でございまして、現在までのところはまだはつきりはいたしておりません。
  94. 石川榮一

    ○石川榮一君 建設機械についてお伺いいたしますが、今年の河川の問題を見ましても非常に予算が少くなつて災害は年々増大して参ります状況でありますがこの少い予算を効率化するために建設機械をこの際思い切つて充実する方針をとるお考えがあるかどうか。その目標は少い予算を成るべく効率、予算の効率を増進するという建前と、工事工程を促進するという建前と両方の面から機械化を大いに図つて頂きたい。それがなけなしの予算を有効に使い、而も工事を促進するゆえんであると思う、勿論この戰後における土建業者は非常に財政力が微弱でありますから、この機械化を業者に求めることは困難だと思います。そこで国ができるだけ機械化を、みずから直営工事においておやりになつて、そうして先ほどお話がありましたように、年度を過ぎて参りましてその機械が十分な効力を発揮しない場合にはこれを土建業者に拂下げるというような建前をとり、成るべく建設機械を利用いたしまして、この荒れ果てた河川の改修工事の促進等を図つて頂いたらどうかと思うのですが、こういう点から見ましてこの建設機械の費用は非常に少いように思うのです。それでも二割程度つておりますようですが、まだまだこんなことではこの河川改修の促進を図るに非常にほど遠いと思う。こういう観点から、若し建設省にこの建設機械を充実し得ることができれば、どのように予算は効率化するか、又工事は如何に促進されるか、一定の予算において一定の場所を工事する場合にどのぐらい促進するか等の調査資料がありましたらば御提供を願いたい。要は年々歳々こうむる災害に対しまする災害防除の費用と、改修費とが、折半の形になつて、むしろ災害復旧費のほうが上廻るという状況であります。こういう観点からいたしまして、やはり建設機械の充実が最も焦眉の急ではないか。今までやつております工法は殆んど原始的な方法であります。築堤にいたしましても、護岸工事にいたしましても、殆んど旧態依然たるものである。三十年、四十年前の工法にそのままを使つておりまして徒らに労務を使用する形になり、而もその工事が必ずしも完全でなく、殆んどそこに進歩の跡が見られない。こう思いますのでこの建設機械に関する建設省の御方針を伺い、今申上げましたそれら調査資料がありましたらば一つ御提供願いたいと思います。
  95. 澁江操一

    政府委員澁江操一君) 実は建設工事の機械化の問題につきましては、建設省ができましてからあと初めて、従来工事費單位に機械費を、機械を購入いたしておりました方法を改めましてこの建設機械整備費という費目を新らしく設けまして一括購入する。これに応じまして各出先にはモーター・プールの制度を設けまして、機械運営の一元的な整備なり運営を図つて行く、こういう方策が立てられたのでありますがこれは全く只今お話のございましたような観点から新生面を開いた措置だと私ども承知いたしております。そこでこの整備費の予算も逐次上昇いたして参りまして、この現在十八億になつておりますが、これも前々年度あたりから比軽して参りますと、相当の飛躍を見ているわけであります。ただこの機械の充実と申しましても、やはり機械メーカーの一つの生産能力というものが実は問題になつて参りますので、それらを勘案して実は参らなければならないという問題が一つと、それから機械の性能の改良、向上という問題が一つ、やはり問題になつて参ります。従来それらにつきまして、試作改良につきましても政府予算措置を頂きまして、改良いたして参りました。その結果国産機械に相当の性能の優秀なものが現在生産され、而も一流メーカー、機械製造業者がこの製造に当つているような状況になつて参りましたので、そういつたような基礎的條件に專ら従来は主力を注ぎつつ整備を図つて来た、こういう状況であります。現在の段階ではそういつたような生産能力或いは性能の改善という点につきましては、おおむね私どもは所期の目的に到達しつつあるというふうに考えておりますので、今後は專ら量的な整備を図つて行くということに主力を注いで参りたいというふうに考えております。それから先ほど田中委員からのお尋ねもございましたようなことで、この機械運営をできるだけ機動的に運営するという方法をできるだけ考えて行きたい。現在建設省内部にお寺ましても、この建設機械を一元的に運営するための一つの手段としまして独立会計方式をとつた。即ちこの機械の貸付をいたしますと同時に、機械施行をいたしますと同時にこれは工事費の單価に直接響いて参ります問題ですからこの機械の償却或いは機械を操縦する要員の給與、一般管理費、そういつたようなものを全部こめましてごれを工事費へ添加し、工事費からそれに相当すべきものを使用料と申しますか、歩掛りとしてこれは独立会計に持つて行く、その財源を一面は修理に当て、更に所要の整備費の予算総額と合せまして機械の整備を図つて行くということになりますれば、飛躍的な機械運営の能率化、それから量的な整備、こういうものの目的が達し得るのじやなかというふうに考えて、そうした面についても研究をいたしているような状況でございます。それからお尋ねのございましたこの工事費の單価の節約、それから工期の短縮という面につきましては、昨年度專らそのほうの調査をいたしまして、現在調査のデータが出ております。御覧を願つて頂きたいと思います。ただ私どもの現在のデータはこの機械運営の本来の姿からいうと、まだ変則的な状況になつております。即ち一面には工事現場で購入をいたしました機械で運営されているもの、中央で一括購入してそれを施行いたしたものもございます。いろいろ條件が違つておりますが、いずれにいたしましても工期の短縮はこれは誠に明瞭な事実として出ております。それから工費の單価の節約はこれも一例でございますが、やはり二割から三割ぐらいの工費の節約が出ております。こういう事実が現われて参つておりますので、これらを基礎にいたしまして更に運営の改善を図つて行こう、こういうことを考えまして、又現場関係者も機械施行に非常に認識を深めて来られておられるようでございます。この方面にはますますこういつたような機械施行の必要性が説かれて来るのではないかというふうに存じておるのでございます。
  96. 赤木正雄

