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1952-06-05 第13回国会 参議院 経済安定・建設連合委員会 第4号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十七年六月五日(木曜日)    午後一時五十六分開会   —————————————  出席者は左の通り。   経済安定委員    理事            郡  祐一君    委員            愛知 揆一君            奥 むめお君            杉山 昌作君            山川 良一君   建設委員    委員長     廣瀬與兵衞君    理事            赤木 正雄君            田中  一君    委員            石川 榮一君            楠瀬 常猪君            深水 六郎君            前田  穰君            松浦 定義君   政府委員    経済安定本部建    設交通局次長 今井田研二郎君   説明員    建設省管理局企    画課長     落合 林吉君   参考人            石川 榮一君            高橋進太郎君   —————————————   本日の会議に付した事件 ○国土総合開発法の一部を改正する法  律案内閣提出衆議院送付)   —————————————
  2. 郡祐一

    委員長代理郡祐一君) 只今から第四回経済安定・建設連合委員会を開会いたします。前回に引続き国土総合開発法案について質疑を行います。質疑のおありのかたの御発言を願います。
  3. 田中一

    田中一君 私は昨日委員部まで参考人又は証人として同僚議員であるところの石川榮一君と高橋進太郎君をここにお呼び願いたいということをお願いしておつたのでありますが、若しもここで正式な証人又は参考人として私が質疑をお許し願えるなら質疑をいたします。若しも私の質疑に対する答弁責任が持てないものならば、国会法によつて次回に讓りたいと思います。
  4. 郡祐一

    委員長代理郡祐一君) 只今田中君から本院議員石川榮一君、高橋進太郎君を参考人としてその説明を聴取いたしたいという御要求がありましたので、先ず委員諸君の御意見を伺いたいと思います。石川榮一君、高橋進太郎君を参考人としてその説明を聴取することに御異存ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  5. 郡祐一

    委員長代理郡祐一君) 御異議ないものと認めます。ついては石川君と高橋君に参考人として御説明を願うことの御了解を得たいと思います。両君差支ございませんか。
  6. 石川榮一

    石川榮一君 差支ありません。
  7. 郡祐一

    委員長代理郡祐一君) それでは両君共参考人として出頭しておられますから、田中君の御質疑を継続願います。
  8. 田中一

    田中一君 同じ委員会同僚議員として石川榮一君に質問するのは甚だ申訳ないと思いますが、一応この国土総合開発法の一部を改正する法律案につきまして関連があるものですから、三、四の点について質疑をいたします。  古い話を申上げるので、最早石川さんも御承知でないかと考えますので、一応速記録によつて読み上げまして記憶を喚び起して頂きまして御答弁を願うことが石川君に対する好意と考えますので、甚だ時間をとるかも知れませんが、その点お許しを願いたいと思います。同じように高橋君を参考人として申請いたしましたのも、北上川法案関連しましてこの国土総合の本改正案関連性を持つものですからおいで願つたのであります。御了承願います。同時に質問の要旨は、大体において利根川法案に関して質疑をいたしまして、或いは北上川に対してはお伺いしたかもわかりません。併しながら私も当時石川さんの御希望によつて発議者の一人となつております。北上川法案も同じ性格を持つものと考えますので、利根川法案質疑いたしますのみだけで北上川も含めるものと、こう御了承願いたいと思います。  先ず第一に伺いたいのは、石川さんは曾つてのこの法案利根川法案審議のとき、提案者としまして発議者の代表といたしましてこのように御答弁なすつていらつしやる。これは昨年の五月十六日、建設内閣地方行政、経済安定の連合委員会において、佐々木良作君の質問に答えましてこのように言つております。「国土総合開発法実施しておりますが、あの法律全国的の総合開発計画を立てる、又県ごと総合開発計画を立てさす、必要があれば特定期日を指定して開発計画を立てさせる。それは主として計画を立てることが仕事でありまして、その立てたものを推進をし実施をするということの法律上の根拠がないのでありますから、一応プランはできましようが、これを如何にして実施をするかということにつきましては謳つてないのであります。結局各行政官庁からその計画報告をさせ、それを審議会諮問をし、その諮問を聞いて総理大臣は、その関係する行政機関に向つて勧告をするということで終つておるようであります。そういたしますと、計画そのものは一応でき上るでありましようが、それを実施することについての何らの法律上の根拠がないわけでありますから、一つプランを作らせるに過ぎないというように私ども考えておりまして、非常に総合開発そのものの、要するに実施権というもの、推進権というものがないように解釈しておるのであります。そういうふうでありましては、一応プランはできましても、その行政官庁が財政上に相当の余力があり、又その行政官庁に所属する府県会実施熱意を持てば別でありますが、予算の面におきましても相当困難であります状況下にあります今日から考えまして、国が大いなる力を以てこれが実現を図る、そうして行政官庁がこれに協力するというようなことが行われなければ、私ども実現は不可能ではないかと思うのであります。こういう観点から、国土総合開発法によるだけでは、急いで工事実施し、治水利水目標を貫徹するためには、私どもはこの法律だけではおよそ意味がない、かように考えまして、今利根川流域は、全国における特定地域として第一の筆頭のものである、私どもはかように考え、又置かれておりまする現在の状況が緊急な状況に相成つておりますので、それらのほうの将来の改革並びにその実現性等について期待を持ちつつ眺めておる余裕がありません。この際国土総合開発法目標とする総合開発計画現実の面に政治的に活かそうということは、決して国土総合開発法趣旨に背反するものでなくて、むしろ一歩前進させるものだ、かように考えておるわけであります。そういう点から、実はこの法案を出したわけであります。又御意見がありましたら」云々、こう言つております。従いまして利根川総合開発法案発議者筆頭であり、その提案理由並びに質疑に対する御答弁をなすつた石川さんは、国土総合開発性格というものをよく御存じであります。国土総合開発計画は、我々実施面をいつも考えておりますが、この法案そのものの立て方は、計画をするということにとどまつていることは石川さんよく御存じであります。従いまして、この今回の改革法案が、改正法律案石川さんの利根川開発法、今日まだ衆議院継続審議中のものであるように承知しておりますが、この利根川開発法を立案され、提案され、質疑に対しての御答弁によりますと、今回のこの改正案石川さんの考えておられるような、只今読み上げたような考えに合致しているものかどうか。又合致させる方向にこの改正案が進んでおるかどうか。この点について御見解を伺いたいのであります。
  9. 石川榮一

