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説明員(
藤田金一郎君) 私は
建築研究所の藤田でございます。
建築研究所の概要につきまして大筋の点のみをかいつまんで御
説明をいたします。お
手許に資料としてお配り願
つたと存じますが、
建築研究所の研究概要、研究所紹介と申すのが印刷物としてあると思います。便宜上
一つこれによりまして極く概略をお目通し頂きたいと存ずるのでありますが、第一頁のその外に絵図のようなところがあります。絵図の第一頁の目録のすぐ側に、大体研究所の概要と題しまして言
つておりますことの
内容を法の根拠、それから組織がございます。庶務課だとか
調査課だとか、ほかに五つの研究部を設けております。
都市計画、
建設経済、それから
建設材料、それから
構造、施工、設計というようなわけであります。
予算その他の二十五、六年度における
予算概況もそこに
ちよつと記載いたしております。それから大体現段階におきまして、
建築方面において我が国の機関としてやらなければならない問題につきましては、その概観を二頁以下三頁、四頁あたりにその概況を示したものがあるのでございますが、要するのに、これは防災というような方面のことと、
建築の質の改良ということとの二つに
内容は分れるかと思うのであります。乃至は質の何上と申しましても施工のやり方の改良ということ等を含みまして、大体この二つの問題に大分類できるかと思うのでありまして、そういうことのなぜ必要であるかというゆえんの概略は、この二頁、三頁等に列挙いたしましたが、時間の
関係上一応
只今これを省略いたしまして、六頁も……然らば結論として我々の研究所で過去数年間に亘りましていたしましたことの極く概略的な
項目の一覧表とい
つたものを六頁及び七頁において御覧を頂きたいと思うのであります。大体これによりまするというと、住宅対策並びに
都市計画関係に関しましてこれは
建設省といたしましては
都市局並びに
住宅局に関する業務であります。その立法の参考資料にもなりましようし、行政運営上の技術的な指導事項になるものを作るべく研究をいたし、そのように報告をいたし、それぞれ
活用いたされておるのであります。第二の
建築材料につきましては、その実験方法の標準を設ける、国としての標準を設ける。或いはその設けることのための研究と、或いは又現在あります、或いは又新らしい
建築材というものの配慮ということについての研究と申してよいと思うのであります。それから
建築構造につきましては、随分たくさんの問題があるのでありますが、どれもこれもはできませんので、主要な問題といたしまして耐風的なもの、それから耐震、地震に耐えるというような問題が
中心となりましてこれがために
建物の実際の模型を作りまして振動をさせるとか、或いは風の圧力を図るとかというようなことであります。その他特殊な問題もあり、新らしい材料を使うときの特殊問題とか、新らしい
構造によるところの工法の問題も実は多々あるのでありますが、これらにつきましては、極くそのうちの主要なるもののみを実物を作りまして、或いは火事が出たならばあとの強度が減るとか減らんとか、どのくらい持つとか、或いは耐震耐風の問題につきましても、その実物を作りましてや
つておるのであります。次は施工の問題でありますが、これは従来施工が
建築方面においては殊に旧式でありまして、先ほ
ども出ましたような土木方面での機械化とか、あれほど大げさな機械化は到底今では考えておりませんが、極く小
規模なる機械化によ
つて労務費を節約し、工費の節約を図るというような方面のことなどを
中心にや
つて参
つたのであります。
それから
防火ということは重要なことでありますが、
都市計画的の観点と、それから家屋個々の問題、その家屋個個の問題も異なるからすべてを含まないという点と、それ自身が
防火できないというような問題と、いろいろに分けまして、この
建築法規の立場上必要な、或いは行政、それの
運用上必要ないろいろな資料を
作成いたして参
つたのであります。そういうことのための研究をいたして参
つたのであります。それから次に
建築の設計
計画に関する一研究でございますが、人手も足りませず、十分各方面に行渡
つてはおりませんが、主としてアパート、庶民住宅の一種としてのそのアパートの改良研究等に対して如何にして安く比較的便利にできるかというようなアパートの、我々は
調査研究に主力を注いで参
つたのでございます。なお火災研究の、高層
建築の一般を含めまして災害のときの高層
建築の避難
設備というような問題につきまして、法規の立案の必要もあり、指導の必要もありまするので、これもやや組織的な研究を行いましたので、以上を通覧いたしまするのに、なかなかまだ手不足で不十分なところは多々ございまするが、
関係各局、
都市局、
住宅局、
営繕部等の各
要求も多々ありますので、それらで我々のほうで手の許す限り、金の許す限りの研究をいたしまして、一々このようなことをや
つて参
つたのであります。この六頁、七頁にありまするのはいずれも本質的にすでに報告はすつかり出て刊行され、それぞれの部局にお渡ししておるもののみなのであります。これは約半年か一年ぐらいの前の資料でございますから、若干その後新らしい資料の追加があるのでありますが、実は昨日御連絡を受けただけでございますので、十分その後の、最近のところの資料は携帯して参
