○
小笠原二三男君 寺尾君から、私まだ聞こうともしなか
つた点まで触れまして、(「その
通り」と呼ぶ者あり)釈明があ
つたのでありますが、事態そういうことになりますのでは、この
経過について野党側としましても、十分真相を明らかにしておいて、そしてこの
論議をしない限り、或いは非常に釈然たらざる会派もあれば、不満とする会派もあるだろうと
考えられますので、私この際、一切を御披露申上げて皆様の御批判を受けたいと
考えると共に、又
委員長並びに
議長、或いは自由党の諸君において、私
たち退席後になされた行為が、道義的に、お互いに政党の立場に立
つてなさるべき行為であるかどうかということについて、十分御見解を承わりたいと
考えるのであります。
即ち午前中、私の吉田総理出席の動議から端を発して事が紛糾しまして、一時吉田総理出席について、極力努力するという寺尾
委員の御
発言を我々野党としまして諒として、その経緯を見るまでは休憩することとして休憩することとして休憩が宣せられ、私控室におりまして、暫時待
つておりましたところ、寺尾
委員ほか二名のかたがたが我が会派を訪れになりまして、吉田総理は所労のため大磯におられて、今各種の連絡をしたけれども、到底、本日こちらに参れるような
状態には立至
つておらない。そこで何とか善処しなければならないのだが、野党の協力も願いたい。こういう申入れがあ
つたのであります。そこで私その場におられた同僚、同党の議員のかたがたともざつくばらんに話合いしながら、その
お話を承わ
つたのでございますが、総理所労のために出席しないということは、従来の常套手段であ
つて、それも真実であるかどうかということについては我々大いに疑わしい。併し結果そういうことで、事実総理の出席がないということで荏苒時を暮すということについては、やはりこれは
参議院として困る問題があるということについては、我々野党としても諒とせられるものがある。併しこのことについて自由党の
皆さんの代表というものと私との話ぎりにおいて、この話を決するということには行かない。そういう話をしておりましたところ、たまたま来訪せられましたのは第二控室の
大野君であ
つたのです。
大野君にも自由党からそういう
お話があ
つて、
大野君も同
意見であ
つたのであります。そこで私どもとしましては、これは
議長が、先例にあるかないかわかりませんが、私知る限りにおいては、
常任委員長懇談会が、本日定例日であるのにもかかわらず、又内部的な
手続としては
議運の発議等があ
つて、
議長に要請された形で、
議長が御
意思を行為に現わされるというような、御慎重な態度をとられておるにかかわらず、昨日
常任委員長懇談会を
議長が招集せられて、各種の御
意見を承わ
つたというようなことであるならば、
議長においても十分
会期延長の問題については御心配にな
つておられる点があろう。
従つてこれは
議長とも相談をして、そうして取きめることがいいのではないかということで、
議長室に参
つたのであります。その際お集まりになられたのは、
緑風会を代表するかた、改進党を代表するかた、我が会派並びに第二控室の会派であ
つたのでございます。こういうことを申上げますと、御不満となさる会派のかたがたが多数おありになることであろうと
考えますが、私その点については、何らの弁明をいたしません。ただ各種の
法案等について、それぞれ同調し得る同派が、寄り寄り協議することと、何ら他意ない形を以て、私はこの行為をなしたものであるということを申上げておきたいのであります。
その場合に
議長室においては、
議長も
議院運営委員長も御同席になられて御相談が始ま
つたのであります。種々
論議がありましたが、その
論議は一切省略いたしまするが、
議長において
議運に
常任委員長懇談会の
経過を
報告する場合には、我々からみると職権ではあるけれども、異例なことをや
つておるのであるから、なぜそういうことをしなければならなか
つたかという
経過と、
常任委員長懇談会を聞かれた
議長の結論、それから得た結論等も、併せて
意見として
議運にお示し願
つて、そうして
議運の
意思をお確めになる。そうして
衆議院との間に話合いを持たれるようにするということはして頂きたいということで、
議長も快くこの点については御
了承なされ、先ほど来の
議運においてその
通り事が
議長に関する限り進められたのであります。そうしていよいよ
会期の問題になりました場合におきましては、赤木
委員から、
内閣委員長の強い要望等があ
つて、十日は必要であるということであるから、
会期は十日にしたらいいではないかという御
意見があ
つた。私は具体的な
会期の日数を取きめることについては、我が会派が原則的に反対をしております立場から、それは
議運において諮られる場合に、実は私はそれに対する用意はあ
つたのであります。即もその場合も申上げましたが、
参議院の職責として
会期を
延長するということで、我が会派が責任を持たなければならない部面については、破防法の
関係について破防法
関係の
委員会に出てお
つた我が会派の
委員も賛成して、本
会議の議了は二十三日月曜日とするという
決定をしているそうであ
つて、これについては、そういう
常任委員会が本
会議上程の
議長職権まで侵して取極めたについては、
法務委員長の責任は追及しなければならないけれども、併しながらその取きめに参画した我が会派のこの責任も負わなければならんのだから、
従つて結論において三日間の
延長ということは認めるということでもこれは止むを得ない。その場合でも先ほど来申したように、二度と再び
会期延長しないということが、衆参両院において取きめられることが、これが
前提である。こういう意味合の