    赤木正雄君 建設機械の整備費の補助ですが、この補助の対象は何です。
  97. 澁江操一

    政府委員澁江操一君) これは先般予算説明の際にも申上げましたように、各都道府県のいたします道路維持、補修に必要なグレイダーとか或いはロード・ローラーとか、クラツシヤーとか、そういつたようなものの購入費の一部を補助する費用でございます。
  98. 赤木正雄

    赤木正雄君 補助の率は如何ですか。
  99. 澁江操一

    政府委員澁江操一君) それは三分の一の補助でございます。
  100. 赤木正雄

    赤木正雄君 そういたしますと、これは直轄工事でなしに、府県工事のものですか。
  101. 澁江操一

    政府委員澁江操一君) その通りでございます。
  102. 赤木正雄

    赤木正雄君 直轄工事部分はそうすると建設機械整備のほうに入つておるのですか。
  103. 澁江操一

    政府委員澁江操一君) その通りでございます。
  104. 赤木正雄

    赤木正雄君 だんだん、こういうふうに機械が整備になりますので、今後は府県の工事にいたしましても、これは主として直轄でやらせる方針でありますか、或いは請負に付するのでありますか。先ほどの説明によりますと、機械もだんだん整備して来ると、請負者はそれほど機械を持つていない、その観点からするならば、直轄工事に殆んど仕事が移行することになると思いますが、どうですか。
  105. 澁江操一

    政府委員澁江操一君) 赤木先生ももうすでに御承知のように、国のいたします工事はこれは直営が大部分でございます。併しながら一方府県のいたします工事はこれは相当請負に出しておるものがございます。ただこの道路維持、補修はこれは大体私どもの承知いたしておりますところでは、直営でやつておるのではないかというふうに考えておるのでございます。
  106. 赤木正雄

    赤木正雄君 この次でよろしうございますから、一つこの補助は、建設機械整備補助でどういうふうなものを実際機械としてお買いになるか、その内容をお示し願います、私の質問はそれだけです。
  107. 田中一

    田中一君 私前の委員会でも質問し且つ今日土木研究所長、建築研究所長にお出でを願つたのですが……。
  108. 廣瀬與兵衞

    委員長廣瀬與兵衞君) それでは……。先般の委員会におきまして今日の建設事業は資金問題よりも技術問題が大切であるという意見があり、土木、建築両研究所と管理局所管の技術研究費補助との関連等について一応説明がありました。この点を更に詳しく調査いたしまするために建築研究所から出席を求めました。藤田所長が見えております。又土木研究所につきましては土木研究所が現場の要求に応じて研究する方針にありますので、現場のほうと研究所の仲介役に当つておられる河川局の山本利水課長道路局の佐藤企画課長の出席を求めました。この立場から土木研究所の動きについての御意見をお聞きいたしたいと思います。順序といたしまして河川局、道路局、建築研究所の順序でお願いいたします。土木研究所の佐藤技官、谷藤技官も見えておられます。山本技官一つお願いいたします。
  109. 山本三郎

