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1952-06-07 第13回国会 参議院 経済安定・建設連合委員会 第5号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十七年六月七日(土曜日)    午前十時五十七分開会   —————————————  出席者は左の通り。   経済安定委員会    理事            郡  祐一君    委員           大野木秀次郎君            古池 信三君            奥 むめお君            杉山 昌作君   建設委員    理事            赤木 正雄君            田中  一君    委員            島津 忠彦君            深水 六郎君            徳川 宗敬君            前田  穰君            三輪 貞治君            東   隆君   国務大臣    国 務 大 臣 周東 英雄君   政府委員    経済安定本部建    設交通局長   小沢久太郎君   事務局側    常任委員会専門    員       桑野  仁君    常任委員会専門    員       渡邊 一郎君    常任委員会専門    員       武井  篤君    常任委員会専門    員       菊地 璋三君   説明員    建設省管理局企    画課長     落合 林吉君    国土総合開発事    務所副主幹   奥田  亨君   —————————————   本日の会議に付した事件 ○国土総合開発法の一部を改正する法  律案内閣提出衆議院送付)   —————————————
  2. 郡祐一

    委員長代理郡祐一君) 只今から、第五回経済安定、建設連合委員会を開きます。国土総合開発法の一部を改正する法律案について前回に引続いて質疑をお願いいたします。只今出席しておる政府委員経済安定本部小津建設交通局長であります。
  3. 赤木正雄

    赤木正雄君 国土総合開発問題は、これは何と申しましても技術が主眼的に行かなければなりませんが、その点で特定地区十九地区選定されましたが、政治部面を全然抜きにいたしまして、純技術的な観念からいたしますならば十九のうちからすべての点を総合してその施行順位をお示し願いたいと思います。
  4. 小沢久太郎

    政府委員小沢久太郎君) この十九地区区を指定いたしまして、その指定に従いまして地方から計画が出て参ります。その出て参りましたものを審議して指定したいと思います。それから順位がきまりまして……今のところは指定しただけの段階でございます。
  5. 赤木正雄

    赤木正雄君 それは非常にあいまいなお話で、指定なさるからにはあらゆる技術的の観点から総合されて指定されたはずです。だからそこに必ず施行の順化があるべきはずだと思います。同じように府県から画したものをこれを指定した。それでは一向私は意味がない。それならばなぜ五十地区選定なさらんか。そういう点がある。ですから技術点観点から十九地区を……、政治部面とかいろいろな面を抜きにして、技術的な観点からどういうふうにやるべきか、これは必ず私は純技術的から言つて順位がある、若しもそれがないならば誠に雑駁な指定で何らの技術根拠がない、こういうふうに判断するよりほかに方法がない。
  6. 小沢久太郎

    政府委員小沢久太郎君) 一応指定いたします前には、現在集められる資料を成るべく集めまして、現在の段階におきましてはできるだけ正確に資料を集めましてやつておる次第であります。併しこれを実際に施行するという段階になりますと、これより又正確に調査もいたさなければいかんし、それから計画もいたさなければいけませんので、そのときに施行順序がきまるという段階であります。
  7. 赤木正雄

    赤木正雄君 これは現在の判定の範囲で、現在あなたの手許にわかつている範囲で必ず施行順位があるのであります。これ以上先のことは別といたしまして、現在なくてはならんはずだと思います。それがないならば何のために技術があるかわからない、それで今までの範囲を、施行的な順位技術的な判断からお示し願いたい。
  8. 小沢久太郎

    政府委員小沢久太郎君) 施行順序としましても、いろいろ特別地区の持つている資源ポテンシャルとか、それから今後開発したらどういうふうになるかというようなことを主眼として特定地域をきめましたので、その具体的にどこをどうする、或いはどういう基礎でどうするということまではまだ行つておりません。
  9. 赤木正雄

    赤木正雄君 ますます政府答弁はわからない。各経済的のポテンシャルとかその結果がどういうふうに結果に出得るか……。今まであるものについての順位があるべきだ。今まであるものについての順位を私は聞いている。
  10. 小沢久太郎

    政府委員小沢久太郎君) 順位と言いますのは、各特定地区順位のことと思いますけれども、それにつきましては計画を見てからでないとつけられませんので、つけてございませんです。
  11. 赤木正雄

    赤木正雄君 では計画も何もなしに、ただ特定地区を御指定なつたのですか。
  12. 小沢久太郎

    政府委員小沢久太郎君) この特定地区をきめます際には、各府県から一応の計画は勿論取つてございます。それによりましてきめるまでのデータしか取つてございませんから、きめてから先は、只今赤木さんのおつしやいました工事施行順位というようなことは、これから各府県で案を作りまして、それからこちらできめるということでございます。
  13. 赤木正雄

    赤木正雄君 では、ますますおかしい。では、折角今まで来ておる府県調査か何か知りませんが、そのあなたのお手許に来ている調査に基いてなしたもので、どれほどの利益がすべてを総合して挙るか、そういうことも何もお考えにならないのですか。仮にここに十地区あるならば、あらゆる部面総合して、経済的効果であるとか、或いは水害に対する対策とか、そういうものを考えた上で、私は特定地区を決定されていると思います。その決定された地元において、先ほど申した通り、政治的の部面とか、何かを除いてしまつても、單に技術的な部面でもなければ不都合なんです。若しもそれがないならば百でも二百でも皆特定地区に入るのです。
  14. 小沢久太郎

    政府委員小沢久太郎君) それは特定地区をきめます前には、でたらめにきめたのじやございませんで、防災の問題とか、或いは電源開発の問題とか、或いは森林の問題とか、いうようなものを研究いたしまして、そういうものを総合いたしまして、取るものは取る、それから落すものは落すということになつております。
  15. 赤木正雄

    赤木正雄君 それでありますから、水害が仮に利根川にあるならば、利根川水害を先ず以て防げば、国家利益がある、或いは只見川電源開発をすれば国家利益がある、そういうものを総合しての順序があるべきはずなんです。それがなくて特定地区順位なんかきまるはずはない。少くとも十九地区選定することはではない。それを聞いているのです。
  16. 落合林吉

    説明員落合林吉君) 特定地域選定いたします際の概要を一つ説明いたします。  特定地域只今お話のございましたように、五十数地域のうちから十九の地域が選ばれたのでございます。これの選定に関しましては、国土総合開発審議会におきまして、特定地域選定基準ということで、選定をします基準を定められたのでございます。これに基きまして選定をしたのでございますが、これの大きな目標としましては経済自立達成上に必要な、動力とか、食糧、原材料を確保するのに最もいい内容を持つている地域であるということ、それから国土保全観点から、どうしても重点的に取上げなければいかん地域、こういうふうなものから選定になりまして、五十一の地域から、これらの目的を達成するのに最も優れた内容を持つておる地点をきめたのでございます。  それからもう一つ附加えて申上げますが、五十一地域のうちから選んだのでございまして、法律の建前から府県の同意を得ませんと特定地域指定ができませんので、同じような内容を持つておる他の地域におきましても、府県から調査が完了しまして、特定地域指定をいたしますのに必要な資料提出がなかつたところは、まだ指定になつていないということでございます。
  17. 赤木正雄

    赤木正雄君 府県から要請しないところは特定地域に入つていない。そういうことになりますと、今十九地域選定されていますが、それ以外にもつと重要な地区があるかもわからない。そういう関係もありますからして、今の十九地区選定されたのは、実に空空漠々たるもので、何らよるところがない。こういうように判断していいのですか。
  18. 落合林吉

    説明員落合林吉君) 昨年の十二月に指定になりました部分は、五十一地域調査の済んでおる中から、只今申上げましたような基準に副うて優れたものを選んだのでございまして、続いてその後も各県ではそれと同等の内容を持つておりますところを調査しております。なおそのうちから、やはり昨年の十二月に、政府におきまして閣議の了解事項としまして、八地域を更に調査地域として調査をいたしておるというふうな状態であります。
  19. 赤木正雄

    赤木正雄君 さつき局長の御答弁といい、又今の説明員の御答弁といい、私はますますわからなくなつてしまいます。そういうふうな技術的の根拠を持つて出しておられるものなら、くれぐれも言う通りにそういうふうな先ほど申した十九地区というものは一体どれほどの利益があるか。これもますます煎じ詰めると府県から出したものまでも疑問そのものになつてしまう。あなたがたは技術者としてどれだけの信念を持つてそれをなすつたのか。私は技術的な信念を伺いたい。誠に何をされていたのかわからなくなつてしまう。少くとも先ほどくれぐれも言う通りに、あらゆる部面から総合いたしまして十九地区選定され、更に十九地区の中で先ほど言う通り政治方面なんかを度外視して、ただ技術的な観点から今まで出た調査においてのみでも一、二の順位があるはずだと私は思う。それがなければ何のことだかわからない。これについての確たる答弁を伺いたい。
  20. 小沢久太郎