    参考人石川榮一君) 只今質問の点につきまして私は当時それは開発法案提案者といたしまして、先ほどの速記録通りでありまして、又私の信念変りはないのであります。ただ現在衆議院に未だ継続審議中でありまして、政治情勢が必ずしも衆議院において楽観を許さんというような状況下にあるようであります。たまたま政府から、今日今皆さんに御審査をお願いしております国土総合開発法改正法案を提出されたのでありまして、この法案の作成に当りまして、政府筋の意図するところは、いろいろと実は質疑を重ねまして、その意のあるところを聞き取つておるのであります。私共の利根川開発法案提案する、根本の構想から考えますと、非常に微温的になつて非常に遺憾である、かように考えておるのでありますが、併し国土総合開発法それ自体の今度の改正法は、私どもが狙つておりまする国土総合開発計画を立てるばかりでなしに、これを行政面にタツチできるような構想を以ちまして、この改正法が一応できておるように承知しでおるのであります。特に私どもはこの利根川開発に対しましては、予算の面を十分に開発計画に順応した予算が盛られるように、而もその行政官庁としては単独の開発庁を設置いたしまして、そうして利根川流域全般をその開発庁に行政的に推進させるという考え方を持つてつたのですが、この官庁の設置につきましてはここでは殆んど取上げられておりませんで、主として経済安定本部長官がその衝に当りまして、そうして国土総合開発の一環としての利根川流域北上川流域その他の重要河川流域を指定いたしまして、そうして計画のできたものを予算的の措置を講ずるということに相成つておりますので、私どもの狙つておりまする強い予算面を獲得し得るような構想からはそれておりますが、一応国土総合開発法改正案によりまして、今までとは変りまして相当予算裏付がなし得るような法の改正がこの改正のうちに盛つてある、かように考えまして次善の策、或いは三善の策というような形からこの際忍びましてこの法案政府提案に対しまして私ども了承をしているわけでありまして、必ずしも完全にこの法案が私ども期待するような目的を達し得るということに確信を持つことにはなつておりませんが、数段の進歩であるというので了承をしているわけであります。
  10. 田中一

    田中一君 石川さんの利根川総合開発法案を提出したときの心境と少しも変つていない、そうして今度の改正案が一段の進歩をしたというお考えですが、利根川開発法案の場合に我々が石川さんに同調して発議者となつたのも、実施面、ただ机上の計画でなく実際にやる、実際に実施するというところに私どももあの法案提案者として同調した強い理由があつたのです。石川さんも曾つて非常に長い審議の過程において常にそれのみを主張しておつたのです。例えばここにありますところの、あなたが指摘したところのいろいろなものがございます。これは二十六年の、昨年の五月十一日に赤木委員質問に答えまして、あなたはこう言つております。「そういうようないわゆる連絡、総合的な工事施行がややもいたしますると欠けておりますので、従いまして国費が徒らに各省別に分れまして、おのおの自己の立場からのみその工事施行を急ぐ」というようなことも言つております。又赤木さんの質問に答えまして、「要するにこれは建設省中心にして、水の資源が建設省中心とする水政策を、各省のものをここえ集めて、そうして素直な利根川の流れにしよう、」こういうように、そうしたあなたの場合には実施面について強く発言なすつていらつしやる、利根川開発法案趣旨も無論そこにあることは今あなたの御説明通りでありますが、私がこの法案の提出される前にもこれは個人的なことで甚だ申訳ないのですが、石川さんから伺いますところによりますと、一応この利根川法案につきましては同僚赤木委員の強い反対意思表示があり、又修正案も出ておりましたが、これに対してそれをあなたが自由党に持ち帰られまして一応その線からこの国土総合開発法の一部を改正しましてあなた方の御希望に沿うような手を打とう、こういうことで今回この提案がなされたものと私は了解している、これは赤木さんもそういうことを私にはつきり言明なすつていたように記憶しております。従いまして若しむこの法案が、我々が提案者として提案者に同調した利根川開発法案の変形といいますか、もう一度国土総合開発法に吸収されまして、そうして生れた子供であるとするならば、石川さんが今日までいろいろと説明なさつたようなものとは大分離れた、日本人が生れなくて黒ん坊が生れたような恰好があるのです。これに対しましての石川さんのこれに対する考え方次善の策、三善の策とおつしやるけれども、全く周囲の情勢として止むを得んからこうなつたのだというふうなお考えでおるか、いわば党の統制に服する、こういうことになつたのだというお考えでおられるか、その点もう一遍伺いたいと思うのです。
  11. 石川榮一