    説明員(山本三郎君) 私は河川局の方面で土木研究所の現場との連絡をいたしております立場から研究所の今やつておる事柄並びにこの予算関係をどういうふうに扱つておるかというようなことを御説明申上げたいと思います。お手許に差上げました建設省土木研究所の概要についてというガリ版刷りがございますが、それにつきまして御説明申上げたいと思います。  その内容で第一番目に沿革が書いてございますが、これは内容を、特に御説明申上げることもございませんので、読んで頂ければおわかりになることでございまして省略さして頂きます。それから二番目の業務の内容、これは後ほど予算或いは仕事の内容を申上げれば大体おわかりになることでありますので、その点も省略さして頂きます。五番目の機構及び施設。これは課がどういうふうになつておりまして、それから研究は各部門ごとに研究室を置きまして担当の専門員がおりまして、その研究に当つておるのでありまして主として建設省の行いまする河川、砂防、道路に関する研究を行なつておるのでありまして、その機構の内容はそこに一覧表がございますのでそれを見て御承知願いたいと思うのでございます。それから四番目の二十六年度予算についてという項目がございますが、この項目で、書いてありまするから御承知になつて頂けると思います。一般行政部費といたしまして五千三百八十九万円余りの金と、それから公共事業費から九十五万円、合せて五千四百八十四万円の研究所自身の費用を以てそのあとに書いてありますように、第二表というのがございますが、防災に関する研究、道路の補修に関する研究、土木材料の利用法並びに施工法の改良、橋梁の設計、AEコンクリートの研究、以下書いてあります通りに研究を進めておるわけでございます。  それから五番目の二十六年度研究課題についてというのがございますが、これは、その第四番目に書いてありまする予算項目がございますが、とれとの関係は第二表のほうで、大蔵省で予算をきめる場合に用いた研究項目でございまして、それを更に詳しくどういう研究を各研究室ごとにやつておるかということを、詳しく書いたのが第三表でございます。その内容を申上げますと、河川関係といたしましては一番目、河川第一研究室というのがありまして、研究費が百八万一千七百八十九円と、こういうふうになつておりますが、それだけの費用を以ちましてそこに書いてあります江合鳴瀬川分流実験、最上川の河川構造物に対する調査、そこに並べてあるような研究を進めておるわけでございます。それから第二番目といたしまして河川第二研究室というのがありまして、研究費六十八万五千円を以て洪水流量の観測法に関する研究、雨量観測方式の研究、流出係数に関する調査研究、こういうことについて進めております。それから三番目の河川構造物研究室という構造物に対する特別の研究室がございますが、そこでは研究費がこれはないようになつておりますが、これは後ほど又説明申上げますが、猿ケ石堰堤のコンデユイ、これは堰堤の中に穴をあけまして、そこから灌漑用水を扱いたり、或いは洪水の前に堰堤を空にするために穴をあけておりまして、そこから貯水を引出す装置でございますが、非常に高圧を受けますために、その研究を必要としておるわけでありまして、その研究をやつております。  それから第二番目の丸山堰堤の洪水調節に関する研究、これは木曾川にある関西配電の丸山堰堤というのを築造いたしておりますが、その堰堤に一部供水調節機を附加えて、合せて工事をやろうという堰堤でございますが、その洪水調節の問題に関する研究、それから旭川の堰堤の水叩形状及び温水頂部の形状に関する研究、これは岡山県が旭川に河川総合開発工事といたしまして堰堤を築造いたしておりますが、その堰堤の研究を岡山県の依頼を受けてやつておるのであります。それは非常に河川第一研究室に例をとりましても非常に大きなたくさんの数のものを取上げておるのでありますが、こんなに多くのたくさんな数をやつて、百万円くらいの金でできるかという疑問をお持ちになると思いますが、実は百万円と言いまするのは、研究所自体に與えられた費用でございまして、とてもこれだけの金では、これだけの厖大な数多い研究を進めることができないのでありまして、どういうことをやつておるかと申しますと、河川調査費というのが、現在公共事業費の中に計上されてございまして、これは各地方建設局にその費用は参るのではございますがここに掲げてありますような項目は非常に公共事業に密接な関係がありまして、従いまして、その工事の一部として、工事をよくやつて行くためには、それを実験、研究することが必要だというので、その調査費を地方建設局がみずから研究所の援助を得て、研究所へ実際の研究設備を作るなり、或いは現場でやるなりいたすのでありますが、そういうふうに研究所の援助を受けまして地方建設局が行うということでございまして、河川第一研究室といたしましては百八万円のほかに、約三百万円余りのそういう河川調査費を加えまして、これだけの研究をやつておるわけであります。そういうわけでございます。三番目の河川構造物研究室のほうは、研究所自身の研究費はないのでございますが、猿ケ石堰堤のコンデユイの水理学的特性についての研究に関しましては河川調査費のうちから猿ケ石の模型を作つたりいたしまして、それを研究所の助力を得て研究を進めておると、こういうわけでございます。  今後はどういうふうにして行くかという問題でございますが、御承知のように非常に大きな災害を受けておりますし、又最近大きな堰堤を築造するというふうな風潮になつて参りまして、非常に高度の技術を要するような工事がたくさん現われて参つたのでございましてこの点に関しましては日本でまだやつたことがないというふうな新らしい構造上の問題も非常にたくさん現われて参つて来ておるのであります。例えば先ほども申上げましたように、大きな堰堤を造りまして、大きな水圧を受ける所に穴をあけて水を出そうというような問題につきましては、理論を以て完全なる解決が得られないというようなことがございますので、それを実際と類似した模型を作りまして、どういうふうな現象が起きるかというようなことを研究しなければならんのでありまして、今後におきましては現在のような予算状況においてはそういう研究ができないというような状況でございますので、来年度におきましてはやはりその目的とする公共事業のうちからそういうふうな研究に要する費用を捻出いたしまして、それを研究所でその費用を元といたしまして問題の解決を進めて行く。こういうふうに処置しようという考えの下に大蔵省とも折衝いたしまして、来年度からはそういうふうな研究費の増額を図りまして研究の完きを期したいと、こういうふうに考えておる次第であります。河川関係といたしましては、そのほかに四番目の砂防の研究、それから五番目の堰堤の地質の研究、こういうふうなものも関係いたすのでございますが、そういう方面につきましても、今後工事費の予算を充当できるようなことを考えまして研究の完きを期したいと、こういうふうに考えておるわけでございます。
  110. 廣瀬與兵衞