    政府委員小沢久太郎君) これは赤木先生のほうに資料を差上げてあることと思つておりますが、農林関係とか、それから防災関係、それからいろいろの関係から順位をきめましてそれを総合いたしましてきめたのでありまして、これを一番、二番というふうに具体的にはきめることはできませんが、大体五十一地区の中から十九地区選定できるというような順位はつくのでございますが、それによつてきめたというわけでございます。
  21. 赤木正雄

    赤木正雄君 今局長お話通りにその書類は私は持つております。その書類を持つておりますからその書類に基いて、或いはその書類を見ますと農業関係もあります、或いは鉱物資源関係もあります、或いは水力電気電源関係もあります、皆私は知つております。それを総合的のほうでは阿仁地区はどういう観点から日本経済のためにするのだ、その意味只見川地区は第一位か、或いは阿仁地区が第一位か、或いは利根川地区が第一位か、こういうことが少くとも十九地区ではわかつておるはずです。わかつていなければ何をされたかわからない。それを聞くのです。
  22. 小沢久太郎

    政府委員小沢久太郎君) この前我我の作業をいたしましたのは結局五十一地区の中から資格のあるものを幾つ取るかということでございまして、その中で順位という先ほどからの赤木さんのお話でございますが、我々としましては十地区を取るか取らんかということからやつたのでございまして、十地区の中でどれが一位でどれが二位かというそこまでのことは今後の間順に帰着すると思います。
  23. 赤木正雄

    赤木正雄君 幾ら繰返しても同じなんです。非常に今十九地区選定されておりますが、この地区についてはどれが第一になるとか、第二になるとか、そういうふうな調査は全然わかつておらない。従つてあとの五十地区につきましても又その他の地区につきましても、全然それらの調査がないと、こういうふうに解釈して差支えありませんか。
  24. 小沢久太郎

    政府委員小沢久太郎君) それを取る資格があるかないかというくらいのデータはございますが、先ほど赤木さんの仰せられた施行順序をどうとか、或いはどこを最初にするとかいうことまではわかつておりません。
  25. 赤木正雄

    赤木正雄君 さつき説明員の御説明ではまだ今後私たちの要請によつて編入するものがあるというふうなことで、又先ほど局長お話では調査というものは順位が何だか漠たるものであります。でありますからして、今後入つて来るものが経済的価値から考えまして第一になるとか、そういうことも全然わからないと、そういうふうに解釈していいですか。
  26. 落合林吉

    説明員落合林吉君) 特定地域選定します際は少くも日本自立経済を達成するために必要な資材がどの地域にはどのくらい、どの地域にはどういうものがどのくらいあるというふうな分量はわかつております。これは分量を直ちに順位にする場合には、例えば水力資源ならばどこが一番ということがわかります。農業資源はどこが一番あるかということもあります。併しそれらは国の方針によりまして何から先に手を着けるか、例えば国土保全を最も必要とする所と言えば十九の地区の中から利根川と北上川が災害の点では一番大きい。それから水力電気のほうから行きますと只見川とか、或いは吉野川、熊野川というような地域が参りましようが、全体から見まして、総合してどの地域が一番緊急に開発しなければいかんかという順序の今計画を作成中でありますので、その計画ができましたならば、その中から経済効果の一番挙るものから開発して行くということになりますので、その際にはどこの地域の何を一番先に取上げるべきかということがだんだんきまつて参るのじやないかと思いますが、現在ではポテンシヤルの一番大きい所、そうして総合的に開発しなければ効果が挙らない所、そういう地域から五十一の地域を選びまして、そうしてその開発の方式、計画調査しておるのでございます。それの計画書がやがて総理大臣宛まで報告された曉にその内容を検討すれば、どこから手を着けるほうが一番経済的に効果が挙るかという順序がおのずからきまつて参ると存じます。
  27. 郡祐一

    委員長代理郡祐一君) 赤木君に申上げますが、周東長官が見えておりますので、周東長官先ほどの御質問があれば……。
  28. 赤木正雄

    赤木正雄君 周東長官には聞いて頂けば結構です。  そういたしますと、ポテンシャル関係なんかから言つて、まだ総合開発地域全体について私が先ほどから申す通りに、第一、第二という、これはすべての部門を通じまして、順番があるはずと思います。併し局長はそういう順番をまだつけていない、又今の説明員は何だかそこまで行つたような御説明でありますが、今の説明にそこに非常に私は食い違いがあると思います。  もう一つは、今説明員は全体の総合開発全体についての万事利益経済その他から考えてやるべきだ、それは尤もそうあるべきで、それについて局長は全然順位がない、併しあなたのほうでは何だかそれについて順位をつけているようなお話でありますが、どうなんですか。
  29. 落合林吉

    説明員落合林吉君) 私が只今申上げましたのはポテンシヤル内容、持つておる大きさというふうな分量というようなものは全部明確になつておるのでございます。それではどこを先に開発すればいいかということは、今後開発計画が決定しまして、そうしてその中から経済効果の挙るもの、それから国の要望しておるつ資源が得られるもの、そういう順序から検討されておると思います。只今申上げましたのはポテンシヤル内容を申上げたのであります。
  30. 赤木正雄

    赤木正雄君 ポテンシャル内容調査されるのに今まで何カ月かかつたのですか。
  31. 落合林吉

    説明員落合林吉君) 十九地域の中の十二地域昭和二十二年頃から調査をした内容を持つております。それからその他の七地域も二十四年或いは二十五年の当初から調査をいたしましたのでございます。それから総合開発関係調査でございますが、その地域の申の主要な事業につきましてはそれぞれ農林とか建設とか各省の所掌事項を通じて相当な調査が前から進められております。
  32. 赤木正雄

    赤木正雄君 ポテンシヤル調査の古いやつは二十二年からかかつておるということでございますならば、一つ総合しての経済価値、それを各十九地域について一、二をきめるとなるとなかなか私は容易なことじやなかろうかと思います。これは一体いつ頃までかかつたらできるお見込なんですか。
  33. 落合林吉

    説明員落合林吉君) 御承知のように、十九地区のうちの、例えば抽象的に順位をきめるということになりますと、只今赤木さんが申されましたように、なかなかむずかしい。それは簡單に十九地区順位をきめるということをお考になるとなかなかむずかしいと思われます。経済効果によりまして、或いは電源が一になり、或いは治水が大事な所は治水を第一にやるということできめて行きたい。これはできるのではないか、そういうふうに思つておりますので、十九地区全体としましては、どこが一とか二とかということよりも、具体的の例で何が一、何が二というふうにきめようと実は思つている次第でございます。
  34. 赤木正雄

    赤木正雄君 だんだんわかつて来ました。そういたしましたら、十九地区で或いは電源開発地区なら電源開発について仕事をやる、或いは災害地区なら利根川のごとき水利を先ずやる、そういうふうなお考えなんですか。
  35. 小沢久太郎

    政府委員小沢久太郎君) 只今赤木さんの申されましたようなふうに、結局その防災として一番大事な所は例えば利根川なら利根川防災を第一とすれば防災をやる。ほかの地区電源を第一とすれば電源が第一になるようなわけでありまして、地域の含んでいる要素によりまして、或る所は一になり、二になるというふうな考え方をしておる次第でございます。
  36. 赤木正雄

    赤木正雄君 そういう方針施行する場合、例えて申しますと、利根川流域電源があるかないか知れませんが、仮に電源があるとする場合におきましては、治水重点を置いて、電源のほうの仕事は先ずあとにするとか、こういうふうになるのですか。
  37. 小沢久太郎

    政府委員小沢久太郎君) 治水が主でありまして、電源あとにするというような考えでございませんので、治水電源一緒にして考えるということを考えている次第でございます。
  38. 赤木正雄

    赤木正雄君 治水電源考えるならば、一方は災害に備える、無論その電源の一部を、それが防災洪水調整意味で作りまして水害に備えることはできますけれども電源プロパーで行くなら目的は違います。そういたしますと、やはり一つ地域におきまして、主としては水害を、利根川電源を加味する、農業用水も加味する、いわゆる総合的に行くべきだと思いますが、どうなんですか。
  39. 小沢久太郎

    政府委員小沢久太郎君) 例えば只見川地区といたしましては電源が主になつている。これは申上げるまでもないのでございますが、利根川みたいな所は治水が主になると思いますが、それでは治水が主になるといたしましても、上にダムを作る、防災のためにダムを作るとすれば、それによつて電源開発をするというようなことで、やはり一緒にならなければいけない。併し飽くまでも主目的治水であるということが言えるのであります。特定地区に関しまして開発目標というものをきめまして、それによつてつて頂くということにしてあるのでございます。
  40. 赤木正雄

    赤木正雄君 では、各特定地区につきまして、或いは森林開発する所は主に林道を作るとか、そういうこともありましようが、そうしてその他の仕事は従属ということになりますから、その他の仕事に対しても一々今安定本部でずつと計画をして、安定本部の資金に基いて仕事をする、こういうことなのですか、どうなんですか。
  41. 小沢久太郎

