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1952-06-02 第13回国会 参議院 経済安定・建設連合委員会 第3号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十七年六月二日(月曜日)    午後二時一分開会   —————————————  出席者は左の通り。   経済安定委員    委員長     佐々木良作君    理事            郡  祐一君            永井純一郎君    委員            古池 信三君            杉山 昌作君            須藤 五郎君   建設委員    委員長     廣瀬與兵衞君    理事            赤木 正雄君            田中  一君    委員            楠瀬 常猪君            深水 六郎君            前田  穰君            松浦 定義君            東   隆君   委員外議員            三橋八次郎君   国務大臣    建 設 大 臣 野田 卯一君   政府委員    経済安定本部建    設交通局長  今井田研二郎君   事務局側    常任委員会専門    員       渡邊 一郎君    常任委員会専門    員       桑野  仁君    常任委員会専門    員       武井  篤君    常任委員会専門    員       菊池 璋三君   —————————————   本日の会議に付した事件 ○国土総合開発法の一部を改正する法  律案内閣送付)   —————————————
  2. 佐々木良作

    委員長佐々木良作君) それでは国土総合開発法の一部を改正する法律案に関しましての経済安定と建設連合委員会を開会いたします。  この法案につきましての、この連合委員会は本日で三回目であるわけでありますが、予備付託段階で二回連合委員会をやりまして、一応の質疑は大体のところは終つたわけでありますが、御承知のように衆議院でこの法案改正問題も出ておりましたし、同時に改正内容が確定いたしまして本付託になりましてから、はつきりともう一遍その内容を吟味する必要があると思いまして、今日まで延ばしておつたわけであります。御承知のように二十七日にこちらに本付託なつたわけであります。従いまして予備審査審議しておりました法案につきまして、衆議院修正がありましたわけでありますから、その修正個所を中心として先ず政府委員のほうから説明を聞きたいと思います。
  3. 今井田研二郎

    政府委員(今井田研二郎君) 衆議院におきまして総合開発法改正法案修正を受けました点は二点ございます。  その第一点は第十條第二項でございます。原案によりますとその第二項におきまして特定地域指定を行います際には経済安定本部総務長官関係行政機関の長の意見を聞いた上で建設大臣協議しなければならないということになつてつたのでありますが、関係行政機関意見を聞くというだけでは適当でない、関係行政機関の長と協議をして、その協議の結果に基いてこれを決定するようにいたさなければ不十分であるという御意見が出まして、その結果第十條の第二項におきまして、経済安定本部総務長官関係行政機関の長の意見を聞きとありましたのを、関係行政機関の長と協議しというふうに修正されることになりました。これが修正点の第一点であります。  それからその次の点は第十二條に新たに第四項を附加えられたということであります。その附加えられました全文を朗読いたします。「経済安定本部総務長官は、毎年度関係行政機関の長から総合開発計画に関する公共事業関係資金計画書類提出を求め、これについて前項の規定により調整した事業計画の円滑な案施を図るため、必要な調整を行うものとする。」これが修正を受けて追加されました條文全文であります。この趣旨は十二條におきましては、御承知のようにこれは年度計画規定でございまして、関係行政機関の長は第一項におきまして、毎年度特定地域におきますところの総合開発計画実施に関しまするところの事業計画作つて、これを経済安定本部総務長官提出しなければならない、又都府県も毎年度実施計画ができた場合にはこれを経済安定本部総務長官提出しなければならない、経済安定本部総務長官はこの両者調整して適当なる年度計画を作るというふうに原案におきましてはなつてつたのでありますが、この計画調整だけでは意味がない、これに資金的な裏付がなくしては完全なる計画とならないという御意見がございまして、その結果といたしまして、單なる事業計画のみならず、これに要するところの資金計画調整もその裏腹として安本長官が行なつて総合開発実施の確保を図らなければならないという御趣旨で、ここにこの條文が追加されることになつたのであります。  衆議院におきますところの提案理由説明によりますと、この修正を受けました公共事業関係資金計画という言葉の中には公共事業に関しますところの関係各省予算要求をも含む意味に解しまして、この資金計画という字が用いられておるのだというような御説明もあつたようでありまして、従いましてこの修正を受けました條項公共事業関係資金計画という言葉は相当広範囲に我々としては解釈しておる次第であります。  以上の二点が衆議院におきまして修正されました主要なる点でございます。
  4. 佐々木良作

    委員長佐々木良作君) 修正点を含めまして、前回と同様質疑を継続したいと思いますが、その前に一つ御了解を得たいと思います。この法案審議に当りまして特に衆議院修正がされまして、本院に回付されまして以後、農林委員長から話がありまして、農林委員会としてもこの法案に対して相当関心を持つておるのでありますが、まあ連合委員会を開く必要はないと思うけれども、農林委員一つ質疑委員外発言としてやらしてくれという話がありましたので、そのお話に基きまして今日農林委員の三橋八次郎君が見えておりますので、これを委員外発言を許可したいと委員長は考えますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  5. 佐々木良作

    委員長佐々木良作君) じや、そのようにいたします。三橋さんを含めまして、自由に一つ質疑のあるかたから御発言をお願いいたします。
  6. 三橋八次郎

    委員外議員(三橋八次郎君) 大変お忙がしい中、貴重な時間を割いて頂きまして農林委員発言の機会を与えられましたことを感謝いたすものであります。農林業は御承知のように我が国産業部門の重要な一つでありまして、もろもろの政策の樹立、実行面におきましてもその重要度に応じまして公平に措置されなければならないことは当然でございます。従来ややもしますると、農林業が不当に軽視されましたり、他の産業に比較いたしまして均衡を失した取扱を受けがちであります。この点農林部門担当者といたしましては、誠に遺憾と存じておる次第でございます。この法律案におきましても、かような意味におきまして種々議論なり意見なりがあるのでありまして、国土総合開発は極めて広汎な内容を含んでおるものでありまして、農林が他の部分と同率に考慮されなければならんということは論ずるまでもないことであります。殊に産業立地関係というようなことから見ますると、その適正化を図るためにも関係部門平筆に参画をすることによりまして、初めて総合開発というものを円滑に進めることができると思うのであります。一特定部門のみを法律運用に強く参与せしめることは従来の経過に徴しましても妥当を欠くものと信ずるのであります。こういうような観点から二、三質問をさせて頂きたいと思うのでございます。  先ず第六條第二項の国土総合開発審議会委員の問題でありますが、農林水産国土開発における重要性に鑑み、国会議員及び学識経験者農林水産部門代表者多数を加え、又地方公共団体の長につきましても、それぞれ特殊事情に左右されがちな点に鑑みまして、産業部門間のアンバランスを生じないように特に選考して頂きたいと思うのであります。政府はこれらの点につきまして選考はどういう見地からなされようとするものであるかお伺いしたいと思います。先ずそれからお答え願いたいと思います。
  7. 今井田研二郎

