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説明員(
佐々木義武君)
提出資料に関しまして若干御
説明申上げます。「
電源開発計画の
構想」という青い一艇の本がありまして、その次に
電源開発促進法案がお手許に差上げてあると思います。それからもう
一つは「
電源開発計画要綱附表」というのがありまして、この
三つを差上げてあると思いますので、この
三つの
資料に関しまして若干御
説明を加えたいと思います。
一番初めに
電源開発計画の
構想でございますが、
只今提案理由に
提案者のほうから御
説明がありました
通りでございまして、それをもう少し具体的に述べてありますのがこの
構想でございます。従いまして
提案理由と非常に重複しておりますが、それを更に詳しく述べたものだという点を御
了承の上この
構想をお読み願いたいと思います。
内容の要点を若干御
説明申上げますと、二ページに「
計画の輪廓」というところがございまして、これが今度の
法案ができましたバツク・データの一番集約したものでございます。何と申しましても
電源の
開発という問題におきまして一番初めに必要に
なつて来る問題は、
電力の
需用の策定の問題でありまして、今後どういう性質の
電力をどの
程度どういう期間に
開発する必要があるのかというこの測定をする必要上、先ず
電力の
需用を算定するのが一番初めでございます。そこでいろいろ
考え方がございますけれども、将来伸びて行く人口の
増加並びに
生活水準をそれぞれ年間適当に
増加向上するという点を考慮しながら、且つ現在いろいろ
遊休設備がございますので、これを極力合理的にフル運転させたいという点を主として柱として選び上げまして、それから総合的に
産業構造等を勘案し、或いは
貿易等を勘案しながら策定しましたのが、将来三十一年度におきまして
日本の
経済の
規模というものは大体このくらいあ
つて欲しいものだという
希望、並びにその
程度まではどうしても伸ばして、そうして
民主主義諸国に対する御
協力等を申上げたいというので、
電力に対する
需用の想定をその面から出しまして、そうしてその結果出ましたのが四百八十億
キロワツト・アワーをどうしても三十年末までに
確保したいというふうに出たわけでございます。そこでこの四百八十億
キロワツト・アワーを
確保するために毎年どの
程度今から
電源開発に著手すべきかという問題を次に考慮いたしました。ところがそこで
一つの問題になりました点は、
火力をどうしても今の
補給電力のままで、
水主火従というアイデアで以て成るべく
火力は伸さないという方針で仮にやりましても、どうしても
補給電力の必要上
火力というものが必要でございますので、それも兼ね併せて
考えて参りますと、三十年の末くらいになりますと、どうしても
石炭の面から
火力はそれ以上伸ばせないという非常な
限界が出て参りまして、どうしてもその後のことを
考えますと、
日本の将来の
産業構造を維持するためには
火力によらざる、
ダム式の大
規模の
電力というものがどうしてもつ必要だという結論に立たざるを得ないのであります。そこで現在当面の
要求を充たすために、早く安い
電気を出すという
要求と同時に将来のことを
考えまして大きい
電力も同時に着手して、長い間大きい
電力は
建設にかかりますので、それも併行してこの際当面の
要求に応え、将来の
産業構造を維持し得るように両建の
考えで問題を進める必要があるというふうに
考えてこの
計画ができてございます。そこで
計画を第一期、第二期というふうに分けまして、第一期は二十六年度、二十七年で着手できる
地点を主として選びまして、それを第一期
計画となぞらえております。第二期
計画に関しましては二十八年度以降、従いまして今後
調査等いろいろ進めました上で、有利な
地点から、或いはどうしても総合的な見地から着手の要ある
地点を選びまして、そのときどきの
経済情勢等を勘案しながら着手して参るというのが第二期
計画に
なつてございます。第一期
計画といたしましては、三ページにありますように、四つの各
開発担当者を総合いたしますと、約四百万
キロワツト、額にいたしまして四千五百億という
資金を第一期に使いまして、第二期では約二百万
キロワツト、二千億というふうな
所要資金に
なつてございます。第二期
計画に
電力会社並びに
自家発の分が落ちておりますのは、出量がまだ十分出ておりませんので、ただ
計算の都合上抜いてありますので、その
資料が出次第もう少し検討の必要が出て来るかと思います。いずれにいたしましても取りあえず第一期の
計画に重点を置きまして、これで取りあえず当面の
電力、並びに先ほど申しましたような四、五年を考慮いたしました
火力に対する
対処方法というものを措置したい所存でございます。
こういう