    政府委員小沢久太郎君) その他の点につきまして従属的になるというお考えでございますけれども、そのほかの計画は結局全国的の視野におきましてプライオリテイをきめるというふうにして個所がきまるということでございます。
  42. 赤木正雄

    赤木正雄君 全地域についてきめるというのならば、先ほど申す通りに、十九地区においても順位がきまるはずだと思うのです。水力電気なら水力電気を起すのが、これは日本国家経済で一番大事なら、先ず利根川治水よりも只見川水力熊野川水力、こういうふうに考えるのです。或いは利根川治水が重要な問題と考えるのですが、できそうなものですが、これはもう少しざつくばらんに話して頂きたい。
  43. 郡祐一

    委員長代理郡祐一君) ざつくばらんに小澤君のほうから御説明を願いたいと思います。
  44. 落合林吉

    説明員落合林吉君) 只今赤木さんが申されましたように、例えば電源開発が大事ならば治水をやめても電源開発をやれとか、反対の場合があるわけでございますが、そういうふうに実は我々は考えてするわけに行かないのでありまして、治水も大事、電源開発も大事なのであります。それならば利根川治水をやればいいじやないかということもできませんので、電源開発が、一番大事なのは電源開発なのでありまして、時間はかかりますが、それではどうかというと、法案はやらんわけに行かんというようなことでございまして、時間は或る程度かかりますけれども、やはり全然やらないというわけに行かないというところに我々の苦心があるわけでございます。
  45. 赤木正雄

    赤木正雄君 特定地域におきまして、仮に林道がある、これは大した大きなものでない、そういう林道があつても、やはり特定地域に入つているために、その林道開発についてはやはり経済安定本部指揮によつて仕事をする。こういうことなんですか。
  46. 小沢久太郎

    政府委員小沢久太郎君) 例えば林道といたしましてその地区から見まして是非必要だということになりますれば、それにやはり重点を置いてやるということでございます。
  47. 赤木正雄

    赤木正雄君 私の質問がちよつとまずかつたか知りませんが、今言つたように、特定地区林道は主たるものでない、併し特定地域内に入つているために、その林道をする場合にやはり経済安定本部指揮によつてする、こういうことなんですか。
  48. 小沢久太郎

    政府委員小沢久太郎君) 私の御答弁が的を外れているかもわかりませんが、実は特定地区の中で林道の話が出ましたから申上げますが、例えば林道とか、府県道がある、それで林道森林開発するために是非やらなければならないところがそれに並行いたしまするところの府県道は非常に全国的のプライオリテイが違う。そうしますと、林道をやつて府県道ができないという場合に、全体の地域別効果が薄らぐというので、そういう場合には全国的のプライオリテイでも府県道をやるというふうに、地域的の総合性を果すということを考えている次第でございます。これは結論におきまして全国的にそういうふうに将来は扱われますと思うのでございますけれども、現在の場合におきましては、特定地域にいたしまして、そういうふうに地域的の総合重点的にやつているというふうなことでございます。
  49. 赤木正雄

    赤木正雄君 特定地域に十九地区が……これは日本の全面積の約三〇%を占めているように私は思つております。まあ先ほどお話によりますと、今後も特定地域にだんだん入る見込がある。そういうふうになつて来ますと、殆んど場合によつて日本の全面積特定地域に入つてしまう、こういうことも考え得るのであります。従つて国土総合開発に関しては、やはり経済安定本部指揮に従うということになつていますが、今私の言つた理論で推して行きますと、つまり日本のあらゆる事業が、公共事業に関しては全部安定本部指揮で行く、こういうふうに考えられます。それはどうなんですか。
  50. 小沢久太郎

    政府委員小沢久太郎君) 私ども考えておりますことは、作りました計画に科学的の要素が入る、そうしてその計画が予算に反映するというふうに私どもはやるべきじやないかという考えを持つている次第でございます。
  51. 赤木正雄

    赤木正雄君 いや、私の申しますのは言い方が悪いかも知れませんが、そうすると全部さつきの推量で行くと、或いは日本全部が特定地域になり得ることも考えられるのです。従つてそういう日本全体の公共土木事業でもいいのですが、全部今までと同じような安定本部計画に基いて行く、こういうつふうになるのですか。
  52. 小沢久太郎

    政府委員小沢久太郎君) 日本全部が特定地域になるということは、我々は考えられないと思うわけでございますけれども国土開発関係のある計画安定本部で作る、そうしてその計画従つて仕事が遂行できるということが私は一番望ましいのじやないか、そういうふうに考えております。
  53. 赤木正雄

    赤木正雄君 私は先ほど説明員に言つた通りにまだ七つ或いは八つの地区特定地域に入る、そういうことでだんだん推して行きますと、地方といたしましては、特定地域に入れてほしいという要望がたくさんある。そういう関係でだんだん特定地が殖えるという可能性がある。そういう結果といたしまして、やはり公共事業の大部分は、今まで通り安定本部の認証は今後要らないかも知れませんが、安定本部の下において計画されて、それによつて仕事をする、こうなるのですか。
  54. 小沢久太郎

    政府委員小沢久太郎君) その細かい、どういうふうにするかという具体的な問題は、今後各省で打合せをすると思うのでございますけれども、我々といたしましては、計画したことがその実現とマツチするというような態勢をとるのが一番いいのではないか、そういうふうに考えておる次第であります。
  55. 赤木正雄

    赤木正雄君 観点を変えまして、十九地区順序はわからんとおつしやいますが、十九地区順序が一、二、三、四、五とわかつた場合に、それをあなたのほうとしては、全部一、二順序があつて仕事をなさるお考えでありますか。或いは先ず一の地区開発して、それから順を追うて第二、第三に及ぼす考えですか。どうなんですか。
  56. 小沢久太郎

    政府委員小沢久太郎君) 先ほどもちよつと申上げたかと思いますが、十九地区のうち、これがで、これが二ということは、私はまあ無理ではないかと思うのでございまして、例えば十九地区の中でも、この仕事は一である、ほかの地区では違う仕事が一であるということもあると思いまして、そういう業種別に大事な所からやつて行くというふうに私はすべきじやないかと思います。例えば赤木さんがおつしやいましたように、一地区をやる、それが済んだら二地区をやるというふうには、実は我々考えておらないのであります。
  57. 赤木正雄

    赤木正雄君 そういたしますと、電源開発のために只見川仕事をする、或いは又熊野川仕事をする、一方では淀川の地点でも仕事をする、利根川の地点でも、木曾川でも仕事をする、そういうようなその地区々々において重要な仕事から仕事をする、従つて十九地区は同時にいろいろな部面仕事をされるのかもわかりませんが、そういうお考えなんですか。
  58. 小沢久太郎

    政府委員小沢久太郎君) 十九地区只今申上げましたような仕事を、赤木さんが仰せられたようにするわけでありますが、それでは十九地区の中に何でもかんでもやつてしまうというわけではありませんで、やはりほかの地区仕事もしなければならんし、十九地区の中の大事な所からやる、むしろ十九地区の中のお互い関連性のあるところを落さないでやるというようにやる、実はそういうふうに考えておる次第でございます。
  59. 赤木正雄

    赤木正雄君 日本経済考えてなさると言いますが、今までの公共事業と将来の日本経済によつて無論違いますが、十九地区重点的にやつてその代りあとに残つた七〇%の日本の土地に対する公共事業の分け方が少くなる、こういうふうなことも大体考え得られますが、それはどうでしようか。
  60. 小沢久太郎

    政府委員小沢久太郎君) 十九地区だけに重点を注ぎまして、あとの七〇%を余りやらないというような実は考えではありませんで、やはり日本全国的に見まして、勿論大事な所はやらなければいけないのでございます。ただ十九地区につきましては、先ほど申しましたように、いろいろ各セクトセクトにアンバランスがあるでございます。例えば林道は是非必要だ、併し県道は要らない、それがために効果を果せないというところは、道路を或る程度順序を変えてもやつてもらうというようなこと、それから灌漑の問題がありまして、灌漑水にいたしましても、河川改修をやらなければならん、ところが実際問題は両方別々にやつておりますから、両方の考え方がマツチしない場合に違つて来る、そういうような所はマツチするように考えるというふうにいたしまして、少い金で効果を挙げるようにしたいということでございます。勿論これは全国的にそういうふうにしなければならないわけでございますけれども、一応特定地域をとりまして、そういうようにやつて行きたいと思つておる次第でございます。
  61. 赤木正雄

    赤木正雄君 それならば、今までやつていたことと何も変りないじやありませんか。やはり金があれば只見川開発もやるし、金があれは利根川開発の工事もやるし、あなたのほうでたくさん金をかけて、馬鹿々々しい調査費をかけて何をしておられるか、どこが違うのですか、今までと……。
  62. 小沢久太郎