意思を私持
つてお
つたのですが、赤木さんからそういう
お話があ
つたので、そこでそれでは長いとかなどという話までな
つて、そこで一週間、七日にしよう。いずれ
会期延長については、
行政府から出されたものについては全部議了しなければならない義務が
国会にあるという
考え方を持
つて進まれるということもあるであろうが、この際はそれを取らない。今の段階においては、一週間なら一週間と決した以上は、一週間の間で
法案成立に各会派が努力し、努力の及ばないものは、これは取残されるということがあ
つても止むを得ない。そういう
前提で衆参両院の御同意を得て
決定をしようということまで話として進められて、十日という説あり、三日という説あり、一週間ということが確認せられて、この
議運に実は臨んだのであります。
従つてこの
議運の当面の責任者である
委員長がその事態を知
つておりつつ、ああいうふうに、寺尾
委員から言われれば、非常事態が生じたからして、合法的にその取運びをせざるを得なか
つたということについては、私は非常に遺憾とするものであります。即ち
委員長においては
議事進行についての権限がある。休憩でも何でも宣言することができる、事態を収拾することができるにも拘わらず、そうした取運びをしない。又しないということが、野党がいない間で、一方的に與党のために、そういう行為をすることができないというようなお
考えのようでもありましたが、退席した野党の大
部分は、この取きめに同意しているものであ
つて、何らそういうことを狐疑する必要はない筈であ
つたのであります。而も只今の寺尾
委員の
お話ですと、非常事態に
なつたがために、一週間の取きめが胴忘れされて、十日にな
つてしま
つたような
お話があり、論理的には、それは飛躍している。如何なる事態が起ろうとも、取きめは取きめとして、天下の公党同士、政党の道議的な良心において、そういうことはあり得ないと
考える。而も
委員会において残りました各会派の大
部分の方は、このことについて同意を與えられた。自由党と
緑風会の諸君であ
つた。
そこで赤木さんの御
発言でありまするが、赤木さんの御
発言に
なつたことを私は追及しているのではない。それは
議長にないても十日説を主張せられ、それが他数の
決定に服したという形にな
つておるので、この
議運の形式、
手続上において、赤木
委員の十日の
意見の出ることは当然であろうと思うのであります。併しその十日を十日として
決定せず、七日という修正動議が出て、これを議決せられるのに何ら不都合のなか
つた事態において、こういう結果に
なつたということについては、私は鼓を鳴らして
皆さんの責任を追及しなければならんと思うのであります。而もこの問題につきましては
議長も陪席してしておられる。そうしてなおこういう結果に
なつたということでは、我々の取きめの権威、或いは政党のお互いの良心と道義という問題について、私は深く遺憾とするのであります。却
つて自発的に自由党の諸君等において、この責任を深くお感じになるならば、何分かの
措置をせられるということが、当然の帰結であ
つたろうと
考えるのであります。
従つてその議決が我々退席後になされたということを聞きまして、私は実は唖然としたのであります。我が会派においては役員会の
決定までもして、この信義を守ろうとしたのであ
つて、その点については、共産党始め他の方々から私は
議事通行中の間に批判を大いに受けたのであります。
而もそういう次第でありますから、私は、この
議運が休憩になりましてから、自由党側に対して、
衆議院のほうの
議運が
決定したとしても、未だ本
会議は開かれない。本
会議を開くに当
つては、六時半から記名投票等の取きめもあ
つて、まだ時間があるというような
状態にあ
つた。というのは、これは六時前の話なんです。そこで、これは必ず道義を貫くように、その実効の上るように
措置せられたいということを強く要望しましたが、自由党におかれてもいろいろ会派の事情があ
つたことを私は了察するのにやぶさかでありません。けれども、結果としては時間が足りない。
衆議院の
決定がなされた
あとにおいて、当面の当事者、
重要法案をかかえる
参議院において、
あとでこれを決しなければならないという事態にな
つてしま
つたのであります。而もそれに対しては
木村委員の個人的な釈明、それから私に対する陳謝あるのみ。又公式には、只今寺尾
委員長の
答弁をはずして釈明にまで及んだ釈明があ
つただけであります。
私はこういうことでは誠に遺憾であると
考えるのでありまするが、私の申上げました事実に何か符合しない点がありましたら、同席せられてお
つたかたで、
小笠原、お前の
発言は違
つておる、怪しからんという点があるならば、御指摘を願
つて私はかまいません。ただ事実は事実として、又政党間の道義は道義として飽くまでも尊重せらるべきであろうと
考える。そういう
前提に立つならば、
委員長始め寺尾さんの、これは個人的に私は追及しているのじやありません。政党の立場の代表とし、又その
議事の
運営に責任を持つかたがたとして、先ほど来の御
答弁につきましては、これは誠に言葉が足りないものがあるというふうに
考えるのであります。
私はこれ以上申上げませんが、事実をここに表明しました以上は、正式に寺尾
委員長、又補足して釈明等があられるだろうと思いますので、十分その点を承わ
つておきたいと
考えます。又これに関して御迷惑をかけた他の会派の諸君に対しては、私は全く会派としまして申訳のない事態になりましたので、この点は深くお詫び申上げておきますし、御批判は十分受けたいと
考えるのであります。(「
委員長委員長」「ちよつと、寺尾さんのから聞いて……」と呼ぶ者あり)