    参考人石川榮一君) お答えいたします。私の利根川開発法案に対する構想は先に申上げたようなわけで、少しも変つておりませんが、現在の政治情勢から考え衆議院大勢等から考え、又與党内論議等から考え、又一面特に各重要河川から利根川開発法案と同じような構想を持つ発案等が散見して参りましたので、勿論それは私は予想しておつたのでありますが、その当時指摘されましたように、そういう傾向が強くなつて参りました。そこで私ども衆議院において連合審査を終りまして本会議にかける直前に與党内からいろいろの論議が出て参りまして、本会議にかける段階に與党内意見がまとまりかねておつたのであります。そこでやむを得ませんから非常な強い要望を與党内で主張いたしました。そうして重要河川特別委員会というものを組織いたしましてその一メンバーといたしまして我々の考えていることを各重要河川を通じまして、利根川の持つような構想実施が速かにできますような構想を立て得る重要河川開発法案なるものの一応の成案を見たのであります。それを成案を得ましてOKを取ろうというときになりましてから、政府側からこの国土総合開発法実施法によつて利根川開発法案狙いとするところを採用することにいたしまして、そうして全国から発議されんとするような多くの河川もこれからこの法案によつてできるような狙いを持ちました実施法案を作りたいと申入れがありました。私どもはこれに対しましては或る程度強い反対を表明いたしまして飽くまでも利根川総合開発法案で通すか、それでなければ重要河川開発法案の線で行くかを実は堅持いたしまして、政府側と或る程度の対立を見つつ政府側の反省を求めたのであります。だんだん政府側におきましても次官会議等を開かれまして、いろいろの内部的な折衝があつたようであります。とにかく利根川開発法案構想をでき得る限り取入れまして、そうして全国河川が適応できるような国土総合開発法改正案を作るようにするからということでありました。それでもう私どもは素志を曲げずにおつたのでありますが、大勢與党内におきましてはだんだんその空気が澎湃として参つておりまして、利根川開発法案それ自体を以て進むということは非常に困難な事態に相成つたのであります。そこで政府側申入れに対しまして更に種々の要求をいたしまして、その要求も十分に入れてもらつてありませんが、或る程度まで反映をしておりますのでこの程度で止むを得ないというので私ども了承をいたしまして、この法案が通過した後において、そうして重要河川を含む特定地域を急速に実施に移してもらうという線に実は讓歩したわけであります。従いまして満足しておるのではないのでありまして、利根川開発法案が折角参議院を通りましても、衆議院においてその成立の見通しが十分に立ち得ないということになりましたので、玉砕を避けまして先に申上げた次善三善の策に応ずることの賢明なることを察しましてこの法案を不承々々ながら同意を與えたようなわけでありまして、気持といたしましては利根川開発法案を、お世話になりましたあの法律趣旨を飽くまで堅持いたしたいという考え方には変りはないのであります。一応今の政治状勢からこの改正法案によつて予算裏付を謳われ、又経済安定本部資金計画等に対する権限も修正案として一項加えられてありますようでありますから、十分とは申しかねますが、この程度で一応了解いたしまして、そうして更にこの法案実施によりまして不当な点があり、或いは我々の考えておることに阻害をするようなものに対しましては、逐次改正をして行くということによりまして目的を達成したい、かように考えておるわけであります。
  12. 田中一