    政府委員(今井田研二郎君) 只今の御質問の、審議会委員のうちに農林関係の者を加えろというお話でございましたが、その点につきましては、委員決定の際に十分考慮いたしたいと思います
  8. 三橋八次郎

    委員外議員(三橋八次郎君) その次は、第六條五項の特別委員選考はどういう見地からなされるかお伺いしたいと思います。又、第六條の二の特別委員会特定地域に設置されることになつておりますが、特別委員会において審議するのはどういう事項であるか、委員特別委員の関連において御意見を伺いたいと思います。
  9. 今井田研二郎

    政府委員(今井田研二郎君) 特別委員会は、この法律にもございますように河川その他特別に重要なる地域特定地域でありまして、而も今申上げましたように河川その他特別な重要なる地域を含んである地域につきまして特別に審議をいたしますために、審議会下部機構といたしまして委員会を開くわけであります。で、如何なる事項、如何なる場合にこれを開きますかは、この法の運用上きめて参るのでございまして、今日のところまだ明白にはそれがきまつておりませんのでございます。ただ御承知のように、当今非常に問題になつております利根川の総合開発でありますとか、北上川の総合開発でありますとか、そういうふうに非常に問題になつておりまして、而も当該地域におきますところの特別の利害関係地域に持つておりまして、その地域審議をいたします際には、一般的な知識をお持ちになつておりますところの委員ばかりではなく、当該地域に特別の利害関係或いはその地域の或る問題につきまして特別に専門的な知識をお持ちになつておられるかたの御意見を伺わなければならないような場合には、そういうかたを入れまして特別委員会を持ちたいというふうに考えておる次第でございます。
  10. 三橋八次郎

    委員外議員(三橋八次郎君) その次は、現在すでに指定特定地域については審議会が設置されておるわけでありますが、特別委員会を設置するとすれば、重複することになるのでありますが、その点は如何でございますか。
  11. 今井田研二郎

    政府委員(今井田研二郎君) この特別委員会只今も申上げましたように、中央にございまする総合開発審議会の一機関でございまして、審議会運用上の一つの会合でございまして従つて地方にございます地方審議会と重複することはないというふうに考えておる次第であります。
  12. 三橋八次郎

    委員外議員(三橋八次郎君) 次は特別委員会の構成につきましても、農林水産部門を十分に代表するよう組織すべきであると考えるのでありますが、政府はどういうように考えておりますかお伺いしたいと思います。
  13. 今井田研二郎

    政府委員(今井田研二郎君) 農林水産関係につきまして特に関係がある場合におきましては十分御質問のように処置いたしたいと考えております。
  14. 三橋八次郎

    委員外議員(三橋八次郎君) 国土総合開発審議会は、計画の作成、事業実施について公平な調整を行う必要がある。特定部門意見のみによつて左右せられることは嚴に避けなければならんことであります。審議会事務局経済安定本部又は総理府に設くべきであると思うのでありますが、これに関して第六條の三に指定されておる政令内容というものはどうなつておりますか。
  15. 今井田研二郎

    政府委員(今井田研二郎君) 失礼いたしました。現在出ております政令によりますと経済安定本部がその事務局になつております。
  16. 三橋八次郎

    委員外議員(三橋八次郎君) その次は第七條の二の第二項によりますれば、都府県の作成した都府県総合開発計画建設大臣を通じて内閣総理大臣に報告することになつております。国土総合開発の問題は利害関係を持ちます省も多く、且つ関係各省の協力によつてのみ推進し得るものであるにもかかわらず、特定部門窓口を委ねることは不合理でありましてすべての行政機関事務総合調整を行う経済安定本部を通じて総理大臣提出するべきものと思うのであります。その建設省窓口機関としての役割が単なる書類を受付けるだけのトンネル機関であるに過ぎないものでありますれば、何も建設省を通ずる必要はないのでありまして、直接総理大臣提出すればよいと思うのでありますが、何故に建設省を通ずることにしたのか、その理由を伺いたいと思います。
  17. 今井田研二郎

    政府委員(今井田研二郎君) 御承知のように総合開発計画におきましては地方自主性というものを非常に尊重してございまして、計画立案はすべて地方自治体にこれを委ねる、地方の総意をできるだけ尊重して参るという考え方ででき上つておるのでございまして、その計画を最終的に決定いたします際には、一応行政最高責任者でありますところの総理大臣に直接と申しますか、建設大臣を通じまして計画を出し、そうして一方この計画に対しますところの中央政府意向経済安定本部総務長官がこれを各省意見立案につきまして、取りまとめましてそうして総理大臣のところにその当該計画に対しますところの中央政府意向提出する。総理大臣がその地方意向中央各省意向とを総合調整いたしまして、最終的な計画を決定する、そういう仕組になつておることは御承知通りであります。そういたしまして、その場合、地方の自主的な意見を出させますときに、如何なる窓口を通ずるのが一番適当であるかということになるのでありますが、お話のように、経済安定本部を通ずるという一つの行き方もあろうかと思うのでありますが、経済安定本部は現在の設置法によりますと、大体中央各省意見を取りまとめるというのがその権限でございまして、地方の自治体と直接の接触を持つというふうな権限は一応与えられておらないというふうに解釈しておるのもその理由一つであります。更に又さようにいたしますと、いずれの省を通ずることが妥当であるかということになりますと、建設省は、いわば従前内務省変つた形というふうにも解釈されまして、従前からそういうことをやつておる関係もございますし、又一方建設省の現在の設置法の中には、国土計画に関する事項というふうな、国土計画に関する事項を扱い得る権限建設省設置法にはあるのでございまして、そのような関係からいたしまして、建設省を通ずるというのが現在の設置法を前提といたしました行政運用上としましては最も適当であるという考え方で、一応建設省を通じて総理大臣意見を出さぜるということになつておるわけでございます。ただこの場合建設省が、然らばどういう中間におきまして作業をするかということになりますと、これはただ單に経由機関でございまして、そこにおきまして、事実上地方意思を拘束し、或いは抑制するということはいたさないということに現在なつておるのであります。その点を附加えまして説明を申上げます。
  18. 三橋八次郎