    政府委員小沢久太郎君) 実はこれまでと同じことではないかという赤木さんのお話でございますが、実は我々といたしましては、これまでのやつでは科学的の調査が不十分であつたというわけで、それをもつと調査いたしまして科学的にやる、そうして少い金で効果を果すというふうに実は考えておる次第でございます。
  63. 赤木正雄

    赤木正雄君 安定本部で過去、終戰後今まで公共事業が按分されていた場合に、やはりそういうふうな科学的に基いて事業を按分しようという気持を持つておられたか、無論これは私は各省の仕事をずつとあなたのほうで見ておいて、確認制度も非常に複雑なことをされておりましたから、そういう気持でやつておつたつと私は思いますが、もう一度、今までどういう態度で以て公共事業を按分されていたか、それをお尋ねしたいと思います。
  64. 小沢久太郎

    政府委員小沢久太郎君) その公共事業の配分につきましては、只今申上げましたように、科学的に配分いたしまして、最高度の経済効果を果すというようなつもりでやつております。ところがその資料といたしましては、現在集まつておる資料は全部集めましたが、実はまだ完全なものになつていないわけであります。それがために、あとで見ればロスがあるということ、併しそのときにはベストである、それ以外に方法がない、これを如何によくするかということの考え方がある次第であります。
  65. 赤木正雄

    赤木正雄君 私は過去の安定本部公共事業の按分の仕方がよかつたか悪かつたか、これは非常に検討の余地がある。安定本部でなく、大蔵省だけでやつたほうが却つてよかつたのじやないかと、こう考えております。安定本部が各省の出先機関で、それがお互いに自分の力でいろいろ予算をぶんどり合つて、而も公正な予算の判定がない、こういうふうに考えられる節が事実においてたくさんあるのであります。併しこれは済んだことでありますから言いませんが、従つて十九地区に対しても、私は今後非常に変な問題が起きたら困る、のみならず今言うように、十九地区重点的に仕事をされておる。而も十九地区のうち、今以て、日本経済からどの仕事を第一にやつて行くか、これまで数年間かかつていながら何らおきめにならない。こういうふうな情勢で何の国土総合開発であるか。TVAの問題につきましても、十数年間かかつてあそこの渓谷を作つて、いろいろ溪谷ができたら仕事は非常に早く短年間でやりました。同様大きな仕事にしても、その他の大きな仕事にしても、いわゆる調査には本当に数年かかつて綿密な調査をやつた。今あなたのほうでは十九地区は総括的に各資料府県から出たからそれによつておるのたとおつしやいましたが、それは今までの年限でそう詳しい調査ができるはずがない。これは認めています。認めていますから、なさるならもつと真劍に、どの地区をやることが、日本経済から見て、あらゆる方面から見て一番いいかを検討されて、それを或いは政治部面順位を逆にするなら、政治は別として、とにかく技術的な観点から言えば、はつきりした順序があるべきはずだと思います。そういう信念を以て今後仕事をなさる方針かどうかを承わりたい。
  66. 小沢久太郎

    政府委員小沢久太郎君) 私ども考え方は、只今赤木さんが仰せられたと全く同じことであります。そういうふうにして我々は科学的根拠を持つた計画を作つて行きたい、そういうように考えておる次第であります。
  67. 赤木正雄

    赤木正雄君 なおもう一遍重ねて伺いますが、説明員お話では、七、八地区は今後入つて来る。一つの例を申上げますと、私はこの前も数回質問したのであります。只今の琵琶湖の総合開発、琵琶湖の水力資源開発のときには、非常に工費が安くて、而もその効果は大きいのであります。それが地方から出していないために十九地区に取上げていない。これはもう非常に不思議なことです。そういう事実がたくさんありますからして、今の十九地区というものは私は信用できないのだ、本当を言うと……。あなたがたは十九地区をどういうふうにしておられるか知りませんが、併しそういう観点から次から次に新らしい地区が編入されて、そういう地区に対しては、一々今までの公共事業費を分配されておつたと同じような処理をされたら非常に迷惑である。又もう一つ聞きたいことがある。仮に十九地区をきめまして、そのうちの事業計画もきまつた場合に、仮に十九地区のうちの一、二、三、四ときまつてあとの十五地区についてはまだ仕事をしない、そういう場合におきましても、やはりその残つた十五地区に対する仕事に対しては、あなたのほうでやはり検討なさるものかどうか、これを聞きたい。
  68. 小沢久太郎

    政府委員小沢久太郎君) 一応指定いたしました地区につきまして、各府県から計画を作つて参ります。その作つて参りましたものを審議会にかけ、或いは閣議できめて頂くというふうにして計画がきまるわけでございまして、各県から出て来ない間はやはり審議会にもかけられませんし、又閣議にもかけられませんので、出て来たものにつきましてはそういうことであります。
  69. 赤木正雄

    赤木正雄君 その審議会にかけても、十九地区選定されてきまつて来るその十九地区につきましては、仮にそのうちの利根川地区或いは熊野川地区においては、それぞれ実際予算をつけて仕事をしておる場合に、後の十七地区地区には入つてあるがまだ仕事はしていない、予算の計画もないという場合にも、その十七地区については一本の事業について一々あなたのほうで検討なさるかどうかを聞きたい。
  70. 小沢久太郎

    政府委員小沢久太郎君) 特定地区としての扱いにつきましては計画が確定したものについてのみやるのでございます。
  71. 赤木正雄

    赤木正雄君 もう少しその点がはつきりしないのですが、もう一遍伺いますが、あなたのほうで予算も何も持たないで、ただ十九地区のうちの二地区だけ予算を持つており、後の十七地区は予算がない、予算がない地区に対してもすべての仕事を一々あなたのほうの認証と言いますか、あなたのほうで許しを得なければ仕事ができない、こうなんですか。
  72. 小沢久太郎

    政府委員小沢久太郎君) 今予算のない地区と仰せられましたが、先ど申上げますように、指定いたしまして各府県計画を作り、その作つたものを今度は審議いたしまして、その計画が閣議決定いたしましてから予算のいろいろな段階に入るわけでありますから、特定地区といたしましては、きまるまではまだ特定地区としての審議には入らないわけであります。
  73. 赤木正雄

    赤木正雄君 まあそれはわかつております。私の質問がちよつとまずいかも知れませんが、特定地区できまつた場合、特定地区で仮に十九地区特定地区にきめまして、そのうちの利根川はすでに予算をつけて仕事をする、来年から……、或いは又熊野川はこれも特定地区として仕事をする、そのあとの十七地区特定地区ではありますが、仕事の予算も何ら裏付がないのです、そういうものはおわかりになつておるのですね、そういう例を……。その十七地区に対しても、或いは林道についても、或いは一般の道路についても、或いは治水についても、そういう仕事を一々あなたのほうの許しを、許可を得ないと仕事ができないかどうかを聞いておる。
  74. 小沢久太郎

    政府委員小沢久太郎君) その特定地区の予算はきまりましても、あとをどういうふうにするか、例えば赤木さんが今仰せられました許可をするとかしないとか、そういうようなプロセスにつきましては実はまたきめてございませんが、今後折衝してきめたいと考えます。
  75. 赤木正雄

    赤木正雄君 それは非常に大きな問題なんです。この委員会でそれを一つはつきりしておきたい。それが地方に及ぼす公共事業費として主要な部門です。それがきまらないで特定地区だけきめて、十九地区特定地区に入つておる、それだけに何だか非常に不安なんです。一体それらはいつおきめになるのですか。
  76. 小沢久太郎

    政府委員小沢久太郎君) 法律通りますれば、その取扱をどうするかということは早速きめなければならんと思つております。
  77. 赤木正雄

    赤木正雄君 法律が通る前に、特定地区に対して仕事をする場所は、特に仕事をする地区特定地区に入つておるが、仕事を今しない地区はどうするか、そのくらいは何か考えがおありのように思いますが、どうですが。
  78. 小沢久太郎

    政府委員小沢久太郎君) 特定地区に入つておる所で、予算がつかないというところは、これはないのでございまして、例えば向うで各府県から計画が出て参りませんので、特定地区としての扱いはしてございませんが、その地区についてやはり公共事業の予算はつくのでございますから……。
  79. 赤木正雄

    赤木正雄君 ちよつと私の質問は悪かつたかも知れませんが、つまり仮に利根川地区にはやはりいろいろな道路もありましよう、或いは林道もありましようし、或いは汽車もあるかも知れないし、或いは河川改修もありましよう。その場合に全部利根川地区仕事について、仮に治水事業重点的に、さつきと同じことになりますが、治水事業重点的にやつておる。それで道路事業は余り重点的にやらない、こういうことがあります。それで又他の地区で仮に阿仁地区においては特定地区に入つておるが、予算は何も裏付がない、今電源開発をしようという考えはない、そういう場合、阿仁地区に仮に林道をやらす、そういう際にその林道の設計まで一々あなたのほうの許可を得なければいけないのかどうか。
  80. 小沢久太郎