    田中一君 政党に属しておりますところの議員としては、今の石川さんの心境止むを得んと思います。併し次善三善の策がこの法案に盛り込んである、こうおつしやつております。次善三善の策はどこに盛り込んであるか、若しもできるならば御指摘を願いたいのです。或いは石川さんが曾つて発言されたことを御記憶にないといけませんからもう一つ読み上げます。いろいろの観点から実施をしなければならないのだ、これは実施するのだ、実施する、実際に実施をするという方法でなくちやならないのだということを、もうこの数日間の審議の期間において常に強く言つておるのであります。例えば赤木さんが同じく質問した「利根川の水に関する総合開発と、国土総合開発、これは単に水のみでなく、もつと広汎の総合開発計画しておるのだと思いますが、その部分的の水に関する総合開発と何ら違うとは私は思わない、同じだと思うのです。違つたらおかしいので、同じ国としての総合開発ですから、それで国土総合開発のあなたのおつしやることと同じものである。進んでいなければ早めればいいので、何ら……同じものだ。今おつしやるのは国土総合開発のほうが非常にやり方が遅いから、これにもつとブレーキをかけて、早くこういうことをやればいいので」、というようなことを言つておりますが、これに対してあなたは「それは一応御尤もでありまして、私どももその点は非常に考究いたしまして、この法案を作るにつきましても、最も頭を悩ました点であります。国土総合開発法があれば、これは全国的の総合開発はできる。これはすればできるのでありまして全国的に総合開発をやるということは、全国的にやらないということと変らない。実際計画を伴わないところの計画プランに過ぎない。現に私ども考え方から行けば、又開発法でやつておりますことは、各府県から取寄せますところの一つプランである。実施計画を伴わないところには、真の開発計画はあり得ない、実現性のないところのものに対しては、熱意を持つ人は少いのであります。多く各省総合開発プランに過ぎません。実施が伴わない、三十年後か、五十年先かわからない計画を立てられることは、私は非常に迷惑である。従つてそのプランはおのずから責任を持つたプランが立て得る勇気がなくなるというような形になつておりまして、現在私ども国土総合開発審議会に参りましても、利根川に対して、何か調べたことがありますかと言うと、まだありません。君たちが努力すればこれからやります。こういう話であります。あなたがたがそういうことをやれば、我々もこれからやりますということでありまして、そこに積極性もないのであります。それは無理のないことでありまして、国土開発審議会事務局でなく事務室に過ぎない。全国国土開発をやろうという抱負を持つならば、もう少し擴大強化した堂々たる国土総合開発庁というものができなければならない。それが僅か事務室の、幾人もおらない。こういうようなところで、国土総合開発法があるのだから、全国的にそれに任して置けばそれはできるのだということは、私ども政治の実体から考えまして、これは希望するに過ぎなくして、むしろできないのではないか。プランを立てるだけであつて全国構想を各県に命ずるだけで、それではどこからやるかということになると、まだ全国的のものは、大部分集まつておらない、それですでに二年になります。こういうような形であります。これはどこの総合開発をやるにいたしましても、ああいう権威のない法律では国土総合開発法なるものは実現性のないものと見るのであります。これが本当に相当予算を持ちまして、国費をこれに投入いたしまして、全国国土総合開発を十年後に必ず実現する、三十年後に実現するというような大きなプランを持ちました総合開発法であれば、私どもはこんなことは考えなかつたかもわからない。今の現実では失礼でありますが、プランに過ぎない。実施計画は伴いません。漸くプランを集めるに汲々たる程度であります。府県におきましても、あまりこれに期待をかけておらない。議員諸君もかけておらない。ただプランを作るだけの形でありまして、こういうことでは、私ども現在地元民から朝に晩にその苦衷を訴えられております立場から考えますと、放つて置けず止むに止まれずこの法案を御審議願いまして、そうして一つこれで国土総合開発法の弱点、足りないところを補つて、それは若干法文上トラブルがあつてもそれは止むを得ない、現実の面において躍如たるものを現わしたいという建前から、こういう法案を立案しておる。こういうことを御検討願いまして」云々、こう言つております。従いましてあなたが今次善三善とはおつしやいますが、少くとも私もあなたの熱意に動かされて発議者として同調いたしました立場から申しまして、あなたのここに次善三善の策がこの改正法案のどこに発見できるか十分御検討願いまして、御意見というよりもあなたの信念を以て御答弁願いたいと思います。
  13. 石川榮一

    参考人石川榮一君) お答えいたします。御尤もな御質問でありまして私と同じお考えを持つていらつしやる田中委員の御指摘に私敬意を表します。ただ先ほど申上げたような次第でありまして、政治的な情勢から数段の譲歩をいたしまして、この程度で折合いを付けなければならん苦衷は御諒察願いたいと思います。特にこの法案の中で、私ども重要視しておりますのは、第十條の二、特定地域総合開発計画決定、それから第十二條年度計画、第十三條特定地域総合開発計画実施に要する経費、これらが一貫いたしましてこの改正案狙いとなつておるのであります。従いまして今指摘いたしました各條を読んで頂きますれば、この特定地域であるものが決定いたしますれば、それに対しまして審議会は案を審議いたしまして、そうしてこれを内閣総理大臣報告をする。内閣総理大臣はこれを閣議に付しまして閣議決定をする。閣議決定をいたしますると年度計画各省はその線に沿うたところの各省仕事のうちから、その総合計画にマツチするような予算各省提案をいたしまして、報告をいたしまして、そうして経済安定本部長官はその集まつて来ましたところのものを調整いたしまして、一般の公共事業費から検討を加えまして、そうして政府予算化につとめることになつておるのであります。その観点につきましては非常に微温的でありまして、利根川開発法案の狙うところから見ますると大変ベールをかけておるのでありまして、非常に遺憾でありますが、一応そういう筋書はこの各條に謳つてあるわけであります。詳細のことは政府委員の今井田次長から、この発案者立場から今の田中さんの御指摘になりました点等説明をしてもらおう、かように思いますが、私どもが不満ながら了承いたしましたのは、今読み上げました各條を読みまして、それで一応国土開発法案なるものはプランにあらずして閣議決定を義務付けるものであり、閣議決定したものに対しましては、各行政官庁長官は自分の所掌する事務のうちからその総合開発計画に基く予算を作りまして、そうして安定本部にこれを提出して安定本部はその調整を図つて予算の編成に努めるということになつておるわけであります。
  14. 田中一