    委員外議員(三橋八次郎君) 随分お答えは廻りくどいようでございますが、神方自主性という部面を重んずるというようなことでありまするが、建設省設置法だけを改めますれば、総合開発というものは円滑に行くというようなことでありますると、又いろいろな考え方もここに生じて来るように思うのでございますが、前の内務省の代りにできたものだからなどというようなことなどは一応問題にならんでしようけれども、円滑に国土総合開発ということをやろうとしますると、やはりお話のように自主性というものは重んじて行かなければならん。そうなつて来ますると、なお更建設省窓口になるということはおかしいように我我は解釈するのでありますが、この点も十分御考慮の上更に善処をお願いしたいと思うのでございます。次は第十條の特定地域総合開発計画であります。この本法の改正は、特定地域総合開発計画に重点があり、特定地域指定は最も重要なる地位を占めておるということは申すまでもないことであります。政府原案では、国土総合開発特定の省の所管のごとき印象を強く与えたのでありますが、衆議院修正により少しは緩和されたようであります。併しながら二項によりますれば、特定地域指定総理大臣に要請する場合、建設大臣だけが関係都府県同意を得ることになつておりまして、河川、道路にしか所管がなく、農林水産、石炭、その他地下資源について何らタッチしていない建設省に、地方意見を代弁せしむることは、論理的に考えましても、実際的に見ましても甚だ不合理と考えるのでありますが、この点につきまして、政府の御見解を伺いたいと思うのでございます。なお又同條の衆議院修正点につきましても、一項、二項を素直に読みますと、安本建設省のみが特定地域のイニシアチイヴを持つておるようにも読めるのでありますが、その辺の運用につきまして明確な御答弁をお願いしたいと思います。
  19. 今井田研二郎

    政府委員(今井田研二郎君) お尋ねの第一点の建設大臣関係都府県同意を得るということはおかしいではないかという意見でございますが、それは只今七條につきましてお尋ねがございまして、私からお答え申上げたのとその趣旨同一でございまして、結局地方意思と申しますか、地方自主性中央に通ぜしむる窓口といたしまして、どこの省を選ぶかという際に、建設省を選んでやるということなんでありまして、その見解は、先ほど申上げたのと同一でございます。第二の点の総理大臣特定地域指定要請をする際に、経済安定本部総務長官建設大臣だけが協議するのはおかしいではないかという点でございますが、これはこの場合の経済安定本部総務長官は各関係各省意見を取りまとめまして、中央政府意見代弁者としての経済安定本部総務長官であります。一方この場合におきますところの建設大臣は、関係都府県の、即ち地方意向を代弁する立場におきますところの建設大臣でありまして、いわば中央政府地方自治体との協議両者によつて行われる、その協議が整いました上で、これをその結果につきまして総理大臣に要請するということになるのでありまして、今回の衆議院修正によりまして、以前の案におきましては、経済安定本部総務長官中央政府意見を取りまとめる際には、関係各省意見を聞けばそれで十分であるというふうになつておりましたのを、その際におきましても、関係各省協議をする、関係各省意見が完全に一致した上でなければ建設大臣との協議をしてはいかんということに修正を受けた次第もございまして、決して経済安定本部総務長官だけが單独で関係各省意見を無規しまして勝手にきめるということにはなつておらないのであります。その点は御了承願いたいと思います。
  20. 三橋八次郎

    委員外議員(三橋八次郎君) 次は第十一條の四の第二項の事柄でございますが一経済安定本部総務長官は特に調査すべき地域指定することができるというのは如何なる地域であるか、説明されたいのであります。右の特に調査すべき地域特定地域候補地とみなすものかどうか。
  21. 今井田研二郎

    政府委員(今井田研二郎君) 昨年の十二月に特定地域指定総理大臣がいたします際に、併ぜて調査地域というものを指定いたしたことがあるのであります。現在全国で八カ所ございます。ここに言うところの特に調査すべき地域指定するというのは、先般の政府指定いたしました調査地域のようなものに該当する地域を考えておるわけであります。第二の点の調査地域特定地域候補地と考えて然るべきかというお話でございますが、一応さようお考え下さいましてもよろしかろうと存じます。
  22. 三橋八次郎

    委員外議員(三橋八次郎君) 第十四條でございますが、北海道との調整北海道開発庁長官審議会との意見を聞くのみで総理大臣が行うこととなつておりますが、北海道開発は全国的規模からの調整を十分にすべきで、従つて各省関心も極めて大きいものと考えるのであります。あらかじめ各省意見を徴した上北海道開発庁長官及び審議会意見を聞くように措置すべきであると思うのでありましてその点現在の規定では各省意見はどの段階で反映せしむるつもりであるか、お伺いしたいのであります。
  23. 今井田研二郎

    政府委員(今井田研二郎君) この條文におきましては必ずしも明確にはなつておらないのでございますが、内閣総理大臣北海道長官協議をいたします際には、当然その場合それ以前に関係各省意見を十分聞きました上で協議をするということになることは当然のことでございまして、條文には特に書いてございませんが、それ以前に行うということに御解釈願つて差支えなかろうと思います。
  24. 三橋八次郎

    委員外議員(三橋八次郎君) その次の問題は、国土総合開発仕事は、その性質上この法案のような建設省安定本部の共管のような不統一の形を一掃いたしましてこの際安本に統一し、必要ならば関係法規をも改正することが必要だと思うのでありますが、その御意思はあるかどうかお伺いいたします。
  25. 今井田研二郎

    政府委員(今井田研二郎君) その点につきましては私ども事務当局といたしましてはちよつとお答え申上げかねます。御了承願いたいと思います。
  26. 三橋八次郎

    雲量外議員(三橋八次郎君) いろいろお答えを願いましたのでございますが、いずれこの答えを農林委員会に報告いたしまして、改めて農林委員会意思をまとめましてこちらにお願いに出ることにいたします。有難うございました。
  27. 佐々木良作

    委員長佐々木良作君) ほかに御質問ありましたら御継続をお願いいたします。
  28. 赤木正雄

    赤木正雄君 「国土総合開発審議会経過概要」というのがありますが、これの七十九頁に「公共施設耐用年数表」というのがありますが、これを見ますと各構造別の区分があつて耐用年数が出ていますが、これは何によつてこういう数字が出たのでしようか。
  29. 今井田研二郎

    政府委員(今井田研二郎君) これは関係各省専門委員からそれぞれ御意見を御提出願いまして、それを取りまとめたものでございます。
  30. 赤木正雄

    赤木正雄君 ではこの国土総合開発計画に基いていろいろの工事をする場合に、大体この耐用年数を参考として計画されるのですか。
  31. 今井田研二郎

    政府委員(今井田研二郎君) 大体この耐用年数基礎といたしまして、償却その他を考えまして諸計画立案いたしたいという考えであるます。
  32. 赤木正雄

    赤木正雄君 もつと十分調べて御質問するべきでありますが、仮に一つ二つ見ましても、溜池のごときは八十年しか持たない、これは最も長いほうです。堰堤でもコンクリートにして五十年、石積が四十年、実に四、五十年、これは長いほうです。こういうふうなことを基本にして仕事をする場合には、日本幾ら総合開発をやつてもすぐ御破算になるのですが、これはどうなんですか。
  33. 今井田研二郎

    政府委員(今井田研二郎君) この耐用年数審議をいたします際に、かような諸計画を立てます際に、諸外国の例等も調べたそうでございますが、その場合アメリカ等におきましても耐用年数最高百年くらいを考えまして、諸計画立案基礎にしておるということでございまして、そのような関係から、日本では大体それよりも下廻つたところで計画を考えて行くのが至当ではなかろうかというふうな考え方で、只今申上げましたように比較的短かい耐用年数を以ちまして計画基礎にしておるというふうな状況でございます。
  34. 赤木正雄