    委員長廣瀬與兵衞君) 有難うございました。  次は道路局の道路企画課長の佐藤さんにお願いします。
  111. 佐藤寛政

    説明員(佐藤寛政君) 私は道路局で取扱つております道路行政の仕事と、研究所で扱つておられる道路関係について申上げます。  私どもの仕事で研究所に関係いたしますこと、研究所の研究室で申しますというと、研究所が作られたこの資料の中の第六番目の道路研究室、それから七番目の構造研究室、それからその次の八番目の材料研究室、それから、飛んで、十番目の施工研究室、この辺が主でございます。そのほかにも化学研究室あたりには関係がございますが、主にはその辺でございます。具体的にどういう繋がりがあるかと申しますというと、これは成るべく具体的に申上げますが、道路局でいろいろやつております仕事のうち、御存じのように道路法の改正という大きな問題を扱つております。これは恐らくこの議会にいろいろ御審議をお願いすることと存ずるわけでございますが、この道路法を大正八年制定以来三十年間でございますが、今回これを根本的に改正するわけでございますが、これに伴いまして、例えば道路構造上の問題、道路構造上と申しますのは基準となる幅員とか、カーブとか、それから又勾配とか、勾配と申しましても、横断勾配、縦断勾配、いろいろそういう道路構造上の基本の問題、それから路面補修の問題、それから特に細かいことになりますというと、細かい点まで考えなければなりませんのは橋梁でございます。こういつたものにつきましてもそれぞれ皆根本的に改正を要する点がございまして、申すまでもなく、最近の自動車の大型化並びに重量化につきまして根本的に改正しなければならない状態でございまして、目下いろいろやつておるわけでございます。そういう基準なり、規格なり、又仕様書なりを作りますに当りましては、従来のいろいろの国内の資料、それから又外国のデータなども無論集めまして参考にいたしますが、まだまだいろいろ実験なり、又現場で調査なりやつて行かなければならないことがたくさんございまして、模型実験などもいたさなきやなりません。そういうような問題につきまして、或いは現場で以て現場の実験をすると同時に試験所でどうしても細かいいろいろな実験をして頂かなければできないわけでございまして、そういうような点で非常に密接に関係いたして参つております。それから又只今申しましたのは極く一般的な基礎的な問題でございますが、建設省道路の改良或いは補修につきまして直轄で仕事をしており、又補助をいたしておりますが、その際の工法につきましてもいろいろ問題がございますわけでございます。例えば路面の改修、改良補修につきましても地質によつていろいろな工法を使わなければならない。どういう地質ではどういう工法がよろしいかということは、この現場の工事そのものが一つの実験であるとこう考えておりますが、それを指導するためにやはり若干の予備実験をやつてかからなければなりません。そういうような実験を試験所にお願いするのであります。それから又橋梁の問題などにいたしましても、最近は、ずつと以前に構築いたしました永久橋、鉄の橋梁などがもう非常に使用に耐えないような状態になつておるものが方々にございます。こういうものなどはなかなか修繕どもむずかしいのでございまして、一カ所一カ所の橋梁の状況によりましてよく振動試験なり厳重な強度試験なりをやつた結果でないと補修ができない。勿論その橋梁を壊してしまつてこれを造り直すならば簡單でございますが、修繕するということになるとそういうふうによく診断をしてかからなければならないというようなことになりますというと、やはり試験所を煩わすというような関係で深い繋がりを持つておるわけでございます。そこでこの試験所の資料に戻りまして、そういつたことからいろいろ試験所と議しておるわけでございますが、この実験所の道路研究室のやつておられる仕事で、ここで申しますと、路面良好度調査、一号、二号、四号、九号、十号というようなものがございますが、これなどは土木研究所に路面の良好度を測定いたします試験自動車がございまして、ガソリンの消費量とか、車の振動の工合だとか、カーブの状況だとかいうものを車の中に測定装置がございまして一遍にわかるようになつておるわけでございますが、そういう試験車を走らせまして、修繕をやつた所をよく研究して見る、そうしてその修繕の方法が適当かどうかということを確かめて見て、その最も適当な方法をだんだんと狭めてやつて行くというようなことをやつておるのでございますが、これなどは研究所に車がございますので、研究所にやつてもらわんとできないと、こういうような繋がりになつております。これらに対しましては、まあそのほか道路研究室で申しますと、防雪棚に関する調査研究、これは主として東北でやつておるのでございますが、積雪時における交通の確保を図るために、主として吹溜りでございますが、どういうような防雪棚を作つたならば一カ所に大きな吹溜りがなくて済むかということでございまして、これも現場で実際の防雪棚を作つておると同時に試験所で風洞試験などをいたしまして研究いたしております。  それから構造研究室のほうになりますと、関門トンネルの鉄橋と、それから下に書いてあります橋梁における集中荷重の拡散について耐震橋梁に関する研究というようなものがいずれも先ほど申しました関門トンネルは関門工事、それから下のほうの橋梁の問題は橋梁の仕様書を作る基礎研究事項というようなわけでございます。  さてこれらの予算関係でございますが、こういうふうに建設省の仕事と研究所の業務とは非常に深い繋がりを持つておりますので、毎年道路調査費におきまして相当の調査費を、研究所でやつて頂く調査費を計上するのでございますが、なかなかこれ認められませんで、只今のところでは国道一号、二号とか、四号、九号、十号の路面良好度調査を行う経費九十五万円ほどを、それを調査費から出しておるわけでございます。その他のいろいろな試験につきましてはなかなか調査費から出せませんので、只今河川のほうで申されましたように、工事とくつついておるやつは工事費のほうから融通して頂くというようなことをやつておるのでございますが、こういう経理では予算取扱に非常に面倒が多く、研究所のほうでも非常に不便のようでございます。そこで私どもといたしましては仕様書とか基準とかいう、道路なら道路一般に関する研究は、一つ試験所固有の予算なり道路調査費そのものの中に計上いたしまして、道路調査費に計上したもののうち、現場が実施するものは地方建設局のほうに配付する、それから研究所にやつてもらうものは研究所に配付するようにいたしまして、特定の工事に直結しているものを除いては工事費のほうからどうごうというようなことはしないで、研究所がそういうような予算のやりくりの心配をしないで研究を進めて行くことができるように配慮いたしたいと存じておるわけでございます。昭和二十七年度におきましては若干その方向へ向いているかと存じますが、まだ十分には行つておりませんので、逐次その線に向いまして努力いたしたいと考えております。
  112. 廣瀬與兵衞

