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1952-02-20 第13回国会 参議院 議院運営委員会 第16号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十七年二月二十日(水曜日)    午前九時五十四分開会   —————————————  出席者は左の通り。    委員長     川村 松助君    理事            加藤 武徳君            木村 守江君            赤木 正雄君           小笠原二三男君    委員            石川 榮一君            草葉 隆圓君            安井  謙君            小宮山常吉君            高橋 道男君            相馬 助治君            大隈 信幸君            三好  始君            水橋 藤作君    委員外議員            須藤 五郎君            岩間 正男君            千田  正君   —————————————    議長      佐藤 尚武君    副議長     三木 治朗君   —————————————   政府委員    内閣官房長官  保利  茂君   事務局側    事 務 総 長 近藤 英明君    参     事    (事務次長)  芥川  治君    参     事    (記録部長)  小野寺五一君    参     事    (議事部長)  河野 義克君    参     事    (警務部長)  丹羽 寒月君    参     事    (委員部長)  宮坂 完孝君   法制局側    法 制 局 長 奧野 健一君    参     事    (第二部長)  岸田  實君   —————————————   本日の会議に付した事件委員辞任及び補欠選任の件 ○議院運営小委員選任の件 ○庶務関係小委員選任の件 ○非常事態における警察予備隊等の運  営に関する緊急質問の件 ○緊急質問取扱に関する件 ○公聽会開会承認要求の件 ○日本工業標準調査会委員任命につき  本院の議決を求めるの件 ○今国会提出予定法律案に関する件 ○行政協定に関する件 ○決算委員長資料提出要求に関する  件   —————————————
  2. 川村松助

    委員長川村松助君) 会議を開きます。  常任委員辞任及び補欠に関する件。
  3. 河野義克

    参事河野義克君) 緑風会から地方行政委員佐藤尚武君、経済安定委員館哲二君がそれぞれ辞任せられて、地方行政委員館哲二君を、経済安定委員佐藤尚武君を後任として指名せられたいという申出が出ております。
  4. 川村松助

    委員長川村松助君) 常任委員辞任及び補欠に関する件につきまして、只今議事部長から報告いたしました通り決定いたしまして御異議ありませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  5. 川村松助

    委員長川村松助君) 御異議なければ、さよう決定いたします。   —————————————
  6. 川村松助

    委員長川村松助君) 次に議院運営小委員選任に関する件と、庶務関係小委員選任に関する件。
  7. 宮坂完孝

    参事宮坂完孝君) 改進党の議院運営小委員及び庶務関係小委員三好始君が推薦されております。
  8. 川村松助

    委員長川村松助君) 只今委員部長から御報告いたしましたように承認することに御異議ありませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  9. 川村松助

    委員長川村松助君) 御異議がなければ、さよう決定いたします。   —————————————
  10. 川村松助

    委員長川村松助君) 次に緊急質問に関する件をお諮りいたします。
  11. 近藤英明

    事務総長近藤英明君) お手許に印刷物を以てお配りしてございます通り、四番目の共産党須藤五郎君から非常事態における警察予備隊等運営に関する緊急質問、十五分間、総理大臣大橋国務大臣岡崎国務大臣法務総裁要求されております。  五番目の岩間正男君、同じ共産党で、米人ギヤングに関する緊急質問、十五分間、首相と法務総裁に御要求になつております。以上二件の緊急質問があります。
  12. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 四番目の須藤君の緊急質問については、行政協定等、今問題になつている諸般の事項関連がありますから、これは今日総理出席もありますし、こういう機会に重点的に緊急質問を扱うのがいいと思うので、追加でありますが、承認したいと思います。五番目の岩間君のあれですが、これは須藤君のほうに相談したいのですが、米人ギヤングに関する緊急質問というけれどもギヤングは白人であるもののいることはわかりますが、米人であるか、何人であるかわからん点もあるのでしようし、それから調査段階ですから、これは事務当局緊急質問が出ているという状態にしておいて、本日の緊急質問には載せないということにお願いできないでしようか。
  13. 須藤五郎

    委員外議員須藤五郎君) 米人であるかどうかということにこだわられるのだつたら……、私はそういう意味に解しないが、今日の或る新聞ではそういうことをはつきり書いておるような新聞もあるように思われますし、これはギヤング問題になつておりますけれども、これは結局行政協定内容にも触れて来ると思いますので、今日続けてやることを承認頂ければ、それに越したことはないと、こういうように私は思います。
  14. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 ちよつと速記をとめて頂けませんか。
  15. 川村松助

    委員長川村松助君) ちよつと速記をとめて下さい。    〔速記中止
  16. 川村松助

    委員長川村松助君) 速記を付けて下さい。  それでは前に一回やりましたけれども常任委員辞任及び補欠に関する件を追加いたします。
  17. 河野義克

    参事河野義克君) 只今追加して、社会党第四控室から人事委員森崎隆君、厚生委員藤原道子君、通産委員小林孝平君、農林委員清澤俊英君がそれぞれ辞任せられて、人事委員藤原道子君、厚生委員森崎隆君、通産委員清澤俊英君、農林委員小林孝平君を後任として指名せられたいというお申出がございます。
  18. 川村松助

    委員長川村松助君) 只今議事部長から御報告いたしましたように、承認することに御異議ありませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  19. 川村松助

    委員長川村松助君) 御異議がなければ、さよう決定いたします。   —————————————
  20. 川村松助

    委員長川村松助君) 次に公聴会開会承認要求に関する件をお諮りいたします。
  21. 宮坂完孝

    参事宮坂完孝君) 予算委員長和田博雄君から、昭和二十七年度総予算につきまして、三月四日、三月五日の両日公聴会開会いたしたいとの要求書が提出されております。なお本件国会法五十一條によりまして、必ず開かなければならない公聴会であります。
  22. 川村松助

    委員長川村松助君) 只今公聴会開会承認要求に関する件につきまして……。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  23. 川村松助

    委員長川村松助君) 御異議がなければ、承認することに決定いたします。  速記を中止して下さい。    〔速記中止
  24. 川村松助

    委員長川村松助君) 速記を始めて下さい。
  25. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 速記を付けて、いま一度申上げますが、今日お二人共産党さんのほうから出ていますが、基本的には共産党さんは三人の会派なんです。三人の会派であることは客観的に間違いない。ところが一日に行う緊急質問のあり方としまして、その問題がはつきり分れておつて緊急質問を集中する場合は、やはりそれでも、例えばうちの会派が三十一名なれば三十一名に睨むくらいの数で、このくらいならでき得るだろうという暗黙の見通しを以て私たちのほうはやつておる、これはどこの会派もそうだろうと思う。ところが、まあ行政協定等に関して、同一問題を扱う緊急質問となれば、これは各会派代表的に一名程度認めてやらせようというようなことになつて来ている、それを同じ問題を扱うのにも他方的に一つ現象面から捉まえて基本的な問題へえぐつて行くということで、同一会派が多数緊急質問に立つということは、先ず緊急質問運営の仕方としては今日まであり得なかつたんじやないかと、私はそういうふうに考える。そういう筋から申しますと、本日あなたのほうで警察予備隊等運営に関する緊急質問或いは私たちのほうでやはり行政協定、それがやはり軍事的なものとの関連において追及されるという部面も多い、これはお互い関連している問題だと思うのです。で、関連している問題で重点的な緊急質問を今日なら今日行いたいと、こういうときにやはり関連している問題が基本なんだから、現象としては今世上非常に治安上不安な念に駆られるようなギヤング事件がある、で、これが緊急性ありとして質問すると、こういうことをまあやられれば、これは従来緊急質問のあり方なり、運営のことについて根本的に検討し直して見ようじやないかという段階のとき、私はお互の会派において今後有利に緊急質問を展開して行くというのに差し障りこそ出るがプラスにならんじやないかということを考えておる。それでこれは私としては何ら拒否しているのでなくつて共産党さんを二人連ねて緊急質問をするという場合に、一方のまあ須藤君のほうのそれは従来関連しており、重要な事項でありますから、本日重点的に取上げてやるとして、岩間君の部分のものは、その関係のほうの調査も何日かの日を置いて、或る時期になつた場合に又議運の問題にして頂く、こういうふうにして頂くならば、それも又緊急質問として展開するのにいいのじやないか、こういう考えで申上げているので、何ら私としては拒否しているんではない。ただ今日の日の緊急質問というものの考え方を或る一点にまとめて私はやつたらどうか、こういう意見なんです。
  26. 須藤五郎