    赤木正雄君 アメリカでも百年くらいとおつしやいましたが、御面倒でもこの次の委員会にはアメリカの各構造物に対する耐用年数を全部お示し願います。これを先ず要望いたします。
  35. 今井田研二郎

    政府委員(今井田研二郎君) 承知いたしました。
  36. 赤木正雄

    赤木正雄君 それから大臣がお見えになりましたから一つ二つお伺いしますが、国土総合開発法の一部を改正する法律案修正案のほうでありますが、その第十二條の第四項の「経済安定本部総務長官は、毎年度関係行政機関の長から総合開発計画に関する公共事業関係資金計画書類提出を求め、」、つまり公共事業関係資金計画安定本部で全部やるというふうなことになつております。これは終戦後安定本部が大体こういうふうなことをしておられましたが、その効果が果してあつたかどうか、場合によつて安定本部は各役所の出店機関で、而もお互いに予算ぶん取り機関である、それがためには認証とか何とかやかましいことばかり言つて、その認証のために施行期間をずらして、そうして地方が迷惑していても、認証のために地方から求めた書類はあの棚の上でごみが一杯溜まつておる、これが実情であつたといつても差支えないような調子なんであります。ああいう今までの結果を見たときに、果してこれでいいのか、これは大臣はどういうふうにお考えなされますか。なお私は先ずお伺いしたいのは、この委員会で我々がやかましく申しましても、ただ一片の御答弁で、我々が正しいことと思つてつたことも修正しようというようなお考えがないならば、もう何ら言う必要はない。それが大いに価値がある、成るほどというふうなお考えがあるならば、この案があつて修正しようというお考えがあるかないか、それから先ずお伺いしたい。
  37. 野田卯一

    ○国務大臣(野田卯一君) 経済安定本部で従来やつておりました公共事業に関する予算の事前審査と申しますか、事前査定と申しますか、そういう点におきましては行政府の中におきましても各種の批判があるのであります。特に認証制度に至つてはいろいろな観点から種々の議論がありまして、結局今日の事態においては認証制度はその必要がない、場合によりましては弊害を生ずるということでこれは廃止になつておるわけであります。そこで予算の編成について安定本部で取りまとめるということにつきましては、今回の行政機構改革に際しましてはそういうことをしないという原則を政府は打立てて、それに基いて設置法ができた、こういうふうになつております。  それから今回の国土総合開発法の問題につきましては、只今公共事業関係資金計画云々という文句がありますが、これは事業計画をし、各特定地域に関する事業計画を経済審議庁におきまして調整することになつております。これは安本になつておりますが、結局経済審議庁になつておりますが、そこで調整することになつておりますが、その事業計画の中には、又それに関連して資金計画というものもありますので、そういうものも併せて見て行くと、こういう意味合いにおきまして今回の修正衆議院でなされた、こういういきさつになつておるのであります。
  38. 赤木正雄

    赤木正雄君 そういたしますと、この国土総合開発に関する事務については、大体今まで安定本部でやつていた通りに、あそこに案をまとめて各省からして出て来る作業もそこへ統一して事業計画、或いは金の分量、それをおきめになることは大体今まで通りなんですか。
  39. 野田卯一

    ○国務大臣(野田卯一君) 今までよりよほど趣きが変つて来ると思います。
  40. 赤木正雄

    赤木正雄君 ちよつとはつきりしなかつたのですが……。
  41. 野田卯一

    ○国務大臣(野田卯一君) 今までと大いに趣きを異にして来ると思います。
  42. 赤木正雄

    赤木正雄君 それで変つておる点を、どの点が変りますか、その点を……。
  43. 野田卯一

    ○国務大臣(野田卯一君) 今回の第十二條第四項、これの実行に当りましては、これが従来の予算の二重査定のようなことにならんように運用するという方針にしたいということになつております。それから資金計画は、これは従来のような出し方をするのではなしに、どういうふうにやりますか、いずれ政府部内において検討してきめたいと思つておるのでございますが、従来のやり方は、要するに今後我々の行政府におきましては適当でないという結論になつておるのでありますから、適当でないものを繰返すという考えはないのでありまして、新らしくこれに対してどの程度の資金計画をとるか、どういうふうにとるかということは十分検討いたしたい、こういうふうに考えております。
  44. 赤木正雄

    赤木正雄君 安定本部で、各省で出す事業をまとめて、又金の分量もきめていた。又その前には御承知通りに大蔵省の主計局だけでおきめになつていた。私は両方を見まして、大蔵省のときのほうがよかつたのではないか、そういうことはたくさんあります。例えて申しますと、成るほど大蔵省には技術官はなかつた、併し各省から参る技術宮から十分お聞きになつて、公平に審査されたということは確かなんです。安定本部はこれに対しまして各省の技術官が出先機関として参りましたから、安定本部の中でやはり予算の奪い合いとか、或いはそこにいる人の勢力の如何によつて非常に各省内の事業に対しても甲乙があつて不公平があつた。一々そのことを話せとおつしやれば申しますが、それは略しますが、要するに大蔵省のときのほうが私は結果においてよかつた。殊にあの当時は大蔵省だけできめましたが、安定本部ができたので安定本部がきめて、又一方においては大蔵省にお願いしなければならん。地元の人が余計なことで困つたのです。ああいう複雑を極めないという点から言つても、今大臣安定本部のときとは違うとおつしやいますが、今私の申したことを十分お考え願いまして、はつきりした線で余り迷惑しないように、而も安定本部に欠点があつたことを見て大臣は御承知と思いますから十分その点をお考え願いたい。これを先ず以て要望上しておきます。
  45. 田中一

    ○田中一君 ちよつと関連して伺いたいのですが、第十二條の四項の総合開発計画に関する公共事業関係資金計画総合開発計画に関しない公共事業は何を、どういうものを、お考えですか。
  46. 野田卯一

    ○国務大臣(野田卯一君) もう一度……。
  47. 田中一

    ○田中一君 第十二條の四項ですが、衆議院修正案の、「関係行政機関の長から総合開発計画に関する公共事業関係資金計画……」となつておりますが、その総合開発計画に関しない公共事業というものはどんなもので、これに関すすものは、建設省関係のものでどういうものがあるか伺いたい。
  48. 野田卯一

    ○国務大臣(野田卯一君) この総合開発計画に関する公共事業関係と言いますのは、特定地域総合開発に関する公共事業関係の資金ということであります。ですから特定地域というのは極く一部分でありまして、地域的に申しますと一部分でありまして、特定地域でないところがたくさんあるわけであります。そういうものはこれに含まれない、こういうふうに考えております。
  49. 田中一