    田中一君 私は三点を押えまして、次善三善の策がここで盛り上つてあるという御説明に対しては、何か誤解がおありになるのじやないかと思うのです。安本長官並びに建設大臣にしばしば質問しておりますが、この法案趣旨実施をするのではない。例えば二十七年度の実施予算、或いは実施と言いますか、計画実施予算というものが国土総合開発事務所には百万円、それから建設省管理局にあるのが百六十八万円と千二百万円、安本にあるのが八千八百万円、この八千八百万円のほうは国土調査費になつております。従いまして石川さんが考えておられるような、無論二十八年度にはどうするかということは伺つておりませんが、或いは二十八年度にあなたの御希望があつた或いは三十億、五十億という金が出るかもわかりません。併しながら私が今まで安本長官並びに建設大臣、並びにそちらにおられるところの政府委員の今井田さんのお話によりますと、そういう計画一つもないのです。あなたの一番重点に考えておられる実施、こういう面は一つもないのです。計画実施するという面はあるのですが、実際に国家予算を以て行うということは一つもないように了解しておるのです。その点は石川さんの誤解でないかというのですが、一応石川さんからは今御説明があつたわけでありますから、今井田さんからその点一つ説明願いたい。
  15. 今井田研二郎

    政府委員(今井田研二郎君) お話の点で、本年度の実施予算のうちに、只今指摘のありましたような利根川開発に関する予算が全然見込んでないのではないかというお尋ねでありますが、これは成るほど総合開発という項目ではそういう予算は計上してございませんが、本来の公共事業費のうちで、利根川総合開発計画に関する部分が相当つておるのであります。それが総合開発という項目になつておりませんので、大臣はそういうお答えを申上げなかつたかと思うのでありますが、事業費は公共事業費で出ておりますので、その点は御了承願いたいと思つております。なおこの際先ほど石川委員から、政府側から詳細な点を答えろというお話でございますので、若干補足しまして、主として重要河川法、先ほど石川委員からお話になりました利根川総合開発法案重要河川総合開発法となりましたので、それとの間の調整方について若干補足的に御説明申上げたいと思います。  重要河川総合開発法と本法との調整しました部分につきましては、先般も私この委員会で御説明申上げましたので、重複するかも知れませんが、第一の点は第四條であります。第四條の第一項に「国土総合開発審議会は、総合開発計画及びその実施に関し必要な事項について調査審議し」ということがございますが、この「及びその実施に関し必要な事項」という、これは新らしく附け加えた点でありまして、重要河川総合開発法におきましては、予想されております審議会計画を作成するのではなくして、その実施を促進するための審議会であるという性格を持つてつたのであります。その精神をこの法案の中に入れまして、総合開発審議会におきましては従来計画の作成だけに当つてつたのでありますが、今後は実施の促進に関しても必要な事項を調査審議し、総理大臣に勧告するというふうな権限を持たしたのでありまして、この点は重要河川法の精神を酌み入れた第一点であります。  それから第二の点は同じく第六條の二項でございますが、重要河川総合開発法審議会の構成を主として衆参両院の議員によつて構成されるような仕組になつたのでありまして、やはりその諸先生がたの政治力により実施の促進を図るというのが狙いの最大のものであります。そこで今回、従来三十名でありました審議会委員に新たに衆参両院の人を十五名附け加えまして、同じような狙い審議会に持たせるということにいたしまして、この点も妥協しました一つの点であります。こういうふうに審議会の機能と組織を根本的に従来の開発法案で、或いは重要河川総合開発法でお述べになつておりました点を、全面的に審議会の組織の点においては取入れてあるわけでありまして、この点は全く御意思を尊重しておるつもりであります。それからその次に取入れました点は、主として第六條の二を御覧願えればおわかりにらると思うのでありますが、御承知のようにこの第六條の二におきましては、「特に重要と認める河川を含む特定地域又はその他の特定地域」につきましては特別委員会というものを構成することになつておるのであります。この点は従来の総合開発審議会は、河川地域であろうと、或いはその他の地域であろうと平板的に取扱うから不満足であるという御趣旨でございましたので、今回は特別に、重要なる河川を含む地域等を特別に取上げまして、これを特別委員会という形によりまして取上げて、計画的にその土地の開発を促進する、他の地域と同じような平板的な扱いをしないで、計画的にこれを取上げて行くというふうな構成を取りました。この点も両法案の一致を図りました一つの点であります。  それからその次は、先ほど石川委員から御説明になりました十條及び十二條、十三條の一連の関係でございますが、これは今回の私ども改正は先ほど来、或いは先般来、利根開発法に刺戟されてこういう法案が生れたというふうな御発言もあつたようでありますが、その点も確かにございますが、私どもといたしましては実施の段階に入りました今日におきましては、従前の開発法案では飽き足らないのであります。それはしばしば御指摘にありますような実施という面が従来の開発法には全然ありませんでしたので、仮りに利根開発法重要河川というような法案が出ませんでも、実施の面を強調し、或いは促進するというような法的態勢を整備いたしませんと、総合開発という行政の取上げ方が絶対に進んで参りませんので、その独自の見地からもこういう実施目的としました改正を行いたいという考え方はかねがね持つてつたのでありまして、たまたまその点につきましては重要河川、或いは利根川開発法と全く目的を同じくするのでありまして、従つて十條の二におきましては、先ほど石川委員が御説明に相成りましたごとく、特定地域におきましては少くともこの計画特定地域計画閣議決定といたしまして、国の行政方針とする、そうして国の各省に対する拘束力を持たせ、その実施政府の道義的な責任にするというふうな、最も政府の行政的な措置としてはでき得る最高の方法を十條の二によつて取りますことによりまして、実施の確保を先ず図つたのであります。  その次に十二條におきまして年度計画を作成するという方針を取つたのであります。従来の重要河川開発法或いは利根開発法におきましてはやはり閣議決定という構想はございまして、その場合におきましては年次計画という構想によりまして実施計画を取上げてあつたのであります。即ち計画を立てます当初におきまして、数カ年間の計画を立てるということになつてつたのであります。ところがそういう年次計画は往々にしまして国の財政力の変動によりまして、必ずしも当初計画を立てましたときのようには進んで行つておらんというのが現在の状況でございますので、その点を多少動的に扱いますために政府は当初立てられました全体計画即ち閣議決定せられましたる全体の総合開発計画に基きまして、国の財政力なり或いは諸般の情勢を勘案いたしまして、毎年度毎年度実施計画を作成する、その実施計画の担当者はそれぞれの所管業務を担当しております行政機関が、閣議決定に基きまして当該年度の実施計画を作成いたしまして、それを安本長官が調整する。今回衆議院におきまして修正を加えられましたものによりますると、更にそれに基いて資金の面からもその点を調整するというふうなことになりまして、一段とこの点は実施につきましての確保を図つておるような規定になつておるのであります。御承知のように従来予算関係の規定を設けております各般の法律はございますが、大体十條と十三條、即ち全体計画閣議決定をいたしまして、政府予算の許す範囲内において、財政の許す範囲内においてこれの予算化に努めなければならないというふうな、規定の仕組になつておるのでございますが、今回はこの十二條を設け、更に次に第十三條によりまして予算の許す範囲内において、財政の許す範囲内において予算化を図らなければならないというような規定を設けておるのでありまして、この点に関しては法体系といたしましては私は一段の進歩ではなかろうか、即ちここで全体計画を尊重して行けというホール・ピクチユアーに対しまして予算を付けるというような行き方ではなしに、毎年度実施計画を作り、その実施計画に対して予算の確保を図れという道義的な責任政府に負わせておりますので、実施の促進、こういう方面におきましてはこういう法律の組み方は、従前の予算にあつた各般の法規の中で一番進歩したものではなかろうか。従いまして実施という面につきましては先ほど来いろいろ問題になつておりますけれども、私はむしろその点につきましては、従前の利根開発法や、或いは重要河川総合開発法よりも更に進歩したものではなかろうかとすら考えておるのでありまして、十分実施という面につきましては考慮しておるつもりでございます。
  16. 田中一