    政府委員小沢久太郎君) 特定地区につきましてはやはり根幹となる、つまり関連性の非常に大きい仕事だけに限つてやるのでございまして、小さいところまではやる必要がないと我々はそう思つておる次第であります。
  81. 赤木正雄

    赤木正雄君 まだ質問がありますが、田中君がありますから……。
  82. 三輪貞治

    ○三輪貞治君 赤木さんが大分御質問になつておられることと関連しますが、第十三條の二に「特定地域総合開発計画の円滑な実施に支障を及ぼす虞がある処分又は事業を行わなければならない場合においては、」という規定があります。これはいろいろな場合が想像されるわけでありまして、或いは電源開発の問題も出て参りましようし、駐留軍の演習地、予備隊の問題、その他の問題が出て来ると思うのです。その場合に電源開発については、現在審議が進められております電源開発促進法において電源開発の審議会があります、それから又駐留軍の土地接收等については、両国間の委員からなる作業班がいる、こういう場合にこの法律では、国土総合開発審議会の意見を聞いて必要な調整をなす、こういうふうに書いてあるわけであります。ところが一方電源開発促進法等においては、又総合調整をなすというふうになつておるわけで、いろいろな委員会との繋がりというものが恐らく予想されるわけです。その場合にその調整はどういうふうにお考えになつておりますか。
  83. 奥田亨

    説明員(奥田亨君) 只今電源開発或いはその他の委員会との関係でありますが、ここに書いてありますのは、閣議で特定地域計画がきめられまして、その年度計画が実現されて行くという場合に、例えて申しますと、或る特定地域総合開発計画の実施に移されました或る部分だけが実施できないということになりますると、総合開発計画総合性というものがなくなつて参ります。そうしますと、やれない部分ができたような場合に、計画そのものを或る程度調整する必要が出て参ります。そういう場合或る一省たけが黙つて自分の部分をやれないということで、そのまま見送つておられますと、ほかの省の事業というものに影響が出て参りますので、そういう事態が出て参つたという場合に、その所管の省から総理大臣に調整をしてくれということで、中出るということでありまして、電源開発の場合も同じような考え方で問題を処理するということになると思います。
  84. 三輪貞治

    ○三輪貞治君 ところがその国土総合開発審議会委員というのは、六條でずつと書いてあるのですが、ところがほかの委員会の委員というものと必ずしも一致しない、じやない、もう全然別の場合が多いと思うのです。その場合の調整というのは非常にむずかしいのじやないか。ほかの委員会でも総合調整の任務を持つている。ちやんと法律で書いてあります。そうすると恐らく同じ地域総合開発計画の実施についていろいろな問題の起つて来る、その関係委員会との総合調整ということは、若しこの国土総合開発審議会なるものがもつとその上に立つてはつきりした法制上の地位というものがきめられておつて、その国土総合開発審議会の決定というものが絶対のものであるというふうになつておれば別でありますけれども、ほかのほうに同じような任務を持つた委員会がある場合には、その委員会間の調整ということは非常にむずかしい問題になるのじやなかいというふうに考えられるわけです。特に駐留軍関係の場合なんかではこの作業班がありますけれども、これには具体的にアメリカのほうの委員も入られる、こういうようなときには、この国土総合開発審議会の意見を聞いて総理大臣が調整するということが具体的に非常にむずかしい場合があるのじやないか、そういうときをどういうふうに考えておられるかということを聞いているのです。
  85. 奥田亨

    説明員(奥田亨君) 只今の駐留軍のほうは、どうしてもそちらのほうの、審議会がありますかどうか知りませんが、そういう機関で決定になつて強行しなければいけない、こういうことになつて参りますと、総合開発審議会できめました計画を場合によりましては調整をする、総合開発計画のほうを直すという事態も出て参ると思います。こういう調整の仕方というものは、常に総合開発が優位にあるのだと考えるということは困難でありまして、その場合々々によつて、或いは総合開発計画のほうを直す、或る場合には今具体的に例をおつしやいましたような、或いは駐留軍、或いは電源のほうの計画を直して頂くということで常に総合開発が優先するのだということもがつちりきめるということはむずかしいかと思います。
  86. 三輪貞治

    ○三輪貞治君 ちよつとそこはまだわかりませんのですが、十三條にこの第一項に政府特定地域総合開発の実施についての経費についてその確保を図る、或いは毎年度国の財政の許す範囲内でこれを予算に計上するということが加えられてありまして、これは非常にいい條項だと思うのです。今までややもすれば特定地域の決定というものが、先ほど赤木さんからもおつしやつたようにどうも政治的ななにがそこになくては一向実はないというような非難も確かにありました。ところがこの條項によつて、その計画実施に必要な経費は必ず国が毎年度財政の許す範囲内で計上するのだというふうにきめられておりますから、これは非常にいいのですが、併し問題はこれがどこまで実施されるかであつて、この條文が決定するまでには大蔵当局との間にどのくらいの了解というものがつけられているのでありますか、その点を伺いたい。
  87. 奥田亨

    説明員(奥田亨君) 大蔵当局とは数次に亘りまして問題になりましたのは、この前の年度計画、この項も相当問題になりましたし、十三條の只今の條文も相当問題になつたのでありますが、この十三條につきましては原案とは若干違つたことになつておりますが、大蔵当局はこういうことで入れてくれ、こういう表現を入れてくれということで、むしろ向うのほうの意見をそのまま入れたという恰好になつております。
  88. 三輪貞治

    ○三輪貞治君 こういうことになりますと、この地方の特定地域にきめられた、定められたところはこれはもう待つているわけですから、その実際の予算の計上について待つているわけですから、いろいろと要求を出て参ると思うのですが、若し近い機会に、予算の補正が行われるとします場合に、この條項によつて補正予算の中に総合開発計画の実施の経費はお組みになる準備がされていますか。
  89. 奥田亨

    説明員(奥田亨君) 先ほど局長からも御説明申上げましたが、特定地域指定いたしましてこの法律によつてこれから計画を作るということでありまして、実施に繋がるのは二十八年ということになると思います。従いまして補正予算としては一応組むということはしないということになつております。
  90. 三輪貞治

    ○三輪貞治君 それからこれは一つの具体的な実例ですが、例えばこの南九州地区が入つていますね。ところが同じ地区を対象にして特殊土壌の法律がもうできているわけですね。そのほうから補正予算の要求が鹿兒島、宮崎で大体七十億ばかり出ておると思う。こういつたような同じ地区について一方では特定地域になつており、一方では特殊土壤の特別な対策法によつてきめられておる、これはどういうふうに調整されるのですか。
  91. 奥田亨

    説明員(奥田亨君) 特殊土壤との関係をどうするかという点については、実ははつきりまだきまつておりませんが、実は安定本部でやるようになつておりまして、今後特定地域と特殊土壤のあの法律によりますものとの関係をどういう考え方でどういうふうに進めて行くかということについては、十分打合せをしながら進んで行きたいというふうに考えております。  なお事務局は建設交通局になつておりますが、打合せというよりも内部の問題としてお互いに連絡し合つてつて行けば無理のないように行けるのではないか、そういう考え方をしております。
  92. 三輪貞治

    ○三輪貞治君 そうしますと、特殊土壤についての所管もやはり安本、あなたのほうですか。内部で若し……。
  93. 小沢久太郎

    政府委員小沢久太郎君) 実はあのシラス地帯の問題は議員提出でございまして、それが提案になりましてあとから制令とかいろいろな問題になりましたときに、山林、林野のほうと、それから建設省のほうの砂防のほうと、それから農林省のほうの農地、この三つが関係するので、どこでやるということもいかんので、結局安本のほうでやつてくれというので、一応そういうふうに我々は進んでおる次第でございます。一応我々のほうで事務局をやる、かように進んでおるわけであります。
  94. 三輪貞治

    ○三輪貞治君 そうしますと、内容については今おつしやいましたように建設省も関係いたしておりますし、農林省も関係しておるわけですが、その総合的な実施については安本でおやりになる。そうしますと、この特定地域のほうも皆さんのほうでおやりになるから内部でこれを調整して具体的に実際出す、出ておるわけですね。特殊土壌の問題についてはすでに予算の要求が……。こういうような問題も早急にこの問題と絡んでその要求をどこまで実現できるか、これはちよつと御確言はできないと思いますけれども、具体的に総合開発のほうについては出ていないけれども、特殊土壤のほうについてはもうすでに法律が通つているので、計画は現に皆様がたのお手許に出ていると思う、予算の要求は……。これは一つ総合調整をされて、近い機会に、こちらのほうはできなくても、前のすでに通つた法律によつて実際進めて行くと、こういうように了解していいのですか。
  95. 小沢久太郎