    ○田中一君 ではこの修正案においてはつきりと明示されたら如何ですか、明示されないところはどういう御意見か伺いたいと思います。
  50. 野田卯一

    ○国務大臣(野田卯一君) これは法律上の解釈の問題でありますが、たしかこの十二條特定地域に関する、特定地域総合開発計画に関する章の中にある、こういう意味合いにおいてこれを出さなくてもはつきりしておる。こう、いうことでこれをいろいろ審議した場合に、出席しておる者一同の意見でありまして、当然であるということで載せられなかつたのであります。
  51. 赤木正雄

    赤木正雄君 特定地域のことはわかりましたが、特定地域にはいつでも加え得るのでありますから、大臣特定地域は小部分とおつしやいますけれども、これはほかのほうの予算如何によつて全国の各地方特定地域は幾らでも殖えます。そういうことも考え得るのでありますから、ここには特定地域とありましても、これも広義に解釈しますと、建設省公共事業費は皆これに属する、そういうようにも誤解されますが、どうですか。
  52. 野田卯一

    ○国務大臣(野田卯一君) 公共事業は継続費を取れば随分殖えるはずでありますが、ここにおきましては先ほど申上げましたように、予算の二重査定をやらないという原則を調つておりますので、今までは大体予算の二重査定をやつておりました。ああいうやり方は一切やらないという根本原則があるわけであります。そういうわけでこの資金計画はただ予算、予算といつて、財政資金による場合もありましようし、或いは民間の産業資金による場合もあるのでありますから、そういうものも全部全般的にこれを見て行くという建前をとるのであります。その精粗でありますとか、範囲とかいう問題は只今申上げました根本原則に則つてつて行きたい、こういうふうに考えておるわけであります。従来のようにああいう二重査定をやることは全く行政簡素化の精神に違反し、徒らに国務を澁滞させることにほかなりませんので、ああいうやり方は根本的に改めて行きたいと考えております。
  53. 田中一

    ○田中一君 二重査定はやらないとおつしやるけれども、「必要な調整、」調整の限界はどういうものです。
  54. 野田卯一

    ○国務大臣(野田卯一君) この必要な調整のやり方でありますが、事業計画をどの程度のものにするかということにも関連して来ると思います。例えば国家の財政資金を全然、予算を全然使わない地域もある。全然と申しますと言葉が過ぎますが、殆んど使わない。例えば電源開発をやる、電源開発を電力会社にやらせるといつたような場合になりますと、予算との関係はなくなつて来る。そういうものについてもそこの開発計画に伴う資金をどういうふうに調達するか、予算をどのくらい使うのかというような事柄の計画はやはり見ておいたほうがいいじやないか、こういう問題があるわけであります。そういうふうにどういうソースから金が出てどういうふうに使うかということを大体の計画、資金の大体の見通しを持つておることが必要じやないかと、こういうふうに考えております。
  55. 田中一

    ○田中一君 この十二條の四項の点はまだちよつとはつきりしませんけれども、実際にこういう工合に扱うか、まあ今後お考えになると思いますが、少くとも認証又は二重査定と言いますか、そういうものでなく、ただ安本にそういつた資金計画を持つて行くというだけのことなんですか。それとも先ほど政府委員から御説明なつたように、その上に建設大臣安本長官とで以てきめて行くという考え方ですか。
  56. 野田卯一

    ○国務大臣(野田卯一君) それは事業計画がありましても事業計画に即応する資金計画がないと実際仕事はできないのでありますから、事業計画によつて例えば昭和二十八年なら二十八年、或いは二十九年にこれこれのところをこういうふうにするというのが事業計画であろうと思います。それに対して幾らの金が要る、この金はどういうふうにして調達する。財政資金をどれだけ使うか、民間の資金をどれだけ使うか、民間資金であればどういうソースから出て来るか、財政資金であれば何によるか、一般会計によるか、或いは預金部によるか、或いは見返資金によるかといつたような、大きな資金計画も考え得ると思う。余り細かい事務的と申しますか、細かい些細な点は予算の査定によつてやらない、さように考えております。
  57. 田中一

    ○田中一君 大臣はこの修正案に対しては、非常に満足で歓迎すべきものと考えていらつしやいますか、それともどうも面白ぐないというようなお考えですか、率直に御答弁願います。
  58. 野田卯一

    ○国務大臣(野田卯一君) 只今私が説明したように、政府の方針に即応してやるならばこれも一つの見方で決して排斥すべきじやない。併しこれを予算の二重査定みたいなことをやつたり、徒らに重複を重ねるようなやり方をすれば、勿論これは排斥すべきだと思いますが、そういう精神は修正の法文には入つておらないと思います。先ほど申上げましたように、何遍か会議をいたしまして、衆議院建設委員のかたも御出席になり論議を重ねまして、只今申上げましたような修正によりましてこの條文を得たのでありまして、その程度ならば、運用よろしきを得るならば別に害はない、これでよろしいのではないか、こう思われるのであります。
  59. 赤木正雄

    赤木正雄君 この特定地域に対する事業と、特定地域外の一般の公共事業における軽重さはどういうふうにお考えになつておられますか。
  60. 野田卯一

    ○国務大臣(野田卯一君) 特定地域はその地域における資源がまだ十分開発されておらない、政府がそこに力を特に注いで資源を開発するとしたならば、日本の経済復興発展に大いに寄与するだろう、或いは又その地域内の防災工事であるとか、砂防であるとか、或いは河川工事であるとか、或いはそういうような治山の問題もあると思いますが、そういう所に力を注ぐことによつて、下流地帶における洪水その他の災害を防止することができる、その効果顯著なるものがある、そういう地域を選んで特定地域指定をいたしておるのであります。今まで十九地域はおおむねそういう方針で地域指定しておるのであります。従いまして或る地域特定地域なつた場合と、それと全然なつておらなかつた場合と比べますと、その地域に対する予算なり、資金の配分なり事業計画というものが、そうでなかつた場合に比べますとやはり相当重く取扱われまして、従つて予算につきましても、その他の産業資金につきましても、その地域に向けられる分がおのずから多くなる、こういうふうに考えております。なお特定地域になりますと別に特定地域に対する調査費も出しまして、いろいろな計画も特に立てられるというようなことになる。こういう点におきましてそこにおのずから或る程度の差がついて来る、こういうふうに考えております。
  61. 赤木正雄

    赤木正雄君 十九の特定地域はまあ選ばれていますが、ではそのほかの特定地域を仮りに選ぼうという場合に十九の特定地域に対する事業が済んで、それからほかの新らしい特定地域にお移りになる方針ですか、或いは又それ以外に特定地域が出た場合には、それを又特定地域としてお考えになるのですか、如何ですか。
  62. 野田卯一