    委員長廣瀬與兵衞君) 次は建築研究所長の藤田さんにお願いいたします。
  113. 藤田金一郎

    説明員藤田金一郎君) 私は建築研究所の藤田でございます。建築研究所の概要につきまして大筋の点のみをかいつまんで御説明をいたします。お手許に資料としてお配り願つたと存じますが、建築研究所の研究概要、研究所紹介と申すのが印刷物としてあると思います。便宜上一つこれによりまして極く概略をお目通し頂きたいと存ずるのでありますが、第一頁のその外に絵図のようなところがあります。絵図の第一頁の目録のすぐ側に、大体研究所の概要と題しまして言つておりますことの内容を法の根拠、それから組織がございます。庶務課だとか調査課だとか、ほかに五つの研究部を設けております。都市計画建設経済、それから建設材料、それから構造、施工、設計というようなわけであります。予算その他の二十五、六年度における予算概況もそこにちよつと記載いたしております。それから大体現段階におきまして、建築方面において我が国の機関としてやらなければならない問題につきましては、その概観を二頁以下三頁、四頁あたりにその概況を示したものがあるのでございますが、要するのに、これは防災というような方面のことと、建築の質の改良ということとの二つに内容は分れるかと思うのであります。乃至は質の何上と申しましても施工のやり方の改良ということ等を含みまして、大体この二つの問題に大分類できるかと思うのでありまして、そういうことのなぜ必要であるかというゆえんの概略は、この二頁、三頁等に列挙いたしましたが、時間の関係上一応只今これを省略いたしまして、六頁も……然らば結論として我々の研究所で過去数年間に亘りましていたしましたことの極く概略的な項目の一覧表といつたものを六頁及び七頁において御覧を頂きたいと思うのであります。大体これによりまするというと、住宅対策並びに都市計画関係に関しましてこれは建設省といたしましては都市局並びに住宅局に関する業務であります。その立法の参考資料にもなりましようし、行政運営上の技術的な指導事項になるものを作るべく研究をいたし、そのように報告をいたし、それぞれ活用いたされておるのであります。第二の建築材料につきましては、その実験方法の標準を設ける、国としての標準を設ける。或いはその設けることのための研究と、或いは又現在あります、或いは又新らしい建築材というものの配慮ということについての研究と申してよいと思うのであります。それから建築構造につきましては、随分たくさんの問題があるのでありますが、どれもこれもはできませんので、主要な問題といたしまして耐風的なもの、それから耐震、地震に耐えるというような問題が中心となりましてこれがために建物の実際の模型を作りまして振動をさせるとか、或いは風の圧力を図るとかというようなことであります。その他特殊な問題もあり、新らしい材料を使うときの特殊問題とか、新らしい構造によるところの工法の問題も実は多々あるのでありますが、これらにつきましては、極くそのうちの主要なるもののみを実物を作りまして、或いは火事が出たならばあとの強度が減るとか減らんとか、どのくらい持つとか、或いは耐震耐風の問題につきましても、その実物を作りましてやつておるのであります。次は施工の問題でありますが、これは従来施工が建築方面においては殊に旧式でありまして、先ほども出ましたような土木方面での機械化とか、あれほど大げさな機械化は到底今では考えておりませんが、極く小規模なる機械化によつて労務費を節約し、工費の節約を図るというような方面のことなどを中心にやつてつたのであります。  それから防火ということは重要なことでありますが、都市計画的の観点と、それから家屋個々の問題、その家屋個個の問題も異なるからすべてを含まないという点と、それ自身が防火できないというような問題と、いろいろに分けまして、この建築法規の立場上必要な、或いは行政、それの運用上必要ないろいろな資料を作成いたして参つたのであります。そういうことのための研究をいたして参つたのであります。それから次に建築の設計計画に関する一研究でございますが、人手も足りませず、十分各方面に行渡つてはおりませんが、主としてアパート、庶民住宅の一種としてのそのアパートの改良研究等に対して如何にして安く比較的便利にできるかというようなアパートの、我々は調査研究に主力を注いで参つたのでございます。なお火災研究の、高層建築の一般を含めまして災害のときの高層建築の避難設備というような問題につきまして、法規の立案の必要もあり、指導の必要もありまするので、これもやや組織的な研究を行いましたので、以上を通覧いたしまするのに、なかなかまだ手不足で不十分なところは多々ございまするが、関係各局、都市局、住宅局営繕部等の各要求も多々ありますので、それらで我々のほうで手の許す限り、金の許す限りの研究をいたしまして、一々このようなことをやつてつたのであります。この六頁、七頁にありまするのはいずれも本質的にすでに報告はすつかり出て刊行され、それぞれの部局にお渡ししておるもののみなのであります。これは約半年か一年ぐらいの前の資料でございますから、若干その後新らしい資料の追加があるのでありますが、実は昨日御連絡を受けただけでございますので、十分その後の、最近のところの資料は携帯して参つていないのでありまするが、大体方向としてはこういう方向でありますので、若干の新らしい問題が起きておるように御了承願いたいと思うのであります。なおそれから先に書いてありますのは、特にまとめました大きな項目につきまして七頁、八頁の目録を御覧願いたい。以下そのような目録によりまして、以下特殊な研究の内容を広く御覧頂くために設計書を印刷をいたしたものであります。それから最後に六十五頁でありまするが、六十五頁には我々の方式のオフィシャルな報告書といたしまして従来刊行いたして参りましたものの目録が約三頁に亘りまして出ております。それから最後に我々のところで直接刊行いたしませんでも、建築関係の学協会等の論文集とか、雑誌等に我々一のほうの研究員が報告いたしまして役所の報告のみでなく、そういうところへ報告をして一般にこれを活用して頂く、研究の成果を活用して頂くというところの報告約三百点の目録、それから我々のほうでいたしましたものも約二百点ぐらいの目録が七、八頁に亘りまして掲載いたしました。大体このような状況であるのでありますが、最後に二十六年度の予算並びにこの予算によりまして行いましたところの研究の概要をかいつまんで申上げたいと思います。これは活版のほうでございませんで、約三枚ばかりとめてございまするガリ版のざら紙印刷の昭和二十六年度主要研究課題と申します。これも先ほど申しました通り主要題目は建築の防災という方面にございまする調査研究と、それから同じく一頁のしまいのほうでございまするが、二として「建物の合理経済化に関する…」この二つに、要するに現段階の建築の研究の主流はこの二つに包含できると思うのであります。我々の研究所にいたしましてもこのように大分類をいたしておるのでありますが、防災のほうでは火災とか地震のための振動の改良とか、一般の建物の耐風、これはまあ相似たようなところがありますが、一括して改良を考えますとか、基準法実施に伴いまするところの各種の問題が、やはり技術的な事項の問題が起つてつて、そういうようなことの個々の問題、そういうようなものを防災ということの中で我々は二十六年度において行いつつありますものです。第二の合理経済化という問題につきましては、住宅問題、そこに書いてございますのは住宅問題とか建築の現場作業の合理化というようなこととか、或いは住宅だけでなしに都市の不良地区の問題だとか、或いは庁舎官庁庁舎の設計基準というようなふうの改良によるところの建物の合理経済化というようなことが中心になつておるのであります。第二頁のほうに只今申上げましたところの細目がずつと列挙してあるのでございますが、一々読上げるのを省略いたします。なお二頁の最後に参考事項といたしまして、これは私どもの研究事項では、ございませんけれども予算説明にもと思いましてそこに掲げてございまするのは、出版ということにも若干金が要る、それから国としてはただ一つ建築関係の研究でありますから、関係官庁、それから建設省内部の営繕はもとよりでありますが、いろいろな試験、品質検査というようなこと、つまり工事に使いまするところの品質調査、それからこういう設計をしようとか、これについてどうだというようなことが非常に数多く起つて来る、そういうことに対する経費が百五十万の中に含まれておるのです。それからあとは附属工場の維持整備と申しますのは、これはちよつとおわかりにくいと存じますが、研究所の中で自分のところで使いまする試験計器、測定計器等の製作を自分のところでやるのでありますが、その中の整備費が極く僅かでありまするが、そのような項目に分かれて、そのような維持費でやつておるわけであります。この中には人件費とかそういうものは含んでおりません。材料費とか研究費とかこれはほんの僅少の機械の補修というような維持費でございまするが、そういうものを我々は内部で修理いたしておりまするが、そういうもの等を全部合計いたしまして、研究費のほう、九百万円に対し、それを合計して参考に書いてあります二百万円余り、これを合計いたしまして、本年度千百万円というのが我々のほうの物件費でございます。最後に綴じてございまするのが、先ほどお話のような研究の補助金、建築関係のテーマに対しまして、本年度の補助金が交付せられましたものを一覧できるように並べて見ただけなんであります。それでこの書にもちよつと不備なところがございますが、備考に申しますのは、実は主体研究者、代行的研究者の名前でございます。あとは金額がおおむね御覧の通りに、十五万円とか、二十万円とか高々三十万円といつたようなもので、建築関係に約五百万円程度のものが配当されております。  以上で大体御説明を終りますが、要するにまあ最後の補助金のほうも、研究所のほうの人員、殊に助手の不足乃至は経費不足を補うためにということにもなりましようし、こういうことと両方合体しまして、建設省が必要とするところの、国が必要とする建築関係の研究を行なつておるというような現状であるのであります。甚だ簡略で不十分とは存じますが、一応御説明を申上げます。
  114. 田中一