    委員外議員須藤五郎君) 小笠原さんの言うこともわからんではないと思いますが、併し私は党派の数が少いとか多いというようなことで緊急質問の割当などをやられることは、緊急質一問という質問の性格上、そういうふうに扱うべきものではない。
  27. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 そこが問題だ。
  28. 須藤五郎

    委員外議員須藤五郎君) そう私は思うわけで、緊急な問題ならば一人でも、二人でも、何人でもやつたらいいので、ですから共産党が三人しかないから、それが二人並んで今日緊急質問をやるということが、いろいろな今後の支障を来たすという御意見に対しては、私は賛成することができないと思うのです。それじやほかの人が緊急の質問を取上げてやればいいので、今日もつともつとたくさんの人があつて、今日一日でも片付かないほどあるならば、勿論それは問題になると思いますが、十五分で四人あるなら一時間にして済む問題でありますし、今日やる余裕が十分あると思うのです。ですから私はそういう点ては問題にすべきでないと、そういうふうに考える。問題が緊急であるか、質問が緊急を要するものか、そうでないかという点が一番この緊急質問を決定する中心の問題じやないかと思いますので、今日こういう問題が起つて、世人が非常な不安の念に駆られておるときですから、今日こそこれを質問して明らかにして、皆が安心するようにすべきではないか、そういうように思うのです。それから行政協定関係があると申しましたのは、やはりこれもその行政協定の問題を質問するのじやなしに、これがたまたま行政協定にも関係のある事件だということを私は申上げたいので、行政協定の問題を掘下げて行くというふうに解釈されてはちよつと困ると思うのです。私たちのほうも人数は少いのですけれども、やはり三百万なり、四百万の支持者があつて、私たち三人ではあるけれども、やはり参議院において三百万、四百万の人を代表して意見を吐かなくてはならん立場にあるのですから、まあ議席の少いということで、余りそこに重点を置いてものを解決なさらないようにして頂きたい、そういうように私は希望するのであります。従つて本人は今日やりたいと言つておりますから、できれば今日やらして頂きたい、そう思います。
  29. 安井謙

    安井謙君 先ほど小笠原君から非常に情理を盡したお話があつたように思うのでありますが、私ども須藤さんの言われる問題の緊急性如何という問題は、これは確かに重点だと思いますが、併しこれも考え方なんで、これは重点だ、これは重点でなかろうという議論をして行けば、これはまあ際限のないことで、おのずから常識でこれは落着くところへ落着くべきじやないかと思うのです。その意味から、やはり三名の議席を持つておられるかたが続けて二人まで、而もこの題目から言うなら、相当いろいろと疑問を持たせるこの題目以外の内容にむしろ関連があるというような、多少デイスカスする余地のある問題をここに突如出して来て議論されておるのでありますから、非常に中間をとられた社会党さんのこの御発言一つこの際は共産党は呑んで頂いて、我々から言えば、むしろこの人数というものも、これは民主主義の議会の構成でありますから、非常に重点を置いて考えたい。いわば少数横暴になりたくないという意味で、この前から緊急質問取扱についても、理事会で十分問題にして頂くように言つてある際でもありますから、一つこの際は先ほどの非常に妥当だと思われる、我々としては食い足らないと思われるような御発言社会党からも出ておるのでありますから、一つそこらを汲取つて頂きたいと思うのです。そうでなければ、もつと今後いろいろこの間から問題になつておる緊急質問自体取扱についても、非常に強い主張が出て来ると思います。
  30. 須藤五郎

    委員外議員須藤五郎君) 私は議運委員補助員として出ていますので、これ体又議運においてどういうことが申合わされているか、兼岩が今日欠席しておりますので、わからなくて非常に苦しい立場にあるのですが、本人は飽くまでも今日やりたいということを強く主張してほしいと、そういうことを先ほども私は岩間君に会いましたら言つておりましたから、私としましては、やはり本人の希望をこの席上で皆さんに訴えて申上げる以外にどうも途がないのです。ですから皆さんのほうで、どうぞよろしく決定して頂きたいと思います。
  31. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 従来どういう申合せもないのです。だから須藤君は須藤君で自由に御主張なすつて結構なんです。ただ今後申合せをして、そうして会派の数なり、何なりでやつて行こうというのが大体大会派の意向のようなんです。そのときに、こういうこともあつたから、ああいうこともあつたから、だからこれでなくちや少数横暴になるとか、やつて行けないとか、そういうことを言われることは、私たち野党側立場においても困る問題なんです。そこで申上げておるので、まあただここで須藤君や岩間君は共産党に属し、共産党の勢力からいつて、本日一人だけに限つてやらせよう、他は駄目だ、こうきめる段になれば、そうきめられてもそれは有効だろうと思う。私はそうきめられては困るのじやないかと思うのです。それで、やはりこれは一つ保留状態に置いて、そうして今後において生かして行くということのほうがいいんじやないか、恐らく私は率直にこう見て、率直に見てですよ、今日この二つをやらせようじやないかという会派は私はないと思う、率直に言うて……。
  32. 須藤五郎

    委員外議員須藤五郎君) 私は非常に単純にものを申上げているのですが、この問題は緊急性があるか、ないかということによつて、それを決定して頂きたいと思うのです。皆さんが今日緊急質問するというような緊急性がないという結論ならば、どうぞ皆さんで処置して頂きたい。私たち緊急性があるというところから、それでまあ今日緊急質問したいと申出たのです。
  33. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 緊急性の問題で言えば、私はそれはお互いに物指を持つていませんから、客観的にそれを決定することはできない。それは各会派において緊急なりと認めるものは緊急なりとしなければならんと思うのです。ただ今の状態において、この岩間君のほうの問題は、仮に緊急性がありとして質問を展開した場合においても、それこそ兼岩君に言わせれば誠意がないという答弁しか出て来ないと思うのです。内容を以て答えるなんということは先ず先ず……。仮に仮定して言うならば、只今鋭意捜査中のことでございますから云々というようなことですつと下るだけだと思うのです。
  34. 須藤五郎

    委員外議員須藤五郎君) どうも小笠原総理大臣答弁を……。(笑声)
  35. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 だから仮定の問題だ。
  36. 須藤五郎

    委員外議員須藤五郎君) この議運で受けてしまつたんじや問題にならないと思うのだが……。
  37. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 先ず今の状態から言えば、率直に私申上げているのです。(「常識だと呼ぶ者あり)それで私は共産党さんのほうにいろいろまあ申上げましたが、それでもなおおやりになりたいということであれば、それに対しては、議運議運として決定して頂くということで、私はどつちでもようございます。ただ懇談的にあなたのほうに申上げただけのことです。
  38. 水橋藤作

    水橋藤作君 あとから来まして恐縮ですが、この岩間君の質問は、この間起つた問題に関連するばかりでなく、内容を僕はよくわかりませんが、今後起る問題についてもやはりいろいろ日本政府として考えを持つておられることを聞きたいという質問があるじやないかとも考えられるのですが、今急に来てはつきりわかりませんけれども、併しこれは日本国民として大きく関心を持つておる問題だと思うので、この緊急質問はどういう結果になつておるか知りませんけれども、希望通り質問され、又国会でそれを我々としてもその回答を今後の参考にして置きたいと思うこともありますので、緊急質問を是非ともおやりになるようにお進め願いたいと思うのです。
  39. 相馬助治