    ○国務大臣(野田卯一君) これは政府全体のまとまつた意見と申しますより私だけの意見としてお聞き願つたほうがいいと思いますが、私は特定地域をやたらに定めるということは、これは考えものじやないかと思います。今回の十九地域指定の際におききしても、全国から五十幾つの指定の申請があつたのでありますが、この五十幾つの中から、いろいろの観点から厳重に審査いたしまして、十九地域を選んだというようないきさつもありまして、その際に或る人は五十何地域であるかから皆認めてしまつてもいいじやないか、本当の意見じやないが、冗談まじりの意見だと思いますが、そんな意見も一時出たこともありますが、それじやいけない、十九地域が或る標準を以て相当厳密によく調べて、特定地域として指定する必要つがあるというものに、限つて指定して行つたほうがいい、こういうような方針によつて定まつたという経緯に鑑みましても、私はそうやたらに特定地域というものは殖やして行くべきものじやない、こういうふうに考えております。
  63. 赤木正雄

    赤木正雄君 今大臣お話の十九の特定地域の選定に対して、実はその場所をどうするかということについて、私どもの建設委員会で五十何ぼの地域をお示しになりました。それについて随分質問したのです。質問してまだ質問が十分済まないうちに国会は済みまして、我々は質問を十分する機会を新たに得なかつたのであります。その間に国会が休会になつたものですから……そこへ政府がぱつと十九の地域をお出しになつたのです。なぜこういうことをするのか。これは図面をお出しになつてそれに対して質問したのですが、政府は回答をなされなかつた。事実を、こういうことを大臣ははつきりして欲しいのです。私は大臣のおつしやるように、特定地域を余りたくさん入れないほうがいい。一方できてから又入れると、これが本当だと思う。とにかく十九の特定地域を設定される場合において、政府はいい加減にごまかしてしまつた。これははつきりと言いたい。
  64. 野田卯一

    ○国務大臣(野田卯一君) 赤木委員のおつしやいますことはお気持はよくわかります。その御趣旨を体して今後運用に当つて全きを期したい、そう思つております。
  65. 田中一

    ○田中一君 今のに関連するのですが、十條の二、ここの三行目にある「根幹となるべき事業又は緊急を要する事業」この根幹となるべき事業というのは無論公共事業も入るし、民間企業も含まれたものですか、その考え方はどういうものをお指しになるのですか。
  66. 今井田研二郎

    政府委員(今井田研二郎君) 根幹となる事業につきましては当該地域におきまして何をその事業指定するかはこれからその地域につきまして検討して参りたいと、こういうふうに考えております。
  67. 田中一

    ○田中一君 民間企業も対象になるのですか。
  68. 今井田研二郎

    政府委員(今井田研二郎君) 民間企業も入る場合が考えられます。
  69. 田中一

    ○田中一君 民間企業が入る場合には都道府県の長がどういう入れ方の、この枠の中に入れ方をするのですか。方法は民間企業そのものを総合開発の中に入れる、一環とする場合ですよ、どういう形で認定しようとするのですか、この中に入れるのですか。
  70. 野田卯一

    ○国務大臣(野田卯一君) 例えば電力事業ですね、普通の旧電力会社ですね、発電事業会社はこれは民間事業と思います。そういうものは計画の中に組入れられるということになるのです。
  71. 田中一

    ○田中一君 それからこの行のお終いのほうに、一項ですか、「特定地域総合開発計画を決定し、閣議の決定を求めなければならない。」とこの閣議決定というものはどのくらいの、何と言うか、力を持つものか伺いたいのですが、これはあえてこの法文の間に閣議決定ということを表現されておりますので、これはどのくらいの力のものであるか伺いたいと思うのです。
  72. 野田卯一

    ○国務大臣(野田卯一君) 閣議決定ということは法律に明示してあるのは、やはりそこで総合開発計画は御承知のように各省仕事が亘つておるのでありまして、建設関係すれば農林関係する、或いは通産も関係すれば運輸も関係するという各省に亘つておりますので、閣議におきまして各省大臣がこうするのだという統一された意識を持つという意味において非常に重大な意義があると思つております。
  73. 田中一

    ○田中一君 御説明は大体わかりましたが、鉄道審議会との関係もここで以て調整しようというお考えなんでしようね。
  74. 今井田研二郎

    政府委員(今井田研二郎君) 鉄道審議会は御承知のように諮問機関でありまして、あそこは決定機関ではございません。鉄道審議会できまりました意見は当然運輸大臣を通じまして当該地域の決定の際には政府意思として最終的に決定されるわけになるのであります。
  75. 田中一

    ○田中一君 ちよつと言葉が足りなかつたのですが、地方総合開発審議会、いわゆるその総合開発審議会ですね、これとの関係を伺つたのですが……。
  76. 今井田研二郎

  77. 田中一

    ○田中一君 いや、これと鉄道審議会との関連性を伺つたのです。それも今大臣お話のようにそうした審議機関の結論が運輸大臣なら運輸大臣に来る、それを又持込んで閣議で決定しようと、こういうのですか。
  78. 今井田研二郎

    政府委員(今井田研二郎君) さようでございます。
  79. 田中一

    ○田中一君 現在例えば何と言いますか、新潟の大白川とも猛の間の六キロの間を現在鉄道の路盤と言いますか、これは完成しておるのです。併し鉄道は敷かれないというようなところが今の十九の指定地域の中にたくさんあるのです。例えば紀伊半島の木本と尾鷲間とか、それから秋田県の雫石と毛保内間とか、秋田県の阿仁合と角館との間です。これは路盤ができているのです。全部で十キロ、十二キロという路盤ができているにもかかわらずこの総合開発計画の中にそれはどういう工合の考え方を以て放置されているか、甚だ不思議に思うのです。こういう点は安本でも無論御承知だと思いますけれども、こういう点は実際に今の十條の二で閣議で決定されればできると思うのですが、それがもうだんだんだんずれるようなところもあると思いますが、そういう点はどういう工合に調節されるのですか。
  80. 野田卯一

    ○国務大臣(野田卯一君) 実際の問題をお挙げになりましたので、私も実際の問題についてお答えいたしたいのであります。例えば秋田の雫石とも保内との間の問題がありましたが、毛保内、雫石の間は、総合開発の中に当然あがつておるものだと考えております。従つて特定地域内にこういう路盤を設定したような鉄道は、大体収上げられるのじやないか、こういうように考えております。
  81. 田中一

    ○田中一君 この法案ができ、通り、実際もう十九の特定地域を全部おやりになるおつもりでしようが、どれもこれももう一歩で完成するというような鉄道は非常に重要なものです。そういう点も大体において解決されるというように解釈してよろしうございますか。
  82. 野田卯一

    ○国務大臣(野田卯一君) 実際地方を歩きますと、特定地域の中にあります或る地点と或る地点、特定地域の或る地点と他の地域をつなぐ地点は、大抵産業上重要な路線であるとか、交通上重要性を持つものが多いと見受けておるのであります。従いましてこういう地域特定地域指定されたような場合におきましては、おおむね田中委員のおつしやるようなことに相成ると考えております。
  83. 田中一

    ○田中一君 この十三條の経費の問題ですけれども、二十七年度には国土総合開発只今二條の四に関係するところの国土総合開発計画に関する予算というものは、どこに幾ら、どこに幾らお取りになつていらつしやるか。政府委員からでも答弁して頂きたいと思います。
  84. 今井田研二郎