つていないのでありまするが、大体方向としてはこういう方向でありますので、若干の新らしい問題が起きておるように御了承願いたいと思うのであります。なおそれから先に書いてありますのは、特にまとめました大きな
項目につきまして七頁、八頁の目録を御覧願いたい。以下そのような目録によりまして、以下特殊な研究の
内容を広く御覧頂くために設計書を印刷をいたしたものであります。それから
最後に六十五頁でありまするが、六十五頁には我々の方式のオフィシャルな報告書といたしまして従来刊行いたして参りましたものの目録が約三頁に亘りまして出ております。それから
最後に我々のところで直接刊行いたしませんでも、
建築関係の学協会等の論文集とか、雑誌等に我々一のほうの研究員が報告いたしまして役所の報告のみでなく、そういうところへ報告をして一般にこれを
活用して頂く、研究の成果を
活用して頂くというところの報告約三百点の目録、それから我々のほうでいたしましたものも約二百点ぐらいの目録が七、八頁に亘りまして掲載いたしました。大体このような
状況であるのでありますが、
最後に二十六年度の
予算並びにこの
予算によりまして行いましたところの研究の概要をかいつまんで申上げたいと思います。これは活版のほうでございませんで、約三枚ばかりとめてございまするガリ版のざら紙印刷の
昭和二十六年度主要研究課題と申します。これも先ほど申しました
通り主要題目は
建築の防災という方面にございまする
調査研究と、それから同じく一頁のしまいのほうでございまするが、二として「
建物の合理経済化に関する…」この二つに、要するに現段階の
建築の研究の主流はこの二つに包含できると思うのであります。我々の研究所にいたしましてもこのように大分類をいたしておるのでありますが、防災のほうでは火災とか地震のための振動の改良とか、一般の
建物の耐風、これはまあ相似たようなところがありますが、一括して改良を考えますとか、
基準法の
実施に伴いまするところの
各種の問題が、やはり技術的な事項の問題が起
つて参
つて、そういうようなことの個々の問題、そういうようなものを防災ということの中で我々は二十六年度において行いつつありますものです。第二の合理経済化という問題につきましては、住宅問題、そこに書いてございますのは住宅問題とか
建築の現場
作業の合理化というようなこととか、或いは住宅だけでなしに
都市の不良
地区の問題だとか、或いは
庁舎、
官庁庁舎の設計
基準というようなふうの改良によるところの
建物の合理経済化というようなことが
中心にな
つておるのであります。第二頁のほうに
只今申上げましたところの細目がずつと列挙してあるのでございますが、一々読上げるのを省略いたします。なお二頁の
最後に参考事項といたしまして、これは私
どもの研究事項では、ございませんけれ
ども、
予算の
説明にもと思いましてそこに掲げてございまするのは、出版ということにも若干金が要る、それから国としてはただ
一つの
建築関係の研究でありますから、
関係の
官庁、それから
建設省の
内部の営繕はもとよりでありますが、いろいろな試験、品質検査というようなこと、つまり
工事に使いまするところの品質
調査、それからこういう設計をしようとか、これについてどうだというようなことが非常に数多く起
つて来る、そういうことに対する経費が百五十万の中に含まれておるのです。それからあとは附属工場の
維持整備と申しますのは、これは
ちよつとおわかりにくいと存じますが、研究所の中で自分のところで使いまする試験計器、測定計器等の製作を自分のところでやるのでありますが、その中の整備費が極く僅かでありまするが、そのような
項目に分かれて、そのような
維持費でや
つておるわけであります。この中には人件費とかそういうものは含んでおりません。材料費とか研究費とかこれはほんの僅少の機械の補修というような
維持費でございまするが、そういうものを我々は
内部で修理いたしておりまするが、そういうもの等を全部合計いたしまして、研究費のほう、九百万円に対し、それを合計して参考に書いてあります二百万円
余り、これを合計いたしまして、本年度千百万円というのが我々のほうの物件費でございます。
最後に綴じてございまするのが、先ほど
お話のような研究の補助金、
建築関係のテーマに対しまして、本年度の補助金が交付せられましたものを一覧できるように並べて見ただけなんであります。それでこの書にも
ちよつと不備なところがございますが、備考に申しますのは、実は主体研究者、代行的研究者の名前でございます。あとは金額がおおむね御覧の
通りに、十五万円とか、二十万円とか高々三十万円とい
つたようなもので、
建築関係に約五百万円
程度のものが配当されております。
以上で大体御
説明を終りますが、要するにまあ
最後の補助金のほうも、研究所のほうの人員、殊に助手の不足乃至は経費不足を補うためにということにもなりましようし、こういうことと両方合体しまして、
建設省が必要とするところの、国が必要とする
建築関係の研究を行な
つておるというような
現状であるのであります。甚だ簡略で不十分とは存じますが、一応御
説明を申上げます。