○須藤五郎君
朝鮮の
人たちが
大韓民国の
国籍を持たないということは、これはよほど理由があるわけなんです。それをあなたのほうで一方的に
朝鮮人は皆
大韓民国の
国籍を持
つているというふうな決定の下においていろいろなことをなされば、これは非常に大きな問題にな
つて来ると思うのです。国際的にも
国内的にもいろいろ問題が起
つて来ると思うのです。その点私は心配をして申上げたのですが、
大韓民国の
国籍を持
つている
人たちは、
南鮮の若しも密
入国者があつた場合
南鮮に送り還されるのはそれは至当かもわかりませんが、そうでなしに
北鮮系の人で若しも密
入国して来たような
人たちが発見された場合、それを送還されるとするならば、当然私はその
人たちの
希望する
北鮮のほうに送還するのが、私は至当ではないかと思うのです。これは事、人の生命に関することだと思うのです。今
日本にいる
朝鮮の
人たちが非常に問題にしているのは、勿論強制送還というようなそういう人権蹂躙的なことに対しても問題にしているのでありますが、それともう
一つは、
朝鮮の
人たちが
日本から
南鮮に送り還されるということは、その人の生命を奪うことになると、生命の危険をあの
人たちが感じて非常に問題にしているわけなんですね。ですからそういうことを何ら考慮せず、若しも
日本の
政府が單独な解釈によ
つてそういう行動をとられるとなると、これはなかなかむずかしい問題が起
つて来ると思うのです。ですから私は送還に対しては勿論基本的に反対でありますが、若しも送還する場合ですね、
政府がこれをするならばその本人の
希望する土地に送還する。三十八度線以北に帰りたいというならば三十八度線以北に帰す。南に帰りたいというのなら南に帰す。而もその送還のためには
中立国の船を以て公正な
立場でそういうことがなされると、そういうふうな方向にでも
政府が行かなかつたらとんでもないことが起
つて来るのじやないかということを私は申上げておるわけなんですが、それに対して何かお考えがあるでしようか、どうでしようか。