    政府委員小沢久太郎君) 特殊土壤法が通りましてとういうふうに予算化し、或いは補正予算をとるかということは私はここで申上げるわけに行きませんけれども、我々といたしましては法律も通つたのでございますので、御期待に副うように努力したい、そういうように思つておる次第でございます。
  96. 田中一

    ○田中一君 私は前の委員会でもちよつと座談的に申上げたのですが、これは実施をするということに改めたということになつておりますが、前提として実施するということになつておるが、できないのではないかというところにこうしてうるさく御質問する根拠があるのです。それが十九の特定地域についてまだ地方からのいろいろ計画が出て来ないからはつきりしたものはわからんという御説明でしたが、例えばここに五千億、二十六年から三十五年、十年間に年額五千億というものがあれば、一応地方の出て来るところの計画が満たされるようになると思いますが、仮に五千億という計算をしまして、公共事業費として一千五百億ということになりますね、開発効果ですね、効果の計算というものは十年間、或いはもう一つの表の二十六年から二十八年までのものの、実施した後の効果、それから十年間の効果というものを大体において掴み得ているのですか。
  97. 小沢久太郎

    政府委員小沢久太郎君) 先ほど赤木先生もおつしやるように、只今十九地区を設定いたしましたのは、その地区はほかの地区よりもポテンシヤルが高いということでありましたので、それからそれをどういうふうに計画するということは各府県計画をして頂いたものを今度審議会にかけて閣議で決定するというふうな次第になつておりまして、そういうときには計画がどうということはわかりますが、只今のところは五百億云々ということも、これは一応の案でございまして、我々がそれだけつけられるかつけられないかということもわかつておりませんので、そのときにならないとわかりません。
  98. 田中一

    ○田中一君 この法律ができてからとにかく二年になるのですよ。それじや二年間に、今度の改正全部が二年間にあなたのほうで指導して計画して、各地方の実際はどういう計画を以て、どのくらいやつたかということはわかりますか。
  99. 小沢久太郎

    政府委員小沢久太郎君) 実は日本公共事業と言いますものは、私から申上げる必要もないことでありまして、各農林なら農林、道路なら道路というふうに、おのおのブランチにおきましてはいろいろ調査をして進めておりますが、そのブランチ間の調整というものが割合にできていなかつたのであります。例えば乾田化しまして排水する、併しその下流の河川改修ができていないために改修ができなくて、割合に効果を挙げなかつたというようなことがありましたので、そういうことを総合的に少い金で効果の挙るようにやりたいというように、総合開発計画を作ろうじやないかというようなことは皆考えまして、それから各地方にもそういう考えをいろいろ諮りましてだんだんとそういう考えになつて来た。問題は如何にそれを調整するかという方法論、それから経済効果と言いますか、どういう方法で算出するか、経済効果の算出方法につきましては非常にプリミテイヴな経済効果の算出方法をやつておりましたのですが、それよりももつと科学的にやらなければならんというような問題が起りまして、府県におきましても昔は各ブランチごとに計画したことが総合的に計画するという技術に慣れて参りまして、そういう点におきましてこの四、五年間は非常に技術的な進歩があつたということは言えると思うのであります。それから我々のほうは公共事業の予算をこのくらいは考えたわけでありますが、ちやんとした計画ができるとは考えない、こういうことではありませんで、中間報告などもいろいろ計画ができますればそのうちからやはりとるべきものはとつて、これを公共事業のほうに向けて、そうして経済効果を十分果すようにやつて来たということでございます。
  100. 田中一

    ○田中一君 一応今安本で考えているものは三年計画と十年計画、この二つを考えているのですね、計画は……これで三年後にはとうなるか、十年後にはどうなるか、無論地方から出ておると思いますが、何と言いますか、経済効果の計算が地方から、それはどうなつておりますか、出ていますか。
  101. 奥田亨

    説明員(奥田亨君) 経済効果につきましては代表的なものを地方で作つてもらいまして、代表的なプロジエクトについて地方で計算してもらいまして、それを中央に持つて来て、中央で検討しまして、まとめたものは出ております。これは例えて申しますと、漁港なら漁港というものにつきまして代表的な漁港と考えられるようなものをやり、電力発電の場合にも同じように一つか二つくらい試算をした上で只今考えております。経済効果の測り方は御承知かと思いますが、投資に対する所得の比率、費用に対する便益の比率というような測り方がやられたのですけれども、その具体的なやり方は、一応先ほど申上げましたように、案を作りまして、今後府員が計画を本当に作つた場合、そのおのおのについて効果を測つて出してもらうように指導しております。
  102. 田中一

    ○田中一君 この間の委員会でも要求しておいたのですが、そういう計画ですね、一遍一地区でいいですが、それを出してもらえませんか。
  103. 奥田亨

    説明員(奥田亨君) 経済効果の測定の結果につきましては資料をお届けするようにいたします。これは実はすでにお届けしたように記憶いたしておりますが、経済効果考え方につきましては業務資料概要という中に入つておりますし、経済効果の測定の結果につきましても前にお届けしたように記憶しております。なお調べましてお届けしてないようでしたら……。
  104. 小沢久太郎

    政府委員小沢久太郎君) 前にお渡ししてあるはずでございますが……。
  105. 赤木正雄

    赤木正雄君 電源開発の問題は、これは一応聞きましたが、電源開発審議会がございます。先ほど申したように、又国土総合開発の審議会があります。国土総合開発の中に電源開発も、或いは治水もあるだろう。いろいろある。それにありながら又電源開発は別だ、一体これはどうしたのです。その間の調節はどうするのです。
  106. 小沢久太郎

    政府委員小沢久太郎君) 実は電源開発治水にも関係ございますし、それから治水農林関係があるというので、我々といたしましては国土総合開発のほうが電源開発よりも基礎的なもの、そういうふうに考えておる次第であります。
  107. 赤木正雄

    赤木正雄君 国土総合開発のほうが電源開発よりも権限が上とでもお考えになるのですか。
  108. 小沢久太郎

    政府委員小沢久太郎君) 権限が上というよりも、つまり計画といたしまして電源だけ考えることよりも、或いはほかの面を考えなければならん、面がありましたらそつちも考えるわけでございまして、そういう点におきまして我々といたしましては電源開発よりむしろ治水とかそういう計画をしたいのでございますから、計画的には我々のほうのやつております国土総合開発計画が基礎的なものじやないかということを申上げたので、権限の問題じやないのです。
  109. 赤木正雄

    赤木正雄君 電源開発のときに、あの委員会で私聞いたのですが、電源開発して、それに関連して、やはり治水とか或いはいろいろな総合的なものがあるはずだと申しましたら、確かに二、三資料を出されました。こうなつて来ますと、国土総合開発があれば、電源開発の審議会は要らない、むしろ国土総合開発の審議会で全部やつたほうがいい、統一されて然るべきものと思います。又先の政府委員お話通りに、国土総合開発はその中に電源もあり、或いは治水もあるというならば、何も特に電源開発というようなものを作らなくても国土総合開発の一環としてやつたらいい。どうでしようか。
  110. 小沢久太郎

    政府委員小沢久太郎君) 実は私は電源開発のほうは担当官でございませんので、ここではつきりしたことを申上げられないのでございますけれども、まあ我々のほうといたしましては計画として治水だとか、利水だとか、或いは電源というようなものを考えますので、電開源発のほうといたしましては、それを受けて電源開発を促進するというふうに私はやられておるのじやないかというふうに記憶しております。
  111. 赤木正雄

    赤木正雄君 先に三輪委員からの質問がありました南九州のシラス地帶、これはあの委員会においてはひとり南九州と限らない。浸蝕地帶も含みますから、全日本ということに結論はなりましたが、いずれにいたしましてもあの審議会があるし、又四国地方の急傾斜地に対しても審議会があります。これに対してもやはり国土総合開発というものがあるからしてその中で一貫して考えるべきで、二年、三年も仕事をしていながら何故そういうことを、あなたがたは今までそういうことを考えられていたんですか。
  112. 小沢久太郎

    政府委員小沢久太郎君) 南九州のシラスの問題でありますが、これについて二十六年度でございますか、調査をいたして我々のほうといたしましては計画も作つている次第でございまして、考えていないことはないわけなんでございます。
  113. 赤木正雄

    赤木正雄君 四国の急傾斜地の問題についてはどうなんですか。
  114. 奥田亨

    説明員(奥田亨君) 急傾斜地或いは特殊土壌等審議会があります。鉄道のほうにつきましては新建設の審議会がある。いろいろの審議があるわけでありますが、総合開発の立場から言いますと、それが総合開発の一部分であるということは言えますが、そういうものを全部吸收するという考え方を必ずしもとる必要もないんじやなかろうかというふうに考えられるのでありまして、そういうもので得た成果を総合いたしましてその総合開発計画を今それを推し進めて行くということでいいんじやないかと思うのであります。
  115. 赤木正雄

