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政府委員(
石原幹市郎君) これはいろいろなものを合計いたしまして、
邦貨に換算いたしますると、そういうことになるのでありますが、
先ほどからどうもまだ
給与の構成の全般的なものについて御了解願えてないような点もあるやに
考えられまするので、前の御
説明と重複するかとは思いまするけれども、一応私から申上げて置きたいと思います。それで
戰前の
在米大使の
給與を今日のものに換算いたして見まするというと、約三万八千百三十六ドルになるのでありまして、今回は一万八千八百ドルでございます。
在外事務所長時代は七千ドルでございまして、これらを御
比較願いますると
如何に少額な
予算の
範囲内で活動しておるかということを先ず御了解を願いたいと思います。それから
給与の全体の
考え方ででございまするが、これは大体五級職の
公務員で
米国に参りまして衣食住に事欠かん
程度に
最小限度の生活をする場合に月約二百三十ドルを要するのでありまして、これは
米国人の
收入を
上中下に分けて見ました場合、下の上、或いは中の下に相当するものでありまして、決して高いものでも何でもないのであります。これを年額にして見まするというと、これが二千七百五十ドルということになるのでありまして、これを
号表の第十号にしたわけであります。これを更に
一般職の職員の
給与に関する
法律とか、或いは又、
米国の
外交官の俸給の
職階比率を参照しまして、九号、八号、七号、六号と、こういうふうにずつと
号別に分けて算出したのが今回のこの
比率でございます。
それから
各国との
比率は、これは
先ほどからたびたび
会計課長が
説明しておりまするように、
各国の
物価差とか、こういうものを参酌いたしまして、
米国を一〇〇としてそれぞれ横の
比率をと
つて見たわけであります。一〇〇を越えるものは一〇〇で抑える、こういうふうにいたしてこの
号表を出した次第でございまして、
邦貨に換算いたしますると相当高い金になるようでありまするが、これは
日本の今の金が、外貨に比べまして非常に価値が低くな
つておるから、そういう結果にな
つたのでありまして、
戰前の
大使、
公使等の取
つておりました
給与と比較いたして見ましたならば、まだまだ十分なる活動を願うには足りないものでありまするけれども、
日本の
只今の財政その他の現状から鑑みて、まあこの
程度で
暫らくや
つてもらおうと、こういう線から出しておるのでありまして、決してこれは
厖大なものでないということを御了承願いたいと思います。