計画を
実施に移す際に一番問題になります点は、
企業形態の問題と
資金の問題と、
水利権その他の
権利の
調整の
問題等が一番大きい問題でありまして、その点は五ページ以下に書いてございまするので、お読み頂きたいと思いますが、
企業形態の問題に関しましてはここでも縷々書いてございますように、又先ほども申上げましたように、
既存の各
電力会社或いは
地方公共団体或いは
自家発といつたような、従来の
開発担当者それぞれに対しましては、その分に応じましてできるだけこれを
政府でも
資金その他で応援をいたしまして、それから従来の
担当者もそれぞれ自力を出しまして、極力この
開発を進める。決して従来の
機構でやるというものに競合してやるのじやなくて、従来の
機構でやりたいものはどんどんそのまま伸ばして行く。但しどうしても従来の
開発担当者のみを以てしては
開発が不可能か、或いは
開発に非常に手間取るといつたような
地点がございまして、先ほど申しましたようにそういう点といえども今後放
つておくわけに行かないという事態に立至
つておりますので、そういう点は別途国の
資金を主としまして新らしい
機関で
開発したらどうだろうというふうに組み立てた次第でございます。なぜそれでは新らしい
機関を必要とするか、その
機関はなぜ
特殊会社でなければいけないかという
理由に関しましては、五ページの終りの(イ)から六ページの(ロ)、(ハ)に亘りまして、
特殊会社を作る
理由を、第一点といたしましては、
総合開発の
観点からいたしましても、数県に亘るような大
規模の
地点は、到底従来の一県或いは
一つの
電力会社等を以てしてはなかなか困難であるか、或いは解決が長引くという点もございますので、これは
特殊会社にすべきではなかろうか。(ロ)の点に関しましては、
資金面からいたしまして、
政府資金を
出資すると、融資の場合は利子がつきますので、
出資をしてどんどん
開発させるという場合には、どうしてもこれは普通の單なる
営利会社というわけに参りませんので、
特殊会社という
性格を帶びざるを得ないだろうという点。それから三番目は
外資等にちなみましてこういう
形態が外国の、アメリカの
投資の、いろいろな
海外投資の
形態を見ますとこういう
形態のほうがいいようだという
理由等に鑑みまして
特殊会社にする
理由を書いてございます。それから七ページの初めにそれでは
特殊会社にした場合に一社がいいのか、数社がいいのかという
議論がございますが、ここではこの
法案では一社という
建前に
なつておりますので、なぜ一社がいいかという
理由を述べてございます。それから七ページの中間にはそれでは一社の場合公社がいいのか或いは
特殊会社がいいのか、或いは
普通会社がいいのかといういろいろ
議論がございますが、
特殊会社がよろしいという点を述べてございます。
最後にそれでは今度作る一社というのは、
特殊会社というのは自発の
再現ではなかろうかという
議論がほうぼうでございましたので、それは決して
日発の
再現にならないものだという
理由を次に述べてございます。
それからもう
一つの
開発に関しまして大きい問題は
資金の問題でございまして、これに関しましては
二つの面がございまして、
一つはこういう厖大な
資金を使う、
長期に亘
つて使用する場合にはインフレを誘発しないだろうかという点と、それから
資金を如何に
長期に
確保して行くのかという
二つの面が大きい問題が出て参ります。その
二つの問題に対しまして
提案者側並びに
政府といたしましては、こういうような
考えでおるということを次に謳
つてございます。ちなみに二十七年度、今年度の
計画といたしまして、これは皆さん御承知のように本年度の予算にも載
つておりまして、
政府資金といたしましては一応御承認を願いました
数字でございまするが、
民間企業、特に
電気事業者等の
自己調達資金等に関しましても大体これくらいは可能であろう、又可能であり得るごとく
政府で何とか側面的な援助を與えながらこれを可能にさせたいという
希望も織り交ぜながら、二十七年度の
電源開発の
所要資金というものを計上してございますが、この分に関しましては今申上げましたように、
政府の
資金に関しましては見返
資金と言わず、或いは
一般会計からの
出資と言わず、或いは
公共事業費、
地方債、
預金部資金からの
地方債、或いは
開発銀行等一それぞれ予定といたしましては
計算済の
数字でございます。
最後の点は
水利権、その他の
権利の
調整問題でございまして、これが実際の
開発上、早急にやる場合に至りまして一番複雑な問題に
なつて来るわけでございますが、
本案では
既存の
法規は、例えば
河川法その他の
既存の
法規は成るべく改正しないで、若し改正する要があるときは改正すべきでありますけれども、
本案によ
つて既存の
法規を改正するという
