○平林太一君
只今原爆の話が出ましたので、私はこの際、私のこれに対する見解を申述べておくことを必要と思いますから申上げます。
行政協定によ
つて我が国土を外部の侵略、脅威から守るために、実はみずからの自立、自主によ
つて果すことを望んでやまないのであります。併しながらその国力か今日ない、その際むしろこれは私から申せば幸いと申して差支えないと思う、いわゆる集団防衛による国連のこの
方針によ
つて、これが力のない我が国が集団の力によ
つて外部の脅威、侵略に備えよう、こういうのでありますから、私はこの点は最も我が
国民はこの際襟度を広ういたしまして、そうしてこの過ぎたる憶測なり、又言葉が卑俗になりまするが、ややもいたしますると枯尾花を見て幽霊と錯覚する、そういうことのないように
一つ落着いてこの問題に対してはしなければならんと思います。でありますから、若しそれ原爆の問題にいたしましても、私は何かこれを感情的に余り過ぎて
考えられますることは避くべきだと思います。その国を守るために必要なる
措置としてこのような事柄がそこに発生をして参りまする場合におきましては、一方的にこれをただ食わずぎらいで排斥することは非常に
考えなければならない。現にイタリアの平和條約におきましても、昨年の十二月におきましては、イタリアは軍備の
制限及び国境、原爆の製造なるものの禁止事項を、いわゆる條約に対しましてこれを改訂いたしましたことを英、米、仏、国連に向
つてこれが要請をいたしました。これは今日国連諸国もそれを妥当な事柄として承認せられつつある傾向にある。こういうことも私はこれを見るのでありますが、そういう事実を、それでありまするから、
従つて行政協定の内容に対しましては、私は恐らく担当
大臣としての岡崎君一々これに応酬されておりまするにつきましても、密かにそういうしばしば内容のこまかな問題に対しましては、この苦悩用憊に陷るような、先方のいろいろの内容におきましては、そういうものを取上げることがあると思います。その苦衷というものは私は察するに余りあるものがある。要するに併しかような苦衷、困憊にあるこのような状況につきましては、是非
一つその
通りに、お
考えの
通りに翌日なり又翌々日のその取極の
会談におきまして、我が国家
国民の利福安寧のために、
一つ非常な御
決意を持
つてそのお
考えにな
つておりまする苦悩、因憊のことを、これを我がほうのためによきように進められることを、更にまだ数日余
つておりますようでありまするが、そういうようにお進めを願
つておきたいことを
一つ御期待申上げます。決して私はこの
行政協定の内容は、そういう細かいことをそれだけの御
決意を持
つて排除し、除去して行くだけの御熱意と御誠意がありまするならば、必ず先方もそれの誠意を認め、又呼応して我がほうの
要求も十分に聞き入れることと私は信じて疑わない一人でございます。それでありますから、その全般につきましては、余り細かなことにまで立入りまして
向うに信を置かない、疑ぐるというようなことで行きますと、却
つていわゆる集団防衛の、細かなものを得るために大きなものを失いまして、その失いましたものが今後の我が国の集団防衛の大きな損失をもたらしまして、後に至
つて取返しのつかんような事態が生じて来るという危險を深く私は憂うるのでございます。でありますから、この際私はたまたま原爆のお話が出て来まして、私といたしましては、ややそういうことは過ぎたることかも知れませんと、そのくらいに私は
考えまして、この
行政協定の取極に対しまして、その本質、その眼目であるところの我が国が外部の力から磐石不動の安心をできるところの守りを保障するということに対して、万全の処置を講ぜられるように担当
大臣でありますところの岡崎君にこの際私は深く御期待申上げて、この際御
決意を大いに
一ついたされまして、国家百年の大計に誤りない御処置を講じて頂きたいということを申上げます。私は今兼岩君の御
質疑に対しまして、私の見解をこの際申上げることを極めて必要と感じましたるために、これは
質疑ではありません、この際申上げておく次第であります。