    相馬助治君 今賛成意見を出された水橋さんと須藤さんに申上げるのですが、先ほど来小笠原君と私と同じような発言をしたが、別にこれは打合せたのでも何でもない問題です。この問題は御案内のように、緊急質問取扱いについては考えなくちやならないじやないかということは、実を申せば自由党あたりからぼつぼつ出されおる。それは今私どもとしては、今お説の通り緊急質問は飽くまで私はやはり緊急性則つて会派の数なんかに拘束されることなくやられる今までの参議院のやり方のほうが正しかつたと思う。ところが、それだからと言つて今後五、三人の会派自身が、三人だつて何百万の支持者があるから、おれたちは三人だと思つて舐められては困るということならば、又話が違つて来る。それは大会派のほうでこそ三人だつて舐めたものではないと言つているうちは話がわかると思う。ところが三人自身のほうで舐められては困るということになつて来ると、舐める、舐めないの問題でなくて、議事運営上我々は協力する立場から非常に困つた事態になる。緊急質問まで枠をはめるとなると、これは私たち会派においてもこれは問題になる。大体緊急質問なんというのは、政府側に言わせれば、そんなものは緊急でないと言われるにきまつておる。我々に言わせれば緊急だと言うにきまつておる。従つて小笠原言つておられるように、客観的な尺度などありようがない。永久に……。そこで私どもはそういう将来まで慮かつて小笠原君はああいう発言をすると同時に、私自身も、共産党自身が御考慮願えるならば願つたほうが相互の円満のために、議事運営の将来のためにいいと思つて申したので、これを拒否されれば、意味はない。それから水橋君がひよこりと来てひよこりと原則論を吐いたが、さようなことは我々実はよく承知しておるので、若し強つて発言したいという建前ならば、私たち意見意見といたしまして、又私は議運の一人としてこれについて態度を決定すればよろしいので、ただ我々の真意はそうだということだけを、ちよつと老婆心ながら触れて置きます。
  40. 須藤五郎

    委員外議員須藤五郎君) 今相馬さんは、三人だから舐めるなというようなことを私が言つたというようなことを発言されておりますが、舐めるなとか、そういう言葉使つた覚えもありませんし、又舐められているとも思つておりません。又皆さんが多数を頼んで小会派を舐めるとも考えておりません。ただ私は緊急な問題を扱う場合には、人数少数だとか、多数だということを基本にしないで、その問題は緊急であるかどうかということを、問題が緊急であるかどうかということを問題にして決定して頂きたいということを私は申上げたわけなんであります。
  41. 相馬助治

    相馬助治君 私浅学非才で、語彙極めて貧弱なものですから、あのときには舐めるという言葉で表現したならばわかると思つて申上げたので、そういう言葉はあなたもおつしやつておりませんし、それがそういうふうにお聞きになつたとするならば恐縮ですが、真意はそうでないということを訂正して、置きます。
  42. 木村守江

    木村守江君 今緊急性の問題でいろいろ議論がありましたが、ですから皆さんの言われております緊急性の問題を論議しても、これは解決する問題じやないと思う。そうして先ほど須藤さんからいろいろ議運に出て来た人数の問題について内情を申されましたが、須藤さんとしては、やはりああいうふうに強く突張らなければいけないというのは無理もないと思うのです。そういう点から須藤さんも自分の考えは言わざるを得ない、聞かざるを得ないから、適当に議運できめてもらいたいというような申入れがありますので、この程度で委員長皆さんに諮つてきめるより方法がないと思うのです。
  43. 水橋藤作

    水橋藤作君 只今相馬君がひよつこり来てひよつこり言つたとおつしやいましたが、その通りなのです。私は小笠原さんの今のお話を聞いておりますと、質問しても政府答弁することは殆んどきまつておるじやないか、が故に、やらなくてもいいじやないかというふうな……(小笠原二三男君「いや、そういう意味言つていない」と述ぶ)いや、政府がそう言うだろうということをあなたは言つておられた、まだわかつていないだろう。真相がわからないという回答を聞くぐらいのことはやらないでもいいじやないか。私はそういうふうに聞きました。誤解かわかりませんが、そういうふうに聞いたが故に、その問題よりも今後起る問題が緊急質問の中にあるのじやないか、が故に、この質問はおやりになつてもいいしやないか、やらせるようにお取計らい願いたい、こういうことを申上げたわけなのです。
  44. 川村松助

    委員長川村松助君) お諮りいたします。緊急質問に関しましては、須藤五郎君の発言に対して承認すること、岩間正男君の発言に対しては保留ということに御賛成かたは挙手を願います。    〔賛成者挙手
  45. 川村松助

    委員長川村松助君) 多数、そういうことに決定いたします。
  46. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 私須藤さんが初めて出て来られたというので、帰つて行つて專門家の兼岩君にもまれると困るだろうと思うので、念のために事務当局に聞いておきますが、今の採決は須藤五郎君のはこれは取上げ、それから岩間正男君のは保留という、保留ということは、本日緊急質問を展開することを保留というのですか、緊急質問を取上げることを保留ということですか。
  47. 近藤英明

    事務総長近藤英明君) 只今委員長がお諮りになつて結論を得ましたことは、須藤君の緊急質問については、これは議院運営から承認をする、それから岩間君の問題については議院運営委員会承認するともせんともきめない。保留ということは、議院運営委員会はこれを承認するともせんとも御決定にならなかつた従つて小委員会の問題として取上げて、本会議の問題として取上げるということは、本日は自動的に起つて来ない、かように私は了承いたします。   —————————————
  48. 川村松助

    委員長川村松助君) 次にお諮りいたします。日本工業標準調査会委員任命につき本院の議決を求めるの件。
  49. 保利茂

    政府委員保利茂君) 参議院議員奥むめお君を日本工業標準調査会委員に任命いたしたく、国会議決を求めるため、国会法第三十九條に但書の規定によりまして本件を提出いたしました。  日本工業標準調査会は、工業標準化法第三條により通産省に設けられ、この法律に基いて適法且つ合理的な工業標準の制定及び普及により、工業標準化促進鉱工業品の品質の改善、生産能率の増進、その他生産合理化、取引の単純公正化及び消費の合理化について調査審議いたしますほか、工業標準化促進に関して関係大臣の諮問に応じ答申し、又は関係大臣に建議することを任務といたしておるものであります。従つてその委員は、以上申述ぺました事項について学識経験のある者及び関係各庁の職員のうちから関係大臣の推薦により、通商産業大臣が任命することになつております。奥君は大正五年三月日本女子大学校家政科を卒業せられたのち、産業組合中央会顧問として家庭消費経済合理化のため婦人啓蒙に携わられ、その後日本生活協同組合連合会副会長、物価安定推進中央協議会評議員等を経て、現在主婦連合会会長となつておるもので、同人は消費者側を代表するものとして最も適任であることと存じますので、今回政府におきましては、特に同調査委員日用品部会所属に委嘱をいたしたいと存じておる次第でございます。御審議の上議決を頂きますようにお願いを申上げます。
  50. 川村松助

    委員長川村松助君) 只今官房長官から御説明いたしましたように、調査委員の任命につきまして承認することに御異議ありませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  51. 赤木正雄

    ○赤木正雄君 ちよつとお尋ねいたしますが、国会議員に属しておるものでこういう委員になる場合に、これは政府として当然その人にあらかじめお話なされば結構と思いますが、併し所属しておる会派について一応お話なさることになつておりますか、或いは全然そういうことは無視しておられるのですか。
  52. 保利茂

    政府委員保利茂君) これは通商産業大臣のほうからは、所属会派についても内々御了解を頂いたというようなことを私は承わつております。
  53. 赤木正雄

    ○赤木正雄君 それはいつ頃のことか存じませんが、実は私は緑風会のそういうふうな係りをやつております。未だ一度もそういうことは聞いておりません。仮にこういうふうなことを政府が言われましても、政府会派を無視してそういうことをした場合には非常に手違いが起ると思いますから、今後はどういうふうになさるか、そこをはつきりして頂きたいと思います。
  54. 保利茂

    政府委員保利茂君) それは形式的には会派に御相談するということは、表向きには何らそういう要件はないと思いますけれども、実際の運営からいたしますれば、これはまあ当然のことだと思うのであります。そういう手順はとつておると私は思つております。
  55. 赤木正雄

    ○赤木正雄君 今官房長官のおつしやる通りに、手続上は何ら会派にお諮りなさる必要はないと思います。併し実際の運営上は、これを円満にやつて行かない以上は運営できません。でありますから、私は会派に持つてつて相談いたしますが、この点をはつきりなさらんと、今後皆さんどの会派でも困ると、こういうふうに思いますから、この点だけはお願いいたします。
  56. 相馬助治