    政府委員(今井田研二郎君) 二十七年度予算編成の際に、特定地域計画というものはまだでき上つておりませんでしたので、そういう観点からいたしますところの集計はまだしてございません。
  85. 田中一

    ○田中一君 私が大体調べたところによりますと、二十七年度国土総合開発事務所経費として一千百万円が、これは使途は調査費となつております。建設省の管理局の企画課に百六十万円、これが調査費になつております。それから特定地域のやつが百二十万円、いや千二百万円計上しております。安本には国土調査費として八千八百万円を計上しておりますが、これはことごとく総合開発、今度の計画総合開発計画実施に要する経費だと考えておる。これは若しこの法律ができまして、各所に分散されておる費用というものはおのずから統合されるものですか、或いはやはり各省々々で以て、この予算を以て同じ目的に向いながら各省考え方一つで以て遂行して行くつもりであるか。その点大臣から……。
  86. 野田卯一

    ○国務大臣(野田卯一君) 今の国土調査法による八千八百万円は、これは特定地域のものと限つたものじやないと思います。勿論全国やるのでありますから、特定地域に触れると思いますが、これは別個の観点から調査されるのじやないかと私は思います。それから特定地域に関する千二百万円でしたか、それにつきましては私どももつと大きな金が欲しかつたのでありますが、諸般の事情からそういうことになつたのであります。これは全く特定地域の調査に関する経費でありまして、各都府県におきまして特定地域に関するいろいろな総合開発計画を立てるために経費を政府から出してやろうという金であります。この金額は僅かでありますが、なおその他公共事業関係におきまして、調査費が五、六億円あるのでありまして、その中からこの特定地域の調査のためにも当然使える金が一億円以上当然あると考えております。それから特定地区を作つだのだから、特定地域とか或いは総合開発どいうところに予算を立てて、そうして特定地域に関する、例えば河川の改修であるとか、山林或いは砂防或いは道路或いは鉄道といつたものを、全部一括して上げたらどうかという御意見もときどき承わるのでありますが、これは予算技術上非常にむずかしいと思います。と申しますのは、特定地域に抜き出して河川とか何とか集めますとかいうことは、事実上十九カ所あるのでありますが、それを集めることはなかなかむずかしいのと、それからあとで予算執行におきまして、なかをかれこれ河川……、あれこれとあらかじめ変更しなければならぬ場所も出て来たりいたしまして、なかなか実行上困難であろうと思います。その上なお特定地域総合開発というものは、極めて範囲が広くて、單に一般会計の予算のみならず、或いは鉄道の問題もあれば、或いは通信の関係もある、或いはその他いろいろの関係を含んでおります。それから純然たる民間の企業も入つておる、こういうわけで一部のものを集めただけでは全貌をつかめないという点もあり、かれこれ勘案いたしまして、予算的に一つの項目に集約して挙げるということは今のところはやろうというところまで至つておりません。併し内部的には十分その点も勘案いたしまして、只今お示しがありましたが、今までもあとで、予算ができましたあとでは、この特定地域河川関係、森林関係、或いは道路関係その他どれくらいの金がどうなつておるだろうかということを集計して、その推移を見守るということは事務的にはやつておる次第であります。
  87. 田中一

    ○田中一君 どうも重ねて赤木君が質問をせられたものを今一遍して甚だ申訳ないのですが、十九の特定地域を大体どういう形でやつて行こうとするか、又無論これは、これに行われておるような都道府県の自主性というものを第一にして、その上でその計画に基いてやつて行こうというお考えなんですか。安本政府が十九の特定地域指定した上は、やはり無論それに対して積極的に動きを見せなければ、都道府県に指定したということは何もならん。従いまして本年度は、二十七年度は予算を取つてしまつたのですが、建設大臣の構想として来年度はどれくらいの予算を以て、どこからどう手を着けるかというような大体の構想はあると思うのです。一つこの特定地域指定した以上、全体の構想をお示しを願いたいと思います。
  88. 野田卯一

    ○国務大臣(野田卯一君) 十九の特定地域計画を一々検討して見ますと、内容はかなり変つていろいろの内容を含んでおるのでありまして、これにつきましては、例えば北上川なら北上川の例をとりますれば、北上川の氾濫を防ぐ、そのために上流部にダムを作つて、多目的のダムを作るという計画がある。御承知のように、五カ所にダムを作りまして、そこで洪水を貯溜いたしまして、下流の氾濫を防ぐという計画が主体をなしておるのであります。又その水を利用しまして、相当の開田もいたしますれば、或いは水不足を補なつてやるというようなことも立つておるのでありまして、そういうものは現在でも重点的にやつておるのでありますが、今後も引続いて重点的にやつて行きたい、こういうように考えておるのであります。利根川地域なら利根川地域におきます開発地区におきましては、利根川改修法案が参議院を通るように、御熱心にやつておられるのでありまして、その精神を体しましてその地区に、十分利根川改修であるとか、或いはダムの建設、或いは農地の改良というような点も十分力を入れてやつて行きたい。こういう意味で北上においてやはり同じように主として農業水利の問題でありますが、これもすでに着工しておりますものもあれば、今後着工するものもありまして、これもしつかりやつて行きたい、こういうふうに考えております。或いは四国の奈半利川地区も県営電気を中心とするのでありましてこれも計画を着々進めておりますが、これは主として地方債の問題でありまして、できるだけ地方債の枠を拡げて事業の推進を図つて行きたい。大体電力事業地方債は二十三億でしたが、今度は二十七年度は六十五億に殖やしました。これは大体特定地域関係しておりますが、こういう点につきましても今後更に力を入れて地方債の枠を殖やしまして事業の推進を図つて行く。その地その地にふさわしいいろいろな方策を講じまして目的を達して行きたい、こういうふうに考えておる次第であります。
  89. 田中一

    ○田中一君 そうしますと十九の特定地域は一応指定はいたしましたが、その土地の状態、資金、予算の状態によつてどれが早く、どれが遅くとは言わん、従つて全部が全部国がいつまでにこれをするというような指定をせずに、ただ一応国民に希望を持たせる意味におきまして実際はなかなか実現は困難か知らんけれども、希望を持たせる意味において一応指定したのだ、又それもここにありますように場合によつて経済事情等の著しい変化のためとか、或いはいろいろな問題で閣議決定が又変つたならば又これも別に変えるのだと、こういうふうに解釈できるのですけれども、ただそれだけの気持だと若しするならば甚だどうも空しい希望を国民に持たせるだけのことじやないかと思う。もう少しこれを集約しまして先ずこれが一番大事なんだ、先ずこれくらいの計画を持つてこうして行くのだ、そのために地方債が幾ら、国がこれにこれくらい投入すると、こういうふうな順位をきめられたらどうかと考えるのです。順位の問題についてそこにいらつしやる今井田政府委員にも随分やかましく言つたのですが、結局そういう考えはない、ただ十九の特別地域指定いたしまして国民を偏すわけじやないけれども、今においしいものができるのだぞということで空しい絵に描いたぼた餅みたいな気がするのです。こういう点はもつと具体的に閣議でこれはこういう場合はこうするのだというように今度は具体的な考えをなされて行くおつもりですか、それとも今言うように地方の情勢、或いは現在予算がないから今お話のように坂掛つてはおると思いますが、取掛つておるものは何も特定地域指定しないでも取掛つておるのですが、そういうのは一体どうなんですか。
  90. 野田卯一