    田中一君 私は今日のこの日本の現状から申しましても年々あるところの災害、これに対する復旧、それから災害防止、あらゆる面から見て技術的な研究が一番大事な時期じやないか、こう考えております。従つてその公共事業費の実施面の現実に使うものを、或る場合においては節約しても建設技術の研究に大幅な予算を割いて、そうして結局において経費の節減、それから高能率という点に持つて行かなければならないと考えておるのです。この予算を見ますと高々土木研究所に六千万円、建築研究所に二千八百万円程度のもので、このうち項目を見ましても土木研究所においては單に庁費というものは二千七百万円、それから建築研究所においては九百万円程度のもので、何で大きな年々再々あるところの災害を守り得るかというところに、非常に予算の編成上の、殊に政府建設行政に対する大きな欠陷があるのじやないかと思います。従つてこれは局長に強く要望したいのですが、ただこれだけが研究費ではない、例えば河川局のかたの御説明を伺うと、河川調査費の中から三百万円、河川の研究費のほうに、研究費に使つておるとか、道路のほうは伺いませんでしたが、どのくらい取つておるか。そうした程度のものでなしに、大幅に国の全体の経済から見た場合、相当の研究費を持たなければならないということに努力しなければならないと思うのです。伺いたいのは、今道路費のほうでは、道路の研究のほうでは、研究費を計上されたもの以外に現在現実において調査研究しなければならないものがある、こういう面から公共事業費というのは、道路のほうで幾ら金が来ておるか、一応これを明確に御説明願いたいと思います。
  115. 佐藤寛政

    説明員(佐藤寛政君) 道路のほうから研究所に廻つております研究費は、公共事業、道路事業調査費から面接研究所に行つておりますものは一号、二号、四号、九号、路面良好度調査費、これに対して九十五万円来ております。それからその下の道路研究室関係でございますが、この項は現場の工事費のほうから結局調査費が取れませんので、止むを得ず工事費のほうから研究所へ研究を委託するという形で以て研究費が渡つておるのでございますが、このうち関門トンネルにつきましては三万円、道路のほうでは………。それからこのうち丸がついておりますのは、これは直接研究所の固有の経費で研究をやつておられるのでございますが、それは省略いたしますが、関門トンネルについて道路関係では三万円、そういうことになつております。
  116. 山本三郎

    説明員(山本三郎君) ちよつと補足を申上げます。先ほど河川第一研究室三百万円程度と申上げましたが、なお補足して申上げますと、河川第一研究室に三百二十万円、河川調査費から出しております。それから第二研究室に百九十万円、三番目の河川構造物研究室に二十万円、砂防研究室に百十万円、地質研究室に百五十万円、合せまして河川砂防で八百万円出しております。調査費から研究所のこれだけの項目に対して支出しております。
  117. 三輪貞治