    相馬助治君 従来政府大臣を任命する場合に、参議院緑風会からいわゆる俗な言葉で言う引つこ抜きにして、持つてつた。これは議会の議決を必要としないのですから、これは我々としてどうとか、こうとか言う筋合のものではないと思うのですが、この問題に関する限りは、今官房長官言われたように、いわゆる形式的にはそうであろうと思いますが、私ども会派としては、具体的な問題としては奥さんに対してはよし賛成であろうとも、奥さんが所属しておる会派内において、どうもうまくない空気があるというようなことを探知するとするならば、御本人には甚だ御迷惑であり、これを発議される政府に対しても大変恐縮でありますが、私ども会派としては、将来自分の会派にこういう問題があることをも予想して、一応これは反対せざるを得ないということに相成りますから、その辺は官房長官十分お心得おき頂いたほうが相互のために便宜かと思います。
  57. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 いろいろ問題もあると思いますが、保留によつて会派に持ち帰るということにお願いいたします。
  58. 川村松助

    委員長川村松助君) 只今お諮りいたしました件につきましては、各会派にお持ち帰りの上、御協議の上決定することに御異議ありませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  59. 川村松助

    委員長川村松助君) それではそういうふうに決定いたします。   —————————————
  60. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 本会議を直ちに開きたいようでございましたら開いて頂くことにして、官房長官には当面して、おる諸問題について質問したいと思います。取上げて頂きたいと思います。
  61. 川村松助

    委員長川村松助君) それでは只今小笠原君の御意見のように、官房長官からは本国会における提出議案の御説明を承わると共に、本会議のほうは直ちに開くようにいたしたいと思いますが、御異議ありませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  62. 川村松助

    委員長川村松助君) 御異議がなければ、さよう決定いたします。じや休憩いたします。    午前十時四十二分休憩    —————・—————    午前十一時二十五分開会
  63. 川村松助

    委員長川村松助君) 再開いたします。今次国会における内閣の議案提出予定に関する件につきまして、官房長官に質疑を願います。
  64. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 内閣官房の資料が事務総長から先般配付になりましたが、これについて説明をまだ政府側から頂いておらんのですが、一般的に説明できる段階になつておらないから説明がないのか、怠慢ではないだろうと思うが、官房長官としては、どういう取計らいでこの法案等の問題については今善処されているか、一般的に先ず御説明願いたい。
  65. 保利茂

    政府委員保利茂君) お手許にどういう書類が参つておりますか、拝見しておりませんが、大体議案提出の取運びとしましては随い分督励をいたしておりますけれども、年々の例に洩れず、なかなか思うように進行いたしておりません。現在の状態を申上げますと、本日までに閣議の決定を終りました法律案件は五十二件でございます。右のうちに国会に提出いたしておりますものが三十六件でございまして、この三十六件のうち三件はすでに両院の御審議を終つて成立をいたしております。そのほか三十三件は、只今衆議院において二十六件、参議院において七件の御審議を願つているわけであります。近日提出いたす見込のものが一件ございます。それから閣議決定の上関係方面の折衝に入つておりますものが十五件ございます。閣議決定を終りました法律案の取り運び状態は大体そういうふうに相成つております。  そこで今後のことでございますが、先日もこれの促進方につきまして閣議でも相談をいたしまして、今国会中に提出いたすべき法律案は、これは政府内部の関係になりますが、二月中に法案の要綱の決定の取運びをするように、そうして三月遅からざる時期にすべて法案を提出いたして、爾後のものについては、例外的に、よくよくの例外でなければ取上げないというような扱いを、取りきめをいたしまして、只今各省とも関係の法案について、極力、文字通り急いでやつておるわけでございます。国会に余裕ある審議期間を持つて頂いて、支障のないように努力して行かなければならんと思つております。又いたしておるわけでございます。  大体の状況はそういうことになつております。
  66. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 この二月六日現在で、先般提出した資料にある題目の法案は、これは提出せんとして準備中のものであると了解してよろしうございますか、一般的に……。
  67. 保利茂

    政府委員保利茂君) 一般的には各省でいろいろ考えておるわけでしようが、それらを引つくるめてとにかく報告してもらいたい、どういうものを計画しておるかということを取りまとめましたものが一応それでございますが、そのうちに必ずしも今国会にどうでもこうでもやらなければならんというものばかりでもないようでありますから、そういうものは思い切つて各省で、この国会中に解決を強いて要せざるものについては、どんどん整理してもらいたいということを言つておりますけれども、まあもう少し突き入つてお答えしなければいかんと思いますけれども、現況はそういうわけでございますから、今のところ、とにかくこの国会中にどうしても出さなければならんもの、又各省で出したいものというものは、そういう取運びで一つ二月中に要綱決定、目標は三月上旬までに全部出してしまうということで一つつてもらいたいというので……。
  68. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 そうしますと、参議院としては、これは四月中も相当法案の審議を予定しなければならないと、こう考えておつてよろしうございますか。
  69. 保利茂

    政府委員保利茂君) それは是非そうお願いいたしたいと思つております。
  70. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 我々各常任委員会等において調査しておりますところによりますと、所管官庁において、早期に法案を出すと却つて愼重な審査を受け、いじくり廻されて困るというようなことで、懐ろに温めておくということがあるというふうに、その具体的な事実もつかんで、そういう評判が立つておるのですが、官房長官はそういう事実を御承知でしようか。又、そういうことに対しては、どういうふうに促進して行こうというふうにお考えでしようか、お伺いします。
  71. 保利茂

    政府委員保利茂君) 私はそういう事実があるということは、実は不幸にして存じませんけれども、若しあれば、これは若し御指摘を頂くことができれば直ちに取上げて、至急提案いたすように、さようなものがあるとすれば処置いたしたいと思つております。全体といたしましては、これは閣議の右ようの話合に基きまして、次官会議におきましても、この趣意は十分徹底して、各省の協力を要請いたしておりますが、私としてはさようなことが若しありとすれば、それは直ちに取上げたいと思います。
  72. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 それから官房長官として、今の段階で予定されておる提出法案の案件数は幾らくらいにつかんでおられますか、全体として……。
  73. 保利茂

    政府委員保利茂君) ここにちよつと作らしておりますけれども、これも余り私自身で検討をしておりませんから、一応あなたのお手許にございます二月六日の調べ、それに照応するものでございますが、そういう処置をとりつつも、今日これに集計させましたものによりますと、二月中に提出見込のものが二十一件、三月上旬までに提出見込のものが五十七件、未定のものが百十六件ということに上つておりますが、その未定のものというのは、必ずしも三月上旬までに提出見込がないというものばかりではないわけなのであります。或いは三月上旬までに出したいと思うけれども、まだきまらないとか、或いは各省の関連において話合が付かないとか、出せるならば出してみたいというような希望的なものもあるようでございますから、この百十六件の内容たるや甚だ明確を欠くわけでございます。これはできるだけ早く整理をいたしたいと思つております。
  74. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 では只今の御答弁を取りまとめまして、官房長官としましては、参議院に責任を以て法案提出の見通し等につき御説明願える時期をいつ頃と予定しておいたらいいのか、お伺いいたします。このことを伺います理由は、参議院の今後のスケジユールの決定に重要な問題でございますので、はつきりさして頂きたいと思います。
  75. 保利茂

    政府委員保利茂君) これは御尤もでございますから、できるだけ、参議院運営上最も重大な関係でございますから、まあ一日も早くこれは申上げなければならんと思つておりますが、右ようのだんだんの事情が入つておりますから、二月末か、三月早々に至れば大体の見当は付け得るのではないかと思つております。
  76. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 一般に法案の提出も遅れ、又御説明を頂く機会も次々遅れておるようでありまするが、法案提出の曉において、参議院自体の運営上、これはやはり後半のほうに各種の法案審査が澁滞してたまつて行く、そうい場合にいろいろ政府側として参議院のほうに要望せられましても困るような事態も起つて来るかと思うので、これは希望でありまするが、そういう事態になることを恐れるならば、率直明快に事情を御説明頂き、積極的に法案等も、参議院先議で廻す部分を従来以上に多くお考えつて、万全を期するように一つお願いしておきたい。あとになつて、とやこうのことを政府與党のほうから言つて来られて、その間いろいろ紛争が起りましても、我々としては責任は持てないということをこの際申上げておきまして、重要な法案について一、二お伺いしておきたいと思います。一つは警察予備隊法案ですが、これは今御説明になつたもののうちで、時期としてこれは前段のほうに入るのですか、後段のほうに入りますか。
  77. 保利茂