    ○国務大臣(野田卯一君) 田中委員国土総合開発に非常に御熱心な支持をして頂いておるかたでありますが、只今三越で国土総合開発展をやつております。御覧になつたかも知れませんが、あれを御覧になりますと、私は全部見て参りましたが、ああいう地域にまとまつてああいうふうな計画で進んでおるというと、なかなかああいうことをやりましたからわかるのでありましてあれをやりませんとなかなかわからんと思うのであります。ああいうふうに見ますと特に自分の郷里が例えば北上の流域、或いは最上の流域というように、案外郷里のことも知らないわけですが、こういうふうにやると、あそこにはこういう資源があるから、こういうふうに開発をやる計画だ、これは結構なことだというように各地方地方で非常に熱を持つて県のかたがた、或いは県関係の人々がこの問題を取上げてかなり計画を進めていると思います。私は事をなすにはただ政府ばかりでなく、やはり地方のかたがたそれぞれ自覚を持つてこういう地域には天然資源が眠つておるからこれを開発をしたら国家的にも利益になるだろう、その土地の繁栄にもなるだろうと自覚して、そうして一生懸命やつておる、それに対しては勿論政府もやる、地方団体もやる、民間もやる、三者力を合せて一つのビジョンを描きながら計画を持ちながら進めると、これが二年経ち三年経つうちに必ず相当大きな効果を挙げるに違いないと考えている次第であります。
  91. 田中一

    ○田中一君 私はこの開発法案は自由党の内紛から生れたものと思います。御承知のようにこの法案がここまで持つて来られて改正しようという意図は、その蔭には我々も賛成いたしましたところの利根川総合開発法、或いは北上川開発法案等々がその原因をなしておると思います。若し地方人の関心、或いは国ばかりでなく地方団体、公共団体、地方民が本当にこれを熱を持つてやろうとするならば今の利根川開発法案などはこれが一番の適例なんです。それこそ一都四県の関係の人たちが熱川心にやつてかなり進んでおる、そうして無論政府からの援助も受けようとしております。そうして具体的にこうしてやるのだ。これにはこれだけの収益が上るのだというような熱意が今大臣のおつしやつたように、それをそのまま具現しておると思います。ただそこで一番の悩みは順位の問題だと思います。利根川が出て来ると北上、最上が出て来る。そこで利根川開発法が通ると同時に北上川の開発法案もするすると通つてしまつた。このようにどんどん出て来るととんだことになります。これを何とかしようというので、我々が利根川開発法案に署名したのも、政府国土総合開発というものを絵に描いたぼた餅のようにしか考えていないという懸念があつたからで、これは社会党にも自由党の一部にもそういう非難の声があつたと思います。それが形を変えて今度の改正法案なつたと私は了解しておるのですが、そこに若し地方民の意思を反映させるならば、まだ三越の展覧会は拝見しませんで甚だ申訳ないと思うのですが、若し実際その地方民の気持を反映させるならば、もう少し具体的の計画をお示し願いたいと思います。今井田さんを昨年随分責めたのですが、絵に描いた餅で誰にでもできる計画ならば、簡單にできると申しません、非常に苦心なされるでしようけれども、計画はできても実施はむずかしい。我々国民は実施を望んでおる。実施をさせるためには来年はこうすると、今十九のうち、五、六についてお述べになりましたけれども、このうちのどこをやるかということを考えないでいいだろうか、大臣どうですか。
  92. 野田卯一

    ○国務大臣(野田卯一君) これは或る地域だけをやつてほかの地域はやらないということは私はいいかどうかということは疑問に思うのであります。若し国費が許すならばこの開発にも一定の経済速度がありますから、経済速度によつて開発して行くというのが一番いいと思います。又実際今日の経済の状況から申しまして、経済速度まで行かないというのが現状であります。成るべく開発速度に近付けたい。経済速度を越えますと経費が余計かかつて不経済になりますから、是非経済速度による開発の線に持つて行きたい、こういうふうに考えておるわけであります。日本の財政は貧弱でありますけれども或る地域は経済速度でやれるが、或る地域は経済速度でできないということでもないと思います。そうすると各地域の開発を現在の予算で相当やつて行けるのではないかと思います。従いまして或る地域だけに限らず、或る地域はやらないというふうにきめないでも、総合的に国全体の開発と並んで行けるのではないか、こういうふうに考えておるのでありまして、この熱意は決して衰えておりません。ますます栄えておりますから御了承願いたいと思います。
  93. 佐々木良作

    委員長佐々木良作君) 他に御質問ありませんか……。  ちよつと速記をとめて下さい。    〔速記中止〕
  94. 佐々木良作

    委員長佐々木良作君) 速記始めて下さい。
  95. 田中一

    ○田中一君 今度の機構改革の主務大臣である建設大臣に伺うんです。一体安本はあなたのお考えではどういう形の構想を持つてつていらつしやるか一遍伺いたいんです。
  96. 野田卯一

    ○国務大臣(野田卯一君) 従来の経済安定本部はこれを廃止いたしてしまうという方針であります。但し今まで安本が所掌しておりました仕事の中で今後の新らしい日本の事態から見ましても存続させる必要のあるような仕事があるのでありまして、それにつきましては別途新設されます経済審議庁においてこれを取扱う。それから今まで安定本部でやつておりました仕事の中でも各省に分属させる。各省で取扱つたほうがよいというような仕事が多数含まれておりますので、そういうものは全部各省に返してしまう。そして各省にやらせることが無理であるとか、或いは各省にやらせることが困難であるというものを経済審議庁にやらせるという建前で進んで行きたい、こういうように考えております。
  97. 田中一

    ○田中一君 そうすると国土総合開発と言いますか、総合開発の元締めは経済審議庁ですか、そこが持つことになるのですか。
  98. 野田卯一

    ○国務大臣(野田卯一君) 国土総合開発につきましては、総合的な経済の各般の而に亘つておりますので審議庁においてこれを主として取扱うことになるだろと考えております。
  99. 佐々木良作

    委員長佐々木良作君) 速記をとめて。    〔速記中止〕
  100. 佐々木良作

    委員長佐々木良作君) 速記を始めて。  それではこの委員会の今後の運用につきましては、会期の見通しその他法案関係と関連いたしまして適当の機会に御相談申上げて決定をしたいと思いますので御了解を願いたいと思います。特に御発言なければ今日はこれで散会いたします。    午後三時二十九分散会