    ○三輪貞治君 それはこれに上つている百八万のほかですね。
  118. 山本三郎

    説明員(山本三郎君) その通りでございます。
  119. 田中一

    田中一君 私は余り道路のほうは詳しくないので、内容はわからんのですが、建築研究所の藤田君に伺うのですが、研究項目をいろいろ拝見しますと一応現在あなたの持つていらつしやる技術面からものを見ていらつしやる。これは無論この基礎的な技術という点については大変結構なんでありますが、ここに建物の合理経済化に関する調査研究という項目が上つておりますが、これは今あなたがたが考えていらつしやるものだけであつてはならないのじやないか。これは、私は私見を申上げますが、どうも我々考えるのですが、それは建築家は曾つてあなたがたが学校でお習いになつ建築学というもの、いわゆる完成した建築を作り、でき上らせるということのみに自分の考え方を置いて、いわゆる家と家庭との区別というものをはつきりと建築家が現在持つていないのじやないかという考え方です。例えば不燃性の鉄筋コンクリートの家を造るにしても一坪五万円かかる、六万円かかる、或いは七万円かかるというふうなことをおつしやつておりますけれども、事実これは家庭の分野で、事務所なら事務所の機能にまで立ち入つてのあなたがたの計算じやなく、いわゆる事務所建築というものの範囲じやないと思います。従つて私が常に考えておるのは、家というものは容れ物であつて、例えば鉄筋コンクリートのものが五万円かかる、或いは住宅金融公庫のものは五万二千円かかる、その三分の一の一万七、八千円というものは家の建築費であつて、あとのものはいわゆる家に住むものの機能の問題だと思う。家というものはすぐにでも住めるというものが家の定義じやないと私は考えておる。従つてここに二の建物の合理経済化に関する調査研究というものも、一応建築家としての考え方は、根本的な家の定義から考え直してこの研究を発表せられるように希望するわけなんです。これは道路並びに河川においても私は少しもこれと違わないと思うのです。いわゆる固定したところの建築という一つのものじやなくて、道路並びに河川にしても関連性がたくさんあります。目的がたくさんあると思います。という場合にはいろいろ寒天がありましようが、結局河川そのもの或いはオンリーという立場から見る場合には、やはり定義は変つて来るのじやないかと思うのです。従つてそういうものを一般公共事業費から持つて来るという考え方についてこの是非は、先ほど河川のほうのかたの御説明を伺うと、こうした河川事業調査費なんという項目河川局に織込まないで、事実土木研究所のほうに河川局は研究を委嘱する、或いは実地調査を委嘱するということになれば、その費用というものはおのずから土木研究所の持つておる予算の範囲で出せると思うのです。ただそういう分け方をいたすということも或いは一つ予算の分捕り方で以て、河川局並びに道路局の研究調査の委嘱のない場合には予算が余る、余つて国に返すのも困るから無駄に使うということも予算編成の面において現われて来るのではないかと思う。従つて研究そのものも、これは予算と並行して研究しなければならん問題を取上げて、單に項目を羅列するのでなく、二十七年度は二十六年度の継続をやり、同時に二十七年度はこれこれは特にしなければならないということも国全体の面からやはり建設省全部の省議にかけて恐らくテーマはきまると思う。無論決定されない問題について予備費を一応計上するのはいいと思う。従つて両方の研究所が單に計上されたところの予算面以上の費用を以て研究しておるということは一応了解いたしますが、これをもう少し明確に予算編成に研究テーマと共に要求するという形を局長にお願いしたいと思う。このような小さな費用で本当に今一番大事なところの貧乏な日本の建設、国土の再建ということが考えられんと思う。こういう点についての局長の御所感は如何ですか。
  120. 澁江操一

    政府委員澁江操一君) 只今非常に示唆のあるお言葉を頂いたのでありますが、研究所の予算全体につきましてこれはここに研究所のそれぞれスタツフのかたもおられますが、現在の予算では非常に窮屈である、これはもう痛切に従来からも考えておられたことでありまして、予算要求の都度相当額をそれぞれ内輪でありますが、この程度の最小限度の経費が心要であるという形において要求を続けて来られたわけでございますが、実際問題といたしますと、これは只今御指摘がありましたように国の予算なり国民経済の上で研究に使われる予算の効率がどの程度の働きをするかということが、これがまだ十分徹底していないと申しますか、そういう憾みが実はあるのでございまして、今後の問題としてやはりこの点に関しては研究の成果がどの程度の経済的な効率なり国民経済に寄與して行くかという具体的なデータを十分反映させるという措置が、具体的に言えば予算獲得の一つの手段として必要ではないかというふうに私どもは常々考えております。それからもう一つ只今のお言葉に関連して申上げたいと思いますことは、現在両研究所でやつておりますことが、これはやはり建設行政と裏腹をなしておる研究、従つて言うまでもなく応用研究、而も具体的な施策に関連しておる研究ということにやはり重点がございます。従いましてこの費用の捻出方法については、御指摘になりましたように事業費から支弁するという方法は必ずしも適当でないとは考えますが、併し勿論この十分なる研究費が與えられるということであれば、好んでこの方法をとるということは私ども好むところではございません。ございませんが、併し現状が非常に窮屈な状況に置かれているということでありますれば、これは又事業の効率化を図るという最終目的に対して、成る程度のやはり予算運用面においての措置は、これは止むを得ざることとしてとらざるを得ないというふうに考えつつ、只今説明申上げたような措置を、これは相当従来からの沿革もございます、そういう点でとつておるわけでありますが、今後の問題としましては、十分お説のような点を参酌しつつ、研究所プロパーの経費としてできるだけ切替えて行くという方向に努力して参りたいというふうに考えております。これは一挙にしてそういう方法がとられるかという点についてはまだ十分の成算もございませんが、少くともそういう努力は相当しなければいけないというふうに考えておるわけでございます。  それからなお建設行政の中で占める研究費のウエイト、これは建設省だけの問題じやございませんで、実は私も最近感じておることでございますが、やはり国家予算の全体の中で占める研究費のパーセンテージというものが必ずしも十分ではない。而して研究の運営の方法においてやはり相当の重複もあり、それから相互のテーマの上の関連性、これらあたりはやはりそれぞれの各專門々々の部会、学会においても御研究になつておることと思いますが、国全体の施策の上でもこういう点については十分御考慮頂かなければならん問題ではないかというふうに感じておるのでございます。
  121. 田中一