    政府委員保利茂君) 前段と申しますと……。
  78. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 二月中の提出というのと、三月上旬の提出というのと……、そういうお答えが頂けなければ、もう準備ができておる、やや完了に近い、もうちよつとである、まだまだというふうに、その表現はどうでもよろしうございます。
  79. 保利茂

    政府委員保利茂君) 二月中にですか……、こつちのほうの関係から言いますと、予定でございまして……。
  80. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 これはあちらのほうとの関係と折衝に入つているように骨格ができているのでございますか。
  81. 保利茂

    政府委員保利茂君) それを私のほうで一手にやつておれば、そこはよくわかるのですけれども、それぞれ所管大臣があちらのほうとの折衝をやつておられて、そうしてそれの立案をしておられると思いますから、各件についての何は、内閣官房のほうに上つて来ておるものについては私責任を以てお答えできますけれども、どうぞそれは一つ……。
  82. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 はい、承知しました。それじやそれに関連して保安隊でしようか、防衛隊でしようか、そういう関係の法案は予備隊が十月まで存置せられるということから、その十月までにそういう法案をいずれかの国会なりにおいて提出すればよろしい、必ずしも本国会でなくてもよろしいというふうに御解釈になつておられるのですか。
  83. 保利茂

    政府委員保利茂君) いや、これにつきましては、やはり今国会中に所要の立法措置を講じて頂きたいという考え方を、これはそういうふうに持つております。
  84. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 いや、それは保安隊或いは予備隊と名付けるもののほうの法案でございますか。私の聞いておるのは保安隊法は今回出さなければならんでしようが、予備隊の切替の時期は十月になるのですから、切替になつた後のこの組織法は、こういう関係の保安隊なり防衛隊なりの法案は十月までに国会なりに出せばよいと、立法化しておけばよろしいとお考えになるかどうか、これも本国会で取りきめをしておかなければならんとお考えになつておられるのか、お伺いしたい。
  85. 保利茂

    政府委員保利茂君) 今国会中に十月以降の組織関係につきましても專ら立法の措置を講じたいという政府の希望であります。
  86. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 それからもう一つ、次に国家行政組織法の一部を改正する法律案でございますが、新聞紙上を非常に賑わしているようですが、これはいつ頃御提出になられるお見込みで、今の段階ではどういうところまで作業が進んでおられるか、御説明願いたい。
  87. 保利茂

    政府委員保利茂君) これはいろいろ政府考えております行政機構改革の重要な部分を占めておりますものと関連いたします法律でございますが、只今大体御承知のように今立案の最中でございまして、希望としましては二月中に大体の骨組を取りまとめまして、三月の中頃までには提出いたしたいという希望を持つております。
  88. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 そのうち簡単なことでございますが、治安関係一つの総合本省を持つということは決定せられているのでございますか。又国家公安委員会は取りやめるということは御決定になつていることでございますか。これらについて伺つておきたい。
  89. 保利茂

    政府委員保利茂君) いずれも責任を持ちまして結論的に申上げることはできませんけれども、大体の現在の考え方は国家公安委員会をなくするという考えは私はない、それからいろいろ意見はあるようでございますけれども、治安について省を設けるという方向にはないと思います。こう御了解願つておきます。これはどうも最終的な結論と言われましても、実は今立案過程でございますから……。
  90. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 次に地方自治法の一部を改正する法律案でございますが、このほうは国の行政機構の改革の主な部分でもありますし、新聞紙上で行政簡素化本部の結論というふうな形で最近発表等になつておりますが、この作業の段階並びに提出の時期等をお伺いしたい。
  91. 保利茂

    政府委員保利茂君) それは何でございましようか、機構の問題でございましようか。
  92. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 ええ、地方行政簡素化のほうの関係の部面です。
  93. 保利茂

    政府委員保利茂君) 地方簡素化本部のほうで、昨年九月以来中央と相並んで地方の行政簡素化を始めたい。機構についても事務についても簡素化の実を挙げたいということで、この半年に亙つて簡素化本部で研究され、一応の結論は付いておりますようですけれども、これを直ちに政府の案として、考えとして決定する段階には至つておりません。併し地方自治体の機構の問題は主としてこれは地方自治庁の專管になることでありますから、このほうは主管大臣においても是非この国会で所要の解決をしたいという希望を以て準備を進めておられるようであります。そういう段階であります。
  94. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 それらの中の二点についてお伺いしますが、農業委員、漁区調整委員或いは教育委員等の直接乃至間接公選選挙制を廃止するというようなことについて、これは政府として態度が決定しているものであるかどうか。第二点としましては、地方議会議員の定員数を縮減するということもどう決定になつているのでございますか、お伺いします。
  95. 保利茂

    政府委員保利茂君) 両方ともまだ決定に至つておりません。政府としてはまだ御質問の第一点、第二点につきましても、両方とも決定しているわけでございませんから……。
  96. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 方向についても枠がきまつていないのですか。
  97. 保利茂

    政府委員保利茂君) 簡素化本部の案にはいろいろあるようでございますけれども、それは一応政府としてまだ決定をするという何にはなつておりませんから……。
  98. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 このほうの関係の法案も、これは三月上旬提出となればいいほうで……。
  99. 保利茂

    政府委員保利茂君) どれですか。
  100. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 この地方自治法の一部を改正する法律案。
  101. 保利茂

    政府委員保利茂君) はあ、そうでございます。
  102. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 それじやその次の地方税法の一部を改正する法律案でございますが、御承認の附加価値税の問題で出て来る法案がございますが、広汎な地方財政收入と見合つた抜本的な改正法なのでございましようか。それとも一部技術的な改正法にとどまるものでございましようか。政府の今の考えについてお伺いします。
  103. 保利茂

    政府委員保利茂君) この件につきましては、昨日の閣議で要綱の決定をいたしませんので、附加価値税の一年間の延期と、あとは何でございますかね。そう重大な何はないと……。
  104. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 附加価値税は一年間延期ということで御決定になつたのですか。
  105. 保利茂

    政府委員保利茂君) あれはたしかそうだつたと思いますが。
  106. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 実施しない……。
  107. 保利茂

    政府委員保利茂君) いや、附加価値税の延期……。
  108. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 延期ですね。よくわかりました。ではその次ですが、団体等規正法案、集団示威運動の実施の手続に関する法律案、広範囲に亙る国民経済及び国民生活を保護するために争議行為の濫用を防止する法律案、これら三案になつて出ておりますようなものは、どういう関係になつて、どういう形で法案提出のお見込でおられるのか、お伺いします。
  109. 保利茂

    政府委員保利茂君) それらについて主管のほうでまだ研究せられている段階でございますから、今日何とも私からお答えできる資料がございません。
  110. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 主管のほうにおいても未だ骨格もできない状態でありますか。それとも骨格ができ、或いは法案としては幾つに分けて提出するというふうな……、方法さえもきまつておらないのですか。
  111. 保利茂

    政府委員保利茂君) 主管のほうでは準備は、とにかく国会中でございますから、提出しようと思つておれば相当進んでいるのだろうと思いますけれども、私はまだそれらについてお答えする……、できるようなお話を聞いていないのでございます。
  112. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 そうすると、これは提出の見通しについてはどういうことになりますか。
  113. 保利茂

    政府委員保利茂君) 従つて私から何も御返答できません。
  114. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 じや我々としては相当遅れるものであろうというふうに了解しておいてよろしうございますか。
  115. 保利茂

    政府委員保利茂君) 私は何とも……、今申上げる通りでございますから、その関係のみについて調べて来なければ、そういうふうに思つて頂くことが妥当かどうかということもちよつと申上げ得ません。
  116. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 そうすると、ついでに伺いますが、労働関係法のほうの各種の法律案についても同様でございますか。
  117. 保利茂

    政府委員保利茂君) そうでございます。
  118. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 それではこの二月下旬或いは三月上旬において責任を以て御説明になるというときに、これらの問題について詳細承わることができますか。
  119. 保利茂