    田中一君 むろん利根川総合開発法案並びに北上川開発法案の変形なんですから、それを強調しておることはわかります。法文というものを盛り込むということは承知しておりますので、今第二章で「及びその実施に関し必要な事項」ということを加えたんだから、これは実施して行くんだ、或いは実施する人はわかりませんが、本法ではわかりませんけれども、「実施に関し必要な事項」というのは結局実施に関する計画ということに私は考えておるんですが、従来もこの「実施に関し必要な事項」も調査しておつたというように言われておつたのですね。今度はそれを明確に「実施に関し必要な事項」を加えたんだというような御説明があつたと思いますが、そのように承知したんですが、この改正法案を出す前にどういうふうな実施計画、無論実施計画というのは予算が、予算といいますか工事費が伴うのでなければ実施計画にならない、あなたはどういうのを実施計画とおつしやるか。石川さんの言つておる実施計画はそういうものじやないのです。林道なら林道一つでも、これをやるには幾らかかる、それを計算して総合したものが実施計画であり、実施予算なんです。あなたの言つておるように実施計画をするからいいじやないかということでは、なんにもならないのです。一体この法律で以て、この法律改正したからといつて石川さんの望んでいるような実施に対する詳細なる個々別々の、これは無論地方自治団体が実施をするのでしようけれども、それに対する経費と見合いますところの実施考えておるのか、そういう点はどうなんです。
  17. 今井田研二郎

    政府委員(今井田研二郎君) その通りであります。閣議決定いたしますのは、利根川地区なら利根川区の総合開発の全体計画閣議決定いたしまして、毎年度その全体計画のうちのどの部分をどういうふうな形で実施するかというのがいわゆる年度計画であります。それに対しまして必要な経費は安定本部総務長官が資金計画を調整いたしましてこれをつけて参るというふうな仕組みになつておりまして、計画をただ単なるペーパー・プランではなしに、経費の裏付けのある計画にして参りたいというのが今回の法律狙いであります。なおこの四條につきまして「実施に関し必要な事項」ということにつきましての私の説明につきましてお話がございましたが、私はこれは今回新たに附け加えられた項目であつて、従前はやつておらなかつたものであるという意味のことを申上げたのでありまして、その点は私の申し違いだつたかも知れません。訂正いたします。
  18. 田中一

    田中一君 高橋さんに伺いたいのですが、第六條の二項、今政府委員説明したように三十名を四十五名に改めて、そうして実施の面で北上川提案理由で御説明なすつたときに、一応北上川の特殊性を説明して、あとのことは利根川法案と同じだからそれで御了承願います、こういうように提案説明で言つておるのです。従いまして利根川総合開発法案と同じごとと考えますが、今政府委員が述べたような形でもつて実際に北上川総合開発が少くとも緒に着けるか、あなたの考えておる万分の一でもいいからその実施に当るとあなたお考えになつていらつしやいますか。無論與党でいらつしやるあなたですから、そのことも御承知かも知れませんが、この改正法案が通つて、実際に北上川のために幾らかでもこの計画の一歩を踏み出すことができるとお考えになつていますか、伺いたい。
  19. 高橋進太郎