    田中一君 次に二十七年度にアメリカ人に委嘱して二千万円の調査費を以て高速道路を造る調査をしなければならないという理由ですが、日本の土木技術は、道路技術はそこまで遅れておるかどうか。建設省から各行政官が再三再四渡米をしております。いろいろな恐らくデータも持帰つて来ておると思います。日本は地震もありますし、火山脈もありますし、いろいろな点においてアメリカのような大陸とは違うのです。それをあえてアメリカの技術者を呼んであの道路調査しなければならないかという根拠、これはあなたがたに伺つてもしようがございません、これは大臣に伺いますが、土木研究所としてどうお考えになるかということについて御見解を承わりたいのです。
  122. 佐藤寛政

    説明員(佐藤寛政君) 私道路局の者でございますが、一応局長、大臣の御意向はございますが、一応私の知つておりますところで御説明いたして見ましようか。
  123. 田中一

    田中一君 結構です。
  124. 佐藤寛政

    説明員(佐藤寛政君) 東京神戸間約五百二十粁ございますが、その間に高速度自動車道路を、近い将来においてそういうものが必要になつて来るのであろうということで、二十六年度におきまして国の調査費二百三十万円ほどを頂戴いたしまして極く概略の調査をいたしました。五百二十粁に対してその程度でございますから、勿論実際測量まではできませんが、図面、航空写真等で十分チエツクをし、更に現場を歩いて極く概算の建設工事費、そのほか建設計画を立てる仕事でございまして一応そういうものはできたわけでございます。それでそういう計画を持つておるわけでございますが、これを実現いたしますにはまだまだ細かいいろいろな調査研究が必要なのでございます。その細かい調査の大体半分程度を本年度に調査いたしたいと存じまして二千万円の調査費をお願いいたしておるわけでございますが、この内容は私の承知いたしておりますところでは、約百五十粁ばかりのいろいろ路線について問題がありまするところを実測調査もし、又地質の調査どもいたしまして確かめるごとと、只今御指摘がありましたように、アメリカの技術者に一応来てもらうという内容でございます。アメリカの技術者に来てもらうに至りました経緯につきましては、これはいろいろ又深い事情もございますかと存じますが、私の承知いたしておりますところでは、我々は技術上に特にアメリカ人に見てもらわなければ、あの事業ができないというようなことはございません。ないつもりでございます。併しながら申すまでもなく高速度自動車道路の事業といいますのは大変に大きいのでございまして概算工事費の見積額によりまして約千百億にもなろうという大変なことでございます。念には念を入れて調査もし、研究もすることが必要であろう。それを考えますというと、御承知のようにアメリカではああした高速度自動車道路が四通八達至る所にできております。従いましてその考え方、計画、特に施行の面でございますが、大型の機械を使いまして、極く能率よく事業をする。ちよつとうまくやるとやらんとでは、随分経費が違うごとだと想像いたします。それらの点につきまして、すでに道路局からもアメリカへ参りましていろいろ調査をして参つた者もございますし、データなどございますが、なお念には念を入れるという意味で以て、たまたまそういう適当なかたがおられたので、来て見て頂くということになつたのではないかと考えております。それからもう一つは、これは私の想像と言いますよりは、むしろ空想かも知れませんが、さてこれを実施するということになりますというと、先ほども申しましたように多額の経費がかかりますので、いろいろ外資の御援助というようなことも大きな問題になつて来るだろう。そういつたようなときに、まあその外資と言えばアメリカあたりを当然期待することになるわけでございますが、その関係の人が実際に見ており、はつきり事情を知つておればその場合によほど違うのじやないかというような考え方も、私どもには想像されるわけでございます。その辺はまだ確かでもなんでもございませんが、そんなようなことがございまして、来てもらうことに対して私企画課長といたしましても、大変結構なことだと実は思つているわけでございますが、決して日本の技術がああいうものは手に負えないからではないということを申上げておきます。
  125. 田中一

    田中一君 もうこれでやめますが、私は願わくばこのアメリカの作戰道路、軍用道路でないことを希望するものであります。それからもう一つ建築研究所長に伺いたいのですが、二十六年度に予算を取りまして一千五百万円の建設技術研究補助金というものはあなたのほうで、ぴらぴらの三枚目の一番おしまいにあるところの建設技術研究補助金交付額(建築分)という四百九十五万、これが建築分の内訳でございますか。
  126. 藤田金一郎

    説明員藤田金一郎君) これは今お説の通りに、千五百万円の中の建築のほうへ関係のもののみを引出して見ただけのものでございます。
  127. 田中一

    田中一君 これは建築研究所が出したのですか、それとも千五百万円の中のこの分約五百万円は建築研究所に来て、建築研究所が交付したものですか、本省が交付したものですか。
  128. 藤田金一郎

    説明員藤田金一郎君) それは全体の補助金の交付というのは、本省におきまして各関係部局の代表者、その他民間の有識者の若干名とで構成いたしますところの審議会のようなものがございまして、そこで審査いたしましてそれに基いて交付の事務を管理局企画課がいたしております。従いまして研究所はこれの交付の審査に関與いたしまするが、自分のところの意見一つでやつておるものではございません。
  129. 田中一

    田中一君 どの研究所がごのうちで費用をどのくらい使つておりますか……。これは附属の書類があるそうですから、今の質問は書類によつて拝見いたします。なおまだ時間が大分超過していますので、なお伺いしだいのですが、私の質問は次回に譲ります。
  130. 廣瀬與兵衞

    委員長廣瀬與兵衞君) 次回二十一日は、先般理事会で請願及び陳情を審査すると申しましたが、参議院先議でありまする住宅緊急措置令等の廃止に関する法律案と、ポツダム宣言の受諾に伴い発する命令に関する件に基く建設省関係命令の措置に関する法律案の予備審査が本委員会に付託になりましたので、この二法案の提案理由の説明を求め、あとで請願及び陳情を審査することに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  131. 廣瀬與兵衞

    委員長廣瀬與兵衞君) 御異議ないと認めましてさよう取計らいいたします。本日はこれを以て閉会いたします。    午後一時十二分散会