    政府委員保利茂君) できるだけ只今御指摘のようなことについては、輪郭だけでも申上げ得るように努力して行きたいと思います。
  120. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 了解しました。最後にこの国会提出予定法律案進捗状況という資料は、責任を以て参議院側にお出しになつたものでございますか。プライベイトな資料を單に配付したというにとどまるものでございますか。
  121. 保利茂

    政府委員保利茂君) これは一応の目安を付けて頂きますために取りあえず、この中から落ちて行くものもあると思いますが、ともかくもこの今国会で大よその目安にして頂くものとして、御参考になり得ればということでお出しをいたしているわけでございます。
  122. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 私はこの中旬とか、下旬とかいう面は、月の三十日を十日ずつに割つたものが中旬、下旬だと思うのです。本日は二月の二十日で、中旬の完了日なんです。ところがこの二月中旬というのが一つも法案が出て来ない。この点はどういうことになつておりますか。
  123. 保利茂

    政府委員保利茂君) その書類をお出しいたしました後で、模様を見ますと進捗をしておりませんから、従つて先ほど申上げましたような促進措置を講じておるわけでございまして、下旬、上旬の御解釈については私も全然同じなんでございます。
  124. 相馬助治

    相馬助治君 私は総括的なことで一点お聞きして、念のために承知しておきたいと思うのですが、法案のこの作業状況を見たり、それから今度の国会がこの予算案を審議しているというこの現実から見たり、それから法案関係や、行政改革に対して今日なお政府部内でいろいろな案があつて固まらないという状態を見ますとそういう現実から推して、官房長官にお尋ねしておきたいことは、何ですか、今度の国会は頭からもう一カ月くらい延長してもらつて……、これは会期の問題はむしろ議会自身の問題ですけれども政府自体としては会期の延長を議会に願つて、そうして所要の国内立法のいろいろな問題を成立させるという大まかな構想なのですか、その辺を一つ承わつておきたいと思います。
  125. 保利茂

    政府委員保利茂君) まあ行政機構改革等につきまして、まだまとまらんで何しておつてというようなことでございますけれども、問題が問題でございますから、これは最終案を決定いたしますまでに、よほど愼重にこれはやらないといかんのだろう、併し一面において国会の会期というものは明瞭でございますのですから、私どもとしましては、会期の延長を御期待をして、そして愼重審議に期間を費やしてもという考えは毛頭ございません。できる限り成規の会期中に十分の御審議の期間をお持ち頂くようにして各案の提出をさせたい、従つて会期延長を今日のところ、今日すでに御期待を申上げているというような腹ずもりはもう全然ないわけでございます。その点はできるだけ……、併し各案の提出につきましては、御審議上迷惑のかからない期間に提出をいたしたいと考えておるわけであります。
  126. 相馬助治

    相馬助治君 そういう心構えと、おやりになつていることが不幸にして、又大層残念なことに相反しておるわけでして、具体的なことは三月に入りますれば、参議院としては殆んど主力が予算委員会にかかつてしまう。そうすると、他の常任委員会の成立やら、本会議の動き等から見ても、政府が期待するような各種法案に力を入れて行くということがなかなかできがたい状況になると思うのです。従つて二月もあと十日残されているのですから、本当に今日予定されている諾法案を成立せしめたいと熱願するならば、もう早急に一つ私は出して頂きたいということが一つと、それからもう一つは、官房長官として、緊急質問に内閣総理大臣が出て来たり、出て来なかつたり、そうして官房長官をお呼びしてその責任が何だというようなことを我々は聞くことは潔よしとしないので、そういう点についても官房長官大いにまあ努力されて、一つ専心法律が成立することに協力している我々の立場にもなつて、まあ一つ努力されることをこの際強く私は要求しておきます。
  127. 赤木正雄

    ○赤木正雄君 私簡單にお伺いします。この前の国会、又その前の国会につきましても、参議院におきましては、北海道の総合開発、或いはこの国会の前の行政整理、結局は行政機構改革の問題になつたのですが、こういう法案がいつも参議院に参りまして、それがために期日を延長する、こういうふうなことになりました。でありますから、行政機構改革の法案をお出しになると思いますが、その場合にはむしろ今までの結果から見ますと、やはり参議院のほうは衆議院よりもよほど念を入れて研究いたしますから、こういう法案はむしろ参議院を先議にしたほうが、或いはその期日をうまく運営するというのに私はいいと思います。これに対してはどうですか。
  128. 保利茂

    政府委員保利茂君) 私の一存ではお答えいたしかねると思いますが、できるだけ……。
  129. 赤木正雄

    ○赤木正雄君 その点は、それがために又期日を延ばすということはいつものことですから、成るべくならばこういう法案は参議院に先にお出しになれば、衆議院のほうはいつもうまく通るんですから、この点をお願いしたいと思います。
  130. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 最後にこれも希望ですが、総理を初めとして関係大臣参議院会議出席の問題でございますが、予定しております際に何らの御返事も頂けないで、当日になりますと、これは出席頂けるものとして議院の運営考えるわけでございます。従つてそのときになつて所労のため、或いは渉外のためというような漠然たる御返事で出席相成りかねるということでは、それでなくてさえも我々側の疑惑を招く元でございますから、議院の運営を不円滑ならしめ、政府與党である自由党のかたも非常にお困りになる様子を見ておりまして、誠に気の毒に堪えない。従つて少くとも一国の総理大臣の予定というものは、前日、前々日等に公式なものは御決定になつておるのでございましようから、積極的に事前に御連絡願つて、当日トラブルのきつかけになるようなことのないようにされたら、これはいいのではないかと考えますので、一つその方面の連絡を参議院のほうともう少し官房長官におかれても緊密にやつて頂きたいということの希望を申上げておきます。
  131. 保利茂

    政府委員保利茂君) 御注意の点は全くその通りであります。ただ先ほど相馬さんもおつしやつておりましたけれども参議院のほうと、どつちがどうだということは、無論もとより両院を尊重しなければならんと思います。これは総理出席時間数から申しましても、或いは発言回数から申しましても、参議院のほうは衆議院の倍以上に私はなつておると思う。それで決してお見逃しを頂くということは申上げませんけれども、そういうことで努めてその御趣意に副うように努力いたしておることだけを一つ御了解頂きたいと思います。
  132. 相馬助治

    相馬助治君 私この問題でなく、実は決算委員会が決議して議長に或る種の交渉をしておるはずなんです。そのことに関して議長をここに出席させたいと思いますので、官房長官の質問途中で恐縮ですが、議長出席要求して……。
  133. 川村松助

    委員長川村松助君) 官房長官お帰りになりますか。
  134. 保利茂

    政府委員保利茂君) どうぞよろしく。   —————————————
  135. 相馬助治

    相馬助治君 議長出席要求して下さい。
  136. 川村松助

    委員長川村松助君) 承知しました。   —————————————
  137. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 ちよつと時間の余裕があるようでありますから、三分だけでようございますが、参議院法制局長に質問したいことをお取上げ願いたいと思います。
  138. 川村松助

    委員長川村松助君) どうぞ。
  139. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 これは行政協定に関する法律的な解釈の問題ですが、先般岡崎国務大臣答弁でも、行政協定は事務的に政府責任による取極だというふうな安直な御答弁があるようでございますが、いわゆる国会等の、法律その他で委任せられ、或いは国内法ができておつて、その執行権ですか、行政権の範囲内において取極めるものが行政協定ということでございましようか、これが一つ。仮に若しもそうだとしますならば、安保條約の基本原則が決定して、行政協定がそれに基いて協定せられるとしましても、條約そのものの原則を施行する場合には、やつぱり国内法がなければならんのではないかと思います。従つて行政協定で取極めたことが現行法に抵触して、あとで国内法を直す手続をすれば済むことであるという今の政府考え方は、これは逆ではないかと思う。いわゆる国内法に抵触し、憲法上許されている人権なり、或いは国民の財産の保障その他のことが、法律によつて将来制限せられるようなことを予定するような行政協定というものは、これは行政権の範囲を逸脱しておつて違法ではないかという疑問を持つ。即ち行政協定を結び、それをその通り施行するためには国内法等を改めて立法し、或いは改正して行かなければならんと思う。こういう行政協定を取結ぶ権限が内閣にあるかどうかという点を第二点としてお尋ねします。従つてその結論として、第三点としては行政協定国会承認を得なければならないのではないかということについて、法律解釈を願いたいと思います。
  140. 奧野健一