    参考人高橋進太郎君) 田中さんの御質問ですが、我々当初北上川開発法案を提出いたしました当時からこういう総合開発計画になりまして、そのときにも多分赤木委員からこういう案の提案があつたと思いましたが、その際にも我々といたしましては、やはり北上川北上川利根川利根川という具体的な河川を押えてそうしてその具体的な河川の総合的な開発ということが最も必要であつて従つてこうした具体的な河川についての開発法案というものを提出したと、こう申上げたのであります。従つてその信念については今なお変らないのでございまするが、従つて先ほど石川委員からお話ありました通り、我々は最上の案といたしましては依然として具体的な河川についての総合開発法というものが必要であると、こう考えておるのでありますが、先ず国政全般からこういう国土総合開発法に転嫁されたのであります。従つて我々も只今田中さんの御指摘のように、與党議員としてこれらに参画をいたしたのでありまするが、我我審議の過程におきましては、先ほど今井田政府委員からお話のありました通り、我々の企図した全部は満たされないにしても、少くともそれに近いものとしてこの法案により又法案の意図するところの実施計画において、重点的にそうした河川を取上げて、そうして運営において万全を期して頂くということを了承いたしまして我々もこの法案に賛成をいたしたのでありまして、従つて先ほど石川委員からお話がありましたように、この案は第一案ということには違いないけれども次善案なり三善案なりとしては、これによつて最初我々の提案したところのものの実行を監視督励することによつてこれを補いたい、こういうふうに考えておるものであります。
  20. 田中一

    田中一君 これは高橋さんも石川さんも與党の席にいらつしやるかたがたですから、大体この両河川法案がこれに変形したことについては無論党内でいろいろ御審議願つたと思うのです。その際各大臣も見えられての御検討だと思うのですが、大体どのくらいな実施する経費を投入するというように御説明なすつてあなたがたはこれを御承諾なすつたのか。これは自由党内の問題ですから私は存じませんから、自由党内でこの改正法案に御賛成なすつたという立場から言いましても、どのくらいの経費を投入するのだというようなことはお話になつておりましたか、おりませんか。お二方に伺いたいと思うのです。
  21. 石川榮一

    参考人石川榮一君) 御尤もな御質問ですが、別に予算を幾ら利根川に付けろ、或いは北上川にどのくらい予算を付けるかというふうな問題につきましては私ども触れておりません。というのは、利根川開発法案にいたしましても、北上川開発法案にいたしましても、或いは更に最上川、木曾川というような法案も逐次発案される傾向にありましたので、その席で各々自分の主張するところの河川予算要求を明示を迫るということは徳義上よろしくない、むしろ紛糾を激化するゆえんだ、こう考えまして、それらの問題は挙げてこの法案通りまして審議会が追つて設置されましたらば、審議会によつて国の財政状態等も勘案いたしまして、そうして特定地域を指定してどれとどれをやるかということがきまると思いますから、そのときに予算等については各般の状況から勘案して算出さるべきものであつて、この法案をものするときに予算要求をする、その言質を取るということは甚だ穏やかでない、むしろ紛糾を招いて法案それ自体を混迷に導く虞れがありましたので、別にそういう具体的なものにつきましては追及をしておりません。要は国土総合開発法改正法で行くという以上は、それが予算面に必ず毎年度十分に出し得るような法案であるならば、それで一応了承いたしまして、あとはこの審議会の活動並びに重要河川中心としております特別委員会の活動等に待ちまして、そうしてその予算をできる限り付けさせる以外にはない、こう考えまして実はそういう具体的な質問をしておりません。以上であります。
  22. 高橋進太郎

    参考人高橋進太郎君) これは今石川さんの御説明がありました通り、我々の計画としては一応金額を見積りまして出したのでありますが、これは国のそのときの財政状態にも関連するのでありまして、俄かにそれならばどの年度にはどれだけ出すということを決定することはできないけれども、併しながらこの案の計画並びに我々両法案がこの法案に織り込まれたという趣旨からして、十分政府においても重点的にこの問題については審議会その他の答申と相待つて財政的な考慮を拂う、こういうような我々の了解の下にこれは了承いたした次第であります。従つて我々としてはその年における財政の許す範囲内において、重点的にこれは取扱われるというふうに考えておる次第であります。
  23. 田中一

    田中一君 十九の特定地域を指定いたしたのは、この十九の指定地に対する今政府委員の御説明を聞きますと、重点的にこの十九に先ず国家的に出すというような御説明ですが、実際そういうような予算措置を取るような心組みであなたのほうの長官がおられるのですか、それともそれを先ず、とにかく各省並びに各地方、都道府県に対しましてそういうものを持つて来い、幾らか資料を持つて来いというような要求を、この法案通ります前にも、当然やつていいと思います。あなたのほうが実施面までタツチするというお考えならば、そういう資料をお取りになつていらつしやるのですか。
  24. 今井田研二郎