    赤木正雄君 今のお話でありますと、非常に変なことになります。これはそういうふうな考えじやないので、やはり地方からそれを申請して来ているかどうか知りませんが、少くとも四国は急傾斜のあの農地をとうしてくれるか、これに対して特に特別の法案ができて、その審議会もできていることはもうすでに政府委員として御承知のはずだと思います。従つて国土総合開発の一環として当然そういうものをお考えになつておれべきものだと思う。又或いはその海岸地方でもどんな海岸地方の審議会ができるかわかりません、海岸の浸蝕に対して……。そういうこともまだ地方からして何とも言つて来ていないから審議も調査もしていないということならばますます先におつしやつた通りに今までしておられた調査というものは杜撰な調査、こういうふうに断定を下すのも止むを得ない。まあ併しそれについては今後調査なさることは結構ですが、どうも非常に今申しはす急傾斜地、或いはシラス地帶とか、或いは「源開発の特に審議会ができる。一つ政府でありながら、まあ一つはこれは議員提案の法案でありますが、非常に変なものができている。これに対してどういうふうな考えをお持ちになつているか、もう一度今後も出ることと思いますからはつきり御意見を伺つておきたい。これはむしろ大臣に聞いたほうがいいか知りませんが、どうなんですか。
  116. 小沢久太郎

    政府委員小沢久太郎君) 只今赤木さんが仰せられたシラス地帯のことば考ていなかつたか、或いはだんだん畑も考えていなかつた、それは実は私どもとして考えておつた次第でございます。それでそこまで申上げていいのか悪いのか存じませんが、まあ先ほどざつくばらんに申せと言いますから申上げますが、特定地区のこの法律だけで十分であるかどうかという問題が起きたのでございますけれども、ああいう法律ができたとしますれば我々といたしましてはその法律に従いまして両方の法律をマツチさせるようにして運営したいと思つております。
  117. 三輪貞治

    ○三輪貞治君 その二つの委員会のことなんですがね。これはまあどつちが上、下なんてないのだけれども、やはり私たちはに電源開発のほうはやはり電源開発を中心にして考えますから、一方本当のこの総合開発というものはもつと高い立場に立つて総合調整をするというものであれば、総合開発審議会のほうが高い立場に立つて調整される機関だと、こういうふうに了解したい。そうなりますと、この二つの委員会は、この電源開発総合開発委員会を比べると必ずしもそうなつていない。これは一方は議員提出で、一方は政府提出でありますからそういうことがあり得るかも知れませんが、一方電源開発審議会においてはその顔触れを見ますと、大蔵大臣、農林大臣、通産大臣、違設大臣、安本総務長官、公益事業委員委員長、地方自治庁長官、こういつたような顔触れなんですね。そうして而も会長もはつきりきまつている。「会長は、経済安定本部総裁をもつて充てる。」こちらのほうはここに挙げてありますように、衆参両院から九名と六名、総合開発計画に関し学識経験を有する者十五人以内、関係行政機関の職員十二人以内、地方公共団体の長三人、而も委員長はこれは委員の中から互選する、誰がなるかわかりませんが、形から見るとむしろそれは逆になつていると思うですが、それはどうですか。
  118. 小沢久太郎

    政府委員小沢久太郎君) 私は電源開発関係と、それから国土総合開発関係との計画につきましては只今仰せられた通りじやないか。つまり電源開発電源だけのことを考えますからマキンマムに電源だけ水を使う、国土総合開発から考えますれば電源を幾らか少くいたしましても灌漑のためとか、或いは洪水調節のためにとか、全体のためにプラスになるなら電源を幾らか減らしてもと、そういう態度をとるべきじやないか。そうしますと先ほど赤木さんにお答えいたしましたように基礎的な問題になるんじやないか、さようにまあ考えるわけでございます。
  119. 三輪貞治

    ○三輪貞治君 併しね。それはあなたがそうお考えになつていても総合調整をやる機関としてはこの委員会がやるわけなんです。その委員会が必ずしもそうなつていないということを申上げているんです。その点についてどうお考えになるかということを聞いているわけです。これはやはり私はたとえ一方が議員提出であつてもこれは安本長官が出て説明に当られるのだし、私はそういう部内の統一はよくされて提案されるべきものだ、こういうふうに考えるわけなんですがね。これは一方のほうが強いですよ。
  120. 小沢久太郎

    政府委員小沢久太郎君) 先ほど申上げましたように、国土総合開発が基礎的でございまして、そういう問題が起きましたときは総合開発法が元になつて進める、そういうふうにやるつもりでおる次第でございます。
  121. 杉山昌作

    ○杉山昌作君 今の問題はどちらが上か下とかいうようなことよりも、実際私ども電源開発でやつて行きますと、これは治山治水で非常に関係があり、電源開発が利水上非常に困るというときには利水を担当している国の行政機関の長は安本長官に申入れて調整をしてくれろ、こういうことになつている。安本の総裁は調整をするときは電源開発の審議会の意見を聞いてきめる。これは利水上非常に影響がある問題だからして国土総合開発法によつて、やはりこれは今度総理大臣に調整をしてくれろという申出をする、そうするとそのとき総理大臣は国土開発審議会の意見を聞いて、こういうんです。同じ問題が二たところの、一つのほうは経済安定本部総裁に調整をして下さいと言つて頼むし、片方は総理大臣に調整をして下さいと言つて頼む事態が起る。そのときに総理大臣は開発審議会の意見を聞いてきめるし、安本総裁は電源開発審議会の意見を聞いてきめる。若し仮に両方の委員会の意見が違つたときには、一体安本総裁イコール総理大臣はどうきめるかということになる。ですから上下の問題じやなしに、事柄が起きて両方の審議会にかかり得る條文になつている。それだからそのときにどうするかということを一番にお考えになつておかないと、そのときに今のようなことで国土計画のほうが非常に理論的に上のものだからそちらでいいでしようというふうに電源開発審議会の人たちが折れてくれればいいが、これを電源開発委員が開き直つて言い合いになつたときには、総理大臣は一体このどちらの委員会の意見を聞いてきめるかという問題が起きて来るのです。これは結局どちらが上とか下とかいう今の御説明じやなしに、実際問題としてこれをどういうふうに調整するかというようなこと、これはやはりどちらかの法律を改正しないと工合が悪いのじやないかと思いますが、只今局長電源開発のほうは担当でないから十分御研究になつていないというお話でしたが、たまたまこの委員会両方こうして出ておるのですから、これは議論の問題でなしに実行をどうするか、どちらかを修正しなければならないように思いますが、御研究を願いたいと思います。
  122. 三輪貞治

    ○三輪貞治君 それから先にもちよつと言いましたけれども、この総合開発特定地域指定がどうも政治的なプレゼントに終るのではないかという心配をしておる。それは今まで調査についても地方の議会ではちやんと予算を組んで自分たちでやつておる。又実際の計画については何らまだ見通しがない、こういうようなことで、法律ができて指定はされたが、というような悩みを持つておるのですね。ところが今度の法律改正で調査に要する費用も補助することができる、こういうことになつておる。そうしますと、一体これは個々で違いましようが、大体においてどれくらい総合開発計画を作成するのに必要な調査書が要ると、こういうふうに御調査になつておりますか。
  123. 落合林吉

    説明員落合林吉君) 本年度の当初に十九の特定地域総合開発計画を立てますと共に各事項別に相当調査の進んだ対象物もございますが、長期計画でございますのでまだ十分に調査が済んでいないものも相当ありましたので、取りあえず二十七年度で調査をいたしたいという関係府県からの要望の中から個所を選択しまして調査費全額で三億円ほどの予算を計上しまして大蔵省に要求したものでございます。それに対しまして財政の都合上どうしてもそういう多額の調査費は支出しにくいというので殆んど全面的に認められませんで、僅かに特定地域総合開発計画書法律によつてつて出さなければいけません関係から、その計画を立案するのに必要な調査費としまして千二百万円だけ受入れられたのであります。これを十九の地域に交付しつつございます。それによりまするとそれだけですと現地に例えば総合開発計画の一番元になるものがダムを作ることであつた場合にはまだボーリングも何もしていないが、将来三十本かのボーリングをして決定するのでありましても、せめて数本ぐらいボーリングを作りまして、これならば当てにしてもいいダム・サイドであるというようなことぐらいをつけて計画を立てて頂こうと思つてそういう要求をしたのでございますが、それが本年は採択されませんでした。又補正予算等の時期もございますので、まだ今から今年度中に十分調査のできる予定個所につきまして府県に催促いたしまして現在調書を作りました分で、特定地域の分一億、それから調査地域の分九千万円、これを現地調査費としまして要求する考えで今事務の作業を進めております。
  124. 三輪貞治