    ○法制局長(奧野健一君) 行政協定と申しますのは、やはり安保條約の委任に基いて行政的に取極めるものであつて、丁度私は法律法律の委任に基く政令とでもいつたようなものと大体同じような性格を持つものではないかと思うのであります。従いまして結局その委任に基いて行政協定が結ばれますならば、それは丁度條約と同じような効力を法律的に持つのではないかというふうにまあ思つております。そこでそれじや條約が或いは直ちに国内法律と同じ効力を持つかどうかということは、いろいろ学者間に争いがあるようでありますが、或いは又憲法に抵触した場合にはどうであるという問題がありますが、それの問題は法律或いは憲法と條約との関係と同様に考えていいのではないかというふうに思つております。そこで行政協定によつていろいろまあ施設或いは土地等の供與というようなことが取結ばれた場合に、それが直ちに国内法の法律としての効力を持つという解釈でない場合には、それに基いて国内法を作りまして、例えば土地收用法を改正するなり、その他そういつたような国内的な立法を作らないと、直ちに国内的な効力がないということになろうかと思うのでありまして、従いまして大まかに言いまして、條約と法律或いは憲法というような同じような関係に立つて、ただ條約を結んだだけでは国内的に直ちに法律としての効力を持たないという場合には、その実行のできるように国内法を改める必要が出て来るというふうに考えます。そこで若し憲法が條約よりも強いものであるというふうに考えますならば、行政協定によつて憲法に違反するような行政協定はやはりできないということになろうと思うのでありますが、その点いろいろ学者の間にも議論があろうかと思います。そこで條約に委任されて協定を結ぶということになつておりますので、その協定は條約に基いて行政機関がこれをやることを委任されておると思いますので、その行政協定取極め自体は直ちに国会承認という必要はないのではないか。丁度法律が、国会でもうすでに制定されて、それに委任命令があつて、その委任命令を出すのは政府の委任された権限によつて出し得るというのと同じような関係にあると思います。
  141. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 形は法律と政令のような形でしようが、條約の場合は、條約そのものが国内的に直ちに有効になるのではなくつて、原則の取極めが條約において行われ、それがやつぱり実現されるためには法律がそこにできて来るのではないかと思うのであります。ところが、安保條約そのものの中で、包括的には行政協定というものを取結ぶことを決定しておつても、内容を何ら規定しておらないのでありますから、従つて中間に国内法というもののある限りは、行政協定は国内法の範囲内においてしか結べないものであるのか、行政協定のほうを優先させてそれを取結んで、あとで国内法のほうをいじつて行くということが行政協定として政府にその権限があるとするのか、どうか、その点が我々にははつきりしない。そこの点を御説明願いたい。
  142. 奧野健一

    ○法制局長(奧野健一君) 先ほど申しましたように、まあ條約において委任された権限に基いて行政的に取極める。その結果はやはり條約と同じように考えていいのではないか。而うして條約は直ちに法律的な効力を持たないものであると大体考えていいと思うのでありますが、その結果それを実行するためにはやはり国内法的な処理が必要であつて、例えば今申しましたように、土地收用法等の改正或いはそれが財政的に必要があれば、予算の提出というようなことが伴なつて来るので、従いましてその條約の実行のために、国内法を制定或いは改正する必要が出て来るというふうなことになると思います。
  143. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 くどくなりますから、ただ最後に一点伺いますが、あの安保條約を承認する立場にあつた国会側としましても、法律によつてこれこれのことが制限せらるるということになれば反対である、こういうことをされては困るというようなさまざまな具体的な意向が、具体的な問題が当時掲げられておつたならば、それぞれの意向があつたのだろうと思うのですが、ただ單に内容を示されないでイエス、ノーで承認した今日において、それが具体的に国内法によつて国民の生活なり、或いは大きくは基本的な人権を制限し、或いは侵害するかも知れない今日、行政協定そのものを国会承認を必要とせず、政府の行政執行権の範囲内なんだ、こういうようなことで法律手続を済まして行くということが、民主的な国家のあり方として妥当であるのかどうかということを伺いたい。
  144. 奧野健一

    ○法制局長(奧野健一君) その行政協定の範囲のあらかじめ不明であつたような場合には、恐らくやはり一般的な委任命令の範囲が余りに白紙委任的であつた場合は結局違法であるかというような問題とやや同じようになろうと思うのでありますが、従いましてあの安保條約を締結されるときに、委任の範囲というようなことについて十分に審議されたものと思うのでありますが、併しまあそれはそれにいたしましても、結局それが国内法としての国民の権利義務に関係がある場合には、それを実施のために法律を作らなければならない。例えば土地収用法等の改正というようなものが伴いますので、その際に国会としてその法律の立法に従つて十分御検討ができるのではないかと思うのであります。
  145. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 そこが私どうも逆なので、あなたのおつしやるのは、行政協定そのものの効力という関係から言えば條約同然であろう。ところが安保條約は国会の批准を求めたものだ。それならばその例から見ても、行政協定国会承認を求めなくちやならんのじやないか。あとで具体的な国内法で措置されるのである、或いは現行法に抵触するものを改正して行つて辻棲を合せればいいのだという考え方でなしに、基本的には国会承認を得て、そうして條約同様に、了解が得られた上で関係法律案というものが出て来るというあり方が正しいのではないか、こういうことに対して御答弁を願つているわけです。
  146. 奧野健一

    ○法制局長(奧野健一君) その点やや見解が分れるだろうと思いますが、結局何ら條約自体において、駐留軍に或る土地を提供することを内容とする安保條約ができたと同じ大体結果になるのではないか。そうなりましても、ただその條約だけでは当然に土地を収用することはできませんから、それに応じて又別に国内法を作らないと、その條約の履行が結局できないということになりますので、その土地收用法の改正等ができなければ、條約はできたが、條約に基いてその履行が国内法ができないためにできないというふうな結果になろうと思います。
  147. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 まあ議長も見えられたようですから、この問題については、もう一度いつかは必ず局長の御意見を伺う時期が到来すると思うので保留いたしておきます。   —————————————
  148. 相馬助治

    相馬助治君 この際私は議長に一点伺つておきたいことがございます。先般参議院の決算委員会において、いわゆる二重煙突事件関連いたしまして、その審査の必要上或る種の資料の提出を委員会は議長に向つて要求なさつたという話を聞いておりまするが、それは事実であるかどうか、事実といたしましますれば、それはどういうことと相成つておりますか、その辺の関係を一点伺つておきたい。それを伺つた上で私は又重ねてお聞きしたいことがございます。
  149. 佐藤尚武

    議長佐藤尚武君) 今相馬君の御質問でありまするが、決算委員長から二月十八日付を以て調査報告書を求めるの件として要求が出ております。それは千代田銀行以下全部で五つの銀行に対して必要な書類の提出を求められたい。そういう要求決算委員長岩男仁臓君の名前で以て私宛提出されております。それがどういうふうに取扱われておるかという今の御質問でありますが、それにつきましては、私はこの審査要求が出ますれば、参議院規則第百八十一條でありますか、これによつて宛先にこれを通達することになつているわけでありますが、併し委員会の決議であつて、これを外部に通達するに当つては、私は事の性質によりましては極めて愼重に取扱わなければならん場合がある、そういうふうに考えるのであつて、まさに今回の場合も私は愼重を要する一つの大きな問題であろうと考えるのであります。と申しまするのは、これは個人の財産の内容に立入つたそういう書類の提出を求めるということであつて、私の考えからしまするならば、個人財産の内容にまで立入つての審査をする。つまりこの場合においては預金の内容を承知することができるような書類を求めるわけでありますが、これは私は司法権の発動、つまり裁判所の要求若しくは命令によつて提出するということ以外には私は要求はできないものであろう、こういうふうに考えるのでありまして、今回初めてこういう事件に遭遇したのではなくして、前々国会でありましたか、同じような事件があつた場合に、私はやはり愼重審議を求めたことがあります。今回も同じような問題でありまするからして、委員長においていま一応愼重に取扱いをお願いをしたい、こういうことを申上げて、委員長において今折角善処しておられることと信じております。これはどういう結果になつて現われて来ますか私存じませんが、併し一般民間において、こういうことが問題となつた場合に、参議院としてはこうこういうことであつたから、その書類の提出を求めたのだというはつきりとした理由が私は欲しいのであつて、つまり例えば民間の法曹界あたりで以てこの問題が取上げられたときに、参議院は自分の権限を逸脱しているとか、何とかいうような非難が起きないように、参議院としてはこれこれの理由の下にこの問題を取扱つたのだということをはつきりするようにして頂きたい。こう思うのでありまして、そのためにいま一応委員長においてこの問題を審査して頂きたいということで返したわけであります。目下委員長において何らかの措置をとつておいでになることと存じますが、まだ報告には接しておりません。
  150. 相馬助治