    政府委員(今井田研二郎君) 各府県から、そういう特定地域総合開発に関する資料はもう取寄せております。その審査を私どものほうで始めております。
  25. 田中一

    田中一君 大体それでは十九の特定地域総合開発を優先的にやるとするならば、その十九の特定地域に今集まつているものだけで結構ですが、どの地域はどれくらいの工費で、何年計画でやるというような案ができておりますならば、その資料を一つお示し願いたいと思います。
  26. 今井田研二郎

    政府委員(今井田研二郎君) 後ほどお手許にお届けいたします。
  27. 田中一

    田中一君 大体その実施をすると、実施計画ということは、無論それに対する工事費、事業費が付いておると思いますが、大体一つのものがどれくらいになるのか、ここで御説明できませんか。
  28. 今井田研二郎

    政府委員(今井田研二郎君) ちよつとお伺いしたいのでありますが、各地域の実施計画の概要を御説明しろというお話でありますか。
  29. 田中一

    田中一君 十九のうちでそちらに提出されておるところの実施計画、その内容が知りたいのです。
  30. 落合林吉

    説明員(落合林吉君) 私建設省管理局画課長の落合でありますが、地方で今立案中の計画事務の連絡をやつております。その概要を申上げますと、十九の特定地域総合開発計画の中間報告概要という形で取寄せております。そういうようなことをやつておりますのは、この法律特定地域総合開発計画を立案する際には、各関係行政機関の長から助言を受け得ることができるようになつておりますので、特定地域総合開発計画ができました曉には、政府閣議にかけて計画決定するというような重要な計画でありますので、その以前に自主的に府県計画を立案する際に、又計画が完成する前に、あらかじめ各関係行政機関の長の意見、助言を受けたほうがよいと存じましてその中間報告を今取寄せまして、そうして関係行政機関に提示いたしまして、助言があれば、意見がある場合には各行政機関の長から助言して頂くというような処置を取りつつありますので、まだ法律に基く正規の計画としまして提出して来たものではございません。中間段階のものは十九地域ともございます。
  31. 田中一

    田中一君 大体次の国会では、政府公共事業費相当盛り込むというように新聞、放送で承知しておりますが、安本では集計したものは一番よくわかると思いますが、大体どのくらいのものを十九の特定地域に投入しよう、無論事業をするのは建設省、農林省並びに地方公共団体でやるのでしようが、大体総額どのくらいのものを投入しようというような考えでおられるのか、この点伺いたい。
  32. 今井田研二郎

    政府委員(今井田研二郎君) 十九の特定地域に対しまして、地方が考えております開発事業の事業費の総計は約一兆になつております。この一兆と申しますのは、これは各府県希望額でありまして、政府の査定いたしました確定いたしました計画に対しまして受ける額ではないのであります。このうちで公共事業費期待しておりますものは半額の約五千億になつております。そうしてこれらは全部十カ年計画の金額の総計であります。従つてこの地方額をそのまま取上げるといたしましても、平均いたしまして一年間五百億ありまして、現在の公共事業費の総額が一千億以上に上つておりますので、これは必ずしも荒唐無稽な地方の計画でないことはこの点からもおわかりになろうと思うのであります。更にごの計画政府において査定いたしまして、十分計画を搾りまして合理的な計画にいたすことになつているのであります。その見通しは現在先ほど申しましたように、調査中でありまして確定いたしておりませんが、大体最高年間五百億という程度考えております。
  33. 田中一

    田中一君 予算の編成は政府がおやりになつたのですから、これは実現されれば甚だ結構です。まだ私は納得できない点も多々ありますが、今日石川さんにお出で願つてつたのは、私も発議者の一人になつたものですから、実際にこの自由党の内部では、政府の内部でどう考えているか、実際の面に触れてこれを伺いたかつたので……。
  34. 郡祐一

    委員長代理郡祐一君) 速記をとめて。    〔速記中止〕
  35. 郡祐一

    委員長代理郡祐一君) それでは速記を始めて。
  36. 田中一

    田中一君 若しも継続審議をなさるならば、まだ質問したい点もあります。今日はお忙しいところ石川さんおいでになつて甚だ恐縮でございます。赤木さんが御質問があるようですから、私はちよつと今はここでやめておきます。
  37. 赤木正雄

    赤木正雄君 私は実は今日は成るべく質問しないでおこうと思いました。ところが特定地域の問題が出ましたから、そうなつて来ると一応の御意見を聞いて見ないといかんと思います。先に十大河川云々とありましたが、この特定地域開発目標一覧表の中には十大河川として入つているのは木曾川、利根川など入つていますが、私はここに入つていなくてもここに入れるべき十大河川その他の河川がありはせんかと思います。それでこの次の委員会には十大河川以外の大きな河川の詳しい調査を皆持つて来て欲しい。その調査によつて私は全部審議し直します。
  38. 今井田研二郎

    政府委員(今井田研二郎君) 承知いたしました。
  39. 赤木正雄

    赤木正雄君 私の質問はこれで終ります。
  40. 郡祐一

    委員長代理郡祐一君) 速記を止めて。    〔速記中止〕
  41. 郡祐一

    委員長代理郡祐一君) それでは速記を始めて……。それでは今後の連合委員会の扱い方は、委員長理事の打合せ会に関係委員長の御出席を願いまして定めることにいたしまして、本日はこれを以て散会いたします。    午後三時十九分散会