○
衆議院議員(
福田一君) 御尤もな御
質問でございますが、これはむしろ大蔵大臣からお答えしたほうがいいかとも思いますが、私がいろいろ承わ
つたところで御
説明申上げますると、成るほど軍備の問題とかその他いろいろ民生の安定とか、或いはその他の
公共事業、或いは
産業用
資金というものがいろいろございます。そういうものも圧迫してしま
つたのでは、これは本当のいわゆる民生の安定ということにならないじやないかということになるわけでありますが、併し何と
言つても一番大事なことは、私は
国民の
所得を増加して行くような施策を
政府としてや
つて行くのでなければいけないのじやないか、かように
考えておるわけです。まあこれに関連してちよつと先ほどお話が出たのでありますが、例えばこの
特殊会社ができなか
つたということにいたしまして、現在
電力会社がや
つておる分だけの
発電計画をこのまま
政府が援助してや
つて行
つたということにいたしますと、現在でも今二割、
電気はコントロールしておる、無駄なところに使わせないことにしてや
つておるのですけれども、まだ二割足らない、ところがこれを野放しでやりますと四割くらい足りないだろうというので、とても足りないとこへまだまだ民生用も
産業用も
電気が殖えようという傾向にありますので、これを若しこういう安い
発電所をやらなければ、
電気料金は勢い高騰せざるを得ない。これはいろいろの
会社経営の分からい
つても、又ほかの物価の
関係からい
つても、又この
電気料金の値上げということが私は急上昇して来るのではないかと、こう思うのです。これを国で、国家管理をや
つておりますものならば、そこに若しマイナスが起きた場合でも今度はそれを埋めるということがありましようけれども、私
たちとしては今
電力会社が
九つにな
つておるのをもう一遍すぐに
一つにしてしまわなければいかんというふうな
考え方ではございません。こういうことは御
承知のようにいろいろ外国の
関係もありますし、それから又そんなことをやりますというと
電源の
開発自体が遅れてしまいます。今
電力会社がや
つておる分も遅れてしまうというので、却
つて不ためだというので私
たちはそれを
考えておりませんが、そのようにとにかくやらなか
つたという場合を
考えて頂きますと、これは
国民に大きな又
電力料金問題が起るということも
考えなければならない、そういうことが
一つあるわけであります。そこでこれをや
つて行く場合に、然らばほかの
産業資金を圧迫しないだろうかという御
懸念があるわけでありますが、今のところ
政府にも相当の税收におきまして自然増収が出ておることは御
承知の
通りでありまして、或る程度の
余裕金もある。併しそれは勿論いろいろな面に使わなければならないのだから、それはバランスを取
つて行くという面で見ますというと、これは確かに御説の
通り電気一辺倒といいますか、
電気増進一辺倒といいますか、大体そういうような方向に向いておることは事実でありますが、併し何を言いましても、
国民の
所得を殖やすもとになるものを
作つておかなければ、これは長い目で見ますと国家百年の大計を立てるということには相成らんのではないか、そこで国家百年の大計を立てるという
見地から見れば、三年、五年、十年の先を
見通しまして大体こういう目標に向
つて日本の
産業全体を推し進めて行くという、こういう
考え方をしなければならない。そこで三十一年には鉱工業の
生産を二倍にするとか、
国民所得もこれくらいまで上げる、こういうことにして、それではそういう鉱工業
生産をする場合に動力はどうして求めるかということになりますと、これは何と
言つても
電気を殖やすよりほか方法がないということになりますれば、そこに重点を置いて国の
資金を使
つて行くということは、これは
国民の長い目で見、又
現実の
電気料金の問題に見ても、決して私は国の金を要らないところに使
つている、こういうふうには
考えられないのでありまして、やはり一番大事なところへ重点を置いて行くということが成るほど必要だと思う。併しそれが無駄に使われるとか或いは間違
つて使われるとい
つたようなことがあ
つては勿論いけないので、そういう点は嚴重な監督も必要でありましようが、いずれにいたしましても、この今
計画いたしておりまする程度の、四年間に大体九百億足らずの金でございますが、年に分けますと二百億前後に相成るかと思うのでありますが、この金は
外資が
導入できなくても必ずやれる、又やらなければならない。又やるように
産業を起して行くという方向へ持
つて行かなければならない。それで初めて
日本の国が復興され、又民生も安定して行くのだ。こういう
考え方に立
つておるのでありまして、私
たちとしましては、
外資の
導入を何とかして先ずやるということが一番の大きな大事な仕事である。併し
外資が
導入されない場合でもこのくらいのものはや
つて行かなければならない。むしろまだまだ
電気が足りない状態である。第二期
計画、第三期
計画までやれるようならば、
日本は大いに栄えて行くわけでありまして非常に結構でありますが、併しまあ少くとも第一期
計画くらいのものは、これは当然やらなければならない、かように
考えておるわけであります。而もそれはでき得る限り
外資の
導入を先ず
考えて行く、
外資の
導入ができない場合でもこれだけは仰せのように
電気一辺倒にいたしてもやらなければいけない、かように
考えておるわけであります。