    相馬助治君 私は非常に重要な問題であるから愼重を期したいという議長の今のだんだんのお話はよくわかりました。ただ同時に、愼重を期さなければならないと同時に、この問題は又緊急をも要している問題であろうかと思うわけであります。で、参議院規則の第百八十一條によつて、どうしてもこれは議長を経てこれを求めなければならないと規定されている関係を以て決算委員会がそういうことを議長を経て要求したのだと思う。議長としては、この問題は権限としては取扱うことができないから、これを決算委員会へ一旦お返ししたというようなお話なのですが、そこでお尋ねしておきたいことは、決算委員長個人を呼んで、議長としては個人の立場から政治折衝として、後の例にもなることであるから、これは愼重を期そうじやないかという話合いで戻されたのか、それともこの問題は、自分の見解としては、議長としてにわかにこれに承認を與えることができないから、一旦お返しするから、決算委員会はその自体の責任においてもう一度愼重に審議をして、必要とあれば再提出せよと、こういうことになつているのかどうか、この点を一つ承わつておきたいと思うのです。それからなおこれは不確実な情報でちよつと責任は持てないのですけれども議長がそういうお話をしたと申しまするが、決算委員長は決算委員会にこのことを正式にも非公式にも諮つていないように承わつております。但しこれは確実な情報ではございませんし、大体においてこの問題を正式にも非公式にも決算委員会に諮つていない、こういうことを聞かされております。従いまして今決算委員の持つている考え方を要約して言うと、この問題に対して、は議長が何らかの考慮に基いて、議長自身が逡巡して、この手続の促進を阻んでいるというふうに残念ながら印象付けられていると思うので私は発言したわけでございまして、正式に決算委員長にそういう話をされたのか、それとも政治的な話合いの段階としてされたのであるか。この点を一つ明らかにして頂きたい。
  151. 佐藤尚武

    議長佐藤尚武君) 議長としましては、こういう審査要求の書類が出て来た場合に、それが常任委員会の決議であるとすれば、これを阻止するわけには行かないと思う。議長を経由して、向うに出す、相手先に出すということであつて議長がその書類の提出を阻止するというわけには行かないことである。が併し、今申上げました通りに、事の内容は非常に重要な問題である。且つ又これは先例にもなることであるからして、慎重に取扱つて頂きたいということを決算委員長に今一応御注意申上げたという段階であります。正式に決算委員会にこの書類を返上したかということになりますれば、これはそうではありません。委員長に対して、いま一応お考えを願いたい、こういうことに過ぎません。それで先ほども申上げましたが、委員会において再びこの問題を取上げられて、そうしてどうしてもこれが提出すべきものであると自分たちは思うというふうに最後の決定があれば、それは正式の決定であるか、或いは委員会においてどういうふうになるか、それは存じませんけれども委員長から再び私の手許に、これを提出すべきものであると考えるというのであるから、その通り取計らつてもらいたいということが出て参りまするならば、私としては何らこれを阻止することはできないのであり、又いたしません。今相馬君は何かこれを議長が特に何らかの考えがあつて、問題の緊急性にかかわらず、この手続きを遅らしているかのような印象を受けるというふうなお話でありましたが、そういうふうに故意にこれを遅らしているというようなことは一切ありません。あり得ません。それから又委員長においては、委員会に諮ることなく、何かほかの方法でこの問題を取扱つておるとかいうようなことを今風説としてお聞きになつたということでありますが、これは私存じません。委員長がどういうふうにこれをお取扱いになるかということは、これは私の關與するところではないのでありまして、私は委員長が再びこの問題についてどういうふうにしてもらいたいということを申出て来られれば、それによつて処置するだけのことであります。
  152. 相馬助治

    相馬助治君 議長のお立場からなさつておることがこういうふうな印象を與えておるというのは、私がそういうふうに印象しておるというのではなくて、そういうような印象を與えておるということが決算委員会の中において言われておることを私は残念といたしまして、議運立場から議長に協力する意味を含めて一つはお尋ねしておるのです。それからもう一点くどいようですが、お聞きしたいのは、そういうことを決算委員長議長からお話なつたことは、正式に書類を突き返したのではないということはわかりました。それでこういうわけだから愼重を期そうではないかということをお話しなさつたということもわかりました。その場合に決算委員長がどういう返答をされたのかというのが実は問題になると思います。それをお聞きしておかなければならないという理由は、正式に書類を返したのであるからというと、決算委員長は決算委員会に、実は議長のほうから、好意的であろうと何であろうと、こういう注意があつたから、この問題はもう一回考えてみたいということを諮られると思うのですが、具体的に書類は書類として出ておる。議長が好意的にお話をしたということになると、決算委員長はどういう手続きで決算委員会に前の決議を再確認するか。恐らく委員長としてはその取扱いにお困りであろうと思う。そこで決算委員長が今の議長の意を体して、当時どういうふうにお答えされたのであるか、この点を一点伺つておきたいと思います。と同時に、このことは私は議長立場でなく、これを極めて事務的にお取扱いになつております事務総長の見解も承わつておきたいと思います。
  153. 近藤英明

    事務総長近藤英明君) 只今の点に関連いたしまして、私からもう一つ申上げさせて頂きます。今御質問がございましたから申上げますが、本件につきまして、議長の手許へ委員長から申出ました件につきまして、議長の御決裁をお求めに参つたわけでありますが、議長といたされましては、先刻申されましたような理由から委員長の再考を促すようにというお申渡しを受けまして、私から委員部長に申しまして、その所管で委員部長委員長にその書類を持つて返すとか、返さんとか、今のところは何と申しますか、右か左か決するということじやないんですが、この書類を持つて議長のところへ伺いましたところが、これこれしかじかの御意見でございます。委員長までこのことをお伝えいたしますということを委員部長から委員長に申上げているわけです。その際委員長としては、それではこういたしますとか、或いは重ねてお願いしますとかいう御返事は未だ委員長から出て来ていないわけです。それが現在の状況でございます。
  154. 相馬助治

    相馬助治君 そうすると、私は実情を調査して改めて又お尋ねしたいと思うのですが、どうも今のお話ですと、形式的な段階から言えば、依然としてやはり議長がこれに対して決裁を與えないからその手続がとれない、こういうふうに、それが誤解であるか、正解であるかは別としても、なると思うのです。但し事の重要性に鑑みて、議長決算委員長にそういつた話をなさつたという状況はよくわかります。そうして又議長として当然別個な立場から相当愼重であるべきでありましよう。従つてこの問題については、私是非お尋ねしておきたいというポイントを不幸にして今までの説明ではつかむことができません。従つて事は極めて重要な問題でございまするので、決算委員会自体についても確めまして、改めてこの問題について一つ質問をすることにしたいと思うのです。ただ私は議運の他の委員諸君に、これを一つの契機として、突如としてこういうことを取上げた理由は、やはり何としても百八十一條に示されていることによつて見ますれば、議長承認しなければこういう手続が進行しない。そこで事実議長が、現在のところでは事情はいろいろあるとしても御承認になつていない。そのために折角一委員会の決議にもかかわらず事が運んでいない、こういう事態があるということを一つ御注意を喚起する意味で、こういうように速記の付いているところで御質問したので、それらについて特に御了解を願つて一つ円満なる本院の運営のために協力願いたいと思いますので、御了解を願つておきたいと思います。
  155. 川村松助

    委員長川村松助君) ほかに御発言がなければ、本日はこれを以て散会いたしたいと思います。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  156. 川村松助

    委員長川村松助君) それでは散会いたします。    午後零時三十六分散会