    ○三輪貞治君 その一億九千万というのは若し予算が補正される場合にはその機会に要求すると、こういうことですね。
  125. 落合林吉

    説明員落合林吉君) そうでございます。
  126. 三輪貞治

    ○三輪貞治君 そうしますとさつきの要求をされたこれは二十七年度にやりたいという分についてそれを合計したものを要求されたのですか。
  127. 落合林吉

    説明員落合林吉君) そうです。
  128. 三輪貞治

    ○三輪貞治君 そういつた要求のあつた分でなしに、全地域について今お考えになつているような計画を作成されるための調査費はどれくらい要りますか、こう聞いておるのです。
  129. 落合林吉

    説明員落合林吉君) 大体今年三億円の予算を要求しますときに、三年間で基礎調査だけは全部終る計画を立てまして、そのうち三分の一を二十七年度分として要求したのであります。それから附加えて申しますが、そのほかに事業が進捗するに連れましていろいろな、例えば先ほど申上げましたように、一つダム調査するのに実施までには大きなダムですと数十本ボーリングをしなければならない、そのうち五本分ぐらいのボーリングの費用を見込んだものでありますから、あとで実施する際には又調査費が要るのでありますが、それは公共事業費の調査費でやつて行けばよろしいのじやないかと考えましたので、大体先ほど申上げました三億円の三倍ぐらいのものでこの特定地域総合開発計画の立案及びそれを推進するための調査費は大体よろしいのじやないかと考えております。
  130. 赤木正雄

    赤木正雄君 公益事業委員会で電源調査をしておりますが、あの費用は政府で幾ら出したのでしようか。
  131. 小沢久太郎

    政府委員小沢久太郎君) あれは一億と私聞いているのですが……。
  132. 赤木正雄

    赤木正雄君 一億で、而も電源開発のための調査書類をもらいましたが、まだ根本的な調査はできておりません。それならば総合開発なさるのに三億ぐらいの調査費でできるのですか。
  133. 落合林吉

    説明員落合林吉君) 只今申上げましたのは総合開発計画の立案をするまでの最初の費用といたしまして十億円、このうちの二十七年度分として二億出す、そうしてそれからのちの今度は実際に事業にかかります際に必要な調査公共事業費のほうの調査費で漸次進めて行くという考えで、一応十億円を最初の調査費として計上しております。
  134. 赤木正雄

    赤木正雄君 この総合開発調査建設省でしておられるのですか、どこでしておられるのですか。
  135. 落合林吉

    説明員落合林吉君) この特定地域総合開発計画の立案者は関係府県でありますので、その作られる関係府県に補助をいたしまして、そうして実際の今度は現地調査をします際に、例えばボーリング或いは河の流量を測るような場所が直轄河川地域でありましたならば、或いは責任は県がとりますが作業はそれぞれ直轄の事務所の協力を求めて進めて行くという工合になるのじやないかと思いますが、これはまだ予算を実施しておりませんので実際の実例はございませんが、さように進められるのじやないかと考えております。
  136. 赤木正雄

    赤木正雄君 治水事業建設省のほうで各府県のほうにやらしてもいいかも知れませんが、農業方面はやはり農林省方面から相当調査するようにしているのですか、どうですか。
  137. 落合林吉

    説明員落合林吉君) 例えば特定地域総合開発計画を作るために必要な調査建設省ばかりでなく各省に関係のある予算でございすが、府県にさような費用を補助いたします関係の事務を扱うのがたまたま建設省でありますので、建設省が予算を要求したのでありますが、その予算の要求の内容は各省の連絡会議がございまして、ここで府県から出て来ました要求に対して交付します際に、各省でやつているようなすでに調査をしているものとダブつていないか、無駄がないかということ、それから調査個所の人員等は各省の連絡協議会に持出しまして、ここで了承を得まして、ただ事務的な扱いだけを建設省が出すようにする方針でございます。
  138. 赤木正雄

    赤木正雄君 そうすると建設省は各省とは連絡をしておられる、こういう意味でありますか。
  139. 落合林吉

    説明員落合林吉君) 連絡の責任は経済安定本部がとつておられますが、地方のいろいろなお世話をする訳を建設省がしておりますので、安本で主宰される各省連絡会議によつて決定しましたもの、それを府県に、その決定に基いて取りました予算を府県に交付するという交付の手続等を建設省がやつております。
  140. 赤木正雄

    赤木正雄君 各省の調査事項なるものは、そうすると非常に円満に行つていますか、どうでしようか。
  141. 小沢久太郎

    政府委員小沢久太郎君) 各省の調査事項につきましては、公共事業の、最初各省から調査計画提出して頂きましてダブらないようにまあ調整して行く、そういうふうにしてございますので、非常にうまく行つていると思つております。
  142. 赤木正雄

    赤木正雄君 一つの河に対して、仮に建設省のほうでは堤防を考えている、或いは農林省のほうでは堤防じやなしにほかの方法を考えている、そういうふうなことをどちらがいいか、それはやはり安定本部のほうでおきめになつているんですか。
  143. 小沢久太郎

    政府委員小沢久太郎君) 細かいことは、これは各省でやつて頂くのでございますが、大きい、お互いに関係のあるものは各省から調査計画を出してもらつておりまして、その調査計画に齟齬のないようにしてやつておりますので、そういう点につきましてはまあ安定本部と各省と協議して……。
  144. 赤木正雄

    赤木正雄君 先の電源の問題でもう一つ聞きたいのです。仮に電源開発のほうといたしましては、その水をフルに電源のために使うのはこれは当り前と思います。併し仮にその水の中の九割までを電源に使つてあとの一割を灌漑方面に使つたほうがいいというような場合もたくさんあり得ることと思います。それを私は計画するのは総合計画と思いますが、これについて電源開発のほうでされた調査がやはりそういうところまで考えているものでしようか、どうでしようか。
  145. 小沢久太郎

    政府委員小沢久太郎君) 電源開発のほうも、我々といたしましては考えて頂きたいと思うのでございますが、或いは電源開発のほうは電源をマキシマムに利用したいということがございますから、考えない場合にはやはり私どものほうで考えまして、電源考え方にも或る程度こういうふうにして頂きたいということを織込んで頂くべきじやないか、そういうふうに思つております。
  146. 赤木正雄

    赤木正雄君 では今電源開発のために委員会でたびたび審議している電源そのものについては、必ずしもこの総合開発の見地からして考えていられないと、こういうふうな結果に到着すると言つていいんですか、実際問題として。
  147. 小沢久太郎

    政府委員小沢久太郎君) 電源開発で今考えておりますのは、国土総合開発考えられた線に大体沿つている、そういうふうに私はまあ思うのでございます。
  148. 赤木正雄

    赤木正雄君 それならば何も電源開発の審議会なんか作らなくても、国土総合開発の審議会で一本にしたらいいんじやないですか。
  149. 小沢久太郎

    政府委員小沢久太郎君) 国土総合開発計画のほうは、各種の計画案を作ることと、それを実施するということでございまして、電源のほうは電源を促進するという意味からああいう委員会でやつておられるのじやないか、そういうふうに思つている次第であります。
  150. 赤木正雄

    赤木正雄君 国土総合開発のほうは、電源の促進まではお考えにならないのですか。やはり国の経済電源の促進が最も急務であるならば、これは当然これを国総合開発として考えるべき第一の事項と思うのですが、それはどうなんですか。
  151. 小沢久太郎

    政府委員小沢久太郎君) それは計画といたしましては、勿論電源開発するということは重要視する次第でございますけれども、それを今度具体的にどういうふうにするということは審議会ではやつておられない、そういうふうに私は考えております。
  152. 三輪貞治

    ○三輪貞治君 時間も相当経過しましたし、先ほど松山委員から二つの例を挙げて二つの電開促進のための委員会、それからこの委員会の間にもつと何か研究すべき余地があるのじやないかという御意見に基いて当局でも大体その意思のようですから御研究の期間も置かなければならんし、どうでしようか、今日はこの辺で……。
  153. 郡祐一

    委員長代理郡祐一君) 議事進行について、ちよつと速記をとめて。    午後零時三十五分速記中止    —————・—————    午後零時五十二分速記開始
  154. 郡祐一

    委員長代理郡祐一君) 速記を始めて。本日の区連合委員会は第五回でありまして、いろいろ有益な十分な御意見もあり、まだ御質疑の点もおありになるかのように思いまするけれども、連合委員会としては相当審議を盡したように思いますので、本日を以て連合委員会を打切ることにいたしたいと思います。よろしうございますか。    〔「賛成」「異議なしと呼ぶ者あり〕
  155. 三輪貞治

    ○三輪貞治君 その際委員長が確約された委員の割振りの問題、又それがきまらなければ早急に採決に持つて行かないというようなことで、一つそれだつたら了解いたします。
  156. 郡祐一

    委員長代理郡祐一君) たまたま佐々木委員長止むを得ない用事のためにおりませんけれども、佐々木委員長とも十分相談もいたしまして御趣旨を尊重することにいたします。本日はこれを以て散会いたします。    午後零時五十四分散会