考えを成るべくとらないで、
既存の
法規をそのままにして置いても、円満にこういう
権利の
調整その他ができますようにという
趣旨で、主として行政的な操作によ
つて問題をスムースに解決しよう、
話合いで問題を解決して行こうという
建前から、
経済安定本部に
電源開発調整審議会というものをおきまして、これでそうした各省間或いは
地方におきまするいろいろな
権利等に絡む諸問題を解決したいというふうに
考えてございます。これが大体
構想でありまして、そういう
構想に則りまして次に
電源開発促進法案というものができてございます。
電源開発促進法案は御覧のように三章に亘
つておりまして、三章のあとに相当長い
附則が附いてございます。第一章は
総則でありまして、これの主たる点は第三條、第四
條等でいろいろな
基本計画或いは基本的な諸問題の
調整等に関しましてどういうふうな行政的な
促進方法をとるか、
電源開発に対して
政府ではどういうふうな
促進を今後と
つて行くのかというような、
機構的な、権限的な豊田を
はつきりさせてございます。それから第五條では、これは全般の
担当者に該当するのでありまするが、
資金を
確保するために
政府は一応の
義務を負う、
確保に努力しなければならないというふうに、これは
立法條項ではないのでありまして、一種の
制限規定ではございまするが、こういう
規定を掲げまして、
政府の
義務と申しますか、意思を
はつきりさせたわけでございます。次は
費用の負担、
共同費用の振り分けの問題を掲げてございます。これが全般的な
総則でございます。
第二章では
電源開発調整審議議会の
規定を設けまして、第一章の三條、四條を受けまして、
電源の
開発に伴う諸問題をこの
審議会で、さつき申しましたように
話合いで行政的に処置しながら、円満に早く問題をどんどん進めて行きたいという
趣旨を謳
つてございます。
第三章では
電源開発株式会社、先ほど申しました
株式会社の
目的或いは
性格、或いはその
監督事項等に関しまして、業務の
内容等に関しまして掲げてございます。
十九ページ以降の
附則に参りまして、非常にこの
法案は
附則が多岐に亙
つておりまして、二十一項に亙る非常に珍らしい法律でございまするが、何と申しましてもこの
電源の問題は非常に各方面に関連する
事項が多うございまするので、その関連する
法規の
改廃等、或いは
例外等を設ける要がございますので、自然この
附則の
條文が多く
なつたような次第でございます。後日各
條審議等ございます際に十分御
審議頂きたいと思います。
法案は以上のような仕組に
なつております。
電源開発要綱附表のほうを御
説明申上げます。第一表は、
企業形態別の
出力増加の
総括表でございまして、これを御覧願いますと、第一期、第二期に分
つて電力会社、
公営事業或いは
自家発或いは
特殊会社等が
水火力等でどういうふうに逐年
出力を
増加して行くだろうかということがよくおわかりだと思います。それから第二表は、
企業形態別所要資金の総
指表でありまして今申しましたような
出力を増すためにどんどん
設計事業をや
つて行くわけでありますが、それに所要する
資金はどういうふうになるだろうかという点が第二表でございます。第二表でちよつと御注意頂きたいのは、総
所要資金というのと
最後の欄、二十六年度以降計というのと両方ありまして、両方の
数字が違
つてございますが、総
所要資金のほうには二十六年度以前から注入しておる分が含まれてございますので、その
数字が違うことに
なつておりますので、その点御
了承をお願いしたいと思います。第三表は、
電源開発の
資金の
需給見込でございまして、毎年どういうふうに調達し、それが区分、
民間資金からどういうふうに調達し、
政府資金としてはどういう
リソースから調達するのかという点を第三表で出してございます。その次の四ページでございますが、そのほうは、今度は各
担当者がそれぞれどういうふうな
リソースで
資金を調達するのだという内訳を書いてございます。
最後の表は
資金の面から離れまして、
キロワツト・アワーとしてどの
程度逐年
増加して行くかという点を、
水火力等に分けまして
担当者別に計上してございまして、これによりますと先ほど申しましたように、三十一年には四百八十億
キロワツト・アワーを出しまして、供給いたしまして、その当時想定します
産業構造なり或いは民生の
所要電力というものを
確保したいと、こういうふうに
計画してございます。
なおこのほかに
衆議院のほうでは
所要資材等の
計画を出してもらいたいというので、これも作
つてございますが、今日はちよつと出すのが遅れましたので、この次の御
審議の機会でもかりまして、
資材の表も配付申上げたいと思
つております。
簡單でございますが、
配付資料に関しましての御
説明を終ります。